JPH0947069A - インバータ制御装置 - Google Patents

インバータ制御装置

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JPH0947069A
JPH0947069A JP7212592A JP21259295A JPH0947069A JP H0947069 A JPH0947069 A JP H0947069A JP 7212592 A JP7212592 A JP 7212592A JP 21259295 A JP21259295 A JP 21259295A JP H0947069 A JPH0947069 A JP H0947069A
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一真 大蔵
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 誘導電動機のインバータ制御において電動機
定数の誤差の影響を受けず、しかも高調波による電流制
御の乱れのないものとする。 【解決手段】 フィードフォワード電流制御手段30が
電動機Mの諸定数を用いて第1の電圧指令値を演算し、
フィードバック電流制御手段40が電動機電流のフィー
ドバック比例積分制御により第2の電圧指令値を演算す
る。加算手段50が第1、第2の電圧指令値を加算して
第3の電圧指令値を演算し、これに基づいて駆動手段6
0がインバータ90を駆動する。第3の電圧指令値がイ
ンバータの入力直流電圧よりも大きくなるとき、補正手
段70がインバータの出力電圧の飽和による基本波振幅
の低下を補正するとともに、フィードバックゲイン変更
手段80がフィードバック電流制御手段のフィードバッ
クゲインを0とするから、高調波電流をフィードバック
することによる電流制御の乱れがなくなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、誘導電動機のとく
に電流制御型PWM方式のインバータ制御装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】近年、誘導電動機や同期電動機等の交流
電動機が直流電動機に代わって数多く用いられるように
なってきた。交流電動機を駆動するためには主にPWM
インバータが使用されるが、その出力電圧は当然のこと
ながらインバータの入力直流電圧で制限される。それ以
上の電圧を出力しようとすると、入力直流電圧を高め、
それに伴いインバータの容量を大きくしなければならな
い。
【0003】このような問題を回避するためのインバー
タ制御として、図5に示すようなものがある。ここで
は、二次磁束の方向がγ軸、それと直交する方向がδ軸
となる一次電圧に同期して回る座標系を考え、添え字は
γ軸あるいはδ軸成分を表わす。このシステムでは、誘
導電動機1に対してインバータ2が設けられる。ベクト
ル制御指令演算器16が、外部から与えられる電動機回
転数指令値N* と磁束指令値Φγr* に対応して、電動
機回転数検出値Nを用いて、励磁電流指令値iγs*
トルク電流指令値iδs* 、電動機回転数(電気角)ω
r、電源周波数ωおよび電源位相角θを演算する。4は
誘導電動機1に接続された電動機回転数検出器である。
【0004】励磁電流指令値iγs* とトルク電流指令
値iδs* に対して、フイードフォワードで電流制御を
行うフイードフォワード電流制御器3が設けられる。フ
イードフォワード電流制御器3は、各電流指令値iγs
* 、iδs* を実現する電圧指令値vγs* 、vδs*
を電動機定数を用いて演算するようになっている。電圧
指令値vγs* とvδs* は2相/3相変換器5に入力
され、その変換出力がPWM発生器14に送られてイン
バータ2への制御信号となる。
【0005】さらに、フイードフォワード電流制御器3
の出力である電圧指令値vγs* とvδs* は変調度演
算回路11に入力されて変調度μが演算される。この変
調度μに対応して、補正係数演算回路13が補正係数β
を演算する。補正係数βは、インバータ2の出力電圧の
飽和による出力低下に対して、インバータの出力電圧の
基本波振幅が等しくなるように補正する係数であり、変
調度μ≦1の範囲ではβ=1であり、μ>1の範囲では
β>1となる。PWM発生器14に送られる2相/3相
変換器5の出力が、この補正係数βで補正される。この
方式により、各相電圧を正弦波として駆動する場合は約
27%、空間ベクトルPWM等電圧利用率の大きい駆動
方法の場合は約10%、それぞれ大きな基本波振幅が得
られるようになる。同様の制御システムが特開昭60−
121979号公報、あるいは特開昭59−16598
2号公報にも開示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記従来
の技術では、インバータで誘導電動機を駆動する際、そ
のフイードフォワード電流制御において、電動機の各種
定数を用いて電流指令値から電圧指令値を演算するが、
それら各種定数を正確に同定することがかなり難しい。
また、電動機定数は温度等でも変化するため、実際の電
動機定数に対してある程度の誤差を含まざるを得ない。
【0007】すなわち、図6の(a)は、誘導電動機の
1次抵抗、2次抵抗、1次インダクタンス、2次インダ
クタンス、ならびに相互インダクタンスについてその実
際の値よりそれぞれ10%大きい値を用いてフイードフ
ォワード電流制御を行った場合の励磁電流における指令
値と実際値の比較を示す。また、同図の(b)は同条件
でのトルク電流における指令値と実際値の比較を示す。
横軸tは時間軸である。これらに見られるように、励磁
電流指令値iγ* と実励磁電流値iγの間、またトルク
電流指令値iδ* と実トルク電流値iδの間に、過渡時
における振動と定常値のズレが発生する。
【0008】そこで、このような電動機定数のズレを補
正するために、フィードバック電流制御を加えることが
考えられる。例えば、フィードバック電流制御として比
例積分制御を行った場合の励磁電流指令値iγ* 、実励
磁電流値iγ、およびトルク電流指令値iδ* 、実トル
ク電流値iδを、それぞれ図7の(a)および(b)に
示す。これらのグラフを図6のものと比較すると、過渡
時ならびに定常の制御が良好に行われることがわかる。
【0009】ところが、出力電圧が飽和した場合、イン
バータ出力電圧の基本波は補正係数βにより指令電圧に
一致するが、一方で高調波が増加し、その結果電動機電
流にも高調波が重畳する現象が生じる。そのため、フィ
ードバック電流制御がうまく機能しなくなるのが実情で
ある。図8にその様子を示す。すなわち、例えば電気自
動車のように直流電源としてバッテリを用いたもので
は、放電によりバッテリ電圧の低下が起こる。そこで同
図の(a)に示すように、インバータの入力直流電圧が
低下した場合についてみると、バッテリ電圧の低下とと
もに電圧飽和領域にはいり、(b)に示すように、励磁
電流の指令値に対して実電流には高調波電流が増加して
いる。この現象は、(c)のトルク電流でも同様であ
る。そして、高調波の重畳した電流をフィードバックす
るので、より電流に乱れが生じる。
【0010】このように、フイードフォワード電流制御
だけでは、電動機定数の誤差のため過渡時ならびに定常
での電流制御がうまく行なわれない。また、フイードフ
ォワード電流制御にフィードバック電流制御を付加した
場合、インバータの出力電圧が飽和しない領域では、電
動機定数の誤差の影響がない電流制御が可能となるが、
出力電圧飽和領域では、高調波の重畳した電流をフィー
ドバックすることになるため、電流制御が乱れ、その結
果電動機の出力トルクの乱れを生じ、効率が悪化すると
いう問題がある。したがって本発明は、上記従来の問題
点に鑑み、電動機定数の誤差の影響を受けず、しかも高
調波による電流制御の乱れのない誘導電動機のインバー
タ制御装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】このため本発明は、図1
に示すように、電動機の電流を、電流指令値に追従する
ように制御する電流制御型PWMインバータの制御装置
において、電動機Mの諸定数を用いて電流指令値から第
1の電圧指令値を演算するフィードフォワード電流制御
手段30と、電動機電流と前記電流指令値とから、比例
積分制御により第2の電圧指令値を演算するフィードバ
ック電流制御手段40と、第1の電圧指令値と第2の電
圧指令値とを加算して第3の電圧指令値を演算する加算
手段50と、第3の電圧指令値に基づいてインバータ9
0を駆動する駆動手段60と、前記第3の電圧指令値が
インバータの入力直流電圧よりも大きくなるとき、イン
バータの出力電圧の飽和による基本波振幅の低下を補正
する補正手段70と、第3の電圧指令値がインバータの
入力直流電圧よりも大きくなるとき、フィードバック電
流制御手段のフィードバックゲインを0とするフィード
バックゲイン変更手段80とを有するものとした。
【0012】とくに上記の補正手段は、第3の電圧指令
値から変調度を演算する変調度演算器と、その変調度に
対応した補正係数を演算する補正係数演算器を備えると
ともに、フィードバックゲイン変更手段は、変調度演算
器が変調度に基づいて出力するゲイン切換信号にしたが
って上記のフィードバックゲインを0とするものとする
ことができる。その際、補正係数演算器は、変調度が1
以下のとき補正係数を1とし、変調度が1より大きいと
き補正係数を1より大とするのが好ましく、また、変調
度演算器は、変調度が1より大きいときに上記のフィー
ドバックゲインを0とするゲイン切換信号をフィードバ
ックゲイン変更手段に出力するものとするのが好まし
い。
【0013】
【作用】フィードフォワード電流制御手段とフィードバ
ック電流制御手段の両出力を用いた第3の電圧指令値に
基づいてインバータが駆動される。これにより、電動機
定数の同定に誤差があってフィードフォワード電流制御
手段の指令値で電流制御しきれなかった電圧成分があっ
ても、フィードバック電流制御によりその誤差分が補正
される。補正手段では、インバータの出力電圧が飽和し
て基本波振幅の低下が生じるとき、これを補正するよう
インバータの駆動を制御する。同じくインバータの出力
電圧の飽和領域に入ると、フィードバックゲイン変更手
段がフィードバックゲインを0にするので、直前までの
フィードバック電流制御出力により、電動機定数の誤差
の影響のない電流制御が確保され、かつ高調波電流をフ
ィードバックすることによる電流制御の乱れが防止され
る。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て実施例により説明する。図2は、本発明の実施例を示
すブロック図である。まず、誘導電動機1を駆動するイ
ンバータ2が設けられる。ベクトル制御指令演算器16
が、外部から与えられる電動機回転数指令値N* と磁束
指令値Φγr* を入力として、電動機回転数検出値Nを
用いて、励磁電流指令値iγs* 、トルク電流指令値i
δs* 、電動機回転数(電気角)ωr、電源周波数ωお
よび電源位相角θを下記の式(1)〜(5)により演算
する。電動機回転数検出値Nは誘導電動機1に接続され
た電動機回転数検出器4で検出される。
【0015】 iδs* (s)=(k1+k2/s)(N* (s)−N(s)) (1) ただし、iδs* (s):トルク電流指令値 k1 :電動機回転数調節器比例ゲイン k2 :電動機回転数調節器積分ゲイン N* :電動機回転数指令値 N :電動機回転数検出値 s :ラプラス演算子
【0016】 iγs* (s)=(Lr/MLr)(s+Rr/Lr)φ* γr(s) (2) ただし、iγs* (s):励磁電流指令値 φ* γr(s):磁束指令値 Lr :電動機2次インダクタンス M :電動機相互インダクタンス Rr :電動機2次抵抗
【0017】 ωr=pN (3) ただし、ωr:電動機回転数(電気角) p :電動機極対数 ω=ωr+(MLr/Lr)(iδs* (s)/φ* γr(s)) (4) ただし、ω:電源周波数
【0018】 θ(s)=ω/s (5) ただし、θ:電源位相角 これらの演算式によるベクトル制御は広く一般に用いら
れているものである。
【0019】ベクトル制御指令演算器16にはフイード
フォワード電流制御器3が接続され、励磁電流指令値i
γs* とトルク電流指令値iδs* に対して、フイード
フォワードで電流制御を行う。ここで、ベクトル制御さ
れた、つまりベクトル制御指令演算器16の出力する指
令値通りの電流が流れている誘導電動機の状態方程式
は、式(6)で表わされる。
【数1】 ただし、iγs:励磁電流 iδs:トルク電流 φγr:電動機2次磁束 Rs :電動機1次抵抗 Ls :電動機1次インダクタンス σ :電動機漏れ係数(=1−M2 /LsLr)
【0020】したがって、ベクトル制御が成り立ってい
ると仮定して、フイードフォワード電流制御器3では、
式(7)、(8)の演算により、励磁電流指令値iγs
* 、トルク電流指令値iδs* 、磁束指令値Φγr*
電動機回転数ωr、電源周波数ωから、電圧指令値vγ
* 1およびvδs* 1を出力する。 vγs* 1(s)=(σLs・s+(Rs+Rr(1−σ)Ls/Lr) )iγs* (s)−ωσLs・iδs* (s) −(MRr/Lr2 )Φγr* (s) (7) vδs* 1(s)=ωσLs・iγs* (s)+(σLs・s+(Rs +Rr(1−σ)Ls/Lr))iδs* (s) +(ωrM/Lr)Φγr* (s) (8)
【0021】励磁電流指令値iγs* とトルク電流指令
値iδs* は、さらにフィードバック電流制御器18に
入力される。フィードバック電流制御器18では、励磁
電流指令値iγs* と励磁電流iγs、トルク電流指令
値iδs* とトルク電流iδsとをそれぞれ突き合わせ
て、比例積分制御により電圧指令値vγs* 2とvδs
* 2を演算する。ここで突き合わせする励磁電流指令値
iγsおよびトルク電流iδsは、3相/2相変換器1
7において、インバータ出力の電流検出器19で検出さ
れる電動機3相電流ius、ivs、iwsの式(9)
による座標変換で求められる。式(9)中のθとして、
ベクトル制御指令演算器16の電源位相角出力が用いら
れる。
【数2】
【0022】フイードフォワード電流制御器3の出力と
フィードバック電流制御器18の出力は、互いに加算さ
れて2相3相変換器5に入力される。すなわち、加算器
20が電圧指令値vγs* 1とvγs* 2を加算して電
圧指令値vγs* 3とし、加算器21がvδs* 1とv
δs* 2を加算して電圧指令値vδs* 3とする。2相
3相変換器5では、電圧指令値vγs* 3とvδs*
とが、式(10)により3相の電圧指令値vu* 、vv
* 、vw* に変換される。
【数3】 2相/3相変換器5の変換出力はPWM発生器14に送
られてインバータ2への制御信号となる。
【0023】ここで、電圧指令値vu* 、vv* 、vw
* には、フイードフォワード電流制御器3の電圧指令値
vγs* 1、vδs* 1とフィードバック電流制御器1
8の電圧指令値vγs* 2、vδs* 2の両方が反映さ
れている。これら両方が反映されていることの意味は次
のとおりである。すなわち、電動機定数の同定に誤差が
含まれると、フイードフォワード電流制御器3の出力で
ある電圧指令値vγs* 1とvδs* 1を電動機に加え
ても、指令値通りの電流は流れないことになる。ここ
で、vγs* 2とvδs* 2の内容は、フイードフォワ
ード電流制御器3の電圧指令値vγs* 1とvδs*
で電流制御しきれない電圧成分であり、上記のようにフ
イードフォワード電流制御器3で用いた電動機定数に誤
差があったときには、その誤差を補正する電圧成分とな
る。したがって、フイードフォワード電流制御器3の出
力のみによるとき発生しやすい、ベクトル制御が成立し
ないことにより電流が振動的になる現象が解消される。
【0024】加算器20、21の出力である電圧指令値
vγs* 3、vδs* 3は、さらに変調度演算器11に
も入力される。変調度演算器11は、各相電圧を正弦波
として駆動する場合、電圧指令値vγs* 3およびvδ
* 3から式(11)により変調度μを演算する。この
際の電圧vdcは、直流電源15に付設された電圧検出
器22により検出された値を用いる。 μ=2(vγs* 2 +vδs* 2 1/2 /31/2 vdc (11)
【0025】次に補正係数演算器13において、変調度
μに対応した補正係数が演算される。ここでは、図3に
表わされる関数にしたがい、電圧指令値vu* 、v
* 、vw* を正弦波とする場合の補正係数βを演算し
出力する。この補正係数は、インバータの出力電圧が飽
和する場合、それによる基本波振幅の低下を補正するた
めのものである。したがって、変調度μが1以下に対す
る補正係数βは1として、出力電圧が飽和しなければ補
正を行なわないものとする。そして、1より大きい変調
度μについて補正係数βを1より大きくして、出力電圧
が飽和する範囲で補正を行なうようになっている。な
お、図3の関数では、変調度μが1.273(4/π)
に対する補正係数βは無限大となる。これは、無限大ま
で出力電圧が飽和する、すなわち短形波駆動を行うこと
を意味し、したがって出力電圧の飽和の補正範囲が1.
273までということになる。
【0026】なお、上記では電圧指令値を正弦波とする
場合を示したが、空間ベクトルPWM等の電圧利用率の
高い波形とする場合には、変調度演算器11における変
調度μの演算は式(12)で行なう。 μ=(2(vγs* 2 +vδs* 2 ))1/2 /vdc (12)
【0027】変調度演算器11は、ゲイン切り換え信号
SGをフィードバック電流制御器18へ出力する。この
信号は、変調度μ>1のときフィードバック電流制御器
18のフィードバックゲインを0とする。フィードバッ
ク電流制御器18のフィードバックゲインが0とされる
ことにより、電圧指令値vγs* 2とvδs* 2の値は
更新されず、インバータの出力電圧が飽和する直前の値
に保たれる。なぜなら、飽和する直前に電流が指令値通
りに制御されていたとすると、電圧指令値vγs* 2と
vδs* 2は、フィードバック電流制御器18の積分制
御分だけで構成されることになり、比例ゲインおよび積
分ゲインが0となってもその値は保持されるからであ
る。
【0028】本実施例においては、ベクトル制御指令演
算器16とフイードフォワード電流制御器3が発明のフ
ィードフォワード電流制御手段を構成し、ベクトル制御
指令演算器16と3相/2相変換器17とフィードバッ
ク電流制御器18とでフィードバック電流制御手段を構
成している。 また、加算器20と21が発明の加算手
段を、2相/3相変換器5とPWM発生器14が駆動手
段を、変調度演算器11と補正係数演算器13が補正手
段を、そして、変調度演算器11とフィードバック電流
制御器18とでフィードバックゲイン変更手段をそれぞ
れ構成している。
【0029】本実施例は以上のように構成され、電圧指
令値vu* 、vv* 、vw* にはフイードフォワード電
流制御器3とフィードバック電流制御器18の両方の出
力が反映されているので、フイードフォワード電流制御
器3で用いる電動機定数に誤差があって、フイードフォ
ワード電流制御器3の電圧指令値vγs* 1とvδs*
1で電流制御しきれなかった電圧成分があっても、フィ
ードバック電流制御器18の出力がその誤差を補正する
電圧成分となるので、良好な電流制御が実現される。
【0030】そして、インバータの出力電圧の飽和領域
では、電圧指令値vu* 、vv* 、vw* に対する補正
係数βを1より大きくして、飽和による基本波振幅の低
下が補正される。また、この飽和領域ではフィードバッ
ク電流制御器18のフィードバックゲインが0とされる
ことにより、電圧指令値vγs* 2とvδs* 2の値は
更新されず、インバータの出力電圧が飽和する直前の値
に保たれるので、高調波電流のフィードバックによる電
流制御の不良が改善される。図4に、フイードフォワー
ド電流制御器で用いる1次抵抗、2次抵抗、1次インダ
クタンス、2次インダクタンスおよび相互インダクタン
スの電動機定数を実際の値より10%大きくしたときの
制御結果を示す。図の(a)のように直流電源電圧が低
下してインバータの出力電圧が飽和しても、(b)、
(c)に示されるように飽和による高調波電流は増加す
るが、図8に示した従来例での結果と比較して、フィー
ドバックによる電流制御不良が全く見られない。
【0031】
【発明の効果】以上のとおり本発明は、フィードフォワ
ード電流制御器とフィードバック電流制御器の両出力を
用いた電圧指令値に基づいてインバータを駆動するもの
とし、またインバータの出力電圧の飽和による基本波振
幅の低下を補正する補正手段と、同じく出力電圧の飽和
時にフィードバック電流制御器のフィードバックゲイン
を0とするフィードバックゲイン変更手段とを有するも
のとしたので、電動機定数の誤差の影響のない電流制御
が可能となり、また、直流電源電圧が低下した場合にも
基本波振幅の低下を免れるとともに、高調波電流をフィ
ードバックすることによる電流制御の乱れがなくなると
いう効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施例を示すブロック図である。
【図3】変調度に対する補正係数の関数を示す図であ
る。
【図4】実施例による制御結果を示す図である。
【図5】従来例を示すブロック図である。
【図6】従来例における電流指令値と実際値の比較を示
す図である。
【図7】フィードバック電流制御を加えたときの電流指
令値と実際値の比較を示す図である。
【図8】インバータの出力電圧が飽和したときの電流指
令値と実際値の比較を示す図である。
【符号の説明】
1 誘導電動機 2 インバータ 3 フイードフォワード電流制御器 4 電動機回転数検出器 5 2相/3相変換器 11 変調度演算器 13 補正係数演算器 14 PWM発生器 15 直流電源 16 ベクトル制御指令演算器 17 3相/2相変換器 18 フィードバック電流制御器 19 電流検出器 20、21 加算器 22 電圧検出器 30 フィードフォワード電流制御手段 40 フィードバック電流制御手段 50 加算手段 60 駆動手段 70 補正手段 80 フィードバックゲイン変更手段 90 インバータ M 電動機

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電動機の電流を、電流指令値に追従する
    ように制御する電流制御型PWMインバータの制御装置
    において、電動機の諸定数を用いて電流指令値から第1
    の電圧指令値を演算するフィードフォワード電流制御手
    段と、電動機電流と前記電流指令値とから、比例積分制
    御により第2の電圧指令値を演算するフィードバック電
    流制御手段と、前記第1の電圧指令値と第2の電圧指令
    値とを加算して第3の電圧指令値を演算する加算手段
    と、第3の電圧指令値に基づいてインバータを駆動する
    駆動手段と、前記第3の電圧指令値がインバータの入力
    直流電圧よりも大きくなるとき、該インバータの出力電
    圧の飽和による基本波振幅の低下を補正する補正手段
    と、前記第3の電圧指令値がインバータの入力直流電圧
    よりも大きくなるとき、前記フィードバック電流制御手
    段のフィードバックゲインを0とするフィードバックゲ
    イン変更手段とを有することを特徴とするインバータ制
    御装置。
  2. 【請求項2】 前記補正手段が、前記第3の電圧指令値
    から変調度を演算する変調度演算器と、該変調度に対応
    した補正係数を演算する補正係数演算器を備え、前記フ
    ィードバックゲイン変更手段は、前記変調度演算器が変
    調度に基づいて出力するゲイン切換信号にしたがって前
    記フィードバックゲインを0とするものであることを特
    徴とする請求項1記載のインバータ制御装置。
  3. 【請求項3】 前記補正係数演算器は、前記変調度が1
    以下のとき補正係数を1とし、変調度が1より大きいと
    き補正係数を1より大とするものであることを特徴とす
    る請求項2記載のインバータ制御装置。
  4. 【請求項4】 前記変調度演算器は、前記変調度が1よ
    り大きいときに前記フィードバックゲインを0とするゲ
    イン切換信号を前記フィードバックゲイン変更手段に出
    力するものであることを特徴とする請求項2または3記
    載のインバータ制御装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2007125826A1 (ja) * 2006-04-24 2007-11-08 Panasonic Corporation インバータ装置および空気調和機
JP2012222959A (ja) * 2011-04-08 2012-11-12 Mitsubishi Electric Corp 同期機制御装置

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