JPH094592A - ターボブロワ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】本発明の目的は、空気輸送や紙類の吸着等に使
用されるターボブロワの静音化と高性能化を図ることに
ある。 【構成】羽根車とモータ２を抵抗型消音器を設けた外筒
ケーシング３内に内蔵し、モータのフィンと一体の整流
板１１，１１ａを設けたインバータ駆動高速モータ２と
し、羽根車１，１ａは、外周にディフューザ不配置の二
段型とした構造としている。 【効果】抵抗型消音器により、静音化が図られる。また
整流板により、ブロワ性能が防げる。更にインバータ駆
動高速モータとし、羽根車を二段型として、外周側には
ディフューザを配置しない形態にすることにより、小流
量域での不安定特性が回避され、全流量域で使用でき、
更に小型化が図られる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、空気輸送や紙類の吸着
等に使用される小型のターボブロワに係り、特にブロワ
性能の向上と静音化のためのブロワ構造に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来のターボブロワは、特開昭６１−１
６９６９５号公報や特開昭６３−１００２９８号公報に
記載されているように、単段型羽根車を包囲するブロワ
ケーシング部とモータ部との独立した形態で、ブロワケ
ーシングの端面からの流れはモータ外周を流れずブロワ
ケーシング内を流れて外周部から吐出していく。従来の
ターボブロワでは、流体騒音を低減するために、ブロワ
吸込側に筒状の消音器を設けていた。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】従来のターボブロワで
は、ブロワ吸込側に筒状の消音器を取付けて流体騒音を
低減していたが、消音器の性能が悪く、ブロワ騒音が高
い、また締切り点での使用が出来ない、更に単段型羽根
車のため羽根車部の容積が大きいという問題があった。

【０００４】本発明の第１の目的は、静音のブロワを提
供することにある。また本発明の第２の目的は、小型の
ブロワを提供することにある。更に本発明の第３の目的
は、高圧のブロワを提供することにある。更に本発明の
第４の目的は、圧力幅が広い領域で使用できるのブロワ
を提供することにある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明は、第１の目的を
達成するために、羽根車部と羽根車の後流側のモータ部
とを外筒ケーシング内に内蔵し、外筒ケーシング内の全
領域に消音器を設ける。また、第２の目的を達成するた
めに、インバータ駆動高速モータを使用する。

【０００６】第３の目的を達成するために、羽根車を多
段型とし、好ましくはモータにモータのフィンと一体の
整流板を設ける。第４の目的を達成するために、羽根車
の外周には、ディフューザを配置しないディフューザ不
配置の構造としている。そして好ましくは、主流が締切
り点でもモータを冷却できるように、モータ冷却ファン
と、主流流路とは別の冷却流路を付設する。

【０００７】尚、本願明細書において、羽根車とは遠心
羽根車のことであり、消音器とは抵抗型消音器，共鳴型
消音器のいずれでも良い。また、抵抗型消音器は吸音材
を外筒の内面に内張りをする。この吸音材としては、グ
ラスウール，ウレタンフォーム，ロックウール，綿等が
考えられる。

【０００８】

【作用】ブロワは、羽根車内、羽根車の吐出流路、また
リターンガイドベーン内での流体の乱れにより流体騒音
が発生する。これら流体騒音は、ブロワの吸込口や吐出
口から外部へ放射されて、高い騒音として感じられる。
本発明では、羽根車部と羽根車の後流側のモータ部とを
外筒ケーシング内に内蔵し、外筒ケーシング内の全領域
に消音器を設けることにより、ブロワ部、モータからの
騒音を低減している。

【０００９】またインバータ駆動高速モータを使用する
ことによって小型化をはかることができる。◆そして、
羽根車の形態を二段型に構成したことによりブロワ性能
が低下せずに高圧のブロワを得ることができる。

【００１０】そして従来のターボブロワが羽根車外周に
ディフューザを設置することで、設計流量より小流量域
では圧力が不安定状態となっていたのを、羽根車の外周
にディフューザを配置しないディフューザ不配置の形態
にすることにより、圧力が安定し、小流量域での不安定
特性が回避される。更に、主流の流入する入口とは別
に、外筒ケーシングの側面にモータ冷却風の流入する吸
込口を設け、吐出口も主流の吐出口とは別に設けて冷却
風道を設置して、自冷式のモータとすることにより、小
流量域におけるモータの過熱を防止し、締切り点でのブ
ロワの稼動が可能となり、全流量域で使用できるブロワ
となる。

【００１１】

【実施例】以下、図面を用いて本発明の実施例について
説明する。

【００１２】図１は、第１の実施例を示す断面図であ
る。図１において、ターボブロワは、羽根車１，羽根車
１ａ、リターンガイドベーン５、羽根車よりも後流側に
配置される全閉型他冷式のインバータ駆動高速モータ２
を包囲する外筒ケーシング３から構成され、羽根車側に
吸込口４、モータ側に吐出口７を設けた構造としてい
る。羽根車１，１ａは、内筒ケーシング２７により、外
筒ケーシング３とは独立したブロア部を形成している。

【００１３】インバータ駆動高速モータ２が駆動する
と、回転はシャフト６により羽根車１，１ａに伝達さ
れ、羽根車１，１ａが回転する。吸込口４から流入した
吸込流８は、８ａ〜８ｅの様に、１段目の羽根車１内、
リターンガイドベーン５、２段目の羽根車１ａ内、イン
バータ駆動高速モータ２の外周側の順に流れて、吐出口
７から吐出流８ｆとして吐出していく。

【００１４】本実施例では、静音化を図るため外筒ケー
シング３の内周側全面に消音器９，９ａ，９ｂ，９ｃか
らなる消音流路１０を設けている。これらの消音器は、
抵抗型，共鳴型のいずれかでも良く、また両方を組み合
わせても良い。インバータ駆動高速モータ２付近の消音
器９ｂは、インバータ駆動高速モータ２外周を利用して
羽根車１ａからの流れ８ｄが吐出していくのを妨げない
程度の厚みとしている。また羽根車を小型化しても所要
の圧力が得られるよう羽根車の形態を図に示すように二
段型とし、羽根車外周にはディフューザ不配置として、
小流量域での不安定特性を回避して全流量域で使用でき
るようにしている。

【００１５】以上の構成とすることにより、騒音を低減
した小型のターボブロウを得ることができる。◆尚、羽
根車は小型化は犠牲になるが、２段より多段にしたり、
大型で１段にすることで高圧化をはかっても良い。

【００１６】図２は、第２の実施例である。本実施例で
は第１の実施例と同様に、外筒ケーシング３の内周側全
面に抵抗型或いは共鳴型の消音器９，９ａ，９ｂ，９ｃ
を設けて消音流路１０を形成し、更にインバータ駆動高
速モータ２の外周を利用して整流板１１，１１ａを設け
ている。整流板１１、１１ａは、厚さ１ｍｍ程度でイン
バータ駆動高速モータ２のフィンと一体の構造としてい
る。

【００１７】インバータ駆動高速モータ２のフィンと一
体の整流板１１，１１ａを設けることにより、第１の実
施例同様に吸込口４から流入した吸込流８が羽根車１，
リターンガイドベーン５，１ａを流れ、インバータ駆動
高速モータ２外周を通って吐出口７に吐出していく際
に、羽根車部とモータの隣接する付近で発生する旋回成
分が低減されるため、第１の実施例と比較してブロワ性
能が低減するのが防止され、ブロアの効率が向上する。

【００１８】図３は、第３の実施例である。本実施例で
も外筒ケーシング３ａの内周側全面に、消音器９ｄ，９
ｅ，９ｆ，９ｇを設けて消音流路１０ａを形成してい
る。本実施例の消音器も、第１，第２の実施例と同様
に、消音器は抵抗型，共鳴型のいずれかもしくは両方の
組合せのどちらでも良い。

【００１９】本実施例の特徴は、主流が締切り点であっ
てもモータが冷却できるよう主流とは別の吸込口と吐出
口を有する開放型自冷式のインバータ駆動高速モータ２
ａを設けていることである。インバータ駆動高速モータ
２ａを駆動すると、吸込口４ａから流入した吸込流１９
は、１９ａ〜１９ｄの様に、羽根車１ｂ、リターンガイ
ドベーン５ａ、羽根車１ｃの順に流れて、内部吸込口２
４から、消音流路１０ａ内を流れ吐出口７ａから吐出流
１９ｆとして吐出していく。モータ冷却風２０は、主流
の流入する吸込口４ａとは別に、２０ａ〜２０ｆの様
に、外筒ケーシングの側面に設けたモータ冷却風吸込口
１７に流入し、冷却風道２１を通ってモータエンブラ２
３に設けられた冷却風吸込口１４からステータ１２、ロ
ータ１３の隙間を流れ、冷却風吐出口１５から冷却ファ
ン１６を経て冷却風道２１ａを通って、吐出口７ａの下
側に設けたモータ冷却風吐出口１８から吐出していく。
モータ冷却風の流入する冷却風道２１，２１ａは主流と
混合しないよう仕切板２２，２２ｂ，２２ｃ，２２ｄで
仕切って構成している。

【００２０】これにより、吸込口４ａからの吸込流１９
が小流量であったり締切りであっても、開放型の自冷式
モータでインバータ駆動高速モータ２ａの加熱防止がさ
れ、締切り点でもブロワの稼動が可能となり、全流量域
で使用ができる様になる。また、開放型のモータを使用
したことで、モータの冷却効率が良い。

【００２１】図４は、第４の実施例である。本実施例で
も外筒ケーシング３ａの内周側全面に、抵抗型或いは共
鳴型の消音器９ｄ，９ｅ，９ｈ，９ｉを設けて消音流路
１０ｂを形成し、主流とは独立した吸込口と吐出口とを
持つ全閉型自冷式のインバータ駆動高速モータ２ｂを設
けている。主流とモータ冷却風の流れる流路は仕切板２
６ａ，２６ｂによって仕切られ、インバータ駆動高速モ
ータ２ｂが駆動すると主流は吸込口４ａから流入し、羽
根車１ｂ、リターンガイドベーン５ａ、羽根車１ｃを経
て、内部吸込口２４ａへ流入し、消音器９ｈと、仕切板
２６ａとの間の消音流路１０ｂを通って吐出口７ａから
吐出していく。インバータ駆動高速モータ２ｂを冷却す
るモータ冷却風２５は、外筒ケーシングの側面に設けら
れたモータ冷却風吸込口１７ａから流入しインバータ駆
動高速モータ２ｂの周囲に設けられた冷却風道２１ｂを
通り、冷却ファン１６を経て、外筒ケーシングの側面に
設けられたモータ冷却風吐出口１８ａから吐出してい
く。

【００２２】これにより、吸込口４ａからの吸込流１９
が締切りであったり小流量であっても、モータ冷却風吸
込口１７ａからのモータ冷却風２５によってインバータ
駆動高速モータ２ｂの過熱防止が図られるので、締切り
点でもブロワの稼動が可能となり、全流量域で使用がで
きる様になる。また、全閉型のモータを使用したことに
より、モータに空気中の塵埃が入らない。

【００２３】

【発明の効果】本発明によれば、羽根車部とモータを消
音器を設けた外筒ケーシング内に内蔵することにより、
静音化が図られる。また、インバータ駆動高速モータと
し、二段型羽根車として、羽根車の外周にはディフュー
ザを配置しない形態にすることにより、圧力が安定し、
小流量域での不安定特性が回避されて広い流量域で使用
でき、小型化が図られる。

【００２４】以上により、全体の騒音は、騒音はブロワ
単体騒音に比べ約３０ｄＢも大幅に低減され、かつ小型
化が図られる。

【図面の簡単な説明】

【図１】第１の実施例を示す図である。

【図２】第２の実施例を示す図である。

【図３】第３の実施例を示す図である。

【図４】第４の実施例を示す図である。

【符号の説明】

１，１ａ，１ｂ，１ｃ…羽根車、２，２ａ，２ｂ…駆動
モータ、３，３ａ…外筒ケーシング、４，４ａ…吸込
口、５，５ａ…リターンガイドベーン、６，６ａ…シャ
フト、７，７ａ…吐出口、８…吸込流、８ａ，８ｂ，８
ｃ，８ｄ，８ｅ…流れ、８ｆ…吐出流、９，９ａ，９
ｂ，９ｃ，９ｄ，９ｅ，９ｆ，９ｇ，９ｈ，９ｉ…消音
器、１０，１０ａ，１０ｂ…消音流路、１１，１１ａ…
整流板、１２…ステータ、１３…ロータ、１４…冷却風
吸込口、１５…冷却風吐出口、１６…冷却ファン、１
７，１７ａ…モータ冷却風吸込口、１８，１８ａ…モー
タ冷却風吐出口、１９…吸込流、１９ａ，１９ｂ，１９
ｃ，１９ｄ，１９ｅ…流れ、１９ｆ…吐出流、２０，２
０ａ，２０ｂ，２０ｃ，２０ｄ，２０ｅ，２０ｆ…モー
タ冷却風、２１，２１ａ，２１ｂ…冷却風道、２２，２
２ｂ，２２ｃ，２２ｄ…仕切板、２３…モータエンブ
ラ、２４，２４ａ…内部吸込口、２５，２５ａ，２５ｂ
…モータ冷却風、２６ａ，２６ｂ…仕切板、２７…内筒
ケーシング。

Claims (6)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】羽根車と、該羽根車を駆動するモータと、
   前記羽根車を包囲する内筒ケーシングより構成される羽
   根車部と、該羽根車部と該羽根車部の後流側に前記モー
   タ部とを内蔵する外筒ケーシングにより吸込側と吐出側
   を形成し、前記外筒ケーシング内全域に消音器を形成す
   ることを特徴とするターボブロワ。
2. 【請求項２】請求項１記載のターボブロワにおいて、前
   記モータのフィンと一体の整流板を設けたことを特徴と
   するターボブロワ。
3. 【請求項３】請求項１記載のターボブロワにおいて、前
   記モータに冷却専用ファン及び冷却専用流路を付設した
   ことを特徴とするターボブロワ。
4. 【請求項４】請求項１記載のターボブロワにおいて、前
   記消音器は抵抗型及び／または共鳴型であることを特徴
   とするターボブロワ。
5. 【請求項５】請求項１記載のターボブロワにおいて、前
   記羽根車を多段型にしたことを特徴とするターボブロ
   ワ。
6. 【請求項６】請求項１記載のターボブロワにおいて、前
   記モータをインバータ駆動高速モータにしたことを特徴
   とするターボブロワ。