JPH09457A - 埋め込み式加熱調理器 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 開口部から侵入した水等の液体を、本体部内
に流入することを防止し、本体内の電気部品の漏電や故
障の可能性を排除することを目的とする。 【構成】 後方に開口部３５と後部ケース３６を有する
天板部２１と、天板部２１の下方に位置する本体部２９
を有し、本体部２９後部には、本体部２９底面より、下
方に底面を有し本体と仕切られた箱状の金属製ケース３
８−１または樹脂製ケース３８−２を設けた構成とす
る。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、一般家庭で使用する埋
め込み式加熱調理器特にその天板の開口部から侵入する
水の処理構造に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来の技術を埋込式誘導加熱調理器を例
に説明する。

【０００３】従来、この種埋込式誘導加熱調理器は図３
〜図５に示すような構造であった。すなわち、１はキッ
チン台２の上面切り欠き部に落とし込まれた天板部で、
箱状の天板部ケース３の内部には加熱コイル４やその中
央部に取りつけられた温度検知用センサー５、発振用ト
ランジスタやその他の電子部品を有する回路基板６、そ
れらを冷却するファン７を有し、上面をセラミック製の
天板８で覆っている。９は本体部で、金属製の本体部ケ
ース１０の内部には、加熱ヒータ（図示していない）を
有するロースタ部１１、ポケット式の操作部１２などを
有しており、キッチン台２の前方から挿入され、天板部
１と結合し固定されている。１３はキッチン台２内部に
設けられたコンセントに接続される電源プラグ、１４は
電源コードであり、本体部ケース切り欠き部１０ａを経
て本体部９に導入されている。１５は天板８の後部に設
けられた吸排気用の開口部、１６は開口部１５の下方に
設けられ吸排気の通路を形成する後部ケースで、天板部
１の吸排気通路及びロースタ部排気口１７に連通してお
り、下部には後部ケース切り欠き部１６ａがある。１８
は水などの液体が開口部１５より侵入した際の受け皿の
役割をする金属で構成された箱状の金属製ケースで、そ
の底部は本体部ケース切り欠き部１０ａの下端に向かっ
て上方より傾斜し取りつけられている。１９は鍋、
（イ）は本体部ケース１０とキッチン台２の間隙で電源
コード１４の直径よりも大きい。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】上記構造において、第
一の課題として、天板部１上で鍋１９から水などをこぼ
し、開口部１５から水が侵入した場合、後部ケース１６
内を伝い後部ケース切り欠き部６ａから金属製ケース１
８上に滴下する。金属製ケース１８の底部は本体部ケー
ス切り欠き部１０ａの下端に向かって上方より傾斜して
いるため、水は自然に本体部ケースに流れ込み、本体部
ケース１０内にたまり電気部品やコードなどの漏電や故
障につながる可能性があった。

【０００５】第２の課題として、本体部９は電源コンセ
ント及び天板部１と電源コード１４などと電気的に接続
した後キッチン台２の前方より挿入されるため、電源コ
ード１４の長さに余裕をもたせている。このため挿入の
仕方によっては、電源コード１４のたるみの部分が本体
部ケース１０とキッチン台２の間隙に挟み込まれ、ロー
スタ部１１下方の温度の高い部分に触れ長時間使用した
場合、絶縁被覆が劣化する可能性があった。

【０００６】第３の課題は、金属製ケース１８は金属製
であり形状的に水漏れ防止のためのシールをしており品
質確保にコストを要し、また、本体部９からの熱伝導に
より温度が比較的高くなることであった。

【０００７】第４の課題は、天板８で多量の水などがこ
ぼれ開口部１５に侵入した場合、金属製ケース１８より
溢れ出す可能性である。

【０００８】本発明はかかる課題を解決し天板８上で水
などがこぼれ、開口部１５より侵入した水が本体部９内
部に流入することを防止し、電気部品やコードなどの漏
電や故障の可能性を排除することを目的としたものであ
る。

【０００９】

【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するため、請求項１記載に係る発明は第１の課題、第
２の課題を解決する手段として、後方に開口部を備えた
天板部と、前記天板部の下方に位置する本体部を有し、
前記本体部後部には、前記本体部底面より、下方に底面
を有する本体と仕切られた箱状ケースを設ける構成とし
たものである。

【００１０】また、第３の課題を解決する手段として、
請求項２記載に係る発明は箱状のケースを樹脂で構成し
たものである。

【００１１】また、第４の課題を解決する手段として、
請求項３記載に係る発明は箱状のケースの底面、また
は、側面下部に筒状のホースを設けたものである。

【００１２】

【作用】本発明は、請求項１記載に係る発明の構成によ
り、開口部から侵入した水などは、本体部底面より下方
に底面を有する本体部と仕切られた箱状のケースにたま
り、本体部に流入しない。更に多くの水が開口部から侵
入し、箱状ケースから溢水しても、箱状側面の上縁が本
体部切り欠き部の下端より低いので、水は本体部に流入
しない。また、本体部とキッチン台の間隙が小さくなり
コードを挟み込むことなくコードが高温部に触れること
もない。

【００１３】また、請求項２記載に係る発明の構成によ
り、前記作用に加えて、樹脂成型で箱状のケースを造る
ため形状の制約が少なく、製造上ケースからの水漏れを
防止するための加工の必要がない。また、熱伝導が小さ
く温度上昇しない。

【００１４】また、請求項３記載に係る発明の構成によ
り、開口部に大量の水などが侵入しても、ケースにたま
る水は埋め込み式調理器の外の安全な場所に排水して、
埋め込み式調理器内にも水などが流出しなくなる。

【００１５】

【実施例】

（実施例１）以下本発明の実施例１について、埋め込み
式誘導加熱調理器を例に図面を基に説明する。

【００１６】なお、本発明の実施例の外観は、図６に示
す従来例とほぼ同様であるため省略する。

【００１７】図１において、２１はキッチン台２２の上
面切り欠き部に落とし込まれた天板部で、箱状の天板部
ケース２３の内部には加熱コイル２４やその中央部に取
りつけられた温度検知用センサー２５、発振用トランジ
スタやその他の電子部品を有する回路基板２６、それら
を冷却するファン２７を有し、上面をセラミック製の天
板２８で覆っている。２９は本体部で、金属製の本体部
ケース３０の内部には、図示していないが、加熱ヒータ
を有するロースタ部、ポケット式の操作部などを有して
おり、キッチン台２２の前方から挿入され、天板部２１
と結合し固定される。３３はキッチン台２２内部に設け
られたコンセントに接続される電源プラグ、３４は電源
コードであり、本体部ケース切り欠き部３０ａを経て本
体部２９に導入されている。３５は天板２８の後部に設
けられた吸排気用の開口部、３６は開口部３５の下方に
設けられ吸排気の通路を形成する後部ケースで天板部２
１の吸排気通路及びロースタ排気口３７に連通してお
り、下部には後部ケース切り欠き部３６ａがある。３８
−１は本体部ケース切り欠き部３０ａの後部に設けら
れ、本体部ケース３０の底面より下方に底面を有する箱
状の金属製ケースで、箱状側面の上縁は、本体部ケース
切り欠き部３０ａの下端より低い位置にある。３９は
鍋、（イ）は本体部ケース３０の底部とキッチン台との
間隙で電源コード３４の直径よりも大きい。

【００１８】次にこの実施例１の構成による作用を説明
する。調理中の鍋３９からのふきこぼれや、水のこぼれ
が開口部３５から侵入すると、後部ケース３６を伝い、
後部ケース切り欠き部３６ａから金属製ケース３８−１
上に滴下する。本実施例の金属製ケース３８−１は本体
部ケース３０の底面より下方に底面をもつかなり深い箱
状をしており水はこのケースにたまり、本体部ケース３
０には流入しない。更に多量の水が開口部３５より侵入
した場合は箱状の金属製ケース３８−１から溢水するが
この場合でも、箱状側面の上縁が本体ケース切り欠き部
３０ａの下端より低い位置にあるので、水は本体部ケー
ス３０内に入ることがなく、漏電や故障の可能性を排除
している。

【００１９】また、金属製ケース３８−１の底面が本体
部ケース３０の底面より下方にあり、本体部２９をキッ
チン台２２の前方から挿入する際、電源コード３４のた
るみ部が本体部３０の底部とキッチン台２２との間隙に
挟み込まれ高温部に触れることを防止して、漏電や故障
の可能性を排除している。

【００２０】（実施例２）以下本発明の実施例２につい
て、図１を基に説明する。

【００２１】実施例２が実施例１と異なる点は、実施例
１における箱状のケースが金属製ケース３８−１である
のに対し、実施例２においては箱状のケースが樹脂製ケ
ース３８−２である点である。その他の構成部品は実施
例２は実施例１と同じであるため、実施例２においても
図１を基にすることにし実施例１と同じ部分については
詳細な説明を省略する。

【００２２】図１において３８−２は樹脂成型で造られ
た箱状の樹脂製ケースで、本体部ケース３０の底面より
下方に底面を有し、箱状側面の上縁は本体部ケース切り
欠き部３０ａの下端より低い位置にある。

【００２３】次に、この実施例２の構成による作用を説
明する。樹脂製ケース３８−２は樹脂製であるため、形
状の制約が少なく、金属製ケースのように形状によって
は水漏れ防止のための処理をする必要がなく、コスト削
減になる。

【００２４】また、樹脂製ケース３８−２の底面が本体
部ケース３０より下方にあり、本体部２９をキッチン台
２２の前方から挿入する際、電源コード３４のたるみ部
が本体部ケース３０の底部とキッチン台２２との間隙に
挟み込まれ、高温部に触れることを防止して漏電の危険
性と故障の可能性を排除している。この際、樹脂製ケー
ス３８−２は樹脂の熱伝導が小さく高温にならないので
より安全である。

【００２５】（実施例３）以下本発明の実施例３につい
て、図面を基に説明する。

【００２６】図２において、６１はキッチン台６２の上
面切り欠き部に落とし込まれ、内部に加熱コイル６４な
どを有する天板部で、その上面は天板６８で覆われてい
る。６９は本体部で、金属製の本体部ケース７０の内部
には、図示していないが加熱ヒータを有するロースタ部
及び操作部などを有しており、キッチン台６２の前方か
ら挿入される。７３はキッチン台６２内部に設けられ、
コンセントに接続された電源プラグ、７４は電源コード
であり、本体部ケース切り欠き部７０ａを経て本体部６
９に導入されている。７５は天板６８の後部に設けられ
た吸排気用の開口部、７６は開口部７５の下方に設けら
れ、吸排気の通路を形成する後部ケースで、天板部６１
の吸排気通路及びロースタ排気口７７に連通しており、
下部には後部ケース切り欠き部７６ａがある。７８は本
体部ケース切り欠き部７０ａの後部に設けられ、本体部
ケース７０の底面より下方に底面を有する箱状の金属製
ケースで、箱状側面の上縁は本体部ケース切り欠き部７
０ａの下端より低い位置にある。７９は金属製ケース７
８の側面下方に設けた排水用のホースでキッチン台６２
の外へのびている。８０は鍋、（イ）は本体部ケース７
０の底部とキッチン台６２との間隙で電源コード７４の
直径よりも大きい。

【００２７】次にこの実施例３の構成による作用を説明
する。調理中の鍋８０からのふきこぼれや、水のこぼれ
が開口部７５から侵入すると、後部ケース７６を伝い、
後部ケース切り欠き部７６ａから金属製ケース７８上に
滴下する。本実施例の金属製ケース７８は本体部ケース
７０の底面より下方に底面をもつ箱状をしており、水は
この金属製ケース７８にたまり、本体部ケースには流入
しない。また、金属製ケース７８にたまった水は排水用
のホース７９によりキッチン台６２の外に排出されるの
で、さらに多量の水が開口部７５より侵入した場合で
も、水は本体部ケース７０内に入らないことは勿論、キ
ッチン台６２の中へ溢れ出すこともない。また、金属製
ケース７８内にもたまらず、万一大量の水が開口部７５
から侵入した場合でも漏電や故障の可能性を排除するこ
とができる。

【００２８】また、金属製ケース７８の底面が本体部ケ
ース７０より下方にあり、本体部６９をキッチン台６２
の前方から挿入する際、電源コード７４のたるみ部が本
体部ケース７０の底部とキッチン台６２との間隙に挟み
込まれ高温部に触れることを防止しており、電源コード
７４が高温部に触れることによる漏電や故障の可能性を
排除している。

【００２９】

【発明の効果】以上のように本発明は、後方に開口部を
備えた天板部と、前記天板部の下方に位置する本体部を
有し前記本体部後部には、前記本体部底面より、下方に
底面を有する本体と仕切られた箱状のケースを設けたの
で鍋からのふきこぼれなどでこぼれた水が、開口部から
入っても箱状のケースが受け皿となり、ケースにたまり
本体部に流入しない。万一、大量の水が侵入しても箱状
ケースの側面上縁部より溢れるが、本体部には流入しな
いので、電気部品の漏電や故障の可能性を排除できる。

【００３０】また、ケース底面を本体部底面より下方に
設けているので、本体部底部とキッチン台との間隙が小
さくなり、本体部をキッチン台前方から挿入する際、誤
って電源コードが挟み込まれることがなくなり、電源コ
ードが高温部に触れることによる劣化や漏電の可能性を
排除できる。

【００３１】また、上記箱状のケースを樹脂成型など樹
脂で構成することにより、形状の制約が少なく、製造
上、ケースからの水漏れを防止する工程が不要となり、
品質の安定とコスト削減がはかれる。

【００３２】また、上記箱状のケースの底面、または側
面下部に筒状のホースを設け、ケース内に滴下した水を
器体外に排出することにより、万一、開口部から大量の
水が侵入しても、本体部内への流入は勿論、キッチン台
内へ溢れ出すことも防止し、また、ケース内にも水がた
まらないので万一の場合にも安全を図ることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施例１と２における埋込み式加熱調
理器の要部横断面図

【図２】本発明の実施例３における埋込み式加熱調理器
の要部横断面図

【図３】従来例における埋込み式加熱調理器の要部横断
面図

【図４】従来例における埋込み式加熱調理器の本体部ケ
ースの斜視図

【図５】従来例における埋込み式加熱調理器の外観斜視
図

【符号の説明】

１、２１、６１ 天板部 ２、２２、６２ キッチン台 ４、２４、６４ 加熱コイル ８、２８、６８ 天板 ９、２９、６９ 本体部 １０、３０、７０ 本体部ケース １３、３３、７３ 電源プラグ １４、３４、７４ 電源コード １５、３５、７５ 開口部 １６、３６、７６ 後部ケース １８、３８−１、７８ 金属製ケース ３８−２ 樹脂製ケース ７９ ホース（排水用） １６ａ、３６ａ、７６ａ 後部ケース切り欠き部 １０ａ、３０ａ、７０ａ 本体部ケース切り欠き部 （イ） 本体部ケース底部とキッチン
台の間隙の寸法

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 後方に開口部を備えた天板部と、前記天
   板部の下部に位置する本体部を有し、前記本体部後部に
   は、前記本体部底面より、下方に底面を有する本体と仕
   切られた箱状のケースを設けた埋め込み式加熱調理器。
2. 【請求項２】 箱状のケースは樹脂で構成された請求項
   １記載の埋め込み式加熱調理器。
3. 【請求項３】 箱状のケースの底面、または側面下部
   に、筒状のホースを設けた請求項１または２のいずれか
   に記載の埋め込み式加熱調理器。