JPH0945576A - 積層電子部品の製造方法 - Google Patents

積層電子部品の製造方法

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JPH0945576A
JPH0945576A JP21961595A JP21961595A JPH0945576A JP H0945576 A JPH0945576 A JP H0945576A JP 21961595 A JP21961595 A JP 21961595A JP 21961595 A JP21961595 A JP 21961595A JP H0945576 A JPH0945576 A JP H0945576A
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JP
Japan
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electronic component
electrode
forming
laminated electronic
molded body
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Application number
JP21961595A
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English (en)
Inventor
Nagato Omori
長門 大森
Teruo Yoshida
照男 吉田
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Murata Manufacturing Co Ltd
Original Assignee
Murata Manufacturing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 小型かつ高性能な積層電子部品を効率よく製
造する。 【構成】 素子部1となるセラミック成形体1aの表面
にレジスト12aを塗布して、内部電極2が配設される
電極配設用空隙13を形成すべき位置に対応する部分が
レジスト12aに覆われないようなレジストパターン1
2を形成し、素子部1となるセラミック成形体1aの、
レジスト12aに覆われていない部分をドライエッチン
グして内部電極2が配設される電極配設用空隙13を形
成した後、該電極配設用空隙13に内部電極2を形成す
る。また、基体(基板)11上にドライメッキ法により
直接形成するか、あらかじめ形成して基板11上に接合
したセラミック成形体1aに、レジストパターン12を
形成し、ドライエッチングにより電極配設用空隙13を
形成した後、電極配設用空隙13に内部電極2を形成す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子部品の製造方
法に関し、詳しくは、積層セラミックコンデンサ、積層
バリスタ、積層圧電素子、多層セラミック基板などの、
セラミック中に内部電極を配設してなる積層電子部品の
製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】代表的
な積層電子部品の一つである積層セラミックコンデンサ
は、例えば、以下に説明するような方法により製造され
ている。
【0003】素子寸法より大きな所定の大きさのセラ
ミックグリーンシート上に内部電極形成用の電極ペース
トを付与(印刷)して乾燥させた後、これを複数枚積
層、圧着することにより内部に電極ペースト(内部電
極)が配設された圧着ブロックを形成する。 それから、この圧着ブロックを所定の位置でカットし
て個々の素子を切り出し、所定の条件下で焼成する。 焼成後、内部電極と導通するように、素子の所定の位
置に電極ペーストを塗布し、これを焼き付けることによ
り端子電極を形成する。
【0004】ところで、近年、電子回路の高密度化、高
集積化に伴って積層電子部品の一層の小型化が望まれる
に至っており、上記の製造方法において積層電子部品の
小型化を実現しようとすると、セラミック層及び内部電
極の厚みを小さくすることが必要となる。しかし、セラ
ミック層や内部電極の厚みを小さくすると、焼成工程に
おいて、内部電極の切断(電極切れ)や、内部電極の異
常成長による短絡などが発生したり、あるいはセラミッ
ク層に孔が発生して耐電圧性能の低下を招いたりすると
いう問題点があり、積層電子部品をさらに小型化するこ
とは必ずしも容易ではないのが実情である。
【0005】そこで、上記問題点を解決するために、基
板上に、CVD法などを用いてセラミック層と内部電極
(導電体電極)を交互に形成した後、基板を除去する方
法が提案されており(特開平5−335173号公
報)、この方法は、積層電子部品を構成するセラミック
層及び内部電極がともに緻密で、しかも焼結や焼付けな
どの熱処理が不要であるため、熱応力を受けることがな
く、薄層・多層化を図ることができるという特徴を有し
ている。
【0006】しかし、この方法においては、CVD法な
どによりセラミック層と内部電極とを交互に形成するよ
うにしているため、マスク位置の精度を高く保つことが
必要で、製造設備が複雑になるとともに、セラミック層
と内部電極を交互に形成するための繰返し動作を行うこ
とが必要になるため、生産効率が低いという問題点があ
る。また、上記の方法では集積回路上に直接形成するこ
とが困難であるという問題点がある。
【0007】本発明は、上記問題点を解決するものであ
り、小型かつ高性能な積層電子部品を効率よく製造する
ことが可能な積層電子部品の製造方法を提供することを
目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記問題点を解決するた
め、本発明の積層電子部品の製造方法は、セラミック中
に内部電極が配設された構造を有する積層電子部品の製
造方法において、素子部となるセラミック成形体の表面
にレジストを付与して、内部電極が配設される電極配設
用空隙を形成すべき位置に対応する部分がレジストに覆
われないようなレジストパターンを形成するレジストパ
ターン形成工程と、前記素子部となるセラミック成形体
の、前記レジストに覆われていない部分をドライエッチ
ングして内部電極が配設される電極配設用空隙を形成す
るドライエッチング工程と、前記ドライエッチング工程
で形成された電極配設用空隙に内部電極を形成する内部
電極形成工程とを具備することを特徴としている。
【0009】また、前記素子部となるセラミック成形体
が、絶縁材料からなる基体上に、ドライメッキ法により
形成されたものであることを特徴としている。
【0010】さらに、前記素子部となるセラミック成形
体が、あらかじめ形成され、絶縁材料からなる基体上に
接合されたものであることを特徴としている。
【0011】さらに、レジストパターン形成工程、ドラ
イエッチング工程、及び内部電極形成工程を経て素子
(積層電子部品)が形成された後、前記基体を取り除く
ことを特徴としている。
【0012】さらに、前記内部電極形成工程において、
内部電極をドライメッキ法により形成することを特徴と
している。
【0013】さらに、前記内部電極形成工程において、
内部電極を湿式メッキ法により形成することを特徴とし
ている。
【0014】また、前記素子部となるセラミック成形体
を導体上に直接形成するか、あらかじめ形成したセラミ
ック成形体を導体上に接合した後、ドライエッチングに
より電極配設用空隙を形成し、前記導体をカソード電極
として電解メッキを施すことにより内部電極を形成する
工程を経て素子(積層電子部品)を形成した後、前記導
体を取り除くことを特徴としている。
【0015】
【作用】素子部となるセラミック成形体の表面に、所定
のレジストパターンを形成し、ドライエッチングを行う
ことにより内部電極を配設するための電極配設用空隙を
形成した後、該電極配設用空隙に内部電極を形成するよ
うにしているので、従来の、基板上にCVD法などによ
りセラミック層と内部電極を交互に形成する方法のよう
にマスクを用い、その位置精度を高く保つようなことが
不要となるため、製造設備を簡略化することが可能にな
るとともに、セラミック層と内部電極を交互に形成する
ための繰返し動作を行うことが不要になるため、生産効
率を向上させることが可能になる。したがって、本発明
の積層電子部品の製造方法によれば、小型かつ高性能な
積層電子部品を効率よく製造することが可能になる。な
お、本発明において、電極配設用空隙を形成するための
ドライエッチング方法としては、プラズマエッチング
法、反応性イオンエッチング(RIE)法、集束イオン
ビーム法などの種々の方法を用いることが可能である。
【0016】また、前記素子部となるセラミック成形体
を、絶縁材料からなる基体上に、ドライメッキ法により
形成することにより、積層電子部品を集積回路上などに
直接形成することが可能になる。なお、セラミック成形
体を形成するためのドライメッキ法としては、CVD
法、PCVD法などの公知の種々の方法を用いることが
可能である。
【0017】さらに、前記素子部となるセラミック成形
体をあらかじめ形成しておき、これを絶縁材料からなる
基体上に接合することによっても、積層電子部品を集積
回路上などに形成することが可能になる。また、この場
合、あらかじめ所定の組成を有するセラミック成形体を
形成しておくことができるので、セラミック成形体をド
ライメッキ法により直接基体上に形成する場合のように
セラミック成形体の組成が制約されることがなく、広範
囲な特性を有する積層電子部品を容易に製造することが
可能になる。
【0018】また、本発明の積層電子部品の製造方法に
おいては、基体上のセラミック成形体にレジストパター
ンを形成し、ドライエッチング工程、及び内部電極形成
工程を経て素子(積層電子部品)を形成した後、前記基
体を取り除くことにより、独立した積層電子部品を得る
ことが可能になる。
【0019】さらに、内部電極形成工程において、内部
電極をドライメッキ法により形成することにより、電極
ペーストが印刷されたセラミックグリーンシートを積層
する従来の方法とは異なり、素子部と内部電極の両方の
熱処理が不要になり、熱処理工程での電極切れや内部電
極の短絡などの発生を確実に防止することが可能にな
り、本発明をより実効あらしめることが可能になる。な
お、内部電極を形成するためのドライメッキ法として
は、CVD法、真空蒸着法、スパッタリング法などの公
知の種々の方法を用いることが可能である。
【0020】また、内部電極形成工程において、内部電
極を湿式メッキ法により形成することにより、素子部を
構成するセラミックと内部電極の両方の熱処理が不要に
なるとともに、電極配設用空隙の開口幅が狭く、かつ深
さが深い場合にも、電極配設用空隙の内部に緻密な電極
(内部電極)を形成することが可能になる。なお、湿式
メッキとしては、無電解メッキ法を用いてもよく、また
電解メッキ法を用いてもよい。
【0021】また、前記素子部となるセラミック成形体
を導体上に直接形成するか、あらかじめ形成したセラミ
ック成形体を導体上に接合した後、ドライエッチングに
より電極配設用空隙を形成し、導体をカソード電極とし
て電解メッキを施すことにより、緻密な内部電極を効率
よく形成することが可能になるとともに、素子(積層電
子部品)が形成された後、導体を取り除くことにより、
複雑な工程を必要とすることなく、小型かつ高性能の積
層電子部品を確実に得ることが可能になる。
【0022】
【実施例】以下、本発明の実施例を示してその特徴とす
るところをさらに詳しく説明する。
【0023】[実施例1]図1〜図5は、本発明の一実
施例にかかる積層電子部品の製造方法を示す図である。
なお、この実施例では、図5に示すように、基板(基
体)11上のセラミックからなる素子部1に、セラミッ
ク層1aを介して対向するように複数層の内部電極2が
配設され、かつ、素子部1の両端側に内部電極2と導通
する端子電極3が配設された構造を有する積層電子部品
(積層セラミックコンデンサ)10を製造する場合を例
にとって説明する。
【0024】まず、図1に示すような平板状の基体
(基板)11上に、図2に示すように、素子部1となる
板状のセラミック成形体1aをCVD法により形成す
る。 次いで、セラミック成形体1aの表面にフォトリソグ
ラフィープロセスによりレジストパターン12を形成す
る(図3)。このレジストパターン12は、素子部1と
なるセラミック成形体1aの内部電極2(図5)が配設
される電極配設用空隙13(図4)となる位置に対応す
る部分がレジスト12aに覆われないようなくし歯状の
形状を有している。 それから、ドライエッチングを行い、図4に示すよう
に、セラミック成形体1aのレジストパターン12に覆
われていない部分を除去することにより、電極配設用空
隙(貫通溝)13を形成する。このとき、セラミック成
形体1aはつづら折り状の構造となっている。なお、こ
の実施例1では、電極配設用空隙13として貫通溝を形
成したが、電極配設用空隙13として貫通していない溝
を形成することも可能である。 次いで、電極配設用空隙13に、ドライメッキ法(例
えば蒸着法)により内部電極2を形成する(図5)。そ
れから、必要に応じてレジストパターン12を除去して
不要電極部分を除去する。なお、この実施例1の積層電
子部品(積層セラミックコンデンサ)10においては、
素子部1の両端側に形成された電極部分が内部電極2と
導通する端子電極3となっている(図5)。
【0025】なお、内部電極2を形成し、レジストパタ
ーン12を除去した後、素子(積層電子部品)10(図
5)の上面に保護層として、SiO2膜、セラミック
層、樹脂層などを設けることも可能である。
【0026】また、上記実施例1では、基板11を素子
(積層電子部品)10に取り付けたままにしているが、
必要に応じて基板11を取り除くようにしてもよい。ま
た、基板11を取り除いた後、素子(積層電子部品)1
0の上下両面に保護層としてSiO2膜、セラミック
層、樹脂層などを設けることも可能である。
【0027】上記実施例1では、一つの積層電子部品
(積層セラミックコンデンサ)を製造する場合を示した
が、複数の積層電子部品を同時に製造することも可能で
ある。すなわち、例えば、基板上に複数の素子部となる
板状のセラミック成形体(マザーセラミック成形体)を
CVD法により形成した後、その表面にレジストパター
ンを形成し、ドライエッチングを行って電極配設用空隙
(貫通溝)を形成した後、ドライメッキを行うことによ
り、図6に示すように、基板11上のマザーセラミック
成形体31aの電極配設用空隙13に内部電極2が配設
されたマザーブロック30(図6)を形成し、これを図
7に示すように、所定の位置でカットして個々の素子
(積層電子部品)10を切り出すことにより、複数の積
層電子部品を同時に製造することができる。
【0028】なお、この場合においても、基板11を素
子(積層電子部品)10に取り付けたままにしてもよ
く、また、必要に応じて素子(積層電子部品)10から
基板11を取り除くようにしてもよい。さらに、必要に
応じて、素子(積層電子部品)10の上下の露出面に保
護層として、SiO2膜、セラミック層、樹脂層(図示
せず)などを設けてもよい。
【0029】発明をさらに詳しく説明するため、以下に
積層電子部品(積層セラミックコンデンサ)を製造する
場合の具体例を示す。
【0030】具体例 なお、この具体例は、複数の積層電子部品を同時に製造
するものであるが、理解を容易にするため、単一の積層
電子部品を製造する場合の製造工程を示す図1〜図5を
参照しつつ説明を行い、必要に応じて、複数の積層電子
部品を同時に製造する場合の製造工程を示す図6,図7
を参照することとする。
【0031】図8は、誘電体セラミックからなるセラミ
ック成形体(誘電体素子部)を形成するのに用いた熱C
VD装置の概略構成を示す図である。この熱CVD装置
は、チャンバー21、基板11(図1など)がセットさ
れるサセプタ22、O2ガスの供給路23、Arキャリ
アガスの供給路24、チタンイソプロポキシド(TI
P)を入れたベッセル25、四エチル鉛(Pb(C
254)を入れたベッセル26、ベッセル25及び2
6に取り付けられたバルブ27,28を備えて構成され
ており、ベッセル25及び26は、Arキャリアガスの
供給路24と並列に配設されている。
【0032】以下、この熱CVD装置を用いて積層電子
部品を製造する方法について説明する。
【0033】まず、基板11(図1,図6)として、
幅及び長さがそれぞれ7.5cm、厚み0.2mmのSiO
2基板を用意し、これを図8の熱CVD装置のサセプタ
22上にセットした。 次いで、サセプタ22を600℃に加熱した状態でチ
タンイソプロポキシドを入れたベッセル25のバルブ2
7と、四エチル鉛を入れたベッセル26のバルブ28を
開いて、気化したチタンイソプロポキシド及び四エチル
鉛の各原料ガスをArキャリアガスとともに、チャンバ
ー21に供給し、この原料ガスをO2ガスとともに基板
11(図1など)に吹き付けて反応させ、図2に示すよ
うに、基板11上に厚さ2μmのチタン酸鉛薄膜(セラ
ミック成形体)1a(詳しくは、マザーセラミック成形
体31a(図6))を形成した。 それから、このチタン酸鉛薄膜1aの表面に、レジス
ト12aとして、ポリイミド樹脂を塗布し、所定のパタ
ーン29(図9)を用いて露光を行い、さらに現像処理
を施すことにより、レジストパターン12(図3)を形
成した。なお、ここで用いた露光用のパターン29(図
9)の各部の寸法は次の通りである。 空隙形成用スリット部の幅A =0.5μm スリット部と交互に配設された帯状部の幅B=0.5μm 全体の長さC =150μm 全体の幅D =140μm その後、ドライエッチングを行い、図4に示すよう
に、セラミック成形体1aのレジストパターン12に覆
われていない部分を除去することにより、電極配設用空
隙(貫通溝)13を形成した。 次いで、電極配設用空隙13に、Cuを蒸着すること
により内部電極2を形成した(図5及び図6)。 それから、剥離液によりレジストパターン12を剥離
した後、図7に示すように、ダイシングソーによって個
々の素子(積層電子部品)10を切り分け、例えば図5
に示すような、厚みT=0.202mm、長さL=150
μm、幅W=150μm、素子厚t1(セラミック層1a
(図5)の厚み)=0.5μm、内部電極厚t2=0.5
μm、積層数N−1=140層の積層セラミックコンデ
ンサ10を得た。
【0034】得られた積層セラミックコンデンサについ
てその電気特性を測定したところ(n=50、測定条件
=1kHz、0.5V)、静電容量=400pF,誘電
損失=6.5%、内部電極の短絡発生率=0個/50個
(試料数)という結果が得られた。
【0035】上述のように、基板11上に熱CVD法に
よりセラミック成形体1a(マザーセラミック成形体3
1a)を形成し、その表面にレジストパターン12を形
成した後、ドライエッチングにより電極配設用空隙13
を形成し、該電極配設用空隙13にCuを蒸着すること
により内部電極2を形成するようにしているので、素子
部1及び内部電極2を形成した後の熱処理が不要にな
り、薄層・多層構造を有する、高信頼性、高性能の積層
電子部品(積層セラミックコンデンサ)を容易かつ確実
に製造することが可能になる。また、この実施例1の方
法によれば、基板上に容易に積層電子部品の素子部を形
成することが可能になり、集積回路上に直接積層電子部
品を形成するができる。
【0036】[実施例2]上記実施例1(及び具体例)
では、基板11上に素子部1となるセラミック成形体を
形成した場合について説明したが、この実施例2では、
独立した表面実装型の積層セラミックコンデンサを製造
した。
【0037】まず、セラミック原料として、 0.89(Sr0.7Ca0.18Pb0.12)TiO3+0.11(Bi
23・3TiO2) にガラスを添加したものを用い、これに、有機バインダ
ーなどを加えて分散混合した。 それから、乾燥を行った後、機械プレスにより成形
し、厚み=3mm、長さ=50mm、幅=20mmの板状の成
形体を得た。そして、この成形体を脱脂、焼成して、厚
み=2.4mm、長さ=39mm、幅=16mmの焼結体を得
た。 次に、これをダイシングソーにより、厚み=0.4m
m、長さ=35mm、幅=2.2mmにカットして、短冊状
のセラミック成形体を得た。 そして、このセラミック成形体を、厚み0.2mmの平
滑なAl23基板上に接着し、その後、実施例1と同様
の手順により、図9に示すようなパターン29を用いて
露光を行い、さらに現像処理を施すことにより、レジス
トパターンを形成した。なお、ここで用いた露光用のパ
ターン29(図9)の各部の寸法は次の通りである。 空隙形成用スリット部の幅A =1.0μm スリット部と交互に配設された帯状部の幅B=1.5μm 全体の長さC =300μm 全体の幅D =250μm その後、ドライエッチングを行い、セラミック成形体
のレジストパターンに覆われていない部分を深さが0.
2mmになるように除去することにより、電極配設用空隙
(貫通していない溝)を形成した。 次いで、電極配設用空隙に、Cuを蒸着することによ
り内部電極を形成した後、ダイシングソーによって個々
の素子(積層電子部品)を切り分け、厚み=0.6mm、
長さ=300μm、幅=300mm、素子厚=1.5μm、
内部電極厚=1.0μm、積層数N−1=100層の積
層セラミックコンデンサを得た。
【0038】得られた積層セラミックコンデンサについ
てその電気特性を測定したところ(n=50、測定条件
=1kHz、0.5V)、静電容量=20nF,誘電損
失=3.8%、内部電極の短絡発生率=0個/50個
(試料数)という結果が得られた。
【0039】また、上記のような蒸着法ではなく、無電
解メッキによってCuを成長させることにより内部電極
を形成した。具体的には、レジストパターンを形成する
際に、Al23基板裏面にもレジストを塗布、現像し、
表面被膜を施した後、無電解メッキを行い、レジストパ
ターンを剥離して余分な電極を除去し、以後同様にし
て、厚み=0.6mm、長さ=300μm、幅=300m
m、素子厚=1.5μm、内部電極厚=1.0μm、積層
数N−1=100層の積層セラミックコンデンサを得
た。
【0040】得られた積層セラミックコンデンサについ
てその電気特性を測定したところ(n=50、測定条件
=1kHz、0.5V)、静電容量=20.5nF,誘
電損失=3.6%、内部電極の短絡発生率=0個/50
個(試料数)という結果が得られた。
【0041】この実施例2の方法によれば、所定の組成
を有するセラミック成形体をあらかじめ形成しておき、
これを基板に接着した後、電極配設用空隙の形成、内部
電極の形成、個々の素子(積層電子部品)の切り分けな
どを経て積層電子部品を製造するようにしているので、
実施例1の場合と同様の効果を得ることができるととも
に、セラミック成形体をドライメッキ法により直接基体
上に形成する場合のようにセラミック成形体の組成が制
約されることがないため、広範囲な特性を有する積層電
子部品を容易に製造することが可能になる。
【0042】[実施例3] この実施例では、まず、図10(a)に示すように、A
23からなる厚みが0.2mmの基板11上に離型層1
1aを設け、その上に、蒸着法により厚み=0.2μm
のCu薄膜11bを形成した後、このCu薄膜11bの
表面に、実施例1の場合と同様にしてチタン酸鉛薄膜
(セラミック成形体)1aを形成し、さらにその表面に
レジストパターン12を形成した後、ドライエッチング
を行ってチタン酸鉛薄膜1aに電極配設用空隙13を形
成した。 それから、Cu薄膜11bをカソードとして、Niメ
ッキ浴中でニッケル電解メッキを施し、図10(b)に
示すように、電極配設用空隙13にニッケルからなる内
部電極2を形成した。 その後、レジスト剥離処理を行い、表面を清浄化した
後、図10(c)に示すように、素子(積層電子部品)1
0(マザーブロック30)の表面側に保護層として、厚
みが1.5mmのSiO2基板14を接着した。 次いで、図10(d)に示すように、基板11を除去し
た後、エッチングを行ってカソードとして使用したCu
薄膜を除去した。 それから、ダイシングソーによって個々の素子(積層
電子部品)10を切り分け、厚み=1.502mm、長さ
=150μm、幅=150mm、素子厚=0.5μm、内部
電極厚=0.5μm、積層数N−1=140層の積層セ
ラミックコンデンサを得た。
【0043】得られた積層セラミックコンデンサについ
てその電気特性を測定したところ(n=50、測定条件
=1kHz、0.5V)、静電容量=380pF,誘電
損失=7.2%、内部電極の短絡発生率=0個/50個
(試料数)という結果が得られた。
【0044】この実施例3の方法によれば、電解メッキ
により内部電極を形成するようにしているので、実施例
1の場合と同様の効果を得ることができるとともに、電
極配設用空隙の開口幅が狭く、かつ深さが深い場合に
も、電極配設用空隙の内部に緻密な電極(内部電極)を
形成することができる。
【0045】なお、上記の実施例では、内部電極を構成
する材料としてCu,Niを用いた場合について説明し
たが、内部電極を構成する材料はCu,Niに限られる
ものではなく、その他の種々の電極材料を用いることが
可能である。
【0046】また、積層電子部品を構成するセラミック
の種類についても上記実施例に限定されるものではな
く、誘電体セラミック、圧電体セラミックなど種々のセ
ラミックを用いた積層電子部品を製造する場合にも本発
明を適用することが可能である。
【0047】本発明は、さらにその他の点においても上
記実施例に限定されるものではなく、レジストパターン
の形成方法、電極配設用空隙を形成するためのドライエ
ッチング方法の種類、内部電極形成方法の種類などに関
し、発明の要旨の範囲内において種々の応用、変形を加
えることが可能である。
【0048】
【発明の効果】上述のように、本発明の積層電子部品の
製造方法は、素子部となるセラミック成形体の表面に、
所定のレジストパターンを形成し、ドライエッチングを
行うことにより内部電極を配設するための電極配設用空
隙を形成した後、該電極配設用空隙に内部電極を形成す
るようにしているので、従来の、基板上にCVD法など
によりセラミック層と内部電極を交互に形成する方法の
ようにマスクを用いることが不要で、製造設備を簡略化
することができるとともに、セラミック層と内部電極を
交互に形成するための繰返し動作を行うことが不要にな
るため、生産効率を向上させることが可能になる。した
がって、本発明の積層電子部品の製造方法によれば、小
型かつ高性能な積層電子部品を効率よく製造することが
可能になる。
【0049】また、素子部となるセラミック成形体を、
絶縁材料からなる基体上に、ドライメッキ法により形成
することにより、積層電子部品を集積回路上などに直接
形成することが可能になる。
【0050】さらに、前記素子部となるセラミック成形
体をあらかじめ形成しておき、これを絶縁材料からなる
基体上に接合することによっても、積層電子部品を集積
回路上などに形成することが可能になる。また、この場
合、あらかじめ所定の組成を有するセラミック成形体を
形成しておくことができるので、セラミック成形体をド
ライメッキ法により直接基体上に形成する場合のように
セラミック成形体の組成が制約されることがなく、広範
囲な特性を有する積層電子部品を容易に製造することが
できる。
【0051】また、基体上のセラミック成形体にレジス
トパターンを形成し、ドライエッチング工程、及び内部
電極形成工程を経て素子(積層電子部品)を形成した後
に基体を取り除くことにより、独立した積層電子部品を
得ることが可能になる。
【0052】さらに、内部電極形成工程において、内部
電極をドライメッキ法により形成することにより、電極
ペーストが印刷されたセラミックグリーンシートを積層
する従来の方法とは異なり、素子部と内部電極の両方の
熱処理が不要になり、熱処理工程での電極切れや内部電
極の短絡などの発生を確実に防止することが可能にな
り、本発明をより実効あらしめることができる。
【0053】また、内部電極形成工程において、内部電
極を湿式メッキ法により形成することにより、素子(積
層電子部品)を構成するセラミックと内部電極の両方の
熱処理が不要になるとともに、電極配設用空隙の開口幅
が狭く、かつ深さが深い場合にも、電極配設用空隙の内
部に緻密な電極(内部電極)を形成することができる。
【0054】また、素子部となるセラミック成形体を導
体上に直接形成するか、あらかじめ形成したセラミック
成形体を導体上に接合した後、ドライエッチングにより
電極配設用空隙を形成し、導体をカソード電極として電
解メッキを施すことにより、緻密な内部電極を効率よく
形成することができるようになるとともに、素子(積層
電子部品)が形成された後、導体を取り除くことによ
り、複雑な工程を必要とすることなく、小型かつ高性能
の積層電子部品を確実に得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例にかかる積層電子部品の製造
方法において用いた基板を示す図である。
【図2】本発明の一実施例にかかる積層電子部品の製造
方法において、基板上にセラミック成形体を形成した状
態を示す図である。
【図3】本発明の一実施例にかかる積層電子部品の製造
方法において、セラミック成形体上にレジストパターン
を形成した状態を示す図である。
【図4】本発明の一実施例にかかる積層電子部品の製造
方法において、セラミック成形体に電極配設用空隙部を
形成した状態を示す図である。
【図5】本発明の一実施例にかかる積層電子部品の製造
方法において、電極配設用空隙部に内部電極を形成した
状態を示す図である。
【図6】本発明の他の実施例にかかる積層電子部品の製
造方法の一工程において、電極配設用空隙に内部電極を
形成した状態を示す図である。
【図7】本発明の他の実施例にかかる積層電子部品の製
造方法の一工程において、個々の素子(積層電子部品)
を切り出した状態を示す図である。
【図8】本発明の実施例において、誘電体セラミックか
らなる素子部を形成するのに用いた熱CVD装置の概略
構成を示す図である。
【図9】本発明の実施例において、レジストパターンを
形成するのに用いた露光用のパターンを示す図である。
【図10】(a)〜(d)は本発明の他の実施例にかかる積
層電子部品の製造方法の各工程を示す図である。
【符号の説明】
1 素子部 1a セラミック成形体 2 内部電極 3 端子電極 10 素子(積層電子部品) 11 基板(基体) 11a 離型層 11b Cu薄膜 14 保護層(SiO2基板) 12 レジストパターン(レジスト膜) 12a レジスト 13 電極配設用空隙 21 チャンバー 22 サセプタ 23 O2ガスの供給路 24 Arキャリアガスの供給路 25 TIPを入れたベッセル 26 四エチル鉛を入れたベッセル 27,28 バルブ 29 レジストパターンの作成に用いたパ
ターン 30 マザーブロック 31a マザーセラミック成形体

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 セラミック中に内部電極が配設された構
    造を有する積層電子部品の製造方法において、 素子部となるセラミック成形体の表面にレジストを付与
    して、内部電極が配設される電極配設用空隙を形成すべ
    き位置に対応する部分がレジストに覆われないようなレ
    ジストパターンを形成するレジストパターン形成工程
    と、 前記素子部となるセラミック成形体の、前記レジストに
    覆われていない部分をドライエッチングして内部電極が
    配設される電極配設用空隙を形成するドライエッチング
    工程と、 前記ドライエッチング工程で形成された電極配設用空隙
    に内部電極を形成する内部電極形成工程とを具備するこ
    とを特徴とする積層電子部品の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記素子部となるセラミック成形体が、
    絶縁材料からなる基体上に、ドライメッキ法により形成
    されたものであることを特徴とする請求項1記載の積層
    電子部品の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記素子部となるセラミック成形体が、
    あらかじめ形成され、絶縁材料からなる基体上に接合さ
    れたものであることを特徴とする請求項1記載の積層電
    子部品の製造方法。
  4. 【請求項4】 レジストパターン形成工程、ドライエッ
    チング工程、及び内部電極形成工程を経て素子(積層電
    子部品)が形成された後、前記基体を取り除くことを特
    徴とする請求項2又は3記載の積層電子部品の製造方
    法。
  5. 【請求項5】 前記内部電極形成工程において、内部電
    極をドライメッキ法により形成することを特徴とする請
    求項1,2,3又は4記載の積層電子部品の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記内部電極形成工程において、内部電
    極を湿式メッキ法により形成することを特徴とする請求
    項1,2,3又は4記載の積層電子部品の製造方法。
  7. 【請求項7】 前記素子部となるセラミック成形体を導
    体上に直接形成するか、あらかじめ形成したセラミック
    成形体を導体上に接合した後、ドライエッチングにより
    電極配設用空隙を形成し、前記導体をカソード電極とし
    て電解メッキを施すことにより内部電極を形成する工程
    を経て素子(積層電子部品)を形成した後、前記導体を
    取り除くことを特徴とする請求項6記載の積層電子部品
    の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2007067427A (ja) * 2006-10-13 2007-03-15 Tdk Corp 電子部品の構成に用いられるシート

Cited By (2)

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JP2007067427A (ja) * 2006-10-13 2007-03-15 Tdk Corp 電子部品の構成に用いられるシート
JP4618442B2 (ja) * 2006-10-13 2011-01-26 Tdk株式会社 電子部品の構成に用いられるシートの製造方法

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