JPH094537A - 燃料タンクの気液分離装置 - Google Patents

燃料タンクの気液分離装置

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JPH094537A
JPH094537A JP30572595A JP30572595A JPH094537A JP H094537 A JPH094537 A JP H094537A JP 30572595 A JP30572595 A JP 30572595A JP 30572595 A JP30572595 A JP 30572595A JP H094537 A JPH094537 A JP H094537A
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fuel
gas
filter
liquid
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Application number
JP30572595A
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English (en)
Inventor
Tomoyuki Sato
智之 佐藤
Masami Honma
雅巳 本間
Ryuta Kumagai
竜太 熊谷
Masaya Kodera
正也 小寺
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Nissan Motor Co Ltd
Original Assignee
Nissan Motor Co Ltd
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Publication date
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  • Cooling, Air Intake And Gas Exhaust, And Fuel Tank Arrangements In Propulsion Units (AREA)
  • Supplying Secondary Fuel Or The Like To Fuel, Air Or Fuel-Air Mixtures (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 リターン燃料を完全に気液分離してエンジン
側へ還流させ、エンジン特性の安定化とタンク内燃料温
度の上昇抑制を図る。 【解決手段】 タンク本体1内の燃料ポンプ3のインレ
ット3aに設けられたフィルタ7にリターンパイプ5を
セパレータ10を介して連通することにより、リターン
燃料をこのセパレータ10で確実に気液分離してエンジ
ン側へ還流させることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車等の車両に
搭載される燃料タンクにおける燃料タンクの気液分離装
置に関する。
【0002】
【従来の技術】車両用燃料タンクは周知のように、エン
ジン側の余剰燃料をリターンパイプによってタンク本体
内に戻すようにしてあるが、このリターン燃料はタンク
内燃料の温度よりも高温となっているため、リターン燃
料によってタンク内燃料の温度が上昇すると、タンク本
体内で蒸発燃料の発生量が多くなってしまう傾向にあ
る。
【0003】従って、このリターン燃料はタンク本体内
に配設した燃料ポンプのインレット側に導入してエンジ
ン側へ還流させることが望ましいが、リターン燃料を直
接エンジン側へ還流させると、該リターン燃料中にはベ
ーパーが混在しているため、エンジンの運転特性に悪影
響を及ぼしてしまう。
【0004】そこで、従来、例えば実開昭61−910
67号公報及び実開昭62−197789号公報等に示
されているように、リターンパイプによって旋回槽に戻
されるリターン燃料を、燃料ポンプのインレットと接続
する接続パイプに設けたフィルタ内に導入させるように
したものが知られている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】リターンパイプにより
リターン燃料をフィルタ内に導入させるようにしても、
リターン燃料中に混在したベーパーを完全に気液分離さ
せることは難しく、ベーパーが混在したまま燃料ポンプ
のインレットに吸入されてエンジン側へ還流してしま
う。
【0006】そこで、本発明はリターン燃料中のベーパ
ーを完全に気液分離して燃料ポンプのインレットに導入
してエンジン側へ還流することができて、エンジンの運
転特性を低下させることなくタンク内燃料温度の上昇を
抑制することができる燃料タンクの気液分離装置を提供
するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1にあっては、タ
ンク本体内のフィード系路のインレットに設けたフィル
タ内にリターンパイプを介してリターン燃料を導入する
ようにした構造において、前記タンク本体内のリターン
系路の途中にフィルタ内に導入されるリターン燃料を気
液分離させるセパレータを設けたことを特徴としてい
る。
【0008】この請求項1の構成によれば、リターンパ
イプからセパレータにリターン燃料が導入されると、該
セパレータ内にて気液分離される。この気液分離された
リターン燃料はセパレータからフィルタ内に導入され、
該フィルタを透過したタンク内燃料と共にフィード系路
のインレットに吸入されてエンジン側へ還流される。
【0009】請求項2にあっては、請求項1記載のセパ
レータ内の上側インレットと下側アウトレットとの間
に、セパレータ内の燃料流れ方向に対し立ちはだかるバ
ッフル部を設けたことを特徴としている。
【0010】この請求項2の構成によれば、セパレータ
の上側インレットから下側アウトレットに向かうリター
ン燃料は途中でバッフル部に衝突することによって気液
分離される。
【0011】請求項3にあっては、請求項1,2記載の
セパレータ内に上側インレットと下側アウトレットとを
仕切る状態でメッシュフィルタを設けたことを特徴とし
ている。
【0012】この請求項3の構成によれば、セパレータ
内を上側インレット側と下側アウトレット側とに隔成す
るメッシュフィルタの網目は、透過する燃料の表面張力
によって常に燃料で閉塞された状態となっているため、
リターン燃料の透過は許容するがリターン燃料中のベー
パーの透過を阻止して気液分離する。
【0013】請求項4にあっては、請求項3記載のメッ
シュフィルタを傾斜させて設け、該メッシュフィルタの
傾斜上側部に気泡抜き部を設けたことを特徴としてい
る。
【0014】この請求項4の構成によれば、メッシュフ
ィルタは傾斜配置してあるため、該メッシュフィルタで
完全に分離されないで透過した細かい気泡のベーパーは
メッシュフィルタの傾斜に沿って上昇して傾斜上側部の
気泡抜き部からセパレータ内の上側インレット側に戻さ
れて気液分離され、従って、リターン燃料の気液分離を
徹底することができる。
【0015】請求項5にあっては、請求項1〜4の何れ
かに記載のセパレータの上側インレットに、周側面にス
リットを形成した有底の筒状部材を設けると共に、該筒
状部材内にリターンパイプの端部を同軸的に離間状態に
挿入してプリセパレータを構成したことを特徴としてい
る。
【0016】この請求項5の構成によれば、リターンパ
イプからリターン燃料がプリセパレータ内に導入される
と該リターン燃料は筒状部材の底壁に衝突して気液分離
され、分離されたベーパーは筒状部材とリターンパイプ
との間を通って筒状部材の上方開口部分からタンク本体
内に排出されると共に、筒状部材のスリットを通ってセ
パレータ内上部に回収されてタンク本体内に排出され
る。一方、リターン燃料は筒状部材のスリットからセパ
レータ内に流入して該セパレータで再度気液分離され
る。
【0017】請求項6にあっては、請求項1〜5の何れ
かに記載のフィード系路のインレットに設けたフィルタ
を、該フィード系路のインレットに連通したインナフィ
ルタと、該インナフィルタの外側に設けられたアウタフ
ィルタとで多層に形成し、セパレータの下側アウトレッ
トをこれらインナフィルタとアウタフィルタとの間に連
通したことを特徴としている。
【0018】この請求項6の構成によれば、セパレータ
で気液分離されたリターン燃料はアウタフィルタとイン
ナフィルタとの間に導入され、該インナフィルタを透過
してタンク内燃料と共にフィード系路のインレットに吸
入されるため、このインナフィルタでも最終的に気液分
離されてリターン燃料の気液分離を徹底することができ
ると共に、該インナフィルタによってリターン燃料の除
塵効果が得られる。
【0019】請求項7にあっては、請求項1〜6の何れ
かに記載のセパレータの上側部を燃料満杯時におけるタ
ンク本体の燃料液面から上部空間に突出して配置したこ
とを特徴としている。
【0020】この請求項7の構成によれば、燃料満杯時
であってもセパレータの上側部がタンク本体の上部空間
に存在して、該セパレータの上側部内に空間部が確保さ
れるから、リターン燃料の気液分離を確実に行わせるこ
とができる。
【0021】請求項8にあっては、請求項1〜7の何れ
かに記載のセパレータに該セパレータで気液分離された
ベーパーを導出するベーパーパイプを接続し、該ベーパ
ーパイプの端部をタンク本体の燃料液中に開放したこと
を特徴としている。
【0022】この請求項8の構成によれば、セパレータ
で分離されたベーパーがベーパーパイプの端部からタン
ク本体の低温度の燃料液中に放出されることによって、
該ベーパーが燃料液で冷却されて液化してタンク本体内
でのベーパー発生量を低く抑えることができる。
【0023】請求項9にあっては、請求項8に記載のセ
パレータに接続されたベーパーパイプの端部を、タンク
本体の底部に配設されてフィード系路のインレットに設
けたフィルタを収容した旋回槽の外側で、該タンク本体
の燃料液中に開放したことを特徴としている。
【0024】この請求項9の構成によれば、セパレータ
で分離されたベーパーはベーパーパイプにより導出され
て、旋回槽の外側でタンク本体の低温度の燃料液中に放
出されるから、ベーパーがフィード系路のインレットに
設けたフィルタに吸引されるのを防止することができ
る。
【0025】請求項10にあっては、請求項1〜9の何
れかに記載のセパレータの下側アウトレットとフィード
系路のインレットに設けたフィルタとを連通する接続パ
イプを、リターンパイプよりも径大に形成したことを特
徴としている。
【0026】この請求項10の構成によれば、接続パイ
プをリターンパイプよりも径大に形成して、該接続パイ
プでの流通抵抗を少なくしてあるため、セパレータで気
液分離されたリターン燃料のフィード系路側への吸い込
み性が良好となり、高温のリターン燃料のタンク内燃料
中への混入量を抑制して、タンク内燃料の温度上昇を回
避することができる。
【0027】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面と
共に詳述する。
【0028】図1は燃料タンクの全体構造を示すもの
で、1はタンク本体、2はタンク本体1の底部中央に配
設した旋回槽で、該旋回槽2内に燃料ポンプ3を配設し
てある。
【0029】タンク本体1内の燃料は、この燃料ポンプ
3からフィードパイプ4を介して図外のエンジンへ送給
され、余剰の燃料はリターンパイプ5を介してリターン
燃料として旋回槽2内へ戻されるようになっている。
【0030】タンク本体1の上壁にはベーパーパイプ6
が設けられ、タンク本体1内の上部空間に滞留したベー
パーは、所定圧力になると図外の定圧弁を介して該ベー
パーパイプ6から図外のキャニスターへ導出されるよう
になっている。
【0031】燃料ポンプ3のインレット3aにはフィル
タ7を設けて該フィルタ7で除塵した燃料がインレット
3aに吸入されるようにしてある。
【0032】フィルタ7は、前記インレット3aを連通
したインナフィルタ7aと、該インナフィルタ7aの外
側に設けたアウタフィルタ7bとで多層に形成してあ
り、これらインナフィルタ7aとアウタフィルタ7bと
の間にリターンパイプ5を介してリターン燃料を導入す
るようにしてある。
【0033】この燃料タンク1内のリターン系路の途中
にはセパレータ10を設けて、前記フィルタ7に導入さ
れるリターン燃料を気液分離するようにしてある。
【0034】具体的には、セパレータ10の上壁の一側
寄りに設けた上側インレット10aにリターンパイプ5
を接続し、セパレータ10の下壁の前記上側インレット
10aと反対側の側部寄りに設けた下側アウトレット1
0bを接続パイプ11を介して前記アウタフィルタ7b
とインナフィルタ7aとの間に連通接続してある。
【0035】本実施形態ではセパレータ10を燃料満杯
時に燃料液面下に没する低位置に配置してあるため、セ
パレータ10の上壁の上側インレット10aと反対側に
設けた抜気孔12はパイプ14を介してタンク本体1の
上部空間Sに連通してある。
【0036】また、セパレータ10内の上側インレット
10aと下側アウトレット10bとの間には、セパレー
タ10の下壁から立ち上がるバッフルパネル13を設け
てある。
【0037】以上の実施形態構造によれば、リターンパ
イプ5からセパレータ10にリターン燃料が導入される
と、このセパレータ10内で気液分離されて分離したベ
ーパーは抜気孔12からタンク本体1の上部空間Sに回
収されて他の蒸発燃料と共に前述の如くベーパー処理さ
れ、気液分離されたリターン燃料が該セパレータ10か
らフィルタ7に導入される。
【0038】特に、本実施形態にあっては、セパレータ
10内にバッフルパネル13を設けてあるため、上側イ
ンレット10aから下側アウトレット10bに向かうリ
ターン燃料は途中でこのバッフルパネル13に衝突する
ことによって気液分離されると共に、該バッフルパネル
13を乗り越える際にも気液分離されるため、該セパレ
ータ10内での気液分離作用を活発に行わせることがで
きる。
【0039】また、セパレータ10の下側アウトレット
10bから流下するリターン燃料はフィルタ7のアウタ
フィルタ7bとインナフィルタ7aとの間に導入される
から、このインナフィルタ7aでも最終的な気液分離が
行われてリターン燃料の気液分離を徹底することができ
ると共に、該インナフィルタ7aによってリターン燃料
の除塵効果が得られる。
【0040】この結果、リターンパイプ5から戻される
リターン燃料は、その燃料液のみが燃料ポンプ3に吸入
されてエンジン側へ還流されるから、エンジンの運転特
性を低下させることがなく、また、該リターン燃料のエ
ンジン側への還流によって、タンク内燃料の温度上昇を
抑制することができる。
【0041】図2はセパレータの第2実施形態を示すも
ので、この実施形態にあっては、セパレータ10内に上
側インレット10a側と下側アウトレット10b側とを
仕切る状態でメッシュフィルタ15を抜気孔12側に片
上がりとなるように傾斜させて配設し、該メッシュフィ
ルタ15の傾斜上側部に気泡抜き部16を形成してあ
る。
【0042】この気泡抜き部16は開口として形成する
他、メッシュフィルタ15の網目サイズを一般部分より
も大きくして形成することができる。
【0043】また、セパレータ10内には下側アウトレ
ット10bの近傍に底壁から立ち上がるバッフルパネル
13を設けてある。
【0044】この実施形態によれば、セパレータ10内
を上側インレット10a側と下側アウトレット10b側
とに隔成するメッシュフィルタ15の網目は、透過する
燃料の表面張力によって常に燃料で閉塞された状態とな
って、リターン燃料の透過は許容するがリターン燃料中
のベーパーの透過を阻止して気液分離する。
【0045】メッシュフィルタ15は、傾斜配設してあ
るため、該メッシュフィルタ15で完全に分離されない
で透過した細かい気泡のベーパーはメッシュフィルタ1
5の傾斜に沿って上昇して傾斜上側部の気泡抜き部16
からセパレータ10内の上側に戻されて気液分離され、
他のベーパーと共に抜気孔12よりセパレータ10外へ
排出される。
【0046】一方、メッシュフィルタ15を透過したリ
ターン燃料は下側アウトレット10bよりフィルタ7へ
導出されるが、この下側アウトレット10bに流入する
際にその直前でバッフルパネル13によって再度気液分
離され、リターン燃料の気液分離を徹底することができ
る。
【0047】また、この実施形態では、セパレータ10
内でリターン燃料をメッシュフィルタ15に透過させる
ため、該メッシュフィルタ15によってリターン燃料の
除塵を行うこともできる。
【0048】図3〜6は、セパレータ10の第3実施形
態を示している。
【0049】セパレータ10は上壁を形成するキャップ
17に上側インレット10aと抜気孔12とを開設した
アッパケース10Aと、底壁に下側アウトレット10b
を形成したロアケース10Bとで構成している。
【0050】キャップ17は、周縁に設けた複数個のフ
ック係止片18をアッパケース10Aの周壁上部に突設
したフック19に係着して固定してある。
【0051】また、これらアッパケース10Aとロアケ
ース10Bとの接続部にメッシュフィルタ15をセパレ
ータ10内を上下に仕切る形で配設してある。
【0052】そして、アッパケース10Aの上側インレ
ット10aにプリセパレータ20を付設してある。
【0053】このプリセパレータ20は、周側面に複数
個のスリット22を軸方向に形成した有底の筒状部材2
1を、その上部開口周縁のフランジ23を上側インレッ
ト10aの周縁に固着し、該筒状部材21内にリターン
パイプ5の端部を同軸的に離間状態に挿入して構成して
いる。
【0054】この実施形態のセパレータ10は抜気孔1
2及び筒状部材21の上部開口部分が燃料満杯時におけ
るタンク本体1の上部空間Sに臨むように高位置に配置
して用いられるもので、リターンパイプ5からリターン
燃料がプリセパレータ20内に導入されると、該リター
ン燃料は筒状部材21の底壁21aに衝突して、該底壁
21aのバッフル作用によって気液分離される。
【0055】分離されたベーパーは、図6の白抜き矢印
で示すように筒状部材21とリターンパイプ5との間を
通って筒状部材21の上部開口部からタンク本体1の上
部空間Sに排出されると共に、筒状部材21のスリット
22からセパレータ10内の上部に回収されて抜気孔1
2からタンク本体1の上部空間Sに排出される。
【0056】一方、筒状部材21の底壁21aのバッフ
ル作用により気液分離されたリターン燃料の燃料液は、
図6の黒塗り矢印で示すように筒状部材21のスリット
22からセパレータ10内に流下して該セパレータ10
で再度気液分離される。
【0057】とりわけ、本実施形態ではアッパケース1
0Aとロアケース10Bとの接続部分にはメッシュフィ
ルタ15を配設してあるため、プリセパレータ20から
流下したリターン燃料はこのメッシュフィルタ15によ
って気液分離が徹底されると共に除塵される。
【0058】この実施形態では前述のようにセパレータ
10をタンク本体1内の高位置に配置するタイプとして
例示したが、セパレータ10を低位置配置とする場合は
図7,8に示すように抜気孔12及び上側インレット1
0aをタンク本体1内の上部空間に臨むように上方に突
出するパイプ状に形成し、このパイプ状の上側インレッ
ト10aの上端部に前述と同様の構造でプリセパレータ
20を構成すればよい。
【0059】図9,10は本発明の第5実施形態を示し
ている。
【0060】この実施形態のセパレータ10はその上側
部が、燃料満杯時におけるタンク本体1の燃料液面から
完全に上部空間Sに突出するように高位置に配置して、
燃料満杯時であってもセパレータ10の上側部内に空間
部S1 を確保できるようにしてある。
【0061】セパレータ10はブロー成形によって一体
成形してあり、上壁の抜気孔12の入口部分にはオリフ
ィス12aを設けてセパレータ10外へのリターン燃料
の流出を規制している。
【0062】この抜気孔12にはセパレータ10で気液
分離されたベーパーを導出するベーパーパイプ24を接
続してあって、該ベーパーパイプ24の端部をタンク本
体1の燃料液中に開放してある。
【0063】この実施形態では前記ベーパーパイプ24
の端部を旋回槽2の周壁の外側近傍でタンク本体1の燃
料液中に開放してある。
【0064】また、セパレータ10の下側アウトレット
10bは上側インレット10aよりも径大に形成し、該
下側アウトレット10bとフィルタ7とを接続する接続
パイプ11を、上側インレット10aに接続したリター
ンパイプ5よりも径大にして、該接続パイプ11での燃
料流通抵抗を少なくするようにしてある。
【0065】この燃料流通抵抗は接続パイプ11を径大
にすればする程減少して、セパレータ10で気液分離さ
れたリターン燃料の流通性が向上するが、レイアウトの
関係とフィードポンプ3のリターン燃料吸込性を勘案す
ると、リターンパイプ5と接続パイプ11とを断面積比
で1:4程度にすればよい。
【0066】この実施形態によれば、タンク本体1が燃
料満杯状態にあってもセパレータ10の上側部内に空間
部S1 が確保されるため、該セパレータ10でのリター
ン燃料の気液分離を確実に行わせることができる。
【0067】また、セパレータ10で気液分離されたベ
ーパーは抜気孔12からベーパーパイプ24に導出され
て、その端部からタンク本体1の低温度の燃料液中に放
出されるから、ベーパーがこの低温度の燃料液で冷却さ
れて液化し、タンク本体1内でのベーパー発生量を低く
抑えることができる。
【0068】とりわけ、本実施形態ではベーパーパイプ
24の端部を旋回槽2の周壁の外側でタンク本体1の燃
料液中に開放してあるため、該ベーパーパイプ24の端
部から放出されたベーパーが旋回槽2内のフィルタ7に
吸引されるのを防止することができて、ベーパーの冷却
液化を良好に行わせることができる。
【0069】更に、セパレータ10の下側アウトレット
10bとフィルタ7とを接続する接続パイプ11は、リ
ターンパイプ5よりも径大にして燃料流通抵抗を少なく
してあるから、セパレータ10で気液分離されたリター
ン燃料のフィルタ7への吸い込み性が良好となり、高温
のリターン燃料のタンク内燃料中への混入量を抑制し
て、タンク内燃料の温度上昇を回避することができる。
【0070】なお、前記実施形態では燃料ポンプ3をタ
ンク本体1内に配設してあるが、該燃料ポンプ3をタン
ク本体1外に配設したものにも同様に適用することがで
きる。
【0071】
【発明の効果】以上、本発明によれば次に述べる効果を
奏せられる。
【0072】請求項1によれば、リターンパイプから戻
される温度の高いリターン燃料をセパレータに導入し、
このリターン燃料をセパレータで確実に気液分離して燃
料ポンプに吸入させてエンジン側へ還流させることがで
き、従って、エンジンの運転特性を低下させることな
く、該リターン燃料のエンジン側への還流作用によりタ
ンク内燃料の温度上昇を抑制することができる。
【0073】請求項2によれば、セパレータの上側イン
レットから下側アウトレットに向かうリターン燃料は、
途中でバッフル部に衝突することによって気液分離され
る。請求項3によれば、セパレータ内を上側インレット
側と下側アウトレット側とに隔成するメッシュフィルタ
の網目は、透過する燃料の表面張力によって、常に燃料
で閉塞された状態となっているため、リターン燃料の透
過は許容するがリターン燃料中のベーパーの透過を阻止
して確実に気液分離作用を行わせることができる。
【0074】請求項4によれば、このメッシュフィルタ
は傾斜配設してあるため、該メッシュフィルタで完全に
分離されないで透過した細かい気泡のベーパーは、メッ
シュフィルタの傾斜に沿って上昇して傾斜上側部の気泡
抜き部からセパレータ内の上側インレット側に戻されて
気液分離され、従って、リターン燃料の気液分離を徹底
することができる。
【0075】請求項5によれば、リターンパイプからタ
ンク本体に戻されるリターン燃料はセパレータの直前で
プリセパレータによって気液分離された後、セパレータ
で再度気液分離されるため、該リターン燃料の気液分離
をより一層徹底することができる。
【0076】請求項6によれば、セパレータで気液分離
されたリターン燃料をフィルタのアウタフィルタとイン
ナフィルタとの間に導入するため、該インナフィルタで
最終的な気液分離と除塵とを行えて、リターン燃料の気
液分離をさらに徹底することができる。
【0077】請求項7によれば、タンク本体が燃料満杯
状態であってもセパレータの上側部がタンク本体の上部
空間に存在して、該セパレータの上側部内に空間部が確
保されるから、リターン燃料の気液分離を確実に行わせ
ることができる。
【0078】請求項8によれば、セパレータで分離され
たベーパーをベーパーパイプを介してタンク本体内の低
温度の燃料液中に放出させて、この低温度の燃料液でベ
ーパーを冷却液化させることができるから、タンク本体
内でのベーパー発生量を低く抑えることができる。
【0079】請求項9によれば、ベーパーパイプで導出
したベーパーを旋回槽の外側でタンク本体の燃料液中に
放出させるため、ベーパーが旋回槽内のフィード系イン
レットに吸引されるのを防止できて、ベーパーの冷却液
化を良好に行わせることができる。
【0080】請求項10によれば、接続パイプの径大化
によって燃料流通抵抗が小さくセパレータからフィード
系インレットへのリターン燃料の吸い込み性が良好とな
るから、高温のリターン燃料のタンク内燃料中への混入
量を抑制して、タンク内燃料の温度上昇の抑制効果を更
に高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態の全体構造を示す略示的説
明図。
【図2】セパレータの第2実施形態を示す断面図。
【図3】セパレータの第3実施形態を示す分解斜視図。
【図4】同実施形態の断面図。
【図5】同実施形態の側面図。
【図6】同実施形態のプリセパレータ部分を示す拡大断
面図。
【図7】セパレータの第4実施形態を示す断面図。
【図8】同実施形態の側面図。
【図9】本発明の第5実施形態の全体構造を示す略示的
説明図。
【図10】同実施形態のセパレータ部分を示す断面図。
【符号の説明】
1…タンク本体 2…旋回槽 3…燃料ポンプ(フィード系) 4…フィードパイプ(フィード系) 5…リターンパイプ(リターン系) 7…フィルタ 7a…インナフィルタ 7b…アウタフィルタ 10…セパレータ 10a…上側インレット 10b…下側アウトレット 11…接続パイプ 13…バッフルパネル 20…プリセパレータ 21…筒状部材 22…スリット 24…ベーパーパイプ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小寺 正也 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日産 自動車株式会社内

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 タンク本体内のフィード系路のインレッ
    トに設けたフィルタ内にリターンパイプを介してリター
    ン燃料を導入するようにした構造において、前記タンク
    本体内のリターン系路の途中にフィルタ内に導入される
    リターン燃料を気液分離させるセパレータを設けたこと
    を特徴とする燃料タンクの気液分離装置。
  2. 【請求項2】 セパレータ内の上側インレットと下側ア
    ウトレットとの間に、セパレータ内の燃料流れ方向に対
    し立ちはだかるバッフル部を設けたことを特徴とする請
    求項1記載の燃料タンクの気液分離装置。
  3. 【請求項3】 セパレータ内に上側インレットと下側ア
    ウトレットとを仕切る状態でメッシュフィルタを設けた
    ことを特徴とする請求項1,2記載の燃料タンクの気液
    分離装置。
  4. 【請求項4】 メッシュフィルタを傾斜させて設け、該
    メッシュフィルタの傾斜上側部に気泡抜き部を設けたこ
    とを特徴とする請求項3記載の燃料タンクの気液分離装
    置。
  5. 【請求項5】 セパレータの上側インレットに、周側面
    にスリットを形成した有底の筒状部材を設けると共に、
    該筒状部材内にリターンパイプの端部を同軸的に離間状
    態に挿入してプリセパレータを構成したことを特徴とす
    る請求項1〜4の何れかに記載の燃料タンクの気液分離
    装置。
  6. 【請求項6】 フィード系路のインレットに設けたフィ
    ルタを、該フィード系路のインレットに連通したインナ
    フィルタと、該インナフィルタの外側に設けられたアウ
    タフィルタとで多層に形成し、セパレータの下側アウト
    レットをこれらインナフィルタとアウタフィルタとの間
    に連通したことを特徴とする請求項1〜5の何れかに記
    載の燃料タンクの気液分離装置。
  7. 【請求項7】 セパレータの上側部を燃料満杯時におけ
    るタンク本体の燃料液面から上部空間に突出して配置し
    たことを特徴とする請求項1〜6の何れかに記載の燃料
    タンクの気液分離装置。
  8. 【請求項8】 セパレータに該セパレータで気液分離さ
    れたベーパーを導出するベーパーパイプを接続し、該ベ
    ーパーパイプの端部をタンク本体の燃料液中に開放した
    ことを特徴とする請求項1〜7の何れかに記載の燃料タ
    ンクの気液分離装置。
  9. 【請求項9】 セパレータに接続されたベーパーパイプ
    の端部を、タンク本体の底部に配設されてフィード系路
    のインレットに設けたフィルタを収容した旋回槽の外側
    で、該タンク本体の燃料液中に開放したことを特徴とす
    る請求項8記載の燃料タンクの気液分離装置。
  10. 【請求項10】 セパレータの下側アウトレットとフィ
    ード系路のインレットに設けたフィルタとを連通する接
    続パイプを、リターンパイプよりも径大に形成したこと
    を特徴とする請求項1〜9の何れかに記載の燃料タンク
    の気液分離装置。
JP30572595A 1995-04-17 1995-11-24 燃料タンクの気液分離装置 Pending JPH094537A (ja)

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