JPH0944735A - 複数の機器間で取扱媒体を受渡す装置、これを備えた処理システム、および取引媒体の受渡し方法 - Google Patents

複数の機器間で取扱媒体を受渡す装置、これを備えた処理システム、および取引媒体の受渡し方法

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JPH0944735A
JPH0944735A JP7194694A JP19469495A JPH0944735A JP H0944735 A JPH0944735 A JP H0944735A JP 7194694 A JP7194694 A JP 7194694A JP 19469495 A JP19469495 A JP 19469495A JP H0944735 A JPH0944735 A JP H0944735A
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JP
Japan
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carriage
distance
cash
stop position
moving
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Application number
JP7194694A
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English (en)
Inventor
Nobuhiko Matsukawa
伸彦 松川
Kunio Fukatsu
邦夫 深津
Shigeo Aoyanagi
茲雄 青柳
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
HIROSE DENSHI SYST KK
Toshiba Corp
Original Assignee
HIROSE DENSHI SYST KK
Toshiba Corp
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Publication date
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Pending legal-status Critical Current

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  • Control Of Vending Devices And Auxiliary Devices For Vending Devices (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】設置が容易で、かつ機器に対して正確な位置決
めが可能な取引媒体の受渡し装置、処理システム、およ
び受渡す方法を提供することにある。 【解決手段】現金を収納可能なカセットキャリア34
は、一対の駆動輪46a、46bおよびこれらの駆動輪
を駆動する駆動機構を備え、複数の現金処理装置10d
の設置された設置面上を任意の経路に沿って自走可能と
なっている。カセットキャリア34は、その側壁44a
に設けられた一対の距離センサ68a、68bを有し、
指令信号に応じて、指定された現金処理装置と対向する
所定の停止位置まで自走する。停止したカセットキャリ
アは、距離センサによって測定した距離に基づいて、所
定の停止位置に対するカセットキャリアのずれ角度およ
びずれ距離を検出する。所定の停止位置からずれている
場合、カセットキャリアは、ずれ量に応じて、定位置で
の回転および往復移動を行い、ずれ量を補正する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、複数の機器間で
取扱媒体を受渡す装置、これを備えた処理システム、お
よび取引媒体の受渡し方法に関する。
【0002】
【従来の技術】金融機関等においては、顧客に対して現
金の支払、振込等を自動的に行なう自動取引装置(以下
ATMと称する)が広く普及し、その設置台数も増加の
一途をたどっている。また、ATMと共に、現金を自動
的に処理する入出金装置、現金出納整理装置等が広く用
いられている。
【0003】ATMはその使用状況に応じて現金の補充
や回収が必要であり、従来、この補充および回収作業は
人手によって行なわれていた。従って、多数のATMが
設置されている場合、このような現金の補充および回収
作業は大変な労力を必要としていた。
【0004】そこで、近年、複数のATMと、各ATM
に対して紙幣、硬貨等を人手によらず自動的に補充およ
び回収する受渡し装置と、を備えた現金処理システムが
提案されている。
【0005】この現金処理システムによれば、受渡し装
置は、多数のATMや現金出納整理装置間を自動走行可
能な台車と、この台車上に設けられた現金受渡し機構
と、を備えて構成されている。現金受渡し機構として
は、例えば紙幣を収納したカセットをATM側の紙幣収
納部に対して脱着するものや、このカセットとATM側
の紙幣収納部との間で紙幣を一枚づつ補充あるいは回収
するものが提供されている。
【0006】このようなカセットの交換あるいは紙幣の
受渡しを行なう場合、受渡し装置をATMに対して正確
に位置決めする必要がある。そのため、通常、多数のA
TMや現金出納整理装置に対して所定の位置にレールあ
るいは走行テープを設置し、このレールあるいは走行テ
ープに沿って台車を走行させる方法がとられている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ようなレールあるいは走行テープを用いる場合、これら
を金融機関等の床面上に設置する必要があるとともに、
レールあるいは走行テープに対して、複数のATMある
いは現金出納整理装置を正確に直線的に配置する必要が
ある。そのため、現金処理システムの設置場所が制限さ
れるとともに設置作業が非常に面倒であり、更に、シス
テム全体が大規模となってしまう。
【0008】また、一般に、ATMの保守点検等を行な
う際にはATM本体から内部ユニットを引き出す必要が
あるが、この場合、レールが邪魔となって内部ユニット
の引き出しが困難になるという問題がある。
【0009】そこで、本出願人は、特願平7−9385
1において、レールや走行テープを不要とした自走式の
受渡し装置を備えてシステムを提案している。この自走
式の受渡し装置は、台車とこの台車上に設けられた現金
受渡し機構とを備え、平面上を自由な方向へ移動し位置
決め可能に構成されている。
【0010】このようなシステムは、特別な据え付け工
事が不要となり非常に有用であるが、一方では、ATM
や現金出納整理装置に対して正確に位置決めする上で、
受渡し装置の正確な走行制御が必要となる。
【0011】特に、受渡し装置は、直線走行だけでなく
方向転換および湾曲走行をする必要があることから、台
車は製造コストを考慮して、一対の駆動輪と1つの従動
輪とを備えた3輪車が用いられている。この場合、従動
輪は、偏心した軸の回りで回転自在ないわゆる自在キャ
スタに取り付けられている。
【0012】しかしながら、上記3輪車構造の台車の場
合、直線走行時の安定性を向上させる必要がある。すな
わち、台車が直線的に往復移動する場合、走行方向の切
換え時、キャスタは180度方向転換しなければなら
ず、その際、キャスタの取り付けられている台車の端部
は、キャスタの偏心分だけ揺動することとなる。
【0013】また、台車が走行する床面には、コンクリ
ート、カーペット、ビニールタイル等種々のものがあ
り、台車の車輪と床面との間の摩擦力が変化した場合に
もキャスタの回動を生じ、台車端部が揺動する。そし
て、このように台車の端部が揺動した状態で所定位置に
停止した場合、受渡し装置はATMあるいは現金出納整
理装置と平行に対向せず、現金の受渡しを正確に実施す
ることが困難となる。
【0014】この発明は以上の点に鑑みなされたもの
で、その目的は、レール、走行テープ等を設ける必要が
なく比較的小型で設置が容易であるとともに機器に対し
て正確に位置決めが可能な取引媒体の受渡し装置、これ
を備えた処理システム、および取引媒体の受渡し方法を
提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1に係るこの発明の受渡し装置は、それぞれ
取扱媒体を処理可能な複数の機器が設けられた設置面上
を任意の経路に沿って自走可能な移動台車を備えてい
る。上記移動台車は、独立して回転自在な一対の駆動輪
が設けられた台車本体と、上記台車本体に設けられ、上
記駆動輪を同一方向へ回転駆動することにより移動台車
を直線走行させるとともに、上記駆動輪を互いに相反す
る方向へ回転駆動することにより上記移動台車を定位置
で回転させる駆動手段と、上記設置面に対してほぼ垂直
な平面内において上記台車本体の走行方向に沿って互い
に離間して設けられた一対の距離測定部を有し、測定対
象面に対する上記移動台車の距離および傾きを測定する
測定手段と、上記駆動手段を作動させて上記移動台車を
任意の機器と対向する位置まで移動させるとともに、上
記距離測定部により測定された上記機器に対する移動台
車の距離および傾きに応じて、所定の停止位置に対する
移動台車のずれ量を検出し、上記ずれ量に基づき上記駆
動手段によって上記移動台車を回転および直線走行させ
ることにより上記ずれを補正し、上記移動台車を上記所
定の停止位置に位置決めする制御手段と、上記台車本体
上に設けられ、上記所定の停止位置に位置決めされた移
動台車と上記機器との間で取引媒体を受渡す受渡し手段
と、を備えていることを特徴としている。
【0016】この発明の請求項6に係る処理システム
は、設置面上に設置され、それぞれ取扱媒体を処理する
複数の機器と、上記複数の機器間で取引媒体を受渡す受
渡し装置と、を備えている。上記受渡し装置は、取扱媒
体を受渡す機器を指示する指令信号を無線で送信する手
段と、上記指令信号に応じて上記設置面上を自走し、上
記指示された機器に対して取扱媒体を受渡す移動台車
と、を備えている。そして、上記移動台車は、独立して
回転自在な一対の駆動輪が設けられた台車本体と、上記
台車本体に設けられ、上記駆動輪を同一方向へ回転駆動
することにより移動台車を直線走行させるとともに、上
記駆動輪を互いに相反する方向へ回転駆動することによ
り上記移動台車を定位置で回転させる駆動手段と、上記
設置面に対してほぼ垂直な平面内において上記台車本体
の走行方向に沿って互いに離間して設けられた一対の距
離測定部を有し、測定対象面に対する上記移動台車の距
離および傾きを測定する測定手段と、上記駆動手段を作
動させて上記移動台車を任意の機器と対向する位置まで
移動させるとともに、上記距離測定部により測定された
上記機器に対する移動台車の距離および傾きに応じて、
所定の停止位置に対する移動台車のずれ量を検出し、上
記ずれ量に基づき上記駆動手段によって上記移動台車を
回転および直線走行させることにより上記ずれを補正
し、上記移動台車を上記所定の停止位置に位置決めする
制御手段と、上記台車本体上に設けられ、上記所定の停
止位置に位置決めされた移動台車と上記機器との間で取
引媒体を受渡す受渡し手段と、を備えたことを特徴とし
ている。
【0017】また、請求項7に係るこの発明の受渡す方
法は、設置面上を任意の経路に沿って直線的および曲線
的に自走可能な移動台車を用意し、設置面上に設置され
た各機器に対する所定の停止位置を上記移動台車に記憶
させる。そして、取扱媒体を受渡す機器を指示する指令
信号を上記移動台車に無線で送信して、上記移動台車を
指示された機器に対する所定の停止位置まで走行させ、
上記所定の停止位置まで走行した上記移動台車に設けら
れた距離測定部により、上記機器に対する移動台車の距
離および傾きを測定し、上記測定された距離および傾き
に基づいて、上記所定の停止位置する移動台車のずれ量
を検出する。上記検出されたずれ量に基づき、予め設定
された補正値を求め、上記補正値に応じて上記移動台車
を直線走行させるとともに、定位置で回転させることに
より上記移動台車のずれを補正し、上記補正後、上記移
動台車と上記機器との間で取引媒体を受渡すことを特徴
とする受渡し方法。
【0018】上記のように構成された受渡し装置、処理
システムおよび受渡す方法によれば、移動台車は制御手
段による制御の下、駆動輪が作動され、任意の機器と対
向する所定の停止位置まで走行される。続いて、移動台
車に設けられた距離測定部により、上記機器に対する移
動台車の距離および傾きが測定され、これに応じて、所
定の停止位置に対する移動台車のずれ量が検出される。
【0019】所定の停止位置からずれている場合、制御
手段による制御の下、検出されたずれ量に応じて駆動輪
が作動され、移動台車は定位置での回転および直線走行
によってずれが補正され、上記所定の停止位置に位置決
めされる。
【0020】位置決め後、受渡し手段により移動台車と
機器との間で現金等の取引媒体の受渡しが行なわれる。
その後、移動台車は他の機器と対向する所定の停止位置
まで移動され、同様に取引媒体の受渡しを行なう。
【0021】
【実施の形態】以下図面を参照しながらこの発明の実施
の形態について詳細に説明する。図1は、この発明に係
る処理システムとして、金融機関の営業所に設置された
現金処理システム全体の構成を概略的に示している。
【0022】この営業所は、例えば4台の自動取引装置
(以下ATMと称する)10a、10b、10c、10
dが設置されて無人で取引が可能なキャッシュコーナ1
20、営業時間中に利用者に対して接客が行なわれるロ
ビー122、ロビーに対面して設けられたテラーカウン
タ124、係員の仕事を後方で支援する後方事務エリア
126、ATMの背面側に設けられ係員が作業を行なう
機械室128、更に、図示しない金庫等で構成されてい
る。キャッシュコーナ120とロビー122とを繋ぐ通
路には、営業時間が終了すると閉じられるシャッタ12
3が設けられている。このような営業所の構造は、建物
の大きさや部屋の形によってそれぞれ異なっている。
【0023】各部門には、取引媒体としての現金を取り
扱う種々の現金処理装置が設置されている。これらの現
金処理装置としては、キャッシュコーナ120に設置さ
れた上述の4台のATM10a、10b、10c、10
d、テラーカウンタ124に設けられた窓口入出金器1
30、後方事務エリア126に設置された現金出納整理
機132が用いられている。
【0024】そして、現金処理システムは、これらの現
金処理装置、およびこれらの現金処理装置に対し現金、
特に、紙幣を補充および回収する現金受渡し装置12を
備えて構成されている。
【0025】図2および図3に示すように、ATM10
aはほぼ矩形箱状の本体14を備え、キャッシュコーナ
120側に位置した本体の前面には、利用者に対面する
接客パネル15が設けられている。接客パネル15に
は、タッチパネルを兼ねた表示部16、扉17によって
開閉される紙幣入出金口18、硬貨入出金口19、カー
ド挿入口20、通帳挿入口21等が設けられている。
【0026】本体14内には、利用者に対して紙幣を入
出金するための紙幣取扱装置22、図示しない硬貨取扱
装置等が配設されている。これらの紙幣取扱装置22お
よび硬貨取扱装置はこの発明における現金収納部を構成
している。また、機械室128側に位置した本体14の
後面には、紙幣取扱装置22のカセット装填部23に対
向した挿通口24が形成され、この挿通口24は上下に
開く扉26によって開閉される。
【0027】なお、他のATM10b、10c、10d
も上述のATM10aと同様に構成されている。そし
て、これらのATM10aないし10dは、その後面が
平行に揃った状態で、営業所の床面25上に並んで設置
されている。また、窓口入出金器130および現金出納
整理機132もそれぞれ図示しない現金収納部およびこ
れに連通する挿入口を備えて構成されている。
【0028】図4に示すように、4台のATM10aな
いし10d、窓口入出金器130、および現金出納整理
機132は、それぞれLANアダプタ27を介してロー
カルエリアネットワーク(LAN)28に接続されてい
る。また、LAN28には、各ATM10aないし10
d、窓口入出金器130、および現金出納整理機132
を監視する運用管理端末としてパーソナルコンピュータ
等のサーバー30が接続されている。そして、このサー
バー30には、各ATM10aないし10d、窓口入出
金器130、および現金出納整理機132から送られた
動作状態、例えば障害発生状況や、取扱媒体としての紙
幣や硬貨の残量等がLAN28を介して随時報告され
る。
【0029】一方、図2および図4に示すように、現金
受渡し装置12は、ALN28に接続された送信手段と
してのキャリアステーション32と、キャリアステーシ
ョン32からの指令に従い、営業所の床面25上を建物
の壁面、ATM10aないし10dの後面、窓口入出金
器130の後面、現金出納整理機132の全面、後方事
務エリア126に置かれたデスク側面等の対象面に沿っ
て自走する移動台車としてのカセットキャリア34と、
を備えている。
【0030】キャリアステーション32は、LAN28
を介してサーバー30に接続されたパーソナルコンピュ
ータからなるモニタ35を備え、このモニタ35はサー
バー30との間で情報および指令の連絡を行なう。サー
バー30からLAN28を介してモニタ35に入力され
た指令は、コンバータ36によって無線信号に変換さ
れ、更に、無線モデム37、アンテナ38を介してカセ
ットキャリア34へ送信される。そして、カセットキャ
リア34は、キャリアステーション32からの指令に従
って所定の現金処理装置と対向する位置まで自走し、こ
の現金処理装置に対して現金の受渡しを行なう。
【0031】図2および図5に示すように、カセットキ
ャリア34は、台車本体として機能する台車40、この
台車40上にスライド機構42を介して支持され媒体保
持部あるいは現金保持部として機能する配送カセット4
3、台車40上に取り付けられてスライド機構42、配
送カセット43を覆ったほぼ矩形箱状のハウジング44
等を備えて構成されている。
【0032】図5ないし図7に示すように、台車40は
左右2つの駆動輪46a、46bおよび1つの従動輪4
7が取り付けられた矩形板状のベース45を有し、これ
らの車輪により床面25上を走行可能となっている。
【0033】一方の駆動輪46aは、ベース45上に設
けられたウォーム減速機48、カップリング49を介し
てサーボモータ50aに接続され、他方の駆動輪46b
もウォーム減速機48、カップリング49を介してサー
ボモータ50bに接続されている。そして、左右の駆動
輪46a、46bは独立した2つのサーボモータ50
a、50bによって別々に駆動され、これらサーボモー
タ50a、50bを正転/逆転および速度制御すること
により、台車40は床面25上を直線的あるいは曲線的
に往復道することができる。
【0034】特に、左右の駆動輪46a、46bは、共
通の中心軸線Cの回りで回転自在に配設されている。そ
して、台車40は、2つの駆動輪46a、46bが同一
方向に回転駆動された場合、直線的に前進あるいは後進
し、また、2つの駆動輪が相反する方向へ回転駆動され
た場合、駆動輪46a、46bの中間において中心軸線
C上の支点Oを中心として定位置で回転することができ
る。
【0035】従動輪47はいわゆるキャスタ構造を有
し、台車40が曲線走行する際、あるいは前進から後進
に切り替わる際に対応できるように、軸51の回りで回
転自在にベース45に取り付けられている。軸51およ
び支点Oは、台車40の直線走行方向に沿って延びる台
車の中心軸L上に位置している。なお、駆動輪46a、
46b、従動輪47、ウォーム減速機48、サーボモー
タ50a、50bは、この発明における駆動手段を構成
している。
【0036】左右の駆動輪46a、46b間においてベ
ース45には回動自在な回動アーム52が支持され、こ
の回動アーム52の先端には摩擦車53が取り付けられ
ている。摩擦車53は床面25に接触して設けられ、台
車40の走行に連動して床面25上を転動する。また、
摩擦車53の回転は、ベルト54を介して、ベース40
上に設けられたエンコーダ55に伝達され、エンコーダ
55は伝達された回転を所定のパルス数としてカウント
し後述する制御部に入力する。
【0037】ベース45上には、駆動源として作用する
一対の充電式のバッテリ56が載置されている。これら
のバッテリ56は、サーボモータ50a、50bを駆動
するとともに、後述するようにカセットキャリア34の
他の電気系すべてに給電する。また、バッテリ56は、
ハウジング44の後面に設けられたコネクタ57(図5
参照)を、キャリアステーション32に設けられた給電
ソケット58(図2参照)に接続することによって充電
される。
【0038】図5に示すように、台車40の前後部には
それぞれバンパ60、61が取り付けられ、更に、バン
パ60、61の裏側には後述する圧力センサ62、63
がそれぞれ取り付けられている。そして、バンパ60、
61が異物や人体に接触して圧力が作用すると、圧力セ
ンサ62、63が反応し、これに応じて制御部によりサ
ーボモータ50a、50bが停止され、カセットキャリ
ア34の走行が停止される。
【0039】また、ハウジング44の前壁および後壁に
はそれぞれ反射型センサ64が設けられ、反射型センサ
64の検知範囲65であるカッセトキャリア34の前後
約1mの範囲に人体等の反射物が出現すると、反射型セ
ンサはこれを検知して上記と同様にカセットキャリア3
4の走行を停止する。
【0040】このような圧力センサ62、63および反
射型センサ64の安全装置に加えて、ハウジング44の
上面にはパトロールライト66が取り付けられ、このパ
トロールライト66はカセットキャリア34の走行中に
回転しながら点灯する。
【0041】また、ハウジング44は、台車40の直線
走行方向に沿って延びているとともに床面25に対して
垂直な側壁44aを備え、この側壁44aは、ATM1
0aないし10dの後面、窓口入出金器130の前面、
現金出納整理機132の全面とそれぞれ対向する。側壁
44aには、任意の現金処理装置、例えば、ATMに対
してカセットキャリ34を位置決めするための一対の反
射型距離センサ68a、68bが直線走行方向に沿って
所定の間隔を置いて取り付けられている。これらの反射
型距離センサ68a、68bは超音波センサで構成さ
れ、ハウジング44の側壁44aから測定対象面、つま
り、ATMの後面までの垂直方向距離をミリ単位で精密
に測定することができる。反射型距離センサ68a、6
8bは、この発明における距離測定部として機能し、後
述する距離測定回路106とともに測定手段を構成して
いる。
【0042】側壁44aの上部には赤外線リモコンの発
光部67aが設けられている。各ATM10aないし1
0dの後面には、発光部67からの赤外線を受信する受
光部67bが設けられ、受光部67bによって赤外線が
受信されるとATMの扉26が開けられ挿通口24が開
放される。
【0043】更に、ハウジング44の上面にはアンテナ
70が設けられ、このアンテナ70は後述するモデムに
接続されている。そして、このアンテナ70を介して、
キャリアステーション32とカセットキャリア34との
間で信号の送受信が行なわれる。また、ハウジング44
の上面には、係員が手動でカセットキャリア34を操作
するための操作ノブ71が設けられている。
【0044】一方、図5および図8ないし図10に示す
ように、ハウジング44の側壁44aには矩形状の開口
44bが形成され、配送カセット43はこの開口44b
に対向した状態でハウジング44内に配設されている。
配送カセット43は開口44bを通過可能な大きさの矩
形箱状に形成され、その内部には多数の紙幣72が積層
状態で収納されている。
【0045】現金処理装置と対向する配送カセット43
の側壁43aの下部には搬出口73aが形成され、この
搬出口73a内には配送カセット43内の紙幣72を一
枚づつ取り出して対向する現金処理装置に補充する複数
の供給ローラ74aが設けられている。また、側壁43
aの上部には搬入口73bが形成され、この搬入口73
b内には対向する現金処理装置から排出された紙幣を受
け取って配送カセット43内に回収する複数の取り込み
ローラ74bが設けられている。
【0046】更に、側壁44aの中央部には現金処理装
置側から配送カセット43を制御するためのコネクタ7
6が設けられている。つまり、コネクタ76は、後述す
るように配送カセット43が例えばATMのカセット装
填部23に装着された際、ATMの紙幣取扱装置22に
接続され、コネクタ76を介してATM側から配送カセ
ット43の供給ローラ74aおよび取り込みローラ74
bの動作を制御することが可能となる。
【0047】配送カセット43は、カセットキャリア3
4と現金処理装置との間で配送カセットを移動させるス
ライド機構42、現金処理装置の挿通口24およびカセ
ット装填部23に対する配送カセット43の位置を微調
整する位置調整手段としての微調整機構78、および支
持フレーム80を介して台車40のベース45上に支持
されている。
【0048】詳細に述べると、図8および図9に示すよ
うに、支持フレーム80はベース45上に立設され、微
調整機構78は、この支持フレーム80上に載置された
下テーブル82および上テーブル83を備えている。下
テーブル82はリニアスライダ84を介して支持フレー
ム80上に載置され、X方向に沿って往復動可能となっ
ている。そして、下テーブル82は、支持フレーム80
上に設置されたモータ86によりボールネジ85を介し
てX方向に往復移動される。
【0049】下テーブル82上に配置された上テーブル
83は、Y方向に延びるボールネジ87aないし87d
によってその4隅が下テーブルに支持されている。これ
らのボールネジ87aないし87dは上テーブル83上
に取り付けられた4つのモータ88aないし88dにそ
れぞれ接続され、各モータ88aないし88dを駆動す
ることにより上テーブル83の4隅をそれぞれ独立して
上下動、つまり、Y方向へ移動させることができる。
【0050】例えば、上テーブル83が水平な状態で4
つのモータ88aないし88dを同量回転させると、上
テーブル83は水平状態のまま上下移動する。また、図
2に示すXYZ座標を用いる場合、モータ88aおよび
88bを同時に回転させると、上テーブル83はX軸を
中心としてTz方向にチルトし、モータ88aおよび8
8cを同時に回転されると、上テーブル83はZ軸を中
心としてTy方向にチルトする。
【0051】従って、モータ86および4つのモータ8
8aないし88dを制御することにより、上テーブル8
3をX方向、Y方向に平行移動できるとともに、Tzお
よびTy方向にチルトさせることができる。
【0052】スライド機構42は、上テーブル83に立
設された一対の支柱90にそれぞれ取り付けられた左右
のスライドレール91a、91bと、これらのスライド
レール91a、91bに支持されたベース板92とを有
している。各スライドレール91a、91bはZ方向に
延び、それにより、ベース板92はZ方向へ往復移動可
能となっている。そして、このベース板92上に配送カ
セット43が載置されている。
【0053】図10に示すように、スライド機構42の
駆動部94は、上テーブル83上に設けられたモータ9
4、大プーリ95、および複数の小プーリ96aないし
96dを備え、モータ94と大プーリ95とには駆動ベ
ルト97が巻装され、大プーリと小プーリとにはベルト
98が巻装されている。このベルト98の一部は、連結
部98aを介してベース板92に連結されている。小プ
ーリ96aないし96dの内、小プーリ96b、96c
は上テーブル83上をZ方向に沿って往復動自在に設け
られている。
【0054】そして、モータ94により駆動ベルト97
を介して大プーリ95を回転させると、ベルト98が走
行し、連結部98aを介してベース板92がZ方向に移
動される。この際、小プーリ96b、96cは動滑車的
に移動し、連結部98aおよびベース板83は大きなス
トロークでZ方向に往復動することができる。それによ
り、ベース板92上に載置された配送カセット43は、
ハウジング44内に収納された図4(b)に2点鎖線で
示す収納位置と、ハウジング44から外方に突出し任意
の現金処理装置のカセット装填部23に装填可能な図4
(b)に実線で示す装填位置との間を移動される。
【0055】なお、スライド機構42は、配送カセット
43の供給ローラ74aおよび取り込みローラ74bと
ともにこの発明における受渡し手段を構成している。ま
た、配送カセット43を現金処理装置のカセット装填部
23に対して高精度で位置決めするため、上テーブル8
3上に現金処理装置側に向かって一対の反射型センサ1
00a、100bが設けられ、更に、ベース板92上に
現金処理装置側に向かって1つの反射型センサ102が
設けられている。
【0056】図11は上記のように構成されたカセット
キャリア34の制御系の構成を概略的に示している。つ
まり、カセットキャリア34は、マイクロコンピュータ
を主体とする制御手段としての制御部104を備え、こ
の制御部はROM105に格納された制御プログラムに
従って上述した種々の機構の動作を制御する。制御部1
04には、反射型距離センサ68a、68bからの信号
に基づいて測定対象面に対するカセットキャリア34の
距離、傾き(平行度)を測定する距離測定回路106、
距離測定回路106による測定結果に応じて、駆動輪4
6a、46bを駆動するモータ50a、50bの回転を
制御するサーボ回路107、エンコーダ55、バッテリ
56、反射型センサ64、圧力センサ62、63、およ
びパトロールライト66が接続されている。
【0057】また、制御部104には、微調整機構78
のモータ86およびモータ88aないし88dを駆動す
るドライバー108、110、反射型センサ100a、
100b、102、アンテナ70に無線信号を送るモデ
ム112、赤外線リモコンの発光部67a、およびカセ
ットキャリア34の停止位置等を記憶するメモリ114
が接続されている。
【0058】次に以上のように構成された現金処理シス
テムの動作について説明する。まず、現金処理シテムス
を金融機関等に設置した後、実際の運用動作を開始する
前にカセットキャリア34の学習を行なう。つまり、キ
ャリアステーション32から各ATM10aないし10
d、窓口入出金器130、現金出納整理機132に対向
する位置までどれだけ走行すべきかをカセットキャリア
34に学習させる。
【0059】各ATM10aないし10dに対するカセ
ットキャリア34の停止位置を学習する場合を代表して
説明する。図12に示すように、カセットキャリア34
がキャリアステーション32にドッキングしている時の
カセットキャリア34の後面の位置を基準位置Rとし、
ATM10dのキャリアステーション32側の側面に対
するカセットキャリア34の反射型距離センサ68aの
X方向距離Lが約3cm程度となる時のカセットキャリ
ア後面の位置をATM10dに対するカセットキャリア
34の停止位置Dとする。同様に、ATM10c、10
b、10aに対して反射型距離センサ68aのX方向距
離Lが約3cm程度となる時のカセットキャリア後面の
位置を、それぞれATM10c、10b、10aに対す
るカセットキャリア34の停止位置C、B、Aとする。
そして、カセットキャリア34を基準位置Rから各停止
位置D、C、B、Aまで走行させ、その際、エンコーダ
55の回転パルス数をカウントし、距離RD、DC、C
B、BAに対応するパルス数をメモリ114に記憶す
る。
【0060】上述した学習が終了した後、実際の運用動
作が開始される。通常の動作において、サーバー30は
各ATM10aないし10dの動作状態、および窓口入
出金器130、現金出納整理機132の動作状態を監視
し、サーバー30には、これらの現金処理装置の動作状
態、例えば障害発生状況や、取扱媒体としての紙幣や硬
貨の残量等がLAN28を介して随時報告される。
【0061】サーバー30はこれらの情報に基づき、ど
の現金処理装置の紙幣残量が少なく、どの現金処理装置
の紙幣残量が多いかを認識し、更に、今後どの現金処理
装置が多く利用されるかという予測情報も勘案して最終
的にどの現金処理装置から紙幣を回収しどの現金処理装
置へ紙幣を充填するかを決定する。例えば、ATM10
dから紙幣を回収してATM10cへ充填する場合、サ
ーバー30はその旨の指令を発する。
【0062】この指令はLAN28を介してキャリアス
テーション32およびATM10d,10cへ入力され
る。ATM10d、10cは、紙幣の受渡しのためにカ
セットキャリア34が到着するまで待機状態となる。但
し、待機状態においても、各ATM10d、10cは利
用者との取引が可能となっている。
【0063】キャリアステーション32に入力された指
令はモニタ35、コンバータ36、モデム37、アンテ
ナ38を介して送信され、更に、カセットキャリア34
のアンテナ70、モデム112を介して制御部104に
入力される。
【0064】これに応じて制御部104はモータ50
a、50bによって駆動輪46a、46bを正転させ、
カセットキャリア34をATM10dに向かって走行さ
せる。カセットキャリア34の走行に伴って摩擦車53
が回転しエンコーダ55が回転パルスを発生する。そし
て、制御部104は、エンコーダ55のパルス数が学習
時に設定した所定のパルス数、つまり、RDのパルス数
に達した時点でモータ50a、50bの駆動を停止す
る。それにより、カセットキャリア34はATM10d
に対応する停止位置Dに停止する。
【0065】なお、床面25の状態によっては、駆動輪
46a、46bあるいは摩擦車53がスリップしてカセ
ットキャリア34が停止位置Cに正確に停止しない場合
もあるが、距離Lがほぼ3cm程度となっていれば何等
問題は生じない。
【0066】続いて、制御部104は、反射型距離セン
サ68bからの検出信号に応じてカセットキャリア34
とATM10d後面との間の距離Dが所定の値であるこ
とを確認しながら、反射型距離センサ68aによってA
TM10dのキャリアステーション32側の側縁Eが検
出されるまで、カセットキャリア34を停止位置Dから
更に走行させる。そして、制御部104は、側縁Eが検
出された位置から、予めROM105に格納されている
プログラムに従った所定距離だけ、つまり、所定のパル
ス数だけカセットキャリア34を走行させた後停止す
る。それにより、カセットキャリア34は、ATM10
dに対して紙幣の受渡しが可能な所定の停止位置に停止
される。
【0067】カセットキャリア34が所定の停止位置に
停止すると、制御部104は、反射型距離センサ68
a、68bからの検出信号に基づき、反射型距離センサ
68aからATM10d後面までの距離d1、反射型距
離センサ68bからATM10d後面までの距離d2を
測定し、距離d1、d2が予め設定された所定の距離に
一致しているか、およびATM10dの後面に対するカ
セットキャリア34の傾き、つまり、平行度を測定す
る。そして、距離d1、d2の少なくとも一方が所定距
離と異なる場合、あるいはカセットキャリア34がAT
M後面に対して傾いている場合、つまり、カセットキャ
リア34が所定の停止位置からずれている場合、制御部
104は後述する工程によりずれを補正してカセットキ
ャリア34を所定の停止位置に位置決めする。
【0068】以上の動作により、カセットキャリア34
は、その開口44bがATM10dの挿通口24とほぼ
対向する位置へ移動および位置決めされる。この状態
で、赤外リモコンの発光部67aから扉26の開放信号
が出力され、ATM10dは、受光部67bで開放信号
を受信した時点で扉26を開け挿通口24を開放する。
【0069】次に、制御部104は、反射型センサ10
0a、100b、102からの検出信号によって下テー
ブル82および上テーブル83とATM10dの挿通口
24との間の位置ずれを測定し、ずれている場合には微
調整機構78によって下テーブル82をX方向、上テー
ブル83をY方向、Tzチルト、Tyチルトさせること
により、位置ずれを精密に補正する。従って、上テーブ
ル83上に載置された配送カセット43は、挿通口24
および紙幣取扱装置22のカセット装填部23に対して
正確に位置決めされる。
【0070】上述した微調整が終了した後、制御部10
4はスライド機構42を作動させて配送カセット43を
ハウジング44内の収納位置から装填位置へ移動させ
る。それにより、配送カセット43はATM10dの挿
通口24を通過し、紙幣取扱装置22のカセット装填部
23に装填され、また、配送カセット43のコネクタ7
6は紙幣取扱装置22に接続される。
【0071】装填作業が終了すると、制御部104によ
り終了信号がモデム112およびアンテナ70を介して
キャリアステーション32に送信され、更に、LAN2
8を介してサーバー30へ入力される。これを受けたサ
ーバー30は、ATM10dに対して配送カセット43
の装填終了を連絡し、ATM10dの紙幣取扱装置22
に、例えば、400枚の紙幣を回収する旨の指示を入力
する。
【0072】これに応じて、紙幣取扱装置22はその内
部に収容している紙幣を排出するとともに、配送カセッ
ト43の取り込みローラ74bを駆動して指定枚数分の
紙幣を配送カセット43内に回収する。なお、利用者に
よりATM10dが使用されている場合には、その取引
が終わった後に上記回収動作が開始される。
【0073】回収動作が終了すると、ATM10dから
サーバー30へ終了報告がなされ、この報告を受けたサ
ーバー30はLAN28およびキャリアステーション3
2を介して終了信号をカセットキャリア34へ送る。こ
れに応じて、カセットキャリア34の制御部104はス
ライド機構42を駆動して配送カセット43を装填位置
から収納位置へ移動させ、ATM10dからハウジング
44内へ収容する。
【0074】続いて、制御部104は上記と同様の動作
によりカセットキャリア34をATM10cに対する停
止位置Cまで移動させた後、ATM10cに対して所定
の停止位置に位置決めおよび微調整し、配送カセット4
3をATM10cの紙幣取扱装置22のカセット装填部
23に装填する。そして、配送カセット43内の紙幣を
ATM10cの紙幣取扱装置22に所定枚数充填した
後、カセットキャリア34は基準位置Rへ戻される。
【0075】一方、カセットキャリア34が所定の停止
位置からずれて停止した場合の補正動作について説明す
る。例えば、カセットキャリア34がキャリアステーシ
ョン32からATM10dに対する所定の停止位置に移
動するまでの過程で、床面25の摩擦係数の変動により
従動輪47の向きが変わり、図13に示すように、カセ
ットキャリア34の前端部が揺動した場合を想定する。
【0076】図13において、2点鎖線で示した位置が
ATM10dに対する所定の停止位置を示している。カ
セットキャリア34がこの所定の停止位置に正しく停止
した場合、カセットキャリ34の中心軸Lは所定の基準
軸Rと同軸状に位置するとともに、カセットキャリア3
4の回転支点Oは基準軸R上の基準支点CRと一致し、
それにより、カセットキャリア34の側壁44aはAT
M10dの後面に対して平行に、かつ、所定距離Dだけ
離間して対向する。
【0077】そして、カセットキャリア34が実際には
所定の停止位置からずれて図13に実線で示す位置に停
止した場合、制御部104は以下のようにずれ量を測定
した後に補正動作を実行する。
【0078】図13および図14に示すように、まず、
制御部104は、反射型距離センサ68a、68bから
の検出信号に基づき、カセットキャリア34の側壁44
aに対して垂直な方向に沿った反射型距離センサ68a
からATM10d後面までの距離d1、反射型距離セン
サ68bからATM10d後面までの距離d2を測定
し、距離d1、d2が互いに異なる場合および予め設定
された所定の距離に一致していない場合、ずれ角度θお
よびずれ距離ΔDを測定する。
【0079】カセットキャリア34の直線走行方向に沿
った反射型距離センサ68a、68b間の距離をWとす
ると、ずれ角度θが0度に近い場合、 ずれ角度: d1−d2=W tanθ ずれ距離: ΔD=(d1+d2)/2 − D から求めることができる。
【0080】図14ないし図16に示すように、制御部
104は、測定したずれ角度およびずれ距離が許容値以
下であるかを判断し、許容値以下の場合には補正動作を
実行せず次の動作に移る。また、許容値よりも大きい場
合、制御部104は、補正回数nを1カウントアップし
た後、ROM105に格納されている制御プログラム内
の回転量テーブルを検索する。この回転量テーブルは、
測定したずれ角度θを四捨五入して得られた1度おきの
値に対して、特定の補正数値Rを与えるテーブルであ
る。そして、制御部104は、測定したずれ角度θに対
応する補正値Rを求め、この補正値Rに基づいてカセッ
トキャリア34を回転させる。
【0081】詳細には、図15(b)に示すように、制
御部104は補正値Rに応じた量だけ駆動輪46aを正
転および駆動輪46bを逆転する。それにより、カセッ
トキャリア34は、支点Oを中心として角度θだけ反時
計方向に回転し、カセットキャリアの側壁44aはAT
M10dの後面と平行となる。
【0082】続いて、図15(c)に示すように、制御
部104は駆動輪46a、46bを正転駆動し、カセッ
トキャリア34を補正距離A=ΔD/tanθだけ前進
させた後、図16(a)に示すように、上述した補正値
Rに応じて量だけ駆動輪46aを正転および駆動輪46
bを逆転駆動し、カセットキャリア34を支点Oを中心
として角度θだけ反時計方向に回転させる。
【0083】次に、制御部104は、図16(e)に示
すように、駆動輪46a、46bを逆転駆動し上記の補
正距離Aと等しい距離だけカセットキャリア34を後退
させる。それにより、カセットキャリア34の回転支点
Oが基準支点CRと一致する。この状態で、制御部10
4は、図16(f)に示すように、上述した補正値Rに
応じた量だけ駆動輪46aを逆転および駆動輪46bを
正転駆動し、カセットキャリア34を支点Oを中心とし
てマイナス方向、つまり、時計方向に角度θだけ回転さ
せる。
【0084】それにより、カセットキャリア34は、そ
の側壁44aがATM10dの後面に対して平行に、か
つ、所定の距離Dだけ離間して対向する所定の停止位置
に復帰し、補正動作が終了する。1回の補正動作では所
定の停止位置に復帰にない場合、再度上述した補正動作
を実行し、それでも補正できない場合にはエラーとして
補正動作を終了する。
【0085】なお、上述した説明では、カセットキャリ
ア34とATMとの間における現金の受渡し動作および
補正動作について説明したが、窓口入出金器130、現
金出納整理機132等の他の現金処理装置との間につい
ても同様の受渡し動作および補正動作が行なわれる。
【0086】以上のように構成された現金処理システム
によれば、現金受渡し装置12により複数の現金処理装
置間で現金を自動的に受渡すことができ、作業員の労力
を大幅に低減することができる。そして、現金受渡し装
置12のカセットキャリア34は、ガイドレール、走行
テープ等を用いることなく無軌道および無線により任意
の現金処理装置間を移動することができる。そのため、
ガイドレール、走行テープ等を設置する必要がなく、現
金処理システムを比較的容易に、かつ、安価に設置する
ことができるとともに、システム全体も小型にすること
が可能となる。
【0087】また、現金受渡し装置12は、現金処理装
置に対してカセットキャキャリア34を位置決めする位
置決め機構に加えて、現金処理装置の挿通口24および
カセット装填部23に対する配送カセット43の位置を
微調整する微調整機構78を備えているため、現金処理
システムの設置面、つまり、金融機関等の床面25が多
少傾いている場合でも配送カセット43を現金処理装置
に対して確実に装填し現金を確実に受渡すことがができ
る。従って、通常の床であれば特別な工事を施すことな
く現金処理システムを設置することができ、設置コスト
の一層の低減を図ることができるとともに、現金処理シ
ステムの設置場所を比較的自由に選択することが可能と
なる。
【0088】更に、上記現金受渡し装置によれば、カセ
ットキャリア34に設けられた一対の反射型距離センサ
68a、68bは、現金処理装置に対してカセットキャ
リア34のX方向、つまり、走行方向の位置決めするた
めに用いられるとともに、これらのセンサにより現金処
理装置の対象面に対するカセットキャリアの傾きおよび
距離を検出することができる。従って、検出された傾き
および距離に基づいて、所定の停止位置に対するカセッ
トキャリア34のずれ角度およびずれ距離を測定し、こ
の測定結果に応じてずれを補正することにより、カセッ
トキャリアを現金処理装置に対して正確に位置決めする
ことができる。
【0089】なお、この発明は上述した実施の形態に限
定されることなく、この発明の範囲内で種々変形可能で
ある。例えば、上記実施の形態において、一対の反射型
距離センサは駆動輪の中心軸線に対して対象に配置する
構成としたが、これらの反射型距離センサは、カセット
キャリアの走行方向に沿って互いに離間して配設されて
いれば上述と同様の測定を行なうことができる。
【0090】また、複数のATMは直線的に配列され、
カセットキャリア34も直線的に往復移動する構成とし
たが、必要に応じて複数のATMを曲線的あるいは屈曲
して配置するようにしてもよく、この場合においても、
カセットキャリア34はATMの配列に沿って自由に移
動することができる。
【0091】現金処理システムは現金処理装置として、
他の機器、例えば、現金計数装置等を含んで構成されて
いてもよい。また、取扱媒体は紙幣に限らず、硬貨、通
帳、カード、ジャーナル用紙等種々のものに適用するこ
とが可能であり、かつ、複数種類の取扱媒体を一度に取
扱ようにしてもよい。
【0092】更に、上記実施の形態では、現金受渡し装
置によりいずれかのATMから現金を回収し、回収した
現金を他のATMに充填する動作を示したが、これに限
らず、現金受渡し装置によって、現金処理装置からの現
金の回収、あるいは現金処理装置への現金の充填のみを
行なうようにしてもよい。
【0093】
【発明の効果】以上詳述したように、この発明によれ
ば、レール、走行テープ等を設ける必要がなく比較的小
型で設置が容易な取引媒体の受渡し装置、および現金処
理システムを提供することができる。また、設置場所が
制限されることなく、かつ、取引媒体を確実に受渡し可
能な受渡し装置および現金処理システムを提供すること
ができる。更に、所定の停止位置に対する受渡し装置の
ずれを補正し、受渡し装置を現金処理装置に対して正確
に位置決め可能な受渡し装置、現金処理システム、およ
び受渡す方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態に係る現金処理システム
全体を概略的に示す斜視図。
【図2】上記現金処理システムにおけるATM部分と受
渡し装置とを拡大して示す斜視図。
【図3】現金自動取引装置の外観を示す斜視図。
【図4】上記現金処理システム全体の構成を概略的に示
すブロック図。
【図5】図5(a)は上記現金処理システムのカセット
キャリアの平面図、図5(b)は上記カセットキャリア
の側面図、図5(c)は上記カセットキャリアの正面図
である。
【図6】上記カセットキャリアの台車の平面図。
【図7】上記台車を一部破断して示す側面図。
【図8】上記カセットキャリアの配送カセット、スライ
ド機構、および微調整機構を示す正面図。
【図9】上記微調整機構の一部を概略的に示す斜視図。
【図10】上記スライド機構の駆動部を示す平面図。
【図11】上記カセットキャリア全体の構成を概略的に
示すブロック図。
【図12】上記カセットキャリアを現金自動取引装置に
対して位置決めする工程を説明するための概略図。
【図13】上記カセットキャリアが所定の停止位置に対
してずれて停止した状態を示す平面図。
【図14】カセットキャリアの位置ずれを補正するため
の補正動作を示すフローチャート。
【図15】カセットキャリアの位置ずれを補正するため
の補正動作を示す平面図。
【図16】カセットキャリアの位置ずれを補正するため
の補正動作を示す平面図。
【符号の説明】
10a、10b,10c、10d…自動取引装置 12…現金受渡し装置、 22…紙幣取扱装置 24…挿通口 25…床面 26…小扉 30…サーバー 32…キャリアステーション 34…カセットキャリア 40…台車 42…スライド機構 43…配送カセット 44…ハウジング 46…駆動輪 47…従動輪 50a、50b…サーボモータ 68a、68b…反射型距離センサ 104…制御部 130…窓口入出金器 132…現金出納整理機
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 深津 邦夫 神奈川県川崎市幸区柳町70番地 株式会社 東芝柳町工場内 (72)発明者 青柳 茲雄 東京都渋谷区恵比寿西1丁目21番7号 ヒ ロセ電子システム株式会社内

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 設置面上に設置されそれぞれ取扱媒体を
    処理する複数の機器間で取扱媒体を受渡す装置におい
    て、 上記設置面上を任意の経路に沿って自走可能な移動台車
    を備え、 上記移動台車は、 独立して回転自在な一対の駆動輪が設けられた台車本体
    と、 上記台車本体に設けられ、上記駆動輪を同一方向へ回転
    駆動することにより移動台車を直線走行させるととも
    に、上記駆動輪を互いに相反する方向へ回転駆動するこ
    とにより上記移動台車を定位置で回転させる駆動手段
    と、 上記設置面に対してほぼ垂直な平面内において上記台車
    本体の走行方向に沿って互いに離間して設けられた一対
    の距離測定部を有し、測定対象面に対する上記移動台車
    の距離および傾きを測定する測定手段と、 上記駆動手段を作動させて上記移動台車を任意の機器と
    対向する位置まで移動させるとともに、上記距離測定部
    により測定された上記機器に対する移動台車の距離およ
    び傾きに応じて、所定の停止位置に対する移動台車のず
    れ量を検出し、上記ずれ量に基づき上記駆動手段によっ
    て上記移動台車を回転および直線走行させることにより
    上記ずれを補正し、上記移動台車を上記所定の停止位置
    に位置決めする制御手段と、 上記台車本体上に設けられ、上記所定の停止位置に位置
    決めされた移動台車と上記機器との間で取引媒体を受渡
    す受渡し手段と、 を備えたことを特徴とする複数の機器間で取扱媒体を受
    渡す装置
  2. 【請求項2】 上記台車本体は、キャスタ構造の従動輪
    を備えていることを特徴とする請求項1に記載の取扱媒
    体を受渡す装置。
  3. 【請求項3】 上記一対の駆動輪は共通の中心軸線の回
    りで回転自在に設けられ、上記移動台車は上記中心軸線
    上において上記一対の駆動輪間の中心を支点として回転
    可能であることを特徴とする請求項1または2に記載の
    複数の機器間で取引媒体を受渡す装置。
  4. 【請求項4】 上記距離測定部は、上記駆動輪の中心軸
    線に対して対象に配設されていることを特徴とする請求
    項3に記載の複数の機器間で取扱媒体を受渡す装置。
  5. 【請求項5】 現金を収納した現金収納部および上記現
    金収納部に対して現金を出し入れするための挿通口をそ
    れぞれ備えているとともに設置面上に設置された複数の
    現金処理装置間で現金を受渡す装置において、 上記設置面上を任意の経路に沿って自走可能な移動台車
    を備え、 上記移動台車は、 独立して回転自在な一対の駆動輪が設けられた台車本体
    と、 上記台車本体に設けられ、上記駆動輪を同一方向へ回転
    駆動することにより移動台車を直線走行させるととも
    に、上記駆動輪を互いに相反する方向へ回転駆動するこ
    とにより上記移動台車を定位置で回転させる駆動手段
    と、 上記設置面に対してほぼ垂直な平面内において上記台車
    本体の走行方向に沿って互いに離間して設けられた一対
    の距離測定部を有し、測定対象面に対する上記移動台車
    の距離および傾きを測定する測定手段と、 上記駆動手段を作動させて上記移動台車を任意の現金処
    理装置と対向する位置まで移動させるとともに、上記距
    離測定部により測定された上記現金処理装置に対する移
    動台車の距離および傾きに応じて、所定の停止位置に対
    する移動台車のずれ量を検出し、上記ずれ量に基づき上
    記駆動手段によって上記移動台車を回転および直線走行
    させることにより上記ずれを補正し、上記移動台車を上
    記所定の停止位置に位置決めする制御手段と、 上記台車本体上に設けられ、上記所定の停止位置に位置
    決めされた移動台車と上記現金処理装置との間で取引媒
    体を受渡す受渡し手段と、 を備えたことを特徴とする複数の現金処理装置間で現金
    を受渡す装置。
  6. 【請求項6】 設置面上に設置され、それぞれ取扱媒体
    を処理する複数の機器と、上記複数の機器間で取引媒体
    を受渡す受渡し装置と、を備えた処理システムにおい
    て、 上記受渡し装置は、取扱媒体を受渡す機器を指示する指
    令信号を無線で送信する手段と、 上記指令信号に応じて上記設置面上を自走し、上記指示
    された機器に対して取扱媒体を受渡す移動台車と、を備
    え、 上記移動台車は、 独立して回転自在な一対の駆動輪が設けられた台車本体
    と、 上記台車本体に設けられ、上記駆動輪を同一方向へ回転
    駆動することにより移動台車を直線走行させるととも
    に、上記駆動輪を互いに相反する方向へ回転駆動するこ
    とにより上記移動台車を定位置で回転させる駆動手段
    と、 上記設置面に対してほぼ垂直な平面内において上記台車
    本体の走行方向に沿って互いに離間して設けられた一対
    の距離測定部を有し、測定対象面に対する上記移動台車
    の距離および傾きを測定する測定手段と、 上記駆動手段を作動させて上記移動台車を任意の機器と
    対向する位置まで移動させるとともに、上記距離測定部
    により測定された上記機器に対する移動台車の距離およ
    び傾きに応じて、所定の停止位置に対する移動台車のず
    れ量を検出し、上記ずれ量に基づき上記駆動手段によっ
    て上記移動台車を回転および直線走行させることにより
    上記ずれを補正し、上記移動台車を上記所定の停止位置
    に位置決めする制御手段と、 上記台車本体上に設けられ、上記所定の停止位置に位置
    決めされた移動台車と上記機器との間で取引媒体を受渡
    す受渡し手段と、 を備えたていることを特徴とする処理システム。
  7. 【請求項7】 設置面上に設置されそれぞれ取扱媒体を
    処理する複数の機器間で取扱媒体を受渡す方法におい
    て、 上記設置面上を任意の経路に沿って直線的および曲線的
    に自走可能な移動台車を用意し、 各機器に対する所定の停止位置を上記移動台車に記憶さ
    せ、 取扱媒体を受渡す機器を指示する指令信号を上記移動台
    車に無線で送信して、上記移動台車を指示された機器に
    対する所定の停止位置まで走行させ、 上記所定の停止位置まで走行した上記移動台車に設けら
    れた距離測定部により、上記機器に対する移動台車の距
    離および傾きを測定し、 上記測定された距離および傾きに基づいて、上記所定の
    停止位置する移動台車のずれ量を検出し、 上記検出されたずれ量に基づき、予め設定された補正値
    を求め、 上記補正値に応じて上記移動台車を直線走行させるとと
    もに、定位置で回転させることにより上記移動台車のず
    れを補正し、 上記補正後、上記移動台車と上記機器との間で取引媒体
    を受渡すことを特徴とする受渡し方法。
  8. 【請求項8】 上記移動台車の側壁に設けられた一対の
    距離測定部により上記側壁と対向する機器のまでの距離
    をそれぞれ測定し、測定された距離の差に基づいて上記
    機器に対する側壁のずれ角度を検出し、測定された距離
    と予め設定された所定距離とを比較することにより上記
    機器に対する上記側壁のずれ距離を検出することを特徴
    とする請求項7に記載の受渡す方法。
  9. 【請求項9】 上記移動台車の側壁が上記機器と平行と
    なるように上記ずれ角度分だけ上記移動台車を定位置で
    一方向に回転させ、上記ずれ距離とずれ角度から求めた
    補正距離だけ上記移動台車を直線的に前進させ、前進し
    た上記移動台車を上記ずれ角度分だけ定位置で上記一方
    向に回転させ、上記補正距離だけ上記移動台車を直線的
    に後退させ、更に、後退した上記移動台車を上記ずれ角
    度だけ上記一方向と反対方向へ定位置で回転させること
    により上記ずれ量を補正することを特徴とする請求項8
    に記載の受渡す方法。
JP7194694A 1995-04-19 1995-07-31 複数の機器間で取扱媒体を受渡す装置、これを備えた処理システム、および取引媒体の受渡し方法 Pending JPH0944735A (ja)

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KR1019960011299A KR0182242B1 (ko) 1995-04-19 1996-04-15 복수의 기기 사이에서 취급매체를 수수하는(주고받는)장치, 이를 구비한 현금처리시스템 및 거래매체의 수수방법
US08/633,447 US5804804A (en) 1995-04-19 1996-04-17 Device for supplying and receiving medium between a plurality of apparatuses, cash transaction system with the device, and method of supplying and receiving the medium

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