JPH0943708A - 電池収納室を備えるカメラ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 カメラ本体に形成する電池収納室を組み立て
る工数がカメラ組立工数を煩雑化する原因となり、かつ
正負の電極片を組み付けるためのスペースにより小型化
の障害となる。 【解決手段】 カメラボディ４に設けられて電池を収納
可能な断面がＵ字型の凹部１３と、カメラボディ４に固
定される上飾りカバー５と下飾りカバー６にそれぞれ設
けられてその一端部が前記凹部１３に臨んで配置される
正電極片１４及び負電極片１５とで電池収納室２を構成
する。また、また、電池収納室の電池出し入れ用の開口
部１３ａを覆う電池蓋３としては、カメラボディの側面
部に一体化される前飾りカバー７の一部で構成し、この
電池蓋３を開閉可能に支持する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は電池を収納可能に構
成したカメラに関し、特に電池を収納する電池収納室の
構造の簡略化を図ったカメラに関する。

【０００２】

【従来の技術】電子回路を備えるカメラでは電源として
電池が利用されるが、近年におけるストロボ内蔵、自動
フィルム巻上方式のカメラでは比較的に大きな電池容量
が要求されるため、電池も大型化されており、かつ頻繁
に電池交換が必要とされるため、カメラ本体の一部に露
呈された状態で電池収納室を構成することが行われてい
る。一般には、カメラの外カバーの一部を電池蓋として
構成し、この電池蓋の内部のカメラボディに電池が収納
可能な形状、寸法の凹部を形成して電池収納室を形成す
る。そして、この電池収納室には、電池の正負電極に接
触される電極片を配設し、この電極片により収納した電
池の電気接続を行うように構成される。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】このような電池収納室
の構造では、カメラボディに設けた凹部の両端部にそれ
ぞれ正負の各電極片を組み付ける必要があり、したがっ
てカメラの組立工程においては、カメラボディに予め電
極片を組付ける作業が必要となる。このため、カメラの
組立工程の一部として電極片の組付工程が加えられるこ
とになり、カメラ組立工数を低減する際の障害となる。
また、凹部の両端部には電極片を組み付けるためのスペ
ースを確保することが必要であり、その分電池収納室を
構成するための寸法が長くなり、電池収納室の小型化を
図る上での障害となる。本発明は、組立工数を削減で
き、かつ小型化を可能にした電池収納室を有するカメラ
を提供することを目的とする。

【０００４】

【課題を解決するための手段】本発明は、カメラボディ
に設けられて電池を収納可能な凹部と、カメラボディに
一体化される上飾りカバーと下飾りカバーにそれぞれ設
けられてその一端部が前記凹部に臨んで対向配置される
正電極片及び負電極片とで電池収納室を構成したことを
特徴とする。

【０００５】特に、本発明においては、カメラボディの
高さ寸法は収納する電池の長さ寸法に略等しく形成さ
れ、前記凹部はこのカメラボディの上面と下面にそれぞ
れ貫通された構成とされる。また、電池収納室の電池出
し入れ用の開口部を覆う電池蓋としては、カメラボディ
の側面部に一体化される前飾りカバーと後飾りカバーの
一部で構成し、この電池蓋を開閉可能に構成することが
好ましい。

【０００６】

【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態の一例
について図面を参照して説明する。図１は本実施形態の
カメラを背面側から見た外観図であり、カメラ本体１の
正面から見て左側面の一部に電池収納室２が設けられて
おり、この電池収納室２の電池出し入れ用の開口を覆う
ヒンジ構造の電池蓋３を開閉することで、電池収納室２
に円柱状をした２個の電池ＢＡＴを上下方向に直列状態
に収納することができるように構成されている。

【０００７】図２はその一部を破断した模式的な正面
図、図３はそのＡＡ線断面図、図４はその要部の部分分
解斜視図である。これらの図において、前記カメラ本体
１はカメラボディ４を主体に構成され、このカメラボデ
ィ４の上側に固定される上飾りカバー５と、下側に固定
される下飾りカバー６と、カメラボディの前側を覆う前
飾りカバー７と、後ろ側を覆う後飾りカバー８とで構成
される。また、前記カメラボディ４内には、シャッタ機
構９、ストロボコンデンサ１０、フィルム駆動モータ１
１、スプール１２等の各種部品が内装され、或いはフィ
ルムパトローネＦＰが収納可能に構成されており、その
一部に前記電池室２が画成されている。

【０００８】前記カメラボディ４は、前記した２本の電
池ＢＡＴを直列接続した長さに等しい高さ寸法、換言す
れば前記電池収納室２の高さ寸法に等しい長さに設計さ
れており、その側面の一部には、電池を収納可能な断面
がＵ字型をした凹部１３が開口状態に形成されている。
この凹部１３はカメラボディ４の上面部から下面部まで
両端部が貫通されており、かつその側面の開口部１３ａ
を通して前記電池ＢＡＴを凹部１３内に出し入れできる
ように形成されている。

【０００９】一方、前記上飾りカバー５の内面には金属
等の導電性の板バネ材により帯状に構成された正電極片
１４が固定される。この正電極片１４はその延長方向の
複数箇所に設けた穴１４ａに、上飾りカバー５に一体に
設けた突起部５ａが嵌入され、かつこの突起部５ａがか
しめられることで上飾りカバー５に固定支持される。こ
の正電極片１４の一端部１４ｂは前記凹部１３の端面位
置において、開口部１３ａの一側から中心位置に向けら
れるようにその平面形状が設計されており、かつその板
厚方向においては凹部１３側に向けて若干曲げ形成され
て板厚方向に弾性力が付与されている。また、正電極片
１４の図外の他端部は上飾りカバー５の内面に沿って延
長され、上飾りカバー５をカメラボディ４に固定したと
きにカメラ本体１内に配設した図外の電子回路に電気接
続される。

【００１０】また、同様に前記下飾りカバー６の内面に
は導電性の板バネ材で構成される負電極片１５が自身の
穴１５ａと下飾りカバー６の突起部６ａとによりかしめ
固定されており、この負電極片１５の一端部１５ｂは凹
部１３の下側の端面位置において、開口部１３ａの一側
から中心位置に向けられるようにその平面形状が設計さ
れており、かつ板厚方向に弾性力が付与される。この電
極片１５の図外の他端部は下飾りカバー６の内面に沿っ
て延長され、前記電子回路に接続される。

【００１１】これにより、前記凹部１３と上下の各飾り
カバー５，６に設けた正負の各電極片１４，１５の各一
端部１４ｂ，１５ｂとで前記電池収納室２が構成される
ことになる。そして、前記開口部１３ａに対しては、矩
形片状をした電池蓋３が前記上下の各飾りカバー５，６
間に開閉可能に支持されている。この電池蓋３は前記前
飾りカバー７の一部として分割形成されたものであり、
電池蓋３の一側部の上下端にはそれぞれ軸突起１６が突
出され、これら軸突起１６が上下の各飾りカバー５，６
に設けた凹状の軸受部５ｂ，６ｂに挿入されることで、
電池蓋３が上下の各飾りカバー５，６間に挟持され、か
つ軸突起１６を支点として回動可能に構成される。ま
た、電池蓋３の他側部にはＵ字型に一体成形されたクリ
ップ部１７が設けられ、このクリップ部１７は前記後飾
りカバー８の縁部に対して係止可能に構成されている。
なお、この実施形態では、電池蓋３には内面にリブ１８
が形成され、自身の機械的な強度を高めるとともに、そ
の内面は電池ＢＡＴの側面を押圧支持するように幾分内
側に湾曲された形状とされている。

【００１２】この電池収納室の構成では、図１に示した
ように、電池蓋３を開いたときには、開口部１３ａを利
用して凹部１３に対して電池ＢＡＴを出し入れすること
ができる。そして、収納された電池ＢＡＴの正負の各電
極はそれぞれ上飾りカバー５に固定した正電極片１４と
下飾りカバー６に固定した負電極片１５のそれぞれの一
端部１４ｂ，１５ｂに、その板厚方向の弾性力によって
接触され、これにより電気接続が行われる。このとき、
各電極片の一端部１４ｂ，１５ｂは凹部１３に対して
は、その開口部１３ａの一側から凹部１３の中心に向け
た平面形状とされているため、開口部１３ａに対しては
傾斜された状態で延設されることになり、したがって電
池収納室２に収納しようとする電池ＢＡＴは各電極片の
傾斜に沿って凹部１３内に挿入されることになり、電池
ＢＡＴの収納に際して引っ掛かりが生じることはなく、
スムーズな挿入が可能となる。

【００１３】また、電池蓋３を閉じたときには、クリッ
プ部１７が弾性変形して後飾りカバー８の縁部を乗り越
え、その後における弾性復帰力によって縁部に係合し、
電池蓋３を閉じた状態に保持する。このとき、電池蓋３
の内面のリブ１８により電池ＢＡＴを凹部１３の奥面方
向に押圧し、凹部１３の断面形状がＵ字型であることと
相まって電池収納室内２に電池ＢＡＴを安定に保持させ
ることになる。

【００１４】このように、この電池収納室２の構造で
は、カメラボディ４には凹部を形成するだけでよく、か
つカメラボディ４に対して上下の各飾りカバー５，６を
固定すれば、直ちに電池収納室２が形成されることにな
る。したがって、カメラボディ４に対して電極片を組み
付けるための作業は不要であり、組立工数を削減でき、
電池収納室を簡単に組み立てることが可能となる。ま
た、電極片１４，１５は上下の各飾りカバー５，６内に
設けられるため、カメラボディ４には電極片を支持させ
るためのスペースを設ける必要がなく、カメラボディは
電池の長さ寸法に略等しい高さ寸法に形成すればよく、
カメラボディの小型化も可能となる。

【００１５】なお、前記実施形態では、電池蓋を前飾り
カバーの一部で構成しているが、後ろ飾りカバーの一部
で構成してもよい。また、電池蓋を上飾りカバー或いは
下飾りカバーの一部で構成することも可能である。例え
ば、カメラボディには円筒状の凹部を形成して電池収納
室とし、この電池収納室の下端部に対向される下飾りカ
バーの一部をヒンジ構造の電池蓋として構成し、この電
池蓋を開閉して電池を凹部の長さ方向から出し入れする
ようにしてもよい。ただし、この場合には、負電極片は
電池蓋と一体的に折り曲げ可能な構成とすることが必要
である。

【００１６】また、前記実施形態では、電池蓋を軸受け
構造で支持しているが、前飾りカバー或いは後飾りカバ
ーと一体に成形し、電池蓋との境界部を薄肉構造とする
ことで、この部分をヒンジ構造としてもよい。

【００１７】

【発明の効果】以上説明したように本発明は、カメラボ
ディに設けられて電池を収納可能な凹部と、上飾りカバ
ーと下飾りカバーにそれぞれ設けられてその一端部が凹
部に臨んで配置される正電極片及び負電極片とで電池収
納室を構成しているので、カメラボディ及び上下の飾り
カバーでカメラ本体を組み立てれば、これと同時に電池
収納室が組み立てられることになり、カメラの組立工数
を削減することが可能となる。また、電池収納室を構成
する電極片が上下の各飾りカバーに一体化されているた
め、カメラボディに電極片を配設するためのスペースが
不要となり、カメラボディの小型化が可能となる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施形態のカメラの全体斜視図であ
る。

【図２】図１のカメラのカメラ本体の一部を破断した正
面図である。

【図３】図２のＡＡ線断面図である。

【図４】電池収納室近傍のカメラの部分分解斜視図であ
る。

【符号の説明】

１ カメラ本体 ２ 電池収納室 ３ 電池蓋 ４ カメラボディ ５ 上飾りカバー ６ 下飾りカバー ７ 前飾りカバー ８ 後飾りカバー １３ 凹部 １４ 正電極片 １５ 負電極片 １７ クリップ部

Claims (5)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 カメラボディに対して上飾りカバーと下
   飾りカバーを固定してカメラ本体を構成し、かつ前記カ
   メラ本体の一部に電池収納室を備えるカメラにおいて、
   前記電池収納室は、前記カメラボディに設けられて電池
   を収納可能な凹部と、前記上飾りカバーと下飾りカバー
   にそれぞれ設けられてその一端部がそれぞれ前記凹部に
   臨んで対向配置される正電極片及び負電極片とで構成さ
   れることを特徴とする電池収納室を備えるカメラ。
2. 【請求項２】 カメラボディの高さ寸法は収納する電池
   の長さ寸法に略等しく形成され、前記凹部はこのカメラ
   ボディの上面と下面にそれぞれ貫通されてなる請求項１
   の電池収納室を備えるカメラ。
3. 【請求項３】 カメラボディの側面部には前飾りカバー
   と後飾りカバーが固定され、前記凹部はカメラボディの
   一側面に断面Ｕ字型に形成され、この開口部に対向する
   前飾りカバー或いは後飾りカバーの一部を電池蓋として
   構成してなる請求項２の電池収納室を備えるカメラ。
4. 【請求項４】 電池蓋は上飾りカバーと下飾りカバーに
   それぞれ上下端部を軸支されて電池収納室を開閉可能に
   構成してなる請求項３の電池収納室を備えるカメラ。
5. 【請求項５】 正負の各電極片の一端部は、その平面形
   状が開口部の一側部から凹部の中心位置に向けて延設さ
   れ、かつ板厚方向に曲げ形成されて電池の電極に対する
   押圧方向の弾性力が付与されてなる請求項１ないし４の
   いずれかの電池収納室を備えるカメラ。