JPH0943106A - 車両最大安定傾斜角測定機における転倒防止装置 - Google Patents

車両最大安定傾斜角測定機における転倒防止装置

Info

Publication number
JPH0943106A
JPH0943106A JP7218071A JP21807195A JPH0943106A JP H0943106 A JPH0943106 A JP H0943106A JP 7218071 A JP7218071 A JP 7218071A JP 21807195 A JP21807195 A JP 21807195A JP H0943106 A JPH0943106 A JP H0943106A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
vehicle
belt
maximum stable
base
rope
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP7218071A
Other languages
English (en)
Inventor
Shizuo Yamagishi
静夫 山岸
Tomoyuki Yamashita
知幸 山下
Tetsuya Shibata
哲也 柴田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
SHIBATA KOGYO KK
Araco Co Ltd
Original Assignee
SHIBATA KOGYO KK
Araco Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by SHIBATA KOGYO KK, Araco Co Ltd filed Critical SHIBATA KOGYO KK
Priority to JP7218071A priority Critical patent/JPH0943106A/ja
Publication of JPH0943106A publication Critical patent/JPH0943106A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Vehicle Cleaning, Maintenance, Repair, Refitting, And Outriggers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 車両の転倒防止用ベルトの引き出し動作が自
動的になされるようにする。 【解決手段】 傾斜可能な台盤2上に乗り入れられた車
両にはベルト14の一端側を固定する。ベルト14は台
盤2の下方へ誘導され、他端側は自由端としておく。台
盤2を傾斜させてゆくと、ベルト14は自由に引き出さ
れてゆく。但し、最大安定傾斜角度に至った瞬間にロッ
クアーム23がロックスプリング24によって揺動させ
られ、テーブル21へ噛むことでベルト14を拘束す
る。それと同時に、引き込みシリンダ11が収縮し、そ
のロッド端に取り付けられている動滑車22によってベ
ルト14の引き込みがなされ、これによって車両が再度
接地状態に復帰する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は車両最大傾斜角測定
機に関し、特にその測定中に車両が転倒してしまわない
ようにする転倒防止装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】よく知られるように、自動車の安全基準
に関する法規に「新型自動車の試験方法及び技術基準」
があり、その中には「自動車の最大安定傾斜角度試験方
法」が規定されている。ここで、「最大安定傾斜角度」
とは「すべての車軸の左側又は右側の車輪の外側面を傾
斜角度測定機の車輪止めに接して当該自動車を傾斜させ
たとき車輪止めに密着していない側のすべての車輪が測
定機の踏板から離れる瞬間における踏板水平面となす角
度」と定義されている。このような試験を行う場合、車
両の転倒を防止するための対策は必須であり、その一例
としては従来より図7に示すような転倒防止装置が開発
されていた。
【0003】作業ピット50と呼ばれる凹部の上面には
台盤51が設けられ、図示はされていないがピット50
内には傾斜用シリンダが配されて、その伸縮動作によっ
て台盤51全体がヒンジ52を中心として傾動するよう
になっている。一方、台盤51上には最大安定傾斜角度
に至って図示右側の車輪が浮き上がったときに、その浮
き上がり状態を検出する検知装置が設けられている。ま
た、転倒防止のために車両Cの浮き上がり側にはベルト
53の一端側が引掛けられ、他端側は台盤51の下面に
取り付けられた巻き取りおよび繰り出し可能なモータ5
4に接続されている。
【0004】測定作業においては、台盤51を徐々に傾
斜させてゆくわけであるが、この間はベルト53にプレ
ロードが作用しないよう、作業者は注意深くモータ54
を繰り出し方向へ駆動させ、ベルト53に所定のたるみ
をもたせる。傾斜の進行によって最大安定傾斜角度に至
り、車輪が浮き上がったことが検知装置によって検出さ
れると、検知装置からの指令に基いてモータ54は直ち
にベルト53を巻き取る方向に駆動する。これによっ
て、車両の転倒が回避される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記の従
来技術では、次のような解決すべき問題点があった。上
記したように、測定中はベルト53にプレロードが作用
しないよう、ベルト53は所定のたるみが必要である
が、車輪が浮き上がった瞬間に大きなたるみがあったの
ではベルト53の巻き取りに遅れを生じさせる。したが
って、通常は引き込み力が作用しない程度には緊張させ
ておかねばならず、このため作業者は手元スイッチによ
りモータ54を繰り出し方向への回転・停止を幾度とな
く繰り返しつつ操作しなければならず、特に、最大安定
傾斜角度が近ずくにつれてその操作は僅かな間隔で繰り
返されねばならない煩わしさがあった。
【0006】上記した問題点を解消するための手段とし
ては、サーボモータ等を使用して細かなピッチでベルト
の繰り出しを行うようにすることも考えられるが、製造
コストが高くなってしまう。
【0007】本発明は上記した従来の問題点に鑑みて開
発工夫されたものであり、その目的とするところは、使
い勝手がよくかつ製造安価な転倒防止装置を提供するこ
とである。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めの請求項1の発明は、車両を乗せた状態で傾斜可能な
台盤と、この台盤の傾斜によって台盤が最大安定傾斜角
度に到達したときに車両の一方の側の各車輪が台盤から
離間したことを検出する浮き上がり検出手段と、その一
端が前記車両の浮き上がり側に固定され他端側は自由端
となっている可撓性の索体と、常にはこの索体を自由状
態とし前記浮き上がり検出手段が車輪の浮き上がりを検
出したときには前記索体の途中位置をクランプして索体
を拘束する拘束手段とを備えてなることを特徴とするも
のである。
【0009】また請求項2の発明は、請求項1記載のも
のにおいて、前記索体の配索途中には前記浮き上がり検
出手段が車輪の浮き上がりを検出したときに、索体をこ
れと交差する方向に移動させることで車両を戻し方向に
付勢する引き込み手段が設けられていることを特徴とす
るものである。
【0010】さらに請求項3の発明は、請求項1または
請求項2記載のものにおいて、前記台盤上に操作端を有
するとともに、常には前記索体を自由状態とし前記操作
端を操作したときには索体を引き込み方向に付勢して弛
緩状態にある索体のたるみを取り除く矯正手段が設定さ
れていることを特徴とするものである。
【0011】
【作用】請求項1の発明によれば、車両を台盤に乗せた
後、索体の一端側を車両の一方の側に固定しておく。次
に、台盤を傾斜させてゆき最大安定傾斜角度に達する
と、傾斜上方側の車輪が浮き上がる。この間、索体は他
端側が自由端となっていることから、車両の傾斜に従っ
てそのまま引き出されてゆく。そして、浮き上がり検出
手段によって車輪の浮き上がりが検出されると、拘束手
段が索体の途中位置を拘束してこれ以上の引き出しを制
限するため、これによって車両の転倒が制限される。
【0012】請求項2の発明では、上記した拘束手段に
よって索体の拘束がなされることに加え、引き込み手段
が駆動して索体を引き込むため、これによって索体は車
両に対して引っ張り力を作用させ車輪の浮き上がった車
両を台盤上へと復帰させる。
【0013】請求項3の発明では、測定が完了して台盤
が復帰すると、台盤上には測定時に引き出されてたるん
だ状態のままの索体が残る。そこで、索体のたるみを取
り除くべく、矯正手段の一端側を操作すると、矯正手段
が索体を引き込み方向に付勢するため、これによって索
体のたるみが取り除かれる。
【0014】
【発明の効果】本発明の効果は次のようである。請求項
1の発明によれば、索体は一方端は車両の浮き上がり側
に固定されるものの、他端側は自由端となっているた
め、索体は車両の傾斜にしたがってそのまま引き出され
てゆくため、従来のような煩わしい引き出し操作は不要
となる。
【0015】また、請求項2の発明によれば、引き込み
手段が索体をその延び方向と交差する方向に引き込むよ
うにしているため、引き込み位置の両側で索体の引き込
み量を確保できる。したがって、索体をそのまま長さ方
向に引っ張り込むよりも引き込み手段の移動ストローク
を小さくすることができる。このため、引き込み手段の
小型化とその設置スペースを小さくできる効果がある。
【0016】さらに、請求項3の発明によれば、矯正手
段の操作によって台盤上の索体のたるみが除去できるた
め、測定開始にあたっての予備作業が容易になる。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図1
〜図6に基づいて説明する。図1は最大安定傾斜角の測
定現場の概要を示すものであり、図中1は作業現場に凹
設された作業ピットであり、その上面は車両Cを乗載可
能な台盤2によって覆われている。台盤2はその一端縁
側(車両Cの前後方向に沿う側であって図1では左側)
にヒンジ3を有し、通常時は周囲の面とほぼ面一をなし
ているが、次述する傾斜シリンダ4の駆動によってヒン
ジ3周りに傾動可能となっている。また、台盤2上にお
いてヒンジ3が設けられている側の縁には同縁に沿って
車輪止め5が突出しており、台盤2が傾斜したときの車
両Cの横滑りを規制している。一方、台盤2の下面とピ
ット1の底面との間はリンク機構6によって接続される
とともに、このリンク機構6にはピット1の底面に取り
付けられた傾斜シリンダ4のロッド端が接続されてお
り、傾斜シリンダ4の伸縮動作によってリンク機構6を
起立・折り畳み動作をさせ、もって台盤2全体を傾動
(持ち上げ・復帰)させることができる。
【0018】次に、車輪(タイヤT)が浮き上がったか
否かを検出するための浮き上がり検出手段について説明
すると、同検出手段は図4に示すように、金属製の平板
材により形成されたベースプレート7を有している。ベ
ースプレート7はタイヤTの接地部分を前後から跨ぐこ
とができるようなコの字形状をなしており、台盤2上に
車両Cが乗り入れられた後に前後のタイヤT(浮き上が
り側となるタイヤT)にそれぞれセットされる。そし
て、簡易にセッティングできるよう、その上面には図示
しない把手が取り付けられている。ベースプレート7の
両対向片(タイヤTを前後から挟む片)には二組の投光
・受光の素子8,9が対角線位置に配されている。この
ように投光・受光素子8、9をタイヤTの接地部分を挟
んで対角線位置に配したのは以下の理由による。
【0019】従来、図8に示すように、投光・受光素子
8,9をタイヤTの接地部分を挟んで前後に直線配置し
たものが知られていた。ところが、このようにしたので
は、タイヤTのトレッドパターンによっては不都合が生
じることがあった。それは図9に示すように、タイヤT
の溝mが周方向に沿って刻設されている場合であり、こ
のような場合に、タイヤTの溝mの位置と投光・受光の
両素子8,9の光軸と合致すると、接地状態にあるにも
拘らず浮き上がり状態と判断されてしまう虞があるから
である。その点、本実施形態のように対角位置に配して
おけば、タイヤTの溝と光軸とが合致することはなく、
確実にタイヤTの浮き上がりが検知される。
【0020】さて、各投光・受光素子8,9は図4に示
す制御装置10に接続されており、タイヤTの浮き上が
りによって受光素子9から信号が入力されると、浮き上
がり状態であることを判断しブザー等の報知手段を鳴動
させかつ傾斜シリンダ4の伸長動作を停止させ、さらに
これと同時に後述する引き込みシリンダ11およびベル
トロック解除用シリンダ12に対するエアーの給排を制
御するようになっている。この点については、後に詳し
く説明する。
【0021】なお、停止したときの台盤2の勾配を公知
の機械式測定器(電気式のものであってもよい)等によ
って測定することにより最大安定傾斜角度が測定され
る。
【0022】次に、車両Cの転倒防止のための構成につ
いて説明すると、本実施形態の場合、車両Cの転倒防止
策として、ベルトを車両Cの適当箇所に引掛けておき、
これを車両Cの浮き上がる瞬間をとらえて戻し方向に引
っ張るようにしている。そして、このような転倒防止ユ
ニットU(図2、図3等参照)を台盤2の下方、つまり
ピット1内に例えば三カ所配するようにしている。各転
倒防止ユニットUは台盤2の下面であって傾斜側(ヒン
ジと反対側)の縁に固定されたガイドレール13によっ
てそれぞれ吊り下げ状に支持されており、測定対象とな
る車両Cの種類あるいは乗り入れ位置等に応じてベルト
14の固定位置を任意に調整できるよう、転倒防止ユニ
ットUをガイドレール13に沿って移動できるようにし
ている。
【0023】すなわち、転倒防止ユニットUはユニット
フレーム15を有し、その上板18には両ガイドレール
13に対向して一対のチャンネル材16が固定されてい
る。両チャンネル材16にはそれぞれ転動輪17が回転
自在に取り付けられており、常には対応するガイドレー
ル13の内面上を転動可能となっている。本実施形態で
は、上板18の一方端縁(図2,3では右端縁)は対向
するガイドレール13の下方へ延出しストッパ部18A
となっており、ガイドレール13の下面に干渉(圧接)
可能となっている。これはタイヤTの浮き上がりの瞬間
にベルト14の引き込みがなされた場合に、ユニットフ
レーム15全体を持ち上げ、ストッパ部18Aとガイド
レール13との圧接によってユニットフレーム15の位
置決めを行わせるためである(図5参照)。
【0024】次に、ベルト14(例えば布製ベルト1
4)の配策状況について説明すると、ベルト14の一端
側は車両Cに対する固定側となっており、ここからは台
盤2の傾斜側の上縁にほぼ全長にわたって取り付けられ
た中継部材19を経由して台盤2とピット1の内壁面と
の間に導かれている。但し、中継部材19はその外面が
円周面に形成されかつそれ自体は自己潤滑性を有する樹
脂(含油樹脂)によって形成されている。
【0025】この自己潤滑性を有する材質による中継部
材19は、ユニットフレーム15の上板18の一縁にも
同様に取り付けられ、ベルト14はここを経由して上板
18の下方へ導かれている。さらに、上板18の下面に
はブラケットを介して樹脂製の固定滑車20が回転可能
に支持されており、ベルト14はその上方を通過し、さ
らに上板18の下面から吊り下げ支持されたテーブル2
1上へと導かれた後、充分な長さをもって垂れ下げられ
ている。
【0026】このテーブル21と前記した固定滑車20
との間であって、ベルト14の上方には引き込みシリン
ダ11のロッド端に架設された動滑車22が遊転自在に
配されている。引き込みシリンダ11はユニットフレー
ム15の下部に縦向きに取り付けられているとともに、
このシリンダ11は前述した図4に示すエアー配管に組
み込まれている。
【0027】一方、上板18の上面には同様のエアー配
管中に組み込まれたベルトロック解除用シリンダ12が
横向きに固定されている。このベルトロック解除用シリ
ンダ12のロッド端にはベルト14をテーブル21上で
ロックするためのロックアーム23の一端側が接続され
ている。このロックアーム23の他端側は上板18の下
方へ延出しており、全体はユニットフレーム15に固定
されたピンによって垂直面内で揺動可能に支持されてい
る。ロックアーム23の図示下端はベルト14との間に
通常は僅かな隙間が保有されるように臨んでおり、図示
反時計回りに揺動した時にはその先端の係止部23Aが
ベルト14をテーブル21に対して押さえ込むようにな
っている。
【0028】また、ロックアーム23におけるベルトロ
ック解除用シリンダ12との接続端側にはこれに隣接す
る側のチャンネル材16との間に介在されたロックスプ
リング24が接続されている。このロックスプリング2
4は通常時はロックアーム23を図示反時計回りに付勢
しているが、ベルトロック解除用シリンダ12には通常
時においてエアーが供給されることによってロックアー
ム23をロックスプリング24に抗して図2の状態、つ
まりベルト14を非拘束の自由状態に保持している。
【0029】図4のエアー回路図について説明すると、
工場エアーの配管にはエアーフィルタ25およびレギュ
レータ26が接続され、上記した引き込みシリンダ11
およびベルトロック解除用シリンダ12との間には電磁
切り換え式の切り換えバルブ27が介在され、2つの排
気ポートにはサイレンサ28がそれぞれ接続されてい
る。また、この切り換えバルブ27の2つの出力ポート
と引き込みシリンダ11のロッド側およびヘッド側には
それぞれ流量調整弁29A,29Bが介在されて引き込
みシリンダ11の速度調節を可能にしている。さらに、
切り換えバルブ27の両出力ポートのうち一方は途中で
分岐してベルトロック解除用シリンダ12のヘッド側に
も連通している。
【0030】また、切り換えバルブ27のソレノイド3
0には前記した制御装置10が接続されており、通常時
(タイヤTの浮き上がり前)は引き込みシリンダ11の
ヘッド側に工場エアーの供給がなされるポートが連通
し、引き込みシリンダ11を上死点位置に保持し、同時
にベルトロック解除用シリンダ12のロッド側に工場エ
アーを直接供給して同シリンダ12を収縮させ、これに
よってロックアーム23をベルト14の非拘束位置に保
持されるようにしている。これに対し、タイヤTの浮き
上がりが検出された場合には、制御装置10からの切り
換え指令に基づいてソレノイド30が消磁し、引き込み
シリンダ11のロッド側へエアーの供給がなされ、同時
にベルトロック解除用シリンダ12のロッド側のエアー
が急速に大気開放されるようになっている。
【0031】そして、特に本実施形態の場合は、レギュ
レータ26と切り換えバルブ27との間に供給エアー圧
が所定圧以下になったか否かを検出する圧力スイッチ3
1が設けられている。この圧力スイッチ31は制御装置
10と接続されており、供給圧が設定圧を下回ったこと
が制御装置10によって判断されると、制御装置10は
切り換えバルブ27のソレノイド30に対し消磁させる
ような出力信号を発するようになっている。これは、引
き込みシリンダ11に対してはベルト14の引き込み動
作を行わせ、またベルトロック解除用シリンダ12を解
放しロックアーム23によるベルト14の拘束動作を行
わせるものであって、安全対策の一つとして設定された
ものである。
【0032】ところで、一回の測定が完了して台盤2が
復帰すると、台盤2上には測定中に引き出されたベルト
14がたるんだままの状態で残ることがある。本実施形
態では、これを矯正するための対策が次のように採られ
ている。
【0033】台盤2において傾斜側の縁には、支柱32
が立設されており、ここにはロープ33の一端に結着さ
れたワイヤ34が引っ張り操作可能に引き出されてい
る。ロープ33は台盤2の下面側へ誘導された後、ユニ
ットフレーム15に取り付けられた固定のガイドローラ
35を介してさらに下方へ導かれている。ユニットフレ
ーム15にはベルト14に対する固定側クランプローラ
36が取り付けられるとともに、その下方にはスイング
アーム38がピンによって揺動可能に支持されている。
スイングアーム38はその先端に可動側クランプローラ
37が遊転自在に取り付けられており、この可動側クラ
ンプローラ37にはロープ33が少なくとも1回巻いて
あり、ロープ33はその後ユニットフレーム15にその
一端が固定された引っ張りばね39の他端に結びつけら
れている。この引っ張りばね39はスイングアーム38
を図2に示す反時計回りに付勢し、つまり可動側クラン
プローラ37を固定側クランプローラ36から離間させ
るよう付勢している。但し、これ以上に揺動しないよ
う、図示しないストッパが設けられている。
【0034】そして、ワイヤ34が引っ張り操作される
と、スイングアーム38が引っ張りばね39に抗して図
示時計周りに揺動し、両クランプローラ36,37によ
ってベルト14がクランプされ、さらに引っ張り操作が
継続すると可動側クランプローラ37が図示時計周りに
回転してベルト14を引き込むように作用するようにな
っている。但し、スリップしないよう、少なくとも一方
のローラの全周には滑り止め手段(本実施形態の場合に
は、可動側クランプローラ37にサンドペーパが貼り付
けられている。)引き続き、上記のように構成された本
実施形態の作用効果を具体的に説明すると、まず測定対
象となる車両Cを台盤2上に乗り入れさせ車輪止め5に
沿って停車させる。そして、傾斜側に位置する前後のタ
イヤTに対してベースプレート7をそれぞれセットす
る。また、各転倒防止ユニットUから引き出されている
ベルト14を測定対象の車両Cの適当位置に引っかけて
固定しておく。この場合に、台盤2上に引き出されてい
るベルト14にたるみがある場合には、その矯正のため
の操作がなされる。
【0035】すなわちワイヤ34の先端を作業者が引っ
張り操作すると、ロープ33が引っ張られ可動側クラン
プローラ37に引っ張り力が作用する。これによって、
スイングアーム38が引っ張りばね39に抗して図2に
示す時計周りに揺動し、可動側クランプローラ37がベ
ルト14を挟んだ状態で固定側クランプローラ36に圧
接する。この状態からさらにワイヤ34が引っ張られる
と、可動側クランプローラ37が図示時計回りに回転す
る。この可動側クランプローラ37の回転はベルト14
に対しては引き込み方向に作用するため、ベルト14は
台盤2の下方へ引っ張り込まれる。この結果、車両Cと
中継部材19との間におけるベルト14のたるみが解消
され、緊張状態でセットされる。
【0036】こうしてセッティングが完了したら、傾斜
シリンダ4を伸長させ緩速にて台盤2を傾斜させてゆ
く。この間、制御装置10によって切り換えバルブ27
のソレノイド30は励磁状態にあるため、引き込み用シ
リンダは図2に示すような伸長状態にあり、またベルト
ロック解除用シリンダ12は逆に収縮してロックアーム
23をベルト14の非拘束位置に保持している。かくし
て、ベルト14は全体としてフリーな状態にあるため、
台盤2の傾斜に伴って自由に台盤2の上方へ引き出され
てゆく。したがって、ベルト14は車両Cに対して引っ
張りのプレロードは作用していないが、ほぼ緊張した状
態に保たれる。
【0037】台盤2の傾斜の進行によって最大安定傾斜
角度に達すると、傾斜側の前後のタイヤTが台盤2から
浮き上がる。この浮き上がりの瞬間に投光素子からの光
が受光素子に達し、その出力信号が制御装置10に送ら
れる。制御装置10はこれによってタイヤTが浮き上が
ったことを判断し、切り換えバルブ27に対して切り換
え信号を出力する。これによって、切り換えバルブ27
のソレノイド30が消磁しポートの切り換えがなされ
る。すると、直ちにベルトロック解除用シリンダ12の
ロッド側からエアーが急速に排気されるため、ロックス
プリング24によってロックアーム23が引っ張られ
る。そして、ロックアーム23はピン周りに図示反時計
回りに揺動し係止部23Aがベルト14をテーブル21
上に噛み込ませ、かくしてベルト14の引き出し動作が
緊急停止される。
【0038】このときには、ベルト14は車両Cによっ
て引き出される方向の力が作用しているが、これによっ
てユニットフレーム15全体が持ち上げられ(図5参
照)、転動輪17がガイドレール13から離れかつ上板
18のストッパ部18Aがガイドレール13の下面に干
渉(圧接)するため、転倒防止ユニットU全体がロック
状態になる。かくしてベルト14の拘束動作がなされた
ときに転倒防止ユニットUが不用意に移動してしまうこ
とがない。仮に、このような対策がされていない場合
は、ベルト14が車両Cに対して直角に引き出されてい
ないようなことがあると、転倒防止ユニットUが横ずれ
することがあり、ベルト14ロック後にも車両Cがさら
に傾斜する恐れがあるが、本実施形態でこれが確実に防
止される。
【0039】上記のようにしてベルト14のロックがな
される一方で、引き込みシリンダ11に対してはロッド
側にエアーの供給がなされるため、ロッドが収縮動作を
開始する。すると、動滑車22がベルト14をこれとほ
ぼ直交す方向に引き下げるため、ベルト14に引っ張り
力を作用させて車両Cの浮き上がりを戻し再び台盤2上
に接地させる。
【0040】なお、車両Cの接地後、直ちに切り換えバ
ルブ27の切り換え動作がなされないよう、制御装置1
0はたとえば台盤2の復帰操作がなされない限りはこの
状態が保持されるよう設定されている。
【0041】以上のように、本実施形態によれば台盤2
の傾斜に伴って自由にベルト14が引き出されるように
なっているため、従来のようなプレロードを作用させな
いようにしつつ繰り出してゆくような煩わしい操作が一
切不要である。また、タイヤTの浮き上がった車両Cを
再び接地させるためには、例えばベルト14ロック位置
以降を引っ張るような構成も考えられないではない。し
かし、このようにすると引っ張りストロークが大きくな
るが、本実施形態であれば動滑車22を利用するもので
あるため、引き込みシリンダ11の収縮ストロークを小
さくできる。このため、ピット1深さを浅くできる効果
も得られる。さらに、前述したように、工場エアーのエ
アー圧が低下した場合、あるいは制御装置10等に対す
る電源が遮断されてしまった場合にも、ロックアーム2
3がロックスプリング24によってベルト14を拘束す
るように動作するため、不測の事態にも確実に対応でき
る。
【0042】さらにまた、投光・受光の素子を対角位置
に配したため、トレッドパターンが特殊なタイプのもの
であっても、タイヤTの浮き上がりを確実に検出するこ
とができる。
【0043】なお、本発明は種々の変更が可能であり、
次のような変形例も本発明の技術的範囲に含まれる。
【0044】タイヤTの浮き上がり検知は台盤2に圧
力センサを埋め込んでおき、これによる方式であっもよ
いが、この場合には圧力センサが踏まれる位置に車両C
を乗り入れなければならないが、本実施形態の場合は適
当に乗り入れた後ベースプレート7を適宜セットする方
式であるため、車両Cの乗り入れ時の特別な配慮は不要
である。
【0045】本実施形態では索体の一例としてベルト
14を例示したが、ロープ、ワイヤ等他のものに変更し
て使用してもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】転倒防止装置全体の概略図
【図2】通常時における転倒防止装置の側面図
【図3】引き込み動作時を示す転倒防止ユニットの側面
【図4】エアシリンダに対するエアーの給排システムを
示す回路図
【図5】引き込みユニット全体のロック動作を示す拡大
断面図
【図6】ベルトの撓み矯正動作を示す概略図
【図7】従来の転倒防止装置の概略図
【図8】従来の投光・受光素子の配置を示す平面図
【図9】従来の投光・受光素子の配置の場合に問題とな
るタイヤのトレッドパターンを示す側面図
【符号の説明】
2…台盤 8,9…投光・受光素子 11…引き込みシリンダ 12…ベルトロック解除用シリンダ 14…ベルト 22…動滑車 23…ロックアーム 24…ロックスプリング 27…切り換えバルブ 33…ロープ 34…ワイヤ 36、37…クランプローラ U…転倒防止ユニット
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山下 知幸 愛知県豊田市吉原町上藤池25番地 アラコ 株式会社内 (72)発明者 柴田 哲也 愛知県西加茂郡三好町大字西一色字前田17 −1 株式会社柴田工業内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車両を乗せた状態で傾斜可能な台盤と、
    この台盤の傾斜によって台盤が最大安定傾斜角度に到達
    したときに車両の一方の側の各車輪が台盤から離間した
    ことを検出する浮き上がり検出手段と、その一端が前記
    車両の浮き上がり側に固定され他端側は自由端となって
    いる可撓性の索体と、常にはこの索体を自由状態とし前
    記浮き上がり検出手段が車輪の浮き上がりを検出したと
    きには前記索体の途中位置をクランプして索体を拘束す
    る拘束手段とを備えてなることを特徴とする車両最大安
    定傾斜角測定機における転倒防止装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のものにおいて、前記索体
    の配索途中には前記浮き上がり検出手段が車輪の浮き上
    がりを検出したときに、索体をこれと交差する方向に移
    動させることで車両を戻し方向に付勢する引き込み手段
    が設けられていることを特徴とする車両最大安定傾斜角
    測定機における転倒防止装置。
  3. 【請求項3】 請求項1または請求項2記載のものにお
    いて、前記台盤上に操作端を有するとともに、常には前
    記索体を自由状態とし前記操作端を操作したときには索
    体を引き込み方向に付勢して弛緩状態にある索体のたる
    みを取り除く矯正手段が設定されていることを特徴とす
    る車両最大安定傾斜角測定機における転倒防止装置。
JP7218071A 1995-08-02 1995-08-02 車両最大安定傾斜角測定機における転倒防止装置 Pending JPH0943106A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7218071A JPH0943106A (ja) 1995-08-02 1995-08-02 車両最大安定傾斜角測定機における転倒防止装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7218071A JPH0943106A (ja) 1995-08-02 1995-08-02 車両最大安定傾斜角測定機における転倒防止装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH0943106A true JPH0943106A (ja) 1997-02-14

Family

ID=16714196

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP7218071A Pending JPH0943106A (ja) 1995-08-02 1995-08-02 車両最大安定傾斜角測定機における転倒防止装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0943106A (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20030003877A (ko) * 2001-07-04 2003-01-14 현대자동차주식회사 버스 전복 시험장치
KR20030017779A (ko) * 2001-08-22 2003-03-04 현대자동차주식회사 자동차의 전복 및 최대 안전 경사각 시험장치와 그 방법
KR20030061487A (ko) * 2002-01-14 2003-07-22 현대자동차주식회사 차량의 전복 사고 시뮬레이션 시스템 및 그 방법
JP2015017890A (ja) * 2013-07-11 2015-01-29 株式会社エヌエステイー 転角試験装置
WO2015027655A1 (zh) * 2013-08-27 2015-03-05 北京二七轨道交通装备有限责任公司 接触网检修作业车倾覆试验系统

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20030003877A (ko) * 2001-07-04 2003-01-14 현대자동차주식회사 버스 전복 시험장치
KR20030017779A (ko) * 2001-08-22 2003-03-04 현대자동차주식회사 자동차의 전복 및 최대 안전 경사각 시험장치와 그 방법
KR20030061487A (ko) * 2002-01-14 2003-07-22 현대자동차주식회사 차량의 전복 사고 시뮬레이션 시스템 및 그 방법
JP2015017890A (ja) * 2013-07-11 2015-01-29 株式会社エヌエステイー 転角試験装置
WO2015027655A1 (zh) * 2013-08-27 2015-03-05 北京二七轨道交通装备有限责任公司 接触网检修作业车倾覆试验系统
RU2629816C1 (ru) * 2013-08-27 2017-09-04 СиАрАрСи БЕЙДЖИНГ ЭРЦИ ЛОКОМОУТИВ КО., ЛТД. Система тестирования на опрокидывание транспортного средства для технического обслуживания и ремонта контактной подвески

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US20070062165A1 (en) Detecting and protecting device of a shrink film machine
JPH0943106A (ja) 車両最大安定傾斜角測定機における転倒防止装置
US20050160804A1 (en) Vehicle spare tire pressure detection assembly
US6786800B1 (en) Tire uniformity machine grindstone
US5248374A (en) Strip winder for a tire building machine
JPH07206311A (ja) 昇降機の非常ブレーキ装置
CN112479071A (zh) 一种自动检测缆绳张紧程度的装置及其控制方法
JP2008070123A (ja) 車両傾斜角測定機
JP4695994B2 (ja) シャシーダイナモメータの車両固定装置
JP2006282301A (ja) アウトリガの安全装置
CN117416809A (zh) 一种滑道式牵引机换盘随动卡压装置及其使用方法
JP2004161430A (ja) 車両引きずり検知装置及びそれを用いたx線検査装置
KR0160798B1 (ko) 컨베이어 상에 있는 자동차의 이동을 방지하는 방법
CN117536121B (zh) 吊梁调位机构及其调节方法、桥面吊机
JP2548467B2 (ja) フックブロック格納装置
AU727703B2 (en) Improved safety restraint and barrier for use with tire servicing equipment
CN117760715A (zh) 一种安全带测试装置
KR100733064B1 (ko) 코일의 재생간지 삽입 유도장치
JP3363186B2 (ja) シート類の張り広げ装置
JP3078961B2 (ja) エアリフター
JP3769163B2 (ja) 貨物自動車におけるリフトフレーム安全装置
JP3672291B2 (ja) スタッカークレーン
CA2051526C (en) Strap clamp
JP3155914B2 (ja) かご落下防止装置の試験装置
KR0173667B1 (ko) 스페어 타이어 압력검사장치