JPH09425A - 遮光性織物 - Google Patents
遮光性織物Info
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- JPH09425A JPH09425A JP7174068A JP17406895A JPH09425A JP H09425 A JPH09425 A JP H09425A JP 7174068 A JP7174068 A JP 7174068A JP 17406895 A JP17406895 A JP 17406895A JP H09425 A JPH09425 A JP H09425A
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- light
- shielding
- yarn
- woven fabric
- yarns
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 通気性を有し、可撓でドレープ性に富み、好
風合な遮光性織物を提供する。 【構成】 遮光性糸条13と非遮光性糸条11・12と
によって織成され、非遮光性糸条11・12が表面17
・18を形成し、遮光性糸条13が非遮光性糸条11・
12の下に隠れる裏側に遮光層16を形成した遮光性織
物において、遮光性糸条13を、熱可塑性合成繊維を主
材とするものとし、表面17・18を形成する非遮光性
糸条11・12よりも熱変形し易いものとし、加熱押圧
されて交絡する非遮光性糸条11・12に密着した形状
で変形させる。
風合な遮光性織物を提供する。 【構成】 遮光性糸条13と非遮光性糸条11・12と
によって織成され、非遮光性糸条11・12が表面17
・18を形成し、遮光性糸条13が非遮光性糸条11・
12の下に隠れる裏側に遮光層16を形成した遮光性織
物において、遮光性糸条13を、熱可塑性合成繊維を主
材とするものとし、表面17・18を形成する非遮光性
糸条11・12よりも熱変形し易いものとし、加熱押圧
されて交絡する非遮光性糸条11・12に密着した形状
で変形させる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、遮光カーテンに関する
ものである。
ものである。
【0002】
【従来の技術】遮光カーテンには非黒色の通常のカーテ
ン地の裏側に黒色布帛を重ね合わせたものもあるが、室
内装飾品としての遮光カーテンには、一般カーテン地の
裏側に遮光性フイルムを貼り合わせるか遮光性樹脂組成
物を塗布積層したラミネート加工布帛、又は、一般カー
テン地に使用される糸条を表糸とし黒色糸を裏糸とする
二重織組織織物が使用される。
ン地の裏側に黒色布帛を重ね合わせたものもあるが、室
内装飾品としての遮光カーテンには、一般カーテン地の
裏側に遮光性フイルムを貼り合わせるか遮光性樹脂組成
物を塗布積層したラミネート加工布帛、又は、一般カー
テン地に使用される糸条を表糸とし黒色糸を裏糸とする
二重織組織織物が使用される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ラミネート加工布帛で
は、カーボンブラックや金属粉末が連続した遮光層を形
成しているので完全遮光つまりJIS−L−1055に
言う遮光率99・9%以上の遮光性が期待されるが、二
重織組織織物では、遮光性糸条としての異色糸を如何に
緻密に配列したり打ち込んでも、経糸と緯糸が交絡する
織物固有の布目隙間からの漏光を完全に防ぐことは出来
ず完全遮光は期待されない。一方、ラミネート加工布帛
には完全遮光が期待されるものの、遮光性フイルムの貼
り合わせに使用される接着剤や塗布する遮光性樹脂組成
物が、ベースとなる一般カーテン地に浸透して繊維間を
接着し、又、布目隙間を完全に塞いでしまうので、通気
性を有し、可撓でドレープ性に富み、好風合な遮光カー
テンは期待されず、二重織組織織物に比して商品価値の
劣るものとなる。
は、カーボンブラックや金属粉末が連続した遮光層を形
成しているので完全遮光つまりJIS−L−1055に
言う遮光率99・9%以上の遮光性が期待されるが、二
重織組織織物では、遮光性糸条としての異色糸を如何に
緻密に配列したり打ち込んでも、経糸と緯糸が交絡する
織物固有の布目隙間からの漏光を完全に防ぐことは出来
ず完全遮光は期待されない。一方、ラミネート加工布帛
には完全遮光が期待されるものの、遮光性フイルムの貼
り合わせに使用される接着剤や塗布する遮光性樹脂組成
物が、ベースとなる一般カーテン地に浸透して繊維間を
接着し、又、布目隙間を完全に塞いでしまうので、通気
性を有し、可撓でドレープ性に富み、好風合な遮光カー
テンは期待されず、二重織組織織物に比して商品価値の
劣るものとなる。
【0004】
【発明の目的】そこで本発明は、通気性を有し、可撓で
ドレープ性に富み、好風合な二重織組織織物の商品価値
を損なうことなく、その遮光性を改善しようとするもの
である。
ドレープ性に富み、好風合な二重織組織織物の商品価値
を損なうことなく、その遮光性を改善しようとするもの
である。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の第1の特徴は、
遮光性糸条13と非遮光性糸条11・12とによって織
成され、非遮光性糸条11・12が表面17・18を形
成し、遮光性糸条13が非遮光性糸条11・12の下に
隠れる裏側に遮光層16を形成した遮光性織物14にお
いて、遮光性糸条13が、複数本の熱可塑性合成繊維を
主材とするものであり、扁平率が2〜6になっているこ
とにある。本発明の第2の特徴は、遮光性糸条13と非
遮光性糸条11・12とによって織成され、非遮光性糸
条11・12が表面17・18を形成し、遮光性糸条1
3が非遮光性糸条11・12の下に隠れる裏側に遮光層
16を形成した遮光性織物14において、遮光性糸条1
3が、熱可塑性合成繊維を主材とするものであり、表面
17・18を形成する非遮光性糸条11・12よりも熱
変形し易く、加熱押圧されて交絡する非遮光性糸条11
・12に密着した形状で変形していることにある。本発
明の第3の特徴は、上記の第1または第2の特徴に加え
て、遮光性織物14が多重織組織織物であり、その中間
層16を遮光性糸条13が形成しており、接結点15に
おいて表裏外面17・18に現われる遮光性糸条13の
その外面に占める面積比率が30%以下であることにあ
る。本発明の第4の特徴は、上記の第1または第2の特
徴に加えて、非遮光性糸条11・12が熱可塑性合成繊
維を主材とし、遮光性糸条13が非遮光性糸条の当該熱
可塑性合成繊維よりも軟化点または融点が低い熱可塑性
合成繊維を主材とすることにある。本発明の第5の特徴
は、上記の第1または第2の特徴に加えて、非遮光性糸
条11・12が羊毛、絹その他の蛋白質繊維、綿、レー
ヨンその他のセルロース繊維、ガラス繊維等の非熱可塑
性繊維を主材とすることにある。本発明の第6の特徴
は、上記の第1と第2と第3と第4と第5の何れか2以
上の特徴を具備する遮光織物14にある。
遮光性糸条13と非遮光性糸条11・12とによって織
成され、非遮光性糸条11・12が表面17・18を形
成し、遮光性糸条13が非遮光性糸条11・12の下に
隠れる裏側に遮光層16を形成した遮光性織物14にお
いて、遮光性糸条13が、複数本の熱可塑性合成繊維を
主材とするものであり、扁平率が2〜6になっているこ
とにある。本発明の第2の特徴は、遮光性糸条13と非
遮光性糸条11・12とによって織成され、非遮光性糸
条11・12が表面17・18を形成し、遮光性糸条1
3が非遮光性糸条11・12の下に隠れる裏側に遮光層
16を形成した遮光性織物14において、遮光性糸条1
3が、熱可塑性合成繊維を主材とするものであり、表面
17・18を形成する非遮光性糸条11・12よりも熱
変形し易く、加熱押圧されて交絡する非遮光性糸条11
・12に密着した形状で変形していることにある。本発
明の第3の特徴は、上記の第1または第2の特徴に加え
て、遮光性織物14が多重織組織織物であり、その中間
層16を遮光性糸条13が形成しており、接結点15に
おいて表裏外面17・18に現われる遮光性糸条13の
その外面に占める面積比率が30%以下であることにあ
る。本発明の第4の特徴は、上記の第1または第2の特
徴に加えて、非遮光性糸条11・12が熱可塑性合成繊
維を主材とし、遮光性糸条13が非遮光性糸条の当該熱
可塑性合成繊維よりも軟化点または融点が低い熱可塑性
合成繊維を主材とすることにある。本発明の第5の特徴
は、上記の第1または第2の特徴に加えて、非遮光性糸
条11・12が羊毛、絹その他の蛋白質繊維、綿、レー
ヨンその他のセルロース繊維、ガラス繊維等の非熱可塑
性繊維を主材とすることにある。本発明の第6の特徴
は、上記の第1と第2と第3と第4と第5の何れか2以
上の特徴を具備する遮光織物14にある。
【0006】ここに「糸条の主材が合成繊維」あるいは
「糸条の主材が非熱可塑性繊維」と言う「主材」とは、
その糸条の50重量%以上を占める繊維を意味する。
又、「遮光性織物」とは、JIS−L−1055に規定
する遮光性試験方法のA法によって測定される遮光率
(以下、単に遮光率と言う。)が98%以上となる織物
を意味し、「遮光性糸条」とは、その糸条を経糸と緯糸
に用いて遮光率が98%以上となる平織組織の遮光性織
物を得ることが出来る程度の遮光性を有する糸条を意味
し、「非遮光性糸条」とは、遮光率が98%以上の遮光
性織物の織組織、その構成する糸条(経緯)の太さ、そ
の経緯密度等の仕様を変えることなく、その遮光性織物
を構成する糸条に代用して得られる織物の遮光率が98
%未満となる程度の遮光性しか有しない糸条を意味す
る。
「糸条の主材が非熱可塑性繊維」と言う「主材」とは、
その糸条の50重量%以上を占める繊維を意味する。
又、「遮光性織物」とは、JIS−L−1055に規定
する遮光性試験方法のA法によって測定される遮光率
(以下、単に遮光率と言う。)が98%以上となる織物
を意味し、「遮光性糸条」とは、その糸条を経糸と緯糸
に用いて遮光率が98%以上となる平織組織の遮光性織
物を得ることが出来る程度の遮光性を有する糸条を意味
し、「非遮光性糸条」とは、遮光率が98%以上の遮光
性織物の織組織、その構成する糸条(経緯)の太さ、そ
の経緯密度等の仕様を変えることなく、その遮光性織物
を構成する糸条に代用して得られる織物の遮光率が98
%未満となる程度の遮光性しか有しない糸条を意味す
る。
【0007】一般的に黒色糸は遮光性糸条として扱われ
ており、灰色、白色、その他の黒色以外の有彩色の糸条
は非遮光性糸条と認められるが、本発明では、糸条の外
面は灰色や白色や有彩色であっても、断面が芯鞘構造を
成し、その芯部が黒色糸で構成され、灰色や白色や有彩
色の繊維が鞘部を構成しており、織成した場合に芯部の
黒色糸によって遮光率が98%以上となる平織織物を得
ることが出来る場合には、その芯鞘糸条も遮光性糸条と
して扱われる。
ており、灰色、白色、その他の黒色以外の有彩色の糸条
は非遮光性糸条と認められるが、本発明では、糸条の外
面は灰色や白色や有彩色であっても、断面が芯鞘構造を
成し、その芯部が黒色糸で構成され、灰色や白色や有彩
色の繊維が鞘部を構成しており、織成した場合に芯部の
黒色糸によって遮光率が98%以上となる平織織物を得
ることが出来る場合には、その芯鞘糸条も遮光性糸条と
して扱われる。
【0008】
【作用】非遮光性糸条を表経糸11と裏経糸12に用
い、遮光性糸条を緯糸13に用いて経二重織組織の内部
に遮光層16を形成しただけでは遮光率が99.9%以
上の遮光性織物は得難いが、その表裏の経糸11・12
に挟まれる遮光性糸条13が、その交絡する表経糸11
や裏経糸12に密着した形状に変形する程度に、その遮
光性織物を加熱し押圧すると、その遮光率を99.9%
以上にすることが出来る。その理由は、経糸11・12
や緯糸13は押圧されて扁平になるので、表裏の経糸間
や緯糸間の隙間19が塞がれ、そのとき扁平に変形した
まま熱セットされる遮光性糸条13の表面には、その交
絡する表裏の経糸11・12の形状に応じた凹凸が出
来、その凹部に交絡する表裏の経糸11・12が密着係
合した恰好で熱セットされるためと考えられる。従って
本発明に言う「遮光性糸条の変形」とは、そのように経
緯糸条の間の布目や隙間19を塞ぐ程度に遮光性糸条1
3が扁平に、扁平率で言えば扁平率が概して2〜6に、
好ましくは3〜5になる程度に変形し、その変形の度合
いが密着して交絡する非遮光性糸条11・12の外面に
応じた凹凸が遮光性糸条13の表面に出来る程度の変形
を意味する。
い、遮光性糸条を緯糸13に用いて経二重織組織の内部
に遮光層16を形成しただけでは遮光率が99.9%以
上の遮光性織物は得難いが、その表裏の経糸11・12
に挟まれる遮光性糸条13が、その交絡する表経糸11
や裏経糸12に密着した形状に変形する程度に、その遮
光性織物を加熱し押圧すると、その遮光率を99.9%
以上にすることが出来る。その理由は、経糸11・12
や緯糸13は押圧されて扁平になるので、表裏の経糸間
や緯糸間の隙間19が塞がれ、そのとき扁平に変形した
まま熱セットされる遮光性糸条13の表面には、その交
絡する表裏の経糸11・12の形状に応じた凹凸が出
来、その凹部に交絡する表裏の経糸11・12が密着係
合した恰好で熱セットされるためと考えられる。従って
本発明に言う「遮光性糸条の変形」とは、そのように経
緯糸条の間の布目や隙間19を塞ぐ程度に遮光性糸条1
3が扁平に、扁平率で言えば扁平率が概して2〜6に、
好ましくは3〜5になる程度に変形し、その変形の度合
いが密着して交絡する非遮光性糸条11・12の外面に
応じた凹凸が遮光性糸条13の表面に出来る程度の変形
を意味する。
【0009】勿論、熱可塑性合成繊維を加熱押圧する場
合には、その加熱の程度によって熱可塑性合成繊維が軟
化したり溶融するものであり、また、その押圧の程度に
よっては熱可塑性合成繊維がフイルムを形成することに
もなる。しかし本発明に言う「遮光性糸条の変形」と
は、糸条の完全な変質とも言える「フイルムの形成」を
意味しない。何故なら、熱可塑性合成繊維を加熱押圧し
てフイルムにするには熱溶融する程度に加熱しなければ
ならないのであるが、熱溶融する合成繊維は熱溶融時に
収縮を伴うので遮光性織物全体が変形する危険があり、
又、熱溶融してフイルムになった合成繊維は繊維結晶を
失って樹脂化しているので、遮光性織物は破れ易いもの
となり、フイルムになる過程で熱溶融した合成繊維は非
遮光性糸条の繊維間隙間へと押し込まれて融着固化する
ので、接着剤(樹脂)を塗布含浸させたかの如く遮光性
織物が硬くゴワゴワしたものとなり、それではカーテン
に適した遮光性織物は得られない。非遮光性糸条が表面
を形成し、遮光性糸条が非遮光性糸条の下に隠れる裏側
に遮光層を形成するものであればよいので、遮光性織物
14は非遮光性糸条を表糸とし遮光性糸条を裏糸とする
朱子織地でもよいが、遮光性糸条が加熱押圧されてフイ
ルム状にならないようにするには、遮光性織物14を多
重織組織織物とし、その中間層16に遮光性糸条13を
配置し、そうすることによってアイロン掛けをする場合
の当て布のように、加熱押圧時に遮光性糸条13に熱源
や押圧ローラが直接触れないようにし、又、非遮光性糸
条11・12には高融点の合成繊維や非熱可塑性繊維を
使用することが推奨される。
合には、その加熱の程度によって熱可塑性合成繊維が軟
化したり溶融するものであり、また、その押圧の程度に
よっては熱可塑性合成繊維がフイルムを形成することに
もなる。しかし本発明に言う「遮光性糸条の変形」と
は、糸条の完全な変質とも言える「フイルムの形成」を
意味しない。何故なら、熱可塑性合成繊維を加熱押圧し
てフイルムにするには熱溶融する程度に加熱しなければ
ならないのであるが、熱溶融する合成繊維は熱溶融時に
収縮を伴うので遮光性織物全体が変形する危険があり、
又、熱溶融してフイルムになった合成繊維は繊維結晶を
失って樹脂化しているので、遮光性織物は破れ易いもの
となり、フイルムになる過程で熱溶融した合成繊維は非
遮光性糸条の繊維間隙間へと押し込まれて融着固化する
ので、接着剤(樹脂)を塗布含浸させたかの如く遮光性
織物が硬くゴワゴワしたものとなり、それではカーテン
に適した遮光性織物は得られない。非遮光性糸条が表面
を形成し、遮光性糸条が非遮光性糸条の下に隠れる裏側
に遮光層を形成するものであればよいので、遮光性織物
14は非遮光性糸条を表糸とし遮光性糸条を裏糸とする
朱子織地でもよいが、遮光性糸条が加熱押圧されてフイ
ルム状にならないようにするには、遮光性織物14を多
重織組織織物とし、その中間層16に遮光性糸条13を
配置し、そうすることによってアイロン掛けをする場合
の当て布のように、加熱押圧時に遮光性糸条13に熱源
や押圧ローラが直接触れないようにし、又、非遮光性糸
条11・12には高融点の合成繊維や非熱可塑性繊維を
使用することが推奨される。
【0010】しかしこのことは、遮光性糸条13の一部
繊維が非遮光性糸条11・12に融着することまでをも
排除することを意味しない。何故なら、遮光性糸条13
が交絡する非遮光性糸条11・12に密着した形状に変
形する程度に加熱押圧する場合、遮光性糸条13の一部
繊維が非遮光性糸条11・12に融着することは往々に
してありがちなことである一方、その程度の融着した遮
光性糸条13は非遮光性糸条11・12は剥離し易いの
で遮光性織物のドレープ性を損なうものでなく、遮光性
糸条13の強度低下を殊更惹起するものでもないからで
ある。又、遮光性糸条13には融点が70〜140℃で
熱溶融して接着し易い熱接着性合成繊維を使用すること
も出来、その遮光性糸条13の一部の繊維間が融着する
程度に加熱押圧されて扁平に変形していても、その融着
が一部の繊維間のものであって遮光性糸条全体が一本の
モノフイラメントやフイルム状のテープヤーンのように
なっておらず、遮光性糸条全体が数本の繊維糸条によっ
て構成されているものと認められる限り、遮光性織物の
ドレープ性は損なわれず、その程度の変形は本発明に言
う「遮光性糸条の変形」に含まれる。そのような変形を
具体的に示すとすれば、遮光性糸条の断面に現れる繊維
の本数、例えば100本が、加熱押圧によって一部の繊
維間が融着して太い10〜20本に減るような場合が挙
げられる。
繊維が非遮光性糸条11・12に融着することまでをも
排除することを意味しない。何故なら、遮光性糸条13
が交絡する非遮光性糸条11・12に密着した形状に変
形する程度に加熱押圧する場合、遮光性糸条13の一部
繊維が非遮光性糸条11・12に融着することは往々に
してありがちなことである一方、その程度の融着した遮
光性糸条13は非遮光性糸条11・12は剥離し易いの
で遮光性織物のドレープ性を損なうものでなく、遮光性
糸条13の強度低下を殊更惹起するものでもないからで
ある。又、遮光性糸条13には融点が70〜140℃で
熱溶融して接着し易い熱接着性合成繊維を使用すること
も出来、その遮光性糸条13の一部の繊維間が融着する
程度に加熱押圧されて扁平に変形していても、その融着
が一部の繊維間のものであって遮光性糸条全体が一本の
モノフイラメントやフイルム状のテープヤーンのように
なっておらず、遮光性糸条全体が数本の繊維糸条によっ
て構成されているものと認められる限り、遮光性織物の
ドレープ性は損なわれず、その程度の変形は本発明に言
う「遮光性糸条の変形」に含まれる。そのような変形を
具体的に示すとすれば、遮光性糸条の断面に現れる繊維
の本数、例えば100本が、加熱押圧によって一部の繊
維間が融着して太い10〜20本に減るような場合が挙
げられる。
【0011】遮光性糸条13は多重織組織織物の中間層
16を構成するように織り込まれるものもあるが、この
ことは、その接結点15で外面17・18に全く現われ
ないことが本発明の必須要件となることを意味しない。
何故なら、遮光性糸条13は、それを多重織組織織物の
中間層16を構成するように使用しても、多重織組織織
物の中間層に使用する糸条は接結点において織物の外面
に現れるものであり、又、製織時に織物の外面に図柄・
模様を描出しようとする場合、その図柄・模様の一部を
構成するために接結点の数を増やすことは慣用手段とな
っている一方、織物の表面に占める面積比率が30%以
下となる程度に表面に点在する遮光性糸条13が非遮光
性糸条11・12に融着したとしても、そのことによっ
て遮光性織物14の物性強度が低下したりドレープ性が
損なわれることはないからである。以下、図示する実施
例により本発明を説明する。
16を構成するように織り込まれるものもあるが、この
ことは、その接結点15で外面17・18に全く現われ
ないことが本発明の必須要件となることを意味しない。
何故なら、遮光性糸条13は、それを多重織組織織物の
中間層16を構成するように使用しても、多重織組織織
物の中間層に使用する糸条は接結点において織物の外面
に現れるものであり、又、製織時に織物の外面に図柄・
模様を描出しようとする場合、その図柄・模様の一部を
構成するために接結点の数を増やすことは慣用手段とな
っている一方、織物の表面に占める面積比率が30%以
下となる程度に表面に点在する遮光性糸条13が非遮光
性糸条11・12に融着したとしても、そのことによっ
て遮光性織物14の物性強度が低下したりドレープ性が
損なわれることはないからである。以下、図示する実施
例により本発明を説明する。
【0012】
【実施例】淡クリーム色で融点255〜260℃の一般
のポリエステル繊維紡績糸(綿番手30/2)を表経糸
11と裏経糸12に用い、それら表裏の経糸密度を各々
27本/cmとし、黒色で融点110℃の低融点ポリエ
ステル繊維紡績糸(綿番手20/2)を緯糸13に用
い、その打込密度(緯糸密度)を17.3本/cmと
し、図1(A)に示すタテ5枚朱子を表織組織とし、図
1(B)に示すヨコ5枚朱子を裏織組織とし、図1
(C)に示す経二重織組織による遮光性織物14を織成
した。その製織直後の遮光性織物14の遮光率は99.
80%であり、JIS−Z−9110規定の受光部照度
は201ルックスであり、その遮光性織物14の裁断口
に現れた緯糸13の断面は略円形(扁平率が1)であっ
た。次に、その遮光性織物14を、線圧力が60トン/
mで加熱温度が80℃の押圧ローラに通して圧熱処理し
て仕上げた。その仕上がった遮光性織物14の遮光率は
99.99%であり、JIS−Z−9110規定の受光
部照度は9ルックスであり、その緯糸(遮光性糸条1
3)は経糸(非遮光性糸条11・12)に融着しておら
ず、その遮光性織物14の裁断口に現れた緯糸13の断
面は扁平(扁平率が3.5〜4.5)であり、遮光性織
物14を緯糸13と経糸11・12に分解することが出
来た。尚、本発明に言う「扁平率」は、裁断口に現れた
緯糸13の断面の遮光性織物14の表面に平行な方向で
の寸法を遮光性織物14の厚み方向での寸法で除した値
で示される。図1において、(D)は遮光性織物14の
縦断面を図示し、(E)は遮光性織物14の横断面を図
示し、図2は、一部を円で囲んで引き出し拡大して示す
遮光性織物の斜視図である。
のポリエステル繊維紡績糸(綿番手30/2)を表経糸
11と裏経糸12に用い、それら表裏の経糸密度を各々
27本/cmとし、黒色で融点110℃の低融点ポリエ
ステル繊維紡績糸(綿番手20/2)を緯糸13に用
い、その打込密度(緯糸密度)を17.3本/cmと
し、図1(A)に示すタテ5枚朱子を表織組織とし、図
1(B)に示すヨコ5枚朱子を裏織組織とし、図1
(C)に示す経二重織組織による遮光性織物14を織成
した。その製織直後の遮光性織物14の遮光率は99.
80%であり、JIS−Z−9110規定の受光部照度
は201ルックスであり、その遮光性織物14の裁断口
に現れた緯糸13の断面は略円形(扁平率が1)であっ
た。次に、その遮光性織物14を、線圧力が60トン/
mで加熱温度が80℃の押圧ローラに通して圧熱処理し
て仕上げた。その仕上がった遮光性織物14の遮光率は
99.99%であり、JIS−Z−9110規定の受光
部照度は9ルックスであり、その緯糸(遮光性糸条1
3)は経糸(非遮光性糸条11・12)に融着しておら
ず、その遮光性織物14の裁断口に現れた緯糸13の断
面は扁平(扁平率が3.5〜4.5)であり、遮光性織
物14を緯糸13と経糸11・12に分解することが出
来た。尚、本発明に言う「扁平率」は、裁断口に現れた
緯糸13の断面の遮光性織物14の表面に平行な方向で
の寸法を遮光性織物14の厚み方向での寸法で除した値
で示される。図1において、(D)は遮光性織物14の
縦断面を図示し、(E)は遮光性織物14の横断面を図
示し、図2は、一部を円で囲んで引き出し拡大して示す
遮光性織物の斜視図である。
【0013】
【発明の効果】上記の通り本発明によると、JIS−L
−1055規定の遮光率とJIS−Z−9110規定の
受光部照度との関係において遮光性フイルムを貼り合わ
せた遮光性ラミネート加工布帛と同等の遮光性を示し、
通気性とドレープ性に優れ、遮光カーテンに適した遮光
性織物を得ることが出来た。
−1055規定の遮光率とJIS−Z−9110規定の
受光部照度との関係において遮光性フイルムを貼り合わ
せた遮光性ラミネート加工布帛と同等の遮光性を示し、
通気性とドレープ性に優れ、遮光カーテンに適した遮光
性織物を得ることが出来た。
【図1】本発明に係る遮光性織物の断面と織組織図との
関係を示す関係図である。
関係を示す関係図である。
【図2】一部を円で囲んで引き出し拡大して示す遮光性
織物の斜視図である。
織物の斜視図である。
11 表経糸 12 裏経糸 13 緯糸 14 遮光性織物 15 接結点 16 中間層 17 表面 18 裏面 19 隙間
Claims (5)
- 【請求項1】 遮光性糸条と非遮光性糸条によって織成
され、非遮光性糸条が表面を形成し、遮光性糸条が非遮
光性糸条の下に隠れる裏側に遮光層を形成した遮光性織
物において、遮光性糸条が複数本の熱可塑性合成繊維を
主材とするものであり、遮光性糸条の扁平率が2〜6で
あることを特徴とする遮光性織物。 - 【請求項2】 遮光性糸条と非遮光性糸条とによって織
成され、非遮光性糸条が表面を形成し、遮光性糸条が非
遮光性糸条の下に隠れる裏側に遮光層を形成した遮光性
織物において、遮光性糸条が、熱可塑性合成繊維を主材
とするものであり、表面を形成する非遮光性糸条よりも
熱変形し易く、加熱押圧されて交絡する非遮光性糸条に
密着した形状で変形していることを特徴とする遮光性織
物。 - 【請求項3】 前掲請求項2に記載の遮光性織物が多重
織組織織物であり、その中間層を遮光性糸条が形成して
おり、接結点において表面に現われる遮光性糸条のその
表面に占める面積比率が30%以下であることを特徴と
する前掲請求項2に記載の遮光性織物。 - 【請求項4】 前掲請求項2に記載の非遮光性糸条が熱
可塑性合成繊維を主材とし、遮光性糸条が非遮光性糸条
の当該熱可塑性合成繊維よりも軟化点または融点が低い
熱可塑性合成繊維を主材とすることを特徴とする前掲請
求項2に記載の遮光性織物。 - 【請求項5】 前掲請求項2に記載の非遮光性糸条が羊
毛、絹その他の蛋白質繊維、綿、レーヨンその他のセル
ロース繊維、ガラス繊維等の非熱可塑性繊維を主材とす
ることを特徴とする前掲請求項2に記載の遮光性織物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7174068A JPH09425A (ja) | 1995-06-16 | 1995-06-16 | 遮光性織物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7174068A JPH09425A (ja) | 1995-06-16 | 1995-06-16 | 遮光性織物 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09425A true JPH09425A (ja) | 1997-01-07 |
Family
ID=15972076
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP7174068A Pending JPH09425A (ja) | 1995-06-16 | 1995-06-16 | 遮光性織物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH09425A (ja) |
Cited By (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007219534A (ja) * | 2007-03-12 | 2007-08-30 | Seiren Co Ltd | 拡散反射型スクリーン及びその製造方法 |
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JP2008127722A (ja) * | 2006-11-22 | 2008-06-05 | Teijin Fibers Ltd | 暗幕カーテン用黒原着ポリエステルマルチフィラメントおよび暗幕カーテン用織物 |
JP2010138537A (ja) * | 2008-12-11 | 2010-06-24 | Woongjin Chemical Co Ltd | 原着糸を含むスクリーン用生地 |
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CN115637523B (zh) * | 2022-10-14 | 2024-04-12 | 广州汉德新材料股份有限公司 | 一种遮光布织物及制造方法 |
WO2024146430A1 (zh) * | 2023-01-05 | 2024-07-11 | 广州汉德新材料股份有限公司 | 一种浅色全遮光窗帘布及其制备方法 |
-
1995
- 1995-06-16 JP JP7174068A patent/JPH09425A/ja active Pending
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