JPH0942036A - ディーゼルエンジンの燃料噴射制御装置 - Google Patents

ディーゼルエンジンの燃料噴射制御装置

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JPH0942036A
JPH0942036A JP7196778A JP19677895A JPH0942036A JP H0942036 A JPH0942036 A JP H0942036A JP 7196778 A JP7196778 A JP 7196778A JP 19677895 A JP19677895 A JP 19677895A JP H0942036 A JPH0942036 A JP H0942036A
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fuel injection
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保弘 竹内
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Toyota Motor Corp
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    • F02BINTERNAL-COMBUSTION PISTON ENGINES; COMBUSTION ENGINES IN GENERAL
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    • F02B3/06Engines characterised by air compression and subsequent fuel addition with compression ignition
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    • Y02T10/40Engine management systems

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  • High-Pressure Fuel Injection Pump Control (AREA)
  • Fuel-Injection Apparatus (AREA)
  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】噴射モードの切り換え時におけるショックを軽
減しつつ、その噴射モードの切り換え時に安定性の高い
噴射特性を確保する。 【解決手段】燃料噴射ポンプ1は、多気筒ディーゼルエ
ンジンへ高圧燃料を供給するものであり、その噴射量の
調整はECU41内のCPU42から電磁スピル弁22
への制御指令に従って行われる。CPU42は、燃料噴
射を一度に行う通常噴射モードと、主噴射に先立ってパ
イロット噴射を行わせるパイロット噴射モードとをエン
ジン運転条件に応じて切り換える。かかる場合、噴射モ
ードの切り換えを行うための特性図には、両噴射モード
を切り換える境界となるモード切換領域に、パイロット
噴射モードとすべき気筒をエンジン回転数及び燃料噴射
量に応じて1気筒ずつ増やす又は減らすための複数に区
分された領域が設けられている。これにより、噴射モー
ドの切り換えが気筒毎に時間的なズレをもって実施され
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、多気筒ディーゼ
ルエンジンに高圧燃料を供給するための燃料噴射ポンプ
を備えた燃料噴射制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、ディーゼルエンジンには各気
筒へ前記高圧燃料を分配供給可能な燃料噴射ポンプが用
いられている。詳しくは、燃料噴射ポンプではプランジ
ャの往復動作に伴い燃料が高圧化され、その高圧燃料が
電磁スピル弁の閉動作(スピル通路の閉鎖)に伴い燃料
噴射ノズルに供給される。そして、同ノズルから各気筒
への燃料噴射が行われる。また、電磁スピル弁の開動作
(スピル通路の開放)に伴い高圧燃料がスピル(溢流)
され、燃料供給が停止される。この燃料供給は一般にプ
ランジャのリフト開始と同時に開始されるため、電磁ス
ピル弁はプランジャのリフト開始前に閉弁(通電)され
ており、所望の燃料量が得られた時点で開弁(通電遮
断)される。
【0003】上述した燃料噴射動作は、各々の気筒につ
いて電磁スピル弁の一回の開閉動作により行われるのに
対し(通常噴射モードと呼ぶ)、電磁スピル弁の二回の
開閉動作により行われる技術がある(パイロット噴射モ
ードと呼ぶ)。即ち、パイロット噴射モードでは、各気
筒への主噴射に先立ってパイロット噴射(先立ち噴射)
が行われる。かかるパイロット噴射を行うことは、低温
始動性の向上、騒音対策等に対して有効な手法として知
られている。なお、一般には通常噴射モードとパイロッ
ト噴射モードとがエンジン運転条件に応じて切り換えら
れるようになっている。
【0004】ところが、上記の如く噴射モードの切り換
えを行う場合、燃料噴射量の変化を生じ易く、その噴射
量の変化に伴いエンジントルクが変動する。その結果、
自動車の搭乗者にショック感を与えることになり、ドラ
イバビリティの低下を招くおそれがあった。
【0005】そこで、特開昭63−268953号公報
の「燃料噴射装置の燃料噴射制御方式」では、パイロッ
ト噴射モードから通常噴射モードへの移行時に、パイロ
ット噴射(先立ち噴射)と主噴射との間の休止時間を徐
変させる技術が開示されている。この制御方式では、前
記噴射モードの移行を円滑に行わせ、移行時の燃料量の
変化を防止することができる旨が記述されている(その
他、特開平5−1609号公報の「ディーゼルエンジン
の燃料噴射制御装置」にも同様の技術が開示されてい
る)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記公報に
記載の従来技術においては以下に示す問題を生ずる。つ
まり、パイロット噴射の直後には燃料圧の脈動を生じ易
く、前記休止時間を短くし過ぎると前記燃料圧の脈動に
よって主噴射時の燃料圧にも脈動が生じてしまう。かか
る場合、燃料噴射が不安定となるという問題を招く(噴
射特性が悪化する)。また、上記公報の技術では、通常
噴射モードとパイロット噴射モードとの切り換えを全気
筒同時に行うため(1つの気筒がパイロット噴射モード
になるとそれに続く気筒も直ちに同じモードになるとい
うこと)、未だ噴射モードの切り換え時におけるショッ
ク感が残ると共に、瞬間的に騒音が発生するという問題
を招く。
【0007】さらに、燃料噴射の開始及び終了は、燃料
噴射ポンプの電磁スピル弁のオン・オフ(通電制御)に
より実施されるが、その電磁スピル弁の応答性の観点か
らも休止時間の短縮化には限界があり、上記公報の制御
方式を実現するのは困難であった(圧電素子を用いた電
磁スピル弁の場合、応答性は確保できるがコスト高とな
る問題を招く)。
【0008】この発明は、上記問題に着目してなされた
ものであって、その目的とするところは、通常噴射モー
ドとパイロット噴射モードとの切り換え時におけるショ
ックを軽減しつつ、その噴射モードの切り換え時に安定
性の高い噴射特性を確保することができるディーゼルエ
ンジンの燃料噴射制御装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の発明の概略構成を図15のクレーム対応図を用いて説
明する。つまり、請求項1に記載の発明は、図15に示
すように、多気筒ディーゼルエンジンM1へ高圧燃料を
供給するための燃料噴射ポンプM2と、前記燃料噴射ポ
ンプM2による燃料圧力の上昇開始に伴い燃料噴射を一
度に行わせる第1の燃料噴射手段M3と、前記燃料噴射
ポンプM2による燃料圧力の上昇開始に伴い主噴射に先
立ってパイロット噴射を行わせる第2の燃料噴射手段M
4と、前記第1の燃料噴射手段M3による通常噴射モー
ドと前記第2の燃料噴射手段M4によるパイロット噴射
モードとをエンジン運転条件に応じて切り換える噴射モ
ード切換手段M5とを備えたディーゼルエンジンの燃料
噴射制御装置において、前記噴射モード切換手段M5
は、前記ディーゼルエンジンM1の全気筒のうちでどの
気筒をパイロット噴射モードとするかを選択するための
モード切換領域を有する記憶手段M6と、エンジン運転
条件に応じて前記記憶手段M6からパイロット噴射モー
ドとすべき気筒を選択し、当該気筒に対してのみ前記第
2の燃料噴射手段M4によるパイロット噴射の実行を許
可するパイロット噴射許可手段M7とを備えることを要
旨としている。
【0010】かかる構成によれば、噴射モード切換手段
M5による噴射モードの切り換えがエンジン運転条件に
応じて選択された特定の気筒のみに対して実施されるた
め、該運転条件の変化に伴う噴射モードの切り換えを気
筒毎に時間的なズレをもって行うことができる。従っ
て、例えば全気筒同時に噴射モードの切り換えが行われ
る従来の装置に比べて、切り換え時のショックが軽減さ
れ、円滑な噴射モードの切り換え動作が実現できる。ま
た、従来技術とは異なりパイロット噴射と主噴射との間
の休止時間を変更することを要件としないので、同休止
時間を短くし過ぎることもなく、安定性の高い噴射特性
が確保される。
【0011】請求項2に記載の発明では、請求項1に記
載の発明において、前記記憶手段M6のモード切換領域
には、パイロット噴射モードとすべき気筒をエンジン運
転条件に応じて1気筒ずつ増やす又は減らすための複数
に区分された領域が設けられている。かかる場合、エン
ジン運転条件の変化時において通常噴射モード,パイロ
ット噴射モード間の切り換えが1気筒ずつ増減されるこ
とで、噴射モードの切り換え時おけるショックがさらに
軽減され、円滑なる燃料噴射制御に貢献できる。
【0012】請求項3に記載の発明では、請求項1又は
2に記載の発明において、前記記憶手段M6のモード切
換領域には、エンジン回転数が大きくなるほどパイロッ
ト噴射モードとすべき気筒数を減らすような特性が与え
られている。かかる場合、エンジン回転数の上昇時又は
下降時において、円滑なる燃料噴射制御が実現される。
【0013】次に、請求項4に記載した発明の構成を説
明する。なお、本発明は、前記請求項1に記載の発明の
一部を変更したものであるため、前述の図15を用いて
説明する。請求項1との相違点は噴射モード切換手段M
5の内容が変更されたのみであり、請求項1と同様の符
号を用いて説明する(なお、ここでは記憶手段M6,パ
イロット噴射許可手段M7を要件としていない)。
【0014】請求項4に記載の発明は、図15に示すよ
うに、多気筒ディーゼルエンジンM1へ高圧燃料を供給
するための燃料噴射ポンプM2と、前記燃料噴射ポンプ
M2による燃料圧力の上昇開始に伴い前記ディーゼルエ
ンジンM1の各気筒への燃料噴射を一度に行わせる第1
の燃料噴射手段M3と、前記燃料噴射ポンプM2による
燃料圧力の上昇開始に伴い主噴射に先立ってパイロット
噴射を行わせる第2の燃料噴射手段M4と、前記第1の
燃料噴射手段M3が実行される際の通常噴射モードと前
記第2の燃料噴射手段M4が実行される際のパイロット
噴射モードとをエンジン運転条件に応じて切り換える噴
射モード切換手段M5とを備えたディーゼルエンジンの
燃料噴射制御装置において、前記噴射モード切換手段M
5は、噴射モードの切り換えの際に所定時間間隔又は所
定の噴射回数毎にパイロット噴射すべき気筒数を増やす
又は減らすことを要旨としている。
【0015】かかる構成によれば、パイロット噴射すべ
き気筒数の増減が所定時間間隔又は所定の噴射回数毎に
行われるため、上記請求項1に記載の発明と同様に、例
えば全気筒同時に噴射モードの切り換えが行われる従来
の装置に比べて、切り換え時のショックが軽減され、円
滑な噴射モードの切り換え動作が実現できる。また、安
定性の高い噴射特性が確保される。
【0016】請求項5に記載の発明では、請求項4に記
載の発明において、前記噴射モード切換手段M5は、エ
ンジン回転数が大きくなるほど噴射モードの切り換えの
時間間隔を短くしている。この場合、噴射モード切り換
え時における時間間隔が適切に設定できる。
【0017】
【発明の実施の形態】
(第1の実施形態)以下、この発明を4気筒ディーゼル
エンジンの燃料噴射制御装置に具体化した第1の実施形
態について、図面を用いて説明する。本実施形態の燃料
噴射装置は、インナカム式の分配型燃料噴射ポンプを用
いて同ポンプからディーゼルエンジンへ燃料を噴射供給
するものであり、燃料噴射量及び燃料噴射時期は電子制
御装置(以下、ECUという)にて制御されるようにな
っている。なお、本記載では、ディーゼルエンジンの各
気筒を#1気筒〜#4気筒とし、便宜上、その燃焼順序
を#1→#2→#3→#4とする。以下、燃料噴射制御
装置の構成を詳述する。
【0018】先ず、燃料噴射ポンプ1の構成について図
1を用いて説明する。図1に示すように、燃料噴射ポン
プ1のポンプハウジング2には、エンジンの図示しない
クランク軸に同期して1/2の速度で回転するドライブ
シャフト3が挿通されている。ポンプハウジング2には
ベーン式フィードポンプ4(図1には90度展開して示
す)が設けられており、同フィードポンプ4はドライブ
シャフト3の回転に伴い燃料を吸い上げて加圧し、図示
しない通路を通してフィードギャラリ5aに送り出す。
【0019】ドライブシャフト3の先端(図の右端)に
は、同シャフト3と一体回転する分配ロータ6が接続さ
れており、分配ロータ6はポンプハウジング2に設けら
れたシリンダ7に回転可能に収容されている。また、ポ
ンプハウジング2にはインナカムリング8が取り付けら
れており、分配ロータ6のヘッド部6aはインナカムリ
ング8内周のカム面8aに沿って摺動回転する。なお、
同カム面8aはエンジン気筒数(本実施形態では、4
つ)のカム山を有している。その詳細を図2に示す。図
2において、分配ロータ6のヘッド部6aには半径方向
に延びる円筒孔9が形成され、同円筒孔9内には一対の
プランジャ10が摺動可能に配設されている。一対のプ
ランジャ10間にはポンプ室11が形成されている。プ
ランジャ10の外側端部にはシュー12が配設され、同
シュー12にはローラ13が回転自在に保持されてい
る。
【0020】従って、分配ロータ6の回転に伴いローラ
13がインナカムリング8のカム面8aに沿って摺動す
ると、ローラ13,シュー12,プランジャ10が一体
的に分配ロータ6の半径方向に往復動する。そして、プ
ランジャ10が分配ロータ6の半径方向外側に移動する
際にポンプ室11に燃料が吸入され、半径方向内側に移
動する際にポンプ室11から燃料が圧送される。
【0021】また、分配ロータ6には、前記ポンプ室1
1に連通する吸入ポート14、分配ポート15、スピル
ポート16及びスピル環状溝16aが形成されている。
吸入ポート14はシリンダ7の連通路17aを介してフ
ィードギャラリ5aに連通され、分配ポート15はシリ
ンダ7の連通路17bを介して噴射通路18に連通され
ている。また、スピルポート16はスピル環状溝16a
に通じ、さらにスピル環状溝16aはシリンダ7の連通
路17cを介してスピル通路19に連通されている。噴
射通路18にはデリバリバルブ20が配設され、同デリ
バリバルブ20から燃料噴射ノズル21に燃料が供給さ
れる。
【0022】また、スピル通路19の途中には電磁スピ
ル弁22が配置されている。電磁スピル弁22は、スピ
ル通路19を開閉するための弁体23と、同弁体23を
開弁方向(図の上方向)に付勢するスプリング24と、
励磁により弁体23を閉弁方向(図の下方向)に移動さ
せるソレノイドコイル25とを有している。弁体23の
周囲には、高圧燃料を導入する環状の高圧燃料室38が
形成されている。つまり、ソレノイドコイル25の非通
電時には電磁スピル弁22が開弁状態となり(図示の状
態)、ポンプ室11から圧送される燃料はスピル通路1
9,高圧燃料室38を経て燃料室5にスピルされる。ま
た、ソレノイドコイル25の通電時には電磁スピル弁2
2が閉弁状態となり、ポンプ室11から燃料室5への燃
料のスピルが停止されると共に、ポンプ室11から分配
ポート15を介して燃料噴射ノズル21へ燃料が送られ
る。
【0023】さらに、ポンプハウジング2下部には油圧
式タイマ26(図1では90度展開して示す)が内蔵さ
れている。同タイマ26は前記フィードギャラリ5aの
燃料圧によって作動するものであり、タイマハウジング
27内に配置されたタイマピストン28は、スライドピ
ン29を介して前記したインナカムリング8に連結され
ている。また、タイマハウジング27において、低圧室
30にはフィードポンプ4に吸入される燃料が導入さ
れ、高圧室31にはフィードギャラリ5aの燃料(フィ
ードポンプ4から吐出される燃料)が導入される。そし
て、低圧室30側に配設されたタイマスプリング32の
付勢力と高圧室31内の燃料圧力とのバランスによりタ
イマピストン28が図示左右方向に摺動して、インナカ
ムリング8が回転する。
【0024】タイマ26の燃料圧力は、タイマ制御弁
(TCV)33にて調整されるようになっている。即
ち、タイマハウジング27において、低圧室30と高圧
室31とは連通路34にて連通されており、デューティ
比制御によるタイマ制御弁33の開閉動作により高圧室
31内の燃料圧力が調整される。そして、タイマ制御弁
33による高圧室31内の燃料圧力調整に伴いタイマピ
ストン28の位置が調整される。そして、インナカムリ
ング8の回転に応じてプランジャ10のリフトタイミン
グが調整され、燃料噴射時期が制御される。なお、タイ
マ制御弁33の駆動(オン)時間が長いほど、即ち指令
デューティ比信号が大きいほど、燃料噴射時期は遅角側
に制御され、駆動(オン)時間が短いほど、即ち指令デ
ューティ比信号が小さいほど、燃料噴射時期は進角側に
制御される。
【0025】一方、ドライブシャフト3には外周面に複
数の突起を有するパルサ35が取り付けられ、インナカ
ムリング8には前記パルサ35の外周面に対向する回転
角センサ36が取り付けられている。パルサ35の外周
には、96等分された間隔で凸状の歯が設けられてお
り、その歯の間隔は3.75°(7.5°CAに相当す
る)となっている。また、パルサ35の外周には、全気
筒数に相当する4か所に2個分の歯を欠落させた欠歯部
が設けられている。回転角センサ36は電磁ピックアッ
プコイルからなり、パルサ35外周の歯の通過を検知
し、所定の回転角度毎に検出信号を出力する。この検出
信号はECU41に入力され、同ECU41内で波形整
形(2値化)される。
【0026】ECU41は、各種の演算プログラムを実
行するためのCPU(中央演算装置)42と、各種演算
プログラムやマップデータを記憶保持するためのメモリ
43とを有している。また、本装置においては、運転者
によるアクセルペダルの踏み込み操作量を検出するため
のアクセル開度センサ44やエンジン冷却水の温度を検
出するための水温センサ45等を備えており、これらセ
ンサの検出信号がECU41に入力される。
【0027】CPU42は、例えば回転角センサ36か
らの検出信号に基づいた気筒判別及びエンジン回転数の
演算や、アクセル開度センサ44からの検出信号に基づ
いたアクセル開度の演算を実施する。また、CPU42
は、これらエンジン運転条件(エンジン回転数やアクセ
ル開度等)に基づき、燃料噴射量を調整するための電磁
スピル弁22の開閉制御や、燃料噴射時期を調整するた
めのタイマ制御弁33のデューティ制御を実施する。特
に、本実施形態では、制御対象を電磁スピル弁22とし
ており、同スピル弁22の開閉による燃料噴射制御を主
に説明する。なお、本実施形態では、CPU42により
第1の燃料噴射手段、第2の燃料噴射手段及び噴射モー
ド切り換え手段(パイロット噴射許可手段)が構成され
ており、メモリ43により記憶手段が構成されている。
【0028】次に、上記の如く構成された燃料噴射制御
装置について、本実施形態における作用の特徴部分を説
明する。ここで、本実施形態の燃料噴射制御では、2種
類の燃料噴射モードを選択的に切り換えるものであり、
一のモードは、プランジャ10のリフト開始と共に燃料
噴射を開始して燃料噴射を一度に実施する通常噴射モー
ドである。また、二のモードは、プランジャ10のリフ
ト開始と共にパイロット噴射(先立ち噴射とも言う)を
行い所定時間後、主噴射を行うパイロット噴射モードで
ある。以下、各噴射モードの概略を説明する。
【0029】先ず、図4は通常噴射モードでの動作を示
す。同図において、時間t1はNeパルス(回転角セン
サ36による検出信号の2値化信号)の欠歯部に基づき
求められた基準位置(欠歯部直後のパルスの立ち下がり
エッジに対応している)の出力タイミングを示し、時間
t2は電磁スピル弁22が閉弁されるタイミングを示
す。また、時間t3は、プランジャ10がリフト開始さ
れるタイミングを示し、時間t4は電磁スピル弁22が
開弁されるタイミングを示す。
【0030】かかる場合、圧送開始時期は、プランジャ
10のリフト開始時期(時間t3)に対応する。また、
圧送終了時期は、電磁スピル弁22の開弁時期(時間t
4)で決定され、それは基準位置(時間t1)からの角
度θ1(deg)で与えられる。このとき、「θ1」
は、その時のエンジン運転条件(エンジン回転数,アク
セル開度等)に基づき求められるものであり、それによ
り所望の燃料噴射量(mm3 /st)が得られる。な
お、噴射圧力及び噴射率は図示の如く変化する。
【0031】一方、図5はパイロット噴射モードでの動
作を示す。同図において、時間t11,t12,t13
は、前記図4の時間t1,t2,t3と同じタイミング
である。また、時間t14は、パイロット噴射の圧送終
了時期(電磁スピル弁22の開弁時期)、時間t15は
主噴射の圧送開始時期(電磁スピル弁22の閉弁時
期)、時間t16は主噴射の圧送終了時期(電磁スピル
弁22の開弁時期)を示す。
【0032】かかる場合、時間t14,t15,t16
は各々、基準位置(時間t11)からの角度θ2,θ
3,θ4(deg)で与えられる。このとき、「θ
2」,「θ3」,「θ4」は、その時のエンジン運転条
件(エンジン回転数,アクセル開度等)に基づき求めら
れる角度であり、その時のパイロット噴射及び主噴射に
より所望の燃料噴射量(mm3 /st)が得られる。な
お、噴射圧力及び噴射率は図示の如く変化する。
【0033】また、燃料噴射を通常噴射モードとするか
或いはパイロット噴射モードとするかは、例えば図3の
特性図を用いて選択される。図3は、エンジン回転数と
燃料噴射量とをパラメータとした特性図であり、基本的
には低回転域でパイロット噴射モード(パイロット噴射
有り)となるように設定されている。
【0034】また、この特性図において、パイロット噴
射の有無を判定する境界域(モード切換領域)には、パ
イロット噴射すべき気筒数を可変設定するための境界線
L1〜L4が設定されている。詳しくは、境界線L1
は、全気筒をパイロット噴射無しとする領域(A0領
域)と、1気筒のみ(例えば、#1気筒のみ)をパイロ
ット噴射有りとする領域(A1領域)とを区分する境界
線であり、境界線L2は、1気筒のみをパイロット噴射
有りとする領域(A1領域)と、2気筒(例えば、#1
+#2気筒)をパイロット噴射有りとする領域(A2領
域)とを区分する境界線である。また、境界線L3は、
2気筒をパイロット噴射有りとする領域(A2領域)
と、3気筒(例えば、#1+#2+#3気筒)をパイロ
ット噴射有りとする領域(A3領域)とを区分する境界
線であり、境界線L4は、3気筒をパイロット噴射有り
とする領域(A3領域)と、全気筒をパイロット噴射有
りとする領域(A4領域)とを区分する境界線である。
【0035】上記特性図のデータは、ECU41内のメ
モリ43に予め設定されている。図6は、燃料噴射制御
ルーチンを示すフローチャートであり、同ルーチンは各
気筒の燃料噴射毎(本実施形態では、180°CA毎)
にCPU42により実行される。
【0036】さて、図6のルーチンがスタートすると、
CPU42は、先ずステップ101で次の燃料噴射の気
筒番号を判別し、続くステップ102でエンジン回転数
やアクセル開度(エンジン負荷)等の各種エンジン運転
条件を読み込む。また、CPU42は、ステップ103
で前記図3の特性図を用いて現時点でパイロット噴射を
行うべき気筒を判別する。例えば現時点のエンジン運転
状態が図3の「P1」であれば、#1気筒と#2気筒と
がパイロット噴射を行うべき気筒として設定される。
【0037】その後、CPU42は、ステップ104で
次の噴射気筒がパイロット噴射すべき気筒か否かを判別
する。そして、ステップ104が肯定判別されれば、C
PU42はステップ105でパイロット噴射モードに応
じた電磁スピル弁22の駆動信号を演算する。つまり、
エンジン運転条件に応じて電磁スピル弁22の制御角度
(図5のθ2,θ3,θ4)を演算する。また、ステッ
プ104が否定判別されれば、CPU42はステップ1
06で通常噴射モードに応じた電磁スピル弁22の駆動
信号を演算する。つまり、エンジン運転条件に応じて電
磁スピル弁22の制御角度(図4のθ1)を演算する。
【0038】その後、CPU42は、ステップ107で
前記演算された電磁スピル弁22の駆動信号に基づき当
該スピル弁22を駆動させ、本ルーチンを終了する。こ
こで、図6のルーチンの動作を図7のタイムチャートを
用いてより具体的に説明する。図7では燃料噴射量を一
定とし、エンジン回転数の変動に伴うパイロット噴射気
筒の変化を示す。なお、図中、L1〜L4は前記図3の
特性図に示した境界線に相当する。
【0039】先ず図7の時間t21以前では、エンジン
回転数が比較的高いため全気筒がパイロット噴射無しの
気筒(通常噴射モードの気筒)となっている。そして、
時間t21でエンジン回転数が境界線L1まで低下する
と、#1気筒のみがパイロット噴射すべき気筒となり
(パイロット噴射有り)、当該気筒のみ通常噴射モード
からパイロット噴射モードへ切り換えられる。また、エ
ンジン回転数がさらに低下すると、境界線L2に達する
時間t22では#2気筒が、境界線L3に達する時間t
23では#3気筒が、境界線L4に達する時間t24で
は#4気筒が、それぞれパイロット噴射すべき気筒して
追加される。その後、エンジン回転数が上昇すると、時
間t25で#4気筒が通常噴射モードに戻り(パイロッ
ト噴射無し)、さらに時間t26で#3気筒が通常噴射
モードに戻る。
【0040】つまり、各時間t21〜t26にて区画さ
れる各々の期間では、以下ように噴射制御が行われるこ
とになる。 時間t21以前:全気筒がパイロット噴射無し(通常噴
射モード)。 時間t21〜t22:#1気筒のみがパイロット噴射有
り(パイロット噴射モード)。 時間t22〜t23:#1,#2気筒がパイロット噴射
有り。 時間t23〜t24:#1,#2,#3気筒がパイロッ
ト噴射有り。 時間t24〜t25:全気筒がパイロット噴射有り。 時間t25〜t26:#1,#2,#3気筒がパイロッ
ト噴射有り。 時間t26以降:#1,#2気筒がパイロット噴射有
り。
【0041】以上詳述した第1の実施形態によれば、以
下に示す効果を奏する。即ち、通常噴射モードとパイロ
ット噴射モードとをエンジン運転条件に応じて切り換え
る特性図(図3)において、全気筒のうちでどの気筒を
パイロット噴射モードとするかを選択するためのモード
切換領域を設定した。そして、エンジン運転条件に応じ
て前記特性図(図3)からパイロット噴射モードとすべ
き気筒を選択し、当該気筒に対してのみパイロット噴射
の実行を許可するようにした。
【0042】かかる場合、噴射モードの切り換えがエン
ジン運転条件に応じて選択された特定の気筒のみに対し
て実施されるため、噴射モードの切り換えを気筒毎に時
間的なズレをもって行うことができる。従って、例えば
全気筒同時に噴射モードの切り換えが行われる従来の装
置に比べて、切り換え時のショックを軽減することがで
き、円滑な噴射モードの切り換え動作が実現できる。ま
た、従来公報(特開昭63−268953号公報,特開
平5−1609号公報)に開示されている如くパイロッ
ト噴射と主噴射との間の休止時間を短くし過ぎることも
ないので、燃料圧の脈動が抑えられ、安定性の高い噴射
特性を確保することができる。その結果、ドライバビリ
ティを向上させることができる。
【0043】また、本実施形態では、前記特性図(図
3)において、パイロット噴射モードとすべき気筒をエ
ンジン運転条件に応じて1気筒ずつ増やす又は減らすた
めの複数に区分した領域(図3のA0〜A4領域)を設
けた。そのため、エンジン運転条件の変化時において通
常噴射モード,パイロット噴射モード間の切り換えが1
気筒ずつ増減されることになり、噴射モードの切り換え
時おけるショックが軽減され、より円滑な燃料噴射制御
を実現することができる。
【0044】さらに、前記特性図(図3)の噴射モード
切換領域には、エンジン回転数が大きくなるほどパイロ
ット噴射モードとすべき気筒数を減らすような特性を与
えた。従って、エンジン回転数の上昇時又は下降時にお
いて、円滑なる燃料噴射制御を実現することができる。
【0045】また、従来より開示されている技術と比較
した場合、技術的思想を新規なものとするものの、構成
上の主な相違点は図3の特性図を変更したのみであり、
コストアップやCPU42による演算負荷増大を招くこ
となく、上記効果を得ることができる。なお、本実施形
態は、請求項1〜3に記載した発明に相当する。
【0046】(第2の実施形態)次に、請求項4,5に
記載した発明に相当する第2の実施形態について説明す
る。最初に、第1の実施形態との相違点を簡単に説明す
れば、上記第1の実施形態では、噴射モードの切り換え
特性(図3)により当該切り換え動作を気筒毎に選択的
に行うようにしていたが、本第2の実施形態では、噴射
モードの切り換え動作を所定時間間隔で行うようにして
いる。以下、詳細に説明する。
【0047】図10は、本実施形態にて用いる噴射モー
ドの切り換え特性図である。同図には、パイロット噴射
無しの領域(B1領域)と、パイロット噴射有りの領域
(B2領域)とを区分するための1本の境界線L10が
設定されている。
【0048】図8,図9は、共にCPU42により実施
される制御プログラムを示すフローチャートであり、図
8はパイロット噴射モード設定ルーチン、図9は燃料噴
射制御ルーチンである。なお、図8,図9のルーチン
は、各気筒の燃料噴射毎(180°CA毎)に連続して
実行してもよく、また、図8のルーチンのみ所定時間周
期(例えば4ms毎)に実行するようにしてもよい。
【0049】さて、図8のパイロット噴射モード設定ル
ーチンがスタートすると、CPU42は、先ずステップ
201でパイロット噴射実行フラグFが「0」であるか
否かを判別する。ここで、F=1はパイロット噴射の実
行を許可する旨を表し、F=0はパイロット噴射の実行
を禁止する旨を表す。
【0050】このとき、F=0であれば、CPU42は
ステップ202に進み、前述の図10を用いて現時点の
エンジン運転条件がパイロット噴射の実行領域(図10
のB2領域)にあるか否かを判別する。そして、パイロ
ット噴射の実行領域(B2領域)であれば、CPU42
はステップ202からステップ203に進み、パイロッ
ト噴射実行フラグFに「1」をセットして本ルーチンを
終了する。また、パイロット噴射を実行しない領域(B
1領域)であれば、CPU42はそのまま本ルーチンを
終了する。
【0051】一方、前記ステップ201でF=1であれ
ば、CPU42はステップ204に進み、パイロット噴
射すべき気筒数が「0」であるか否かを判別する。な
お、パイロット噴射すべき気筒数に関しては図9のルー
チンにて後述する。そして、ステップ204が肯定判別
されれば(パイロット噴射気筒数=0)、CPU42は
ステップ205でパイロット噴射実行フラグFを「0」
にクリアして本ルーチンを終了する。また、ステップ2
04が否定判別されれば、CPU42はそのまま本ルー
チンを終了する。つまり、本実施形態では、パイロット
噴射すべき気筒数が「1」〜「4」の間で変化するが、
当該気筒数が一つでもあれば、パイロット噴射実行フラ
グFが「1」のまま継続され、一つもなくなればパイロ
ット噴射実行フラグFが「0」にクリアされるようにな
っている。
【0052】また、図9に示す燃料噴射制御ルーチンに
おいて、CPU42は、先ずステップ301で次の燃料
噴射気筒を判別し、続くステップ302で各種のエンジ
ン運転条件(エンジン回転数,エンジン負荷,アクセル
開度等)を入力する。また、CPU42は、ステップ3
03でパイロット噴射実行フラグFが「1」であるか否
かを判別する。F=0の場合、通常噴射を行うべく、C
PU42はステップ303を否定判別してステップ30
4に進む。CPU42は、ステップ304で前述の如く
通常噴射モードでの電磁スピル弁22の駆動信号を生成
し、続くステップ313で電磁スピル弁22を駆動す
る。
【0053】一方、F=1の場合、パイロット噴射を行
うべく後続のステップ305〜310を実行する。即
ち、CPU42は、ステップ305でパイロット噴射実
行フラグFの「0」→「1」の切り換え直後であるか否
かを判別し、切り換え直後であればステップ306に進
む。CPU42は、ステップ306で#1気筒をパイロ
ット噴射すべき気筒として設定する(勿論、#1気筒以
外の気筒でもよい)。
【0054】その後、CPU42は、ステップ311で
次の噴射気筒がパイロット噴射すべき気筒か否かを判別
する。そして、ステップ311が肯定判別されれば(こ
の場合には、次の噴射気筒が#1気筒であれば)、CP
U42はステップ312でパイロット噴射モードに応じ
た電磁スピル弁22の駆動信号を演算する。また、ステ
ップ311が否定判別されれば、CPU42はステップ
304で通常噴射モードに応じた電磁スピル弁22の駆
動信号を演算する。
【0055】また、パイロット噴射実行フラグFのセッ
ト後、2回目以降のルーチン実行時には、前記ステップ
305が否定判別され、CPU42はステップ307に
進む。CPU42は、ステップ307で前回のパイロッ
ト噴射気筒の設定から所定時間T1が経過したか否かを
判別する。ここで、所定時間T1は固定値としてもよ
く、また、図11に示すようにエンジン回転数に応じて
設定される可変値としてもよい。図11によれば、エン
ジン回転数が大きくなるほど、所定時間T1が短くなる
ように設定される。
【0056】そして、前回のパイロット噴射気筒の設定
から所定時間T1が経過していなければステップ307
が否定判別され、CPU42は前述のステップ311に
進む。CPU42は、同ステップ311の判別結果に基
づいて通常噴射モード或いはパイロット噴射モードのい
ずれかを選択し、以降のステップで該当する噴射モード
に応じた燃料噴射を実施する。
【0057】また、前回のパイロット噴射気筒の設定か
ら所定時間T1が経過していればステップ307が肯定
判別され、CPU42は、ステップ308に進む。CP
U42は、ステップ308で前述の切り換え特性図(図
10)を用いて今現在がパイロット噴射の実行領域にあ
るか否かを判別する。そして、パイロット噴射の実行領
域(図10のB2領域)にあれば、CPU42はステッ
プ308を肯定判別してステップ309に進み、パイロ
ット噴射すべき気筒を一つだけ増やす。また、パイロッ
ト噴射を実行しない領域(図10のB1領域)にあれ
ば、CPU42はステップ308を否定判別してステッ
プ310に進み、パイロット噴射すべき気筒を一つだけ
減らす。このパイロット噴射すべき気筒数の設定後、C
PU42は前述のステップ311を実行する。
【0058】要するに、上記ステップ305〜310で
は、パイロット噴射すべき気筒が最初に#1気筒に設定
され、その後、所定時間T1の間隔で増減される。かか
る場合、パイロット噴射すべき気筒数は「0」〜「4」
の間で変化する。なお、ステップ309では、気筒数の
上限が「4」に規定されている。また、ステップ310
でパイロット噴射すべき気筒数が減算されることによ
り、当該気筒数が「0」になれば、前述の図8のステッ
プ204が肯定判別されることになり、パイロット噴射
実行フラグFが「0」にクリアされる。つまり、それ以
降、パイロット噴射のない通常噴射が実行される。
【0059】上記図8,図9の処理動作を図12のタイ
ムチャートを用いてより具体的に説明する。図12にお
いて、時間t31以前はエンジン運転条件がパイロット
噴射無しの領域(図10のB1領域)にあり、時間t3
1〜t32はパイロット噴射有りの領域(図10のB2
領域)にあり、時間t32以降は再びパイロット噴射無
しの領域(図10のB1領域)にある。かかる場合、時
間t31では、パイロット噴射実行フラグFに「1」セ
ットされ(図8のステップ203)、#1気筒がパイロ
ット噴射すべき気筒として設定される(図9のステップ
306)。
【0060】そして、時間t31〜t32の期間内にお
いて、所定時間T1が経過する毎にパイロット噴射すべ
き気筒が一つずつ増やされる(図9のステップ307〜
309)。また、時間t32以降においては、所定時間
T1が経過する毎にパイロット噴射すべき気筒が一つず
つ減らされる(図9のステップ307,308,31
0)。パイロット噴射すべき気筒数が「0」となる時間
t33では、パイロット噴射実行フラグFが「0」にク
リアされる(図8のステップ205)。
【0061】以上第2の実施形態によれば、噴射モード
の切り換えが所定時間間隔で行われるため、上記第1の
実施形態と同様に、例えば全気筒同時に噴射モードの切
り換えが行われる従来の装置に比べて、切り換え時のシ
ョックを軽減することができ、円滑な噴射モードの切り
換え動作が実現できる。また、安定性の高い噴射特性が
確保でき、ドライバビリティが向上する。
【0062】また、本実施形態では、エンジン回転数が
大きくなるほど噴射モードの切り換えの時間間隔を短く
した。そのため、噴射モード切り換え時における時間間
隔を適切に設定することができる。
【0063】なお、本発明は上記実施形態に限定される
ものではなく、次の様態にて具体化することができる。 (1)前記第1の実施形態の変形例として、図3に示す
特性図の他に、急加速時のみに用いる特性図をメモリ4
3内に用意しておいてもよい。つまり、急加速時にはエ
ンジン回転数が急上昇するため、全気筒パイロット噴射
有りの領域(図3のA4領域)からパイロット噴射無し
の領域(図3のA0領域)まで一気に変化することも考
えられる。そこで、急加速時には、図3のA1,A2,
A3領域の間隔を拡げた特性図(例えば、図13の特性
図)を用いる。つまり、図13では、図3の境界線L1
〜L4がL1’〜L4’に変更され、それによりパイロ
ット噴射すべき気筒数を設定するための領域A1’,A
2’,A3’の間隔が拡げられている。この構成によれ
ば、急加速時にも噴射モードの切り換えタイミングが気
筒毎にずれることになり、噴射モードの切り換えが全気
筒が同時行われるようなことはない。その結果、切り換
え時におけるショックの軽減及びドライバビリティの向
上を図ることができる。なお、急加速時であるか否かの
判定は、例えばエンジン回転数の微分値に基づいて行
い、エンジン回転数の変化が比較的少ない通常の加速時
時には、前記図3の特性をそのまま使用する。
【0064】(2)前記第2の実施形態では、パイロッ
ト噴射すべき気筒数の切り換えを時間間隔で行ったが、
所定の噴射回数(サイクル数)の間隔で行うように変更
してもよい。具体的には、図9のステップ307が「前
回のパイロット噴射噴射気筒の設定から所定サイクルが
経過したか?」という判別に変更される。そして、所定
サイクルが経過した後、前記図10の特性図に基づいて
パイロット噴射すべき気筒数を増減させる。かかる場合
にも、上記第2の実施形態と同様に通常噴射モードとパ
イロット噴射モードとの切り換え時におけるショックが
軽減でき、ドライバビリティを向上させることができ
る。 (3)パイロット噴射の切り換え特性図に図14に示す
ようなヒステリシスを持たせてもよい。図14におい
て、境界線L20(実線)は、エンジン回転数の下降時
における噴射モードの切り換え線を示し、境界線L21
(一点鎖線)は、エンジン回転数の上昇時における噴射
モードの切り換え線を示す。
【0065】(4)上記実施形態では、本発明を4気筒
ディーゼルエンジンにて具体化したが、他の多気筒ディ
ーゼルエンジンにて具体化することもできる。例えば8
気筒ディーゼルエンジン等、気筒数の多いエンジンで具
体化した場合には、1気筒ずつ噴射モードを切り換えて
いたのでは、その移行期間が最適とされる期間より長く
なってしまうため、2気筒又は4気筒ずつ噴射モードを
切り換えるようにしてもよい。かかる場合、パイロット
噴射すべき気筒数は、「8⇔6⇔4⇔2⇔0」又は「8
⇔4⇔0」のように変化する。
【0066】
【発明の効果】請求項1に記載の発明によれば、全気筒
のうちでどの気筒についてパイロット噴射モードと通常
噴射モードとの切り換えを行うかを判定した後で、該当
気筒に対してのみ噴射モードの切り換えを行うようにし
たので、噴射モードの切り換え時におけるショックを軽
減しつつ、その噴射モードの切り換え時に安定性の高い
噴射特性を確保することができるという優れた効果を発
揮する。
【0067】請求項2,3に記載の発明によれば、エン
ジン運転条件(エンジン回転数)に応じて、噴射モード
が切り換えられる気筒数が増減されるので、噴射モード
の切り換え時におけるショックがさらに軽減され、より
円滑な噴射モードの切り換え動作を行うことができる。
【0068】請求項4,5に記載の発明によれば、噴射
モードの切り換えの際には、所定時間間隔又は所定の噴
射回数毎にパイロット噴射すべき気筒数を増やす又は減
らすようにしたので、前記発明と同様に、噴射モード切
り換え時におけるショックを軽減しつつ、その噴射モー
ドの切り換え時に安定性の高い噴射特性を確保すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】インナカム式燃料噴射ポンプを備えたディーゼ
ルエンジンの燃料噴射制御装置の概略を示す構成図。
【図2】インナカム圧送部分の構成を示す斜視図。
【図3】パイロット噴射有りの領域とパイロット噴射無
しの領域とを区分するための特性図。
【図4】通常噴射モードの動作を説明するためのタイム
チャート。
【図5】パイロット噴射モードの動作を説明するための
タイムチャート。
【図6】燃料噴射制御ルーチンを示すフローチャート。
【図7】図6のルーチンの動作をより具体的に示すタイ
ムチャート。
【図8】第2の実施形態におけるパイロット噴射モード
設定ルーチンを示すフローチャート。
【図9】第2の実施形態における燃料噴射制御ルーチン
を示すフローチャート。
【図10】第2の実施形態におけるパイロット噴射有り
の領域とパイロット噴射無しの領域とを区分するための
特性図。
【図11】噴射モードの切り換え間隔としての所定時間
を設定するための線図。
【図12】図8,図9のルーチンによる動作をより具体
的に示すタイムチャート。
【図13】別の実施形態におけるパイロット噴射有りの
領域とパイロット噴射無しの領域とを区分するための特
性図。
【図14】別の実施形態におけるパイロット噴射有りの
領域とパイロット噴射無しの領域とを区分するための特
性図。
【図15】クレームに対応したブロック図。
【符号の説明】
1…燃料噴射ポンプ、42…第1の燃料噴射手段,第2
の燃料噴射手段,噴射モード切換手段(パイロット噴射
許可手段)としてのCPU、43…記憶手段としてのメ
モリ。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】多気筒ディーゼルエンジンへ高圧燃料を供
    給するための燃料噴射ポンプと、 前記燃料噴射ポンプによる燃料圧力の上昇開始に伴い燃
    料噴射を一度に行わせる第1の燃料噴射手段と、 前記燃料噴射ポンプによる燃料圧力の上昇開始に伴い主
    噴射に先立ってパイロット噴射を行わせる第2の燃料噴
    射手段と、 前記第1の燃料噴射手段による通常噴射モードと前記第
    2の燃料噴射手段によるパイロット噴射モードとをエン
    ジン運転条件に応じて切り換える噴射モード切換手段と
    を備えたディーゼルエンジンの燃料噴射制御装置におい
    て、 前記噴射モード切換手段は、 前記ディーゼルエンジンの全気筒のうちでどの気筒をパ
    イロット噴射モードとするかを選択するためのモード切
    換領域を有する記憶手段と、 エンジン運転条件に応じて前記記憶手段からパイロット
    噴射モードとすべき気筒を選択し、当該気筒に対しての
    み前記第2の燃料噴射手段によるパイロット噴射の実行
    を許可するパイロット噴射許可手段とを備えることを特
    徴とするディーゼルエンジンの燃料噴射制御装置。
  2. 【請求項2】前記記憶手段のモード切換領域には、パイ
    ロット噴射モードとすべき気筒をエンジン運転条件に応
    じて1気筒ずつ増やす又は減らすための複数に区分され
    た領域が設けられている請求項1に記載のディーゼルエ
    ンジンの燃料噴射制御装置。
  3. 【請求項3】前記記憶手段のモード切換領域には、エン
    ジン回転数が大きくなるほどパイロット噴射モードとす
    べき気筒数を減らすような特性が与えられている請求項
    1又は2に記載のディーゼルエンジンの燃料噴射制御装
    置。
  4. 【請求項4】多気筒ディーゼルエンジンへ高圧燃料を供
    給するための燃料噴射ポンプと、 前記燃料噴射ポンプによる燃料圧力の上昇開始に伴い前
    記ディーゼルエンジンの各気筒への燃料噴射を一度に行
    わせる第1の燃料噴射手段と、 前記燃料噴射ポンプによる燃料圧力の上昇開始に伴い主
    噴射に先立ってパイロット噴射を行わせる第2の燃料噴
    射手段と、 前記第1の燃料噴射手段が実行される際の通常噴射モー
    ドと前記第2の燃料噴射手段が実行される際のパイロッ
    ト噴射モードとをエンジン運転条件に応じて切り換える
    噴射モード切換手段とを備えたディーゼルエンジンの燃
    料噴射制御装置において、 前記噴射モード切換手段は、噴射モードの切り換えの際
    に所定時間間隔又は所定の噴射回数毎にパイロット噴射
    すべき気筒数を増やす又は減らすことを特徴とするディ
    ーゼルエンジンの燃料噴射制御装置。
  5. 【請求項5】前記噴射モード切換手段は、エンジン回転
    数が大きくなるほど噴射モードの切り換えの時間間隔を
    短くする請求項4に記載のディーゼルエンジンの燃料噴
    射制御装置。
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