JPH0940871A - 高電圧電気絶縁体用シリコーンゴム組成物 - Google Patents
高電圧電気絶縁体用シリコーンゴム組成物Info
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- JPH0940871A JPH0940871A JP21118795A JP21118795A JPH0940871A JP H0940871 A JPH0940871 A JP H0940871A JP 21118795 A JP21118795 A JP 21118795A JP 21118795 A JP21118795 A JP 21118795A JP H0940871 A JPH0940871 A JP H0940871A
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Abstract
気候や汚染に晒された条件下でも耐トラッキング性、耐
エロージェン性、耐アーク性等の高電圧電気特性に優れ
るだけでなく、耐候性、撥水性にも優れたシリコーンゴ
ムを与え、高圧硝子等の高電圧電気絶縁体として好適な
高電圧電気絶縁体用シリコーンゴム組成物を得る。 【解決手段】 (1)有機過酸化物硬化型又は付加反応硬化型のシリコーンゴ ム組成物 100重量部 (2)シリカ微粉末 1〜100重量部 (3)平均粒子径7〜50μmのアルミニウム水酸化物10〜95重量%と平均 粒子径7μm未満のアルミニウム水酸化物90〜5重量%とからなるアルミニウ ム水酸化物充填剤 100〜900重量部 を配合して高電圧電気絶縁体用シリコーンゴム組成物を
調製する。
Description
れた高電圧電気絶縁体となるシリコーンゴムを与える高
電圧電気絶縁体用シリコーンゴム組成物に関する。
等に用いる硝子に使用される高電圧電気絶縁体は、一般
に磁器製又はガラス製である。しかし、海岸沿いの地域
や工業地帯のように汚染を受けやすい環境下では、高電
圧電気絶縁体の表面を微粒子や塩類、霧等が通ることに
より、漏れ電流が発生したり、フラッシュオーバーにつ
ながるドライバンド放電等が起こるという問題があっ
た。
縁体の欠点を改良するために種々の解決法が提案されて
いる。例えば、米国特許第3511698号公報には、
硬化性樹脂からなる部材と白金触媒含有オルガノポリシ
ロキサンエラストマーとからなる耐候性の高電圧電気絶
縁体が提案されている。また、特開昭59−19860
4号公報には、一液性の室温硬化性オルガノポリシロキ
サン組成物をガラス製又は磁器製の電気絶縁体の外側表
面に塗布することにより、湿気、大気汚染、紫外線等の
野外におけるストレスの存在下においても前記電気絶縁
体の有する高性能の電気性能を維持させる技術が提案さ
れている。
国特許第3965065号公報及び特開平4−2096
55号公報には、加熱硬化によりシリコーンゴムとなる
オルガノポリシロキサンとアルミニウム水和物との混合
物を100℃よりも高い温度で30分以上加熱すること
によって、電気絶縁性が改良されたシリコーンゴム組成
物を与えることが提案されている。
れも使用されているシリコーンゴム材料の高電圧電気絶
縁性能が未だ十分満足できるものでなかった。
には、多量のアルミニウム水酸化物を使用する必要があ
り、流動性を保持するためには粒度が大きく比表面積が
小さいアルミニウム水酸化物を使用せねばならないが、
このようなアルミニウム水酸化物を高充填するには限界
があり、高密度に充填することはできないものであっ
た。
流動性が良好で作業性に優れている上、加熱硬化後に過
酷な大気汚染あるいは気候に晒される条件下でも耐候
性、耐トラッキング性、耐アーク性、耐エロージェン性
等の高電圧電気絶縁特性に優れたシリコーンゴムを与え
る高電圧電気絶縁体用シリコーンゴム組成物を提供する
ことを目的とする。
発明者は上記目的を達成するため鋭意検討を重ねた結
果、有機過酸化物硬化型又は付加反応硬化型のシリコー
ンゴム組成物、シリカ微粉末を含有するシリコーンゴム
組成物に対して、(a)平均粒径7〜50μmのアルミ
ニウム水酸化物10〜95重量%と(b)平均粒径7μ
m未満のアルミニウム水酸化物90〜5重量%とからな
るアルミニウム水酸化物充填剤を配合した場合、(a)
のアルミニウム水酸化物と(b)のアルミニウム水酸化
物とを併用することで高密度に高充填することが可能と
なり、かつ流動性を損なうことがない上、シリコーンゴ
ムの耐トラッキング性、更には耐エロージョン性、耐ア
ーク性等の特性が大幅に向上すること、それ故、流動性
が良好である上、耐候性、耐トラッキング性、耐アーク
性、耐エロージェン性等の高電圧電気絶縁特性に優れた
シリコーンゴムを与える高電圧電気絶縁体用シリコーン
ゴム組成物が得られることを知見し、本発明をなすに至
った。
リコーンゴム組成物を提供する。
と、本発明の高電圧電気絶縁体用シリコーンゴム組成物
の第一成分は、有機過酸化物硬化型又は付加反応硬化型
のシリコーンゴム組成物である。
としては、 (イ)下記平均組成式(1) R1 aSiO(4-a)/2 …(1) (但し、式中R1は置換又は非置換の一価炭化水素基で
あるが、R1の0.01〜20モル%はアルケニル基で
ある。aは1.9〜2.4の正数である。)で示される
1分子中に少なくとも平均2個以上のアルケニル基を有
するオルガノポリシロキサン (ロ)有機過酸化物 を主成分とするシリコーンゴム組成物が好適に使用され
る。
ポリシロキサンにおいて、R1は、好ましくは炭素数1
〜12、より好ましくは炭素数1〜8の置換又は非置換
の一価炭化水素基であり、具体的にはメチル基、エチル
基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチ
ル基、tert−ブチル基、ヘキシル基、シクロヘキシ
ル基、オクチル基等のアルキル基、ビニル基、アリル
基、プロペニル基、イソプロペニル基、ブテニル基等の
アルケニル基、フェニル基、トリル基、キシリル基等の
アリール基、ベンジル基、フェニルエチル基等のアラル
キル基、クロロメチル基、ブロモエチル基、3,3,3
−トリフロロプロピル基、3−クロロプロピル基、シア
ノエチル基等のハロゲン置換、シアノ基置換炭化水素基
などが挙げられる。なお、各置換基はそれぞれ異なって
いても同一であってもよいが、R1中の0.01〜20
モル%、より好ましくは0.1〜10モル%がアルケニ
ル基であることが好ましく、また分子中に少なくとも平
均2個のアルケニル基を有していることが必要である。
なおまた、R1は上記のいずれでもよいが、アルケニル
基としてはビニル基、他の置換基としてはメチル基、フ
ェニル基の導入が好ましい。また、aは1.9〜2.
4、好ましくは1.95〜2.2の範囲の正数である。
は、その分子構造が直鎖状であっても、あるいはR1S
iO3/2単位やSiO4/2単位を含んだ分岐状であっても
よいが、通常は主鎖部分が基本的にR1 2SiO2/2のジ
オルガノシロキサン単位の繰り返しからなり、分子鎖両
末端がR1 3SiO1/2のトリオルガノシロキシ単位で封
鎖された直鎖状のジオルガノポリシロキサンであること
が一般的である。また、分子中のアルケニル基は分子鎖
末端あるいは分子鎖途中のケイ素原子のいずれに結合し
たものであっても、また両方に結合したものであっても
よいが、硬化性、硬化物の物性等の点から少なくとも分
子鎖両末端のケイ素原子に結合したアルケニル基を有す
るものであることが好ましい。
サンの粘度は、25℃において100〜1000000
cps、特に500〜500000cpsであることが
望ましい。
サンは、公知の方法によって製造することができ、具体
的にはオルガノシクロポリシロキサンとヘキサオルガノ
ジシロキサンとをアルカリ又は酸触媒の存在下に平衡反
応を行うことによって得ることができる。
含有オルガノポリシロキサンの架橋反応を促進するため
の触媒として使用されるものであり、具体例としては次
に示す化合物を挙げることができる。
化速度に応じて適宜選択することができるが、通常は上
記式(1)のアルケニル基含有オルガノポリシロキサン
100部に対して0.1〜10部、好ましくは0.2〜
3部の範囲である。
成物には、上記主成分以外に任意成分として、例えば酸
化カルシウム、酸化マグネシウム等のアルカリ土類金属
などの金属酸化物、水酸化マグネシウム、水酸化カルシ
ウム等のアルカリ土類金属などのアルミニウム以外の金
属水酸化物等を添加することができるが、シリカ微粉末
及びアルミニウム水酸化物は配合されない。
成物としては、 (イ)上記式(1)のアルケニル基含有オルガノポリシ
ロキサン (ハ)下記平均組成式(2) R2 bHcSiO(4-b-c)/2 …(2) (但し、式中R2は炭素数1〜10の置換又は非置換の
一価炭化水素基である。また、bは0.7〜2.1、好
ましくは1〜2、cは0.002〜1、好ましくは0.
01〜0.5で、かつb+cは0.8〜3、好ましくは
1.5〜2.6を満足する正数である。)で示されるケ
イ素原子に結合した水素原子を少なくとも2個、好まし
くは3個以上有する常温で液体のオルガノハイドロジェ
ンポリシロキサン (ニ)付加反応触媒 を主成分とするシリコーンゴム組成物が好適に使用され
る。
ポリシロキサンは、上記有機過酸化物硬化型のシリコー
ンゴム組成物で説明したものと同様のものが使用され
る。
ェンポリシロキサンにおいて、R2はR1と同様である
が、脂肪族不飽和結合を有しないものであることが好ま
しい。bは0.7〜2.1、好ましくは1〜2、cは
0.002〜1、好ましくは0.01〜0.5で、かつ
b+cは0.8〜3、好ましくは1.5〜2.6を満足
する正数である。
ンは、付加反応触媒の存在下に前記(イ)成分の主剤に
対する架橋剤として作用するものであり、1分子中に少
なくとも2個、好ましくは3個以上のケイ素原子に結合
した水素原子(即ち、SiH基)を有するものであり、
このSiH基は分子鎖末端あるいは分子鎖途中のいずれ
に位置するものであっても、また両方に位置するもので
あってもよい。
ロキサンとしては、両末端トリメチルシロキシ基封鎖メ
チルハイドロジェンポリシロキサン、両末端トリメチル
シロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジ
ェンポリシロキサン共重合体、両末端ジメチルハイドロ
ジェンシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン、両末端ジメ
チルハイドロジェンポリシロキシ基封鎖ジメチルシロキ
サン、両末端ジメチルハイドロジェンポリシロキシ基封
鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンポリシロ
キサン共重合体、両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチ
ルハイドロジェンポリシロキサン・ジフェニルシロキサ
ン・ジメチルシロキサン共重合体、(CH3)2HSiO
1/2単位とSiO4/2単位とからなる共重合体、(C
H3)2HSiO1/2単位とSiO4/2単位と(C6H5)S
iO3/2単位とからなる共重合体などを挙げることがで
きる。
リシロキサンは、その分子構造が直鎖状であっても分岐
状であってもよいが、常温で液体であることが必要であ
り、その粘度は25℃において0.1〜500cps、
特に0.5〜300cpsであることが望ましく、また
分子中のケイ素原子の数が通常3〜300個、好ましく
は4〜100個程度のものであればよい。
ロキサンは、公知の方法によって製造することができ
る。
ンの配合量は、通常第一成分のオルガノポリシロキサン
100部に対して0.1〜100部、好ましくは0.3
〜50部、特に0.5〜30部の範囲である。
ロキサンは、分子中のケイ素原子に結合した水素原子
(SiH基)が(イ)成分のオルガノポリシロキサン中
のアルケニル基に対してモル比で0.5〜5モル/モ
ル、好ましくは0.8〜3モル/モルとなるように配合
することもできる。
化第二白金、塩化白金酸と一価アルコールとの反応物、
塩化白金酸とオレフィン類との錯体、白金ビスアセトア
セテート、パラジウム系触媒、ロジウム系触媒等が挙げ
られる。この付加反応触媒の添加量は触媒量であり、通
常第一成分に対して白金、パラジウム又はロジウム金属
として0.1〜500ppm、特に1〜100ppmで
ある。
には、上記主成分以外に任意成分として、例えば酸化カ
ルシウム、酸化マグネシウム等のアルカリ土類金属など
の金属酸化物、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム
等のアルカリ土類金属などのアルミニウム以外の金属水
酸化物、エチニルシクロヘキサノール等のアセチレンア
ルコール化合物などの付加反応制御剤等を本発明の効果
を妨げない範囲で添加することができるが、シリカ微粉
末及びアルミニウム水酸化物は配合されない。
その種類に特に限定はなく、従来のシリコーンゴム組成
物に使用されているものを使用することができる。この
ようなシリカ微粉末としては、例えばBET法による比
表面積が50m2/g以上、通常50〜1000m2/
g、特に100〜500m2/gの沈澱シリカ、ヒュー
ムドシリカ、焼成シリカや、平均粒子径が50μm以
下、特に0.1〜20μmの粉砕石英、珪藻土などが好
適に使用される。
いても良いが、ヘキサメチルジシラザン、トリメチルク
ロロシラン、ポリメチルシロキサン等の有機ケイ素化合
物で表面処理し、疎水性シリカ微粉末として用いてもよ
い。
00部に対して1〜100部、好ましくは2〜50部の
範囲であり、1部に満たないと機械的強度が弱くなり、
100部を超えると第三成分のアルミニウム水酸化物を
高充填することが困難となる。
子径7〜50μmのアルミニウム水酸化物と(b)平均
粒子径7μm未満で、好ましくは0.1μm以上のアル
ミニウム水酸化物とからなるアルミニウム水酸化物充填
剤を使用する。上記(a)成分のアルミニウム水酸化物
の配合により流動性を得ることができ、また、上記
(b)成分のアルミニウム水酸化物の配合により最密に
充填することができるもので、このように上記(a)と
(b)の平均粒径の異なるアルミニウム水酸化物を併用
することにより、高密度に充填することが可能となり、
かつ優れた流動性を得ることができる上、シリコーンゴ
ムの耐アーク性、耐トラッキング性等の電気絶縁性能を
改善することができ、本発明組成物において必須のもの
である。
(3) Al2O3・3H2O …(3) で表わすことができる。
は、平均粒子径が7〜50μm、好ましくは9〜30μ
mであり、平均粒子径が7μmに満たないと最密に充填
することができず、50μmを超えると上記した目的の
ゴム物性が得られない。
均粒子径が7μm未満で、好ましくは0.1μm以上で
7μm未満、より好ましくは0.5〜5μmであり、平
均粒子径が0.1μmに満たないと配合が困難となり、
目的とする流動性が得られない場合があり、7μm以上
であると最密に充填することができなくなる。
μm以上の粒子の含有量が充填剤全体の2重量%以下、
特に0〜1重量%であることが好ましく、かつBET比
表面積が10m2/g以下で吸油量が60ml/100
g以下のものが好ましく使用される。
は、(a)成分を10〜95重量%、好ましくは30〜
90重量%、(b)成分を90〜5重量%、好ましくは
70〜10重量%とする必要があり、(a)成分の配合
量が10重量%に満たず、(b)成分の配合量が90重
量%を超えると流動性が満足に得られず、(a)成分の
配合量が95重量%を超え、(b)成分の配合量が5重
量%に満たないと最密に充填できない。
処理を施してもよく、例えばシラン系、チタネート系の
カップリング剤、ジメチルポリシロキサンオイル、メチ
ルハイドロジェンポリシロキサンオイル等を使用して行
うことが好ましい。
は、ヘキサメチルジシラザン、ジビニルテトラメチルジ
シラザン、ジフェニルテトラメチルジシラザン等のオル
ガノシラザン類、ビニルトリエトキシシラン、ビニルト
リメトキシシラン、トリメチルエトキシシラン、ジメチ
ルジメトキシシラン、ジビニルジメトキシシラン、ビニ
ルトリス(メトキシエトキシ)シラン等のアルコキシシ
ラン類、トリメチルクロロシラン等のクロロシラン類、
トリメチルアミノシラン等のアミノシラン類、グリシド
キシプロピルトリメトキシシラン、グリシドキシプロピ
ルメチルジエトキシシラン、(エポキシシクロヘキシ
ル)エチルトリメトキシシラン、メタクリロキシプロピ
ルトリメトシキキラン、メタクリロキシプロピルトリエ
トキシシラン及びクロロプロピルトリメトキシシラン等
のエポキシ官能性基、(メタ)アクリル官能性基等の官
能性基を有するアルコキシシラン類などが例示される。
は、テトライソプロピルチタネート、テトラ−n−ブチ
ルチタネート、ブチルチタネートダイマー、テトラステ
アリルチタネート、トリエタノールアミンチタネート、
チタニウムアセチルアセテート、チタニウムエチルアセ
トアセテート、チタニウムラクテート、オクチレングリ
コールチタネート、イソプロピルトリステアロイルチタ
ネート、イソプロピルドデシルベンゼンスルホニルチタ
ネート、イソプロピルトリス(ジオクチルピロホスフェ
ート)チタネート、ビス(ジオクチルピロホスフェー
ト)オキシアセテートチタネート、ビス(ジオクチルピ
ロホスフェート)エチレンチタネート等が例示される。
ては、環状又は鎖状の粘度0.65〜100cpsのも
のが好適に使用される。
ンオイルとしては、分子構造が直鎖状、分岐状、環状、
網目状のいずれでもよいが、下記一般式(4)で示され
る分子鎖両末端がトリメチルシリル基で封鎖された直鎖
状のものが望ましく使用される。
0〜25であり、sは1〜50、好ましくは2〜25の
数である。rが50を超えると粘度が高く処理し難くな
る場合があり、sが50を超える場合も同様に粘度が高
く表面が濡れ難くなる場合がある。
ザン類、特にはヘキサメチルジシラザンがより好ましく
使用される。
100部に対して1〜50部、特に5〜30部の範囲で
使用することが好ましく、1部に満たないと処理剤とし
ての効果がない場合があり、50部を超えると工程上無
駄となりコスト的にも不利な場合がある。
的周知の技術により処理することができ、例えば予めア
ルミニウム水酸化物に直接処理しても他の成分と混練し
ながら処理しても良いが、特に予め直接処理することが
好ましい。具体的には、常圧で密閉された機械混練装置
に、あるいは流動層にアルミニウム水酸化物と処理剤を
入れ、必要に応じて不活性ガス存在下において室温ある
いは熱処理にて混合処理し、混練後乾燥することにより
調整することができる。なお、場合により各処理剤に合
わせて触媒を使用して処理を促進しても良い。
配合量は、第一成分100部に対して100〜900
部、好ましくは150〜800部の範囲であり、100
部に満たないと目的とする電気特性を上回ることができ
ず、900部を超えると組成物の粘度が高く充填が困難
となり、加工性が悪い。
した成分以外に更に必要によりその目的に応じて各種の
添加剤、例えば酸化コバルト、酸化チタン、酸化鉄、酸
化アンチモン等の金属酸化物、カーボン等を添加するこ
とができ、また目的とする特性を損なわない限り顔料、
耐熱剤、難燃剤、可塑剤等を添加してもよい。なお、こ
れら任意成分の添加量は、本発明の効果を妨げない範囲
で通常量とすることができる。
た第一乃至第五成分、任意成分を常温で均一に混合する
だけでも得ることが可能であるが、必要に応じて第一成
分中の上記(ロ)、(ハ)、(ニ)成分以外の必須成
分、任意成分をプラネタリーミキサーやニーダー等で1
00〜200℃の範囲で2〜4時間熱処理し、その後
(ロ)、(ハ)、(ニ)成分を混合して硬化成形しても
よい。成形方法は、混合物の粘度により自由に選択する
ことができ、注入成形、圧縮成形、射出成形、押し出し
成形、トランスファー成形等いずれの方法を採用しても
良い。その硬化条件は、通常80〜200℃で3分〜3
時間加熱することができる。
ゴム組成物は、水酸化アルミニウムを最密高充填するこ
とが可能であり、充填性、流動性に優れ、作業性が良好
な上、過酷な気候や汚染に晒された条件下でも耐トラッ
キング性、耐エロージェン性、耐アーク性等の高電圧電
気特性に優れるだけでなく、耐候性、撥水性にも優れた
シリコーンゴムを与え、このシリコーンゴムは高圧硝子
等の高電圧電気絶縁体として有用である。
体的に説明するが、本発明は下記実施例に制限されるも
のではない。なお、各例中の部はいずれも重量部であ
り、%はいずれも重量%である。
として分子鎖両末端がそれぞれジメチルビニルシロキシ
基で封鎖された25℃の粘度が5000cpsのジメチ
ルポリシロキサン(オルガノポリシロキサン(a))9
4部、第二成分のシリカ微粉末として湿式シリカ(ニプ
シルLP、日本シリカ工業社製、BET比表面積180
m2/g)5部、第三成分として表1に示した水酸化ア
ルミニウムを表2に示すように配合し、150℃でプラ
ネタリーミキサーにて2時間撹拌混合した後、室温に冷
却した。更に、残りの第一成分中の(ハ)成分として下
記式(5)で示されるメチルハイドロジェンポリシロキ
サン、(ニ)成分として塩化白金酸の1%2−エチルヘ
キサノール溶液、更に(ホ)成分の反応制御剤としてエ
チニルシクロヘキサノールをそれぞれ表2に示す配合量
で加え、均一混合し、シリコーンゴム組成物を得た。こ
のシリコーンゴム組成物を120℃で10分間加熱硬化
してそれぞれ128mm×44mm×6mm(厚み)の
シリコーンゴムシートを得た。
の(イ)成分として分子鎖両末端がそれぞれトリビニル
シロキシ基で封鎖された25℃の粘度が30000cp
sのジメチルポリシロキサン(オルガノポリシロキサン
(b))を使用し、(ハ)、(ニ)、(ホ)成分を添加
しない以外は実施例1と同様に各成分を加熱混合し、更
に(ロ)成分としてジクミルパーオキサイドを加え、室
温にて均一になるまで混合し、シリコーンゴム組成物を
得た。このシリコーンゴム組成物を165℃で10分間
加熱硬化させた後、更に200℃で4時間二次硬化さ
せ、それぞれ128mm×44mm×6mm(厚み)の
シリコーンゴムシートを得た。
し、実施例1と同様にしてシリコーンゴムシートを得
た。
リコーンゴムシートについて、下記方法で各種試験を行
った。フィラー充填性、トラッキング時間、侵食損失重
量の結果を表2に、また実施例1と比較例2のスパイラ
ルフローの結果を表3に示す。フィラー充填性 : ○ 目視で、配合時に粘性を有するブロック状のコンパ
ウンド状態になり流動性を保持しているもの × 目視で、配合時に粘性を有するブロック状のコンパ
ウンド状態にならず流動性がないものトラッキング試験方法 :ASTM D−2303−64
Tの規格に準じて行った。即ち、荷電圧4kVで電極間
距離50mmの間に汚染液(0.1%NH4Clと0.
02%非イオン界面活性剤の水溶液)を0.6ml/m
inの速さで上部電極から滴下して、トラックが発生し
て導電するまでの時間と、それによって起こる侵食損失
重量(重量%)を測定した。侵食損失重量 :ゴムシートの一部が上記試験をする間、
熱やアークにより劣化し、侵食される。この侵食量は次
式で算出した。 (侵食により失った重量/試験前のシート全体の重量)
×100スパイラルフロー :EMMI規格に準じた金型を使用し
て120℃、100kgf/cm2の条件で測定した。
ゴム組成物は、充填性、耐トラッキング性及び耐エロー
ジョン性に優れているもので、また、最密高充填するこ
とが可能であった。第三成分として水酸化アルミニウム
の少ないもの(比較例1)は、侵食量が大きく、単一平
均粒子径の水酸化アルミニウムを配合したもの(比較例
2,3)は、耐トラッキング性に劣り、特に比較例3は
充填性、流動性に劣ることが確認された。また、表3の
スパイラルフロー値より本発明(実施例1)のシリコー
ンゴム組成物は、単一平均粒子径の水酸化アルミニウム
粒子を配合したもの(比較例2)と比較して流動性に優
れることも確認できた。
Claims (4)
- 【請求項1】 (1)有機過酸化物硬化型又は付加反応硬化型のシリコーン ゴム組成物 100重量部 (2)シリカ微粉末 1〜100重量部 (3)平均粒子径7〜50μmのアルミニウム水酸化物10〜95重量%と平均 粒子径7μm未満のアルミニウム水酸化物90〜5重量%とからなるアルミニウ ム水酸化物充填剤 100〜900重量部 を含有してなることを特徴とする高電圧電気絶縁体用シ
リコーンゴム組成物。 - 【請求項2】 有機過酸化物硬化型シリコーンゴム組成
物が、 (イ)下記平均組成式(1) R1 aSiO(4-a)/2 …(1) (但し、式中R1は置換又は非置換の一価炭化水素基であるが、R1の0.01〜 20モル%はアルケニル基である。aは1.9〜2.4の正数である。) で示される1分子中に少なくとも平均2個以上のアルケニル基を有するオルガノ ポリシロキサン 100重量部 (ロ)有機過酸化物 触媒量 を主成分とするものである請求項1記載の高電圧電気絶
縁体用シリコーンゴム組成物。 - 【請求項3】 付加反応硬化型シリコーンゴム組成物
が、 (イ)下記平均組成式(1) R1 aSiO(4-a)/2 …(1) (但し、式中R1は置換又は非置換の一価炭化水素基であるが、R1の0.01〜 20モル%はアルケニル基である。aは1.9〜2.4の正数である。) で示される1分子中に少なくとも平均2個以上のアルケニル基を有するオルガノ ポリシロキサン 100重量部 (ハ)下記平均組成式(2) R2 bHcSiO(4-b-c)/2 …(2) (但し、式中R2は炭素数1〜10の置換又は非置換の一価炭化水素基である。 また、bは0.7〜2.1、cは0.002〜1で、かつb+cは0.8〜3を 満足する正数である。) で示される常温で液体のオルガノハイドロジェンポリシロキサン 0.1〜100重量部 (ニ)付加反応触媒 触媒量 を主成分とするものである請求項1記載の高電圧電気絶
縁体用シリコーンゴム組成物。 - 【請求項4】 アルミニウム水酸化物充填剤に対し表面
処理を施した請求項1乃至3のいずれか1項記載の高電
圧電気絶縁体用シリコーンゴム組成物。
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