JPH0940800A - 発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の製法および発泡性ポリスチレン系樹脂粒子 - Google Patents

発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の製法および発泡性ポリスチレン系樹脂粒子

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JPH0940800A
JPH0940800A JP19313295A JP19313295A JPH0940800A JP H0940800 A JPH0940800 A JP H0940800A JP 19313295 A JP19313295 A JP 19313295A JP 19313295 A JP19313295 A JP 19313295A JP H0940800 A JPH0940800 A JP H0940800A
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polystyrene
polystyrene resin
based resin
particles
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JP19313295A
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Hidekazu Ohara
英一 大原
Hidehiro Yamaguchi
英宏 山口
Yoshinori Yamaguchi
美則 山口
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Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 逆熟成が生じにくく、また予備発泡させる
と、気泡径が均一であり、この気泡径が50〜300μ
mの範囲内にある予備発泡粒子にすることができる発泡
性ポリスチレン系樹脂をうることを目的とする。 【解決手段】 ポリスチレン系樹脂粒子の水性懸濁液中
で該ポリスチレン系樹脂粒子に発泡剤を含浸させたの
ち、該発泡剤含浸ポリスチレン系樹脂粒子を温風処理す
る発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の製法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は発泡性ポリスチレン
系樹脂粒子の製法および該製法により製造しうる発泡性
ポリスチレン系樹脂粒子に関する。さらに詳しくは、本
発明は、逆熟成がおこりにくく、気泡径が50〜300
μmの予備発泡粒子に予備発泡させることができる発泡
性ポリスチレン系樹脂粒子の製法および該製法により製
造しうる発泡性ポリスチレン系樹脂粒子に関する。
【0002】
【従来の技術】発泡性ポリスチレン系樹脂粒子は予備発
泡後様々な形状の発泡成形体を製造するための原料とし
て広く用いられている。これら発泡性ポリスチレン系樹
脂粒子に用いるポリスチレン系樹脂としては、たとえば
スチレン単独重合体またはスチレンとスチレンに共重合
可能なほかのモノマーとの共重合体があげられる。ま
た、たとえば前記単独重合体や共重合体からなる発泡成
形体の耐衝撃性のわるさを改良することを目的とし、ス
チレンとブタジエンとのブロック共重合体をポリスチレ
ン樹脂に機械的に混合した樹脂(特公昭47−1746
5公報または特開昭54−158467号公報参照)や
ハイインパクトポリスチレン系樹脂(特公昭47−18
428号公報参照)などがあげられる。
【0003】従来より、前記のような樹脂粒子に発泡剤
を含浸させたのち、発泡剤が含浸している樹脂粒子を常
温下で熟成する方法により、発泡性ポリスチレン系樹脂
粒子が製造されていた。前記の熟成には長時間(通常、
数日ないし数十日間)を要し、この熟成工程を除いて発
泡性ポリスチレン系樹脂粒子として、これを予備発泡さ
せるばあい、えられた予備発泡粒子の気泡が不均一にな
ったり、気泡が粗大になったりするため、適宜の倍率で
均一に発泡した予備発泡粒子をうることができないこと
があった。また、前記のようにしてえた発泡性ポリスチ
レン樹脂粒子を保管するための条件にも制限があり、高
温下にて保管するばあいは短時間(たとえば、35℃程
度の温度条件下にて保管するばあい通常数時間)で前記
の熟成の効果が失われ、これを予備発泡させるばあい、
えられた予備発泡粒子の気泡が不均一になったり、一般
に気泡が粗大になったりするため、適宜の倍率で均一に
発泡した予備発泡粒子をうることができないことがあっ
た。
【0004】前記のように熟成完了した発泡性ポリスチ
レン系樹脂粒子を、たとえば高温下にて保管したため、
この熟成の効果、すなわち均一な気泡を有する予備発泡
粒子を与えるという効果が失なわれる現象を逆熟成とい
う。
【0005】前記の問題点を解決する方法として、特開
平7−90105号公報には、高シスブタジエンとスチ
レン系単量体とのグラフト重合でえられるスチレン系樹
脂粒子にn−ペンタンを主成分とする発泡剤を含浸させ
たものを熟成完了ののち予備発泡させてえられる発泡成
形体が開示され、この発泡成形体は弾性にすぐれ、好適
な耐衝撃性を有するものであると記載されている。しか
しながら、同公報は予備発泡粒子の気泡の微細化現象を
抑制することを目的の1つとするものであり、逆熟成に
ついてはまったく言及していない。また、同公報には発
泡剤としてブタンやイソペンタンを用いるばあい、えら
れる予備発泡粒子の気泡径が微細になりすぎ、このもの
は良好な物性を有する発泡成形体の材料として用いるこ
とができないことも記載されている。
【0006】また、特開平6−32933号公報には、
ゴム改質されたスチレン系樹脂(以下、ハイインパクト
ポリスチレン系樹脂ということもある)にその樹脂を構
成している共役ジエン化合物を単量体の形で少量混合し
た樹脂粒子に発泡剤を含浸させることによりえられる発
泡性ポリスチレン系樹脂粒子は熱安定性がよいものであ
ることが開示されている。
【0007】また、特開平6−49262号公報には、
ハイインパクトポリスチレン系樹脂にイソペンタンを発
泡剤として含浸させてうる発泡性ポリスチレン系樹脂粒
子が熱安定性がよいものであることが開示されている。
【0008】前記のように従来より公知の方法でも熱安
定性のよい発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を製造しえた
が、これらの方法によると樹脂粒子の種類または発泡剤
の種類が制限されるものであり、さらに、樹脂粒子の熟
成のために長時間を要するという欠点があった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、逆熟成が生
じにくく、また予備発泡させると、気泡径が均一であ
り、この気泡径が50〜300μmの範囲内にある予備
発泡粒子にすることができる発泡性ポリスチレン系樹脂
粒子をうることを目的とする。また、本発明は、短時間
の熟成により好適な発泡性ポリスチレン系樹脂粒子をう
る製法を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、ポリスチレン
系樹脂粒子の水性懸濁液中で該ポリスチレン系樹脂粒子
に発泡剤を含浸させたのち、該発泡剤含浸ポリスチレン
系樹脂粒子を温風処理する発泡性ポリスチレン系樹脂粒
子の製法に関する。
【0011】この温風処理の温風の温度が30〜65℃
の範囲内にあることが好ましい。
【0012】また、この温風処理の温風の風量が前記ポ
リスチレン系樹脂粒子1kgに対して1〜100リット
ル/分の範囲内にあることが好ましい。
【0013】また、このポリスチレン系樹脂がハイイン
パクトポリスチレン系樹脂であることが好ましい。
【0014】また、このポリスチレン系樹脂粒子が、該
粒子100重量部に対して0.03〜1重量部の造核剤
を含むことが好ましい。
【0015】また、この造核剤がエチレンビスステアリ
ルアミドであることが好ましい。
【0016】また、この発泡剤がノルマルペンタン、イ
ソペンタンまたはブタンの少なくとも1つであることが
好ましい。
【0017】また、本発明は、ポリスチレン系樹脂粒子
の水性懸濁液中で該ポリスチレン系樹脂粒子に発泡剤を
含浸させたのち、該発泡剤含有ポリスチレン系樹脂粒子
を温風処理してえられる、気泡径が50〜300μmの
予備発泡粒子を与える耐逆熟成性を有する発泡性ポリス
チレン系樹脂粒子に関する。
【0018】この温風処理の温風の温度が30〜65℃
の範囲内にあることが好ましい。
【0019】また、この温風処理の温風の風量が前記ポ
リスチレン系樹脂粒子1kgに対して1〜100リット
ル/分の範囲内にあることが好ましい。
【0020】また、このポリスチレン系樹脂がハイイン
パクトポリスチレン系樹脂であることが好ましい。
【0021】また、このハイインパクトポリスチレン系
樹脂のゴム成分がハイシスポリブタジエンであることが
好ましい。
【0022】また、このポリスチレン系樹脂粒子が、該
粒子100重量部に耐して0.03〜1重量部の造核剤
を含むことが好ましい。
【0023】また、この造核剤がエチレンビスステアリ
ルアミドであることが好ましい。
【0024】また、この発泡剤がノルマルペンタン、イ
ソペンタンまたはブタンの少なくとも1つであることが
好ましい。
【0025】また、この発泡剤がノルマルペンタンとイ
ソペンタンとの混合物であることが好ましい。
【0026】また、この発泡剤がノルマルペンタンとイ
ソペンタンとの混合物であり、ノルマルペンタンを50
重量%以上含むこのとが好ましい。
【0027】また、この発泡剤がノルマルペンタンとイ
ソペンタンとの混合物であり、ノルマルペンタンとイソ
ペンタンとの混合比が重量比で50対50〜30対70
であることが好ましい。
【0028】また、この発泡剤がブタンである発泡性ポ
リスチレン系樹脂粒子であることが好ましい。
【0029】また、この発泡剤がブタンとイソペンタン
および/またはノルマルペンタンとの混合物である発泡
性ポリスチレン系樹脂粒子であることが好ましい。
【0030】また、ブタンとイソペンタンおよび/また
はノルマルペンタンとの混合比が重量比で20対80〜
60対40である発泡性ポリスチレン系樹脂粒子である
ことが好ましい。
【0031】
【発明の実施の態様】本発明の製法において、ポリスチ
レン系樹脂粒子に用いるポリスチレン系樹脂としてはと
くに限定されるものではないが、たとえばスチレン単独
重合体、スチレンとスチレンに共重合しうるほかのモノ
マーとの共重合体、スチレン単独重合体または共重合体
とほかの樹脂またはゴムとの混合物、もしくはハイイン
パクトポリスチレン系樹脂などがあげられる。
【0032】従来の製法によれば、ハイインパクトポリ
スチレン系樹脂からなる発泡性ポリスチレン系樹脂粒子
が、とくに逆熟成がおこりやすいものである。
【0033】しかしながら、ハイインパクトポリスチレ
ン系樹脂を用い、本発明の製法により発泡性ポリスチレ
ン系樹脂粒子を製造することにより、この発泡性ポリス
チレン系樹脂粒子は逆熟成されにくいものになり、これ
を予備発泡させてえられる予備発泡粒子からなる発泡成
形体はすぐれた耐衝撃強度を有するものとなる。
【0034】また、本発明の発泡性ポリスチレン系樹脂
粒子の保管条件は、とくに厳しく管理しなくてもよい。
【0035】本発明の製法において、ポリスチレン系樹
脂粒子は、たとえば従来より公知の懸濁重合法などによ
る方法、またはポリスチレン系樹脂を押出機を用いてス
トランド状に溶融押出しし、これを冷却したのち切断す
るかまたは溶融押出ししつつ切断する方法などによりえ
られる。
【0036】また、予備発泡粒子の気泡径の均一性をさ
らに向上させるばあい、前記ポリスチレン系樹脂粒子に
造核剤が添加されることが好ましい。
【0037】この造核剤の添加はポリスチレン系樹脂
に、予めドライブレンドしておき、これを溶融押出して
ポリスチレン系樹脂粒子にする方法(溶融押出しにより
樹脂粒子をうるばあい)や懸濁重合時に添加しておく方
法(懸濁重合により樹脂粒子をうるばあい)などにより
行なうことができる。
【0038】造核剤としてはエチレンビスステアリルア
ミド、メチレンビスステアリルアミドまたはポリエチレ
ンワックスなどの有機物、ステアリン酸カルシウムなど
の塩もしくはタルクなどの無機物などがあげられ、予備
発泡粒子の気泡径をより好適に均一化させうる点からエ
チレンビスステアリルアミドが好ましい。また、造核剤
の添加量はポリスチレン系樹脂100重量部に対して、
0.03〜1重量部であることが好ましく、0.05〜
0.5重量部であることがさらに好ましい。造核剤は、
予備発泡粒子の気泡径をさらに均一にする効果を有する
ものであるが、この造核剤の添加量が前記の範囲より少
ないばあい、この効果がなくなる傾向があり、一方前記
の範囲より多いばあい、予備発泡粒子にしたとき、この
予備発泡粒子の気泡径が小さくなりすぎ、発泡成形体に
形成しにくいものとなる傾向があり、また形成できても
その発泡成形体は耐割れ性や耐衝撃性が充分でないもの
となる傾向がある。
【0039】本発明の製法において、ポリスチレン系樹
脂粒子を分散剤とともに水性溶媒中に添加して撹拌する
ことによりポリスチレン系樹脂粒子の水性懸濁液をう
る。
【0040】この分散剤としては、たとえば部分鹸化ポ
リビニルアルコール、ポリアクリル酸塩、ポリビニルピ
ロリドン、カルボキシメチルセルロースまたはメチルセ
ルロースなどの有機化合物もしくはピロリン酸カルシウ
ム、リン酸カルシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシ
ウム、リン酸マグネシウム、ピロリン酸マグネシウムま
たは酸化マグネシウムなどの水に難溶性の微粉末からな
る無機化合物などがあげられる。
【0041】また、ポリスチレン系樹脂粒子への発泡剤
の浸透を促進させるために、前記水性溶媒に有機溶剤を
添加してもよい。有機溶剤としては、シクロヘキサン、
トルエン、キシレンまたはエチルベンゼンなどの芳香族
炭化水素などが好適なものとしてあげられる。この有機
溶剤の添加量はポリスチレン系樹脂粒子100重量部に
対して0.05〜3重量部であることが好ましい。
【0042】つづいて、水性懸濁液中で前記ポリスチレ
ン系樹脂粒子に発泡剤を含浸させる。この含浸は水性懸
濁液を調製しつつ行なわれてもよい。含浸の方法として
は、従来より公知の方法を用いることができ、その1例
として、耐圧密閉容器内で水性懸濁液中のポリスチレン
系樹脂粒子に発泡剤を圧入する方法があげられる。
【0043】前記発泡剤の含浸は水性懸濁液の温度が9
0〜150℃の下で行なわれることが好ましく、100
〜130℃の下で行なわれることがさらに好ましい。水
性懸濁液の温度が前記範囲より低いと、えられる発泡性
ポリスチレン系樹脂粒子の形状が球状に近いものになり
にくい傾向があり、一方前記の範囲より高いと懸濁液の
安定性がわるくなり、発泡性ポリスチレン系樹脂粒子同
士が付着しやすくなる傾向がある。
【0044】発泡剤としては、水性懸濁液中でポリスチ
レン系樹脂粒子に含浸させることができるものであれば
よく、とくに制限されるものではないが、たとえばノル
マルペンタン、イソペンタンまたはブタンなどの飽和脂
肪族炭化水素などからなるものが好ましく、またこれら
飽和脂肪族炭化水素にシクロペンタンやヘキサンなどを
少量併用するものであってもよい。発泡剤のうち、揮発
成分の保持性がよい点からノルマルペンタンやイソペン
タンが好ましく、低コストである点からブタンが好まし
い。
【0045】発泡剤はポリスチレン系樹脂100重量部
に対して、約4〜12重量部、とくに約6〜10重量部
含浸することが好ましい。含浸量が前記の範囲より少な
いばあい、充分な発泡倍率を有する予備発泡粒子をうる
ことができない傾向があり、一方前記の範囲より多いば
あい、えられる発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を予備発
泡させる際、予備発泡速度が速くなりすぎて発泡倍率の
制御が困難となる傾向がある。
【0046】このようにしてえられる発泡剤を含浸する
ポリスチレン系樹脂粒子を取出し、水洗し、つづいて温
風処理を施すことにより、発泡性ポリスチレン系樹脂粒
子をうる。
【0047】従来、発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の製
造において、熟成中に発泡剤を含有するポリスチレン系
樹脂粒子に、熱を加えることは、この樹脂粒子を発泡さ
せる、逆熟成させるなどの不具合が生じるとして行なわ
れていなかった。
【0048】しかしながら、本発明者らは、この発泡剤
を含有するポリスチレン系樹脂粒子に熱だけではなく風
を伴った温風を比較的短時間通し、温風に接触させるこ
とにより、発泡を生じないだけでなく、驚くべきことに
耐逆熟成がよく、また、予備発泡させると、気泡径が均
一であり、この気泡径が50〜300μmの範囲内にあ
る予備発泡粒子にすることができる発泡性ポリスチレン
系樹脂粒子がえられることを見出した。
【0049】この温風処理は、温風の温度が30〜65
℃であることが好ましく、35〜55℃であることがさ
らに好ましい。温風温度が前記の範囲よりも低いばあ
い、温風処理の効果を充分にえられず、好ましい発泡性
ポリスチレンにすることができない傾向があり、一方前
記の範囲より高いばあい、この温風処理の工程で発泡剤
を含有するポリスチレン系樹脂粒子が発泡を起こしてし
まい、好ましい発泡性ポリスチレン系樹脂粒子がえられ
ない傾向がある。
【0050】また、温風の風量は発泡剤の種類などによ
って異なるが、通常ポリスチレン系樹脂粒子1kgに対
して、1〜100リットル/分であることが好ましく、
とくに3〜70リットル/分であることが好ましい。風
量が前記の範囲より少ないばあい、温風処理の効果を充
分にえられない傾向があり、一方前記の範囲より多いば
あい、揮発成分の散逸が過度になりすぎる傾向がある。
【0051】温風処理に要する時間としては温風の温度
および風量や発泡剤の種類などにより適宜選択すればよ
いが、たとえば温風の温度が45℃であり、風量が7リ
ットル/分であるばあい2〜3時間程度が適当である。
【0052】この温風の媒体としては、空気もしくはチ
ッ素またはアルゴンなどの不活性ガスなどがあげられ、
コストの面から空気が好ましい。
【0053】本発明の製法において、この温風が発泡剤
を含有するポリスチレン系樹脂粒子に均一に与えられれ
ばよく、たとえばナウターミキサーなどでこの樹脂粒子
を均一に撹拌しながら、容器の底部から温風を送風し、
容器の上部からこの温風をぬく方法、または流動床式乾
燥機で樹脂粒子を一定速度で送りながら温風を吹きつけ
る方法などにより温風が与えられることが好ましい。
【0054】また、温風は、たとえば一般的な熱交換器
とブロワーとを組合わせた装置などにより発生させう
る。
【0055】前記の製法により本発明の発泡性ポリスチ
レン系樹脂粒子を製造しうる。
【0056】温風処理された発泡性ポリスチレン系樹脂
粒子は、直ちに、または保管後予備発泡に供される。保
管は通常5〜30℃で行なわれるが、本発明の発泡性ポ
リスチレン系樹脂粒子は、約40℃という高温下でも保
管可能である。すなわち、本発明の発泡性ポリスチレン
系樹脂粒子は、このような高温下に長時間放置されても
逆熟成が生じない点ですぐれている。
【0057】発泡性ポリスチレン系樹脂粒子には、充填
剤、可塑剤、難燃剤、滑剤、着色剤、紫外線吸収剤およ
び/または酸化防止剤など種々の添加剤が含有されてい
てもよい。これらの添加剤は前述のようにポリスチレン
系樹脂を溶融押出しして粒子とする際に、このポリスチ
レン系樹脂とともに溶融混練する方法(溶融押出しによ
り樹脂粒子をうるばあい)や懸濁重合時に添加しておく
方法(懸濁重合により樹脂粒子をうるばあい)などによ
り、発泡性ポリスチレン系樹脂粒子に含有させうる。
【0058】本発明の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子
は、予備発泡により気泡径が50〜300μm、好まし
くは80〜250μmの範囲内にある予備発泡粒子を与
えうるものである。この予備発泡の方法としては、従来
より公知の方法があげられ、たとえば水蒸気により加圧
下で予備発泡させる方法などがあげられる。
【0059】本発明の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子は
ハイインパクトポリスチレン系樹脂粒子からなるもので
あることが、耐割れ性や耐衝撃性にすぐれるという点か
ら好ましい。
【0060】ハイインパクトポリスチレン系樹脂として
は、とくに制限されるものではなく、たとえば市販され
ているものを用いうる。このハイインパクトポリスチレ
ン系樹脂の樹脂成分としては、通常ポリスチレンが用い
られる。また、この樹脂成分がスチレンとα−メチルス
チレン、メチルメタクリレート、メチルアクリレート、
アクリロニトリルまたは無水マレイン酸などのスチレン
に共重合しうるほかのモノマーとの共重合体であっても
よい。また、このハイインパクトポリスチレン系樹脂の
ゴム成分としては、通常ポリブタジエンが用いられる。
ゴム形態としては、サラミ構造のもの、コアシェル構造
のものまたは両者を併用したもののうちいずれも用いう
る。また、ゴムの構造としては、ハイシス構造のもの、
ミドルシス構造のものまたは両者を併用したもののうち
いずれも用いうる。
【0061】前記ハイインパクトポリスチレン系樹脂と
しては、ゴム成分がハイシスポリブタジエン、すなわち
ゴム成分にシスポリブタジエンが90重量%以上含まれ
るものであることが、発泡成形体が耐割れ性にすぐれる
という点から好ましい。
【0062】本発明の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子
は、発泡剤および必要に応じて造核剤を含むポリスチレ
ン系樹脂粒子からなる。
【0063】前記発泡剤としては、従来より公知の水性
懸濁液中でポリスチレン系樹脂粒子に含浸可能ないかな
る発泡剤でもよいが、前記のように、ノルマルペンタ
ン、イソペンタンまたはブタンの少なくとも1つからな
るものであることが好ましい。
【0064】また、前記発泡剤がノルマルペンタンとイ
ソペンタンとの混合物であることが、発泡性ポリスチレ
ン系樹脂粒子のビーズライフ(保存安定性)と発泡性と
がバランスよく発現する点から好ましい。
【0065】また、前記発泡剤がノルマルペンタンとイ
ソペンタンとの混合物であり、ノルマルペンタンを50
重量%以上、とくに70重量%以上含むものであること
が、好適な発泡性を発現しうる発泡性ポリスチレン系樹
脂粒子をえられる点から好ましい。
【0066】この発泡性ポリスチレン系樹脂粒子におい
て、ノルマルペタンの混合比が前記の範囲より少ないば
あい、発泡性がやや劣る傾向がある。
【0067】また、前記発泡剤がノルマルペンタンとイ
ソペンタンとの混合物であり、ノルマルペンタンとイソ
ペンタンとの混合比が重量比で50対50〜30対7
0、とくに45対55〜35対65であることが、発泡
性ポリスチレン系樹脂粒子のビーズライフと発泡性との
バランスが良好であるという点から好ましい。
【0068】この発泡性ポリスチレン系樹脂粒子におい
て、ノルマルペンタンの混合比が前記の範囲より多いば
あい、ビーズライフが短かくなる傾向があり、一方ノル
マルペンタンの混合比が前記の範囲より少ないばあい、
発泡しにくくなる傾向がある。
【0069】また、前記発泡剤がブタンであることが、
比較的低コストで発泡性ポリスチレン系樹脂粒子がえら
れる点から好ましい。
【0070】このブタンとして、ノルマルブタン100
重量%であるものが、好適な発泡性を発現しうる発泡性
ポリスチレン系樹脂粒子を低コストでえられる点から好
ましい。
【0071】また、このブタンとしては、イソブタン1
00重量%であるものが、ビーズライフが長い発泡性ポ
リスチレン系樹脂粒子をえられる点から好ましい。
【0072】また、このブタンがノルマルブタンとイソ
ブタンとの混合物であるばあい、適宜の混合比の混合物
として用いうる。このばあい、ノルマルブタンとイソブ
タンとの混合比がビーズライフが良好である点から0対
100〜50対50であることが好ましく、0対100
〜30対70であることがさらに好ましい。
【0073】また、前記発泡剤がブタンとイソペンタン
および/またはノルマルペンタンとの混合物であること
が、低コストで熱安定性およびビーズライフがよく、適
度の発泡速度を有する点から好ましく、この混合物中ブ
タンとイソペンタンおよび/またはノルマルペンタンと
の混合比が重量比で20対80〜60対40、とくに3
0対70〜50対50であることが、比較的低コストで
ビーズライフが長く、適度な発泡速度の発泡性ポリスチ
レン系樹脂粒子がえられる点からさらに好ましい。
【0074】この発泡性ポリスチレン系樹脂粒子におい
て、イソペンタンおよび/またはノルマルペンタンの混
合比が前記の範囲より低いばあい、ビーズライフが短く
なる傾向があり、一方イソペンタンおよび/またはノル
マルペンタンの混合比が前記の範囲より高いばあい、コ
ストが高くなる傾向がある。また、ここで用いられるブ
タンとしては、ノルマルブタン、イソブタンまたはノル
マルブタンとイソブタンとの混合物があげられ、このブ
タンがノルマルブタンであるとき、好適な発泡性を発現
しうる発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を低コストでえら
れ、イソブタンであるとき、ビーズライフが長い発泡性
ポリスチレン系樹脂粒子をえられ、ノルマルブタンとイ
ソブタンとの混合物であるとき、発泡性とコストとビー
ズライフのバランスのよい発泡性ポリスチレン系樹脂粒
子をえられる。このブタンがノルマルブタンとイソブタ
ンとの混合物であるばあい、適宜の混合比の混合物とし
て用いうる。
【0075】前記の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を、
たとえば予備発泡装置内で、通常0.05kgf/cm
2G程度の蒸気圧の水蒸気を、通常30〜180秒間程
度圧入することにより、気泡径が50〜300μm程度
の予備発泡粒子がえられる。
【0076】これらの予備発泡粒子は、通常、常温で1
日程度保管されたのち、発泡成形体に成形される。
【0077】発泡成形体の成形は、所望の形状の型枠内
に前記予備発泡粒子を充填し、通常0.1〜1.0kg
f/cm2G程度の蒸気圧の水蒸気により加圧すること
により行われる。
【0078】つぎに、本発明を実施例にもとづいて説明
するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0079】
【実施例】
実施例1 発泡剤がノルマルペンタンまたはイソペンタンである実
施例について説明する。
【0080】この実施例において、ポリスチレン系樹脂
粒子は、ハイシスポリブタジエンのハイインパクトポリ
スチレン系樹脂とミドルシスポリブタジエンのハイイン
パクトポリスチレン系樹脂との混合物からなる造核剤を
含むポリスチレン系樹脂粒子(以下、このポリスチレン
系樹脂粒子を記号「H/M」により表わすこともある)
のばあい、ハイシスポリブタジエンのハイインパクトポ
リスチレン系樹脂からなる造核剤を含むポリスチレン系
樹脂粒子(以下、このポリスチレン系樹脂粒子を記号
「H」により表わすこともある)のばあい、ミドルシス
ポリブタジエンのハイインパクトポリスチレン系樹脂か
らなる造核剤を含むポリスチレン系樹脂粒子(以下、こ
のポリスチレン系樹脂粒子を記号「M」により表わすこ
ともある)のばあいがある。
【0081】ハイシスポリブタジエンのハイインパクト
ポリスチレン系樹脂とミドルシスポリブタジエンのハイ
インパクトポリスチレン系樹脂との混合物からなる造核
剤を含むポリスチレン系樹脂粒子(H/M)は以下の方
法により作製する。
【0082】平均粒径が1.8μmであるサラミ構造の
ハイシスポリブタジエン微粒子を7重量%含むハイイン
パクトポリスチレン系樹脂100重量部に、造核剤とし
てエチレンビスステアリルアミドを1重量部ドライブレ
ンドし、2軸押出機((株)日本製鋼所製、TEX44
SS)にて樹脂ペレットを作製する。つぎにこの樹脂ペ
レット10重量部と前記のハイインパクトポリスチレン
系樹脂65重量部と平均粒径が2.5μmであるサラミ
構造のミドルシスポリブタジエン微粒子を9重量%含む
ハイインパクトポリスチレン系樹脂25重量部とをブレ
ンドし、単軸押出機(ナカムラ産機(株)製、単軸押出
機(NEX−050)(L/D=22))を用いて、直
径0.9mmφのストランド状に成形したのち冷却し、
これを回転刃により1.6mm幅に切断して、平均重量
1mgの円柱状のポリスチレン系樹脂粒子をえる(以
下、ハイシスポリブタジエンのハイインパクトポリスチ
レン系樹脂とミドルシスポリブタジエンのハイインパク
トポリスチレン系樹脂との混合物からなる造核剤を含む
ポリスチレン系樹脂粒子(H/M)を用いるばあいはこ
れと同じ)。
【0083】ハイシスポリブタジエンのハイインパクト
ポリスチレン系樹脂からなる造核剤を含むポリスチレン
系樹脂粒子(H)は以下の方法により作製する。
【0084】平均粒径が1.8μmであるサラミ構造の
ハイシスポリブタジエン微粒子を8.5重量%含むハイ
インパクトポリスチレン系樹脂に造核剤としてエチレン
ビスステアリルアミド1重量部をドライブレンドし、2
軸押出機((株)日本製鋼所製、TEX44SS)にて
樹脂ペレットを作製し、この樹脂ペレット10重量部と
同じハイシスポリブタジエンのハイインパクトポリスチ
レン系樹脂90重量部とをブレンドし、単軸押出機(ナ
カムラ産機(株)製、単軸押出機(NEX−050)
(L/D=22))を用いて、0.9mmφのストラン
ド状に成形したのち、冷却して、これを回転刃により
1.6mm幅に切断して、平均重量1mgの円柱状のポ
リスチレン系樹脂粒子をえる(以下の実施例において、
ハイシスポリブタジエンのハイインパクトポリスレチン
系樹脂からなる造核剤を含むポリスチレン系樹脂粒子
(H)を用いるばあいはこれと同じ)。
【0085】ミドルシスポリブタジエンのハイインパク
トポリスチレン系樹脂からなる造核剤を含むポリスチレ
ン系樹脂粒子(M)は以下の方法により作製する。
【0086】平均粒径が2.5μmであるサラミ構造の
ミドルシスポリブタジエンの微粒子を9重量%含むハイ
インパクトポリスチレン系樹脂に造核剤としてエチレン
ビスステアリルアミド1重量部をドライブレンドし、2
軸押出機((株)日本製鋼所製、TEX44SS)にて
樹脂ペレットを作製し、この樹脂ペレット10重量部と
前記のハイインパクトポリスチレン系樹脂90重量部と
をブレンドし単軸押出機(ナカムラ産機(株)製、単軸
押出機(NEX−050)(L/D=22))を用い
て、0.9mmφのストランド状に成形したのち、冷却
して、これを回転刃により1.6mm幅に切断して、平
均重量1mgの円柱状のポリスチレン系樹脂粒子をえる
(以下、ミドルシスポリブタジエンのハイインパクトポ
リスチレン系樹脂からなる造核剤を含むポリスチレン系
樹脂粒子(M)を用いるばあいはこれと同じ)。
【0087】つぎに、内容積200リットルの撹拌機付
き反応器内に、表1に記載(記号により表わしている)
のポリスチレン系樹脂粒子100重量部、水140重量
部、α−オレフィンスルホン酸ナトリウム0.015重
量部およびリン酸カルシウム1重量部を投入し、反応器
を密閉したのち、140rpmで撹拌して水性懸濁液を
えた。撹拌を続けながら、表1に記載の発泡剤の表1に
記載の量を反応器に圧入し、これを110℃に加熱し
て、さらに4時間撹拌を続けた。これを30℃まで冷却
して発泡剤が含浸した樹脂ペレットを取出し、水洗のの
ち、脱水した。
【0088】つづいて、この発泡剤が含浸したポリスチ
レン系樹脂粒子をナウターミキサーに入れポリスチレン
系樹脂粒子1kgに対して表1に記載の風量で表1に記
載の温度の温風をこの発泡剤が含浸したポリスチレン系
樹脂粒子に表1に記載の時間通すことにより温風処理
し、発泡性ポリスチレン系樹脂粒子をえた。この発泡性
ポリスチレン系樹脂粒子を以下の方法により評価した。
【0089】(保存安定性の評価)発泡性ポリスチレン
系樹脂粒子の保存安定性(ビーズライフ)の評価を、つ
ぎの方法により行なった。
【0090】30ccのサンプル瓶に、発泡性ポリスチ
レン系樹脂粒子を約15g入れ、このサンプル瓶をアル
ミホイルで蓋をし、アルミホイルに直径0.5mmφの
くしで10個の穴を開け、サンプル瓶を35℃の恒温室
に168時間放置したのちの発泡性ポリスチレン系樹脂
粒子中の揮発成分の量(重量)を測定する。この測定は
この発泡性ポリスチレン系樹脂粒子約2gを精秤し、1
50℃の温風オーブン中で2時間放置したのち、デシケ
ータ内で放冷して、その重量減少率を測定する方法によ
る。35℃の恒温室に放置前に発泡性ポリスチレン系樹
脂粒子中の揮発成分の量(重量)を同じ方法で測定して
おき、これらの値から、恒温室中に放置後の発泡性ポリ
スチレン系樹脂粒子の揮発成分の残存率(重量%)を算
出する。
【0091】この残存率が60%以上であるものが、一
般に保存安定性が実用域にある発泡性ポリスチレン系樹
脂粒子であるといえる。
【0092】この残存率が80%以上であったものを
○、60%以上80%未満であったものを△、60%未
満であったものを×とする。結果を表2に示す。
【0093】(発泡速度の評価)発泡性ポリスチレン系
樹脂粒子の発泡速度の評価を、つぎの方法により行なっ
た。
【0094】昭和マツタカ社製、蒸し器(六角蒸)に、
発泡性ポリスチレン系樹脂粒子10gを入れて100℃
の水蒸気を3分間あて、予備発泡させる。このときの発
泡倍率を測定する。この測定は予備発泡粒子を1000
ミリリットルのメスシリンダーに入れ、その体積を求
め、発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の体積(発泡性ポリ
スチレン系樹脂粒子の比重を1として計算)との比から
算出する方法により測定する。
【0095】前記の予備発泡の条件下では、発泡倍率が
30倍以上になりうるものが、一般に発泡速度が実用域
にある発泡性ポリスチレン系樹脂粒子であるといえる。
【0096】この発泡倍率が40倍以上であったものを
○、30倍以上40倍未満であったものを△、30倍未
満であったものを×とする。結果を表2に示す。
【0097】(耐逆熟成性の評価)発泡性ポリスチレン
系樹脂粒子の耐逆熟成性の評価を、つぎの方法により行
なった。
【0098】発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を40℃の
恒温槽中で24時間保管したのち、この発泡性ポリスチ
レン系樹脂粒子10gを前記と同じ蒸し器に入れ、10
0℃の水蒸気を1〜3分間あて、約40倍に予備発泡さ
せ、気泡径を目盛り付き顕微鏡を用いて測定し、この測
定を30個の気泡につき行ない、その平均値を算出す
る。
【0099】一方、発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を4
0℃の恒温槽中で24時間保管する代りに、常温下で2
4時間放置するほかはこれと同じ方法により同じ倍率に
予備発泡させ、気泡径を同じ方法で測定する。
【0100】40℃の恒温槽中で24時間保管ののち予
備発泡させた予備発泡粒子の平均気泡径が、常温下で2
4時間放置ののち予備発泡させた予備発泡粒子の平均気
泡径と同程度か大きくなるばあいでもその差が100μ
mを超えないものであり、また気泡径が均一であるもの
が、耐熱性のよい発泡性ポリスチレン系樹脂粒子である
といえる。
【0101】また、40℃の恒温槽中で24時間保管の
のち予備発泡させた予備発泡粒子の平均気泡径が、この
範囲にあるものは、それぞれの条件にて予備発泡させた
予備発泡粒子とも気泡径が均一なものであった(以下の
実施例(実施例2、3、4および5)についても同じで
あった)。
【0102】表2に、常温下で24時間放置ののち予備
発泡させた予備発泡粒子の平均気泡径および40℃の恒
温槽中で24時間保管ののち予備発泡させた予備発泡粒
子の平均気泡径を示す。
【0103】
【表1】
【0104】
【表2】
【0105】実施例2 発泡剤がノルマルペンタンとイソペンタンとの混合物で
あり、この混合物がノルマルペンタンを50重量%以上
含む実施例について説明する。
【0106】この実施例において、ポリスチレン系樹脂
粒子は、実施例1と同じハイシスポリブタジエンのハイ
インパクトポリスチレン系樹脂とミドルシスポリブタジ
エンのハイインパクトポリスチレン系樹脂との混合物か
らなる造核剤を含むポリスチレン系樹脂粒子(H/M)
のばあい、実施例1と同じハイシスポリブタジエンのハ
イインパクトポリスチレン系樹脂からなる造核剤を含む
ポリスチレン系樹脂粒子(H)のばあい、実施例1と同
じミドルシスポリブタジエンのハイインパクトポリスチ
レン系樹脂からなる造核剤を含むポリスチレン系樹脂粒
子(M)のばあい、水添SBRとポリスチレン系樹脂と
の混合物からなる造核剤を含むポリスチレン系樹脂粒子
(以下、このポリスチレン系樹脂粒子を記号「PS」に
より表わすこともある)のばあい、ハイシスポリブタジ
エンのハイインパクトポリスチレン系樹脂とミドルシス
ポリブタジエンのハイインパクトポリスチレン系樹脂と
の造核剤を含まないポリスチレン系樹脂粒子(以下、こ
のポリスチレン系樹脂粒子を記号「H/M′」により表
わすこともある)のばあい、ハイシスポリブタジエンの
ハイインパクトポリスチレン系樹脂の造核剤を含まない
ポリスチレン系樹脂粒子(以下、このポリスチレン系樹
脂粒子を記号「H′」により表わすこともある)のばあ
い、およびミドルシスポリブタジエンのハイインパクト
ポリスチレン系樹脂の造核剤を含まないポリスチレン系
樹脂粒子(以下、このポリスチレン系樹脂粒子を記号
「M′」により表わすこともある)のばあいがある(以
下の実施例においては、用いるポリスチレン系樹脂粒子
の種類は表中に記号で表す)。
【0107】水添SBRとポリスチレン系樹脂との混合
物からなる造核剤を含むポリスチレン系樹脂粒子(P
S)は以下の方法により作製する。
【0108】水添SBR(ブタジエン含量40重量%)
20重量部とポリスチレン樹脂(GP−PS)80重量
%と造核剤であるエチレンビスステアリルアミド0.2
重量部とをドライブレンドし、2軸押出機((株)日本
製鋼所製、TEX44SS)にて0.9mmφのストラ
ンド状に成形したのち、冷却して、これれを回転刃によ
り1.6mm幅に切断して、平均重量1mgの円柱状の
ポリスチレン系樹脂粒子にしたものである(以下、水添
SBRとポリスチレン樹脂との混合物からなる造核剤を
含むポリスチレン系樹脂粒子(PS)を用いるばあいは
これと同じ)。
【0109】ハイシスポリブタジエンのハイインパクト
ポリスチレン系樹脂とミドルシスポリブタジエンのハイ
インパクトポリスチレン系樹脂との混合物の造核剤を含
まないポリスチレン系樹脂粒子(H/M′)は以下の方
法により作製する。
【0110】平均粒径が1.8μmであるサラミ構造の
ハイシスポリブタジエン微粒子を7重量%含むハイイン
パクトポリスチレン系樹脂75重量部に、平均粒径が
2.5μmであるサラミ構造のミドルシスポリブタジエ
ン微粒子を9重量%含むハイインパクトポリスチレン系
樹脂25重量部をブレンドし、単軸押出機(ナカムラ産
機業(株)製、単軸押出機(NEX−050)(L/D
=22))を用いて、直径0.9mmφのストランド状
に成形したのち冷却し、これを回転刃により1.6mm
幅に切断して、平均重量1mgの円柱状のポリスチレン
系樹脂の粒子をえる(以下、ハイシスポリブタジエンの
ハイインパクトポリスチレン系樹脂とミドルシスポリブ
タジエンのハイインパクトポリスチレン系樹脂との混合
物からなる造核剤を含まないポリスチレン系樹脂粒子
(H/M′)を用いるばあいはこれと同じ)。
【0111】ハイシスポリブタジエンのハイインパクト
ポリスチレン系樹脂からなる造核剤を含まないポリスチ
レン系樹脂粒子(H′)は以下の方法により作製する。
【0112】平均粒径が1.8μmであるサラミ構造の
ハイシスポリブタジエン微粒子を8.5重量%含むハイ
インパクトポリスチレン系樹脂を単軸押出機(ナカムラ
産機(株)製、単軸押出機(NEX−050)(L/D
=22))を用いて、直径0.9mmφのストランド状
に成形したのち冷却し、これを回転刃により1.6mm
幅に切断して、平均重量1mgの円柱状のポリスチレン
系樹脂をえる(以下、ハイシスポリブタジエンのハイイ
ンパクトポリスチレン系樹脂からなる造核剤を含まない
ポリスチレン系樹脂粒子(H′)を用いるばあいはこれ
と同じ)。
【0113】ミドルシスポリブタジエンのハイインパク
トポリスチレン系樹脂粒子からなる造核剤を含まないポ
リスチレン系樹脂粒子(M′)は以下の方法により作製
する。
【0114】平均粒径が2.5μmであるサラミ構造の
ミドルシスポリブタジエンの微粒子を9重量%含むハイ
インパクトポリスチレン系樹脂を単軸押出機(ナカムラ
産機(株)製、単軸押出機(NEX−050)(L/D
=22))を用いて、0.9mmφのストランド状に成
形したのち、冷却して、これを回転刃により1.6mm
幅に切断して、平均重量1mgの円柱状のポリスチレン
系樹脂粒子をえる(以下、ミドルシスポリブタジエンの
ハイインパクトポリスチレン系樹脂からなる造核剤を含
まないポリスチレン系樹脂粒子(M′)を用いるばあい
はこれと同じ)。
【0115】つぎに、表3に記載(記号により表わす)
のポリスチレン系樹脂粒子および表3に記載の発泡剤の
表3に記載の量を用いたほかは、実施例1とおなじ方法
により、発泡剤が含浸したポリスチレン系樹脂粒子を
え、これを水洗ののち、脱水した。
【0116】つづいて、この発泡剤が含浸したポリスチ
レン系樹脂粒子を表3に記載の温度および風速の温風
(温風が比較的低温の風のばあいもある。以下の実施例
についても同じ)で表3に記載の時間処理したほかは、
実施例1と同じ方法により発泡性ポリスチレン系樹脂粒
子をえた。ただし、実験例2−(18)、実験例2−
(19)および実験例2−(20)の発泡性ポリスチレ
ン系樹脂粒子は表3に記載の温風処理条件で処理したの
ち、25℃の恒温室中で1週間保管することによりえら
れたものである。
【0117】この発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を、実
施例1と同じ方法により、保存安定性の評価、発泡速度
の評価および耐逆熟成性の評価を行なった。結果を表4
に示す。
【0118】
【表3】
【0119】
【表4】
【0120】実施例3 発泡剤がノルマルペンタンとイソペンタンとの混合物で
あり、この混合物のノルマルペンタンとイソペンタンと
の混合比が重量比で50対50〜30対70である実施
例について説明する。
【0121】表5に記載(記号により表わす)のポリス
チレン系樹脂粒子および表5に記載の発泡剤の表5に記
載の量を用いたほかは、実施例1と同じ方法により、発
泡剤が含浸したポリスチレン系樹脂粒子をえ、これを水
洗ののち、脱水した。
【0122】つづいて、この発泡剤が含浸したポリスチ
レン系樹脂粒子を表5に記載の温度および風速の温風で
表5に記載の時間処理したほかは、実施例1と同じ方法
により発泡性ポリスチレン系樹脂をえた。ただし、実験
例3−(17)、実験例3−(18)および実験例3−
(19)の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子は表5に記載
の温風処理条件で処理したのち、25℃の恒温室中で1
週間保管することによりえられたものである。
【0123】この発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を、実
施例1と同じ方法により、保存安定性の評価、発泡速度
の評価および耐逆熟成性の評価を行なった。結果を表6
に示す。
【0124】
【表5】
【0125】
【表6】
【0126】実施例4 発泡剤がブタンからなる実施例について説明する。この
実施例において、ブタンとしてはノルマルブタンが10
0重量%のもの、イソブタンが100重量%のもの、ノ
ルマルブタンとイソブタンとの混合物であるものを例と
してあげ、このブタンとシクロヘキサンとを発泡剤とす
るものと、このブタンのみを発泡剤とするものとを例と
してあげた。
【0127】表7に記載(記号により表わす)のポリス
チレン系樹脂粒子および表7に記載の発泡剤の量を用
い、反応器中での加熱温度を115℃にしたほかは、実
施例1と同じ方法により、発泡剤が含浸したポリスチレ
ン系樹脂粒子をえ、これを水洗ののち、脱水した。ここ
で、発泡剤としてシクロヘキサンをともに用いるもの
は、まずシクロヘキサンを圧入し、そののちブタンを圧
入する方法を用いる。
【0128】つづいて、この発泡剤が含浸したポリスチ
レン系樹脂粒子を表7に記載の温度および風速の温風で
表7に記載の時間処理したほかは、実施例1と同じ方法
により発泡性ポリスチレン系樹脂をえた。ただし、実験
例4−(19)、実験例4−(20)および実験例4−
(21)の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子は表7に記載
の温風処理条件で処理したのち、25℃の恒温室中で1
週間保管することによりえられたものである。
【0129】この発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を、実
施例1と同じ方法により、保存安定性の評価、発泡速度
の評価および耐逆熟成性の評価を行なった。結果を表8
に示す。
【0130】
【表7】
【0131】
【表8】
【0132】実施例5 発泡剤がブタンとノルマルペンタンおよび/またはイソ
ペンタンとの混合物である実施例について説明する。こ
の実施例において、このブタンはノルマルブタンとイソ
ブタンとの混合物であり、ノルマルブタンとイソブタン
との混合比が重量比で70対30であるものを例として
あげた。
【0133】表9に記載(記号により表わす)のポリス
チレン系樹脂粒子および表9に記載の発泡剤の量を用
い、反応器中での加熱温度を115℃にしたほかは、実
施例1と同じ方法により、発泡剤が含浸したポリスチレ
ン系樹脂粒子をえ、これを水洗ののち、脱水した。
【0134】つづいて、この発泡剤が含浸したポリスチ
レン系樹脂粒子を表9に記載の温度および風速の温風で
表9に記載の時間処理したほかは、実施例1と同じ方法
により発泡性ポリスチレン系樹脂をえた。ただし、実験
例5−(20)、実験例5−(21)および実験例5−
(22)の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子は表9に記載
の温風処理条件で処理したのち、25℃の恒温室中で1
週間保管することによりえられたものである。
【0135】この発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を、実
施例1と同じ方法により、保存安定性の評価、発泡速度
の評価および耐逆熟成性の評価を行なった。結果を表1
0に示す。
【0136】
【表9】
【0137】
【表10】
【0138】実施例6 発泡剤がノルマルペンタンとイソペンタンとの混合物で
ある発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の温風処理の効果の
評価について説明する。
【0139】表11に記載(記号により表わす)のポリ
スチレン系樹脂粒子および表11に記載の発泡剤の表1
1に記載の量を用いたほかは、実施例1と同じ方法によ
り、発泡剤が含浸したポリスチレン系樹脂粒子をえ、こ
れを水洗ののち、脱水した。
【0140】この発泡剤が含浸したポリスチレン系樹脂
粒子1kgあたりに、表11に記載の風速の表11に記
載の温度の風を表11記載の時間通し、乾燥処理した
(ただし、実施例6−(1)および実験例6−(2)
は、この乾燥処理を行なわずに直接温風処理することに
より、温風処理の効果についての評価をした)。
【0141】つづいて、このポリスチレン系樹脂粒子
(ただし、実験例6−(1)および実験例6−(2)に
おいては乾燥処理を行なっていない)を表11に記載の
温風処理条件にて、実施例1と同じ方法により温風処理
を行ない発泡性ポリスチレン系樹脂をえた(ただし、実
験例6−(3)および実験例6−(4)は、この温風処
理を行なわず、乾燥処理のみ行ない発泡性ポリスチレン
系樹脂粒子にした)。
【0142】(温風処理の効果の評価方法)乾燥処理の
み行なった発泡剤が含浸したポリスチレン系樹脂粒子
(または発泡性ポリスチレン系樹脂粒子)を実施例1の
耐逆熟成性の評価における予備発泡の方法と同じ条件に
て予備発泡させる。
【0143】また、温風処理を行なった発泡性ポリスチ
レン系樹脂粒子を実施例1の耐逆熟成性の評価における
予備発泡の方法と同じ条件にて予備発泡させる。
【0144】乾燥処理のみで予備発泡させた予備発泡粒
子および温風処理を行なって予備発泡させた予備発泡粒
子の気泡径の分布の評価を行なう。均一であるものを
「均一」、予備発泡粒子の表層と中心部とで気泡径が大
きく異なる構造になるものを「二層」とし、さらに均一
であるものについては実施例1の耐熟成性の評価におけ
る予備発泡体の気泡径の測定方法と同じ方法により平均
気泡径を測定する。結果を表12に示す。
【0145】
【表11】
【0146】
【表12】
【0147】適宜の温風処理により、二層構造状でな
く、均一な気泡径を有する予備発泡粒子をうる発泡性ポ
リスチレン系樹脂粒子にすることができることが判る。
【0148】実施例7 発泡剤がブタン(ノルマルブタンとイソブタンとの混合
物)からなる発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の温風処理
の効果の評価について説明する。
【0149】表13に記載(記号により表わす)のポリ
スチレン系樹脂粒子および表13に記載の発泡剤の表1
3に記載の量を用いたほかは、実施例4と同じ方法によ
り、発泡剤が含浸したポリスチレン系樹脂粒子をえ、こ
れを水洗ののち、脱水した。
【0150】この発泡剤が含浸したポリスチレン系樹脂
粒子1kgあたりに、表13に記載の風速の表13に記
載の温度の風を表13に記載の時間通し、乾燥処理した
(ただし、実施例7−(1)は、この乾燥処理を行なわ
ずに直接温風処理することにより、温風処理の効果につ
いての評価をした)。
【0151】つづいて、このポリスチレン系樹脂粒子
(ただし、実験例7−(1)においては乾燥処理を行な
っていない)を表13記載の温風処理条件にて、実施例
1と同じ方法により温風処理を行ない発泡性ポリスチレ
ン系樹脂をえた(ただし、実験例7−(2)は、この温
風処理を行なわず、乾燥処理のみ行ない発泡性ポリスチ
レン系樹脂粒子にした)。
【0152】この発泡性ポリスチレン系樹脂の温風処理
の効果の評価を実施例6と同じ方法により行なった。結
果を表14に示す。
【0153】
【表13】
【0154】
【表14】
【0155】適宜の温風処理により、二層構造状でな
く、均一な気泡径を有する予備発泡粒子をうる発泡性ポ
リスチレン系樹脂粒子にすることができることが判る。
【0156】実施例8 発泡剤がイソペンタンとブタンとの混合物である発泡性
ポリスチレン系樹脂粒子の温風処理の効果の評価につい
て説明する。ここで、このブタンはノルマルブタンとイ
ソブタンとの混合物であり、ノルマルブタンとイソブタ
ンとの混合比は重量比で70対30である。
【0157】表15に記載(記号により表わす)のポリ
スチレン系樹脂粒子および表15に記載の発泡剤の表1
5に記載の量を用い、反応器中での加熱温度を115℃
にしたほかは、実施例1と同じ方法により、発泡剤が含
浸したポリスチレン系樹脂粒子をえ、これを水洗のの
ち、脱水した。
【0158】この発泡剤が含浸したポリスチレン系樹脂
粒子1kgあたりに、表15に記載の風速の表15に記
載の温度の風を表15に記載の時間通し、乾燥処理した
(ただし、実施例8−(1)は、この乾燥処理を行なわ
ずに直接温風処理することにより、温風処理の効果につ
いての評価をした)。
【0159】つづいて、このポリスチレン系樹脂粒子
(ただし、実験例8−(1)においては乾燥処理を行な
っていない)を表15記載の温風処理条件にて、実施例
1と同じ方法により温風処理を行ない発泡性ポリスチレ
ン系樹脂をえた(ただし、実験例8−(2)は、この温
風処理を行なわず、乾燥処理のみ行ない発泡性ポリスチ
レン系樹脂粒子にした)。
【0160】この発泡性ポリスチレン系樹脂の温風処理
の効果の評価を実施例6と同じ方法により行なった。結
果を表16に示す。
【0161】
【表15】
【0162】
【表16】
【0163】適宜の温風処理により、二層構造状でな
く、均一な気泡径を有する予備発泡粒子をうる発泡性ポ
リスチレン系樹脂粒子にすることができることが判る。
【0164】比較例1 常温下で長期間放置することによる従来の熟成方法によ
り作製した発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の評価につい
て説明する。
【0165】実施例2の実験例2−(4)と同じポリス
チレン系樹脂粒子および発泡剤を用い、実験例2と同じ
方法により、発泡剤が含浸したポリスチレン系樹脂粒子
をえ、これを水洗ののち、脱水した。
【0166】この発泡剤が含浸したポリスチレン系樹脂
粒子を20℃の空気を、ポリスチレン系樹脂粒子1kg
あたりに7リットル/分の風速で2時間送風してあて、
乾燥させた。
【0167】つづいて、この発泡剤が含浸したポリスチ
レン系樹脂粒子を25℃の恒温室中で7日間保管するこ
とにより発泡性ポリスチレン系樹脂粒子をえた。
【0168】この発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の保存
安定性の評価、発泡速度の評価および耐逆熟成性の評価
を実施例1と同じ方法で行なったところ、保存安定性は
○であり、発泡速度は○であり、耐逆熟成性の評価にお
いて、常温下で24時間放置したのち予備発泡させた予
備発泡粒子の平均気泡径は150μmであり、40℃下
で24時間保管ののち予備発泡させた予備発泡粒子の平
均気泡径は350μmであった。
【0169】この発泡性ポリスチレン系樹脂粒子は保存
性および発泡速度はよいものの、耐逆熟成性が極めてわ
るいことが判る。
【0170】
【発明の効果】本発明によれば、逆熟成が生じにくく、
また予備発泡させると、気泡径が均一であり、この発泡
径が50〜300μmの範囲内にある予備発泡粒子にす
ることができる発泡性ポリスチレン系樹脂をうることが
できる。また、本発明によれば、発泡性ポリスチレン系
樹脂粒子を短時間の熟成により好適な発泡性ポリスチレ
ン系樹脂をうることができる。

Claims (21)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリスチレン系樹脂粒子の水性懸濁液中
    で該ポリスチレン系樹脂粒子に発泡剤を含浸させたの
    ち、該発泡剤含浸ポリスチレン系樹脂粒子を温風処理す
    る発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の製法。
  2. 【請求項2】 前記温風処理の温風の温度が30〜65
    ℃の範囲内にある請求項1記載の製法。
  3. 【請求項3】 前記温風処理の温風の風量が前記ポリス
    チレン系樹脂粒子1kgに対して1〜100リットル/
    分の範囲内にある請求項1または2記載の製法。
  4. 【請求項4】 前記ポリスチレン系樹脂がハイインパク
    トポリスチレン系樹脂である請求項1、2または3記載
    の製法。
  5. 【請求項5】 前記ポリスチレン系樹脂粒子が、該粒子
    100重量部に対して0.03〜1重量部の造核剤を含
    む請求項1、2、3または4記載の製法。
  6. 【請求項6】 前記造核剤がエチレンビスステアリルア
    ミドである請求項1、2、3、4または5記載の製法。
  7. 【請求項7】 前記発泡剤がノルマルペンタン、イソペ
    ンタンまたはブタンの少なくとも1つである請求項1、
    2、3、4、5または6記載の製法。
  8. 【請求項8】 ポリスチレン系樹脂粒子の水性懸濁液中
    で該ポリスチレン系樹脂粒子に発泡剤を含浸させたの
    ち、該発泡剤含有ポリスチレン系樹脂粒子を温風処理し
    てえられる、気泡径が50〜300μmの予備発泡粒子
    を与える耐逆熟成性を有する発泡性ポリスチレン系樹脂
    粒子。
  9. 【請求項9】 前記温風処理の温風の温度が30〜65
    ℃の範囲内にある請求項8記載の発泡性ポリスチレン系
    樹脂粒子。
  10. 【請求項10】 前記温風処理の温風の風量が前記ポリ
    スチレン系樹脂粒子1kgに対して1〜100リットル
    /分の範囲内にある請求項8または9記載の発泡性ポリ
    スチレン系樹脂粒子。
  11. 【請求項11】 前記ポリスチレン系樹脂がハイインパ
    クトポリスチレン系樹脂である請求項8、9または10
    記載の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子。
  12. 【請求項12】 前記ハイインパクトポリスチレン系樹
    脂のゴム成分がハイシスポリブタジエンである請求項1
    1記載の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子。
  13. 【請求項13】 前記ポリスチレン系樹脂粒子が、該粒
    子100重量部に耐して0.03〜1重量部の造核剤を
    含む請求項8、9、10、11または12記載の発泡性
    ポリスチレン系樹脂粒子。
  14. 【請求項14】 前記造核剤がエチレンビスステアリル
    アミドである請求項13記載の発泡性ポリスチレン系樹
    脂粒子。
  15. 【請求項15】 前記発泡剤がノルマルペンタン、イソ
    ペンタンまたはブタンの少なくとも1つである請求項
    8、9、10、11、12、13または14記載の発泡
    性ポリスチレン系樹脂粒子。
  16. 【請求項16】 前記発泡剤がノルマルペンタンとイソ
    ペンタンとの混合物である請求項8、9、10、11、
    12、13または14記載の発泡性ポリスチレン系樹脂
    粒子。
  17. 【請求項17】 前記発泡剤がノルマルペンタンを50
    重量%以上含む請求項16記載の発泡性ポリスチレン系
    樹脂粒子。
  18. 【請求項18】 ノルマルペンタンとイソペンタンとの
    混合比が重量比で50対50〜30対70である請求項
    16記載の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子。
  19. 【請求項19】 前記発泡剤がブタンである請求項8、
    9、10、11、12、13または14記載の発泡性ポ
    リスチレン系樹脂粒子。
  20. 【請求項20】 前記発泡剤がブタンとイソペンタンお
    よび/またはノルマルペンタンとの混合物である請求項
    8、9、10、11、12、13または14記載の発泡
    性ポリスチレン系樹脂粒子。
  21. 【請求項21】 ブタンとイソペンタンおよび/または
    ノルマルペンタンとの混合比が重量比で20対80〜6
    0対40である請求項20記載の発泡性ポリスチレン系
    樹脂粒子。
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