JPH0940658A - γ−ブチロラクトンの製造法 - Google Patents

γ−ブチロラクトンの製造法

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JPH0940658A
JPH0940658A JP19204695A JP19204695A JPH0940658A JP H0940658 A JPH0940658 A JP H0940658A JP 19204695 A JP19204695 A JP 19204695A JP 19204695 A JP19204695 A JP 19204695A JP H0940658 A JPH0940658 A JP H0940658A
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JP
Japan
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reaction
butyrolactone
water
catalyst
pressure
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Pending
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JP19204695A
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English (en)
Inventor
Kunitoshi Wakabayashi
邦俊 若林
Hiroshi Uchida
博 内田
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Resonac Holdings Corp
Original Assignee
Showa Denko KK
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ジカルボン酸またはその酸無水物の水素添加
反応によるγ−ブチロラクトン製造を低圧力条件下にて
行う。 【解決手段】 水素添加反応によりγ−ブチロラクトン
を製造するに際し、同時に生成する水を共沸溶媒を利用
して反応系から除去しつつ行う、反応蒸留法により行う
製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はγ−ブチロラクトン
の効率的な製造法に関するものである。γ−ブチロラク
トンは、工業用溶剤や洗浄剤として有用なN−メチルピ
ロリドン、または水溶性高分子として用途の広いポリビ
ニルピロリドンの原料として用いられる、有用な化合物
である。
【0002】
【従来の技術】γ−ブチロラクトンは、マレイン酸、無
水マレイン酸、コハク酸または無水コハク酸等を原料と
し、適当な触媒を選択して水素添加反応にて製造されて
いる。例えば、特開平2-9873では、NiとPdを担持し
たシリカを触媒としてγ−ブチロラクトンを液相にて製
造する方法が開示されており、3時間の反応で原料であ
る無水マレイン酸に対して91mol%以上の収率でγ
−ブチロラクトンが得られている。しかし、この方法で
は反応圧力が95barと高い値となり経済的でない。
また、特開平6-135953では同様に液相水素添加反応にて
γ−ブチロラクトンを製造する方法が開示されており、
反応圧力は50kg/cm2とやや低い値での製造法が示され
ているが、まだ不十分である。
【0003】原料であるジカルボン酸類は反応系内にお
いて、遊離のジカルボン酸と、ジカルボン酸無水物の形
で共存しているものと思われる。例えばコハク酸の場合
は、以下のような平衡反応により両者が共存している。 無水コハク酸 + H2 O ←───→ 無水コハク酸 高圧条件においては両者とも速やかに水素添加を受けて
γ−ブチロラクトンになり得ると思われる。 無水コハク酸 + 2H2 ───→ γ−ブチロラクト
ン + H2 O コハク酸 + 2H2 ───→ γ−ブチロラクトン
+ 2H2
【0004】しかし、圧力が十分でない場合、遊離のコ
ハク酸は水素添加を容易に受けず、未反応のまま残るも
のと考えられる。遊離のコハク酸が生成するのは、コハ
ク酸無水物のγ−ブチロラクトンへの転化に伴い生ずる
水が、未反応のコハク酸無水物と反応するためである。
そこで反応系内の水を除去する手段を講ずれば無水コハ
ク酸からコハク酸への転化は抑制され、低圧下でも効率
よくγ−ブチロラクトンを製造できる。この様な場合に
水を反応系から除去する手段としては、シリカゲルや塩
化カルシウム等の吸水作用のある物質を添加する方法が
考えられる。特開平6-9601では吸水作用を有すると考え
られる、カリウム置換型ゼオライトを添加して、液相に
てγ−ブチロラクトンを製造する方法が開示されてい
る。しかしこの場合は、大量の添加物質が必要であり、
またその除去工程が必要となるため、経済上不利であ
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、常圧〜50
kg/cm2G 程度の低圧下において、ジカルボン酸またはそ
の酸無水物を原料として、γ−ブチロラクトンを効率的
かつ経済的に製造する方法に関わるものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、かかる問
題について鋭意検討した結果、水と共沸し、かつ水と常
温にて二層分離する溶剤の共存下において蒸留脱水しつ
つγ−ブチロラクトン合成を行うことにより、低圧下で
も効率的かつ経済的に製造しうる事を見い出し、本発明
を完成するに至ったものである。
【0007】すなわち、図1に示すような、合成部と蒸
留部、凝縮部、留分貯留部、水素供給部よりなる装置に
おいて、原料であるマレイン酸、無水マレイン酸、コハ
ク酸、無水コハク酸等またはそれらの混合物と、上記特
徴を有する共沸溶媒および水素添加用触媒を合成部に入
れて反応を行いつつ蒸留を行うことにより、γ−ブチロ
ラクトンの生成に伴って出来る水は反応部より離脱し、
その共沸溶媒と共に留分貯留部に蓄積する。そのため、
反応部における遊離ジカルボン酸の生成は抑制され、γ
−ブチロラクトンは効率的に水素添加を受ける。留分貯
留部において有機層が軽液をなす場合は、有機層はオ−
バ−フロ−にて蒸留部へ戻し、水層は適宜抜き出せばよ
い。有機層が重液をなす場合は、有機層を蒸留部へ戻し
た後に水層を抜き出せばよい。
【0008】本発明に用いられる共沸溶媒は、水と共沸
しかつ二層分離し、水との共沸沸点がγ−ブチロラクト
ンより低ければなんでも良く、例えば、ベンゼン、トル
エン、o-キシレン、m-キシレン、p-キシレン、メシチレ
ン、エチルベンゼン、クメン、ナフタレン、ジフェニル
エーテル、ペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン、ヘプ
タン、オクタン、ノナン、デカン、ドデカン、ウンデカ
ン等が挙げられる。水との共沸溶媒の他に、γ−ブチロ
ラクトン生成を促進するような反応溶媒が共存してもか
まわない。
【0009】本発明に用いられる触媒は、上記ジカルボ
ン酸及びジカルボン酸無水物に対して水素添加活性が有
ればなんでも良く、均一系、不均一系を問わない。ま
た、金属触媒でも良く、金属化合物触媒、あるいは適当
な担体に金属を担持したものでも良い。反応温度は、用
いられる共沸溶媒種にも左右されるが、50℃〜500
℃にて行われ、好ましくは100℃〜300℃にて行わ
れる。反応温度が高すぎると副反応の影響によりγ−ブ
チロラクトンの収率が低くなり、また反応温度が低すぎ
ると反応が容易に進行せず、不利となる。
【0010】反応圧力は、1〜50kg/cm2G にて行われ
るが、好ましくは5〜30kg/cm2Gにて行われる。圧力
が低すぎると水素添加反応の速度が小さくなり、大きす
ぎると、副反応によるγ−ブチロラクトンの収率の低下
を招き不利である。以下に本発明を実施例に従って詳細
するが、本発明はその主旨を逸脱しない限りにおいて以
下の実施例に限定されるものではない。
【0011】
【実施例】
実施例1 反応装置は、120mlオートクレーブ、及びそれに接
続された、水素蓄圧器、冷却器付き30ml圧力容器
(留分貯留部)、冷却器に接続された流量調節機よりな
る。留分貯留部に貯まった留分は30mlを越えると、
オートクレーブへとオーバーフローして戻るようになっ
ている。反応装置概略を図1に示した。
【0012】触媒は、Ni(22wt%)、Pd(2wt
%)にて含浸担持した珪酸を用いた。オートクレーブ内
に原料として、無水コハク酸7. 0g、テトラグライム
28.0g、トルエン 10. 0g、触媒 0. 7gを
入れた。また留分貯留部にトルエンを 20. 0g仕込
んだ。各装置を接続した後にオートクレーブを加熱し、
内温が180℃になったところで水素蓄圧器より水素
を、内圧が常に10kg/cm2G と成るように供給し、流量
調節機により、5ml/min にて気体を流出させた。6時間
反応を行った後、水素供給を停止し、オートクレーブを
風冷することにより反応を停止した。反応液は触媒をろ
別した後にガスクロマトグラフィーにて成分を分析し
た。反応結果を表1に示した。
【0013】実施例2 反応装置は、120mlオートクレーブ、及びそれに接
続された、水素蓄圧器、冷却器付き30ml圧力容器
(留分貯留部)、冷却器に接続された流量調節機よりな
る。留分貯留部に貯まった留分は30mlを越えると、
オートクレーブへとオーバーフローして戻るようになっ
ている。
【0014】触媒は、Ni(22wt%)、Pd(2wt
%)にて含浸担持した珪酸を用いた。オートクレーブ内
に原料として、無水コハク酸7. 0g、トルエン 3
8. 0g、触媒 0. 7gを入れた。また留分貯留部に
トルエンを 20. 0g仕込んだ。各装置を接続した後
にオートクレーブを加熱し、内温が180℃になったと
ころで水素蓄圧器より水素を、内圧が常に10kgf/cm2G
と成るように供給し、流量調節機により、5ml/min にて
気体を流出させた。6時間反応を行った後、水素供給を
停止し、オートクレーブを風冷することにより反応を停
止した。反応液は触媒をろ別した後にガスクロマトグラ
フィーにて成分を分析した。反応結果を表1に示した。
【0015】実施例3 トルエンの替わりにベンゼンを使用した以外は実施例1
と同じ操作を行った。反応結果を表1に示した。
【0016】実施例4 トルエンの替わりにヘキサンを使用した以外は実施例1
と同じ操作を行った。反応結果を表1に示した。
【0017】実施例5 トルエンの替わりにオクタンを使用した以外は実施例1
と同じ操作を行った。反応結果を表1に示した。
【0018】実施例6 トルエンの替わりにエチルベンゼンを使用した以外は実
施例1と同じ操作を行った。反応結果を表1に示した。
【0019】比較例1 反応装置は、120mlオートクレーブ、及びそれに接
続された、水素蓄圧器、冷却器付き30ml圧力容器
(留分貯留部)、冷却器に接続された流量調節機よりな
る。留分貯留部に貯まった留分は30mlを越えると、
オートクレーブへとオーバーフローして戻るようになっ
ている。触媒は、Ni(22wt%)、Pd(2wt%)に
て含浸担持した珪酸を用いた。オートクレーブ内に原料
として、無水コハク酸 7. 0g、テトラグライム 3
8. 0g、触媒 0. 7gを入れた。また留分貯留部に
テトラグライム 20.0gを仕込んだ。各装置を接続
した後にオートクレーブを加熱し、内温が180℃にな
ったところで水素蓄圧器より水素を、内圧が常に10kg
/cm2G と成るように供給し、流量調節機により、5ml/mi
n にて気体を流出させた。6時間反応を行った後、水素
供給を停止し、オートクレーブを風冷することにより反
応を停止した。反応液は触媒をろ別した後にガスクロマ
トグラフィーにて成分を分析した。反応結果を表1に示
した。
【0020】比較例2 反応装置は、120mlオートクレーブ、及びそれに接
続された、水素蓄圧器、冷却器付き30ml圧力容器
(留分貯留部)、冷却器に接続された流量調節機よりな
る。留分貯留部に貯まった留分は30mlを越えると、
オートクレーブへとオーバーフローして戻るようになっ
ている。触媒は、Ni(22wt%)、Pd(2wt%)に
て含浸担持した珪酸を用いた。オートクレーブ内に原料
として、無水コハク酸 7. 0g、テトラグライム 2
8. 0g、1,2−ジメトキシエタン10. 0g、触媒
0. 7gを入れた。また留分貯留部に1,2−ジメト
キシエタンを 20. 0gを仕込んだ。各装置を接続し
た後にオートクレーブを加熱し、内温が180℃になっ
たところで水素蓄圧器より水素を、内圧が常に10kg/c
m2G と成るように供給し、流量調節機により、5ml/min
にて気体を流出させた。6時間反応を行った後、水素供
給を停止し、オートクレーブを風冷することにより反応
を停止した。反応液は触媒をろ別した後にガスクロマト
グラフィーにて成分を分析した。反応結果を表1に示し
た。
【0021】
【表1】
【0022】
【発明の効果】共沸溶媒の使用により、従来より低圧力
にて、かつ良収率でγ−ブチロラクトンを得ることがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を行う反応装置概略の例示である。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ジカルボン酸、またはその酸無水物を原
    料として液相反応にてγ−ブチロラクトンを製造するに
    際して、水と共沸し、かつ水と常温にて2層分離する溶
    剤を共沸溶媒として使用し、水を反応系より共沸蒸留に
    より除去しつつ水素添加反応を行う製造法。
  2. 【請求項2】 マレイン酸、無水マレイン酸、コハク酸
    または無水コハク酸を原料とする、請求項1記載の方
    法。
  3. 【請求項3】 常圧〜50kg/cm2Gの反応圧力にて行
    う、請求項1記載の方法。
  4. 【請求項4】 100〜300℃の反応温度にて行う、
    請求項1記載の方法。
  5. 【請求項5】 ベンゼン、トルエン、ヘキサン、オクタ
    ン、エチルベンゼンより選ばれる少なくとも一つを共沸
    溶媒として使用する事よりなる、請求項1記載の方法。
JP19204695A 1995-07-27 1995-07-27 γ−ブチロラクトンの製造法 Pending JPH0940658A (ja)

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