JPH0940560A

JPH0940560A - ステロイド外用剤

Info

Publication number: JPH0940560A
Application number: JP7189624A
Authority: JP
Inventors: Kimiko Sugita; 喜美子杉田; Shigeo Tanaka; 重男田中; Fumio Urushizaki; 文男漆崎
Original assignee: Taisho Pharmaceutical Co Ltd
Current assignee: Taisho Pharmaceutical Co Ltd
Priority date: 1995-07-26
Filing date: 1995-07-26
Publication date: 1997-02-10

Abstract

(57)【要約】【目的】主婦性湿疹に代表される乾燥性皮膚疾患、炎症
性皮膚疾患に対して優れた治癒効果を有するステロイド
外用剤を提供する。【構成】ヘパリン類似物質およびグリセリンを含有す
る、酪酸プロピオン酸ヒドロコルチゾン含有皮膚外用剤
である。より好ましくは、ヘパリン類似物質を０．１〜
０．３重量％、グリセリンを５〜２０重量％含んでな
る、酪酸プロピオン酸ヒドロコルチゾン含有皮膚外用剤
である。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、主婦性湿疹に代表され
る乾燥性皮膚疾患、炎症性皮膚疾患に対して優れた治癒
効果を有するステロイド外用剤に関する。

【０００２】

【従来の技術】炎症性疾患に対するステロイド外用剤の
使用の歴史は古く、炎症性疾患の病態に応じた多様なス
テロイド系化合物の開発がなされてきた。一方で、皮膚
外用剤へのステロイド剤の利用に関しては、基剤や補助
剤、配合薬の工夫等の製剤的な改良が中心に行われてき
た。その結果、ステロイド剤の持つ副作用が低減された
製剤、使用時のほてり感を抑制した製剤など、多くの製
剤が生み出されている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】皮膚上の炎症性疾患に
対しては、ステロイド外用剤に対して保湿剤の配合が有
効であることが知られている。従来より多用される保湿
剤としてはグリセリン、ヒアルロン酸、尿素、ソルビト
−ルなどが用いられてきた。しかしながら、これらの保
湿力は、特に主婦性湿疹やアトピ−性皮膚炎などの乾燥
性皮膚疾患に対しては、未だ十分なものであるとは言え
ない。またヒアルロン酸等の一部の保湿剤は、特開平６
−１２８１５９号公報に示されるようにステロイドの吸
収を高める結果、ステロイドの副作用が発生し易くなる
などの問題も内包している。従って副作用の少ない保湿
性に富んだ、乾燥性皮膚疾患にも有効な外用剤の開発が
望まれていた。

【０００４】

【課題を解決するための手段】本発明者らは、保湿性に
優れた乾燥性皮膚疾患に著効を示すステロイド外用剤を
鋭意研究し、本発明を完成するにいたった。即ち本発明
は、ヘパリン類似物質およびグリセリンを含有してなる
酪酸プロピオン酸ヒドロコルチゾン含有皮膚外用剤に関
する。

【０００５】またより好ましくは、ヘパリン類似物質を
０．１〜０．３重量％、グリセリンを５〜２０重量％含
んでなる、酪酸プロピオン酸ヒドロコルチゾン含有皮膚
外用剤である。

【０００６】グリセリンならびにヘパリン類似物質は、
ともに保湿剤として皮膚外用剤への配合例が知られてい
る物質である。本発明者らは、酪酸プロピオン酸ヒドロ
コルチゾン含有の皮膚外用剤に対してグリセリンとヘパ
リン類似物質を保湿剤として併用すると、グリセリンま
たはヘパリン類似物質それぞれ単独と酪酸プロピオン酸
ヒドロコルチゾンとを配合した外用剤より、特に主婦性
湿疹に対して極めて優れた効果を奏することを見いだし
た。

【０００７】本発明におけるグリセリンとヘパリン類似
物質の配合量は、両者の併用による相乗効果を発揮させ
るためには、少なくともヘパリン類似物質の含有量を
０．１重量％以上、並びにグリセリンの含有量を５重量
％以上とする必要がある。上記の各成分の含有量を下回
った併用では、グリセリンとヘパリン類似物質の主婦性
湿疹に対する相乗効果が弱まる傾向にある。また、各々
の使用最大量については、ヘパリン類似物質が０．３重
量％、グリセリンが２０％程度含まれていれば充分であ
り、特にこれ以上の量を使用する必要性はない。

【０００８】本発明の外用剤は、上記の含有量のグリセ
リンとヘパリン類似物質、酪酸プロピオン酸ヒドロコル
チゾンを常用の外用剤用基剤に配合することで調製する
ことができる。

【０００９】本発明に利用可能な外用剤の形態として
は、例えば油性軟膏、クリ−ム、乳液、ロ−ション、水
性ゲル、ゲルクリ−ムなどが挙げられる。

【００１０】また、本発明における酪酸プロピオン酸ヒ
ドロコルチゾン含有外用剤には、必要に応じて以下に挙
げる種々の配合薬を加えることが出来る。

【００１１】抗ヒスタミン剤ジフェンヒドラミン、塩酸ジフェンヒドラミン、マレイ
ン酸クロルフェニラミン、塩酸イソチペンジル局部麻酔剤リドカイン、ジブカインまたはこれらの塩酸塩非ステロイド性抗炎症剤グリチルレチン酸、グリチルリチン酸またはその誘導
体、アラントイン殺菌剤塩酸クロルヘキシジン、塩化ベンザルコニウム、塩化ベ
ンゼトニウム、塩化デカリニウムビタミン類酢酸トコフェロ−ル、トコフェロ−ル、コレカルシフェ
ロ−ル、ビタミンＡ

【００１２】

【発明の効果】本発明の皮膚外用剤は、グリセリンとヘ
パリン類似物質という２種の保湿剤を併用することによ
り、後述の試験例に示すごとく、特に主婦性湿疹に対し
て従来の外用剤に比べ顕著な治癒効果を有している。

【００１３】

【実施例】以下、実施例をあげて更に本発明を詳述す
る。

【００１４】（実施例１）下記の組成の軟膏を、常法、
例えば第１２改正日本薬局方解説書に記載されている方
法、により調製した。

【００１５】酪酸プロピオン酸ヒドロコルチゾン０．０５重量％ステアリルアルコ−ル４スクワラン８ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレ−ト４ソルビタンモノステアレ−ト３ヘパリン類似物質０．３グリセリン１０精製水７０．６（実施例２）下記の組成のロ−ションを、常法、例えば
第１２改正日本薬局方解説書に記載されている方法、に
より調製した。

【００１６】酪酸プロピオン酸ヒドロコルチゾン０．０５重量％ヘパリン類似物質０．３グリセリン１０エタノ−ル１０プロピレングリコ−ル１０カルボキシビニルポリマ− ０．４水酸化カリウム適量精製水で全量を１００とした。

【００１７】（実施例３）下記の組成の油性軟膏を、常
法、例えば第１２改正日本薬局方解説書に記載されてい
る方法、により調製した。

【００１８】酪酸プロピオン酸ヒドロコルチゾン０．０５重量％ヘパリン類似物質０．３グリセリン５精製水２流動重質パラフィン２０固形パラフィン７ソルビタンモノステアレ−ト２．０ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレ−ト０．３白色ワセリンで全量を１００とした。

【００１９】（試験例１）実施例１に従って調製した外
用剤に対して、実施例１の組成の外用剤からグリセリン
を除いた比較用の外用剤Ａ、同様にヘパリン類似物質を
除いた比較用の外用剤Ｂを、それぞれ調製した。

【００２０】実施例１の外用剤、上記外用剤Ａ及び外用
剤Ｂの、３種の外用剤について、それぞれ１０名、計３
０名の主婦性湿疹患者の協力を得て治癒効果の比較検討
を行った。各外用剤を患者の湿疹部に１日１回〜数回、
４週間に渡って塗布した後の症状の改善の程度を表１に
まとめた。

【００２１】本発明による外用剤は、外用剤Ａまたは外
用剤Ｂに対して、顕著な治癒効果を有していることが判
る。

【００２２】

【表１】

フロントページの続き (51)Int.Cl.⁶ 識別記号庁内整理番号ＦＩ技術表示箇所Ａ６１Ｋ 47/10 Ａ６１Ｋ 47/10 Ｎ 47/36 47/36 ＮＺ

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】ヘパリン類似物質およびグリセリンを含
有してなる酪酸プロピオン酸ヒドロコルチゾン含有皮膚
外用剤。
【請求項２】ヘパリン類似物質の含有量が０．１〜
０．３重量％、グリセリンの含有量が５〜２０重量％で
ある、請求項１に記載の酪酸プロピオン酸ヒドロコルチ
ゾン含有皮膚外用剤。