JPH0939230A - インクジェット記録装置 - Google Patents

インクジェット記録装置

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Publication number
JPH0939230A
JPH0939230A JP18893795A JP18893795A JPH0939230A JP H0939230 A JPH0939230 A JP H0939230A JP 18893795 A JP18893795 A JP 18893795A JP 18893795 A JP18893795 A JP 18893795A JP H0939230 A JPH0939230 A JP H0939230A
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JP
Japan
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ink
partition wall
substrate
electrode
partition
Prior art date
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Pending
Application number
JP18893795A
Other languages
English (en)
Inventor
Kenji Masaki
賢治 正木
Hideo Yasutomi
英雄 保富
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Minolta Co Ltd
Original Assignee
Minolta Co Ltd
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Filing date
Publication date
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Publication of JPH0939230A publication Critical patent/JPH0939230A/ja
Pending legal-status Critical Current

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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B41PRINTING; LINING MACHINES; TYPEWRITERS; STAMPS
    • B41JTYPEWRITERS; SELECTIVE PRINTING MECHANISMS, i.e. MECHANISMS PRINTING OTHERWISE THAN FROM A FORME; CORRECTION OF TYPOGRAPHICAL ERRORS
    • B41J2202/00Embodiments of or processes related to ink-jet or thermal heads
    • B41J2202/01Embodiments of or processes related to ink-jet heads
    • B41J2202/10Finger type piezoelectric elements

Abstract

(57)【要約】 【課題】 各インク室が互いに影響し合うことなく、そ
れぞれ独立してインク噴射を行せるとともに、1つのイ
ンク室に変形可能な2つの隔壁部を備えることで低電圧
駆動と階調表現を可能にする。 【解決手段】 本発明のインクジェット記録装置は、圧
電体からなる複数の隔壁部17、19をそれぞれ立設し
た第1の基板15と第2の基板16とを備え、隔壁部1
7が隔壁部19にインク室21の幅より狭い間隙20を
隔てて近接するように上記2つの基板15、16を互い
にはめ合わせて接合し、各隔壁部17、19に挟まれた
上記間隙20以外の空間領域をインク室21としてい
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、画像信号に応じて
インク滴を噴射して、紙等の記録媒体に記録するインク
ジェット記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、複数のインク室に圧電体をそ
れぞれ配置し、この圧電体に画像信号に応じて電圧を印
加して変形させることにより、インク室に充填されたイ
ンクを加圧してノズルより噴射するインクジェットヘッ
ドがプリンタなどの記録装置に用いられている。
【0003】上記インクジェットヘッドとして、例え
ば、特開平4−353457号公報に図9に示すものが
開示されている。このインクジェットヘッド90は、圧
電セラミック板に一定幅の複数の溝部92を形成するこ
とによって複数の壁93を所定ピッチで立設した2つの
圧電トランスデューサ95、96を、一方の圧電トラン
スデューサ95の壁93が他方の圧電トランスデューサ
96の壁93、93の間に位置するように互いにはめ合
わせ、上記壁93の先端面を対向する溝部92の底面に
接合して構成され、各壁93に挟まれた領域にインク流
路91が形成されている。また、上記各壁93は、イン
ク流路91に臨む両側面に電極97、98が形成され、
かつ矢印a方向にそれぞれ分極処理されている。
【0004】上記構成からなるインクジェットヘッド9
0において、中央のインク流路91に連通するノズル
(図示せず。)からインクを噴射させる場合、そのイン
ク流路91の両側の壁93、93に、両側面の電極9
7、98を介して電圧をそれぞれ印加し、分極方向と直
交する方向に電界を形成する。これにより、各壁93、
93は、図9中破線で示すように、いわゆるすべりモー
ドによってインク流路91の内側に瞬時に変形する。こ
の変形によってインク流路91の容積が減少し、その内
部のインクが加圧されてノズルから噴射される。
【0005】また、特開平5−77419号公報には、
図10に示すインクジェットヘッド100が開示されて
いる。このインクジェットヘッド100も上記インクジ
ェットヘッド90と同様に、複数の壁93がインク流路
91の幅より大きい所定ピッチで立設された圧電トラン
スデューサ96を備えている。また、この圧電トランス
デューサ96の壁93も、その両側面に電極97、98
が形成され、矢印a方向に分極処理がなされており、そ
の先端面において対向するカバー部材101に接合され
ている。このカバー部材101も、上記圧電トランスデ
ューサ96の壁93に対向してインク流路91の側壁を
形成する複数の壁102を有しているが、上記インクジ
ェットヘッド90とは異なり、このカバー部材101は
非圧電材料で形成されている。
【0006】上記構成からなるインクジェットへッド1
00において、インク流路91に形成したノズル(図示
せず。)からインクを噴射する場合、インク流路91の
一方の壁面を形成する圧電トランスデューサ96の壁9
3に、上記電極97、98を介して電圧を印加して、分
極方向と直交する方向に電界を形成すると、この壁93
はすべりモードによって図10中破線で示すように瞬時
に変形する。この変形によってインク流路91内のイン
クが加圧されて、ノズルより噴射されるようになってい
る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記イ
ンクジェットヘッド90では、各壁93の両側にインク
流路91が形成され、インク噴射に際してはインク流路
91の両側の壁93,93をインク流路91の内側に変
形させるため、このインク流路91に隣り合うインク流
路91a,91bでは容積が増加して内部に負圧が生じ
ることになり、これらのインク流路91a,91bから
はインクを噴射することができない。このため、配列さ
れたインク流路のうち1つおきのインク流路からしかイ
ンク噴射を同時に行えず、印字速度の低下、駆動制御の
複雑化を招くという問題がある。
【0008】一方、上記インクジェットヘッド100で
は、非圧電材料からなるカバー部材101の壁102に
よって各インク流路91が隔てられているため、ある1
つのインク流路91からのインク噴射が隣接するインク
流路91に影響することはなく、各インク流路ごとに独
立してインク噴射を行うことができる。しかし、インク
噴射時のインクへの加圧は、インク流路91の一壁を形
成する圧電トランスデューサ96の1つの壁93の変形
によってなされる。このため、インク流路91の両側壁
を変形させてインクを加圧する場合に比べて、低電圧で
駆動したり、あるいは、インクの加圧力を段階的に制御
して噴射されるインク量を調節することにより画像に階
調性をもたせたりするには不利である。
【0009】そこで、本発明は上記問題点を解決するた
めになされたもので、その目的は各インク室ごとに独立
してインクを噴射することができとともに、低電圧駆動
や階調表現も可能なインクジェット記録装置を提供する
ことにある。
【0010】
【課題を解決するための手段及びその効果】上記目的達
成のため第1発明は、複数のインク室に圧電体をそれぞ
れ配置し、この圧電体に画像信号に応じて電圧を印加し
て変形させることにより、インク室に充填されたインク
を加圧してノズルから噴射するインクジェット記録装置
であって、圧電体からなる複数の隔壁部を一定間隔をお
いてそれぞれ立設した第1の基板と第2の基板とを備
え、第1の基板の隔壁部が第2の基板の隔壁部に狭い間
隙を隔てて近接するように上記2つの基板を互いにはめ
合わせて接合し、各隔壁部に挟まれた上記間隙以外の空
間領域を上記インク室としたことを特徴とする(請求項
1)。
【0011】この第1発明のインクジェット記録装置に
よれば、インク流路の両側壁を形成する第1の基板の隔
壁部および第2の基板の隔壁部に画像信号に応じて電圧
を印加すると、各隔壁部は圧電効果によりインク室の内
側に向かって瞬時に変形する。この変形によってインク
室に充填されたインクが加圧され、ノズルから噴射され
る。この場合、インクが噴射されるインク室と、このイ
ンク室と隣合うインク室とは、第1の基板の隔壁部と第
2の基板の隔壁部との間に形成される狭い間隙によって
隔てられているので、ある1つのインク室におけるイン
ク噴射が隣合うインク室に影響することはない。したが
って、各インク室ごとに独立してインク噴射を行うこと
ができ、その結果、印字速度の低下や駆動制御の複雑化
を招くことがない。
【0012】また、インク室の両側の壁が圧電体からな
る隔壁部で形成されている。このため、これら2つの隔
壁部を同時に変形させてインクを噴射させる場合には、
インク室の一方の壁のみを圧電体で形成した場合に比べ
て低電圧駆動が可能になる。また、上記2つの隔壁部の
うち一方の隔壁部を選択的に変形させてインクを噴射す
る場合には、2つの隔壁部を同時に変形させたときより
も噴射されるインク量が少なくなるので、記録される画
像について階調表現が可能になる。
【0013】第2発明のインクジェット記録装置は、上
記第1発明のインクジェット記録装置において、上記隔
壁部のインク室に臨む側面の一部分に第1の電極を設け
るとともに、上記隔壁部の上記隙間に臨む側面に第2の
電極を設け、上記第1の電極への電圧印加により形成さ
れる電界方向と直交する方向に上記隔壁部を分極処理し
たことを特徴とする(請求項2)。
【0014】この第2発明のインクジェット記録装置で
は、上記第1電圧に電圧を印加すると隔壁部はすべりモ
ードで変形するが、その変形部分は第1電極を設けた隔
壁部の一部分だけである。このようにすれば、隔壁部側
面の全面に第1の電極を設けて同一電圧を印加する場合
に比べ、ドライバーの電流容量が小さくて済み、ドライ
バーコストを安くできる。
【0015】第3発明のインクジェット記録装置は、上
記第1発明のインクジェット記録装置において、上記隔
壁部のインク室に臨む側面に第1の電極を設け、上記間
隙に導電性剛体を収容し、この導電性剛体を介して上記
第1の基板の隔壁部と第2の基板の隔壁部とを固定し、
上記第1の電極への電圧印加により形成される電界方向
と平行な方向に上記隔壁部を分極処理したことを特徴と
する(請求項3)。
【0016】この第3発明のインクジェット記録装置で
は、上記第1の電極に電圧を印加すると隔壁部は厚みモ
ードで変形してインク室を加圧するが、上記間隙に収容
した導電性剛体により第1の基板の隔壁部と第2の基板
の隔壁部とを固定すれば、隔壁部の上記導電性剛体に向
かう方向への変形が拘束されるため、隔壁部の厚み方向
の変形をインク室により有効に作用させることができ
る。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て添付図面を参照して説明する。図1は第1の実施形態
であるインクジェット記録装置1の全体構成を概略的に
示したものである。このインクジェット記録装置1は大
別して、コネクタ2aを備えた電源部2と、駆動系3
と、メカコントローラ4と、メモリ5と、コントローラ
6と、インク供給部7と、スキャンキャリッジ8と、給
紙部9と、ケース10と、操作パネル11とから構成さ
れている。上記スキャンキャリッジ8は通紙方向(矢印
a方向)に直交する方向(図1において紙面に垂直な方
向)にスキャン可能になっており、その内部にはブラッ
ク、シアン、マゼンタおよびイエロの各色用に4つのイ
ンクジェットヘッド12が通紙方向に沿い、かつインク
吐出ノズルを下方に向けて配置されている。
【0018】上記インクジェットヘッド12は、図2に
示すように、下基板15と上基板16とを備えている。
上記下基板15は、例えばPZT(チタン酸ジルコン酸
鉛)からなる圧電体で形成され、複数の隔壁部17が所
定の間隔をおいて立設されている。これらの隔壁部17
は、圧電プレートにダイシングソーなどにより複数の溝
部18を切削加工することによって形成される。一方、
上記上基板16も圧電体からなり、下基板15とほぼ同
様の形状を有している。すなわち、上記隔壁部17と同
一間隔をもって複数の隔壁部19が立設されている。
【0019】上記下基板15と上基板16とは、図3に
示すように上下方向から互いにはめ合わされ、接着等の
方法で接合される。この接合は、図2に示すように、そ
れぞれの隔壁部17、19が狭い間隙20を隔てて近接
するようになされ、上記各隔壁部17、19に挟まれて
形成される上記間隙20以外の空間領域にインク室21
が形成される。ここで、このインク室21の幅(長方形
断面の短辺の長さ)に対して、隔壁部17、19の形成
間隔はこれよりも当然に広く、上記間隙20の幅はこれ
よりも狭いことは図2に示す通りである。なお、下基板
15と上基板16との接合において、上記隔壁部17、
19の先端面を、これに対向する溝部底面に公知のエポ
キシ系接着剤などを用いて接着すれば、インクジェット
ヘッド12の構造的強度が大きくなり好ましいが、この
場合の接着剤は電圧が印加されたときの隔壁部17、1
9の変形を拘束しないように柔軟性を有することが望ま
れる。
【0020】上記隔壁部17の上部および隔壁部19の
下部には、インク室21に臨む側面に第1電極22が、
また、上記間隙20に臨む側面に第2電極23がそれぞ
れ設けてある。これらの電極22、23は、スパッタリ
ングやメッキ法などによってAu/(Ni,Cr)膜を
付着させることで形成される。このように、上記間隙2
0に臨む隔壁部17の第2電極23と隔壁部19の第2
電極23とは、互いに接触しないように上下方向にずれ
た位置に形成してあるので、互いに近接する隔壁部1
7、19に各第2電極23を介して別個に電圧を印加す
ることもできる。また、隔壁部17、19は、上記電極
22、23に電圧が印加されることにより形成される電
界方向と直交する方向、より具体的には図2において矢
印で示すように、その先端面から連結部に向かう方向
(あるいは、それとは逆に連結部から先端面に向かう方
向でもよい。)に分極処理されている。
【0021】上記各基板15、16の表面には、少なく
ともインクと直接接触する可能性がある部分について絶
縁性のオーバコート処理を施しておく。これにより、電
極22、23の耐久性が向上するとともに、隔壁部1
7、19にインクが浸透することにより低抵抗化し、実
効電圧がかからなくなって変形量が低下する不都合を防
止できる。このオーバコート処理は、樹脂を塗布または
スプレーする、無機物をスパッタリングやCVDで付着
させるなどの方法で行う。
【0022】上記のように接合された下基板15および
上基板16の一端部に、図3に示すように、例えばポリ
イミドフィルムからなるノズルプレート25が接合され
る。このノズルプレート25には、例えばエキシマレー
ザなどによって複数のノズル穴25aが上記各インク室
21に対応して形成され、その形成ピッチは画素密度1
00〜600dpiに応じて42.3〜254μmに設
定される。なお、上記ノズル穴25aを、その断面積が
インク室21側で大きく、外側で小さくなるようにテー
パ状に形成してもよく、ノズル穴25の表面およびその
周辺をインクの性質に応じて撥インク処理あるいは親イ
ンク処理してもよい。このようにすれば、ノズル穴25
aとその近傍におけるインクの流れが円滑になり、イン
ク噴射安定性が向上するとともに、その方向性が安定す
る効果がある。
【0023】上記上基板16の上面には複数のインク供
給口16aが形成され、これらインク供給口16が各イ
ンク室21にそれぞれ連通している。また、インク供給
口16aを覆うようにしてインクマニホールド26が接
合され、その端部にインクチューブ26aが突設されて
いる。
【0024】図4に示すように、バックプレート27が
下基板15と上基板16との接合体の他端部に接着固定
される。そして、上記下基板15、下基板16、ノズル
プレート25およびインクマニホールド26の接合体は
支持板27に接着固定されている。上記バックプレート
27には配線穴27aが形成されている。この配線穴2
7aは、各インク室21に共通する細長い開口部でもよ
いし、各電極22、23ごとに対応するように複数形成
されたものでもよい。この配線穴27aを介して、一端
が上記隔壁部17、19の第1電極22または第2電極
23に接続された導線29がインク室21の外部に導か
れ、その他端がフレキシブル配線30に接続されてい
る。これにより、上記第1電極22、第2電極23は図
示しないドライバーICを介してコントローラ6に電気
的に接続され、第2電極23はアースに接続される一
方、第1電極22には画像信号に応じて電圧が印加され
るようになっている。なお、バックプレート27の後部
には樹脂モールド31が施してあり、上記配線穴27a
が封止されている。
【0025】続いて、上記構成からなるインクジェット
ヘッド12にインク噴射動作について説明する。インク
は、インク供給部7(図1参照)からインクマニホール
ド26に供給され、インク供給口16aを介してインク
室21に充填される。コントローラ6によって、画像信
号に応じて図5(a)に示すようなパルス電圧が隔壁部
17、19の第1電極22に印加されると、その電極形
成部分の内部には分極方向と直交する方向に電界が形成
され、各隔壁部17、19はいわゆるすべりモード(シ
ェアモード)により変形することになる。
【0026】図6に示す中央のインク室21aからイン
クを噴射させる場合、そのインク室21aの両側の壁を
形成する隔壁部17a、19aに同時に電圧を印加す
る。このとき、隔壁部17a、19aは、図6に示すよ
うに、その電極形成部分がインク室21aの内側に湾曲
するように瞬時に変形する。この変形によってインク室
21aの容積が急激に減少し、内部に充填されたインク
が瞬間的に加圧される。これにより、加圧されたインク
がノズル穴25aから液滴状となって噴射され、図示し
ない記録紙上に付着する。この際、隣り合うインク室2
1b、21cは、間隙20a、20bの存在によって、
上記インク室21aとは隔てられているため、インク室
21aのインク噴射動作に何ら影響されない。
【0027】このことは各インク室21a、21b、2
1cから同時にインクを噴射する場合についても言え
る。すなわち、インク室21bの隔壁部17b、19
b、およびインク室21cの隔壁部17c、19cがそ
れぞれ各インク室21b、21cの内側に向かって変形
しても、上記間隙20a、20bの存在によって、各イ
ンク室21a、21b、21cのインク噴射動作が相互
に影響し合うことはない。したがって、各インク室ごと
に独立してインク噴射を行うことができる。
【0028】また、上記インク噴射時にはインク室21
の両側の隔壁部17、19を同時に変形させたが、各隔
壁部17、19には個別に電圧印加できるようにしてあ
るため、いずれか一方にのみ電圧を印加して変形させる
ことにより、インクを噴射することも可能である。この
場合には、インクの加圧力がほぼ半減して噴射されるイ
ンク滴も小さくなるので、これにより階調表現が可能に
なる。
【0029】上記のようにしてインク噴射を行った後、
隔壁部17、19への電圧印加が解除されて電界が消滅
すると、上記電極形成部分は元の形状に復元する。この
とき、インク室21の容積が増加するのに伴って内部に
負圧が生じ、これにより、インクマニホールド26から
インク供給口16aを介してインクが補給され、次のイ
ンク噴射の準備ができる。
【0030】ただし、インク補給時に、図5(a)に示
すように電圧を瞬時にオフして隔壁部17、19の弾性
に基づき復元させると、インク室21内のインクの揺れ
やノズル穴25aからの気泡の吸い込みを生じるおそれ
がある。このため、図5(b)に示すように、立ち下げ
部に傾斜をもたせたパルス電圧を印加して、隔壁部1
7、19がややゆっくりと復元するようにすれば、上記
不都合を緩和することができる。
【0031】また、図5(c)に示すパルス電圧を印加
すれば、電圧を急激に立ち下げることにより小径のイン
ク滴を得ることができ、これに対して、図5(d)に示
すパルス電圧によればメインパルスのダイナミックレン
ジを大きくとることで大径のインク滴を得ることができ
る。なお、図5(e)のパルス電圧によれば、図5
(b)、(d)を組み合わせた効果が得られる。
【0032】また、図5(f)、(g)のパルス電圧に
よれば、電圧を変化させずに電力の実効値を下げること
ができ、省エネルギ化が図れる。さらに、図5(h)の
パルス電圧によれば、バイアスをかけた状態でメインパ
ルスを印加することで各インク室間におけるバラツキを
少なくすることができる。さらにまた、図5(i)に示
すパルス電圧を印加すれば、許容電圧を越えるオーバシ
ュートパルスを設けることで隔壁部の変形の立ち上がり
を速くすることができる。
【0033】上記のようなインク噴射動作が画像信号に
応じて各インク室21ごとに独立して行われ、スキャン
キャリッジ8の移動によってノズル数に相当するライン
分の画像が描かれ、これが記録紙の通紙方向への移動に
同期して繰り返されることで、記録紙上に画像が描かれ
る。
【0034】以上に説明したように第1の実施形態によ
れば、各インク室21が近接する隔壁部17、19間に
形成される狭い間隙20によって隔てられており、互い
のインク噴射動作が影響し合わないようになっているの
で、各インク室21ごとに独立してインク噴射を行うこ
とができる。したがって、配列されたインク室21のう
ちから1つおきにインク室を選択してインクを噴射させ
る制御を行う必要がなく、印字速度の低下や駆動制御の
複雑化を招くこともない。
【0035】また、1つのインク室21の両側の隔壁部
17、19を圧電体で形成し、各隔壁部17、19を同
時に変形させてインクを噴射する構成としているので、
インク室21の一方の壁のみが圧電体で形成されている
従来例に比べて、同程度のインク噴射を行うにも低電圧
で駆動することができる。
【0036】さらに、隔壁部17、19に形成した第1
電極22および第2電極23を、その側面について全面
にではなく一部分(上部でもよいし、下部でもよい。)
に設け、その電極形成部分だけを変形させるようにして
いるので、側面全面に電極を形成して同一電圧を印加す
る場合に比べ、ドライバーの電流容量が小さくて済み、
ドライバーコストを安価にできる。
【0037】なお、隔壁部17、19の一部分の変形で
インク噴射に必要な加圧力を十分に得ることができ、何
ら支障はない。また、上記隔壁部17、19に第2電極
23を形成することなく、上記間隙20に例えば導電性
ゴムなどの柔軟性をもった導電体を充填し、この導電体
を共通の第2電極としてアースに接続する構成とすれ
ば、配線数が半減し実装を簡略化できる。
【0038】次に、本発明の第2の実施形態について図
7を参照して説明するが、特記する事項以外は上記第1
の実施形態と同様である。第2の実施形態であるインク
ジェットヘッド34も隔壁部37を有する下基板35
と、隔壁部39を有する上基板36とが接合され、各隔
壁部37、39の間に間隙40とインク室41が形成さ
れている。
【0039】ただし、本実施形態では、隔壁部37、3
9に設けられた第1電極42がインク室41に臨む側面
全体に形成してある。また、例えばステンレスなどから
なる導電性剛体43を共通の第2電極として上記間隙4
0に収容し、この導電性剛体43と隔壁部37、39を
接着するとともに、隔壁部37、39の先端面とこれに
対向する基板35、36の溝部底面とを接着している。
これにより、隔壁部37、39が上記導電性剛体43を
介して互いに固定され、導電性剛体43との接触面が実
質的に変位しないようになっている。さらに、隔壁部3
7、39は、上記第1電極42への電圧印加により形成
される電界方向と平行な方向、より具体的には、図7中
矢印で示すように第1電極42から導電性剛体43に向
かう方向(あるいは、これとは逆に導電性剛体43から
第1電極42に向かう方向であってもよい。)に分極処
理されている。
【0040】上記構成からなるインクジェットヘッド3
4において、コントローラ6により画像信号に応じてパ
ルス電圧を印加すると、隔壁部37、39の内部には分
極方向と平行な方向に電界が形成され、いわゆる厚みモ
ードで変形する。すなわち、隔壁部37、39は、電圧
オン時には図7中破線で示すように、その厚み方向(図
7における左右方向)に膨張変形するとともに、高さ方
向(図7における上下方向)に僅かに収縮変形する。こ
の際、隔壁37、39の上記導電性剛体43に向かう方
向への変形は拘束されるため、隔壁部37、39の厚み
方向の変形は第1電極42形成面側に発生し、インク室
41の内側に向かってインク室41の容積を減じる方向
に作用する。これにより、インク室41内のインクが加
圧され、ノズル穴25aから噴射される。
【0041】このように、隔壁部37、39を厚みモー
ドで変形させてインクを噴射させる場合、隔壁部37、
39を固定して上記間隙40に臨む側面の変形を拘束す
れば、隔壁部37、39の変形をより有効にインク室4
1に作用させることできる。また、厚みモードによる本
実施形態によれば、隔壁部37、39の変形の発生力が
すべりモードによる場合よりも強く、より安定したイン
ク噴射を得ることができる。
【0042】なお、上記2つの実施形態に関し、図8に
示すように、インク供給口16aのインク室21、41
側に例えば金属、樹脂、ゴム等からなる弾力性を有する
フィルム状の逆止弁45を設け、インク加圧時にのみイ
ンク供給口16aが閉鎖されるようにすれば、インク加
圧力がインクマニホールド26に逃げるのを防止でき、
インク噴射効率が向上する。その結果、低電圧駆動化や
インク滴径の安定化が可能になる。また、上記隔壁部1
7、19、37、39を複数の圧電層を積層した積層型
圧電体で形成すれば、同一電圧であっても単層の場合に
比べて積層数に応じて大きな実効変位を得ることができ
るので、低電圧駆動が可能になる。さらに、インクの温
度による粘度変化の影響を抑えるため、ヘッド近傍に温
度制御部を配置してもよい。この温度制御機として公知
の抵抗型ヒータやペルチェ素子などが使用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 インクジェット記録装置の概略構成図であ
る。
【図2】 インクジェットヘッドにおけるインク室配列
方向の部分断面図である。
【図3】 インクジェットヘッドの組立構成を示す図で
ある。
【図4】 インクジェットヘッドのインク室に沿う方向
の断面図である。
【図5】 インク室の両側壁を形成する、圧電体からな
る隔壁部に印加するパルス電圧の種々の波形状を示す図
である。
【図6】 インク室の両側壁を形成する隔壁部の変形状
態を示す図である。
【図7】 第2の実施形態にかかるインクジェットヘッ
ドのインク室配列方向の部分断面図である。
【図8】 インク供給口のインク室側に逆止弁を設けた
変形例を示す図である。
【図9】 従来のインクジェットヘッドの一例を示す部
分断面図である。
【図10】 従来のインクジェットヘッドの他の例を示
す部分断面図である。
【符号の説明】
1…インクジェット記録装置、15…下基板(第1の基
板)、16…上基板(第2の基板)、17,19…隔壁
部、20…間隙、21…インク室、25a…ノズル穴
(ノズル)。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数のインク室に圧電体をそれぞれ配置
    し、この圧電体に画像信号に応じて電圧を印加して変形
    させることにより、インク室に充填されたインクを加圧
    してノズルから噴射するインクジェット記録装置におい
    て、 圧電体からなる複数の隔壁部を一定間隔をおいてそれぞ
    れ立設した第1の基板と第2の基板とを備え、第1の基
    板の隔壁部が第2の基板の隔壁部に狭い間隙を隔てて近
    接するように上記2つの基板を互いにはめ合わせて接合
    し、各隔壁部に挟まれて形成される上記間隙以外の空間
    領域をインク室としたことを特徴とするインクジェット
    記録装置。
  2. 【請求項2】 上記隔壁部のインク室に臨む側面の一部
    分に第1の電極を設けるとともに、上記隔壁部の上記間
    隙に臨む側面に第2の電極を設け、上記第1の電極への
    電圧印加により形成される電界方向と直交する方向に上
    記隔壁部を分極処理したことを特徴とする請求項1に記
    載のインクジェット記録装置。
  3. 【請求項3】 上記隔壁部のインク室に臨む側面に第1
    の電極を設け、上記間隙に導電性剛体を収容し、この導
    電性剛体を介して第1の基板の隔壁部と第2の基板の隔
    壁部とを固定し、上記第1の電極への電圧印加により形
    成される電界方向と平行な方向に隔壁部を分極処理した
    ことを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録
    装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2014119773A1 (en) * 2013-02-01 2014-08-07 Canon Kabushiki Kaisha Liquid discharge apparatus and manufacturing method thereof

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