JP2000334946A - インクジェットヘッド及びインクジェット記録装置 - Google Patents

インクジェットヘッド及びインクジェット記録装置

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JP2000334946A
JP2000334946A JP14939799A JP14939799A JP2000334946A JP 2000334946 A JP2000334946 A JP 2000334946A JP 14939799 A JP14939799 A JP 14939799A JP 14939799 A JP14939799 A JP 14939799A JP 2000334946 A JP2000334946 A JP 2000334946A
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liquid chamber
ink jet
diaphragm
width
jet head
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JP14939799A
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Atsushi Takaura
淳 高浦
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Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Ricoh Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 構造的クロストークが低減を簡易な構成で行
うことができない。 【解決手段】 振動板3を樹脂フィルム4とSUS材5
の積層体とし、樹脂フィルム4の厚さTは液室12の短
手方向幅Wに対し、略0.035*W<T<0.065
*Wの範囲内にある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はインクジェットヘッド及
びインクジェット記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】プリンタ、ファクシミリ、複写装置、プ
ロッタ等の画像記録装置(画像形成装置を含む意味。)
に用いるインクジェット記録装置に用いるインクジェッ
トヘッドは、インク滴を吐出するノズルと、このノズル
が連通する液室(圧力室、加圧液室、吐出室、インク流
路等とも称される。)と、この液室内のインクを加圧す
るエネルギーを発生するアクチュエータ手段(エネルギ
ー発生手段)とを備えて、アクチュエータ手段を駆動す
ることで吐出室内インクを加圧してノズルからインク滴
を吐出させるものであり、記録の必要なときにのみイン
ク滴を吐出するインク・オン・デマンド方式のものが主
流である。
【0003】そして、インク滴(記録液体)を吐出させ
るためのアクチュエータ手段の種類により、幾つかの方
式に大別される。例えば、圧電素子などの電気機械変換
素子を用いたピエゾ型インクジェットヘッドとしては、
特公平7−57545号公報に記載されているように、
D33型の圧電素子の積層体(積層型圧電素子)を用い
て振動板を介してインク液室を加圧するようにしたも
の、特開平9−300610号公報に記載されているよ
うに、D31型圧電素子とD33型圧電素子とを併用し
てD33型圧電素子の歪エネルギーの振動板への伝達効
率を向上させようとするもの、特開平6−312505
号公報や特開平7−178902号公報に記載されてい
るように、D31型圧電素子を用いて振動板を介してイ
ンク液室を加圧するようにしたものなどが知られてい
る。
【0004】また、振動板と電極を用いる静電型のイン
クジェットヘッドとしては、例えば特開平2−2893
51号公報に記載されているように、Siからなる液室
の一部を形成する振動板と、この振動板に対向して配置
された液室外の電極とを備え、振動板と電極との間に電
界を印加することで発生する静電力により振動板を変形
させて、液室内の圧力/体積を変化させることによりノ
ズルからインク滴を吐出させるものが知られている。
【0005】ところで、インクジェットヘッドに対する
高密度、高精細化による高画質化の要求に対応するた
め、ノズルの配列ピッチを狭くする狭ピッチ化が必要に
なっている。ところが、インクジェットヘッドにおいて
は、チャンネル間のクロストーク(相互干渉)、即ち、
1つの液室を加圧してインク滴を吐出させたときに隣接
する液室に対しても加圧力が伝搬して隣接する液室から
吐出されるインク滴に影響を与えるという問題がある。
【0006】特に狭ピッチ化によって液室間隔が狭まる
につれて、隣接するチャネル間の構造的なクロストーク
の他、これに付随して発生する音響的なクロストークの
影響が大きくなり、吐出特性(噴射特性)の安定性が低
下し、液滴量の減少や吐出速度の低下、チャンネル間で
のインク滴のバラツキなどが生じる。
【0007】そこで、ヘッド筐体部の構造的なクロスト
ークを回避するものとして、例えば、ヘッドのチャンネ
ル(ノズル)を千鳥状に配置することで、ノズル間隔を
狭めるとともに、隣接するチヤネル間隔が狭くならない
ようにすることが知られている。しかしながら、この構
成ではチャンネルを千鳥状に配列することからヘッド面
積が大きくなることが避けられない。
【0008】そこで、例えば、特開平9−17483
6号公報に開示されているように、離間して構成された
圧電素子に接合される振動板を厚肉部と薄肉部より構成
し、各液室間には薄肉部が、液室部には厚肉部を配置
し、これによって任意の液室を駆動する際に、隣接する
液室の振動板の変形を生じ難くするようにしたものがあ
る。
【0009】また、特開平10−86369号公報に
開示されているように、圧電素子のチャンネル間に切り
込みを設けた特殊なヘッド構造を採用して構造的なスト
ロークを回避するようにしたもの、特開平10−46
966号公報に開示されているように、液室に連結され
る圧電部材と、液室間に設けた圧電部材を用いて、これ
らを相互に駆動して構造クロストークを消去しようとす
るもの、特開平10−58684号公報に開示されて
いるようにエッジシュータタイプのヘッドにおけるクロ
ストーク回避手段として、フィンガー状の固定部材を液
室溝間の面に接合したものなども知られている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た従来の各種インクジェットヘッドのうち、のヘッド
あっては振動板の薄肉部と厚肉部の厚さがどの程度であ
れば構造的なクロストークを回避できるのか不明であ
り、のヘッドにあっては圧電素子の切削コストが高く
なり、のヘッドにあっては液室間に設けた圧電素子を
駆動するための駆動回路が必要で、構成が複雑になり、
また消費電力の増大を招いてしまい、のヘッドにあっ
てはフィンガー状の固定部材を液室溝間の面に接合しな
ければならず、組み付けコストが高くなる。
【0011】しかも、上述した従来の技術にあっては、
ヘッドの高密度化によって生じるクロストークの発生要
因についての知見がなく、ヘッドの高密度化が進んでも
クロストークを回避できるのか否か定かでない。
【0012】そこで、本発明者は、高密度化したヘッド
において圧電素子を用いた場合に生じる構造変形量につ
いての解析を行い、ヘッドの構成パラメータを選定する
ことで、簡単な構成で、駆動回路等を追加することな
く、高密度ヘッドにおけるクロストークを低減できるこ
とを見出した。
【0013】以上のような知見に基づき、本発明は簡単
な構成でクロストークが少ないインクジェットヘッドを
提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
め、本発明に係るインクジェットヘッドは、振動板を樹
脂フィルムとSUS材の積層体とし、樹脂フィルムの厚
さTは液室の短手方向幅Wに対し、略0.035*W<
T<0.065*Wの範囲内にある構成としたものであ
る。なお、「*」は乗算記号として用いる。
【0015】別の本発明に係るインクジェットヘッド
は、圧電素子と振動板との当接面の幅W2は液室の短手
方向幅Wに対し、略0.035*W<W2<0.045
*W、の関係にある構成としたものである。
【0016】さらに別の本発明に係るインクジェットヘ
ッドは、記振動板と液室間の隔壁とを接合すると共にこ
の接合領域の反対の面を隔壁のノズル列方向幅より狭い
範囲で固定した構成としたものである。この場合、振動
板の固定領域のノズル列方向の幅W3と圧電素子の配列
間隔W4とが、略W3<0.8*W4の関係にある構成
とすることが好ましい。
【0017】さらにまた別の本発明に係るインクジェッ
トヘッド、液室間の隔壁内に空間を形成した構成とした
ものである。
【0018】本発明に係るインクジェット記録装置は、
上記いずれかの本発明に係るインクジェットヘッドを搭
載したものである。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て添付図面を参照して説明する。図1は本発明を適用す
るインクジェットヘッドの一例を示すノズル配列方向の
模式的断面説明図、図2は図1の液室部の拡大説明図、
図3は同液室部の平面説明図である。
【0020】このインクジェットヘッドは、ヘッド基板
1上に所定の間隔を置いて積層型圧電素子2を配置し、
この積層型圧電素子2上に樹脂フィルムとしてのポリイ
ミドフィルム4及びSUS材5の積層体からなる振動板
3を接合し、この振動板3上に液室間隔壁7を形成する
液室隔壁部材6を接合し、さらに液室隔壁部材6上にノ
ズル連通路9を形成した流路形成部材8及びノズル11
を形成したノズルプレート10を順次積層している。
【0021】これらの振動板3、液室隔壁部材6及び流
路形成部材8によって振動板3を介して圧電素子2で加
圧される液室(圧力室)12と、図3に示すように各圧
力室12にインクを供給する共通インク流路13、及び
共通インク流路13と圧力室12とを連通する流体抵抗
部14などのインク流路を形成する。なお、液室隔壁部
材6及び流路形成部材8はSUS材を用い、また、ノズ
ルプレート10はニッケルの共析メッキで形成してい
る。さらに、圧電素子2を駆動するための図示しない駆
動ICを実装している。
【0022】ここで、上述したように振動板3はポリイ
ミドフィルム4とSUS材5の積層体としている。振動
板3としてSUS材を用いることによってコストを低減
することができるが、ピンホール欠陥をなくし、耐イン
ク性(接液性)を高めるために樹脂フィルムを積層した
ものである。
【0023】そこで、このインクジェットヘッドに本発
明を適用した具体的実施形態について図4以降をも参照
して説明する。まず、第1実施形態について図4及び図
5を参照して説明する。この第1実施形態においては、
振動板3におけるポリイミドフィルム4の厚さTを、圧
力室(液室)11の短手方向(ノズル配列方向)幅をW
としたとき、略0.035*W<T<0.065*Wの
範囲内になるようにしている。
【0024】これをノズルピッチ(ノズル10の配列ピ
ッチ)を150dpiとし、圧力室12の短手方向幅Wを
100μm、長手方向幅W1を1600μm、高さHを
70μmとし、また圧電素子2と振動板3との接合面の
ノズル配列方向の幅W2を60μmとしたヘッドを例に
して具体的に説明する。
【0025】実施例として、振動板3を厚さ30μmの
SUS材5上にポリイミドフイルム4を積層し、このポ
リイミドフィルム4の厚さTを5μm、すなわち、T=
0.05*Wにした。
【0026】比較例として、振動板3を厚さ30μmの
SUS材5上にポリイミドフイルム4を積層し、このポ
リイミドフィルム4の厚さTを10μm、すなわち、T
=0.10*Wにした。
【0027】これらの実施例及び比較例の各ヘッドの1
つの圧電素子2に駆動電圧を印加して0.155μm変
位させ、隣接するチャンネルの圧電素子2は非駆動とし
た。このときの液室部(圧力室、隔壁、振動板)の変形
分布を計測し、各部の変形状態を図示すると図4及び図
5に示すようになる。図中、圧力室12が圧電素子2を
駆動した圧力室12、隣接する圧力室12n-1、12n+1
が圧電素子2を駆動していない圧力室12を意味し、振
動板3にも同様に対応する符号を付している。また、各
図中の破線で示す状態が非駆動のときの振動板3、隔壁
7及び圧力室12の状態である。
【0028】実施例においては、図4に示すように、振
動板3は駆動チャンネルの領域3nのみが隆起し、非駆
動の隣接チャンネルの領域3n-1、3n+1は殆ど隆起せ
ず、また液室間隔壁7の撓み変形も殆どなく、全体とし
てクロストークが殆ど発生していないことが分かる。こ
れに対して、比較例においては、図5に示すように、振
動板3は非駆動の隣接チャンネルの領域3n-1、3n+1に
及んで隆起し、また液室間隔壁7も非駆動の圧力室3n-
1、3n+1側に変形し、クロストークが発生していること
が分かる。
【0029】したがって、振動板3のポリイミドフィル
ム4の厚さTをT=0.05*Wにすることでクロスト
ークを低減することができる。この場合、ポリイミドフ
ィルム4の厚さTの範囲については、厚さTを0.06
5*W以上にすると前述したようにクロストークが大き
くなり、また、厚さTを0.035*W以下にするとフ
ィルム自体のピンホール欠陥や耐久的強度欠陥の発生が
懸念されるので、0.035*W<T<0.065*W
の範囲にすることが好ましい。上記実施例のヘッドで言
えば、ポリイミドフィルム4の厚さTは4〜6μmが好
ましい。
【0030】次に、本発明の第2実施形態について図6
をも参照して説明する。この第2実施形態においては、
圧電素子と振動板との当接面の幅W2を圧力室12の短
手方向幅Wに対し、略0.035*W<W2<0.04
5*Wの範囲内になるようにしている。
【0031】これをノズルピッチを150dpiとし、圧
力室12の短手方向幅Wを100μm、長手方向幅W1
を1600μm、高さHを70μmとし、また振動板3
のSUS材5の厚さを30μm、ポリイミドフイルム4
の厚さを10μmとしたヘッドを例にして具体的に説明
する。
【0032】実施例として、圧電素子2と振動板3との
接合面のノズル配列方向の幅W2を40μm、すなわ
ち、W2=0.40*Wとした。
【0033】比較例として、圧電素子2と振動板3との
接合面のノズル配列方向の幅W2を60μm、すなわ
ち、W2=0.60*Wとした。
【0034】これらの実施例の各ヘッドの1つの圧電素
子2に駆動電圧を印加して0.155μm変位させ、隣
接するチャンネルの圧電素子2は非駆動とした。このと
きの液室部(圧力室、隔壁、振動板)の変形分布を計測
し、各部の変形状態を図示すると図6に示すようにな
る。なお、比較例の場合は前述した図5に示す状態と同
様である。
【0035】図6から分かるように、振動板3は駆動チ
ャンネルの領域3nが大きく隆起し、非駆動の隣接チャ
ンネルの領域3n-1、3n+1ではあまり隆起せず、クロス
トークが少なくなっていることが分かる。
【0036】したがって、圧電素子2と振動板3との接
合面のノズル列方向幅W2をW2=0.40*Wにす
る、つまり、圧力室12のノズル列方向幅Wに対して圧
電素子2と振動板3との接合面のノズル列方向幅W2を
狭くすることでクロストークを低減することができる。
【0037】この場合、接合面のノズル列方向幅W2を
狭くしすぎると、圧電素子2の変位量に対する圧力室1
2の容積変化率が低下し、加圧効率が低下する。この加
圧効率の低下は圧電素子2の駆動電圧の高電圧化を招き
消費電極が増大するので好ましくない。したがって、圧
電素子2と振動板3との接合面のノズル列方向幅W2は
圧力室12のノズル列方向幅Wに対して0.35*W<
W2<0.45Wの範囲に設定することが好ましい。上
記実施例のヘッドで言えば、接合面のノズル列方向幅W
2は35〜45μmが好ましい。
【0038】次に、本発明の第3実施形態について図7
及び図8をも参照して説明する。この第3実施形態にお
いては、図7に示すように、圧力室12間の隔壁7と振
動板3とを接合し、かつ、振動板3には、隔壁7との接
合領域の反対の面に、ヘッド基板1上に立設した隔壁7
よりも幅の狭い固定部材16に接合固定している。
【0039】ここで、固定部材14の幅(固定幅)W3
と圧電素子2,2のノズル列方向間隔W4とは、略W3
<0.8*W4になるようにしている。
【0040】これをノズルピッチを150dpiとし、圧
力室12の短手方向幅Wを100μm、長手方向幅W1
を1600μm、高さHを70μmとし、また振動板3
のSUS材5の厚さを30μm、ポリイミドフイルム4
の厚さを10μm、圧電素子2のノズル列方向幅を90
μmとしたヘッドを例にして具体的に説明する。
【0041】このヘッドにおいては、ノズルピッチを1
50dpiの場合、ノズル列方向の各チャンネルの幅は1
69μmであり、このうち圧力室12の幅を100μm
とるので、圧力室間隔壁7の幅は69μmとなる。そし
て、圧電素子2の幅を90μmとしているので、圧電素
子2,2間の間隔W4は79μmになる。そこで、固定
部材16の幅W3を64μm、すなわち、W3=0.8
*W4とした。
【0042】このヘッドの1つの圧電素子2に駆動電圧
を印加して0.155μm変位させ、隣接するチャンネ
ルの圧電素子2は非駆動とした。このときの液室部(圧
力室、隔壁、振動板)の変形分布を計測し、各部の変形
状態を図示すると図8に示すようになる。なお、比較例
の場合は前述した図5に示す状態と同様である。
【0043】図8から分かるように、振動板3は駆動チ
ャンネルの領域3n部分が大きく隆起し、非駆動の隣接
チャンネルの領域3n-1、3n+1では隆起せず、また液室
間隔壁7の撓み変形も少なく、クロストークが少なくな
っている。
【0044】したがって、振動板3の液室間隔壁7より
も幅の狭い領域を固定することによってクロストークが
低減する。
【0045】この場合、固定部材16の幅W3を液室間
隔壁7の幅と同じにすると、固定部材16の接合マージ
ンが少なくなり、圧電素子と接触して圧電素子の駆動特
性を劣化させ、ヘッドの信頼性が低下する。例えば、上
述したヘッドで固定部材16の幅W3を液室間隔壁7と
同じ69μmにすると、圧電素子2,2間の間隔W4が
79μmであるから、その差は10μmとなり、固定部
材16の接合位置精度のマージンは±5μm以下にな
る。
【0046】これに対して、上記のとおり固定部材16
の幅W3を圧力素子2,2間の間隔W4の0.8倍以下
に限定することにより、上述したヘッドでは固定部材1
6の幅W3は最大64μmとなり、接合位置精度のマー
ジンは±15μmとなる。現状における位置合わせ精度
の1σを±5μmと考えると、3σでも±15μmとな
り、十分に余裕のある接合を行うことができる。
【0047】次に、本発明の第4実施形態について図9
及び図10をも参照して説明する。この第4実施形態に
おいては、図9に示すように、圧力室12間の隔壁7内
に、圧力室12の長手方向に沿って、略圧力室12の高
さH相当の深さを有するスリット溝を設けることで空間
17を形成している。この空間17の幅は隔壁7の幅W
3より狭くなる。
【0048】これをノズルピッチを150dpiとし、圧
力室12の短手方向幅Wを100μm、長手方向幅W1
を1600μm、高さHを70μmとし、また振動板3
のSUS材5の厚さを30μm、ポリイミドフイルム4
の厚さを10μm、圧電素子2のノズル列方向幅を90
μmとしたヘッドを例にして具体的に説明する。
【0049】このヘッドにおいては、ノズルピッチを1
50dpiの場合、ノズル列方向の各チャンネルの幅は1
69μmであり、このうち圧力室12の幅を100μm
とるので、圧力室間隔6aの幅は69μmとなる。そこ
で、この隔壁7のノズル列方向中央部に幅10μm程度
のスリット溝を形成して空間17を形成した。
【0050】このヘッドの1つの圧電素子2に駆動電圧
を印加して0.155μm変位させ、隣接するチャンネ
ルの圧電素子2は非駆動とした。このときの液室部(圧
力室、隔壁、振動板)の変形分布を計測し、各部の変形
状態を図示すると図10に示すようになる。なお、比較
例の場合は前述した図5に示す状態と同様である。
【0051】図10から分かるように、隔壁7のうちの
空間17で分割された駆動側圧力室12に面する隔壁部
分7aは変形するが、非駆動側圧力室12に面する隔壁
部分7bは殆ど変形せず、クロストークが少なくなって
いる。
【0052】したがって、隔壁7内に空間17を形成す
ることでクロストークが低減する。
【0053】なお、上記各実施形態は互いに排斥するも
のではなく、複数の実施形態を同時に実施することがで
き、これにより、一層クロストークを低減することがで
きる。例えば、図4に示した第1実施形態と図6に示し
た第2実施形態を共に実施したときには、前述したヘッ
ド構成で圧電素子を駆動したときの変形状態は図11に
示すようになり、振動板部分のみが効率的に隆起して効
率的な圧力伝達を行うことができると共に、隣接チャン
ネル間のクロストークも殆どなくなる。そして、上述し
た各実施形態の1つ又は複数の組み合わせに係るインク
ジェットヘッドをインクジェット記録装置に搭載するこ
とによって、クロストークの改善され、高品質画像を記
録することができる。
【0054】また、上記各実施形態では圧電素子を用い
るピエゾ型インクジェットヘッドに適用した例で説明し
たが、圧電素子が本質的要素となっていない発明につい
ては、振動板と電極を用いる静電型インクジェットヘッ
ドにも適用することができる。さらに、上記実施形態の
圧電素子としては積層型圧電素子を用いているが、単層
圧電素子を用いることもでき、単層圧電素子はスクリー
ン印刷で振動板上に簡易に作製することができる。
【0055】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係るイン
クジェットヘッドによれば、振動板を樹脂フィルムとS
US材の積層体とし、樹脂フィルムの厚さTは液室の短
手方向幅Wに対し、略0.035*W<T<0.065
*Wの範囲内にある構成としたので、クロストークを低
減することができて画像品質が向上する。
【0056】別の本発明に係るインクジェットヘッドに
よれば、圧電素子と振動板との当接面の幅W2は液室の
短手方向幅Wに対し、略0.035*W<W2<0.0
45*W、の関係にある構成としたので、クロストーク
を低減することができて画像品質が向上する。
【0057】さらに別の本発明に係るインクジェットヘ
ッドによれば、記振動板と液室間の隔壁とを接合すると
共にこの接合領域の反対の面を隔壁のノズル列方向幅よ
り狭い範囲で固定したので、クロストークが低減して画
像品質が向上する。この場合、振動板の固定領域のノズ
ル列方向の幅W3と圧電素子の配列間隔W4とが、略W
3<0.8*W4の関係にある構成とすることで、接合
マージンを多く採ることができ、組み立て作業効率が向
上する。
【0058】さらにまた別の本発明に係るインクジェッ
トヘッド、液室間の隔壁内に空間を形成したので、クロ
ストークが低減して画像品質が向上する。
【0059】本発明に係るインクジェット記録装置は、
上記いずれかの本発明に係るインクジェットヘッドを搭
載したので、高画像品質の画像を記録することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用するインクジェットヘッドの一例
を示すノズル列方向の模式的断面説明図
【図2】図1の液室部の拡大説明図
【図3】同液室部の平面説明図
【図4】本発明の第1実施形態に係る実施例における液
室部の変形状態を説明する説明図
【図5】比較例における液室部の変形状態を説明する説
明図
【図6】本発明の第2実施形態に係る実施例における液
室部の変形状態を説明する説明図
【図7】本発明の第3実施形態に係る構成を説明する要
部説明図
【図8】同実施形態に係る実施例における液室部の変形
状態を説明する説明図
【図9】本発明の第4実施形態に係る構成を説明する要
部説明図
【図10】同実施形態に係る実施例における液室部の変
形状態を説明する説明図
【図11】第1、第2実施形態を組み合せた実施例にお
ける液室部の変形状態を説明する説明図
【符号の説明】
1…ヘッド基板、2…圧電素子、3…振動板、4…ポリ
イミドフィルム、5…SUS材、6…液室隔壁部材、7
…隔壁、8…流路形成部材、9…ノズル連通路、10…
ノズルプレート、11…ノズル、12…圧力室(液
室)、16…固定部材、17…空間。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ノズルが連通する液室の少なくとも一面
    を形成する振動板を備えたインクジェットヘッドにおい
    て、前記振動板が樹脂フィルムとSUS材の積層体であ
    り、前記樹脂フィルムの厚さTは前記液室の短手方向幅
    Wに対し、略0.035*W<T<0.065*Wの範
    囲内にあることを特徴とするインクジェットヘッド。
  2. 【請求項2】 ノズルが連通する液室の少なくとも一面
    を形成する振動板と、この振動板を介して前記液室を加
    圧する圧電素子とを備えたインクジェットヘッドにおい
    て、前記圧電素子と振動板との当接面の幅W2は前記液
    室の短手方向幅Wに対し、略0.035*W<W2<
    0.045*Wの範囲内にあることを特徴とするインク
    ジェットヘッド。
  3. 【請求項3】 ノズルが連通する液室を形成する液室隔
    壁部材と、前記液室の少なくとも一面を形成する振動板
    と、この振動板を介して前記液室を加圧する圧電素子と
    を備えたインクジェットヘッドにおいて、前記振動板と
    前記液室間の隔壁とを接合すると共にこの接合領域の反
    対の面を前記隔壁のノズル列方向幅より狭い範囲で固定
    したことを特徴とするインクジェットヘッド。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載のインクジェットヘッド
    において、前記振動板の固定領域のノズル列方向幅W3
    は前記圧電素子の配列間隔W4に対し、略W3<0.8
    *W4の関係にあることを特徴とするインクジェットヘ
    ッド。
  5. 【請求項5】 ノズルが連通する液室の隔壁を形成する
    液室隔壁部材と、前記液室の少なくとも一面を形成する
    振動板を備えたインクジェットヘッドにおいて、前記液
    室間の隔壁内に空間を形成したことを特徴とするインク
    ジェットヘッド。
  6. 【請求項6】 ノズルからインク滴を吐出させるインク
    ジェットヘッドを搭載したインクジェット記録装置にお
    いて、前記インクジェットヘッドが前記請求項1乃至5
    のいずれかに記載のインクジェットヘッドであることを
    特徴とするインクジェット記録装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2006147840A (ja) * 2004-11-19 2006-06-08 Ngk Insulators Ltd 圧電/電歪デバイス
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