JPH0938856A - 表面研磨装置および表面研磨方法 - Google Patents

表面研磨装置および表面研磨方法

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JPH0938856A
JPH0938856A JP19023495A JP19023495A JPH0938856A JP H0938856 A JPH0938856 A JP H0938856A JP 19023495 A JP19023495 A JP 19023495A JP 19023495 A JP19023495 A JP 19023495A JP H0938856 A JPH0938856 A JP H0938856A
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JP
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polishing
holder
work
head
platen
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JP19023495A
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English (en)
Inventor
Yuichiro Seki
裕一郎 関
Keiichiro Tanabe
敬一朗 田辺
Yoshiaki Kumazawa
佳明 熊澤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Electric Industries Ltd
Original Assignee
Sumitomo Electric Industries Ltd
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  • Finish Polishing, Edge Sharpening, And Grinding By Specific Grinding Devices (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 硬質物質等のワークの表面を高精度で効率良
く研磨する。 【解決手段】 ワークを保持するホルダ10と、該ホル
ダを研磨定盤60の上方にて支持するヘッド20とを備
え、上記ワークの被加工面を研磨定盤の上面を構成する
砥石面に当接させ、このワークにホルダを介して上方か
ら所定の加圧力を作用させた状態で、ワークと研磨定盤
とを相対的に回転させることにより、ワークの被加工面
を研磨するようにした表面研磨装置であって、上記ヘッ
ドをその自重に抗して上向きに付勢し得る付勢手段40
と、該付勢手段の付勢力を調節する調節手段44とを設
け、ワーク被加工面の研磨時には、ヘッドの自重と付勢
手段の付勢力との差に応じた上方からの加圧力をワーク
に作用させることを特徴とし、また、上記付勢手段はエ
アシリンダ40で構成され、上記調節手段はエア圧力を
調節するレギュレータバルブ44で構成されていること
を特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、例えばダイヤモ
ンド被覆ウエハーの表面部など、硬質物質の表面を研磨
することができる表面研磨装置および表面研磨方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】従来、ワークの表面を研磨する表面研磨
装置として、ワークを保持するホルダと、該ホルダを研
磨定盤の上方にて支持するヘッドとを備え、上記ホルダ
に保持されたワークの被加工面を上記研磨定盤の上面を
構成する砥石面に当接させ、上記ワークにホルダを介し
て上方から所定の加圧力を作用させた状態で、上記ワー
クと上記研磨定盤とを相対的に回転させることにより、
上記ワークの被加工面を研磨するようにしたものは、一
般に良く知られている。この場合、上記ホルダは、例え
ばヘッドに取り付けられた駆動モータによって回転(自
転)させられ、また、研磨定盤は、研磨装置本体の例え
ば基台に固定された駆動モータによって回転(自転)さ
せられ、この両者の回転数を調節することにより、ワー
クと砥石面との相対的な回転速度が所定値に設定される
のが、一般的である。
【0003】上記のような表面研磨装置を用いて砥石面
との物理的作用によりワークの被加工面を研磨する場
合、研磨を進行させるためには両者の当接面に一定以上
の加工圧を作用させる必要があるが、特に、例えばダイ
ヤモンド等の硬質物質を研磨する場合には、高い加工圧
が必要となる。尚、本明細書において、「硬質物質」と
いうときは、例えば、二重構造ウエハーの基板表面の被
覆に用いられ得る、ダイヤモンド,ダイヤモンド状炭
素,c−BN等、あるいは、ビッカース硬さで3000
程度以上の物質を意味する。ちなみに、物質中で最も硬
度が高く、機械研磨が難しいのはダイヤモンドであり、
このダイヤモンドを研磨する場合には、通常、ダイヤモ
ンド砥石を用いて、いわゆる共削りが行われる。
【0004】尚、ダイヤモンド砥石を用いることなく、
また、高い加工圧を加えることなくダイヤモンドを研磨
する方法として、例えば特開平2−26900号公報に
示されるように、酸性雰囲気下で加熱した平滑な金属盤
にワーク(ダイヤモンド)を接触させ、このダイヤモン
ドを化学的に研磨する熱化学的研磨法が公知であるが、
この方法では、その加工特性が周囲の雰囲気や温度に大
きく依存し、加工を良好に進行させるには、装置がきわ
めて高価なものになるという、設備コスト上の問題があ
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、ワーク(特
にダイヤモンド等の硬質物質)を高精度でかつ効率良く
研磨するためには、基本的には、できるだけ剛性の高い
装置を用いて、できるだけ高い加圧力の下で、ワークと
砥石との相対速度をできるだけ高く設定して、加工を行
うことが有効である。しかしながら、ワークによって
は、あまり高い加圧力を加えることができないものがあ
る。すなわち、例えば、Si(シリコン)等の基板の表
面をダイヤモンド等の被膜で覆って形成した、基板と被
覆層とからなる二重構造の複合ウエハーなどの場合に
は、表面被覆層(ダイヤモンド)は硬質であるが、基板
(Si)は脆性材料であるので、表面部を研磨する際に
あまり高い面圧を加えることができない。このような場
合、基板の(つまりウエハーの)割れや破壊を生じるこ
となく、その硬質表面部を高精度で効率良く研磨するこ
とは、なかなかに難しいという問題があった。
【0006】また、研磨定盤の砥石面の偏摩耗を緩和し
て砥石寿命の延長を図るため、砥石面とワークとができ
るだけ満遍なく摺接するように、砥石面上でのワークの
当接位置を変化させながら加工することが行われてい
る。特に、例えばダイヤモンド等の硬質物質を研磨する
場合には、砥石面のワークとの当接部分の偏摩耗が激し
く、ワークを砥石面に対して満遍なく摺接させる機構は
不可欠である。この場合、研磨定盤とホルダの少なくと
もいずれか一方を水平面内で移動させれば良く、従来で
は、上記ホルダを支持するヘッドを、水平面内で所定の
軌跡に沿って移動させる(例えば、所定方向に往復動さ
せる、もしくは、所定の中心軸回りに公転運動させる)
のが一般的である。
【0007】しかしながら、上記ヘッドには、ホルダに
加圧力を作用させる加圧手段とホルダを自転させる回転
手段とが設けられており、これらに加えて、ホルダの水
平面内での移動のための移動機構を設けると、ヘッド側
の構造が更に複雑化し、また、作動上の負担も大きくな
り過ぎる。また、ホルダの自転についても高速回転を安
定して得ることが困難となり、機械的精度を維持するこ
とが難しくなる。さらに、例えば、ヘッドを複数設ける
場合等にはコスト的にも不利になる、などの問題があっ
た。
【0008】このため、研磨定盤側を移動させることが
考えられるが、研磨定盤の回転軸と該研磨定盤を自転さ
せる回転手段の出力軸とは、一般に、例えば伝導ベルト
等の動力伝達手段やカップリング等の連結手段などを介
して、間接的もしくは直接的に連結されており、従来の
連結構造では、研磨定盤の自転中に両者の位置関係を変
動させることはできない。したがって、研磨定盤側を移
動させる場合には、通常、上記回転手段も一体的に移動
させる必要がある。このように上記回転手段をも研磨定
盤と一体的に移動させる場合、研磨定盤を自転させる駆
動モータを、その出力軸が研磨定盤の回転軸と同一直線
上に並ぶように(つまり同軸状に)、該定盤の真下に懸
下状態で配置するのが、構造上最も有利である。
【0009】しかしながら、上記のように駆動モータを
研磨定盤の真下に同軸状に配置した場合には、研磨装置
の操作性を確保するために装置の高さが一定以下に制限
される関係上、モータの大きさも一定サイズ以下に制限
されることとなり、研磨定盤の回転負荷を(換言すれ
ば、ワークに対する加圧力を)余り大きく設定すること
ができなくなるという問題があった。特に、ダイヤモン
ド等の硬質物質を一定以上の効率で研磨する場合には、
研磨定盤の回転負荷もそれだけ高くなり、その駆動モー
タも大容量のものが必要とされるが、上記のモータサイ
ズの制限は研磨効率の向上を図る上で大きな障害とな
る。
【0010】また、いわゆる乾式研磨では、特に、高加
圧・高回転速度で加工を行う場合、研磨面で発生する摩
擦熱によってホルダ及び研磨盤の温度は不可避的に上昇
する。尚、研磨時のホルダや研磨盤の昇温を抑制するこ
とを特に意識したものではないが、例えば特開平7−2
4708号公報では、研磨面の加工中における温度を放
射温度センサで検出し、ワークの摩擦熱発生モードの変
化に起因する上記研磨面の温度変化に基づいて、研磨加
工の終点検出を行い、研磨加工を停止させるようにした
研磨方法が開示されている。加工中に上記ホルダや研磨
盤の温度が過度に高くなると、研磨加工の安定化、ひい
ては加工精度に悪影響を及ぼすことになる。したがっ
て、ホルダや研磨盤を冷却してその昇温を、確実かつ効
果的に抑制することは、良好な研磨精度を安定して得る
上で重要である。
【0011】この発明は、上記諸問題に鑑みてなされた
もので、硬質物質等のワークの表面を高精度で効率良く
研磨することができる表面研磨装置を提供することを基
本的な目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】このため、本願の請求項
1に係る発明(以下、第1の発明という)は、ワークを保
持するホルダと、該ホルダを研磨定盤の上方にて支持す
るヘッドとを備え、上記ホルダに保持されたワークの被
加工面を上記研磨定盤の上面を構成する砥石面に当接さ
せ、上記ワークにホルダを介して上方から所定の加圧力
を作用させた状態で、上記ワークと上記研磨定盤とを相
対的に回転させることにより、上記ワークの被加工面を
研磨するようにした表面研磨装置であって、上記ヘッド
をその自重に抗して上向きに付勢し得る付勢手段と、該
付勢手段の付勢力を調節する調節手段とを設け、ワーク
被加工面の研磨時には、上記ヘッドの自重と上記付勢手
段の付勢力との差に応じた上方からの加圧力を上記ワー
クに作用させるようにしたものである。
【0013】また、本願の請求項2に係る発明(以下、
第2の発明という)は、上記第1の発明において、上記
付勢手段は上記ヘッドに流体圧力に基づく付勢力を作用
させる流体圧力装置で構成され、上記調節手段は上記流
体圧力を調節する流体圧力調節手段で構成されているこ
とを特徴としたものである。
【0014】更に、本願の請求項3に係る発明(以下、
第3の発明という)は、上記第1または第2の発明にお
いて、上記ヘッドの上下方向への移動動作を案内する案
内機構が設けられていることを特徴としたものである。
【0015】また、更に、本願の請求項4に係る発明
(以下、第4の発明という)は、上記第3の発明におい
て、上記案内機構には、上記ヘッドの自重と上記付勢手
段の付勢力とがバランスした状態で、ヘッドを案内機構
に沿って昇降させ得る昇降機構が付設されていることを
特徴としたものである。
【0016】また、更に、本願の請求項5に係る発明
(以下、第5の発明という)は、上記第3または第4の発
明において、上記付勢手段は上記案内機構に設けられて
いることを特徴としたものである。
【0017】また、更に、本願の請求項6に係る発明
(以下、第6の発明という)は、上記第1〜第5の発明の
いずれか一において、上記ヘッドが複数設けられ、各ヘ
ッドには上記付勢手段がそれぞれ独立して設けられてい
ることを特徴としたものである。
【0018】また、更に、本願の請求項7に係る発明
(以下、第7の発明という)は、ワークを保持するホルダ
と、該ホルダを研磨定盤の上方にて支持するヘッドとを
備え、上記ホルダに保持されたワークの被加工面を上記
研磨定盤の上面を構成する砥石面に当接させ、上記ワー
クにホルダを介して上方から所定の加圧力を作用させた
状態で、上記ワークと上記研磨定盤とを相対的に回転さ
せることにより、上記ワークの被加工面を研磨するよう
にした表面研磨装置であって、上記ヘッドには、上記ホ
ルダをその上下方向の中心軸回りに自転させるホルダ回
転手段が設けられる一方、上記研磨定盤は、該研磨定盤
をその上下方向の中心軸回りに自転させる定盤回転手段
と、研磨定盤を水平面内において所定の軌跡に沿って移
動させる定盤移動手段とに連結され、上記定盤回転手段
の回転駆動用モータは研磨装置本体に固定して取り付け
られるとともに、上記回転駆動用モータの出力軸と上記
研磨定盤の回転軸とは、両軸の相対位置の変動を吸収し
ながら回転力を伝達し得る自在継手機構を含む連結手段
で相互に連結されており、上記ホルダは水平面内におけ
る一定位置で自転する一方、上記研磨定盤は、水平面内
において上記所定の軌跡に沿って移動しながら自転する
ことを特徴としたものである。
【0019】また、更に、本願の請求項8に係る発明
(以下、第8の発明という)は、上記第7の発明におい
て、上記研磨定盤の回転軸の下端側は上記自在継手機構
を備えた中間軸部材の上端側に連結されるとともに、上
記定盤回転手段の回転駆動用モータはその出力軸を下方
に向けて研磨装置本体に取り付けられており、該出力軸
の下端側は上記中間軸部材の下端側に対して伝動ベルト
を介して連結されていることを特徴としたものである。
【0020】また、更に、本願の請求項9に係る発明
(以下、第9の発明という)は、上記第7または第8の発
明において、上記定盤移動手段は、研磨装置本体に固定
された定盤移動用モータと、該モータで回転させられる
上下方向の駆動軸と、該駆動軸に対し所定量だけ偏芯し
て一体的に連結された上下方向に伸びる偏芯軸とを備
え、該偏芯軸が上記研磨定盤の所定部位に連結されてい
ることを特徴としたものである。
【0021】また、更に、本願の請求項10に係る発明
(以下、第10の発明という)は、上記第7〜第9の発明
のいずれか一において、上記研磨装置本体の上部には、
上記研磨定盤の下面側を水平面内でスライド自在に支持
する定盤支持面が設けられ、該定盤支持面または上記研
磨定盤下面の少なくともいずれか一方には、両面の摺接
部に潤滑剤を供給するための溝部が設けられていること
を特徴としたものである。
【0022】また、更に、本願の請求項11に係る発明
(以下、第11の発明という)は、上記第7〜第10の発
明のいずれか一において、上記研磨定盤と研磨装置本体
の間には、上記研磨定盤の水平面内における移動動作を
ガイドするリンク式のガイド機構が設けられていること
を特徴としたものである。
【0023】また、更に、本願の請求項12に係る発明
(以下、第12の発明という)は、上記第7〜第11の発
明のいずれか一において、上記ヘッドが複数設けられ、
各ヘッドには上記ホルダ回転手段がそれぞれ独立して設
けられていることを特徴としたものである。
【0024】また、更に、本願の請求項13に係る発明
(以下、第13の発明という)は、ワークを保持するホル
ダと、該ホルダを研磨定盤の上方にて支持するヘッドと
を備え、上記ホルダに保持されたワークの被加工面を上
記研磨定盤の上面を構成する砥石面に当接させ、上記ワ
ークにホルダを介して上方から所定の加圧力を作用させ
た状態で、上記ワークと上記研磨定盤とを相対的に回転
させることにより、上記ワークの被加工面を研磨するよ
うにした表面研磨装置であって、上記研磨定盤の下方に
は、砥石裏面側を指向する冷却水ノズルと、該ノズルか
ら供給された冷却水を回収するカバー部材とが配設さ
れ、上記ノズルに冷却水を供給する冷却水供給手段は、
冷却水を貯えるタンクと、該タンクと上記ノズルとを連
通させるサプライ経路と、該サプライ経路に設けられて
上記タンク内の冷却水を上記ノズルに圧送する冷却水ポ
ンプとを備えるとともに、上記カバー部材で回収された
冷却水を上記タンクに還流させるリターン経路と接続さ
れて、上記研磨定盤側との間に冷却水循環システムを形
成しており、該冷却水循環システムには、上記ノズルに
圧送される冷却水の温度を略一定に保つ冷却水温度調節
手段が設けられていることを特徴としたものである。
【0025】また、更に、本願の請求項14に係る発明
(以下、第14の発明という)は、上記第13の発明にお
いて、上記研磨定盤の所定部位の温度を検出し得る定盤
温度検出手段と、該定盤温度検出手段の検出温度に基づ
いて上記冷却水供給手段の作動を制御する冷却水供給制
御手段とが設けられ、該冷却水供給制御手段には複数の
温度閾値と各温度閾値にそれぞれ対応した冷却水の供給
流量値が設定されており、上記検出温度がいずれかの温
度閾値を越えた場合には、当該温度閾値に対応した流量
の冷却水が上記ノズルに供給されることを特徴としたも
のである。
【0026】また、更に、本願の請求項15に係る発明
(以下、第15の発明という)は、上記第14の発明にお
いて、上記定盤温度検出手段は、非接触で上記研磨定盤
の所定部位の温度を検出することを特徴としたものであ
る。
【0027】また、更に、本願の請求項16に係る発明
(以下、第16の発明という)は、ワークを保持するホル
ダと、該ホルダを研磨定盤の上方にて支持するヘッドと
を備え、上記ホルダに保持されたワークの被加工面を上
記研磨定盤の上面を構成する砥石面に当接させ、上記ワ
ークにホルダを介して上方から所定の加圧力を作用させ
た状態で、上記ワークと上記研磨定盤とを相対的に回転
させることにより、上記ワークの被加工面を研磨するよ
うにした表面研磨装置であって、上記ホルダの上部には
放熱促進手段が形成されており、該ホルダ上部に冷却用
流体を供給する冷却用流体供給手段と、上記ホルダの所
定部位の温度を非接触で検出し得るホルダ温度検出手段
と、該ホルダ温度検出手段の検出温度に基づいて上記冷
却用流体供給手段の作動を制御する冷却制御手段とが設
けられていることを特徴としたものである。
【0028】また、更に、本願の請求項17に係る発明
(以下、第17の発明という)は、ワークを保持するホル
ダと、該ホルダを研磨定盤の上方にて支持するヘッドと
を備え、上記ホルダに保持されたワークの被加工面を上
記研磨定盤の上面を構成する砥石面に当接させ、上記ワ
ークにホルダを介して上方から所定の加圧力を作用させ
た状態で、上記ワークと上記研磨定盤とを相対的に回転
させることにより、上記ワークの被加工面を研磨するよ
うにした表面研磨装置であって、上記ワークと上記研磨
定盤とを相対的に回転させるために、上記ホルダをその
上下方向の中心軸回りに自転させるホルダ回転手段と上
記研磨定盤をその上下方向の中心軸回りに自転させる定
盤回転手段の少なくともいずれか一方が設けられ、これ
ら回転手段の少なくともいずれか一方について、回転駆
動用モータの出力側電流値を検出するモータ電流検出手
段が設けられるとともに、該モータ電流検出手段の検出
値に基づいて、上記ワークに作用させる加圧力を制御す
る加圧力制御手段が設けられていることを特徴としたも
のである。
【0029】また、更に、本願の請求項18に係る発明
(以下、第18の発明という)は、上記第1〜第17の発
明のいずれか一において、上記ホルダをその上下方向の
中心軸回りに自転させるホルダ回転手段が設けられ、該
ホルダ回転手段の下端側には、コレット式のチャック装
置が取り付けられていることを特徴としたものである。
【0030】また、更に、本願の請求項19に係る発明
(以下、第19の発明という)は、上記第1〜第18の発
明のいずれか一において、上記ホルダは、ワークを取り
付けるホルダ本体と、ヘッド側に装着されるホルダ軸と
が別体に形成され、該ホルダ軸のホルダ本体側の端部が
球面状に形成される一方、ホルダ本体のホルダ軸取り付
け部には、上記球面と組み合わされる球面状の凹部が設
けられていることを特徴としたものである。
【0031】また、更に、本願の請求項20に係る発明
(以下、第20の発明という)は、ワークを保持するホル
ダをヘッドにより研磨定盤の上方にて支持し、上記ホル
ダに保持されたワークの被加工面を上記研磨定盤の上面
を構成する砥石面に当接させ、上記ワークにホルダを介
して上方から所定の加圧力を作用させた状態で、上記ワ
ークと上記研磨定盤とを相対的に回転させることによ
り、上記ワークの被加工面を研磨するようにした表面研
磨方法であって、上記ヘッドをその自重に抗して上向き
に付勢し得る付勢手段と、該付勢手段の付勢力を調節す
る調節手段とを設け、ワーク被加工面の研磨時には、上
記ヘッドの自重と上記付勢手段の付勢力との差に応じた
上方からの加圧力を上記ワークに作用させた状態で研磨
することを特徴としたものである。
【0032】また、更に、本願の請求項21に係る発明
(以下、第21の発明という)は、上記第20の発明にお
いて、上記付勢手段は上記ヘッドに流体圧力に基づく付
勢力を作用させる流体圧力装置で構成され、上記調節手
段は上記流体圧力を調節する流体圧力調節手段で構成さ
れていることを特徴としたものである。
【0033】
【発明の作用および効果】本願の第1の発明によれば、
ワークに対する上方からの加圧力はヘッドの自重と上記
付勢手段の付勢力との差に応じて得られるので、従来の
ように、油圧やエア圧あるいはバネ等による加圧装置を
ヘッドに設ける必要は無い。したがって、ヘッドの構成
を簡素化することができるとともに、ヘッド側における
作動上の負担軽減を図ることができる。この結果、例え
ば、ホルダを回転(自転)させる場合においても、極め
て安定した高速回転を行わせることが可能になる。ま
た、ワークに対する加圧力は、一定値であるヘッドの自
重に大きく依存することになるので、従来、油圧やエア
圧あるいはバネ等による加圧装置をヘッドに設け、この
加圧装置のみの作用でワークを加圧していた場合に比べ
て、加圧装置の制御上の誤差やノイズあるいは作動中に
おける研磨装置への振動入力等の外乱ノイズの影響を小
さくすることができ、より正確かつ安定した加圧を行う
ことができる。尚、上記加圧力をヘッド本来の自重より
も大きく設定することが求められる場合には、ヘッドに
所望重量の重りを付けることにより、容易に対応するこ
とができる。
【0034】また、本願の第2の発明によれば、基本的
には、上記第1の発明と同様の作用を行い同様の効果を
奏することができる。特に、上記付勢手段は上記ヘッド
に流体圧力に基づく付勢力を作用させる流体圧力装置で
構成され、上記調節手段は上記流体圧力を調節する流体
圧力調節手段で構成されているので、比較的簡単かつ確
実に、ヘッドに対し、その自重に抗して所望の上向きの
付勢力を作用させることができる。しかも、作動中にお
ける研磨装置への振動入力等を流体の作用によって有効
に吸収することが可能であり、仕上げ精度の向上に寄与
することができる。
【0035】更に、本願の第3の発明によれば、基本的
には、上記第1または第2の発明と同様の作用を行い同
様の効果を奏することができる。しかも、その上、上記
ヘッドの上下方向への移動動作を案内する案内機構が設
けられているので、ヘッドの自重と上記付勢手段の付勢
力との差に応じた上方からの加圧力を、ワークに対して
正確かつスムースに作用させることができる。また、非
加工時には、上記案内機構によってヘッドを上方に移動
させることにより、ワークあるいはホルダの取り替えな
ど、ヘッド側の要素に対する所要の作業を容易に行うこ
とができる。
【0036】また、更に、本願の第4の発明によれば、
基本的には、上記第3の発明と同様の作用を行い同様の
効果を奏することができる。しかも、その上、上記案内
機構には、上記ヘッドの自重と上記付勢手段の付勢力と
がバランスした状態で、そのバランス状態に影響を及ぼ
すことなく、ヘッドを案内機構に沿って昇降させ得る昇
降機構が付設されているので、非加工時におけるヘッド
の操作性を高めることができる。また、加圧力を設定す
る際には、上記バランス状態でワークの被加工面を研磨
定盤の砥石面に当接させ、つまり、この当接状態を基準
(ゼロ点)として、その後、上記調節手段で上記付勢手
段による付勢力を調節することにより、容易かつスムー
スに加圧力の設定を行うことができる。
【0037】また、更に、本願の第5の発明によれば、
基本的には、上記第3または第4の発明と同様の作用を
行い同様の効果を奏することができる。特に、上記付勢
手段は上記案内機構に設けられているので、別途に設置
箇所を求める場合に比べて、その設置が容易で、表面研
磨装置の構造も簡素化することができる。また、付勢手
段を上記案内機構に設けたので、ヘッドに対する付勢力
の作用点をヘッドの上下方向への移動動作の被案内部分
にできるだけ近接もしくは一致させることが可能とな
り、案内機構に沿ったヘッドの上下方向への移動動作を
よりスムースに行わせることができる。
【0038】また、更に、本願の第6の発明によれば、
基本的には、上記第1〜第5の発明のいずれか一と同様
の作用を行い同様の効果を奏することができる。特に、
上記ヘッドが複数設けられ、各ヘッドには上記付勢手段
がそれぞれ独立して設けられているので、各ヘッドのホ
ルダに保持された各ワークに対し、それぞれ独立して、
つまり各ワークに応じた加圧力を作用させることがで
き、複数のワークを同時にかつ良好に研磨することが可
能になる。
【0039】また、更に、本願の第7の発明によれば、
研磨定盤は上記定盤回転手段と定盤移動手段とに連結さ
れ、研磨装置本体に固定して取り付けられた上記回転駆
動用モータの出力軸と上記研磨定盤の回転軸とは、上記
自在継手機構を含む連結手段で相互に連結されているの
で、上記回転駆動用モータが研磨装置本体に固定して取
り付けられた状態で、回転駆動用モータの出力軸と研磨
定盤の回転軸の相対位置の変動を吸収しながら回転力を
伝達することができる。すなわち、ヘッドに設けられた
上記ホルダ回転手段によってホルダを水平面内における
一定位置で自転させる一方、上記研磨定盤を水平面内に
おいて上記所定の軌跡に沿って移動しながら自転させる
ことができ、これにより、砥石面上でのワークの当接位
置を相対的に変化させてワーク表面を砥石面に対してで
きるだけ満遍なく摺接させ、砥石面の偏摩耗を緩和し、
砥石寿命の延長を図ることができる。また、ワーク表面
と砥石面との当たりが不均一になることを防止でき、よ
り均一で高精度の研磨を行うことができる。
【0040】この場合において、砥石面上でのワークの
当接位置の相対的な変化は研磨定盤を移動させることに
よって得られ、ヘッド側の構造および作動に負担を及ぼ
すことはないので、ホルダの自転についても無理なく高
速化を図ることができる。また、定盤回転手段の回転駆
動用モータは、研磨装置本体に固定して取り付けられる
ので、研磨定盤の下方に懸下状態で配置して該定盤と一
体的に移動させる場合のように、モータサイズが特に制
限されることはなく、必要に応じて大容量のものを使用
することができる。この結果、砥石およびホルダの回転
数の上限値を十分に高く設定することが可能になり、効
率の高い研磨を実現することができる。すなわち、例え
ば、脆性材料(SiあるいはMoなど)でなる基板の表
面をダイヤモンド粉末等の硬質物質でコーティングした
2層構造の複合ウエハーの表面研磨を行う場合など、研
磨すべき表面部が硬質物質であっても高い加工圧を加え
ることができない場合でも、ホルダ及び/又は砥石の回
転数を高めることにより、砥石面とワーク表面との接触
部での相対速度を適宜高く設定して、低加工圧での砥粒
の切り込み量の不足を単位時間当たりの切り込み回数を
増加させることで補い、基板の割れや破壊等の不具合を
招来することなく、効率の高い研磨を行うことができる
ようになる。
【0041】また、更に、本願の第8の発明によれば、
基本的には、上記第7の発明と同様の作用を行い同様の
効果を奏することができる。しかも、その上、上記定盤
回転手段の回転駆動用モータは、その出力軸を下方に向
けて研磨装置本体に取り付けられ、上記出力軸の下端側
が上記中間軸部材の下端側に対して伝動ベルトを介して
連結されるようにしたので、上記回転駆動用モータの出
力を上記伝動ベルトおよび中間軸部材を介して確実に研
磨定盤の回転軸に伝達することができ、かつ、表面研磨
装置の高さが過度に高くなってその操作性に悪影響を及
ぼすことを防止できる。
【0042】また、更に、本願の第9の発明によれば、
基本的には、上記第7または第8の発明と同様の作用を
行い同様の効果を奏することができる。特に、上記定盤
移動手段は上記駆動軸と偏芯軸とを備えおり、該偏芯軸
が上記研磨定盤の所定部位に連結されているているの
で、定盤移動用モータで上記駆動軸を回転させることに
より、該駆動軸回りに上記偏芯軸を旋回させ、この旋回
軌跡に沿って研磨定盤を水平面内において移動させるこ
とができる。すなわち、比較的簡単な構成で、研磨定盤
を水平面内で所定の軌跡に沿って移動させることができ
る。
【0043】また、更に、本願の第10の発明によれ
ば、基本的には、上記第7〜第9のいずれか一の発明と
同様の作用を行い同様の効果を奏することができる。し
かも、その上、研磨装置本体の上部には上記定盤支持面
が設けられ、該定盤支持面または上記研磨定盤下面の少
なくともいずれか一方には上記溝部が設けられているの
で、上記研磨定盤は、水平面内で自在にかつスムースに
スライドして移動することができる。
【0044】また、更に、本願の第11の発明によれ
ば、基本的には、上記第7〜第10のいずれか一の発明
と同様の作用を行い同様の効果を奏することができる。
しかも、その上、上記研磨定盤と研磨装置本体の間には
上記ガイド機構が設けられているので、水平面内で移動
する研磨定盤を確実にガイドしてその移動動作を安定し
たものとすることができる。
【0045】また、更に、本願の第12の発明によれ
ば、基本的には、上記第7〜第11のいずれか一の発明
と同様の作用を行い同様の効果を奏することができる。
しかも、その上、上記ヘッドが複数設けられ、各ヘッド
には上記ホルダ回転手段がそれぞれ独立して設けられて
いるので、各ヘッドのホルダをそれぞれ独立して、つま
り各ワークに応じて回転させることができ、複数のワー
クを同時にかつ良好に研磨することが可能になる。
【0046】また、更に、本願の第13の発明によれ
ば、上記冷却水ノズルにより研磨定盤の裏面側に冷却水
を噴射して該研磨定盤を効果的に冷却することができ
る。この場合、冷却水は研磨定盤の裏面側から噴射され
るので、いわゆる乾式研磨においても研磨定盤を有効に
冷却することができる。また、上記冷却水供給手段と研
磨定盤側との間に上記冷却水循環システムを形成し、該
冷却水循環システムに上記冷却水温度調節手段を設けた
ので、研磨定盤を一定温度に冷却することが可能にな
る。これにより、一層安定した高精度の研磨を行うこと
ができる。
【0047】また、更に、本願の第14の発明によれ
ば、基本的には、上記第13の発明と同様の作用を行い
同様の効果を奏することができる。しかも、その上、上
記冷却水供給制御手段を設け、該制御手段に上記各温度
閾値と冷却水の供給流量値とを設定してノズルに供給す
る冷却水の流量を制御するようにしたので、検出された
定盤温度に基づいた冷却水の供給制御を行うことがで
き、より精度良く研磨定盤を一定温度に冷却することが
できる。
【0048】また、更に、本願の第15の発明によれ
ば、基本的には、上記第14の発明と同様の作用を行い
同様の効果を奏することができる。特に、研磨定盤の温
度検出は非接触で行われるので、研磨定盤の最も昇温し
易い部分(例えば回転中の砥石面)の温度を支障なく検
出することができ、この検出温度に基づいて冷却水を供
給することで、より効果的で効率の良い冷却を行うこと
が可能になる。
【0049】また、更に、本願の第16の発明によれ
ば、上記冷却用流体供給手段とホルダ温度検出手段と冷
却制御手段とを設けたので、ホルダの所定部位の温度に
基づいてホルダ上部を冷却することができる。この場合
において、ホルダの所定部位の温度検出は非接触で行わ
れるので、回転中のホルダの所定部位の温度を支障なく
検出することができ、この検出温度に基づいて冷却用流
体を供給することで、より効果的で効率の良い冷却を行
うことが可能になる。これにより、一層安定した高精度
の研磨を行うことができる。また、ホルダの上部には放
熱促進手段が設けられているので、冷却効果をより一層
高めることができる。更に、冷却用流体として例えば圧
縮エア等の気体を用いることにより、いわゆる乾式研磨
においてもホルダを有効に冷却することができる。
【0050】また、更に、本願の第17の発明によれ
ば、上記回転手段の少なくともいずれか一方について上
記モータ電流検出手段を設けるとともに、上記加圧力制
御手段を設けたので、ワークと砥石面との間の摩擦力の
変動を上記回転駆動用モータの出力側電流値の変動(換
言すれば回転負荷の変動)として検出することができ、
これに基づいてワークに作用させる加圧力を制御するこ
とで、より安定した高精度の研磨を行うことができる。
【0051】また、更に、本願の第18の発明によれ
ば、基本的には、上記第1〜第17の発明のいずれか一
と同様の作用を行い同様の効果を奏することができる。
特に、上記ホルダ回転手段の下端側にコレット式のチャ
ック装置を取り付けたので、種類の異なるホルダをこの
チャック装置に把持させて用いることができる。つま
り、研磨の目的・態様に応じて簡単にホルダの取り替え
を行うことができる。
【0052】また、更に、本願の第19の発明によれ
ば、基本的には、上記第1〜第18の発明のいずれか一
と同様の作用を行い同様の効果を奏することができる。
特に、ホルダ本体とホルダ軸とが別体に形成され、ホル
ダ軸端部の球面とホルダ本体側の凹部とが組み合わされ
るので、ホルダの砥石面に対する角度に自由度を持たせ
た研磨を行うことができる。
【0053】また、更に、本願の第20の発明によれ
ば、ワークに対する上方からの加圧力はヘッドの自重と
上記付勢手段の付勢力との差に応じて得られるので、従
来のように、油圧やエア圧あるいはバネ等による加圧装
置をヘッドに設ける必要は無い。したがって、ヘッドの
構成を簡素化することができるとともに、ヘッド側にお
ける作動上の負担軽減を図ることができる。この結果、
例えば、ホルダを回転(自転)させる場合においても、
極めて安定した高速回転を行わせることが可能になる。
また、ワークに対する加圧力は、一定値であるヘッドの
自重に大きく依存することになるので、従来、油圧やエ
ア圧あるいはバネ等による加圧装置をヘッドに設け、こ
の加圧装置のみの作用でワークを加圧していた場合に比
べて、加圧装置の制御上の誤差やノイズあるいは作動中
における研磨装置への振動入力等の外乱ノイズの影響を
小さくすることができ、より正確かつ安定した加圧を行
うことができる。尚、上記加圧力をヘッド本来の自重よ
りも大きく設定することが求められる場合には、ヘッド
に所望重量の重りを付けることにより、容易に対応する
ことができる。
【0054】また、本願の第21の発明によれば、基本
的には、上記第20の発明と同様の作用を行い同様の効
果を奏することができる。特に、上記付勢手段は上記ヘ
ッドに流体圧力に基づく付勢力を作用させる流体圧力装
置で構成され、上記調節手段は上記流体圧力を調節する
流体圧力調節手段で構成されているので、比較的簡単か
つ確実に、ヘッドに対し、その自重に抗して所望の上向
きの付勢力を作用させることができる。しかも、作動中
における研磨装置への振動入力等を流体の作用によって
有効に吸収することが可能であり、仕上げ精度の向上に
寄与することができる。
【0055】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の形態を、
添付図面に基づいて詳細に説明する。図1は本実施の形
態に係る表面研磨装置の全体構成の概略を模式的に表す
全体構成図、図2,図3および図4はそれぞれ上記表面
研磨装置の正面説明図,側面説明図および平面説明図で
ある。これらの図に示すように、上記表面研磨装置MG
は、ワークWを保持するホルダ10と、該ホルダ10を
研磨定盤60の上方にて支持するヘッド20とを備えて
いる。尚、図1では、ホルダ10及びヘッド20は一組
のみしか図示されていないが、本実施の形態では、図4
から良く分かるように、一台の表面研磨装置MGに対し
て、実際には四組のホルダ10及びヘッド20が備えら
れている。そして、上記各ホルダ10に保持されたワー
クWの被加工面(下面)を研磨定盤60の上面を構成す
る砥石面に当接させ、ワークWにホルダ10を介して上
方から所定の加圧力を作用させた状態で、ワークWと研
磨定盤60とを相対的に回転させることにより、ワーク
Wの被加工面を研磨することができるようになってい
る。
【0056】上記ヘッド20は、例えば板状部材を組み
合わせて形成された本体21(ヘッド本体)と、該ヘッ
ド本体21に対して水平方向に位置調整可能に取り付け
られた水平ブラケット22と、該水平ブラケット22の
内側端に取り付けられて上下方向に伸長するスピンドル
ユニット23(ホルダ回転用のホルダスピンドルユニッ
ト)と、ヘッド本体21の上部に下向きに固定されたホ
ルダ駆動用の電動モータ24と、該電動モータ24の出
力軸プーリ24Pと上記ホルダスピンドルユニット23
の主軸23Sの上端側に固定された入力プーリ23Pと
の間に掛け回された伝動ベルト25とを主要部として構
成されている。尚、上記各ホルダスピンドルユニット2
3の水平方向位置は、水平ブラケット22に設けた取付
ボルト挿通用の水平方向の各長溝22aの溝長さの範囲
内で調整することができるようになっている。
【0057】上記ホルダスピンドルユニット23の主軸
23Sの下端側には、後で詳しく説明するように、いわ
ゆるコレット式のチャック26が取り付けられており、
ホルダ10は、そのシャフト部分11(ホルダシャフ
ト)が上記コレットチャック26に挿入された上で、締
め付けて保持されている。そして、上記電動モータ24
が駆動されることにより、その回転力が伝動ベルト25
を介してスピンドルユニット23の主軸23Sに伝達さ
れ、この主軸23Sの回転に伴って、コレットチャック
26を介して、ホルダ10がその上下方向の中心軸(ホ
ルダシャフト11)回りに回転(自転)させられるよう
になっている。
【0058】すなわち、上記電動モータ24と一対のプ
ーリ24P,23Pと伝動ベルト25とホルダスピンド
ルユニット23とコレットチャック26とで、ホルダ1
0をその上下方向の中心軸回りに自転させるホルダ回転
手段が構成され、このホルダ回転手段は、各ヘッド20
毎にそれぞれ独立して設けられている。本実施の形態で
は、上記ホルダ駆動用の電動モータ24として、定格出
力が0.75kwのものを用いた、これによりホルダ1
0の最高回転数を1000rpm以上に設定することが
できる。
【0059】また、本実施の形態では、表面研磨装置M
Gの装置本体を構成する基台1上に、上記各ヘッド20
の上下方向への移動動作を案内するヘッド案内機構3
0,30が設けられている。該ヘッド案内機構30,3
0は、上記基台1上の図2及び図4における左右両側部
分に対をなして立設された矩形筒状のガイド本体31
と、該ガイド本体31の各側壁32にそれぞれ取り付け
られた上下方向に伸長する一対のガイドレール33とを
備え、上記側壁32のガイドレール33間には、上下方
向に延びるガイド溝32aが形成されている。
【0060】ヘッド本体21の上下方向に広がる内側面
には、上記図4から良く分かるように、上記ガイドレー
ル33と嵌合するガイドシュー27が、各レール33毎
に上下に対をなして取り付けられている。また、ヘッド
本体21の同じ内側面には、該側面から内方へ突出して
上記ガイド溝32aを挿通する突出片28の基端部が固
定されている。そして、該突出片28をガイド溝32a
に挿通させるとともに、上記各ガイドシュー27を対応
するガイドレール33に嵌合させることにより、各ヘッ
ド20がガイド本体31の側壁32に対して、上下方向
へスライド自在に取り付けられる。この場合、上記各ガ
イドシュー27とガイドレール33との間には十分な潤
滑剤が適用されており、ヘッド本体21は、このガイド
レール33に沿って無視できるほどの極めて低摩擦で上
下方向にスライドすることができるようになっている。
【0061】上記各ガイド本体31の内部には、上記図
3および図4から良く分かるように、上記ヘッド20を
その自重に抗して上向きに付勢し得る付勢手段としての
エアシリンダ40が配置されている。エアシリンダ40
は、一つのヘッド20に対して各2本ずつ独立して設け
られ、各エアシリンダ40のピストンロッド41の上端
部には、コネクタ42を介して対応するヘッド20の突
出片28の先端部が連結されている。このように、ヘッ
ド20を上向きに付勢し得る付勢手段としての各エアシ
リンダ40はヘッド案内機構30に設けられているの
で、別途に設置箇所を求める場合に比べて、その設置が
容易で、表面研磨装置MGの構造も簡素化することがで
きる。また、上記各エアシリンダ40を上記ヘッド案内
機構30に設けたので、ヘッド20に対する付勢力の作
用点をヘッド20の上下方向への移動動作の被案内部分
にできるだけ近接させることが可能となり、案内機構3
0に沿ったヘッド20の上下方向への移動動作をよりス
ムースに行わせることができるのである。
【0062】尚、本実施の形態では、各ヘッド20に対
して設けられた2本のエアシリンダ40は、その直径が
異なり(例えば6:4以上の比率)、従って受圧面積が
異なるように設定されており、それぞれ粗調節用および
微調節用として用いることにより、調節作業を容易かつ
効率良く行えるようになっている。このエアシリンダ4
0の直径およびその組み合わせを変更することにより、
粗調節および微調節の状態を容易に変えることができ
る。
【0063】上記図1に示されるように、各エアシリン
ダ40には、シリンダ内部に所定圧力の圧縮エアを導く
ためのエア配管43が接続され、各エア配管43の途中
部には、例えばエアコンプレッサ等の圧縮エア供給源4
5からの供給エアを所定の圧力に減圧・調整するレギュ
レータバルブ44がそれぞれ介設されている。尚、上記
各エア配管43は、より好ましくは、柔軟性のあるフレ
キシブルホースで形成されている。上記各レギュレータ
バルブ44は、その電磁駆動機構が表面研磨装置MGの
制御盤内に設けられた制御ユニットCUに電気的に接続
されている。該制御ユニットCUは、例えばマイクロコ
ンピュータを主要部として構成されており、各レギュレ
ータバルブ44はこの制御ユニットCUからの制御信号
によって駆動制御されるようになっている。
【0064】上述のように、上記ヘッド20を上向きに
付勢し得る付勢手段はヘッド20に流体(圧縮エア)の
圧力に基づく付勢力を作用させる流体圧力装置としての
エアシリンダ40で構成され、このエア圧力をレギュレ
ータバルブ44で調節するようにしたので、比較的簡単
かつ確実に、ヘッド20に対し、その自重に抗して所望
の上向きの付勢力を作用させることができるのである。
しかも、作動中における研磨装置への振動入力等を流体
(エア)の作用によって有効に吸収することが可能であ
り、仕上げ精度の向上に寄与することができる。また、
流体圧力をレギュレータバルブ44で調節することによ
り、非常に広い範囲で安定した調節を行うことが可能に
なる。つまり、機械的なバネ等を用いた場合には、その
経年変化や潤滑不良あるいは形状的な変形などに起因し
て、変位と荷重との関係に狂いが生じるが、レギュレー
タバルブ44で流体圧力を調節する場合には、かかる不
具合が生じることはない。尚、上記付勢力を作用させる
流体圧力装置としては、他の流体圧(例えば油圧など)
を用いるものを適用するようにしても良い。
【0065】更に、上記各ガイド本体31の内部の平面
視における中央部には、外周部に角ネジが螺設された上
下方向に延びるセンターロッド51が配設されており、
該センターロッド51の下端部は、基台1上に固定され
たギヤボックス52に連結されている。該ギヤボックス
52には、その内部のギヤ(不図示)と噛み合うネジが
外周部に螺設された水平方向に延びる水平ロッド53が
挿通されている。この水平ロッド53の一端側にはハン
ドル54が結合されており、該ハンドル54を回し操作
することにより、水平ロッド53が回転駆動され、この
回転力がギヤボックス52を介してセンターロッド51
に伝達され、このセンターロッド51が軸回りに回転さ
せられるようになっている。
【0066】該センターロッド51には、具体的には図
示しなかったが、その角ネジに螺合する雌ネジを中央部
に有するコネクタ部材が組み合わされており、該コネク
タ部材には上記各エアシリンダ40の本体部が結合され
ている。そして、上述のようにハンドル54が回し操作
されてセンターロッド51が回転した場合には、コネク
タ部材の雌ネジがセンターロッド51の外周部の角ネジ
と噛み合った状態で該センターロッド51が回転するこ
とにより、コネクタ部材がセンターロッド51に沿って
上下方向に移動し、これに伴ってエアシリンダ40全体
が、その本体ごと昇降するようになっている。本実施の
形態の場合には、4本のエアシリンダ40が同時に昇降
動作する。すなわち、上記センターロッド51とギヤボ
ックス52と水平ロッド53とハンドル54とで、上記
ヘッド20の自重とエアシリンダ40の付勢力とがバラ
ンスした状態で、ヘッド20をヘッド案内機構30に沿
って昇降させ得る昇降機構が形成されている。
【0067】かかる昇降機構を設けることにより、上記
ヘッド20の自重と上記エアシリンダ40の付勢力とが
バランスした状態で、そのバランス状態に影響を及ぼす
ことなく、ヘッド20をセンターロッド51に沿って
(つまりヘッド案内機構30に沿って)昇降させること
ができ、非加工時におけるヘッド20の操作性を高める
ことができる。また、加圧力を設定する際には、上記の
バランス状態を維持したままでヘッド20を下降させて
ワークWの被加工面を研磨定盤60の砥石面に当接さ
せ、つまり、この当接状態を基準(ゼロ点)として、そ
の後、上記レギュレータバルブ44でエアシリンダ40
による付勢力を調節することにより、容易かつスムース
に加圧力の設定を行うことができるのである。
【0068】本実施の形態では、ワークWの被加工面を
研磨する際には、上記ヘッド20の自重とエア圧力に基
づいた上記エアシリンダ40の付勢力との差に応じた上
方からの加圧力を上記ワークWに作用させた状態で加工
が行われる。すなわち、本実施の形態の場合、上述のよ
うに、ホルダ駆動用の電動モータ24として例えば定格
出力が0.75kwのモータを用いており、このモータ
24の重量を含めて各ヘッド20の総重量(自重)は約
50kgであったが、上記エアシリンダ40にエア圧力
を供給しない状態では、この自重50kgがそのまま加
工圧として各ワークWに作用することになる。
【0069】そして、ワークWの大きさ,形状あるいは
材質または研磨の進行状況等に応じて、上記の加工圧を
下げて研磨を行う場合には、レギュレータバルブ44で
調圧された所定のエア圧をエアシリンダ40に供給する
ことにより、この供給エア圧に応じたエアシリンダ40
の出力を上向きの付勢力としてヘッド20に作用させれ
ば良い。この場合には、各ヘッド20の自重からエアシ
リンダ40の出力に等しい付勢力を差し引いた力が、加
工圧として各ワークWに作用することになる。一方、ヘ
ッド20のそのままでの自重(本実施の形態では約50
kg)よりも大きい加工圧が必要な場合には、ヘッド2
0に超過分の重量を有する重りを付ければ良い。
【0070】この場合、ワークWに下向きの加圧力を作
用させるに際して、ある程度以上大きな下向きの力(ヘ
ッド20の自重)をある程度以上大きな上向きの力(エ
アシリンダ40の付勢力)で調節することにより、ワー
クWに対して非常に安定した加圧力を作用させることが
可能になる。すなわち、例えば2kgの加圧力で研磨を
行う際、例えばバネ等により2kgの力を下向きに加え
た場合と、大きな下向きの力50kgを大きな上向きの
力48kgで支持して作り出した2kgの力を下向きに
加えた場合とを例にとって説明すれば、例えば、研磨中
に突発的な衝撃の作用で上向きに1kgの力が作用した
場合、前者では力の絶対値が1.5倍(2kgから3k
g)に変化するのに対して、後者では力の絶対値は僅か
約1.01倍(98kgから99kg)に変化するに過
ぎず、後者の方がはるかに影響が少なくてすむ。
【0071】以上、説明したように、ワークWに対する
上方からの加圧力はヘッド20の自重と上記各エアシリ
ンダ40の付勢力との差に応じて得られるので、従来の
ように、油圧やエア圧あるいはバネ等による加圧装置を
ヘッドに設ける必要は無い。したがって、ヘッド20の
構成を簡素化することができるとともに、ヘッド側にお
ける作動上の負担軽減を図ることができる。この結果、
例えば、ホルダ10を回転(自転)させる場合において
も、極めて安定した高速回転を行わせることが可能にな
る。また、ワークWに対する加圧力は、一定値であるヘ
ッド20の自重に大きく依存することになるので、従
来、油圧やエア圧あるいはバネ等による加圧装置をヘッ
ドに設け、この加圧装置のみの作用でワークを加圧して
いた場合に比べて、加圧装置の制御上の誤差やノイズあ
るいは作動中における研磨装置MGへの振動入力等の外
乱ノイズの影響を小さくすることができ、より正確かつ
安定した加圧を行うことができるのである。尚、上記加
圧力をヘッド本来の自重よりも大きく設定することが求
められる場合には、ヘッドに所望重量の重りを付けるこ
とにより、容易に対応することができる。
【0072】また、上記ヘッド20の上下方向への移動
動作を案内する案内機構30が設けられているので、ヘ
ッド20の自重と上記エアシリンダ40の付勢力との差
に応じた上方からの加圧力を、ワークWに対して正確か
つスムースに作用させることができるのである。更に、
非加工時には、上記案内機構30によってヘッド20を
上方に移動させることにより、ワークWあるいはホルダ
10の取り替えなど、ヘッド20側の要素に対する所要
の作業を容易に行うことができる。
【0073】また、更に、上記ヘッド20が複数設けら
れ、各ヘッド20には上記エアシリンダ40がそれぞれ
独立して設けられているので、各ヘッド20のホルダ1
0に保持された各ワークWに対し、それぞれ独立して、
つまり各ワークWに応じた加圧力を作用させることがで
きる。また、各ヘッド20には、ホルダ回転手段がそれ
ぞれ独立して設けられているので、各ヘッド20のホル
ダ10をそれぞれ独立して、つまり各ワークWに応じて
回転させることができる。すなわち、複数のワークW
を、同時にかつ良好に、研磨することができるのであ
る。
【0074】次に、研磨定盤60およびその作動機構に
ついて説明する。図5に示すように、該研磨定盤60
は、表面研磨装置MGの基台1の略中央部分を挿通して
上下方向に伸長するスピンドルユニット69(定盤回転
用の定盤スピンドルユニット)の主軸69Sに対して固
定された砥石ホルダ61と、該砥石ホルダ61の上部に
固定された砥石本体62と、該砥石本体62の上面に形
成されて砥石面を構成する砥石層63とで形成されてい
る。該砥石層63は、例えばダイヤモンド砥粒で構成さ
れ、その表面が砥石面63fを形成している。一方、砥
石本体62は、例えばアルミニウムもしくはアルミニウ
ム合金等の軽合金材料を用いて、断面形状が例えば逆凹
状のカップ形に形成されている。また、砥石本体62の
下方は、上記定盤スピンドルユニット69のハウジング
69H側に固定されたカバー部材64で覆われるととも
に、後で詳しく説明するように、上記砥石本体62を裏
面側から冷却するための冷却水ノズル101が複数本数
配設されている。尚、定盤スピンドルユニット69の主
軸69Sは、軸受ユニット69J及び69Kを介して、
ハウジング69Hに回転自在に支承されている。
【0075】該ハウジング69Hはその外周側が板状の
定盤ベース65に固定され、該定盤ベース65は、その
上部および側方が平面視で例えば矩形状の保護カバー6
5Cで覆われている。上記定盤ベース65の下方には、
取付板66を介して基台1に対し固定されたスライドベ
ース67が位置しており、定盤ベース65は、その下面
側に固定された複数のスライダ68を介して上記スライ
ドベース67上に水平面内で摺動自在に載置されてい
る。尚、スライドベース67のスライダ68との摺接面
67fには、潤滑剤供給用の溝67aが例えば各スライ
ダ68に対応して複数箇所について設けられている。上
記スライドベース67及びスライダ68は共に、耐摩耗
性の高い材料、例えば炭素鋼を所定の硬度に焼き入れ処
理したものが用いられており、長期間に渡って両者の摺
接動作が繰り返されても、十分に耐え得るようになって
いる。
【0076】一方、上記基台1の内部には、図6から良
く分かるように、平面視における一側に定盤駆動用の電
動モータ71が下向きに固定して取り付けられるととも
に、中央部分(つまり、上記定盤スピンドルユニット6
9の下方)に、一対の軸受ユニット73で回転自在に支
持されて上下方向に延びる中間シャフト72が配設され
ており、該中間シャフト72の下端側に固定された入力
プーリ72Pと上記電動モータ71の出力軸プーリ71
Pとの間には、伝動ベルト74が掛け回されている。そ
して、上記中間シャフト72の上端側と定盤スピンドル
ユニット69の主軸69Sの下端側とは、両端に回動自
在継手機構75Aを有する動力伝達軸75によって連結
されている。また、この動力伝達軸75の途中部には、
該動力伝達軸75の長さを所定範囲内で自在に伸縮調整
し得る伸縮自在継手機構75Bが設けられている。
【0077】該伸縮自在継手機構75Bは、具体的には
図示しなかったが、従来から良く知られているものと同
じもので、例えば、互いに噛み合うスプラインを設けた
シャフトとスリーブとを組み合わせ、この両者で、軸方
向には伸縮自在、軸回りには回転不能な継手を構成した
ものである。また、上記各回動自在継手機構75Aも、
従来から良く知られているものと同じもので、軸端に設
けた支点回りの自在な回動動作を許容するものである。
尚、上記動力伝達軸としては、その両端部の相対位置の
変動を吸収しつつ回転力の伝達を行えるものであれば良
く、上記の構造に限られるものではない。
【0078】このように、両端に回動自在継手機構75
Aを備え、かつ、途中部に伸縮自在継手機構75Bを備
えることにより、後述するように、電動モータ71の出
力軸71Sと研磨定盤60の回転軸(つまり定盤スピン
ドル69の主軸69S)の相対位置が変動した場合で
も、その変動を吸収しながら、電動モータ71の回転力
を研磨定盤60の回転軸69Sに伝達することができ
る。そして、上記電動モータ71が駆動されることによ
り、その回転力が伝動ベルト74,中間シャフト72お
よび動力伝達軸75を順次介して定盤スピンドル69の
主軸69Sに伝達され、この主軸69Sの回転に伴っ
て、定盤60がその上下方向の中心軸回りに回転(自
転)させられるようになっている。すなわち、上記電動
モータ71と一対のプーリ71P,72Pと伝動ベルト
74と中間シャフト72と動力伝達軸75と定盤スピン
ドルユニット69の主軸69Sとで、定盤60をその上
下方向の中心軸回りに自転させる定盤回転手段が構成さ
れている。本実施の形態では、上記定盤駆動用の電動モ
ータ71として、例えば、定格出力が3.0kwのもの
を用いた。
【0079】また、表面研磨装置MGの基台1の内部に
は、例えば、定盤駆動用の電動モータ71の取り付け位
置と反対側に、研磨定盤60を水平面内において移動さ
せる定盤移動用の電動モータ81が取り付けられている
(図2参照)。更に、基台1の側方には、図7に示すよ
うに、一対の軸受ユニット82で回転自在に支持されて
上下方向に延びるシャフト部材83(駆動シャフト)が
配設され、該駆動シャフト83の下端側に固定された入
力プーリ83Pと上記電動モータ81の出力軸プーリ8
1Pとの間には、伝動ベルト80が掛け回されている。
また、上記駆動シャフト83の上端側には、上記定盤ベ
ース65に一端が固定された板状ブラケット65Bと駆
動シャフト83とを連結する連結部材84が固定されて
いる。尚、上記板状ブラケット65Bは、定盤ベース6
5の保護カバー65Cの一部を切り欠いた切欠部から側
方に突出するように設けられている。
【0080】該連結部材84は、平面視および側面視で
矩形状に形成され、図8および図9に詳しく示すよう
に、前後左右の側壁84a,84bおよび底壁84cと
前後の側壁84aで回転可能に支持されたネジ部材85
(調整ネジ)とを備え、上記底壁84cが駆動シャフト
83の上端に固定されている。上記連結部材84内に
は、上部に軸部材87(偏芯軸)を有する係合ブロック
86が組付けられ、該係合ブロック86の基部86aに
は、上記調整ネジ85に螺合する雌ネジが設けられてお
り、ノブ85aを回し操作して調整ネジ85を回転させ
ることにより、係合ブロック86を軸方向に移動させ、
その上部の偏芯軸87を上記駆動シャフト83に対して
任意の偏芯量だけ偏芯させることができるようになって
いる。尚、上記調整ネジ85の回転動作は、連結部材8
4の側壁84bに設けられたロックスクリュー89をね
じ込んでロックし、それ以上の係合ブロック86の移動
を規制することができるようになっている。
【0081】上記定盤ベース65の板状ブラケット65
Bの所定部位には、軸受ユニット88が嵌合固定されて
おり、上記偏芯軸87はこの軸受ユニット88の軸受8
8aに組付けられている。従って、電動モータ81を駆
動し伝動ベルト80を介して駆動シャフト83を回転さ
せることにより、上記偏芯軸87が駆動シャフト83の
軸線回りに旋回させられる。従って、定盤ベース65が
(つまり研磨定盤60が)この旋回軌跡に沿って水平面
内で移動させられる。すなわち、比較的簡単な構成で、
研磨定盤60を水平面内で所定の軌跡に沿って移動させ
ることができるのである。これにより、研磨定盤60
は、ホルダ10の軸線を中心とした一種の遊星運動を行
うことになる。このとき、定盤ベース65を支持するス
ライドベース67のスライダ68との摺接面67fに
は、潤滑剤供給用の溝67aが設けられているので、両
者の摺接部に対して十分な潤滑剤を供給することがで
き、定盤ベース65を(つまり研磨定盤60を)水平面
内でスムースにスライドして移動させることができる。
【0082】また、図10から良く分かるように、上記
定盤ベース65の一側、より好ましくは、研磨定盤60
の中心に関して上記板状ブラケット65Bの突き出し方
向と90度をなす側には、研磨定盤60の水平面内にお
ける移動動作をガイドするリンク式のガイド機構90が
設けられている。すなわち、上記図5から良く分かるよ
うに、定盤ベース65の上記一側の上面には、水平面内
において外方に延びる一対のガイドロッド91の一端が
水平面内において回動自在に連結されており、各ガイド
ロッド91の他端側は、上記図2から良く分かるよう
に、上下方向に延びるガイドプレート92の上端側に鉛
直面内において回動自在に連結されている。
【0083】上記ガイドプレート92の下端側は、基台
1の側面に固定された一対の軸受ユニット93に支承さ
れた回転軸94に鉛直面内において回動自在に支承され
ており、この各ガイドプレート92と各ガイドロッド9
1とで一種のリンクが形成され、これにより、研磨定盤
60の水平面内における移動動作をガイドするガイド機
構90が構成されている。尚、上記両ガイドプレート9
2の途中部どうしは、補強用の連結バー95で相互に連
結されている。かかるガイド機構90を設けることによ
り、水平面内で移動する研磨定盤60を確実にガイドし
て、その移動動作をより安定したものとすることができ
るのである。
【0084】以上、説明したように、研磨定盤60は上
記定盤回転手段と定盤移動手段とに連結され、研磨装置
MGの基台1に固定して取り付けられた定盤回転駆動用
の電動モータ71の出力軸71Sと研磨定盤60の回転
軸69Sとは、回動自在継手機構75Aと伸縮自在継手
機構75Bとを備えた動力伝達軸75を含む連結手段で
相互に連結されているので、定盤回転駆動用の電動モー
タ71が上記基台1に固定して取り付けられた状態で、
上記電動モータ71の出力軸71Sと研磨定盤60の回
転軸69Sの相対位置の変動を吸収しながら回転力を伝
達することができる。すなわち、ヘッド20に設けられ
たホルダ回転手段によってホルダ10を水平面内におけ
る一定位置で自転させる一方、上記定盤移動手段により
研磨定盤60を水平面内において上記所定の軌跡に沿っ
て移動しながら自転させることができ、これにより、砥
石面上でのワークWの当接位置を相対的に変化させて砥
石面63Sの偏摩耗を緩和し、砥石寿命の延長を図るこ
とができる。また、ワークWの表面と砥石面63fとの
当たりが不均一になることを防止でき、より均一で高精
度の研磨を行うことができるのである。
【0085】この場合において、砥石面上でのワークW
の当接位置の相対的な変化は研磨定盤60を移動させる
ことによって得られ、ヘッド20側の構造および作動に
負担を及ぼすことはないので、ホルダ10の自転につい
ても無理なく高速化を図ることができる。また、定盤回
転駆動用の電動モータ71は、研磨装置MGの基台1に
固定して取り付けられるので、研磨定盤60の下方に懸
下状態で配置して該定盤と一体的に移動させる場合のよ
うに、モータサイズが特に制限されることはなく、必要
に応じて大容量のものを使用することができる。
【0086】この結果、研磨定盤60およびホルダ10
の回転数の上限値を十分に高く設定することが可能にな
り、効率の高い研磨を実現することができる。すなわ
ち、例えば、脆性材料(SiあるいはMoなど)でなる
基板の表面をダイヤモンド粉末等の硬質物質でコーティ
ングした2層構造の複合ウエハーの表面研磨を行う場合
など、研磨すべき表面部が硬質物質であっても高い加工
圧を加えることができない場合でも、ホルダ10及び/
又は砥石63の回転数を高めることにより、砥石面63
fとワークWの表面との接触部での相対速度を適宜高く
設定して、低加工圧での砥粒の切り込み量の不足を単位
時間当たりの切り込み回数を増加させることで補い、基
板の割れや破壊等の不具合を招来することなく、効率の
高い研磨を行うことができるようになる。尚、砥石面6
3fとワークWの表面との接触部での相対速度として
は、10〜50m/sec.程度の範囲が望ましい。
【0087】更に、上記定盤回転駆動用の電動モータ7
1は、その出力軸71Sを下方に向けて研磨装置MGの
基台1に取り付けられ、上記出力軸71Sの下端側が上
記中間軸シャフト72の下端側に対して伝動ベルト74
を介して連結されるようにしたので、上記電動モータ7
1の出力を上記伝動ベルト74および中間シャフト72
を介して確実に研磨定盤60の回転軸69Sに伝達する
ことができ、かつ、表面研磨装置MGの高さが過度に高
くなってその操作性に悪影響を及ぼすことを防止できる
のである。
【0088】尚、本実施の形態では、上記ワークWの表
面研磨は、いわゆる乾式研磨で行われる。そして、加工
中におけるホルダ10及び研磨定盤60の温度上昇を抑
制し、良好な研磨精度を安定して得るために、これらに
対する冷却装置が設けられている。まず、研磨定盤60
の冷却装置について説明する。前述のように、研磨定盤
60の砥石本体62の下方には、砥石裏面側を指向する
複数の冷却水ノズル101(図1および図5参照)が配
設されている。これら冷却水ノズル101は複数本(本
実施の形態では3本)が1セットとして配置され、この
セットが円周等配状に複数箇所(例えば4箇所)に配設
されている。
【0089】本実施の形態では、砥石本体62は、上述
のように、その断面形状が逆凹状のカップ形に形成され
ており、裏面側に噴射供給された冷却水が容易に外部に
飛散することがないようになっている。また、上記砥石
本体62は、上述のように、アルミニウムもしくはアル
ミニウム合金等の軽合金材料を用いて形成されており、
高い冷却効果を得ることができる。尚、上記各冷却水ノ
ズル101は、より好ましくは、ある程度内径側を指向
して冷却水を噴射するように設定されており、砥石本体
62の回転に伴う遠心力の作用により、一層効果的な冷
却が行われるようになっている。
【0090】上記図1に示すように、これら冷却水ノズ
ル101に冷却水を供給する冷却水供給装置102は、
冷却水を貯えるタンク103と、該タンク103と上記
各ノズル101とを連通させるサプライ経路としての冷
却水供給管104と、該冷却水供給管104の途中部に
設けられて上記タンク103内の冷却水を各ノズル10
1に圧送する冷却水ポンプ105とを備えている。上記
冷却水ノズル101から砥石本体62の裏面側に噴射供
給された冷却水は、カバー部材64(図5参照)で回収
されるようになっており、このカバー部材64で回収さ
れた冷却水は、リターン管106を介して上記タンク1
03に還流され、これにより、タンク103側と上記研
磨定盤60側との間に冷却水循環システムが形成されて
いる。
【0091】そして、該冷却水循環システムには(具体
的には、上記タンク103側には)、冷却水ノズル10
1に圧送される冷却水の温度を略一定に保つ冷却水温度
調節手段としてのチラー107が設けられ、循環ポンプ
108によって温度調節ライン109を循環する冷却水
は、冷媒タンク(所謂チラー)107で所定温度に調節
された上でタンク103に戻される。これにより、タン
ク103内の冷却水は、常時一定温度に維持され、この
ように温度調節された冷却水がノズル101に供給され
るようになっている。
【0092】このように、上記冷却水ノズル101から
砥石本体64の裏面側に冷却水を噴射供給することによ
り、該砥石本体64を(つまり研磨定盤60を)効果的
に冷却することができる。この場合、冷却水は砥石本体
64の裏面側から噴射供給されるので、いわゆる乾式研
磨においても研磨定盤64を有効に冷却することができ
る。また、上記冷却水供給装置102と研磨定盤60側
との間に上記冷却水循環システムを形成し、該冷却水循
環システムに温度調節ライン109を付設してチラー1
07で冷却水の温度を調節するようにしたので、研磨定
盤60を一定温度に冷却することが可能になる。これに
より、一層安定した高精度の研磨を行うことができるの
である。
【0093】また、本実施の形態では、研磨定盤60の
所定部位、より好ましくは、ワークWとの摺接面63f
の温度を検出するために、動作中の物体表面の温度を検
出し得る非接触式の温度検出手段として、例えば赤外線
温度センサ100が研磨定盤60の上方に設けられてい
る。この赤外線温度センサ100は、従来から良く知ら
れているものと同じもので、赤外線の放射をサーモパイ
ルで測定することにより、離れた物体の温度を検出する
ことができる。尚、本実施の形態では、研磨定盤60の
砥石層63は、金属光沢のないレジンボンド砥石で構成
されており、電着砥石やメタルボンド砥石を用いた場合
に比べて、容易かつ正確に温度検出を行うことができ
る。上記赤外線温度センサ100で検出された温度デー
タは、表面研磨装置MGの制御ユニットCUに入力され
るようになっている。
【0094】該制御ユニットCUには、具体的には図示
しなかったが、赤外線温度センサ100の検出温度に基
づいて上記冷却水供給装置102の作動を制御する冷却
水供給制御部が設けられており、該冷却水供給制御部に
は複数の温度閾値と各温度閾値にそれぞれ対応した冷却
水の供給流量値が設定されている。そして、赤外線温度
センサ100の検出温度がいずれかの温度閾値を越えた
場合には、当該温度閾値に対応した流量の冷却水が上記
冷却水ノズル101側に供給されるようになっている。
すなわち、本実施の形態の場合、例えば4段階の温度閾
値が設定されており、検出温度が、最も低い温度閾値を
越えた場合には、1セット3本のノズル101のうち1
本が(従って、円周方向全体については4本が)冷却水
を噴射供給し、2番目の温度閾値を越えた場合には1セ
ット3本のうち2本(全体では8本)が、3番目の温度
閾値を越えた場合には3本全部(全体では12本)のノ
ズル101が冷却水の噴射供給を行う。そして、最も高
い4番目の温度閾値を越えた場合には、表面研磨装置M
Gの作動が強制的に停止されるようになっている。
【0095】このように、制御ユニットCU内に上記冷
却水供給制御部を設け、該制御部に上記各温度閾値と冷
却水の供給流量値とを設定して冷却水ノズル101側に
供給する冷却水の流量を制御するようにしたので、検出
された定盤温度に基づいた冷却水の供給制御を行うこと
ができ、より精度良く研磨定盤60を一定温度に冷却す
ることができるのである。また、この場合において、研
磨定盤60の温度検出は非接触で行われるので、研磨定
盤60の最も昇温し易い部分(例えば回転中の砥石面6
3f)の温度を支障なく検出することができ、この検出
温度に基づいて冷却水を供給することで、より効果的で
効率の良い冷却を行うことができる。
【0096】次に、ホルダ10の冷却装置について説明
する。本実施の形態では、Si等の基板の表面に例えば
ダイヤモンド等の硬質物質を被覆した、所謂、複合ウエ
ハーの表面研磨を行う場合には、ワークW(複合ウエハ
ー)を、例えばゴム板等の緩衝材を介してホルダ10に
固定するようにしている。このような方法でワークWを
ホルダ10に保持させた場合、ワークWとホルダ10と
の間が熱的に遮断されるので、研磨定盤60側が冷却さ
れていても、ホルダ10側には徐々に熱が蓄積されてか
なりの高温になる場合がある。こうした場合には、ワー
クWをホルダ10に固定する接着剤の接着力が熱によっ
て低下し、研磨作業の安定性あるいは加工精度にに悪影
響を及ぼすことが考えられる。また、ホルダ10の熱が
ホルダスピンドルユニット23側に伝わり、主軸23S
の軸受内のグリースの流失を招来し、回転性能に悪影響
を及ぼす可能性もある。そこで、ホルダ10を冷却する
ための専用の冷却装置を設けたものである。
【0097】上記図1に示すように、ホルダ10の斜め
上方には、該ホルダ10の上部に冷却用流体としての圧
縮エアを供給するエアノズル111と、上記ホルダ10
の所定部位(本実施の形態ではホルダ10の上部)の温
度を非接触で検出し得るホルダ温度検出手段としての赤
外線放射温度計112が配置されている。尚、上記ホル
ダ10は、少なくともその上部の表面が艶消しの黒色塗
料でスプレー塗装されており、金属光沢のないこの塗装
面でのホルダ温度を上記赤外線放射温度計112で検出
するようになっている。上記エアノズル111は、圧縮
エア供給源としてのエアコンプレッサ113に接続され
ており、このエアコンプレッサ113から供給された圧
縮エアは、ノズル口から噴出する際、一気に圧力が低下
することにより、断熱膨張の原理で温度が急速に降下し
(つまり冷却され)、この冷却されたエアを吹き付ける
ことによってホルダ10が冷却される。従って、上記エ
アコンプレッサ113の設定圧力を調節することによ
り、ホルダ10に吹き付けられるエアの温度を調節する
ことができる。このように、冷却用流体として気体(例
えば圧縮エア)を用いることにより、いわゆる乾式研磨
においてもホルダ10を有効に冷却することができる。
【0098】本実施の形態では、上記制御ユニットCU
内に、エアコンプレッサ113の作動を制御する冷却エ
ア制御部(不図示)が設けられており、上記赤外線放射
温度計112の検出データはこの冷却エア制御部に入力
される。そして、この検出データに基づいて、エアコン
プレッサ113の設定圧力が調節され、ホルダ10に吹
き付けられるエアの温度が調節されるようになってい
る。更に、本実施の形態では、図11および図12に示
すように、上記ホルダ10の本体12の上部に、冷却エ
アの吹き付けによる冷却効果をより一層高めることがで
きるように、放熱促進手段としての放熱フィン12Fが
多数形成されている。また、更に、本実施の形態では、
ホルダ本体12は、冷却効率をより高めるために、周囲
部分12bはアルミニウムもしくはアルミニウム合金で
形成され、荷重が加わる中央部分12cのみがステンレ
ス鋼もしくは高強度の炭素鋼で形成されている。
【0099】以上、説明したように、ホルダ10側に冷
却用の圧縮エアを供給するエアコンプレッサ113と、
ホルダ10側の温度を検出する赤外線放射温度計112
と、冷却エア制御部(不図示)とを設けたので、ホルダ
10の検出温度に基づいてホルダ10の上部を冷却する
ことができるのである。この場合において、ホルダ10
側の温度検出は非接触で行われるので、回転中のホルダ
10側の温度を支障なく検出することができる。
【0100】また、本実施の形態では、より高精度の研
磨が安定して行えるように、表面研磨装置MGの作動
中、駆動用のモータの回転負荷の変動に応じて加圧力が
調整されるようになっている。すなわち、研磨が進行す
ると、ワークWの研磨面には平滑な部分が多くなり、砥
石面63fとの実質的な接触面積が増大することにな
る。このように研磨部分での接触面積が変化すると、必
然的に接触抵抗が大きくなり、ワークWと砥石面63f
とを相対的に回転させる際の回転負荷が変化し、この回
転負荷が大きくなり過ぎると、回転不良,異常音の発
生,異常昇温あるいは異常振動の発生等の不具合が生
じ、良好な研磨を継続して行うことが難しくなる。この
ような場合には、加圧力を下げて接触抵抗を小さくし、
回転を安定化させる必要がある。
【0101】一方、接触抵抗があまりに小さ過ぎる場合
には、研磨面で滑りが生じており、この状態では研磨は
進行しないことになる。このような場合には、加圧力を
高めてワークWの表面に砥粒の先端を食い込ませる必要
がある。つまり、結果として、回転抵抗が増大すること
になる。従って、精度の高い研磨を安定して行うには、
上記接触抵抗の変動に応じて(換言すれば、ワークWと
砥石面63fとを相対的に回転させる際の回転負荷)に
応じて加圧力を調整することが好ましい。
【0102】次に、装置作動中における加圧力の調整に
ついて説明する。本実施の形態では、ワークWと研磨定
盤60とを相対的に回転させるための回転手段の少なく
ともいずれか一方(本実施の形態の場合、例えばホルダ
10の回転手段側)について、回転駆動用の各電動モー
タ24に、その出力制御を行うインバータ18(図1参
照)およびインバータ電流を検出する電流計19が付設
されており、該電流計19の検出値(インバータ電流
値)は、表面研磨装置MGの制御ユニットCUに信号入
力されるようになっている。
【0103】該制御ユニットCUには、具体的には図示
しなかったが、上記電流計19の検出値に基づいてワー
クWに作用させる加圧力を制御する加圧力制御部が設け
られ、該加圧力制御部には、ヘッド20をその自重に抗
して上向きに付勢する付勢手段(エアシリンダ40)の
付勢力を調節するレギュレータバルブ44の電磁制御機
構が信号授受可能に接続されている。そして、上記電流
計19の検出値が予め設定された上限値を越えるとエア
シリンダ40の内圧が(従って加圧力が)下げられる一
方、上記検出値が予め設定された下限値を下回るとエア
シリンダ40の内圧が(加圧力が)高められることによ
り、ワークWと砥石面63fとを相対的に回転させる際
の回転負荷が常に一定の範囲内に制御されるようになっ
ている。
【0104】このように、ヘッド20側に一方につい
て、駆動用の電動モータ24の出力側の電流値を検出す
るようにしたので、ワークWと砥石面63fとの間の摩
擦力に基づく回転抵抗の変動を上記回転駆動用モータ2
4の出力側電流値の変動(換言すれば回転負荷の変動)
として検出することができ、これに基づいてワークWに
作用させる加圧力を制御することで、より安定した高精
度の研磨を効率良く行うことができるのである。尚、か
かる加圧力の調整に用いるエアシリンダを上述の常時使
用されるエアシリンダ40とは別に独立して設け、回転
負荷の変動に伴って加圧力の調整を行う際には、この別
系統のエアシリンダを作動させるようにしても良い。
【0105】ところで、Si(シリコン)等の脆性材料
でなる基板上にダイヤモンド等の硬質物質の薄膜を被覆
して複合ウエハーを形成し、その表面を平滑に研磨する
場合、基板の厚さが例えば1mm程度以下であれば、多
くの場合、コーティング時に基板が反って変形し、表面
のコーティング膜(ダイヤモンド被膜)の厚さよりも基
板の反り(変形)の方が大きくなる場合がある。例え
ば、厚さ20μmのダイヤモンド被膜をコーティングし
た結果、基板の反りの最大値が30μmにもなる場合が
あり得る。このような場合、ワーク表面と砥石面とを平
行に保った状態でホルダを回転させて表面研磨を行う
と、コーティング膜全体が研磨される前に、基板の反っ
た部分が削られてしまうことになる。従って、かかる場
合には、ホルダの砥石面に対する角度に自由度を持たせ
ることが望ましい。
【0106】一方、基板の厚さが十分に厚く(例えば5
mm程度以上)、コーティング膜の膜厚分布が、その平
均膜厚および基板の反りに比べて十分に大きい場合に
は、ホルダ本体とホルダシャフトとが固定的に直角に設
定されたホルダを用いて、ワーク表面と砥石面とを平行
に保った状態で研磨を行えば良い。尚、上記のような複
合ウエハーの基板材料としては、Si以外に例えばMo
(モリブデン)なども用いることができる。
【0107】本実施の形態では、上述のように、ホルダ
10を回転させるホルダスピンドルユニット23の主軸
23Sの下端側に、いわゆるコレット式のチャック26
が取り付けられており、ホルダ10は、そのシャフト部
分11(ホルダシャフト)が上記コレットチャック26
に挿入された上で、締め付けて保持されるようになって
いる。このようなコレットチャック26を用いることに
より、種類の異なるホルダをこのチャック26に把持さ
せて用いることができる。つまり、ワークWの種類ある
いは研磨の目的・態様に応じて簡単にホルダの取り替え
を行うことができるのである。
【0108】また、本実施の形態では、図13にも示す
ように、ホルダ10は、ワークWを取り付けるホルダ本
体12と、ヘッド20側に装着されるホルダシャフト1
1とが別体に形成されており、該ホルダシャフト11の
ホルダ本体12側の端部は球面状に形成される一方、ホ
ルダ本体12のホルダシャフト取り付け部には、上記球
面と組み合わされる球面状の凹部12aが設けられてい
る。尚、ホルダ本体12の上端側には、一対の突起部1
2dが設けられる一方、ホルダシャフト11の下部に
は、上記突起部12dと係合する例えば穴あるいは溝状
の係合部を有する張り出し部11dが形成されており、
ホルダ本体12を種類の異なるものに取り替える際に
は、両者の係合を解除することにより、ホルダ本体12
のみを容易に取り替えを行うこともできる。
【0109】上記のように、ホルダ本体12とホルダシ
ャフト11とが別体に形成され、ホルダシャフト11の
軸端部の球面とホルダ本体12側の凹部12aとが組み
合わされるので、ホルダ10の砥石面63fに対する角
度に自由度を持たせた研磨を行うことができるのであ
る。従って、表面のコーティング膜の厚さよりも基板の
反りの方が大きいような場合にでも、ホルダ10の角度
が、ワークWの研磨面と砥石面63fとの接触面で決定
され、ワークWの表面形状に沿った自由度の高い研磨を
行うことができ、表面全体が研磨される以前に基板が削
られることはなくなる。
【0110】
【実施例】以上のように構成された本発明の実施の形態
に係る表面研磨装置(以下、本発明装置という。)と従
来の表面研磨装置(以下、従来装置という)とを用い
て、2層構造の複合ウエハー(基板:Si/被覆層:ダ
イヤモンド膜)の表面をそれぞれ研磨し、その仕上がり
状態,加工の状況あるいは研磨レート(加工速度)等を
比較する試験を行った。尚、研磨は乾式研磨とした。以
下、この実施例について具体的に説明する。 試料 試料としては、上記のような2層構造の複合ウエハーを
用いた。その作製方法の概略は以下の通りであった。基
板として、直径2インチ(約50mm)/厚さ5mmの
鏡面研磨仕上げの単結晶Si(シリコン)ウエハーを用
意し、この基板をダイヤモンド粉末(平均粒径:0.5
〜1.0μm)で傷付け処理した。これは、ダイヤモン
ドの核発生密度を高めるためである。
【0111】次に、公知のフィラメントCVD装置を用
いて、厚さ50μmのダイヤモンド被膜を基板上に形成
して複合ウエハーを作製した。フィラメントCVD法
は、周知のように、支持台上に基板を置いて炭化水素を
含む水素ガスを容器内に導き、フィラメントで加熱して
原料ガスを分解し、気相反応を起こさせて反応生成物を
基板上に堆積させる方法である。フィラメントには、直
径が0.3mmの10本のW線を7mm間隔で平行に張
ったものを用いた。また、合成条件は、以下の通りであ
った。 ・ 圧力 : 100torr ・ 水素 : 1000sccm ・ メタン : 30sccm ・ フィラメント温度 : 2100℃ ・ 基板温度 : 800℃ 以上のようにして作製した9枚の複合ウエハー(試料)
について、それぞれ装置あるいは加工条件を変えて表面
研磨加工を行った。
【0112】 本発明装置および従来装置 本実施例で用いた本発明装置および従来装置の基本的な
仕様は、表1の通りであった。尚、本発明装置について
の基本的な仕様の各項目は、発明の実施の形態で説明し
た通りのものである。また、両装置で用いた砥石は、共
通の仕様のもので、以下の通りであった。 ・ 砥粒 : ダイヤモンド ・ 粒径 : #200 ・ ボンド : レジンボンド ・ 集中度 : 100 ・ 直径 : 300mm
【0113】
【表1】
【0114】 試験条件 各試料に対する試験条件を表2に示す。試料1および試
料2は従来装置で荷重(ホルダ加圧力)条件を変えて研
磨した比較例を示し、試料3〜試料9が本発明装置で種
々の条件を変えて研磨した本発明実施例を示している。
【0115】
【表2】
【0116】 試験結果 上記各比較例および各本発明実施例についての研磨レー
トを、表2の右端欄にそれぞれ示す。また、加工の状況
は、それぞれ以下に述べる通りであった。 ・ 比較例1(試料1): 研磨は進行したが、ワーク表
面全体については余り均一ではなく、試料の比較的中央
部分のみが研磨され、研磨レートも非常に低い(0.3
μm/h)ものであった。 ・ 比較例2(試料2): 研磨途中で異音が発生し、試
料がホルダから外れた。従って、研磨レートの計測がで
きなかった。
【0117】・ 本発明実施例1(試料3): 研磨は順
調に進行し、研磨装置を除いては試験条件が同一である
比較例1に比べて、研磨レートは4倍(1.2μm/
h)であり、均一な研磨が行えた。これは、研磨定盤を
(つまり砥石を)遊星運動させることによる効果である
と考えられる。 ・ 本発明実施例2(試料4): 砥石およびホルダの冷
却も含めて研磨装置を除いては、比較例2と試験条件は
同一であるが、比較例2のような不具合は発生せず、研
磨は順調に進行した。これは、砥石およびホルダを冷却
したことによる効果であると考えられる。また、この場
合、本発明実施例1に比べて荷重(ホルダ加圧力)が大
きく設定されており、この結果、研磨レートも大幅に高
く(3.8μm/h)なっている。 ・ 本発明実施例3(試料5): この場合は、ホルダが
冷却されていない点を除いては、上記本発明実施例2と
試験条件は同一である。研磨レートは本発明実施例2と
同レベル(4.1μm/h)であったが、ホルダの昇温が
大きく、ワークをホルダに接着固定する接着剤の劣化が
認められた。
【0118】・ 本発明実施例4(試料6): この場合
は、砥石(研磨定盤)が冷却されていない点を除いて
は、上記本発明実施例2と試験条件は同一である。研磨
レートは本発明実施例2と同レベル(4.2μm/h)
であったが、やはり研磨定盤の昇温が大きかった。 ・ 本発明実施例5(試料7): この場合は、荷重(ホ
ルダ加圧力:50kgf)を大きく設定した点を除いて
は、上記本発明実施例2と試験条件は同一である。研磨
は順調に進行し、ホルダ加圧力の増大により、本発明実
施例2に比べて若干高い研磨レート(4.4μm/h)
が得られた。 ・ 本発明実施例6(試料8): この場合は、砥石回転
数を高く設定(1000rpm)した点を除いては、上
記本発明実施例2と試験条件は同一である。研磨は順調
に進行し、ワークと砥石の相対速度の増大により、本発
明実施例2に比べてかなり高い研磨レート(5.1μm
/h)が得られた。 ・ 本発明実施例7(試料9): この場合は、ホルダ回
転数を高く設定(500rpm)した点を除いては、上
記本発明実施例6と試験条件は同一である。研磨は順調
に進行し、ワークと砥石の相対速度が更に増大したこと
により、本発明実施例6に比べて更に若干高い研磨レー
ト(5.3μm/h)が得られた。また、研磨加工後の
ウエハーの膜厚分布も極めて良好であった。
【0119】以上、説明したように、本実施例により、
本発明の実施の形態に係る表面研磨装置および表面研磨
方法の顕著な作用効果が確認された。すなわち、脆性材
料(Si)でなる基板の表面を硬質物質(ダイヤモンド
粉末)で被覆して形成した複合ウエハーの表面を、支障
なく、しかも高精度で効率良く研磨することができるの
である。
【0120】尚、本発明は、以上の実施態様に限定され
るものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において、
種々の改良あるいは設計上の変更が可能であることは言
うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態に係る表面研磨装置の全
体構成図である。
【図2】 上記表面研磨装置の正面説明図である。
【図3】 上記表面研磨装置の側面説明図である。
【図4】 上記表面研磨装置の平面説明図である。
【図5】 上記表面研磨装置の研磨定盤の部分断面説明
図である。
【図6】 上記研磨定盤の回転手段を示す表面研磨装置
の下部の正面説明図である。
【図7】 上記研磨定盤の移動機構を示す説明図であ
る。
【図8】 上記移動機構の要部を示す部分断面説明図で
ある。
【図9】 図8のY−Y線に沿った縦断面説明図であ
る。
【図10】 上記研磨定盤の移動機構およびガイド機構
を示す平面説明図である。
【図11】 上記表面研磨装置のホルダ本体の平面説明
図である。
【図12】 上記ホルダ本体の正面説明図である。
【図13】 上記ホルダ本体およびホルダシャフトの正
面説明図である。
【符号の説明】
1…基台 10…ホルダ 11…ホルダシャフト 12…ホルダ本体 12a…凹部 12F…放熱フィン 18…インバータ 19…電流計 20…ヘッド 23…ホルダスピンドルユニット 23S…ホルダスピンドルユニットの主軸 23P…入力プーリ 24…電動モータ(ホルダ回転駆動用) 25…伝動ベルト 26…コレットチャック 30…ヘッド案内機構 40…エアシリンダ 44…レギュレータバルブ 51…センターロッド 52…ギヤボックス 53…水平ロッド 54…ハンドル 60…研磨定盤 63f…砥石面 67…スライドベース 67a…溝部 69…定盤スピンドルユニット 69S…定盤スピンドルユニットの主軸 71…電動モータ(定盤駆動用) 71P…プーリ 71S…電動モータの出力軸 72…中間シャフト 72P…入力プーリ 74…伝動ベルト 75…動力伝達軸 75A…回転自在継手機構 75B…伸縮自在継手機構 81…電動モータ(定盤移動用) 83…駆動シャフト 87…偏芯軸 90…ガイド機構 100…赤外線温度センサ 101…冷却水ノズル 102…冷却水供給装置 103…タンク 104…冷却水供給管 105…冷却水ポンプ 106…リターン管 107…チラー 108…循環ポンプ 109…温度調節ライン 111…エアノズル 112…赤外線放射温度計 113…エアコンプレッサ CU…制御ユニット MG…表面研磨装置 W…ワーク

Claims (21)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ワークを保持するホルダと、該ホルダを
    研磨定盤の上方にて支持するヘッドとを備え、上記ホル
    ダに保持されたワークの被加工面を上記研磨定盤の上面
    を構成する砥石面に当接させ、上記ワークにホルダを介
    して上方から所定の加圧力を作用させた状態で、上記ワ
    ークと上記研磨定盤とを相対的に回転させることによ
    り、上記ワークの被加工面を研磨するようにした表面研
    磨装置であって、 上記ヘッドをその自重に抗して上向きに付勢し得る付勢
    手段と、該付勢手段の付勢力を調節する調節手段とを設
    け、ワーク被加工面の研磨時には、上記ヘッドの自重と
    上記付勢手段の付勢力との差に応じた上方からの加圧力
    を上記ワークに作用させることを特徴とする表面研磨装
    置。
  2. 【請求項2】 上記付勢手段は上記ヘッドに流体圧力に
    基づく付勢力を作用させる流体圧力装置で構成され、上
    記調節手段は上記流体圧力を調節する流体圧力調節手段
    で構成されていることを特徴とする請求項1記載の表面
    研磨装置。
  3. 【請求項3】 上記ヘッドの上下方向への移動動作を案
    内する案内機構が設けられていることを特徴とする請求
    項1または請求項2に記載の表面研磨装置。
  4. 【請求項4】 上記案内機構には、上記ヘッドの自重と
    上記付勢手段の付勢力とがバランスした状態で、ヘッド
    を案内機構に沿って昇降させ得る昇降機構が付設されて
    いることを特徴とする請求項3記載の表面研磨装置。
  5. 【請求項5】 上記付勢手段は上記案内機構に設けられ
    ていることを特徴とする請求項3または請求項4に記載
    の表面研磨装置。
  6. 【請求項6】 上記ヘッドが複数設けられ、各ヘッドに
    は上記付勢手段がそれぞれ独立して設けられていること
    を特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか一に記載の
    表面研磨装置。
  7. 【請求項7】 ワークを保持するホルダと、該ホルダを
    研磨定盤の上方にて支持するヘッドとを備え、上記ホル
    ダに保持されたワークの被加工面を上記研磨定盤の上面
    を構成する砥石面に当接させ、上記ワークにホルダを介
    して上方から所定の加圧力を作用させた状態で、上記ワ
    ークと上記研磨定盤とを相対的に回転させることによ
    り、上記ワークの被加工面を研磨するようにした表面研
    磨装置であって、 上記ヘッドには、上記ホルダをその上下方向の中心軸回
    りに自転させるホルダ回転手段が設けられる一方、上記
    研磨定盤は、該研磨定盤をその上下方向の中心軸回りに
    自転させる定盤回転手段と、研磨定盤を水平面内におい
    て所定の軌跡に沿って移動させる定盤移動手段とに連結
    され、上記定盤回転手段の回転駆動用モータは研磨装置
    本体に固定して取り付けられるとともに、上記回転駆動
    用モータの出力軸と上記研磨定盤の回転軸とは、両軸の
    相対位置の変動を吸収しながら回転力を伝達し得る自在
    継手機構を含む連結手段で相互に連結されており、上記
    ホルダは水平面内における一定位置で自転する一方、上
    記研磨定盤は、水平面内において上記所定の軌跡に沿っ
    て移動しながら自転することを特徴とする表面研磨装
    置。
  8. 【請求項8】 上記研磨定盤の回転軸の下端側は上記自
    在継手機構を備えた中間軸部材の上端側に連結されると
    ともに、上記定盤回転手段の回転駆動用モータはその出
    力軸を下方に向けて研磨装置本体に取り付けられてお
    り、該出力軸の下端側は上記中間軸部材の下端側に対し
    て伝動ベルトを介して連結されていることを特徴とする
    請求項7記載の表面研磨装置。
  9. 【請求項9】 上記定盤移動手段は、研磨装置本体に固
    定された定盤移動用モータと、該モータで回転させられ
    る上下方向の駆動軸と、該駆動軸に対し所定量だけ偏芯
    して一体的に連結された上下方向に伸びる偏芯軸とを備
    え、該偏芯軸が上記研磨定盤の所定部位に連結されてい
    ることを特徴とする請求項7または請求項8に記載の表
    面研磨装置。
  10. 【請求項10】 上記研磨装置本体の上部には、上記研
    磨定盤の下面側を水平面内でスライド自在に支持する定
    盤支持面が設けられ、該定盤支持面または上記研磨定盤
    下面の少なくともいずれか一方には、両面の摺接部に潤
    滑剤を供給するための溝部が設けられていることを特徴
    とする請求項7〜請求項9のいずれか一に記載の表面研
    磨装置。
  11. 【請求項11】 上記研磨定盤と研磨装置本体の間に
    は、上記研磨定盤の水平面内における移動動作をガイド
    するリンク式のガイド機構が設けられていることを特徴
    とする請求項7〜請求項10のいずれか一に記載の表面
    研磨装置。
  12. 【請求項12】 上記ヘッドが複数設けられ、各ヘッド
    には上記ホルダ回転手段がそれぞれ独立して設けられて
    いることを特徴とする請求項7〜請求項11のいずれか
    一に記載の表面研磨装置。
  13. 【請求項13】 ワークを保持するホルダと、該ホルダ
    を研磨定盤の上方にて支持するヘッドとを備え、上記ホ
    ルダに保持されたワークの被加工面を上記研磨定盤の上
    面を構成する砥石面に当接させ、上記ワークにホルダを
    介して上方から所定の加圧力を作用させた状態で、上記
    ワークと上記研磨定盤とを相対的に回転させることによ
    り、上記ワークの被加工面を研磨するようにした表面研
    磨装置であって、 上記研磨定盤の下方には、砥石裏面側を指向する冷却水
    ノズルと、該ノズルから供給された冷却水を回収するカ
    バー部材とが配設され、上記ノズルに冷却水を供給する
    冷却水供給手段は、冷却水を貯えるタンクと、該タンク
    と上記ノズルとを連通させるサプライ経路と、該サプラ
    イ経路に設けられて上記タンク内の冷却水を上記ノズル
    に圧送する冷却水ポンプとを備えるとともに、上記カバ
    ー部材で回収された冷却水を上記タンクに還流させるリ
    ターン経路と接続されて、上記研磨定盤側との間に冷却
    水循環システムを形成しており、該冷却水循環システム
    には、上記ノズルに圧送される冷却水の温度を略一定に
    保つ冷却水温度調節手段が設けられていることを特徴と
    する表面研磨装置。
  14. 【請求項14】 上記研磨定盤の所定部位の温度を検出
    し得る定盤温度検出手段と、該定盤温度検出手段の検出
    温度に基づいて上記冷却水供給手段の作動を制御する冷
    却水供給制御手段とが設けられ、該冷却水供給制御手段
    には複数の温度閾値と各温度閾値にそれぞれ対応した冷
    却水の供給流量値が設定されており、上記検出温度がい
    ずれかの温度閾値を越えた場合には、当該温度閾値に対
    応した流量の冷却水が上記ノズルに供給されることを特
    徴とする請求項13記載の表面研磨装置。
  15. 【請求項15】 上記定盤温度検出手段は、非接触で上
    記研磨定盤の所定部位の温度を検出することを特徴とす
    る請求項14記載の表面研磨装置。
  16. 【請求項16】 ワークを保持するホルダと、該ホルダ
    を研磨定盤の上方にて支持するヘッドとを備え、上記ホ
    ルダに保持されたワークの被加工面を上記研磨定盤の上
    面を構成する砥石面に当接させ、上記ワークにホルダを
    介して上方から所定の加圧力を作用させた状態で、上記
    ワークと上記研磨定盤とを相対的に回転させることによ
    り、上記ワークの被加工面を研磨するようにした表面研
    磨装置であって、 上記ホルダの上部には放熱促進手段が形成されており、
    該ホルダ上部に冷却用流体を供給する冷却用流体供給手
    段と、上記ホルダの所定部位の温度を非接触で検出し得
    るホルダ温度検出手段と、該ホルダ温度検出手段の検出
    温度に基づいて上記冷却用流体供給手段の作動を制御す
    る冷却制御手段とが設けられていることを特徴とする表
    面研磨装置。
  17. 【請求項17】 ワークを保持するホルダと、該ホルダ
    を研磨定盤の上方にて支持するヘッドとを備え、上記ホ
    ルダに保持されたワークの被加工面を上記研磨定盤の上
    面を構成する砥石面に当接させ、上記ワークにホルダを
    介して上方から所定の加圧力を作用させた状態で、上記
    ワークと上記研磨定盤とを相対的に回転させることによ
    り、上記ワークの被加工面を研磨するようにした表面研
    磨装置であって、 上記ワークと上記研磨定盤とを相対的に回転させるため
    に、上記ホルダをその上下方向の中心軸回りに自転させ
    るホルダ回転手段と上記研磨定盤をその上下方向の中心
    軸回りに自転させる定盤回転手段の少なくともいずれか
    一方が設けられ、これら回転手段の少なくともいずれか
    一方について、回転駆動用モータの出力側電流値を検出
    するモータ電流検出手段が設けられるとともに、該モー
    タ電流検出手段の検出値に基づいて、上記ワークに作用
    させる加圧力を制御する加圧力制御手段が設けられてい
    ることを特徴とする表面研磨装置。
  18. 【請求項18】 上記ホルダをその上下方向の中心軸回
    りに自転させるホルダ回転手段が設けられ、該ホルダ回
    転手段の下端側には、コレット式のチャック装置が取り
    付けられていることを特徴とする請求項1〜請求項17
    のいずれか一に記載の表面研磨装置。
  19. 【請求項19】 上記ホルダは、ワークを取り付けるホ
    ルダ本体と、ヘッド側に装着されるホルダ軸とが別体に
    形成され、該ホルダ軸のホルダ本体側の端部が球面状に
    形成される一方、ホルダ本体のホルダ軸取り付け部に
    は、上記球面と組み合わされる球面状の凹部が設けられ
    ていることを特徴とする請求項1〜請求項18のいずれ
    か一に記載の表面研磨装置。
  20. 【請求項20】 ワークを保持するホルダをヘッドによ
    り研磨定盤の上方にて支持し、上記ホルダに保持された
    ワークの被加工面を上記研磨定盤の上面を構成する砥石
    面に当接させ、上記ワークにホルダを介して上方から所
    定の加圧力を作用させた状態で、上記ワークと上記研磨
    定盤とを相対的に回転させることにより、上記ワークの
    被加工面を研磨するようにした表面研磨方法であって、 上記ヘッドをその自重に抗して上向きに付勢し得る付勢
    手段と、該付勢手段の付勢力を調節する調節手段とを設
    け、ワーク被加工面の研磨時には、上記ヘッドの自重と
    上記付勢手段の付勢力との差に応じた上方からの加圧力
    を上記ワークに作用させた状態で研磨することを特徴と
    する表面研磨方法。
  21. 【請求項21】 上記付勢手段は上記ヘッドに流体圧力
    に基づく付勢力を作用させる流体圧力装置で構成され、
    上記調節手段は上記流体圧力を調節する流体圧力調節手
    段で構成されていることを特徴とする請求項20記載の
    表面研磨方法。
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