JPH0938573A - 金属表面の被覆方法 - Google Patents

金属表面の被覆方法

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JPH0938573A
JPH0938573A JP7209215A JP20921595A JPH0938573A JP H0938573 A JPH0938573 A JP H0938573A JP 7209215 A JP7209215 A JP 7209215A JP 20921595 A JP20921595 A JP 20921595A JP H0938573 A JPH0938573 A JP H0938573A
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resin
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film
resin coat
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JP7209215A
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Takumi Honda
匠 本田
Mutsumi Hirota
睦 廣田
Norifumi Hatano
憲文 畑野
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Nihon Parkerizing Co Ltd
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    • B05SPRAYING OR ATOMISING IN GENERAL; APPLYING FLUENT MATERIALS TO SURFACES, IN GENERAL
    • B05DPROCESSES FOR APPLYING FLUENT MATERIALS TO SURFACES, IN GENERAL
    • B05D7/00Processes, other than flocking, specially adapted for applying liquids or other fluent materials to particular surfaces or for applying particular liquids or other fluent materials
    • B05D7/14Processes, other than flocking, specially adapted for applying liquids or other fluent materials to particular surfaces or for applying particular liquids or other fluent materials to metal, e.g. car bodies
    • B05D7/142Auto-deposited coatings, i.e. autophoretic coatings
    • B05D7/144After-treatment of auto-deposited coatings

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Abstract

(57)【要約】 【目的】 金属表面への自己析出型樹脂被膜として、
耐食性および付着性に優れると共に、従来の方法で得ら
れる被膜よりも光沢ムラのない良好な外観を有する自己
析出型樹脂被膜を与える。 【構成】 被膜形成用樹脂エマルジョン、酸および酸
化剤、および必要に応じ金属イオン、および必要に応じ
さらなる水よりなる自己析出型水性被覆組成物と金属表
面とを接触させて、該金属表面に樹脂被膜を形成させ、
ついで該樹脂被膜を水洗し、ついで加熱乾燥することよ
りなる金属表面の被覆方法において、該水洗後該加熱乾
燥前に、該樹脂被膜を、エチレン性二重結合を有するカ
ルボン酸モノマーの重合体およびその塩から選ばれる少
なくとも一種を0.2〜10.0g/L含有するpH6
〜11の水溶液と接触させることを特徴とする金属表面
の被覆方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、金属表面の被覆方法に
関する。さらに詳しくは、本発明は、金属、例えば、
鉄、亜鉛、鉄合金、亜鉛合金等の金属の表面に、優れた
耐食性および付着性を有すると共に、光沢ムラのない良
好な外観を有する自己析出型樹脂被膜を形成せしめるこ
とができる、金属表面の被覆方法に関する。
【0002】
【従来の技術】金属表面を有機被膜形成用樹脂を含む酸
性の組成物に接触させることによって、該金属表面に樹
脂被膜を形成せしめることができる被覆組成物は、自己
析出型水性被覆組成物として知られており、特公昭47
−17630号、特公昭52−21006号、特公昭5
4−13435号、特開昭61−168673号等の公
報に開示されている。自己析出型水性被覆組成物の特徴
は、被覆組成物中に表面清浄な金属材料を浸漬すること
により、浸漬時間と共に厚さあるいは重量が増大する樹
脂被膜を形成せしめることができることである。さらに
は、被膜形成は該金属表面上の被覆組成物の化学作用
(エッチングにより金属表面から溶出した金属イオンが
樹脂粒子に作用して一緒に金属表面上に析出する)によ
り達成されるため、電着のごとく外部からの電気を使用
することなく、該金属表面上に樹脂被膜を効果的に形成
せしめることができる。しかしながら、形成された樹脂
被膜の耐食性や付着性に必ずしも満足できない場合があ
り、これらの改良のため種々の手段が開発された。それ
らの手段の中に、次に掲げるような、加熱乾燥前の自己
析出型被膜の化学的処理(後処理)がある。
【0003】特公昭53−15093号公報および米国
特許第3795546号公報には、被塗物を自己析出型
水性被覆組成物に浸漬後、樹脂被膜を加熱乾燥する前に
6価クロム化合物とポリアクリル酸を含有する水溶液に
接触させることにより、乾燥後の被膜の耐食性を向上さ
せることが開示されている。特開昭51−30245号
公報には、被塗物上に形成された自己析出型樹脂被膜を
加熱乾燥する前に、水性溶剤、例えばアルコール、ケト
ン、アルコールエステル、ケトンエステル、ケトンエー
テルまたはエステルエーテルを10〜100g/L含有
する水溶液に接触させることにより、該樹脂被膜の乾燥
後の膨れ、ワレ等の外観不良を防止する方法が開示され
ている。特開昭52−68240号公報には、被塗物上
に形成された自己析出型樹脂被膜を加熱乾燥する前に、
含窒素有機化合物、例えばアミン、カルボン酸アミン
塩、アミノ酸、メラミンおよびアミドの群から選ばれた
少なくとも一種を主成分として5〜100g/L含有す
る水溶液または水分散液に接触させることにより、乾燥
後の該樹脂被膜の耐食性を向上させる方法が開示されて
いる。
【0004】特開平3−505841号公報には、被塗
物上に形成された自己析出型樹脂被膜を加熱乾燥する前
に、アルカリ性物質の水溶液と接触させることにより、
乾燥後の該樹脂被膜の付着性および耐食性を向上させる
方法が開示されている。また、特開平5−186889
号公報には、被塗物上に形成された自己析出型樹脂被膜
を加熱乾燥する前に、1,1−ジホスホン酸、クエン
酸、酒石酸およびシュウ酸からなる群から選ばれる酸か
ら誘導されるアニオンを、0.05〜5重量%含有する
pH7〜11の水溶液と接触させることにより、乾燥後
の該樹脂被膜の付着性および耐食性を向上させる方法が
開示されている。
【0005】しかしながら、自己析出による被覆法は一
般に浸漬法によって行われることが多いため、コーティ
ング液が滞留しやすい特定の部位、例えばボルト止め部
位を有する被塗物の場合、ボルト止め用に開けられてい
る穴部に溜まったコーティング液が垂れ、その垂れ部と
そうでない部位とて被膜の光沢に違い(光沢ムラ)が生
じ、均一な被膜外観が得られないことがしばしばあっ
た。この光沢ムラは、被塗物を自己析出型樹脂被膜のみ
で使用する場合、被塗物の外観品質を著しく損なうもの
となる。前述の先行技術の、乾燥前の自己析出型樹脂被
膜の化学的処理(後処理)は、該樹脂被膜の耐食性の向
上や樹脂被膜の膨れ、ワレ防止には効果的であるが、光
沢ムラを防止する点については効果がなかった。近年、
金属表面の塗装は、より付加価値の高いものが要求され
ており、高耐食性、高付着性は勿論のこと、均一な被膜
外観を有することが求められており、かかる観点からさ
らなる改善が望まれていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、耐食
性および付着性に優れ、かつ光沢ムラのない良好な外観
を有する自己析出型樹脂被膜を形成させることができ
る、金属表面の被覆方法を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題は、本発明方法
によって、すなわち被膜形成用樹脂エマルジョン、酸お
よび酸化剤、および必要に応じ金属イオン、および必要
に応じさらなる水よりなる自己析出型水性被覆組成物と
金属表面とを接触させて、該金属表面に樹脂被膜を形成
させ、ついで該樹脂被膜を加熱乾燥することよりなる金
属表面の被覆方法において、該加熱乾燥前に、該樹脂被
膜を、エチレン性二重結合を有するカルボン酸モノマー
の重合体およびその塩から選ばれる少なくとも一種を
0.2〜10.0g/L含有するpH6〜11の水溶液
と接触させることを特徴とする金属表面の被覆方法によ
って、解決された。
【0008】以下本発明の構成を詳述する。本発明で使
用する被膜形成用樹脂エマルジョン中の樹脂としては、
自己析出型水性被覆組成物に通常使用し得る樹脂であれ
ば特に制限はなく、例えば、メチルアクリレート、エチ
ルアクリレート、n−ブチルアクリレート、2−ヒドロ
キシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアク
リレート、2−エチルヘキシルアクリレート、メチルメ
タクリレート、エチルメタクリレート、n−ブチルメタ
クリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2
−ヒドロキシプロピルメタクリレート、グリシジルアク
リレート、グリシジルメタクリレート等の(メタ)アク
リル酸エステルモノマーはもとより、アクリルアミド、
メタクリルアミド、アクリロニトリル、アクリル酸、メ
タクリル酸も包含する(メタ)アクリル酸系モノマー、
スチレン、エチレン、ビニルクロライド、ビニリデンク
ロライド、ビニルアセテート等の単独重合体、またはこ
れらの2種以上からなる共重合体;ウレタン樹脂;エポ
キシ樹脂;ポリエステル樹脂等が挙げられる。本発明で
使用する樹脂は上記したごとき樹脂の任意の混合物であ
ってもよい。上記樹脂の分子量については、特に制限は
ないが、例えば、ポリスチレンまたはポリアクリル酸エ
ステルを標準物質として用いる、テトラヒドロフラン中
でのマススペクトルにより、5〜100万、好ましくは
10〜100万の分子量であることができる。
【0009】本発明で使用する被膜形成用樹脂エマルジ
ョンは、自己析出型水性被覆組成物の調製に通常用いら
れる樹脂エマルジョンであればよく、通常乳化重合によ
って得られる樹脂エマルジョンそのものであることが多
いが、種々の重合法によって得た樹脂を水に乳化分散さ
せた樹脂エマルジョンであってもよい。乳化重合により
樹脂エマルジョンを得る場合の重合条件も特に制限され
ず、常法に従えばよいが、一例として、少なくとも水、
アニオン性界面活性剤および/またはノニオン性界面活
性剤、上記樹脂成分モノマー、および重合開始剤よりな
る混合物を重合反応に付すことにより、被膜形成用樹脂
エマルジョンを得ることができる。
【0010】本発明で使用する自己析出型水性被覆組成
物は、上述のようにして得られる被膜形成用樹脂エマル
ジョンと、酸および酸化剤、および必要に応じ金属イオ
ンを供給し得る化合物とを混合し、必要に応じさらに水
を添加することにより、得ることができる。酸として
は、例えばジルコンフッ化水素酸、チタンフッ化水素
酸、ケイフッ化水素酸、ホウフッ化水素酸、フッ化水素
酸、リン酸、硝酸等から選ばれる少なくとも1種を使用
できるが、フッ化水素酸が好ましい。酸化剤としては、
過酸化水素、過マンガン酸カリウム、亜硝酸ナトリウム
等を用いることができるが、過酸化水素が好ましい。金
属イオンを供給し得る化合物としては、該被覆組成物中
で安定であれば特に限定はなく、例えばフッ化第二鉄、
硝酸第二鉄、リン酸第一鉄、硝酸第一コバルト等が挙げ
られるが、フッ化第二鉄が好ましい。
【0011】本発明で使用する自己析出型水性被覆組成
物中における樹脂含有量は樹脂固形分濃度として5〜5
50g/Lが好ましく、さらに好ましくは50〜100
g/Lである。酸の濃度は0.1〜5.0g/Lが好ま
しく、さらに好ましくは0.5〜3.0g/Lであり、
酸化剤の濃度は0.01〜3.0g/Lが好ましく、さ
らに好ましくは0.03〜1.0g/Lである。金属イ
オンを供給し得る化合物は用いなくてもよいが、用いる
ほうが好ましく、用いる場合の濃度は50g/L以下、
より好ましくは1.0〜5.0g/Lである。
【0012】本発明で使用する自己析出型水性被覆組成
物は、任意成分としてさらに、最低造膜温度を下げて、
析出した樹脂粒子の融着をしやすくするための、造膜助
剤、例えばトリアルキルペンタンジオールイソブチレー
ト、アルキルカルビトール等、さらに顔料、例えばカー
ボンブラック、フタロシアニンブルー、フタロシアニン
グリーン、キナクリドンレッド、ハンザイエロー、ベン
ジジンイエロー等を含有していてもよい。
【0013】本発明で使用する自己析出型水性被覆組成
物は、自動車用シート部品、ショックアブソーバ、ジャ
ッキ、板バネ、サスペンション部品、ブラケット等の自
動車用部品、引き出しレール等の家具関係部品等を始め
とする種々の部品、製品の、鉄、亜鉛、鉄合金、亜鉛合
金、特に鉄鋼部分の表面の処理に用いられる。本発明で
使用する自己析出型水性被覆組成物を用いて、金属表面
を処理する方法については特に制限はなく、浸漬法、ス
プレー法、ロールコート法等の表面処理剤の一般的適用
方法を採用できるが、浸漬法が好ましい。また、処理温
度、処理時間についても特に制限はないが、浸漬処理の
場合,一般に常温、例えば18〜25℃の該組成物に3
0〜300秒、好ましくは90〜240秒浸漬するのが
適当である。該被覆組成物の金属への適用量についても
特に制限はないが、乾燥後の膜厚として、5〜40μが
好ましく、20〜30μがさらに好ましい。なお、通
常、該被覆組成物の適用に先立ち、金属表面を脱脂、水
洗しておく。
【0014】該被覆組成物の金属への適用後、好ましく
は通常水洗し、ついで本発明方法の特徴部分である、後
処理を行う。この水洗は、流水にさらすことによって行
うこともできるが、通常常温水に10〜120秒、好ま
しくは20〜60秒浸漬することにより行う。本発明の
後処理は、上記のようにして生成させた樹脂被膜を、既
述のごとく、エチレン性二重結合を有するカルボン酸モ
ノマーの重合体およびその塩から選ばれる少なくとも一
種を0.2〜10.0g/L含有するpH6〜11の水
溶液(後処理液)と接触させることにより行う。該重合
体およびその塩から選ばれる少なくとも一種の濃度は、
好ましくは0.5〜4.5g/L、さらに好ましくは
1.0〜3.0g/Lである。該重合体およびその塩か
ら選ばれる少なくとも一種の濃度が、0.2g/L未満
では添加による、乾燥後の被膜の光沢ムラ防止効果が期
待できず、一方10.0g/Lを越えると、樹脂皮膜の
最表面の乾燥性が不均一となり、むしろ光沢ムラを生ず
る。
【0015】エチレン性二重結合を有するカルボン酸モ
ノマーの重合体およびその塩としては、ポリアクリル
酸、ポリメタクリル酸、ポリマレイン酸、(メタ)アク
リル酸エステルモノマー(前記被膜形成用樹脂エマルジ
ョン中の樹脂について列挙したのと同様な(メタ)アク
リル酸エステルモノマーであることができる)および/
またはスチレンとエチレン性二重結合を有するカルボン
酸モノマー(アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、
フマル酸、イタコン酸、クロトン酸等)との共重合体、
およびこれらのナトリウム塩、アンモニウム塩等が挙げ
られる。これらのうち好ましいのはポリアクリル酸およ
びそのアンモニウム塩である。上記共重合体の場合、共
重合体中における(メタ)アクリル酸エステルモノマー
および/またはスチレンとエチレン性二重結合を有する
カルボン酸モノマーの重量比率は、好ましくは1:99
〜50:50、さらに好ましくは3:97〜30:70
である。上記エチレン性二重結合を有するカルボン酸モ
ノマーの重合体の分子量(測定法は前記被膜形成用樹脂
の場合と同様)については、特に限定はないが、好まし
くは2千〜20万、さらに好ましくは1万〜5万であ
る。エチレン性二重結合を有するカルボン酸モノマーの
重合体はいずれの重合法によって得られるものであって
もよく、また該後処理液の製造に際しては、重合液から
精製した重合体を用いてもよく、または、本発明の目的
に支障を与えない限り、重合液そのものを用いてもよ
い。
【0016】該後処理液のpHは6〜11である必要が
ある。好ましくはpH6.5〜8.5である。pHが6
未満では、乾燥後の被膜の光沢ムラの防止に効果がな
く、かつ耐食性および付着性も十分でなく、一方pHが
11を越えると付着性が十分でなくなる。該後処理液の
pHを調整するための物質としては、特開平3−505
841号公報や特開平5−186889号公報に開示さ
れている公知のものが好適に使用される。例えば、重炭
酸アンモニウム、水酸化アンモニウム、およびナトリウ
ム、カリウム、リチウムのようなアルカリ金属の水酸化
物等が挙げられる。好ましく使用されるのは重炭酸アン
モニウム、水酸化アンモニウムおよび水酸化ナトリウム
の1種または2種以上である。より好ましくは重炭酸ア
ンモニウムまたは水酸化アンモニウムである。
【0017】本発明の上記後処理は、特に制限されるわ
けではないが、5〜60℃、通常常温で30〜120
秒、特に60〜90秒浸漬することにより行うのが適当
である。 該後処理後、被塗物を乾燥処理に付して、被
膜中の水分を蒸発させ、樹脂粒子間の融着を促進する。
この乾燥は、特に制限されるわけではないが、一般に6
0〜200℃、特に100〜180℃で、5〜30分、
特に10〜20分行うのが適当である。
【0018】
【作用】本発明の後処理液の作用については、以下のご
とく推察される。すなわち、未乾燥の自己析出型樹脂被
膜を該後処理液に接触させることにより、該後処理液中
のエチレン性二重結合を有するカルボン酸モノマーの重
合体およびその塩から選ばれる少なくとも一種から供給
される陰イオンが自己析出型樹脂被膜中に取り込まれる
金属イオン(陽イオン、例えば鉄の表面処理では鉄イオ
ン)と錯体を形成し、その結果、金属イオンを不溶化す
ることにより、耐食性および付着性を向上させる。さら
には、未乾燥の自己析出型樹脂被膜の最表面上の金属イ
オンとも錯体を形成するため、樹脂被膜が乾燥される
際、該樹脂被膜の最表面の乾燥状態が均一になることに
より、光沢ムラが防止される。また、これらの作用は該
後処理液のpHが6〜11の範囲で効果的に発揮される
と推定される。しかしながら上記作用についての推察
は、本発明の効果の背景についての単なる推察であっ
て、本発明はこれによって何等限定的に解釈されるもの
ではない。
【0019】
【実施例】以下実施例および比較例により、本発明をさ
らに具体的に説明する。実施例1 下記の配合に調製した自己析出型水性被覆組成物の浴温
を20〜22℃に保ち、これに、試験板としての、予め
清浄にした、図1に示すボルト止め用穴部を有する冷延
鋼板(70×150×1mmサイズ)を180秒間浸漬
して塗装し、脱イオン水に60秒浸漬することにより水
洗し、下記後処理液Aに常温で60秒浸漬し、熱風オー
ブン中110℃で20分乾燥し、ついで後述の各被膜性
能試験に供した。
【0020】 供試自己析出型水性被覆組成物 成分 配合量(g/L) Saran SL−143ラテックス (固形分:55%)(W.R.Grace社製) 95.00 フッ化水素酸 0.70 フッ化第二鉄 3.00 過酸化水素 0.10 脱イオン水 (全量1Lになる量) なお、Saran SL−143ラテックスは塩化ビニ
リデン樹脂含有エマルジョンである。 後処理液A ポリアクリル酸水溶液(固形分:25%)(東亞合成
(株)製)をポリアクリル酸の濃度が2.0g/Lにな
るように脱イオン水で希釈し、重炭酸アンモニウムでp
Hを6.5に調整した。
【0021】実施例2〜8 表1に示した組成で、上記後処理液Aと同様にして調製
した後処理液B〜Hを用いて、実施例1と同様の操作を
行った。比較例1〜8 表1に示した組成で、上記後処理液Aと同様にして調製
した後処理液I〜Pを用いて、実施例1と同様の操作を
行った。
【0022】実施例9 下記の配合に調製した自己析出型水性被覆組成物の浴温
を20〜22℃に保ち、これに、試験板としての、予め
清浄にした、図1に示すボルト止め用穴部を有する冷延
鋼板(70×150×1mmサイズ)を180秒間浸漬
して塗装し、脱イオン水に90秒浸漬することにより水
洗し、上記後処理液Aに常温で60秒浸漬し、熱風オー
ブン中180℃で20分乾燥し、ついで後述の各被膜性
能試験に供した。
【0023】 供試自己析出型水性被覆組成物 成分 配合量 下記被膜形成用樹脂エマルジョン 250.00g/L 造膜助剤A 4.00g/L フッ化水素酸 0.70g/L 過酸化水素 0.10g/L 脱イオン水 全量1Lとなる量 造膜助剤Aはトリアルキルペンタンジオールイソブチレ
ートであり、これの添加により、最低造膜温度が20℃
付近となる。被膜形成用樹脂エマルジョンは以下のよう
にして製造した。すなわち、メタクリル酸2部(重量
部、以下同様)、メタクリル酸メチル28部、アクリロ
ニトリル30部、アクリル酸エチル20部およびアクリ
ル酸ブチル20部よりなる単量体混合物に、アクリル酸
エステル系反応性界面活性剤1.0部(前5者の単量体
合計重量に対して1.0重量%)、過硫酸アンモニウム
0.3部および水399.6部を混合して、75℃で4
時間通常の方法により乳化重合し、樹脂固形分20%の
樹脂を製造した。ついで該樹脂を40℃に冷却し、25
%アンモニア水でpHを5〜8に調整して、被膜形成用
樹脂エマルジョンとした。
【0024】比較例9 実施例9で用いた自己析出型水性被覆組成物の浴温を2
0〜22℃に保ち、これに、試験板としての、予め清浄
にした、図1に示すボルト止め用穴部を有する冷延鋼板
(70×150×1mmサイズ)を180秒間浸漬して
塗装し、脱イオン水に90秒浸漬することにより水洗
し、熱風オーブン中180℃で20分乾燥し、ついで後
述の各被膜性能試験に供した。
【0025】以下に各種被膜性能試験方法を述べる。 (1)膜厚 試験板の上中下3か所の被膜膜厚を測定し、その平均値
を求める。 (2)被膜の光沢度 図1に示す部位AおよびBの上中下各3か所における被
膜の光沢度(60度鏡面反射)をデジタル変角光沢計
(UGV−5K;スガ試験機(株))で測定し、各部位
についてのその平均値、および光沢度の差(△(B−
A))を求める。 (3)被膜付着性(ゴバン目テープ剥離試験) 40℃×240時間温水浸漬前後の試験板に1mm四
方、100個のますを刻み、テープ剥離し、被膜の残存
する目数を測定する。浸漬前をa、浸漬後をbで表示す
る。 (4)耐食性 試験板の被膜に金属素地まで達するクロスカットを入
れ、ついで塩水噴霧試験(JISZ−2371)に50
0時間供した。試験後、テープ剥離を行い、クロスカッ
ト部からの剥離巾(両側最大:mm)を測定する。
【0026】上記被膜性能試験の結果を表1に示す。表
1から明らかなように、本発明の被覆方法を用いた実施
例1〜9では、乾燥後の被膜は耐食性、付着性および外
観(光沢ムラがない)とも優れていることがわかる。こ
れに対して後処理液のポリアクリル酸の濃度が低い比較
例1では被膜は光沢ムラを有し、後処理液のpHが11
を越えた比較例2〜3では、被膜外観は良好であった
が、温水試験後の被膜の付着性(付着性b)が劣ってい
た。後処理液のpHが6未満の比較例4〜5では、温水
試験後の被膜の付着性(付着性b)および耐食性が劣っ
ており、また被膜は光沢ムラも有していた。また、エチ
レン性二重結合を有するカルボン酸モノマーの重合体ま
たはその塩以外の有機樹脂を用いた比較例6および7お
よび後処理液として重炭酸アンモニウムを単独で用いた
比較例8では、被膜に光沢ムラが生じていた。さらに後
処理液を使用しなかった比較例9では、被膜に光沢ムラ
が生じていた。
【0027】
【表1】
【0028】
【発明の効果】本発明の金属表面の被覆方法を用いるこ
とにより、耐食性および付着性に優れると共に、従来の
方法で得られる被膜よりも光沢ムラのない良好な外観を
有する自己析出型樹脂被膜が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例および比較例で用いた試験板について、
被膜の光沢度測定部位を示す図である。図中の○はボル
ト止め用穴部を示す。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被膜形成用樹脂エマルジョン、酸および
    酸化剤、および必要に応じ金属イオン、および必要に応
    じさらなる水よりなる自己析出型水性被覆組成物と金属
    表面とを接触させて、該金属表面に樹脂被膜を形成さ
    せ、ついで該樹脂被膜を加熱乾燥することよりなる金属
    表面の被覆方法において、該加熱乾燥前に、該樹脂被膜
    を、エチレン性二重結合を有するカルボン酸モノマーの
    重合体およびその塩から選ばれる少なくとも一種を0.
    2〜10.0g/L含有するpH6〜11の水溶液と接
    触させることを特徴とする金属表面の被覆方法。
  2. 【請求項2】 エチレン性二重結合を有するカルボン酸
    モノマーの重合体およびその塩から選ばれる少なくとも
    一種を含有する該水溶液と該樹脂被膜との接触を、該樹
    脂被膜の水洗後に行う請求項1記載の金属表面の被覆方
    法。
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