JPH093854A - 遮水シートおよび遮水シート工法 - Google Patents

遮水シートおよび遮水シート工法

Info

Publication number
JPH093854A
JPH093854A JP7153749A JP15374995A JPH093854A JP H093854 A JPH093854 A JP H093854A JP 7153749 A JP7153749 A JP 7153749A JP 15374995 A JP15374995 A JP 15374995A JP H093854 A JPH093854 A JP H093854A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
water
knitted fabric
impervious
ground
joint
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP7153749A
Other languages
English (en)
Inventor
Masahiko Miwa
正彦 三和
Kunihiro Ishikawa
州洋 石川
Tadayuki Sakobe
唯行 迫部
Shigeru Kobayashi
茂 小林
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
IITEC KK
Unitika Ltd
Original Assignee
IITEC KK
Unitika Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by IITEC KK, Unitika Ltd filed Critical IITEC KK
Priority to JP7153749A priority Critical patent/JPH093854A/ja
Publication of JPH093854A publication Critical patent/JPH093854A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Revetment (AREA)
  • Processing Of Solid Wastes (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】現場施工において、地形に沿わせることが容易
で、隣り合う遮水シート同士の接続も容易に行なえ、広
幅施工が可能な遮水シートを提供する。 【構成】表裏地組織2,3の組織数の差が25%、破断
伸度が経,緯方向共に50〜300%、1kg/5cm
荷重時の中間伸度が5%以上、厚みが0.5mm以上、
体積比繊維充填率が2〜40%である二重経編地1の両
耳において、表裏の地組織2,3の何れか一方の地組織
2または3および一方の地組織2または3と他方の地組
織3または2とを繋ぐ結接糸4がウエール方向に1cm
以上の幅で欠落した凹部5とこの凹部5の幅と同じで表
面および裏面が経編地1の表面および裏面と面一状の凸
部6とからなる継手部7を有し、前記継手部7相当部を
除く経編地1の表面に遮水層8が形成されている遮水シ
ート。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、現場施工に最適で、地
形に沿わせることが容易で、隣り合う遮水シート同士の
接続も容易に行なえ、また適正なシート厚みを容易に確
保でき、遮水材の浸透性に優れ、さらに、広幅シート施
工が可能で、施工の合理化などの特徴を有し、廃棄物処
理場、水路、貯水槽、水処理槽、地下鉄やトンネルなど
の地下構築物の壁面などの遮水を目的とする遮水シート
および遮水シート工法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、前記産業上の利用分野で用いられ
る現場施行を前提とした技術としては、不織布を地表面
に敷設した後、不織布表面に浸透性凝固材を吹き付けて
遮水槽を形成させるようにしたものが特公昭51−46
983号公報で開示されている。また、特開平3−14
7919号公報では、経,緯それぞれの1kg荷重時の
伸びが10%以上、厚みが0.5mm以上、かつ嵩比重
が0.01〜0.2g/cm3 である緯編地を地表面に
敷設した後、ゴムアスファルトエマルジョンなどの浸透
材料を前記編地の全面に吹き付けて遮水性を付与させる
ようにしたものが開示されている。一方、遮水性能を有
する高伸張性遮水シートが特開平6−185032号公
報に開示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】前記特公昭51−46
983号公報の不織布を用いる工法においては、敷設時
互いに隣り合う不織布の接続は、端と端を単に重ね合わ
せるだけで、継手部を強固に一体化させる工夫はなく、
継ぎ目に不具合を生じ、また敷設される不織布の強力お
よび伸張性が低く、地表面の凹凸形状に自在に沿わせる
ことが困難であったり、しわが生じたりする。また、敷
設した不織布上を人が歩行したり、落下物などの衝撃に
より不織布が破損するなどの問題があった。
【0004】また、特開平3−147919号公報によ
る低伸張緯編地を敷設する工法は、不織布を用いた場合
の不具合が改善された工法であると認められるが、同公
報に記載のものは隣り合う基布同士の接続は、単に重ね
合わせて行なうため、接続部においては基布の2倍の厚
さとなり、また堅牢に一体化された継手部が形成され
ず、継手部の剥離、ひび破れ、破損、耐久性の低下など
の問題があった。また、緯編地である基布の長手方向の
両耳側に継手構造を形成させることは不可能である。さ
らに、同公報に記載の敷設緯編地は、編地編成時目落、
糸切、穴疵(傷)など何らかの原因で編目が形成されな
かったり、破壊された場合、ラン(編終りから編初め方
向に向って、次から次へと連鎖的に編目がほどけてしま
う)が発生し、生地物性に重大な影響をおよぼし、シー
ト化後のシートが不均一となり、耐久性に問題が生じた
り、落下物などの衝撃によりシートが亀裂あるいは破損
を生じたりする。また、緯編地を敷設時衝撃、引掛けな
ど何らかの原因により緯編地が破損を受けた場合におい
ても上記同様の問題が生じたりする。緯編地は、その製
造方法から、編地最大幅が200cm程度であり、施工効
率、工期短縮、継手個所の処理が煩雑となるなどの問題
があった。
【0005】一方、特開平6−185032号公報に開
示されている遮水シートは、地表面の凹凸形状に自在に
沿わせて施工できるが、隣り合うシート同士の接続は、
シートを重ね合わせてその端部に遮水材を付与したり、
重ね合わせ部の間に接着剤を塗布して行なわれており、
厚さが2倍になり、盛り上がった形状になるとともに接
続部の遮水性能に懸念の残るものであったり工事の行な
いにくいものであった。
【0006】本発明は、現場施工において、地形に沿わ
せることが容易で、隣り合う遮水シート同士の接続も容
易に行なえ、また適正なシート厚みを容易に確保でき、
ランの発生がなく、遮水材の浸透性に優れ、広幅施工が
可能な遮水シートおよびこのシートを使用して、広幅施
工により施工の合理化の可能な遮水シート工法を提供す
ることを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】この課題を解決するため
に本発明は、表裏地組織の組織数の差が25%以内、破
断伸度が経,緯方向共に50〜300%、1kg/5c
m荷重時の中間伸度が5%以上、厚みが0.5mm以
上、体積比繊維充填率が2〜40%である二重経編地の
両耳において、表裏の地組織の何れか一方の地組織およ
び一方の地組織と他方の地組織とを繋ぐ結接糸がウエー
ル方向に欠落した凹部とこの凹部の幅と同じで表面およ
び裏面が経編地の表面および裏面と面一状の凸部とから
なる継手部を有し、前記継手部相当部を除く経編地の表
面に遮水層が形成されている遮水シートを要旨とするも
のである。また本発明は、敷設地表面に、表裏地組織の
組織数の差が25%以内、破断伸度が経,緯方向共に5
0〜300%、1kg/5cm荷重時の中間伸度が5%
以上、厚みが0.5mm以上、体積比繊維充填率が2〜
40%である二重経編地の両耳において、表裏の地組織
の何れか一方の地組織および一方の地組織と他方の地組
織とを繋ぐ結接糸がウエール方向に欠落した凹部とこの
凹部の幅と同じで表面および裏面が経編地の表面および
裏面と面一状の凸部とからなる継手部を有し、前記継手
部相当部を除く経編地の表面に遮水層が形成されている
遮水シートを、互いに隣り合う遮水シートの継手部同士
を係合させた状態で敷設地表面の形状に沿わせて敷設
後、前記継手部相当部に遮水材により遮水層を形成させ
る現場施工遮水シート工法を要旨とするものである。
【0008】以下、本発明の詳細について説明する。本
発明の遮水シートは、編地幅が400cmを超える編地
が作成可能な相対する2対の針床を有する経編機により
編成される二重経編地である。この二重経編地は、相対
する2列の針床の一方の針床で表側地組織を編成し、他
方の針床で裏側の地組織を編成し、この表裏の地組織を
結接糸により結接して、表裏の地組織を結接一体化して
形成される。この場合の結接は、表裏の地組織を構成す
る糸で兼用するか、あるいは結接糸として単独に別の糸
を供給して行なうか、あるいは両者を併用するの何れで
も制約を受けるものではない。
【0009】地組織の組織数、すなわち編目数は、表裏
間で同一でも良いが、遮水材を吹き付けたときに編地内
への浸透を良くするために、表側地組織の組織数を少な
くしても良い。この場合、表裏の地組織数の差は、25
%以内とする。敷設時に布端のカーリングが発生する
と、敷設作業あるいは継手部に隙間が生じるなどの支障
をきたす場合があるため、表裏の地組織数の差は、25
%以内が良い結果となる。
【0010】さらに表裏の地組織の編組織は、特に制約
を受けるものではないが、伸縮率を大きくしたい場合
は、鎖・挿入などの伸縮性を阻害する組織を主体的に用
いることはあまり適さない。また、編目が整然と形成さ
れる組織も伸張性を阻害する場合がある。従って、編目
が斜行していたり、乱れていたり、変形していたり、メ
ッシュ調などであったりする組織を選択することが好ま
しい。さらに表側から裏側への遮水材の浸透性を良くす
るには、特に表側地組織を編目が整然と形成される組織
よりは編目が斜行、乱れ、変形、メッシュ調などである
ポーラスな組織を配することも有効である。
【0011】次に、編地を敷設地表面の凹凸地形に沿わ
せて敷設するには、その地形に自在に対応してフィット
する必要があり、そのため破断伸度を50〜300%と
する。この破断伸度は、表面に遮水層が形成された後も
保持しているのが好ましい。破断伸度が50%未満の場
合は、編地の伸張性に乏しく、地形の凹凸に対応でき
ず、地表面から浮き上がったり、しわが発生したりす
る。また、300%を超えると、編地が伸びすぎて、遮
水材を吹き付けた場合、遮水材の重量により編地がたる
むという支障が発生する場合がある。好ましくは、60
〜280%が適正伸びと判断している。
【0012】さらに、この伸度に関しては、低荷重で適
度の伸度を有することが地表面の凹凸に容易に沿わせる
ことになり、敷設時の作業性を左右する。本発明では、
1kg/5cm荷重時の中間伸度が5%以上である。好
ましくは10%以上と判断している。
【0013】次に、編地の厚みは、本発明では0.5m
m以上としている。強固で耐久性のある遮水シートを完
成させるため、あるいは施工時の破損、損傷、耐衝撃性
などを考慮して、0.5mm以上の編地厚みが必要であ
るとの知見を得ている。厚みが0.5mm未満である
と、編地の両耳に形成される継手部の強度が不足し、互
いに隣り合う遮水シートを継手部同士の係合により接続
したときに、充分な接続強度が得られないという問題が
ある。ただし、編地厚みが5mmを上回ると、遮水材の
浸透性が阻害されたり、地表面へのフィット性が悪くな
る場合がある。
【0014】次に、本発明では、編地の体積比繊維充填
率が2〜40%であることが、遮水材の浸透性、クッシ
ョン性、厚み保持性などを考慮した場合肝要であるとの
知見を得ている。編地の体積比繊維充填率が2%未満の
場合は、編地が軟弱すぎ、敷設性、保形性、遮水材の保
持性などが劣ることとなる。また、編地の体積比繊維充
填率が40%を超える場合は、遮水材の浸透性、保持
性、地表面との密着性が劣ることとなる。好ましくは
2.5〜30%である。
【0015】なお、本発明の二重経編地に用いる繊維素
材は、特に制約を受けるものではないが、強度を持たせ
るために単糸鮮度が2デニール以上の合成長繊維のマル
チフィラメント糸を用いると良く、さらに編地伸度を確
保するには、その捲縮加工糸を用いることが有効であ
る。さらに、編地の厚み保持のために、結接糸として、
比較的剛性の高い、単糸直径の太いローカウントマルチ
フィラメントからなる原糸やモノフィラメント原糸を用
いることも有効である。この結接糸としては表裏の地組
織を構成する糸で兼用するか、あるいは別の糸を供給す
るか、あるいは両者を併用することも可能である。
【0016】表裏の地組織の編み組織は、特に製約を受
けるものではないが、伸張性を大きくしたい場合は、挿
入、鎖などの伸張性を阻害する組織を主体的に用いるこ
とはあまり適さない。編目が整然と並ばず、編目が変形
したり、乱れたり、メッシュ調であったりする組織を選
択することが好ましい。さらに、遮水層を二重経編地に
浸透させて形成させる場合は、遮水材を浸透させる側の
地組織ができるだけメッシュ調の如き生地表面が空隙の
多い組織を配することも有効となる。
【0017】また、本発明では、経編地の両端の耳にお
いて、表裏の地組織の何れか一方の地組織および一方の
地組織と他方の地組織とを繋ぐ結接糸をウエール方向に
欠落した凹部とこの凹部の幅と同じで表面および裏面が
経編地の表面および裏面と面一状の凸部とからなる継手
部を形成している。そこで、現場施工において、遮水シ
ートを地形に沿わせて敷設していくとき、隣り合う遮水
シートの一方の遮水シートの継手部の凹部に他方の遮水
シートの継手部の凸部を嵌入させるとともに、他方の遮
水シートの継手部の凹部に一方の遮水シートの継手部の
凸部を嵌入させることにより、隣り合う両遮水シート同
士は互いに係合することになる。ところで、前記継手部
において凹部および凸部の幅を1cm以上とするのが好
ましい。凹部および凸部の幅が1cm未満であると、隣
り合う遮水シートの凹部と凸部を互いに係合させたとき
に、接続部の強度が不足するからである。
【0018】次に、上記継手を有する経編地の継手部相
当部を除く基布の表面に全面に予め遮水層を形成してお
く。この遮水層を形成させる遮水材としては、ゴムアス
ファルト、ウレタンゴムやクロロプレンゴムやアクリル
ゴムなどの合成ゴム、ポリ塩化ビニルやエチレン酢酸ビ
ニルなどの合成樹脂などを使用するものとし、特に制約
を受けるものではない。上記のような遮水材を用い、前
記基布に浸透含浸、トッピング、ラミネートまたは、こ
れらの組み合わせにより遮水層を形成させる。具体的に
は、例えば基布の内部へも遮水材を浸透させ、なおか
つ、基布上にも遮水材の遮水層を設けて、基布が遮水層
と一体となった遮水シートを形成することができる。上
記材料の中でもアスファルトをポリマーで改質し、常温
で施工可能にしたゴムアスファルトエマルジョンが毒
性、引火性などに対する安全性、浸透性、施工性、形成
膜の特性、価格などから特に有効である。ゴムアスファ
ルトエマルジョンは単独での吹き付けまたは手塗りで使
用され、必要に応じて硬化剤を併用し硬化造膜を促進す
ることができる。
【0019】基布上の遮水層は0.5〜20mm、さら
に好ましくは1〜8mmの厚みで形成されていると良
い。遮水層の表面にはさらに必要に応じて、撥水剤、硬
化樹脂などの保護仕上げ材からなる層を設けても良い。
【0020】ゴムアスファルトエマルジョンの固形分濃
度は、特に限定されるものではないが、好ましくは60
〜90%である。60%未満では硬化時の収縮・肉やせ
が大きく、90%を超えると粘度が高く含浸性が悪くな
る。
【0021】ゴムアスファルトエマルジョン中のゴムと
しては、天然ゴム、スチレン−ブタジエン共重合ゴム、
ブチルゴム、ポリブタジエンゴム、クロロプレンゴム、
アクリルゴム、エチレン−酢酸ビニル共重合ゴムや、カ
ルボキシル変性スチレン−ブタジエン共重合ゴムなどの
単独または組み合わせで使用することができる。本発明
において特に好ましいゴムはスチレン−ブタジエン共重
合ゴムおよびカルボキシル変性スチレン−ブタジエン共
重合ゴムである。
【0022】ゴムアスファルトエマルジョン中のアスフ
ァルトとしては天然アスファルト、ストレートアスファ
ルト、ブロンアスファルトなどが挙げられ、何れか使用
可能である。
【0023】ゴムアスファルトエマルジョン中のゴム含
有量は特に制限されるものではないが、ゴムアスファル
ト全固形分に対して、好ましくは2〜50重量%、さら
に好ましくは5〜40重量%である。2重量%未満では
アスファルトの改質効果が少なく温度依存性が大きく、
低温での脆さ、高温時のだれなどの問題がある。一方5
0重量%を超えると遮水・止水性能が低下すると共に経
済性が悪くなる。
【0024】ゴムアスファルトエマルジョンは単独また
は必要に応じて硬化剤を併用し硬化造膜を促進すること
ができる。ゴムアスファルトエマルジョンの硬化剤は、
エマルジョン乳化時の乳化剤の種類に応じて種々の硬化
剤から選択できる。例えば塩化マグネシウム、塩化カル
シウム、鉄みょうばん、カリみょうばん、硫酸アルミニ
ウム、珪弗化ナトリウム、珪弗化カリウム、ポリイソシ
アネート化合物、各種石膏、各種セメント系粉体などの
一種以上が使用できる。
【0025】次に、本発明の遮水シート工法は、前記の
二重経編地からなり継手部相当部を除く経編地の表面に
遮水層が形成されてなる遮水シートを敷設地の表面に沿
わせて敷設するに際し、前述のように隣り合う遮水シー
トの一方の遮水シートの継手部の凹部に他方の遮水シー
トの継手部の凸部を嵌入させるとともに、他方の遮水シ
ートの継手部の凹部に一方の遮水シートの継手部の凸部
を嵌入させることにより、隣り合う両遮水シート同士を
互いに係合させておき、継手部およびその周辺に前記遮
水層と同様の材料である遮水材を吹き付けなどの方法に
より塗着させて継手部相当部に遮水層を形成させる。こ
の継手部相当部に遮水層を形成する材料として二重経編
地からなる基布上の遮水層を形成する材料と同一材料あ
るいはこれと接着性の良好な材料を用いることにより、
基布上の遮水層に対して継手部相当部の遮水層が強固に
固着することになり、継手部の強度が向上する。
【0026】なお、シートを地表面やコンクリート下地
などの施工下地に敷設する場合、隣り合う両遮水シート
同士を前記継手部で互いに係合させるのであるが、その
際、釘、鋲、目串などの止め具を用いて継手部の係合部
分を下地に固定することも可能である。
【0027】図1〜図3に本発明の遮水シートの一例お
よびこの遮水シートを用いて敷設地の表面に敷設する状
態を示しており、遮水シートを構成する経編地1の両端
の耳において、表裏の地組織2,3の何れか一方の地組
織2または3および一方の地組織2または3と他方の地
組織3または2とを繋ぐ結接糸4がウエール方向に欠落
した凹部5と、この凹部5にウエール方向に隣接する凸
部6からなる継手部7を有している。この経編地1の両
端の耳の継手部7の凹部5と凸部6はともに同じ幅とな
っている。また、凸部6の厚みは経編地1の厚みと同じ
としてなっており、凸部6の表面および裏面は経編地1
の表面および裏面と面一状となっている。ところで、経
編地1のウエール方向の一端側では凹部5は上方に向い
ており、ウエール方向の他端側では凹部5は下方に向い
ている。さらに、経編地1の表面には前記継手部7相当
部を除く部分に遮水層8が形成されている。
【0028】上記のような遮水シートを地表面に沿わせ
て敷設するのであり、その際、隣り合う遮水シートの一
方の遮水シートの継手部7の凹部5に他方の遮水シート
の継手部7の凸部6を嵌入係合させるとともに、他方の
遮水シートの継手部7の凹部5に一方の遮水シートの継
手部7の凸部6を嵌入係合させ、釘9などの止め具を用
いて継手部7,7の係合部分を下地10に固定する。そ
の後、継手部7およびその周辺に吹き付けなどにより遮
水層11を形成する。
【0029】敷設された遮水シートは、継手部とそれ以
外の部分の性状が殆んど差異なく一体的かつ均一になっ
ていることにより、遮水材が遮水シートに均一に浸透・
固着し、均一で強固な耐久性のある継手部が形成され、
優れた遮水シートが完成されることとなる。
【0030】ところで、前記図1〜図3に示す例では遮
水シートを構成する経編地1の両端の耳においてそれぞ
れ1つの凹部5を備え、その凹部5の外側に凸部6が形
成されているが、遮水シートを構成する経編地の両端の
耳においてそれぞれ2つの凹部を備え、その凹部と凹部
の間に凸部を形成した遮水シートを用いることも可能で
ある。
【0031】即ち、敷設現場の状況などにより凹部5、
凸部6からなる継手部の構成は任意の選択事項であり、
制約を受けるものではない。
【0032】
【作用】本発明の遮水シートは、従来用いられている不
織布には、強力、伸度不足から破損が生じ、また地表面
にフィットせず、しわが生じるなどの課題があるのに対
し、編物であるための編目変形および捲縮加工糸を使用
することによりさらに伸度が高まり、上記のごとく、低
荷重でも優れた伸張性を発揮することとなる。また、
0.5mm以上の厚みを有している。このことにより、
地表面の形状に自在に対応可能となり、編物であるため
必要な強力も確保でき、クッション性も付与され、強力
不足による破損、落下物などの衝撃による破損などが防
止される。さらに、ランの発生が防止できる。なお、緯
編地の場合は、現状編機では編地幅が200cm程度が
最大幅であるのに対し、本発明の場合は400cmを超
える幅の編地の作成が可能であり、敷設作業効率が著し
く改良される。基布となる二重経編地は、体積比繊維充
填率が2〜40%であり、遮水層形成のため設けられる
遮水材が極めて浸透しやすく、このため、二重経編地を
骨材とした遮水層が強固に形成される。さらに、本発明
では、経編地の両端の耳において、表裏の地組織の何れ
か一方の地組織および一方の地組織と他方の地組織とを
繋ぐ結接糸をウエール方向に欠落した凹部とこの凹部の
幅と同じで表面および裏面が経編地の表面および裏面と
面一状の凸部とからなる継手部を形成してあることによ
り、現場施工において、遮水シートを地形に沿わせて敷
設していくとき、隣り合う遮水シートの一方の遮水シー
トの継手部の凹部に他方の遮水シートの継手部の凸部を
嵌入させるとともに、他方の遮水シートの継手部の凹部
に一方の遮水シートの継手部の凸部を嵌入させることに
より、隣り合う両遮水シート同士は互いに係合すること
になる。これにより、敷設された遮水シートは、継手部
とそれ以外の部分の性状が殆んど差異なく一体的かつ均
一になっていることにより、遮水材が継手部にも均一に
浸透・固着し、均一で強固な耐久性のある継手部が形成
され、優れた遮水シートが完成されることとなる。
【0033】
【実施例】以下、本発明を実施例により説明する。本発
明における編地物性については、以下により測定評価す
るものとする。
【0034】 破断強伸度 ; JIS L−1096に準ずる。 厚 み ; 圧縮弾性測定機(前田工業(株)製)
による1g/cm2荷重時の厚み 繊維充填率 ; 二重経編地の単位面積当たりの体積中
に占める繊維体積の比率 実施例1 経編地からなる基布は、2列針床を有する14Gのダブ
ルラッセル編機を用い、432cmの通し幅で表裏同一
組織(L1 ,L5 筬;1−0/2−2、L2 ,L6 筬;
0−0/1−2)により編成し、編地を作成した。使用
した繊維素材は、ポリエステル150d/48f仮撚加
工糸であった。そして、ポリエステル300d/15f
原糸により1イン−1アウトの通糸でL3 ,L4 筬2枚
で表裏の地組織を結接した。なお、経編地の両耳におい
て、ウエール方向に5cmの幅で欠落した継手部を図1
に示す構成に基づき作成した。すなわち、継手部の凹部
と凸部の幅はそれぞれ5cmである。
【0035】得られた編地は、1kg/5cm荷重時の
中間伸度が経×緯=18%×33%、切断伸度が経×緯
=90%×195%、強力が経×緯=85kg×50k
g、厚み2.0mm、体積比繊維充填率11%、編地幅
400cmであった。
【0036】そして、継手部相当部を除く経編地の表面
に遮水材をコーティングにより塗付して経編地に遮水材
を浸透充填させ、経編地上に厚さ1mmの遮水層を形成
した。
【0037】この遮水シートを廃棄物処理場掘削側壁斜
面に、図3に示す要領で前記継手部により隣り合う遮水
シート同士を係合させるとともに止め具により地面に固
定して敷設後、遮水材をノズルを介して継手部およびそ
の周辺に吹き付けて遮水層を形成し、遮水シートを形成
させた。
【0038】実施例2 2列針床を有する14Gのダブルラッセル編機を用い、
表側地組織をメッシュ(L1 綛;1−2/2−3/2−
1/1−0、L2 筬;3−2/2−1/2−3/3−
4)、裏側地組織を実施例1と同様組織(L5 筬;1−
0/2−2、L6筬;0−0/1−2)でポリエステル
150d/48f仮撚加工糸により各筬1イン−1アウ
トの通糸により編成し、編地を作成した。そして、ポリ
エステル300d/7f原糸により1イン−1アウトの
通糸でL3 ,L4 筬2枚で表裏の地組織を結接した。な
お、経編地の両耳において、ウエール方向に5cmの幅
で欠落した継手部を図1に示す構成に基づき作成した。
すなわち、継手部の凹部と凸部の幅はそれぞれ5cmで
ある。
【0039】得られた編地は、1kg/5cm荷重時の
中間伸度が経×緯=21%×36%、切断伸度が経×緯
=96%×207%、強力が経×緯=84kg×53k
g、厚み2.0mm、体積比繊維充填率11.5%、編
地幅400cmであった。
【0040】そして、継手部相当部を除く経編地の表面
に遮水材をコーティングにより塗付して経編地に遮水材
を浸透充填させ、経編地上に厚さ1mmの遮水層を形成
した。
【0041】この遮水シートを用い実施例1と同一工法
により廃棄物処理場掘削側壁斜面に遮水シートを形成さ
せた。すなわち、継手部の凹部と凸部の幅はそれぞれ5
cmである。
【0042】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、表裏地組
織の組織数の差が25%以内である二重経編地であっ
て、破断伸度が経,緯方向共に50〜300%、1kg
/5cm荷重時の中間伸度が5%以上、厚みが0.5m
m以上、体積比繊維充填率が2〜40%であり、編地幅
400cm超が作成可能である経編地の両耳において、
表裏の地組織の何れか一方の地組織および一方の地組織
と他方の地組織とを繋ぐ結接糸がウエール方向に欠落し
た凹部とこの凹部の幅と同じで表面および裏面が経編地
の表面および裏面と面一状の凸部とからなる継手部を有
し、前記継手部相当部を除く経編地の表面に遮水層が形
成されている遮水シートを用いて遮水シート工法を実施
することにより、次のような効果が期待される。 1.低荷重下で適度の伸度があり、絶対伸度も極めて優
れているため、地表面の凹凸に沿って自在に対応可能
で、地表面への密着性が優れている。 2.シート幅が広いため、現場施工時の敷設効率が向上
する。 3.シート幅が広いため、継手部位が少なくなり、遮水
シート形成後の耐久性、均一性が著しく改良される。 4.シートに適正な厚みと適度のクッション性、適正な
伸度、適正な強力があるため、敷設時の破損が防止さ
れ、落下物などの衝撃による破損、損傷にも十分耐える
ことが可能となる。 5.適正な体積比繊維充填率を有するため、シートへの
遮水材の浸透が十分であり、二重経編地が骨材となった
堅牢な遮水シートを作成できる。 6.現場施工において、遮水シートを地形に沿わせて敷
設していくとき、隣り合う遮水シートの一方の遮水シー
トの継手部の凹部に他方の遮水シートの継手部の凸部を
嵌入させるとともに、他方の遮水シートの継手部の凹部
に一方の遮水シートの継手部の凸部を嵌入させることに
より、隣り合う両遮水シート同士を互いに係合接続させ
ることができる。 7.前記継手部において、隣り合う遮水シートの凹部と
凸部を互いに係合させたときに、接続部に充分な強度を
有せしめることができる。これにより、敷設された遮水
シートは、継手部とそれ以外の部分の性状が殆んど差異
なく一体的かつ均一になっていることにより、遮水材が
継手部にも均一に浸透・固着し、均一で強固な耐久性の
ある継手部が形成され、優れた遮水シートが得られる。
【0043】以上の結果、本発明の遮水シートは、地下
鉄やトンネルなどの地下構築物の壁面、貯水池、水路、
廃棄物最終処分場などの法面などに防水、止水、遮水お
よび断熱、保護さらに二次コンクリートとの緩衝などの
目的で使用することにより優れた効果を発揮する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の遮水シートの一例を示す斜視図であ
る。
【図2】同遮水シートを用いての現場施工の途中の状態
を示す断面図である。
【図3】同遮水シートを用いての現場施工完了状態を示
す断面図である。
【符号の説明】
1 経編地 2,3 地組織 4 結接糸 5 凹部 6 凸部 7 継手部 8 遮水層 9 釘 10 下地 11 遮水層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 迫部 唯行 京都府宇治市宇治小桜23番地 ユニチカ株 式会社中央研究所内 (72)発明者 小林 茂 三重県四日市市大治田一丁目6番16号 日 本ラテックス加工株式会社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 表裏地組織の組織数の差が25%以内、
    破断伸度が経,緯方向共に50〜300%、1kg/5
    cm荷重時の中間伸度が5%以上、厚みが0.5mm以
    上、体積比繊維充填率が2〜40%である二重経編地の
    両耳において、表裏の地組織の何れか一方の地組織およ
    び一方の地組織と他方の地組織とを繋ぐ結接糸がウエー
    ル方向に欠落した凹部とこの凹部の幅と同じで表面およ
    び裏面が経編地の表面および裏面と面一状の凸部とから
    なる継手部を有し、前記継手部相当部を除く経編地の表
    面に遮水層が形成されていることを特徴とする遮水シー
    ト。
  2. 【請求項2】 敷設地表面に、表裏地組織の組織数の差
    が25%以内、破断伸度が経,緯方向共に50〜300
    %、1kg/5cm荷重時の中間伸度が5%以上、厚み
    が0.5mm以上、体積比繊維充填率が2〜40%であ
    る二重経編地の両耳において、表裏の地組織の何れか一
    方の地組織および一方の地組織と他方の地組織とを繋ぐ
    結接糸がウエール方向に欠落した凹部とこの凹部の幅と
    同じで表面および裏面が経編地の表面および裏面と面一
    状の凸部とからなる継手部を有し、前記継手部相当部を
    除く経編地の表面に遮水層が形成されている遮水シート
    を、互いに隣り合う遮水シートの継手部同士を係合させ
    た状態で敷設地表面の形状に沿わせて敷設後、前記継手
    部相当部に遮水材により遮水層を形成させることを特徴
    する遮水シート工法。
JP7153749A 1995-06-21 1995-06-21 遮水シートおよび遮水シート工法 Pending JPH093854A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7153749A JPH093854A (ja) 1995-06-21 1995-06-21 遮水シートおよび遮水シート工法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7153749A JPH093854A (ja) 1995-06-21 1995-06-21 遮水シートおよび遮水シート工法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH093854A true JPH093854A (ja) 1997-01-07

Family

ID=15569281

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP7153749A Pending JPH093854A (ja) 1995-06-21 1995-06-21 遮水シートおよび遮水シート工法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH093854A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005220454A (ja) * 2004-02-03 2005-08-18 Fukui Tateami Kogyo Kk パイル調トリコット地

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005220454A (ja) * 2004-02-03 2005-08-18 Fukui Tateami Kogyo Kk パイル調トリコット地

Similar Documents

Publication Publication Date Title
TW387961B (en) Binding composite braid fabric
ES2887003T3 (es) Membrana ignífuga de material compuesto para cubiertas
KR20020076313A (ko) 이중편물
US6368024B2 (en) Geotextile fabric
KR100683449B1 (ko) 흡방음용 인조잔디
US20120238163A1 (en) Reinforcing mesh for a reinforced mortar layer or sprayed mortar layer on an underlayment, and method for the installation thereof and reinforced mortar coating produced therewith
JPH08244405A (ja) 衝撃遮断または差し込み継手用のモックレノ織布を有するベルト構造
US20090111348A1 (en) Fabric for vehicle interior finish material
JPH093854A (ja) 遮水シートおよび遮水シート工法
JP2000080541A (ja) ループパイルを有するラッシェル編地
US5733620A (en) Roof for vehicles, particularly for convertibles
JPH093853A (ja) 遮水シート用基布および現場施工遮水シート工法
JP2791615B2 (ja) トンネル被覆導水用排水材
JPH08284127A (ja) 遮水シート用基布および現場施工遮水シート工法
JP6619585B2 (ja) カーペット
JPH0663326U (ja) 遮水シート
JPH09125399A (ja) 土木工事用二重織袋
US2005221A (en) Multi-ply flashing structure
JP2537436B2 (ja) 吹付け遮水シ―ト用基布および吹付け遮水シ―ト工法
JP2000080894A (ja) 遮水シ―トおよび遮水工法
JP7288134B1 (ja) 吹付基盤材
JP4076271B2 (ja) 軟質合成樹脂複合シート
JPH108356A (ja) 遮水シート用基布及び現場施工遮水シート工法
JP3251146B2 (ja) 地表のり面防護シート
JP7237723B2 (ja) 布製型枠および成型物構造体

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20040607

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20040615

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20041116