JPH0937783A - ピレスロイドに特異的に反応するモノクローナル抗体の製造方法 - Google Patents

ピレスロイドに特異的に反応するモノクローナル抗体の製造方法

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JPH0937783A
JPH0937783A JP19346295A JP19346295A JPH0937783A JP H0937783 A JPH0937783 A JP H0937783A JP 19346295 A JP19346295 A JP 19346295A JP 19346295 A JP19346295 A JP 19346295A JP H0937783 A JPH0937783 A JP H0937783A
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pyrethroid
cell
cells
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JP19346295A
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Hideo Okawa
秀郎 大川
Hiroshi Kita
寛 喜多
Shiro Miyake
司郎 三宅
Masaki Yamaguchi
優樹 山口
Hideo Kaneko
秀雄 金子
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】例えば、食品、土壌等の環境中または生体試料
中のピレスロイド酸とフェノキシフェニル基を有するピ
レスロイドアルコールとのエステルの分析において、簡
便でかつ迅速に処理できる精度の高い分析を提供するこ
と。 【解決手段】3−(3−フェニルベンジルオキシカルボ
ニル)プロピオニル基を高分子量担体分子に直接結合せ
しめた複合体に対して哺乳動物を免疫した後、該哺乳動
物から前記複合体に対する抗体を形成することのできる
免疫適格B細胞を出現させ、該免疫適格B細胞を連続的
に細胞分裂し得る腫瘍細胞に融合してハイブリッド細胞
を生成し、該ハイブリッド細胞からピレスロイド酸とフ
ェノキシフェニル基を有するピレスロイドアルコールと
のエステルに特異的に反応するモノクローナル抗体を遊
離しかつ収集することを特徴とする抗体の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ピレスロイド酸と
フェノキシフェニル基を有するピレスロイドアルコール
とのエステルに特異的に反応するモノクローナル抗体の
製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ピレスロイド酸とフェノキシフェニル基
を有するピレスロイドアルコールとのエステルは、高い
殺虫効力を有し、また温血動物に対する毒性が低いこと
から、例えば、農業用や家庭用殺虫剤として賞用されて
いる。従来、このようなピレスロイドの作物、土壌、食
品等の環境または生体試料中の分析には、主としてガス
クロマトグラフィー法または高速液体クロマトグラフィ
ー法が採用されていた。しかしながら、該分析法では、
試料のクリーンナップ等の調製に相当の手間と時間を必
要とする並びに測定装置や設備等に高額の費用を要する
といった問題があった。また、残留農薬の分析は、その
分析件数が多大であるため、簡便性や迅速性が重要であ
る。そのため、従来の分析方法に比し、より簡便で迅速
な残留農薬の分析方法の開発が望まれていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】そこで、抗体を用いた
免疫学的検出方法によるピレスロイドの簡便、迅速な分
析方法の確立を試みた。該免疫学的検出方法において最
も重要な因子は、ピレスロイドに特異的に反応する抗体
であるが、いかなる方法によってピレスロイドに特異的
に反応する抗体を製造するかによって、製造された抗体
の能力が決定する。このため、よりすぐれた抗体の製造
方法が必要であった。
【0004】
【課題を解決するための手段】このような状況下、本発
明者は、よりすぐれた抗体の製造方法について誠意検討
した結果、ある種の化合物を該化合物が有する特定の官
能基部位で高分子量担体分子に直接結合せしめた複合体
を抗原として哺乳動物を免疫した後、該哺乳動物から前
記複合体に対する抗体を形成することのできる免疫適格
B細胞を出現させ、該免疫適格B細胞を連続的に細胞分
裂し得る腫瘍細胞に融合してハイブリッド細胞を生成
し、該ハイブリッド細胞からピレスロイド酸とフェノキ
シフェニル基を有するピレスロイドアルコールとのエス
テルに特異的に反応するモノクローナル抗体を遊離しか
つ収集する方法を見いだし、本発明を完成した。即ち、
本発明は、3−(3−フェニルベンジルオキシカルボニ
ル)プロピオニル基を高分子量担体分子に直接結合せし
めた複合体に対して哺乳動物を免疫した後、該哺乳動物
から前記複合体に対する抗体を形成することのできる免
疫適格B細胞を出現させ、該免疫適格B細胞を連続的に
細胞分裂し得る腫瘍細胞に融合してハイブリッド細胞を
生成し、該ハイブリッド細胞からピレスロイド酸とフェ
ノキシフェニル基を有するピレスロイドアルコールとの
エステルに特異的に反応するモノクローナル抗体を遊離
しかつ収集することを特徴とする抗体の製造方法(以
下、本発明方法と記す。)を提供するものである。
【0005】
【発明の実施の形態】ピレスロイド酸とフェノキシフェ
ニル基を有するピレスロイドアルコールとのエステル
(以下、本ピレスロイドと記す。)としては、例えば、
フェノトリン、ペルメトリン、エトフェンプロックス等
の化合物をあげることができる。
【0006】本発明方法は、以下の工程からなる。 〔3−(3−フェニルベンジルオキシカルボニル)プロ
ピオニックアシッドの完全抗原(免疫原)化工程〕3−
(3−フェニルベンジルオキシカルボニル)プロピオニ
ル基を高分子量担体分子に直接結合し、複合体を得る。
用いられる3−(3−フェニルベンジルオキシカルボニ
ル)プロピオニックアシッドは、純度の高いものが好ま
しい。さらに好ましくは約99%以上があげられる。こ
のため、必要に応じて事前に高速液体クロマトグラフィ
ー等の通常の方法により精製する。用いられる高分子量
担体分子は、3−(3−フェニルベンジルオキシカルボ
ニル)プロピオニックアシッド(不完全抗原)のカルボ
ン酸残基のカルボニル基部位との連結反応に自由に利用
され得る反応基を有し、かつ該不完全抗原に連結される
ことによりそれに免疫原性を付与し得るか、または既に
存在するそれらの免疫原性を高め得る巨大分子化合物で
あればよい。特に、自由に利用可能な反応性アミノ基を
含む巨大分子化合物が好ましい。たとえば、分子量が約
1万から約15万の間のリシンに富むタンパク質等をあ
げることができる。具体的には、ウシ血清アルブミン
(BSA:分子量 66200) 、ヒト血清アルブミン(HS
A:分子量 58000) 、ウサギ血清アルブミン(RSA:
分子量 68000) 、ヤギ血清アルブミン(GSA:分子量
68000) 、オボアルブミン(卵白アルブミン:分子量 4
5000) またはキーホールカサガイヘモシアニン(KL
H:分子量>1000000)等があげられる。その他の巨大分
子化合物が上記の要求に合致しさえすれば、それらを担
体分子として使用することは可能であり、そのような化
合物には、たとえば、ブタチログロブリン、B2ミクロ
グロブリン、ヘモシアニン、免疫グロブリン、毒素(コ
レラ毒素、破傷風毒素、ジフテリア毒素その他)、多
糖、リポ多糖、天然または合成ポリアデニル酸およびポ
リウリジル酸、ポリアラニルおよびポリリシンポリペプ
チド、または細胞膜成分、たとえばホルマリンまたはグ
ルタルアルデヒド処理赤血球細胞膜等をあげることがで
きる。上記の高分子担体分子と3−(3−フェニルベン
ジルオキシカルボニル)プロピオニックアシッド(不完
全抗原)のカルボン酸残基のカルボニル基部位との結合
は、たとえば、Chem. Pharm. Bull. 31,(11), 4001-40
07 (1983) に記載されるH.Hosodaらによる活性エステル
法またはJ.Biol. Chem.,234, 1090-1094 (1959) に記載
されるB.F.Erlangerらによる混合酸無水物法等〔反応性
カルボキシル基を有する3−(3−フェニルベンジルオ
キシカルボニル)プロピオニックアシッドを高分子量担
体分子の反応性アミノ基に結合させる〕により製造する
ことができる。具体的には、例えば、カルボジイミド、
アルキルクロロカーボネイト、好ましくは1−エチル−
3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩
酸塩、イソブチルクロロカーボネイトを用いて該不完全
抗原のカルボキシル基を高分子量担体分子の反応性アミ
ノ基の1つに結合させる。
【0007】〔哺乳動物の免疫感作化工程および本抗体
取得工程〕このようにして得られた複合体に対して、た
とえば、ラット、ウサギ、イヌ等の哺乳動物を免疫する
には、たとえば、J. ASSOC. OFF. ANAL. CHEM. 70(6) 1
025-1027 (1987) 等に記載されるW.H.Newsome 等の通常
の免疫感作の方法を用いて、たとえば、複合体の1回ま
たはそれ以上の投与により行われる。たとえば、7ない
し30日、特に12ないし16日間隔で2または3回の
投与等が好ましい。静脈内、腹膜腔内もしくは皮下に行
われ得る注射が好ましい投与形態である。さらに皮下注
射と腹膜腔内注射との組合せが特に好ましい。なおこの
場合、複合体は適当な緩衝液、たとえば完全フロイント
アジュバンド(Aracel A,Bayol F, 結核死菌を混合した
もの)等の通常用いられるアジュバントの1種を含有す
るナトリウム系リン酸緩衝液等に溶解して用いられる。
ここでアジュバントとは抗原とともに投与したとき、非
特異的にその抗原に対する免疫反応を増強する物質を意
味する。そして、上記の哺乳動物を 0.5ないし4ケ月間
処置せずに放置した後、たとえば10μgないし100
0μg、特に25μgないし500μgの複合体の投与
量でもう1回の投与が行われる。最後の投与の3日間な
いし2ケ月間後に免疫感作した哺乳動物から通常の方法
により前記複合体に対する抗体を形成することのできる
免疫適格B細胞が単離され、該免疫適格B細胞が連続的
に細胞分裂し得る腫瘍細胞と融合され、生成するハイブ
リッド細胞が単離され、そして選択の後、所望の抗体を
産生する該ハイブリッド細胞がクローン化され、そして
モノクローナル抗体を製造するために該ハイブリッド細
胞が試験管内または生体内で培養されることにより、高
度の特異性および親和性を有するような、本ピレスロイ
ドに特異的に反応するモノクローナル抗体(以下、本抗
体と記す。)を製造することができる。
【0008】本抗体は、ピレスロイド酸とフェノキシフ
ェニル基を有するピレスロイドアルコールとのエステル
を認識する。たとえば、後述する間接競合阻害法(ELIS
A 法)によって決定されるIC50(特異的全結合率を5
0%阻害する被検定物質濃度)としては、約0.1 〜5.0
μg/ml程度の親和性を有する。尚、本抗体は、上記
のピレスロイドのうち、そのアルコール部位にシアノ基
を有さない化合物に対してより高い親和性を有する。
【0009】本抗体の利用としては、間接競合阻害法
(ELISA 法)、直接非競合阻害法(ELISA 法)等による
本ピレスロイドの分析をあげることができる。該分析
は、簡便でかつ迅速に処理できる精度の高い分析方法で
ある。
【0010】直接非競合阻害法は、たとえば、以下の方
法によって行うことができる。基本的には、固体支持材
に結合される一定量の第一抗体(すなわち、本抗体)と
試料中に含まれる遊離状態にある本ピレスロイドを反応
させ、次に未反応の状態にある第一抗体と該抗体の抗原
となる、直接またはスペーサーを介して標識が施されて
いる、菊酸又はジクロロビニル菊酸とピレスロイドアル
コールとのエステルを反応させた後、結合した上記抗原
をその標識に基づき定量することによって、試料中に含
まれる遊離状態にある本ピレスロイドと反応した、固体
支持材に結合される第一抗体(すなわち、本抗体)の量
を算出し、該算出値から試料中に含まれる遊離状態にあ
る本ピレスロイドの量を測定する。
【0011】スペーサーを介して間接的に連結する場
合、用いられるスペーサーは、高分子量担体分子の自由
に利用可能な反応基の共有結合を形成し得る少なくとも
1種またはそれ以上の反応基を含む化合物である。たと
えば、2個から16個の間の架橋性炭素原子を含み、か
つ反応基として1個またはそれ以上の反応基、たとえば
アミノ基、カルボキシル基等を有する化合物をあげるこ
とができる。具体的には、一般式 H2 N(CH2 )n
COOH(nは2から16までの整数)が好ましいもの
としてあげられる。スペーサーの3−(3−フェニルベ
ンジルオキシカルボニル)プロピオニックアシッド(不
完全抗原)への連結は、該不完全抗原の反応基を高分子
量担体分子の反応基の1つに結合させる方法と同様な方
法を用いることができる。
【0012】間接競合阻害法は、たとえば、以下の方法
によって行うことができる。基本的には、固体支持材に
結合される抗原である3−(3−フェニルベンジルオキ
シカルボニル)プロピオニックアシッドと試料中に含ま
れる遊離状態にある本ピレスロイドとの競合、たとえば
固体支持材に結合される抗原である3−(3−フェニル
ベンジルオキシカルボニル)プロピオニックアシッドと
標識が施されている第2抗体によって認識される第1抗
体の遊離抗原である本ピレスロイドとの競合に基づいて
いる。これに関連して、固体支持材への抗原である3−
(3−フェニルベンジルオキシカルボニル)プロピオニ
ックアシッドの結合は直接、またはスペーサーおよび/
または第1抗体(すなわち、本抗体)によって認識され
ない高分子量担体分子を介して間接的に起こり得る。こ
こで、第1抗体(すなわち、本抗体)によって認識され
ない高分子量担体分子とは、前記の3−(3−フェニル
ベンジルオキシカルボニル)プロピオニックアシッドの
完全抗原(免疫原)化工程において用いることかできる
高分子量担体分子のうちで、第1抗体の製造において用
いられない高分子量担体分子のことである。また、抗原
である菊酸又はジクロロビニル菊酸をスペーサーおよび
/または第1抗体によって認識されない高分子量担体を
介して間接的に結合する場合、これらの結合には、前記
の3−(3−フェニルベンジルオキシカルボニル)プロ
ピオニックアシッドの完全抗原(免疫原)化工程と同様
な方法または準ずる方法を用いることができる。
【0013】スペーサーを介して間接的に連結する場
合、用いられるスペーサーは、高分子量担体分子の自由
に利用可能な反応基の共有結合を形成し得る少なくとも
1種またはそれ以上の反応基を含む化合物である。たと
えば、2個から16個の間の架橋性炭素原子を含み、か
つ反応基として1個またはそれ以上の反応基、たとえば
アミノ基、カルボキシル基等を有する化合物をあげるこ
とができる。具体的には、一般式 H2 N(CH2 )n
COOH(nは2から16までの整数)が好ましいもの
としてあげられる。スペーサーの3−(3−フェニルベ
ンジルオキシカルボニル)プロピオニックアシッド(不
完全抗原)への連結は、該不完全抗原の反応基を高分子
量担体分子の反応基の1つに結合させる方法と同様な方
法を用いることができる。
【0014】抗原である3−(3−フェニルベンジルオ
キシカルボニル)プロピオニックアシッドの直接または
間接な結合に用いられる固体支持材としては、たとえば
ミクロタイタープレートまたは試験管のプラスチック表
面、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、
ガラスまたはプラスチック等からなるビーズ表面、ろ
紙、デキストラン、セルロースもしくはニトロセルロー
スまたはその他の類似の材料の細片の表面等をあげるこ
とができる。これらの固体支持材に、抗原である3−
(3−フェニルベンジルオキシカルボニル)プロピオニ
ックアシッドを直接、またはスペーサーおよび/または
第1抗体(本抗体)によって認識されない高分子量担体
分子を介して間接的に結合する(以下、コーティングと
記す。)には、たとえば、あらかじめ、グルタルアルデ
ヒドまたは臭化シアン等を用いる通常の方法によって固
体支持材の活性化を行う。活性化された固体支持材にコ
ーティング液を添加した後、インキュベートすることに
よって第1抗体を産生する哺乳動物と同一種の哺乳動物
の血清アルブミンと3−(3−フェニルベンジルオキシ
カルボニル)プロピオニックアシッドの結合体で担体の
表面をコートする。ここで用いられるコーティング液と
しては、たとえば140mMの塩化ナトリウムを含む約
10mMのリン酸緩衝液(pH7.4)等をあげること
ができる。コーティングの条件として、たとえば抗原で
ある3−(3−フェニルベンジルオキシカルボニル)プ
ロピオニックアシッドまたはスペーサーおよび/または
第1抗体によって認識されない高分子量担体分子を有す
る抗原である3−(3−フェニルベンジルオキシカルボ
ニル)プロピオニックアシッドのコーティング液内の濃
度は、たとえば抗原である3−(3−フェニルベンジル
オキシカルボニル)プロピオニックアシッドとして、約
0.05μg/mlから約1μg/ml等を好ましくあげる
ことができる。使用する量としては、96穴マイクロプレ
ートを使用する場合には、例えば約0.1ml/ウェル程度を
好ましくあげることができる。またコーティング時間と
しては、たとえば約4℃、約6時間ないし24時間、好
ましくは一晩をあげることができる。上記の具体的な例
としては、たとえば固体支持材としてポリスチレン製の
96穴ミクロタイタープレートを使用して、第1抗体を
産生させるための複合体(3−(3−フェニルベンジル
オキシカルボニル)プロピオニックアシッドを高分子量
担体分子に直接結合したもの)に用いられる高分子量担
体分子としてウシ等の動物の血清アルブミンまたはキー
ホールカサガイヘモシアニンを使用し、また3−(3−
フェニルベンジルオキシカルボニル)プロピオニックア
シッドを固体支持材に間接的に結合する際に用いられる
高分子量担体分子として第1抗体によって認識されない
高分子量担体分子であるヤギ等の別種の動物の血清アル
ブミンを使用することをあげることができる。尚、第1
抗体を産生する哺乳動物と同一種の哺乳動物の血清アル
ブミンと3−(3−フェニルベンジルオキシカルボニ
ル)プロピオニックアシッドの複合体の担体へのコーテ
ィング後、第1抗体の非特異的結合を防止するために、
第1抗体を産生する哺乳動物と同一種の哺乳動物の血清
アルブミン以外の蛋白で、第1抗体を産生する哺乳動物
と同一種の哺乳動物の血清アルブミンが吸着していない
部分をブロックすることが望ましい。この目的には、例
えば、約3%のスキムミルク溶液と担体を約20℃前後で
約2時間程度インキュベートする方法等が簡便なものと
してあげられる。このようにして得られた担体は、洗浄
緩衝液(たとえば、NaCl 0.8%(W/V)、KCl 0.02%(W/V)お
よびTween 20 0.2%(V/V) を含む10mMのリン酸緩衝液
(pH 7.2)が好ましい。)で洗浄した後に使用する。
【0015】このようにして得られる固体支持材に直接
または間接的に結合する3−(3−フェニルベンジルオ
キシカルボニル)プロピオニックアシッドは次に、試料
中に含まれる検出すべき抗原である本ピレスロイドおよ
び第1抗体(本抗体)を含有する試験溶液と混合され、
該混合物はインキュベートされる。なお、試料中に含ま
れる検出すべき抗原である本ピレスロイドは、この際に
遊離の形態で、または水もしくは作物、土壌、食品等の
環境または生体試料中の成分として存在し得る。約10
分間ないし約2時間のインキュベート後に、混合物は第
1抗体(本抗体)を認識し、そして結合する酵素等で標
識された第2抗体とインキュベートされる。この酵素等
で標識された第2抗体としては、たとえばペルオキシダ
ーゼ、アルカリホスファターゼ、β−D−ガラクトシダ
ーゼ、グルコースオキシダーゼ、グルコアミラーゼ、炭
酸アンヒドラーゼ、アセチルコリンエステラーゼ、リゾ
チーム、マレートデヒドロゲナーゼ、グルコール−6−
ホスフェートデヒドロゲナーゼ等の酵素を結合した第1
抗体(本抗体)に対する抗体をあげることができる。具
体的な例としては、第1抗体(本抗体)としてウサギ抗
血清を使用する場合、第2抗体としては、ペルオキシダ
ーゼを結合した抗ウサギ免疫グロブリン(IgG)ヤギ
免疫グロブリン(IgG)を好ましくあげることができ
る。なお、該ウサギIgGヤギIgGは市販されてお
り、容易に入手可能である。 ペルオキシダーゼで標識
される場合には、基質として過酸化水素、発色試薬とし
てジアミノベンジジンまたはO−フェニレンジアミンと
組み合わさって褐色または黄色を生じる。グルコースオ
キシダーゼで標識される場合には、基質として、たとえ
ば2,2'−アシド−ジ−(3−エチルベンゾチアゾリン
−6−スルホン酸(ABTS)等を用いる。尚、第2抗
体に結合した標識酵素と基質との酵素反応によって生じ
る発色を吸光度としてマルチスキャニングスペクトロフ
ォトメーター等の装置を用いて測定する。
【0016】また、本抗体の利用として、試薬として本
抗体を少なくとも1種含有し、そして本ピレスロイドの
簡便でかつ迅速に処理できる精度の高い検出・分析のた
めに野外条件下での使用に適している試験キットの形態
にされた本ピレスロイドの免疫学的検出・分析のための
手段もあげることができる。上記の試験キットは、たと
えば次の構成成分を含有し得る:(1) 抗原である3−
(3−フェニルベンジルオキシカルボニル)プロピオニ
ックアシッドを直接、またはスペーサーおよび/または
第1抗体(本抗体)によって認識されない高分子量担体
分子を介して間接的に結合する固体支持材、(2) 本発明
抗体を含有する試薬、(3) 抗原である本ピレスロイドの
標準化溶液、(4) 第1抗体(本抗体)を認識し、そして
結合する酵素等で標識された第2抗体を含有する試薬、
(5) 緩衝液、(6) 非特異的吸着および凝集体の形成を防
止するポリペプチド、界面活性剤等の添加剤、および
(7) ピペット、反応容器、計算曲線等。上記の固体支持
材は、非常に広範囲のデザインを有し、そして使用に際
して意図された特定の目的に応じて非常に異なる形状を
有することができる。たとえば、皿、球、プレート、小
型ロッド、セル、小型ボトル、小型チューブ、ファイバ
ー、ネット等をあげることができる。具体的な例として
は、透明プラスチック材料、たとえばポリ塩化ビニルま
たはポリスチレンからなるミクロタイタープレート、ポ
リスチレンおよびポリスチレンラテックスからなる小
球、チューブまたはロッド等が使用可能である。
【0017】上記方法では、水田水、水道水等の環境中
の水系類をサンプルとする場合には、サンプル中の本ピ
レスロイド濃度が約50ng/ml 〜約600ng/ml程度の範囲で
測定することができる。従って、サンプル中の本ピレス
ロイド濃度が上記より高濃度である場合には、サンプル
を適宜希釈した後に使用する。また低濃度である場合に
は、サンプルを適宜濃縮した後に使用する。作物、土
壌、食品等の環境または生体試料中の非水系類をサンプ
ルとする場合には、メタノール等の溶媒でサンプルから
本ピレスロイドを抽出した後、該メタノール抽出液をた
とえば前記の洗浄緩衝液等の緩衝液等で希釈した後に使
用する。このようにして調製した本ピレスロイドを含有
するサンプル溶液と過剰量の第1抗体(本抗体)を含有
する緩衝溶液を混合し、たとえば約20℃前後で一晩イン
キュベートすることによって反応させる。この際、第1
抗体は、約3,000 〜約5,000 倍に希釈してサンプル中の
本ピレスロイドと反応させることが望ましく、特に約5,
000 倍程度の希釈をより望ましくあげることができる。
即ち、約2,500 倍程度に希釈した第1抗体を同用量の本
ピレスロイドを含有するサンプル溶液と混合し、約20℃
で一晩反応させることが望ましい。希釈液としては、た
とえば、前記の洗浄緩衝液と同じ組成のものを用いるこ
とができる。なお、必要に応じて、第1抗体が過剰に希
釈された場合の安定化のために保護タンパクとして3%
のスキムミルク等を加えることが望ましい。
【0018】上記のように調製したサンプルと第1抗体
の反応液に含まれる未反応の第1抗体を、第1抗体を産
生する哺乳動物と同一種の哺乳動物の血清アルブミンと
3−(3−フェニルベンジルオキシカルボニル)プロピ
オニックアシッドとの複合体で表面をコーティングした
固体支持材に結合させる反応を行う。この反応条件につ
いて、サンプルと第1抗体の反応液を固体支持材に添加
し、たとえば約20℃で、約1時間程度反応させることを
望ましくあげることができる。反応後、前記の洗浄緩衝
液で担体を洗浄した後、酵素等で標識され、かつ第1抗
体を産生する哺乳動物と異なる種の哺乳動物に由来する
第1抗体に対する抗体(第2抗体)との反応に供する。
【0019】以下、実施例を挙げて本発明を説明する
が、本発明は下記の実施例にのみ限定されないことは言
うまでもない。
【0020】
【実施例】
【0021】製造例1 複合体の調製(完全抗原(免疫
原)化工程における高分子量担体分子の連結及び固体支
持材に結合される抗原への高分子量担体分子の連結) 3−フェニルベンジルアルコール0.2g(1.0mM)
とコハク酸無水物0.1g(1.0mM)をトルエン10
mlに溶解し、90℃で一晩攪拌した。得られた反応物
を減圧下で濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラム
クロマトグラフィーを用いて精製することにより、3−
(3−フェニルベンジルオキシカルボニル)プロピオニ
ックアシッド(以下、PBと記す。)を0.22g(収
率73.3%)得た。得られたPB63mgを無水ジオキサン4ml
に溶解した後、該溶液にN-メチルモルホリン100 μlを
添加し、10℃で20分間撹拌した。ついでイソブチルクロ
ロカーボネイト40μl を少量ずつ添加し、15分間撹拌し
た。オボアルブミン(和光純薬社製)80mg又は牛血清ア
ルブミン(シグマ社製)80mgを蒸留水4.3ml に溶解した
後、該溶液に10℃でジオキサン2.6ml を滴下した。滴下
後、1N NaOH でpH9 に調整した溶液に、先に調製しPB
溶液を1N NaOH でpH9 に保ちながら徐々に滴下した。滴
下後、10℃で4時間反応させた。反応終了後、得られた
反応物を透析チューブに入れ、10mM Tris-HCl(pH7.5)に
対して4℃で3日間透析した。透析中、回の新しい緩衝
液に交換した。透析後、該反応物を凍結乾燥することに
より、複合体を得た。このようにして得られた複合体の
うち、オボアルブミンとの複合体は、免疫原として用い
た。また、牛血清アルブミンとの複合体は、固体支持材
に間接的に結合される抗原(ELISA 用)として用いた。
【0022】製造例2 哺乳動物の免疫感作化工程およ
び本抗体取得工程 製造例1によって得られたオボアルブミンとの複合体を
100μgをダルベッコのリン酸緩衝液〔KCl 200mg/l,
KH2PO4 200 μg/l, NaCl 8g/l, Na2HPO4 1.15g/l 〕、
以下、PBS(-)と記す。〕50μl に溶解した。この水溶液
に完全フロイントアジュバント(ヤトロン社製)を等量
加え、よく混合した。得られた混合物 100mlをマウス
(BALB/cA 、メス、6週齢、20g )に皮下注射した
(第1回目免疫)。1ヵ月後、初回免疫量の1/4 量を等
量の不完全フロイントアジュバント(DIFCO LABORATORI
ES 社製)と混合した後、該混合物を皮下注射により追
加投与した(第2回目免疫)。その2ヵ月後に、初回免
疫量の1/4量を等量の不完全フロイントアジュバント(D
IFCO LABORATORIES 社製)と混合した後、該混合物を
腹腔内注射により追加投与(最終免疫)した。最後の投
与の3日後に免疫感作した供試マウスから脾臓を摘出
し、摘出された脾臓をイスコフ改変ダルベッコ培地〔Is
cove,N & Melchers.F.,J.Exp.Med.,147,923(1978) 、以
下、イスコフ培地と記す。〕にて3回洗浄した後、該脾
臓から細胞をイスコフ培地中に取り出し細胞懸濁液を得
た。該細胞懸濁液をステンレスメッシュで濾過すること
により大きな固形物を除去した。得られた脾臓細胞とマ
ウスのミエローマ細胞P3-X63-Ag8.653〔Kearney,J.F.,R
adoruch,A.,Liesegage,B &Rajewsky,K.,J.Immunol.,12
3,1548(1979)〕を各々イスコフ培地で3回洗浄した後、
細胞数の比で5:1 (脾臓細胞:ミエローマ細胞)になる
ように混合し、遠心(1,200rpm,5min,25℃)して細胞
沈渣を得た。得られた細胞沈渣にあらかじめ37℃に暖め
ておいた50%ポリエチレングリコール(分子量1,500 )
溶液1ml をゆっくり加え細胞を融合した。細胞融合は、
イスコフ培地10mlを添加し、さらに牛胎児血清(以下、
FBS と記す。)を1ml 添加することにより停止した。こ
のように細胞融合処理をした細胞をHAT 培地(イスコフ
/10%FBS培地にヒポキサンチンを 100μM、アミノプテ
リンを 0.4μM、チミジンを16μM添加)に2×105
細胞/mlの割合で懸濁し、96穴ミクロタイタープレー
ト中に分注し、37℃にて5%二酸化炭素存在下で10日間か
ら14日間培養した。培養後、ハイブリッド細胞の培養液
について実施例1で得られた牛血清アルブミンとの複合
体に対する抗体産生の有無を下記の方法によってスクリ
ーニングした。 1.(ELISA 法による抗体産生細胞のスクリーニング) 実施例1で得られた牛血清アルブミンとの複合体を4μ
g/mlの濃度でPBS(-)で希釈し、該希釈液を96穴ミクロ
タイタープレートに50μl /ウェルで分注し、4℃で一
晩静置することにより固相化した。次に、上記コーティ
ング液を除去した後、牛血清アルブミンとの複合体によ
ってコーティングされたミクロタイタープレートを硼酸
バッファー〔85mM borate buffer(pH8.0),62mM NaCl 、
以下、BBS と記す。〕中に浸すことにより1回洗浄し、
4℃下で該ミクロタイタープレートの上面を下にしてペ
ーパータオル上で軽く打ちつけることによりプレート内
の水分を除去した。これに牛血清アルブミンを添加(1%)
したBBS を250 μl /ウェルで添加した後、室温で1時
間放置した(ブロッキング)。この96穴ミクロタイタ
ープレートをBBS で3回洗浄した後、これにハイブリッ
ド細胞の培養液(上清)を50μl /ウェルで添加し、室
温で1時間反応した。この96穴ミクロタイタープレー
トを再びBBS で3回洗浄した後、抗体希釈液(0.3%牛血
清アルブミン/BBS )で1,000 倍に希釈した市販のペル
オキシダーゼ標識抗マウス免疫グロブリン(IgG)ヤ
ギ免疫グロブリン(IgG)〔オルガノンテクニカ社〕
を100μl /ウェルで添加し、1時間反応した。反応
後、BBS で3回洗浄した後、ペルオキシダーゼの基質溶
液〔100mM Sodium-acetate buffer(pH5.5), 100 μg/ml
3,3', 5,5'-Tetramethylbenzidine,0.006% H2 O〕を
添加し、室温で10分間インキュベートすることによっ
て発色させた。そして等量の1N硫酸を加えることによ
り、酵素反応を停止し、ミクロタイタープレート内の発
色をマルチスキャニングスペクトロフォトメーター(タ
イターテック社製)を用いて、450nmでの吸光度を測
定した。このようにして抗体産生ウェルを特定した。 2.(抗体産性細胞のクローニング) 上記のようにして特定した抗体産生ウェルを限界希釈法
によって細胞クローニングを実施した。細胞クローニン
グの結果、牛血清アルブミンとの複合体に対する抗体を
産生しているクローン化細胞を得た。得られたクローン
化細胞を10%FBSを含むイスコフ培地で5%CO2 ,37℃条
件下で培養し、その培養液を抗体溶液とした。さらに、
該抗体溶液をAvid AL ゲル(サイプレス社製)によるア
フィニティークロマトグラフィーにより精製し、得られ
たタンパク質画分をPBS(-)で透析することによって本抗
体を得た。その結果を表1に示した。
【0023】
【表1】 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 不完全抗原 本抗体 サブクラス ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 3−(3−フェニルベン PB46−48 IgG1 ジルオキシカルボニル) PB43−7 IgG2a プロピオニックアシッド PB74−18 IgG1 (PB) ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ このようにして得られたクローン化細胞は、現在、工業
技術院生命工学技術研究所に寄託されている。PB46
−48抗体産生細胞の場合、その識別のための表示は
「ハイブリドーマ PB46−48」であり、その受託
番号はFERMP−15050(受託日 平成7年7月
20日)である。
【0024】試験例1 間接競合阻害法による分析 実施例1で得られた牛血清アルブミンとの複合体を2μ
g/mlの濃度でPBS(-)で希釈し、該希釈液を96穴ミクロ
タイタープレートに50μl /ウェルで分注し、4℃で一
晩静置することにより固相化した。次に、上記コーティ
ング液を除去した後、牛血清アルブミンとの複合体によ
ってコーティングされたミクロタイタープレートを硼酸
バッファー〔85mM borate buffer(pH8.0),62mM NaCl 、
以下、BBS と記す。〕中に浸すことにより1回洗浄し、
4℃下で該ミクロタイタープレートの上面を下にしてペ
ーパータオル上で軽く打ちつけることによりプレート内
の水分を除去した。これに牛血清アルブミンを添加(1%)
したBBS を250 μl /ウェルで添加した後、室温で1時
間放置した(ブロッキング)。この96穴ミクロタイタ
ープレートをBBS で3回洗浄した後、これにBBS で希釈
した所定濃度の本ピレスロイドの溶液を分注した。さら
に上記の本抗体を等量加えて直ちに混合し、室温で1時
間反応した。この96穴ミクロタイタープレートを再び
BBS で3回洗浄した後、抗体希釈液(0.3%牛血清アルブ
ミン/BBS )で1,000 倍に希釈した市販のペルオキシダ
ーゼ標識抗マウス免疫グロブリン(IgG)ヤギ免疫グ
ロブリン(IgG)〔オルガノテクニカ社製〕を100 μ
l /ウェルで添加し、1時間反応した。反応後、BBS で
3回洗浄した後、ペルオキシダーゼの基質溶液〔100mMS
odium-acetate buffer(pH5.5), 100 μg/ml 3,3', 5,5'
-Tetramethylbenzidine,0.006% H2 O〕を添加し、室
温で10分間インキュベートすることによって発色させ
た。そして等量の1N硫酸を加えることにより、酵素反応
を停止し、ミクロタイタープレート内の発色をマルチス
キャニングスペクトロフォトメーター(タイターテック
社製)を用いて、450nmでの吸光度を測定した。その
結果、間接競合阻害法において、本抗体〔PB46−4
8〕は供試された本ピレスロイドを約80〜350ng/mlの濃
度範囲でよく認識した。
【0025】試験例2 本抗体における各種のピレスロ
イドとの反応性 試験例1で示した間接競合阻害法を用いて、本抗体〔P
B46−48〕における各種のピレスロイドとの反応性
について調べた。供試されたピレスロイドはBBS で溶解
することによって溶液状態にした。結果は、サンプルと
してピレスロイドを含まないBBS を用いた場合の吸光度
を100%として、その50% を阻害する被検定物質(ピレス
ロイド)の濃度をIC50( μg/ml)として表した。
その結果を表2に示した。
【0026】
【表2】 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 供試ピレスロイド IC50 (μg/ml) 備考 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ フェノトリン 0.20 本ピレスロイド ペルメトリン 0.18 エトフェンプロックス 0.35 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ピレトリン >10.00 その他のピレスロイド ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【0027】試験例3 本抗体における各種のピレスロ
イドとの反応性 試験例1で示した間接競合阻害法を用いて、本抗体〔P
B43−7〕における各種のピレスロイドとの反応性に
ついて調べた。供試されたピレスロイドはBBSで溶解す
ることによって溶液状態にした。結果は、サンプルとし
てピレスロイドを含まないBBS を用いた場合の吸光度を
100%として、その50% を阻害する被検定物質(ピレスロ
イド)の濃度をIC50( μg/ml)として表した。そ
の結果を表3に示した。
【0028】
【表3】 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 供試ピレスロイド IC50 (μg/ml) 備考 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ フェノトリン 2.85 本ピレスロイド ペルメトリン 4.75 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ピレトリン >10.00 その他のピレスロイド ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【0029】試験例4 本抗体におけるメチルアルコー
ル耐性 試験例1に示した間接競合阻害法を用いて、本抗体〔PB
46-48〕におけるメチルアルコール耐性を調べた。メチ
ルアルコールを最終濃度として1%、20%、40%、
60%を含むBBS で溶解することによって溶液状態にし
たピレトリンをサンプルとした。その結果を図3に示し
た。本抗体〔PB 46-48〕を用いる分析は、メチルアルコ
ールの添加濃度0%〜60%の範囲において充分可能であ
った。
【0030】
【発明の効果】本発明方法により、ピレスロイド酸とフ
ェノキシフェニル基を有するピレスロイドアルコールと
のエステルに特異的に反応するモノクローナル抗体の製
造を可能にした。該抗体は、例えば、作物、土壌、食品
等の環境または生体試料中のピレスロイド酸とフェノキ
シフェニル基を有するピレスロイドアルコールとのエス
テルの分析において、簡便でかつ迅速に処理できる精度
の高い分析を可能とした。
【図面の簡単な説明】
【図1】3−(3−フェニルベンジルオキシカルボニ
ル)プロピオニックアシッドとオボアルブミンとの複合
体、または3−(3−フェニルベンジルオキシカルボニ
ル)プロピオニックアシッドと牛血清アルブミンとの複
合体の合成経路を示す図である。
【図2】直接非競合阻害法(ELISA法)による分析を示す
図である。
【図3】本抗体におけるメチルアルコール耐性を調べる
ための間接競合阻害法(ELISA法)による分析を示す図で
ある。白四角シンボル、黒丸シンボル、白丸シンボル、
白三角シンボルの順に、メチルアルコールの最終濃度1
%、20%、40%、60%を表す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C12R 1:91) (72)発明者 金子 秀雄 兵庫県神戸市東灘区御影本町8丁目12番6 号

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】3−(3−フェニルベンジルオキシカルボ
    ニル)プロピオニル基を高分子量担体分子に直接結合せ
    しめた複合体に対して哺乳動物を免疫した後、該哺乳動
    物から前記複合体に対する抗体を形成することのできる
    免疫適格B細胞を出現させ、該免疫適格B細胞を連続的
    に細胞分裂し得る腫瘍細胞に融合してハイブリッド細胞
    を生成し、該ハイブリッド細胞からピレスロイド酸とフ
    ェノキシフェニル基を有するピレスロイドアルコールと
    のエステルに特異的に反応するモノクローナル抗体を遊
    離しかつ収集することを特徴とする抗体の製造方法
  2. 【請求項2】請求項1記載のピレスロイドがそのアルコ
    ール部位にシアノ基を有さない化合物であることを特徴
    とする抗体の製造方法
JP19346295A 1995-07-28 1995-07-28 ピレスロイドに特異的に反応するモノクローナル抗体の製造方法 Pending JPH0937783A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN109917127A (zh) * 2019-03-18 2019-06-21 辽宁大学 一种杀虫脒检测试剂盒及其应用

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN109917127A (zh) * 2019-03-18 2019-06-21 辽宁大学 一种杀虫脒检测试剂盒及其应用
CN109917127B (zh) * 2019-03-18 2023-04-28 辽宁惠康检测评价技术有限公司 一种杀虫脒检测试剂盒及其应用

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