JPH0936924A - 多値fsk受信装置 - Google Patents

多値fsk受信装置

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JPH0936924A
JPH0936924A JP18700095A JP18700095A JPH0936924A JP H0936924 A JPH0936924 A JP H0936924A JP 18700095 A JP18700095 A JP 18700095A JP 18700095 A JP18700095 A JP 18700095A JP H0936924 A JPH0936924 A JP H0936924A
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JP
Japan
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circuit
signal
frequency
fsk
instantaneous
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Application number
JP18700095A
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English (en)
Inventor
Seizo Nakamura
精三 中村
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Oki Electric Industry Co Ltd
Original Assignee
Oki Electric Industry Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ダイレクトコンバージョン方式のメリットを
享受しながら、受信した多値FSK変調波信号の搬送波
周波数に拘らず、周波数情報(位相情報)を高精度に取
り出すことができる、しかも集積回路化に適した多値F
SK受信装置を実現する。 【構成】 受信した多値FSK変調波信号を直交検波
し、その低域成分を取出してQチャネル信号及びIチャ
ネル信号を得る直交検波手段3〜8を有する。また、直
交検波により得られたQチャネル信号及びIチャネル信
号を直交変調する直交変調手段13〜17を有する。さ
らに、この直交変調手段によって得られた多値FSK変
調波信号を多値FSK検波する多値FSK検波回路19
を有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ダイレクトコンバージ
ョン受信方式を適用している多値FSK受信装置に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】ダイレクトコンバージョン受信方式を適
用している受信装置は、周波数選択用のフィルタをIC
(集積回路)の中に構成できる等の特徴により、小型
化、低価格化が実現できるので、2値のFSK(Freque
ncy Shift Keying)変調波信号の受信装置、特にページ
ャー装置用として注目されている。
【0003】ダイレクトコンバージョン受信装置の特徴
は、(1) RF信号をベースバンド信号に直接落とすの
で、イメージ周波数が存在せず、従って通常のスーパー
ヘテロダイン方式に必要なイメージ除去用のフィルタが
必要ない、(2) チャネル選択用のフィルタとして、ベー
スバンド帯域におけるLPFが使え、ICの中に組み込
めるので、高価なIFフィルタが削除できる、こと等で
ある。
【0004】図2は、ダイレクトコンバージョン受信装
置に適用されている従来の2値FSK復調回路の原理構
成を示したものである。
【0005】ダイレクトコンバージョン受信装置はIF
周波数が0の受信装置と考えられ、2種類の周波数成分
を区別するために、90°位相の異なった二つの局部発
振信号を使って直交検波する形式をとっている。
【0006】ここで、ページャー装置用の2値FSK変
調波信号では、周波数の高い方を“0”に、低い方を
“1”に対応させている。すなわち、搬送波周波数をω
c 、二つの周波数成分を(ωc +Δω)と(ωc −Δ
ω)とすれば、アンテナ1が捕捉し、RF増幅段2が増
幅した受信信号(2値FSK変調波信号であるので振幅
は無視する)は、伝送路で混入された雑音成分がない場
合には、送信符号が“1”のときに、 Cos (ωc −Δω)t …(1) 送信符号が“0”のときに、 Cos (ωc +Δω)t …(2) をとるものとなる。
【0007】(1) 式又は(2) 式で表される受信信号と、
局部発振回路6が出力した搬送波信号Cos ωc tをπ/
2移相器5によってπ/2だけ移相させた信号とを、ミ
キサ3において乗算した後LPF(チャネルフィルタ)
7を通過させて低域成分だけを取出すと、得られたQチ
ャネルの信号は、送信符号が“1”の場合に、 Cos (Δωt+π/2) …(3) 送信符号が“0”の場合に、 Cos (Δωt−π/2) …(4) で表されるものとなる。
【0008】一方、(1) 式又は(2) 式で表される受信信
号と、局部発振回路6が出力した搬送波信号Cos ωc t
とを、ミキサ4において乗算した後、LPF(チャネル
フィルタ)8を通過させて低域成分だけを取出すと、得
られたIチャネルの信号は、送信符号が“1”であろう
と“0”であろうと、 Cos (Δωt) …(5) で表されるものとなる。
【0009】すなわち、送信符号が“1”の場合には、
Qチャネル信号はIチャネル信号より位相がπ/2だけ
進んでおり、一方、送信符号が“0”の場合には、Qチ
ャネル信号はIチャネル信号より位相がπ/2だけ遅れ
ている。従って、Iチャネル信号を基準に、Qチャネル
信号の位相の進み遅れを判定することにより、送信符号
を判定することができる。
【0010】リミッタ9及び10、並びに、D型フリッ
プフロップ11は、かかる位相関係の判定(従って符号
判定)のために設けられている。
【0011】LPF7からのQチャネル信号は、リミッ
タ9によって、図3(a1)又は(b1)に示すよう
に、パルス信号に波形整形されてD型フリップフロップ
11のデータ入力端子に入力される。一方、LPF8か
らのIチャネル信号は、リミッタ10によって、図3
(a2)又は(b2)に示すように、パルス信号に波形
整形されてD型フリップフロップ11のクロック入力端
子に入力される。波形整形されたIチャネル信号の立上
りエッジは、送信符号が“1”の場合には、図3(a
1)及び(a2)に示すように、波形整形されたQチャ
ネル信号の“1”レベル期間に生じ、送信符号が“0”
の場合には、図3(b1)及び(b2)に示すように、
波形整形されたQチャネル信号の“0”レベル期間に生
じ、従って、D型フリップフロップ11によって、Iチ
ャネル信号の立上りエッジでQチャネル信号をラッチし
たものが送信符号を表すものとなり、当該受信装置のデ
ータ出力となる。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】ところで、近年、電波
の周波数有効利用が望まれ、ある一定の帯域幅のなかで
より多くの情報を送ることが要求されている。かかる要
求に応じる方法の1つとして、4値あるいはそれ以上の
多値FSK変調波信号の伝送方式を伝送装置(例えばペ
ージャー装置や移動電話端末)に適用することが検討さ
れている。
【0013】図2に示した装置は、上述したように、ダ
イレクトコンバージョン受信方式を適用した2値FSK
受信装置であるが、同種の考え方を多値FSK変調波信
号の受信装置に適用できるならば、ダイレクトコンバー
ジョン受信方式が有する上述した各種のメリットを享受
できて好ましい。しかしながら、図2に示した装置で
は、Iチャネル信号に対するQチャネル信号の位相の進
み遅れしか判別できず(受信信号の周波数偏移が高いか
低いか(極性)の区別しかできず)、4値以上のFSK
変調波信号の受信装置にはその考え方を適用できない。
【0014】4値以上のFSK変調波信号のダイレクト
コンバージョン受信方式を適用した受信装置として、近
年、下記文献1に記載のものが提案された。
【0015】文献1:『齋藤、赤岩共著、「4値FSK
信号のダイレクトコンバージョン受信方式」、電子情報
通信学会研究会技術報告、SSE94−162、RCS
94−124、1994年11月』 この文献1に記載の受信装置は、4値FSK変調波信号
の場合、IQ平面上の信号点が4種類で回転することに
着目し、IQ平面上での信号点の回転方向と回転速度を
別々に検波し、その検波結果を組合せて4値FSK変調
波信号の検波を行なうものである。ここで、回転速度の
検出は、1タイムスロット当りの信号点軌跡とI軸及び
Q軸との交差回数をカウンタで数える方式を採用してい
る。
【0016】しかしながら、交差回数は当然に整数であ
って離散値であり、回転速度を段階的にしか示さない指
標である。そのため、雑音によって交差回数が変化した
場合、正規の交差回数に対するその変化分の割合は大き
い。従って、信号対雑音比(例えばEb/No)が小さ
いときには、回転速度の検出誤りが増加しやすく、その
結果、再生データの誤り率も高くなる。特に、変調指数
mが小さいときは、1タイムスロット当りの正規の交差
回数が少なくて雑音の影響を受けやすく、上記課題が発
生し易い。
【0017】例えば、FLEX−TDと呼ばれる方式で
は、1600bps、3200bps、6400bps
のデータ伝送速度のデータが送られるが、一番速い64
00bpsでは4値FSK変調波信号で、3200シン
ボル/秒(以下、spsと略称する)であり、4値の周
波数偏移はそれぞれ±1.6KHz、±4.8KHzで
ある。このうち、小さい方の周波数偏移は±1.6KH
zであるので、3200spsでは片側の+1.6KH
z又は−1.6KHzでは1シンボル時間に0.5サイ
クルしか存在しないことになる。図2におけるリミッタ
9又はリミッタ10を通した波形は、図3(a1)若し
くは(a2)、又は、(b1)若しくは(b2)のよう
に振幅方向の情報がなく、周波数の大きさが大きいか小
さいかの判定が非常に難しくなる。リミッタ9、10を
通す前の波形には振幅情報が入っており、たとえ1シン
ボル時間中の波形が0.5サイクルでも周波数の大きさ
が大きいか小さいかの判定が可能であるが、デジタル回
路で処理するためには、リミッタ9、10を通すという
処理が必要になるので、振幅情報の中に入っている周波
数情報が失われてしまうという自己矛盾に陥ってしま
う。
【0018】
【課題を解決するための手段】かかる課題を解決するた
め、本発明の多値FSK受信装置は、受信した多値FS
K変調波信号を直交検波し、その低域成分を取出してQ
チャネル信号及びIチャネル信号を得る直交検波手段
と、直交検波により得られたQチャネル信号及びIチャ
ネル信号を直交変調する直交変調手段と、この直交変調
手段によって得られた多値FSK変調波信号を多値FS
K検波する多値FSK検波回路とでなることを特徴とす
る。
【0019】
【作用】本発明の多値FSK受信装置においては、ダイ
レクトコンバージョン方式に従うメリットを享受できる
ように、受信した多値FSK変調波信号を直交検波手段
によって直交検波し、その低域成分を取出すことでチャ
ック選択を行なってQチャネル信号及びIチャネル信号
を得ると共に、デジタル構成の多値FSK検波回路を適
用したとしても、多値FSK検波回路がデジタル変調に
よる周波数成分の弁別を十分にできるように、直交検波
により得られたQチャネル信号及びIチャネル信号を直
交変調手段によって直交変調して再び多値FSK変調波
信号とし、多値FSK検波回路で多値FSK検波するこ
ととした。
【0020】これにより、ダイレクトコンバージョン方
式のメリットを享受しながら、受信した多値FSK変調
波信号の周波数情報(位相情報)を高精度に取り出すこ
とができ、符号の再生精度を高めることができる、しか
も集積回路化に適した装置を実現できる。
【0021】
【実施例】
(A)本発明の各実施例に共通する技術的思想 本発明による多値FSK受信装置の各実施例は、以下の
ような共通する技術的思想により、ダイレクトコンバー
ジョン方式に従ってベースバンド信号に変換された多値
FSKの信号における周波数検出(周波数偏移検出)を
デジタル回路で行なって、多値FSK変調波信号を受信
できるようにしたものである。
【0022】すなわち、デジタル処理するためにリミッ
タを通すと振幅情報がなくなるわけであるが、1シンボ
ル中の波数を多くすれば位相情報を高精度に取り出すこ
とができることに着目し、ベースバンド信号に変換され
た周波数変調信号をアップコンバートして周波数を上
げ、1シンボル中の波数を増加させてデジタル処理が可
能なようにしたものである。
【0023】さらに言い換えると、本発明による多値F
SK受信装置の各実施例は、通常のダイレクトコンバー
ジョン方式でIC化の可能な回路構成によって選択度を
確保し、しかる後にデジタル処理回路によって多値FS
Kの検出を行なおうとしたものである。
【0024】このようなIC化の可能な回路構成によっ
て選択度を確保した後にデジタル処理回路によって多値
FSKの検出を行なうという考え方に従う多値FSK受
信装置としては、本発明の前に、文献2に記載のものも
提案されている(周波数変調信号のアップコンバートと
いう技術思想はない)。この文献2に記載のものは、I
チャネル信号及びQチャネル信号をADコンバータを介
してデジタル信号に変換した後、アークタンジェント関
数を書き込んだテーブルROMから瞬時位相を得、その
差分値の積分放電値から多値判定を行なうものである。
しかし、この方式は消費電流が多くなるという問題があ
り、それに代る方法が求められており、本発明がなされ
た。
【0025】文献2:『杉浦、鈴木、占部共著、「ダイ
レクトコンバージョン方式多値FSK検波回路の検
討」、1995年電子情報通信学会総合大会、B−446
』 (B)本発明による多値FSK受信装置の第1実施例 以下、本発明による多値FSK受信装置の第1実施例を
図面を参照しながら詳述する。ここで、図1が、第1実
施例の多値FSK受信装置の全体構成を示すブロック図
であり、上述した図2との同一、対応部分には同一符号
を付して示している。
【0026】第1実施例の多値FSK受信装置も、ダイ
レクトコンバージョン方式に従って、受信した多値FS
K変調波信号からQチャネル信号及びIチャネル信号を
得るまでの構成は、すなわち、LPF7、8までの処理
系は、図2に示した従来装置と同様であり、その説明は
省略する。これにより、ダイレクトコンバージョン方式
を適用したことによる上述したメリットを発揮させてい
る。
【0027】しかし、LPF7、8以降の処理系が従来
装置とは異なっている。すなわち、ミキサ13及び1
4、π/2移相器15、発振器16、加算回路17、リ
ミッタ増幅器18、及び、多値FSK検波回路19から
構成されている。なお、リミッタ増幅器18まではアナ
ログ処理回路であり、多値FSK検波回路19はデジタ
ル処理回路である。
【0028】発振器16は、再変調用の搬送波信号を発
生するものであり、発生された搬送波信号はミキサ14
に直接与えられると共に、π/2移相器15を介してπ
/2移相されてミキサ13に与えられる。なお、再変調
用の搬送波信号は、例えば、局部発振器6が発生した復
調用の搬送波信号より周波数はかなり低く選定されてお
り、これにより、後半の処理系での処理が周波数面から
容易になるようになされている。
【0029】ミキサ13は、LPF7からのQチャネル
信号と、π/2移相器15からのπ/2移相された再変
調用の搬送波信号とを混合するものであり、混合出力を
加算回路17に出力する。一方、ミキサ14は、LPF
8からのIチャネル信号と、再変調用の搬送波信号とを
混合するものであり、混合出力を加算回路17に出力す
る。
【0030】ミキサ13及び14は、上述したような混
合を実行できるものであればその内部構成は問わないも
のであるが、例えば、ミキサ14について図4に示すよ
うなオペアンプ14−2及び14−3、スイッチ14−
6及び14−7、インバータ14−8等を備えて、図5
に示すような被変調信号及び変調信号の変換を行なうも
の(特開昭62−289034号公報参照)や、ミキサ
14について図6に示すようなオペアンプ14−15、
スイッチ14−16等を備えて被変調信号及び変調信号
の変換を行なうもの(上記特開昭62−289034号
公報参照)を適用することができる。
【0031】加算回路17は、これら混合出力信号を加
算して、再変調用の搬送波信号の周波数を搬送波周波数
とする多値FSK変調波信号を形成してリミッタ増幅器
18に与えるものである。加算回路17としても種々の
構成のものを適用しても良く、その内部構成は問わない
ものである。例えば、入力信号が与えられる2個の抵抗
器の出力側を結線したものや、オペアンプを使ったもの
等を適用し得る。
【0032】上述したミキサ13及び14、π/2移相
器15、発振器16、並びに、加算回路17は、周知の
ように、直交変調器を構成している。
【0033】リミッタ増幅器18は、以上のような再変
調動作によって得られた多値FSK変調波信号に対する
リミッタ処理を通じて、その信号をパルス信号(従って
デジタル信号)に波形整形して多値FSK検波回路19
に与えるものである。
【0034】多値FSK検波回路19は、瞬時位相検出
回路105、微分回路115、ベースバンド処理回路1
30及び発振器102から構成されており、再変調され
た多値FSK変調波信号をデジタル化したデジタル信号
に対して検波処理し、再生データ(再生シンボル)を出
力端子120から次段の処理回路に与えると共に、再生
クロックを出力端子121から次段の処理回路に与える
ものである。
【0035】なお、多値FSK検波回路19は、後述す
る本発明の第2実施例及び第3実施例の多値FSK受信
装置にも共通であるので、第2実施例及び第3実施例の
多値FSK受信装置の説明後に、項を改めて説明するこ
ととする。
【0036】次に、以上のような構成でなる第1実施例
の多値FSK受信装置の動作を説明する。なお、図1に
示す機能ブロック図で表された第1実施例の多値FSK
受信装置は、2値FSK変調波信号に対する装置と見る
こともでき、また、4値以上の多値FSK変調波信号に
対する装置と見ることもできるが、以下では、特徴動作
が理解し易いように、2値FSK変調波信号が入力され
る多値FSK受信装置として動作を説明する。また、搬
送波周波数の成分を角速度表記で表して説明する。
【0037】従来の技術の項で説明したように、LPF
7からのQチャネル信号は、その符号に応じて、上述し
た(3) 式又は(4) 式で表され、まとめて再掲載すると、 Cos (Δωt±π/2) …(6) で表される。但し、「+」符号は、送信符号が例えば
“1”の場合であり、「−」符号は、送信符号が例えば
“0”の場合を示す。発振器16からの出力信号(再変
調用搬送波信号)をCos ωa tとすると、π/2移相器
15を介した信号はCos (ωa t+π/2)となるの
で、ミキサ13からの混合出力信号は、送信符号が
“1”の場合に(7-1) 式で表され、送信符号が“0”の
場合に(7-2) 式で表される。
【0038】 Cos (Δωt+π/2)×Cos (ωa t+π/2) =[Cos {(ωa +Δω)t+π}+Cos (ωa −Δω)t]/2 ={−Cos (ωa +Δω)t+Cos (ωa −Δω)t}/2 …(7-1) Cos (Δωt−π/2)×Cos (ωa t+π/2) =[Cos (ωa +Δω)t+Cos {(ωa −Δω)t+π}]/2 ={Cos (ωa +Δω)t−Cos (ωa −Δω)t}/2 …(7-2) 一方、ミキサ14からの混合出力信号は、LPF8から
のIチャネル信号が上述した(5) 式で表されるように、
送信符号の値に関係なく、 Cos(Δωt)であるので、 Cos (Δωt)×Cos (ωa t) =[Cos (ωa +Δω)t+Cos (ωa −Δω)t]/2 …(8) である。
【0039】従って、加算回路17からの出力信号(再
変調された多値FSK変調波信号)は、送信符号が
“1”の場合に(7-1) 式及び(8) 式から(9-1) 式で表さ
れることが分かり、送信符号が“0”の場合に(7-2) 式
及び(8) 式から(9-2) 式で表されることが分かる。
【0040】 Cos (ωa −Δω)t …(9-1) Cos (ωa +Δω)t …(9-2) これら(9-1) 式及び(9-2) 式と、上述した(1) 式及び
(2) 式との比較から、受信された多値FSK変調波信号
(RF増幅器2からの出力信号)における搬送波周波数
ωc を、搬送波周波数ωa に変換した多値FSK変調波
信号が加算回路17の出力信号として再現されることが
分かる。
【0041】例えば、搬送波周波数(ωa /2π)とし
て、前述のFLEX−TD方式の3200spsの8倍
として20KHzを使ったとすると、1シンボル中に6
サイクルが入ることになり、デジタル処理をするために
リミッタ増幅器18でリミッタをかけて振幅成分の情報
がなくなっても、十分に周波数情報(位相情報)を取り
出すことができるようになる。
【0042】このように、十分に周波数情報(位相情
報)を取り出すことができるようにされた多値FSK変
調波信号をパルス化したデジタル信号に対して、多値F
SK検波回路19が検波動作して、再生データ及び再生
クロックを得る。
【0043】従って、第1実施例の多値FSK受信装置
によれば、ダイレクトコンバージョン方式のメリットが
得られるように、直交検波して得られたQチャネル信号
及びIチャネル信号を再度直交変調して異なる搬送波周
波数を有する多値FSK変調波信号に変換し、それをデ
ジタル信号に変換して多値FSK検波を行なうようにし
たので、受信した多値FSK変調波信号の搬送波周波数
に拘らず、周波数情報(位相情報)を高精度に取り出す
ことができ、符号の再生精度を高めることができる、し
かも集積回路化に適した装置を実現することができる。
【0044】なお、受信した多値FSK変調波信号をヘ
テロダイン方式によって直接周波数変換した後、チャネ
ルフィルタ及びリミッタ増幅器に入力するスーパーヘテ
ロダイン方式は、ダイレクトコンバージョン方式のメリ
ットを享受し得ず、第1実施例の受信装置より劣ってい
る。
【0045】(C)本発明による多値FSK受信装置の
第2実施例 図7は、第2実施例の多値FSK受信装置の全体構成を
示すブロック図であり、上述した図1との同一、対応部
分には同一符号を付して示している。
【0046】図7において、第2実施例の多値FSK受
信装置は、LPF7とミキサ13との間、及び、LPF
8とミキサ14との間にそれぞれ、等しい増幅度を持っ
た増幅器7−1、8−1を介挿したものである。すなわ
ち、LPF7からのQチャネル信号を増幅器7−1によ
って所定の増幅度で増幅してミキサ13に与えると共
に、LPF8からのIチャネル信号を増幅器8−1によ
って所定の増幅度で増幅してミキサ14に与える点が第
1実施例と異なっている。
【0047】第2実施例は、ミキサ13、14等の内部
構成等に応じたレベル設計によって適宜なされるもので
あり、基本的な効果は第1実施例と同様である。
【0048】(D)本発明による多値FSK受信装置の
第3実施例 図8は、第3実施例の多値FSK受信装置の全体構成を
示すブロック図であり、上述した図7との同一、対応部
分には同一符号を付して示している。
【0049】図8において、第3実施例の多値FSK受
信装置は、AGC(Automatic GainControl;自動利得
制御)回路20をさらに備えており、また、LPF7と
ミキサ13との間、及び、LPF8とミキサ14との間
にそれぞれ設けられている増幅器7−1、8−1と、R
F増幅器2として可変ゲイン構成のものを適用してい
る。
【0050】AGC回路20には、各増幅器7−1、8
−1からの出力信号(Qチャネル信号、Iチャネル信
号)が入力されており、AGC回路20は、これら信号
の振幅を検出して、これら信号の振幅が揃うように、R
F増幅器2及び増幅器7−1、8−1の利得を制御す
る。今、対象としている信号はFSK変調波信号である
ので、振幅が安定していた方が当然に検出精度は高ま
る。そこで、AGCループを設けている。なお、AGC
回路20の制御対象が増幅器7−1及び8−1だけであ
っても良い。
【0051】この第3実施例によっても、第1、第2実
施例と同様な効果を得ることができると共に、Qチャネ
ル信号及びIチャネル信号の振幅変動を押さえるのでこ
の点からの再生精度の向上が期待できる。
【0052】(E)多値FSK検波回路の第1例 以下、上述した第1〜第3実施例の多値FSK受信装置
が採用している、図1、図7又は図8に示した多値FS
K検波回路19(多値FSK検波回路の第1例)につい
て説明する。
【0053】上述した図1、図7又は図8においては、
リミッタ増幅器18によってパルス化(デジタル化)さ
れた多値FSK変調波信号が入力され、デジタル処理に
よって再生データ及び再生データクロックを得る多値F
SK検波回路19として、瞬時位相検出回路105、微
分回路115、ベースバンド処理回路130及び発振器
102でなるものを示した。
【0054】まず、このような構成によって、多値FS
K変調波信号から再生データ及び再生データクロックが
得られることの原理説明を行なう。
【0055】ここで、多値FSK変調波信号と位相との
関係について検討する。加算回路17からの再変調され
た多値FSK変調波信号の瞬時周波数をf、搬送波周波
数をf0 、周波数偏移を2値FSK変復調方式で考えて
±Δfとする。なお、周波数偏移の「+」符号は例えば
デジタルの“1”に、「−」符号は例えばデジタルの
“0”に割り当てられている。
【0056】瞬時周波数fは、(10)式に示すように、搬
送波周波数f0 及び周波数偏移±Δfの和で表すことが
できる。この(10)式の両辺にそれぞれ2πを乗算するこ
とにより、(11)式に示す各周波数についての関係式が得
られる。なお、ωは瞬時角周波数、ω0 は搬送波の角周
波数、Δωは角周波数偏移である(前記の説明と一部の
文字、符号を変えているので注意を要する)。
【0057】 f=f0 ±Δf …(10) 2πf=2πf0 ±2πΔf ω=ω0 ±Δω …(11) ここで、瞬時角周波数ωを、(12)式に示すように、時間
t=0からt=tまで積分すると(なお、(12)式におけ
る∫には積分時間を示す時間範囲を規定する記号を省略
している)、瞬時位相θを求めることができる。
【0058】 θ=∫ωdt=∫(ω0 ±Δω)dt =ω0 ・t±Δω・t …(12) 以上、FSK変調波信号の瞬時周波数fから瞬時位相θ
を得る手順を説明したが、逆の手順で考えると、すなわ
ち瞬時位相θを微分すると、瞬時位相θから瞬時周波数
fが得られることが分かる。瞬時周波数fは、(10)式に
示すように、搬送波周波数f0 及び周波数偏移±Δfの
和であり、搬送波周波数f0 は定まっているので、瞬時
位相θから逆の手順によって、周波数偏移±Δfが得ら
れることが分かる。2値FSK変復調方式であれば、周
波数偏移±Δfの符号がデジタルデータの論理を表して
おり、データを復調することができる。また、4値FS
K変復調方式であれば、周波数偏移±3Δf、±Δfの
段階が2ビットデジタルデータの論理の組合せを表して
おり、データを復調することができる。
【0059】第1例の多値FSK検波回路19はかかる
考え方に従っており(後述する第2例以下の多値FSK
検波回路も同様である)、まず、瞬時位相θを検出し、
それを微分することで瞬時周波数f(瞬時角周波数ω)
を求め、瞬時周波数fに基づいてデータを再生するもの
である。瞬時周波数f及び瞬時角周波数ω間には定数倍
の関係があるので、瞬時位相θを微分したものを瞬時周
波数fの情報として処理することができる。
【0060】(E-1) 第1例の多値FSK検波回路19の
全体 次に、第1例の多値FSK検波回路19の全体構成及び
動作を、図9をも参照しながら詳述する。図9は、この
第1例の多値FSK検波回路19の全体構成を示すもの
である。
【0061】図9において、第1例の多値FSK検波回
路19は、上述したように大きくは、瞬時位相検出回路
105、微分回路115、ベースバンド処理回路130
及び発振器102からなる。
【0062】瞬時位相検出回路105は、多値FSK変
調波信号及び基準クロック信号が入力され、この多値F
SK変調波信号の瞬時位相(上述したθ)を検出してデ
ジタル的に出力するものである。微分回路115は、こ
の瞬時位相検出回路105から出力された多値FSK変
調波信号の瞬時位相信号を微分して、多値FSK変調波
信号の瞬時周波数(上述したf)を計算して出力するも
のである。ベースバンド処理回路130は、この微分回
路115から出力された瞬時周波数信号から、データ及
びデータクロックを再生するものである。このような回
路によって、上述した原理説明に従った処理がなされて
いる。
【0063】瞬時位相検出回路105には変調波入力端
子101から入力された多値FSK変調波信号(リミッ
タ増幅器18の出力信号)及び発振器102が出力した
基準クロック信号が入力される。多値FSK変調波信号
の周波数(入力変調波周波数)をf1 とすると、発振器
102は、この入力変調波信号の中心周波数(以下、入
力変調波周波数と呼ぶ)f1 よりも十分高くかつデータ
クロックのN倍の周波数f2 を有する基準クロック信号
を出力する。
【0064】瞬時位相検出回路105としては、国際特
許出願PCT/JP/01904号明細書及び図面に記
載されたようなものを適用できる。この第1例では、後
述する低域濾波特性からの理由によって、記載されてい
る瞬時位相検出回路における移動平均フィルタ回路に代
えて二重移動平均フィルタ回路を適用している(なお、
単純移動平均フィルタ回路を適用したものでも良い)。
すなわち、瞬時位相検出回路105は、2個のエクスク
ルーシブオア回路106及び107と、1/m分周回路
108と、π/2移相器109と、2個の二重移動平均
フィルタ回路110及び111と、瞬時位相信号形成用
論理回路(極性制御回路)112とからなっている。
【0065】瞬時位相検出回路105において、エクス
クルーシブオア回路106の一方の入力端子には多値F
SK変調波信号(中心周波数f1 )が入力され、他方の
入力端子には発振器102からの基準クロック信号(周
波数f2 )を1/m分周回路108で1/m分周して得
た第1のクロック信号(周波数f2 /mはf1 にほぼ等
しい)が入力される。また、エクスクルーシブオア回路
107の一方の入力端子には多値FSK変調波信号が入
力され、他方の入力端子には1/m分周回路108から
の第1のクロック信号をπ/2移相器109によってπ
/2だけ遅延させた第2のクロック信号が入力される。
【0066】エクスクルーシブオア回路106は、多値
FSK変調波信号及び第1のクロック信号との排他的論
理和信号(一致不一致信号:以下、第1の位相差反映信
号と呼ぶ)を得て周波数f2 で動作する二重移動平均フ
ィルタ回路110に入力する。エクスクルーシブオア回
路106からの第1の位相差反映信号が“1”(不一
致)又は“0”(一致)をとる割合及び周期は、変調波
信号及び第1のクロック信号の位相差に応じている。エ
クスクルーシブオア回路107は、変調波信号及び第2
のクロック信号との排他的論理和信号(一致不一致信
号:以下、第2の位相差反映信号と呼ぶ)を得て、上記
二重移動平均フィルタ回路110と同様に動作する二重
移動平均フィルタ回路111に入力する。エクスクルー
シブオア回路107からの第2の位相差反映信号が
“1”(不一致)又は“0”(一致)をとる割合及び周
期は、変調波信号及び第2のクロック信号の位相差、従
って、変調波信号及び第1のクロック信号の位相差に応
じている。
【0067】各二重移動平均フィルタ回路110、11
1としては、例えば特公平1−45097号公報に開示
されているものを適用でき、詳細は後述する。
【0068】二重移動平均フィルタ回路110は、第1
の位相差反映信号の移動平均を求めるものであり、二重
移動平均フィルタ回路111は、第2の位相差反映信号
の移動平均を求めるものである。なお、二重移動平均フ
ィルタ回路が単なる移動平均フィルタ回路と異なる点
は、その移動平均を求める所定時間の区間を時間軸上異
なる位置に2か所とって2か所に係る値を反映させた値
(移動平均値)を出力する点にある。
【0069】二重移動平均フィルタ回路110からの移
動平均信号は、多値FSK変調波信号及び第1のクロッ
ク信号の位相差との間に図10(a)に示す関係があ
る。一方、二重移動平均フィルタ回路111からの移動
平均信号は、第2の位相差反映信号が第1のクロック信
号をπ/2だけ遅延させた第2のクロック信号を基準と
したものであるので、多値FSK変調波信号及び第1の
クロック信号の位相差との間に図10(b)に示す関係
がある。
【0070】なお、図10において、横軸は図10
(a)〜(c)共に多値FSK変調波信号及び第1のク
ロック信号の位相差(瞬時位相)を示している。図10
(a)及び(b)の縦軸は、出力される移動平均値を示
している。
【0071】ここで、二重移動平均フィルタ回路11
0、111は、低域濾波特性を持ち、さらに位相に関し
てアナログ情報をデジタル情報に変換するA/Dコンバ
ータの役割を果しており、これにより、以後の処理を全
てデジタル的に実行できるようにしている。
【0072】各二重移動平均フィルタ回路110、11
1からの移動平均信号は、瞬時位相信号形成用論理回路
112に入力される。論理回路112は、一方の二重移
動平均フィルタ回路(ここでは111)の移動平均信号
の極性(中心値より大で正極性、小で負極性)で他方の
二重移動平均フィルタ回路(ここでは110)の極性を
反転するようにしたものであり、図10(c)に示した
ような位相検出特性を呈する。この論理回路112から
の出力信号は、入力変調波信号の瞬時位相を表してお
り、当該瞬時位相検出回路105の出力信号として送出
される。
【0073】この瞬時位相検出信号は、微分回路115
を構成する遅延回路113及び位相差分計算回路114
に与えられる。この微分回路115においては、瞬時位
相検出信号の時間微分が実行される。
【0074】すなわち、論理回路112からの瞬時位相
検出信号は、遅延回路113で発振器102の基準クロ
ック信号をクロックとして、1クロック分又は複数クロ
ック分だけ遅延されて位相差分計算回路114に入力さ
れ、この位相差分計算回路114によって、論理回路1
12からの現在の瞬時位相検出信号と遅延された瞬時位
相検出信号との差分が求められる。発振器102からの
基準クロック信号の周波数f2 は、上述したようにデー
タクロックに比べて十分に高い(ここではN倍)周波数
であるので、差分をとる時間間隔は十分短く、そのた
め、差分信号は瞬時位相検出信号の微分値を表してい
る。
【0075】上述のように、位相の微分は周波数となる
ので位相差分計算回路114の出力は、すなわち、瞬時
位相検出信号の微分信号は、基準クロック信号の周波数
を1/m分周した周波数(言い換えると第1のクロック
信号の周波数)に対する瞬時周波数となる。
【0076】例えば、入力された多値FSK変調波信号
が2値FSK変調波信号であれば、瞬時周波数の値は、
図11(a)に示すように、周波数偏移+Δf又は−Δ
fに応じた値間で変化するものとなる。また、例えば、
入力された多値FSK変調波信号が4値FSK変調波信
号であれば、瞬時周波数の値は、図11(b)に示すよ
うに、周波数偏移+3Δf、+Δf、−Δf又は−3Δ
fに応じた値間で変化するものとなる。なお、位相差分
計算回路114からの瞬時周波数信号の値はデジタルで
表した値であるので、図11(a)、(b)はこの数値
をデジタル/アナログ変換して示してある。
【0077】なお、図12に、4値FSK変調波信号が
入力信号の場合におけるいわゆるアイパタンを示してい
る。位相差分計算回路114からの瞬時周波数信号は、
このアイパタン上のいずれかの軌跡をとるものである。
【0078】位相差分計算回路114からの瞬時周波数
信号は、微分回路115の出力として、ベースバンド処
理回路130に入力される。
【0079】ベースバンド処理回路130は、クロック
再生回路116、AFC回路117、加算回路118及
びデータ再生回路119でなり、瞬時周波数信号は、ク
ロック再生回路116、AFC回路117及び加算回路
118に入力される。
【0080】クロック再生回路116は、例えば特開昭
61−265922号公報に開示されているようなもの
を適用できる。クロック再生回路116は、発振器10
2からの基準クロック信号に基づいて、瞬時周波数信号
から送られてきたデータのクロックを再生する。このよ
うな再生クロックは、AFC回路117、加算回路11
8及びデータ再生回路119に与えられると共に、再生
クロック出力端子121を介して次段の再生データ処理
回路(図示せず)に与えられる。AFC回路117は、
後述するようにして送受信装置間の周波数ずれ成分を検
出するものであり、加算回路118は、この検出された
周波数ずれ成分を瞬時周波数信号から除去してその影響
を排除させてデータ再生回路119に与える。データ再
生回路119では、クロック再生回路116の再生クロ
ックを使用しながら、瞬時周波数信号からデータを再生
し、再生データ出力端子120を介して次段の再生デー
タ処理回路(図示せず)に与える。
【0081】(E-2) 瞬時位相検出回路105についての
補足説明 次に、瞬時位相検出回路105について補足説明する。
【0082】エクスクルーシブオア回路106及び二重
移動平均フィルタ110の機能による入力された多値F
SK変調波信号の位相検出特性(基準クロック信号を1
/m分周したものに対する入力変調波信号の位相差特
性)は図10(a)に示すように表される。例えば、仮
に、変調波信号及び第1のクロック信号の位相差が0で
あれば、エクスクルーシブオア回路106からの第1の
位相差反映信号は“0”が連続し、その移動平均は0と
なり、また、変調波信号及び第1のクロック信号の位相
差がπであれば、第1の位相差反映信号は“1”が連続
し、その移動平均は最大値(p)となり、変調波信号及
び第1のクロック信号の位相差がその中間であれば、移
動平均は、その位相差に応じた0及び最大値の中間の値
をとる。結局、エクスクルーシブオア回路106及び二
重移動平均フィルタ110の機能による入力された多値
FSK変調波信号の位相検出特性は図10(a)に示す
ようになる。
【0083】一方、エクスクルーシブオア回路107に
は、第1のクロック信号をπ/2だけ遅延させた第2の
クロック信号と入力多値FSK変調波信号とが入力され
ている。言い換えると、エクスクルーシブオア回路10
6における変調波信号及び第1のクロック信号の位相差
より、エクスクルーシブオア回路107における変調波
信号及び第2のクロック信号の位相差の方がπ/2だけ
常に大きい。そのため、エクスクルーシブオア回路10
7及び二重移動平均フィルタ111の機能による、第1
のクロック信号よりπ/2だけ遅れた第2のクロック信
号に対する入力変調波信号の位相検出特性は図10
(a)に示すように表されるが、エクスクルーシブオア
回路107及び二重移動平均フィルタ111の機能によ
る第1のクロック信号に対する入力変調波信号の位相検
出特性は、図10(b)に示すように、図10(a)に
示すものよりπ/2だけずれて表される。
【0084】そこで、論理回路112が、二重移動平均
フィルタ回路111からの移動平均信号が中心値より大
きいときに(このことは、図10(b)に正極性と記載
している位相差範囲にあることを意味する)、二重移動
平均フィルタ回路110からの移動平均信号をそのまま
通過させ、これに対し、二重移動平均フィルタ回路11
1からの移動平均信号が中心値より小さいときに(この
ことは、図10(b)に負極性と記載している位相差範
囲にあることを意味する)、二重移動平均フィルタ回路
110からの移動平均信号の符号を反転させて出力させ
るようにすれば、論理回路112からの信号の位相検出
特性は、図10(c)に示すようになる。すなわち、−
π〜π、π〜3π、3π〜5π、…のように、2πの範
囲にわたって位相が直線で検出できる。位相は2πをモ
ジュロとしているので、このことは全ての位相にわたっ
て直線で検出できることを示している。
【0085】次に、単純移動平均フィルタ回路ではなく
二重移動平均フィルタ回路110及び111を適用して
いることについて説明する。言い換えると、単純移動平
均フィルタ回路の低域濾波特性と、二重移動平均フィル
タ回路の低域濾波特性との相違について説明する。
【0086】単純移動平均フィルタ回路の振幅特性A
は、文献3に記載されているように、(13)式で表され
る。なお、(13)式において、fは周波数、τは移動平均
を行なう時間長である。
【0087】文献3:『電子通信学会編著者、「デジタ
ル信号処理」、昭和50年11月10日初版発行、PP
43−45』 A={2(1−Cos 2πfτ)}1/2 /2πfτ …(13) ここで、振幅特性の包絡線特性Aenv を求めると、(14)
式に示すようになり、−6dB/Octの特性を持って
いることが分かる。
【0088】 Aenv =21/2 /2πfτ …(14) しかるに、微分回路115は+6dB/Octの特性と
なり、単純な移動平均フィルタ回路では、位相差分計算
回路114の出力点で周波数特性(包絡線特性)がフラ
ットになってしまう。そこで、移動平均を二重に重ねる
ことで−12dB/Octの特性を有する二重移動平均
フィルタ回路110及び111を使って、位相差分計算
回路114の出力点で−6dB/Octの特性を持たせ
るようにした。
【0089】二重移動平均フィルタ回路110及び11
1としては、例えば図13に示すものを適用できる(特
公平1−45097号公報参照)。
【0090】すなわち、2個のシフトレジスタ202−
1及び202−2と、2個の論理回路204−1及び2
04−2と、2個のアップダウンカウンタ205−1及
び205−2と、加算回路210と、減算回路211
と、レジスタ212とでなるものを適用できる。
【0091】エクスクルーシブオア回路106又は10
7から出力され、入力端子201から入力された位相差
反映信号は、入力端子203を介して与えられた発振器
102からの基準クロック信号によってシフトレジスタ
202−1に取り込まれ、また、その最終段の前の段か
ら取出された位相差反映信号は、基準クロック信号によ
ってシフトレジスタ202−2に取り込まれる。
【0092】各シフトレジスタ202−1、202−2
の段数(p+1)は、以下のように選定されている。必
要な移動平均時間τを、発振器102からの基準クロッ
ク信号の周波数をf2 とすると、pが(15)式を満足する
ように選定されている。言い換えると、第p段目までが
移動平均に供する値を格納し、最終段が移動平均時間を
越えたばかりの値を格納するように選定されている。な
お、この点は、後述する単純移動平均フィルタ回路12
6、127、多ビット移動平均フィルタ回路128につ
いても同様である。
【0093】 τ=p/f2 …(15) シフトレジスタ202−1の初段及び最終段の値は、論
理回路204−1に入力され、基準クロック信号のタイ
ミングで比較される。アップダウンカウンタ205−1
の値は、現時点から所定期間前の時点までの所定時間τ
での移動平均値になっている。論理回路204−1は、
初段及び最終段の値(最終段の値は移動平均には反映さ
れない)が一致しているときには、移動平均の変化がな
いとしてアップダウンカウンタ205−1のカウント値
を操作せず、初段の値が“1”で最終段の値が“0”の
ときには移動平均値が増大したとしてアップダウンカウ
ンタ205−1をアップカウントさせ、初段の値が
“0”で最終段の値が“1”のときには移動平均値が減
少したとしてアップダウンカウンタ205−1をダウン
カウントさせる。
【0094】他の1組のシフトレジスタ202−2、論
理回路204−2及びアップダウンカウンタ205−2
も同様に所定期間τの移動平均値を得るものである。但
し、上述のものより、移動平均に供する所定時間τが、
その直前期間に選定されているという差異がある。
【0095】レジスタ212は、最終的な移動平均値を
格納し、出力端子213から移動平均信号として出力さ
せるものである。加算回路210は、レジスタ212の
最終的な移動平均値にアップダウンカウンタ205−1
の移動平均値を加算し、減算回路211は、レジスタ2
12の最終的な移動平均値にアップダウンカウンタ20
5−2の移動平均値を減算する。すなわち、レジスタ2
12に格納されている最終的な移動平均値は、現時点を
含めその直前所定期間τの移動平均値と、さらにその直
前所定期間τの移動平均値との差分ずつ修正されていく
ものである。以上のようにして移動平均が移動平均信号
に二重に反映される。
【0096】(E-3) AFC回路117についての補足説
明 次に、AFC回路117について、入力変調波信号が4
値FSK変調波信号であるとして、補足説明する。
【0097】位相差分計算回路114からの瞬時周波数
信号は、上述したように、図12に示したアイパタン上
のいずれかの軌跡をとる。
【0098】ここで、送受信装置間で基準周波数(f2
/m)に差があり、送信側周波数が高いと、アイパタン
は、図14(a)に示すように図12に示す本来のアイ
パタンより上方にずれる。逆に、送信側周波数が低い
と、アイパタンは、図14(b)に示すように図12に
示す本来のアイパタンより下方にずれる。
【0099】そこで、クロック再生回路116で再生し
たタイミングtnで、位相差分計算回路114からの瞬
時周波数信号の値を取出し、送受信装置間で周波数が一
致しているときに現れる4種類の値+3Δf、+Δf、
−Δf、−3Δfの1番近いものと比較してその差をと
り、この差を何回か平均して周波数誤差として取り出
す。そして、この周波数誤差信号を加算回路118に与
えて、位相差分計算回路114からの瞬時周波数信号か
ら減算させ、瞬時周波数信号における周波数ずれによる
誤差をキャンセルさせる。
【0100】このようにすることにより、図12に示す
アイパタンのような正しい瞬時周波数信号がデータ再生
回路119に入力され、正しいデータが再生される。
【0101】上記のような機能を担うAFC回路117
としては、図15に示すようなフィードフォワード型の
内部構成のものを適用できる。
【0102】図15において、レジスタ305がタイミ
ングtnで瞬時周波数信号の値を取込み、各差分回路3
06、…、309によってその値と基準値+3Δf、+
Δf、−Δf、−3Δfとの差分をそれぞれ求め、さら
に各絶対値化回路310、…、313によって絶対値に
変換する。この差分絶対値のうち最小のものを最小値検
出回路314が検出してセレクタ315に選択制御信号
を与え、セレクタ315によって、瞬時周波数信号の値
と基準値+3Δf、+Δf、−Δf、−3Δfとの差分
値のうち最小のものを選択させ、この選択された差分値
が多ビットデータの移動平均を求める多ビット移動平均
フィルタ回路316(後述する図23参照)に与えら
れ、かくして多ビット移動平均フィルタ回路316から
周波数誤差信号が出力される。
【0103】(E-4) 第1例の多値FSK検波回路19を
適用したことの効果 以上のように、それぞれがデジタル回路でなる瞬時位相
検出回路105、微分回路115、ベースバンド処理回
路130等の構成要素によって多値FSK検波回路19
を構成したので、製造バラツキのない多値FSK検波回
路が実現でき、また、集積回路化に容易に対応すること
ができる。
【0104】これにより、上述した第1〜第3実施例の
多値FSK受信装置の多くの要素の集積回路化が実現で
きる。
【0105】また、第1例の多値FSK検波回路19に
よれば、瞬時位相検出回路105内の移動平均フィルタ
回路として二重移動平均フィルタ回路110及び111
を適用しているので、微分回路105からの瞬時周波数
信号に−6dB/Octの特性を持たせることができ、
データ再生精度を高めることができる。さらに、第1例
の多値FSK検波回路19によれば、AFC回路117
及び加算回路118を設けて、送受信装置間の周波数ず
れを補償した後、データ再生させるようにしたので、こ
の点からも正確な再生データを得られるようにできる。
【0106】すなわち、多値FSK変調信号の周波数情
報(位相情報)を取り出し易くするように再変調するこ
とによる再生データの精度向上に加えて、多値FSK検
波回路19自体の構成による再生データの精度向上も達
成でき、その結果、第1例の多値FSK検波回路19を
適用した第1〜第3実施例の多値FSK受信装置による
再生データの精度向上を極めて高いものとすることがで
きる。
【0107】(F)多値FSK検波回路の第2例 次に、本発明による上述した第1〜第3実施例の多値F
SK受信装置の多値FSK検波回路(第1例)に置き換
えて適用可能な多値FSK検波回路の第2例を図面を参
照しながら詳述する。ここで、図16がこの第2例の多
値FSK検波回路の構成を示すものであり、上述した図
9との同一、対応部分には同一符号を付して示してい
る。
【0108】図16及び図9から明らかなように、第2
例の多値FSK検波回路は、第1例に比較して、ベース
バンド処理回路130Aの構成が異なっており、微分回
路115までの構成及び動作は同様である。
【0109】第2例のベースバンド処理回路130A
は、第1例でも存在していたクロック再生回路116、
AFC回路(この第2例の説明においてはフィードフォ
ワード型AFC回路と呼ぶ:図ではF.F.AFCで表
している)117、加算回路118及びデータ再生回路
119に加えて、フィードバック型AFC回路(図では
F.B.AFCで表している)150及び加算回路15
1を備えている。
【0110】第2例の多値FSK検波回路は、第1例の
多値FSK検波回路よりも、送受信装置間の搬送波周波
数の相違が大きくなる可能性を有する伝送システムに適
用して好適なものである。
【0111】第1例におけるAFC回路117によるA
FC動作は、図14(a)及び図14(b)に示す周波
数ずれ成分の絶対値が、4値の各値の最小差2Δfの半
分(すなわちΔf)を越えると、本来修正すべき方向と
は逆方向へ引っ張られ、間違った方向に修正されること
になる。従って、送受信装置間で大きな周波数ずれが予
想される伝送システムでは、第1例を適用できず、この
場合には、第2例の多値FSK検波回路を適用すれば良
い。
【0112】新たに追加されたフィードバック型AFC
回路150及び加算回路151が、送受信装置間で搬送
波周波数に大きな周波数ずれがあっても、高い再生精度
を補償するためのものであり、フィードフォワード型A
FC回路117及び加算回路118による周波数ずれ成
分の除去構成を補って、上述した不都合の発生を未然に
防止しようとしたものである。
【0113】加算回路151は、微分回路115からの
瞬時周波数信号から、フィードバック型AFC回路15
0が粗く検出したその瞬時周波数信号に含まれている周
波数ずれ成分を除去し、クロック再生回路116、フィ
ードフォワード型AFC回路117、加算回路118及
びフィードバック型AFC回路150に与えるものであ
る。フィードバック型AFC回路150は、加算回路1
51からの瞬時周波数信号が、その瞬時周波数信号に対
して予め設定されている上限及び下限間の範囲を越えた
ときに内部のLPFを通して加算回路151にフィード
バックさせ、加算回路151からの瞬時周波数信号が上
記上限及び下限の範囲内に入るように制御するものであ
り、加算回路151からの瞬時周波数信号における周波
数ずれの影響をある値まで軽減するものである。
【0114】なお、フィードバック型AFC回路150
及び加算回路151の構成は、特公平5−1662号公
報の「受信周波数補正方式」で示されるアナログ的手法
をデジタル的手段に置き換えたものであり、より詳細な
説明は後述する。
【0115】クロック再生回路116、フィードフォワ
ード型AFC回路117及び加算回路118はそれぞ
れ、第1実施例に比較すると、微分回路115の出力瞬
時周波数信号が入力されるのではなく、微分回路115
の出力瞬時周波数信号に含まれている周波数ずれ成分が
粗く除去された瞬時周波数信号が入力されるという相違
はあるが、第1例と同様に作用する。データ再生回路1
19も、第1例同様に、クロック再生回路116の再生
クロックを使用しながら、加算回路118の出力瞬時周
波数信号からデータを再生する。
【0116】ここで、フィードフォワード型AFC回路
117には、フィードバック型AFC回路150及び加
算回路151によって、ある範囲内に周波数ずれ成分が
押さえられた瞬時周波数信号が入力されるので、送受信
装置間で搬送波周波数に大きな周波数ずれがあっても、
周波数ずれ成分を正しく検出することができる。
【0117】図17は、フィードバック型AFC回路1
50の詳細構成例を加算回路151と共に示すものであ
る。図18は、フィードバック型AFC回路150の動
作説明に供するアイパタンを示す図面である。なお、図
18におけるアイパタンは、送受信装置間の搬送波周波
数が一致している場合のものである。
【0118】フィードバック型AFC回路150は、上
限コンパレータ351、下限コンパレータ352、上限
リミッタ353、下限リミッタ354及びアップダウン
カウンタ355から構成されている。
【0119】上限コンパレータ351及び下限コンパレ
ータ352には、加算回路151からの瞬時周波数信号
が入力され、上限コンパレータ351又は下限コンパレ
ータ352はそれぞれ、入力された瞬時周波数信号を、
クロック再生回路116からの再生クロックのタイミン
グで、図13に示す上限値BU (正規の3Δf<BU<
正規の4Δf)又は下限値BL (正規の−4Δf<BL
<正規の−3Δf)を比較する。上限コンパレータ35
1は、入力瞬時周波数信号が上限値BU を越えたら出力
パルスを上限リミッタ353に送り、この上限リミッタ
353の出力によってアップダウンカウンタ355をダ
ウンカウントさせる。一方、下限コンパレータ352
は、入力瞬時周波数信号が下限値BL より小さくなると
出力パルスを下限リミッタ354に送り、この下限リミ
ッタ354の出力によってアップダウンカウンタ355
をアップカウントさせる。アップダウンカウンタ355
は、LPF機能を有し、そのカウント値を加算回路15
1にフィードバックする。
【0120】送信機側の搬送波周波数が相対的に受信装
置側の搬送波周波数より高いと、微分回路115からの
図18に示す瞬時周波数信号のアイパタンは上昇する。
この瞬時周波数信号が上限値Bu を越えると、上限コン
パレータ351からダウンカウントを指示する出力パル
スが出力され、上限リミッタ353を介してアップダウ
ンカウンタ355に与えられ、アップダウンカウンタ3
55のカウント値は負の方向に変化し、かかる動作の繰
返しの結果、加算回路151からの瞬時周波数信号のア
イパタンは最大値が上限値Bu に一致するところまで下
げられる。逆に、送信機側の搬送波周波数が相対的に受
信装置側の搬送波周波数より低いと、微分回路115か
らの図18に示す瞬時周波数信号のアイパタンは下降す
る。この瞬時周波数信号が下限値Bl より小さくなる
と、下限コンパレータ352からアップカウントを指示
する出力パルスが出力され、下限リミッタ354を介し
てアップダウンカウンタ355に与えられ、アップダウ
ンカウンタ355のカウント値は正の方向に変化し、か
かる動作の繰返しの結果、加算回路151からの瞬時周
波数信号のアイパタンは最小値が下限値BL に一致する
ところまで上げられる。また、微分回路115からの瞬
時周波数信号のアイパタンが上限値Bu 及び下限値BL
間にあると、上限コンパレータ351及び下限コンパレ
ータ352から出力パルスが送出されないので、アップ
ダウンカウンタ355はそのままのカウント値を保つ。
【0121】このようなフィードバックAFC回路15
0及び加算回路151の動作によって、周波数ずれがか
なり大きくても、後段のフィードフォワード型AFC回
路117及び加算回路118で除去可能な周波数ずれま
で、微分回路115からの瞬時周波数信号における周波
数ずれを押さえる(軽減する)ことができる。
【0122】アップダウンカウンタ355のカウント可
能な範囲は、このような機能を担える程度に選定されて
いる。上限リミッタ353及び下限リミッタ354はそ
れぞれ、アップダウンカウンタ355がオーバーフロー
するのを防止するものであり、オーバーフローする前
に、ダウンカウント又はアップカウントするのを制限す
る。すなわち、微分回路115からの瞬時周波数信号の
アイパタンの最大値が上限値Bu より過度に越えている
場合において、また、微分回路115からの瞬時周波数
信号のアイパタンの最小値が下限値BL より過度に小さ
い場合において、アップダウンカウンタ355のオーバ
ーフローによって、周波数制御の動作が乱れてしまうこ
とを防止する。上限リミッタ353及び下限リミッタ3
54はそれぞれ、アップダウンカウンタ355がオーバ
ーフローする恐れがなければ対応するコンパレータ35
1、352からの出力パルスをそのまま通過させ、アッ
プダウンカウンタ355がオーバーフローする恐れがあ
れば対応コンパレータ351、352からの出力パルス
の通過を阻止する。
【0123】周波数ずれに対処するAFC回路は、高速
動作を行なおうとすると、LPFのカットオフ周波数を
高くする必要があり、カットオフ周波数を高くするとA
FC動作に伴って雑音が加算されてしまうという欠点が
ある。この第2例のフィードバック型AFC回路150
は、上限値Bu と下限値BL の内側に瞬時周波数信号が
あるときには制御を行なわないので、雑音が加算される
ことはなく高速動作を行なうことができる。
【0124】フィードバック型AFC回路150及び加
算回路151による周波数ずれの補正構成では、微分回
路115からの瞬時周波数信号における周波数ずれを全
て除去して瞬時周波数信号が有する本来のアイパタンに
合わせる機能はないが、後段の加算回路118及びフィ
ードフォワード型AFC回路117が残りの周波数ずれ
を除去する。すなわち、4値FSK変調信号における各
値間の最小差を2Δfとすると、フィードバック型AF
C回路150及び加算回路151によって周波数ずれを
Δfよりも十分小さい値まで補正し、加算回路118及
びフィードフォワード型AFC回路117が残りのΔf
より小さい周波数ずれを補正し、瞬時周波数信号を本来
のアイパタンに合わせる。
【0125】従って、上記第2例の多値FSK検波回路
によれば、基本的には、第1例の処理構成を有するの
で、第1例と同様な効果を奏する。これに加えて、第2
例によれば、ベースバンド処理回路130Aが、送受信
装置間の搬送波周波数のずれを2段で補正するようにし
ているので、送受信装置間の搬送波周波数のずれが大き
い伝送システムであっても、高精度にデータを再生する
ことができる。
【0126】すなわち、上述した第1〜第3実施例の多
値FSK受信装置の多値FSK検波回路として、第2例
の多値FSK検波回路を適用した場合には、第1例の多
値FSK検波回路を適用した場合に比べて、送受信装置
間の搬送波周波数のずれが大きい伝送システムであって
も、多値FSK検波回路の機能によるデータの再生精度
の向上をより一段と高めることができるようになる。
【0127】(G)多値FSK検波回路の第3例 次に、本発明による上述した第1〜第3実施例の多値F
SK受信装置の多値FSK検波回路(第1例)に置き換
えて適用可能な多値FSK検波回路の第3例を図面を参
照しながら詳述する。ここで、図19がこの第3例の多
値FSK検波回路の構成を示すものであり、上述した図
9との同一、対応部分には同一符号を付して示してい
る。
【0128】上述した第1例の多値FSK検波回路にお
いては、当該多値FSK検波回路への入力変調波信号の
周波数f1 は、発振器102からの基準クロック信号の
周波数f2 の1/mであることが必要である。また、基
準クロック信号の周波数f2がデータ速度の整数倍であ
る必要がある。入力変調波信号の周波数f1 によって
は、周波数f2 がデータ速度の整数倍であるという条件
を共に満足させようとすると、周波数f2 が現実的でな
い非常に高い周波数になることがある。
【0129】そこで、この第3例の多値FSK検波回路
は、周波数f2 が周波数f1 のm倍であるという条件だ
けを満足させ、周波数f2 がデータ速度の整数倍という
条件を満足しないために生じる不都合を補償する構成を
設けている。すなわち、発振器123(発振器102と
区別するため第2の発振器と呼ぶ)、サンプリング回路
124及び1/k分周回路125を、第1例の構成に追
加して設けている。
【0130】第2の発振器123は、データ速度の整数
倍の周波数を有する基準クロック信号(発振器102か
らの基準クロック信号と区別するため第2の基準クロッ
ク信号と呼ぶ)を、1/k分周回路125、遅延回路1
13及びクロック再生回路116に与える。1/k分周
回路125は、この第2の基準クロック信号を1/k分
周してサンプリング回路124に与える。サンプリング
回路124は、瞬時位相検出回路105及び微分回路1
15間に介挿されており、1/k分周回路125からの
信号に基づいて瞬時位相検出回路105からの瞬時位相
検出信号を再サンプリングし、1/k分周回路125か
らの信号が有する周波数をサンプリング周波数としてい
る瞬時位相検出信号を微分回路115に出力する。遅延
回路113及びクロック再生回路116は、当然に第2
の基準クロック信号に基づいて動作する。
【0131】例えば、入力変調波信号の周波数f1 が2
2KHzの場合には、m=16とすると、発振器102
からの基準クロック信号の周波数f2 は352KHzと
なる。この周波数f2 は、データ速度(3.2KHz)
の整数倍とはならず、第1例によれば、クロック再生回
路116の内部構成からクロック再生回路116でのク
ロック抽出が難しい。
【0132】そのため、この第3例においては、第2の
発振器123を用意し、データ速度(3.2KHz)の
整数倍(100倍)の周波数f4 (例えば320KH
z)を有する第2の基準クロック信号を発生させて遅延
回路113及びクロック再生回路116に与えることに
より、第1例と同様に復調処理をできるようにした。し
かし、この場合、瞬時位相検出回路105の出力レート
は周波数f2 であるのに対して、それ以後の処理は周波
数f4 を基本としたものであり、非同期となってしま
う。
【0133】そこで、瞬時位相検出回路105及び微分
回路115間に、第2の発振器123からの第2の基準
クロック信号を1/k分周回路125を介して1/k分
周した信号の速度でサンプリングするサンプリング回路
124を設けている。
【0134】瞬時位相検出回路105からの瞬時位相検
出信号は、二重移動平均フィルタ回路110及び111
により高周波成分は除去されており、出力サンプリング
レートに対してデータ存在周波数帯域は非常に小さく、
サンプリング回路124によって非同期でサンプリング
しても折返し現象によるデータ品質劣化はほとんどな
い。
【0135】以上のように、第3例の多値FSK検波回
路によっても、それぞれがデジタル回路でなる、瞬時位
相検出回路105、微分回路115、ベースバンド処理
回路130等の構成要素によって多値FSK検波回路を
構成したので、製造バラツキのない多値FSK検波回路
が実現でき、また、LSI化に容易に対応することがで
き、第1例の多値FSK検波回路を適用した多値FSK
受信装置が得られる効果を、第3例の多値FSK検波回
路を適用した多値FSK受信装置も得ることができる。
【0136】また、第3例の多値FSK検波回路を適用
した多値FSK受信装置によれば、再変調によって得ら
れる多値FSK変調波信号の周波数を、データ速度にか
かわらず任意の周波数に選定できるという効果をも奏す
る。
【0137】(H)多値FSK検波回路の第4例 次に、本発明による上述した第1〜第3実施例の多値F
SK受信装置の多値FSK検波回路(第1例)に置き換
えて適用可能な多値FSK検波回路の第4例を図面を参
照しながら詳述する。ここで、図20がこの第4例の多
値FSK検波回路の構成を示すものであり、上述した第
3例に係る図19との同一、対応部分には同一符号を付
して示している。
【0138】図20及び図19の比較から明らかなよう
に、第4例の多値FSK検波回路は、サンプリング回路
124の介挿位置が第3例と異なっている。すなわち、
この第4例では、微分回路115及びベースバンド処理
回路130間にサンプリング回路124を介挿させてい
る。微分回路115までは、発振器102からの基準ク
ロック信号に基づいて動作し、サンプリング回路124
以降は第2の発振器123からの第2の基準クロック信
号に基づいて動作し、これ以外の点は第3例と同様であ
る。従って、第4例によっても、単体としての効果も、
本発明に係る多値FSK受信装置に適用した場合の効果
も、第3例と同様な効果を奏する。
【0139】(I)多値FSK検波回路の第5例 次に、本発明による上述した第1〜第3実施例の多値F
SK受信装置の多値FSK検波回路(第1例)に置き換
えて適用可能な多値FSK検波回路の第5例を図面を参
照しながら詳述する。ここで、図21がこの第5例の多
値FSK検波回路の構成を示すものであり、上述した第
1例に係る図9との同一、対応部分には同一符号を付し
て示している。
【0140】この第5例の多値FSK検波回路が第1例
と異なる点は、微分回路115及びベースバンド処理回
路130間に多ビット移動平均フィルタ回路128を介
挿している点、瞬時位相検出回路105内の移動平均フ
ィルタ回路として二重移動平均フィルタ回路110、1
11に代えて単純移動平均フィルタ回路126、127
を適用している点である。
【0141】ベースバンド処理回路130に入力される
瞬時周波数信号のS/N比は、再生データのエラー率に
影響を与える。ところで、このような瞬時周波数信号を
出力する微分回路115は、上述したように、+6dB
/Octの特性を有するため、周波数が高くなるに従い
歪みを大きくさせる。そこで、この第5例においては、
ベースバンド処理回路130の直前に低域濾波特性を有
する多ビット移動平均フィルタ回路128を設けてい
る。この多ビット移動平均フィルタ回路128が二重移
動平均の一方の移動平均を担っていると見ることもでき
るので、この第5例においては、瞬時位相検出回路10
5内の移動平均フィルタ回路として単純移動平均フィル
タ回路126、127を適用している。
【0142】なお、多ビット移動平均フィルタ回路12
8を設けた理由が上述のようであり、二重移動平均を分
散させて行なうということは2次的なものであるので、
瞬時位相検出回路105内の移動平均フィルタ回路とし
て、二重移動平均フィルタ回路110、111をそのま
ま適用しても良い。
【0143】単純移動平均フィルタ回路126及び12
7としては、例えば図22に示すものを適用できる(特
公平4−10776号公報参照)。すなわち、シフトレ
ジスタ402、論理回路404及びアップダウンカウン
タ405でなるものを適用できる。
【0144】エクスクルーシブオア回路106又は10
7から出力され、入力端子401から入力された位相差
反映信号は、入力端子403を介して与えられた発振器
102からの基準クロック信号によってシフトレジスタ
402に取り込まれる。シフトレジスタ402の初段及
び最終段の値は、論理回路404に入力され、基準クロ
ック信号のタイミングで比較される。アップダウンカウ
ンタ405の値は、現時点から所定期間τ前の時点まで
の移動平均値になっている。論理回路404は、初段及
び最終段の値(最終段の値は移動平均には反映されな
い)が一致しているときには、移動平均の変化がないと
してアップダウンカウンタ405のカウント値を操作せ
ず、初段の値が“1”で最終段の値が“0”のときには
移動平均値が増大したとしてアップダウンカウンタ40
5をアップカウントさせ、初段の値が“0”で最終段の
値が“1”のときには移動平均値が減少したとしてアッ
プダウンカウンタ405をダウンカウントさせる。この
ように逐次更新されるアップダウンカウンタ405の値
が移動平均信号として出力端子406から送出される。
【0145】多ビット移動平均フィルタ回路128は、
単純移動平均フィルタ回路126及び127と異なって
多ビット(ここではjビットとする)の入力信号を扱う
ものであるが、例えば、図22に示す構成と類似してい
る図23に示すものを適用できる。すなわち、入力レジ
スタ502、jビットシフトレジスタ(1ビットシフト
レジスタ群503−1〜503−j)503、加算回路
504、減算回路505及び出力レジスタ506でなる
ものを適用し得る。
【0146】微分回路115からのjビット信号は、発
振器102からの基準クロック信号によって入力レジス
タ502に取り込まれた後、その基準クロック信号に同
期してjビットシフトレジスタ503に入力されて順次
シフトしていく。ここで、出力レジスタ506は移動平
均値を格納し、出力端子507から移動平均信号として
出力させるものである。加算回路504は、出力レジス
タ506に格納されている直前の移動平均値に、jビッ
トシフトレジスタ503の初段のjビットデータを加算
して現時点のjビットデータを移動平均値に反映させ、
減算回路505は、出力レジスタ506に格納されてい
る移動平均値から、jビットシフトレジスタ503の最
終段のjビットデータを減算して移動平均時間τを越え
たjビットデータが移動平均値に反映されることを除外
する。
【0147】多ビット移動平均フィルタ回路128の出
力信号のアイパタンは、送受信装置間でキャリア周波数
のずれがなければ、上記図12に示すようになり、ベー
スバンド処理回路130は、第1例と同様の動作を行な
う。
【0148】従って、第5例の多値FSK検波回路によ
っても、第1例の多値FSK検波回路と同様に、それぞ
れがデジタル回路でなる、瞬時位相検出回路105、微
分回路115、ベースバンド処理回路130等の構成要
素によって多値FSK検波回路を構成したので、製造バ
ラツキのないLSI化に容易に対応できる多値FSK検
波回路が実現でき、この検波回路を適用した本発明に係
る多値FSK受信装置の小型化等に寄与できる。
【0149】また、微分回路115の後段に多ビット移
動平均フィルタ回路128を設けたので、再生データの
エラー率をより小さく押さえることが期待できる。
【0150】(J)他の実施例 (J-1) 直交変調手段の要素であるミキサ13及び14
と、瞬時位相検出回路105のエクスクルーシブオア回
路106及び107とには同一周波数を加えれば良いの
で、直交変調手段の要素である発振器16からの発振信
号の代りに、発振器102の出力信号を1/m分周した
ものを使用しても良い。
【0151】(J-2) 第5例の多値FSK検波回路の構成
をベースとし、第3例又は第4例の多値FSK検波回路
の特徴構成を追加したものを、本発明における多値FS
K検波回路として適用しても良い。なお、今までの説明
で動作や機能が明らかなので、詳細説明は省略する。
【0152】(J-3) 送受信装置間のキャリア周波数にほ
とんとずれがないように構成できたものであれば、AF
C回路(フィードフォワード型AFC回路)117及び
加算回路118や、フィードバック型AFC回路150
及び加算回路151を省略した多値FSK検波回路を適
用するようにしても良い。
【0153】(J-4) 直交復調手段や直交変調手段や瞬時
位相検出回路の要素であるπ/2移相回路に代え、他方
の位相の発振信号を必要とする要素への伝送経路に設け
られる、位相を進めさせるπ/2移相回路を適用しても
良く、また、移相方向が異なる2個のπ/4移相回路を
適用してπ/2の位相差を形成させるようにしても良
い。
【0154】(J-5) 瞬時位相検出回路105における論
理回路112は、π/2だけ異なる2個の移動平均信号
から、−π〜π、π〜3π、3π〜5π、…のような2
πの範囲で直線変化する位相特性を有する信号を作成で
きれば良いので、上述の方法に限定されない。例えば、
図10(b)に示す位相特性を有する信号の負極性で図
10(a)に示す位相特性を有する信号の極性を維持さ
せ、図10(b)に示す位相特性を有する信号の正極性
で図10(a)に示す位相特性を有する信号の極性を反
転するものであっても良い。
【0155】(J-6) 各種移動平均フィルタ回路の構成
は、上述した図面に示したものに限定されない。例え
ば、図13に示した二重移動平均フィルタ回路は、特公
平1−45097号の第4図に対応したものであるが、
特公平1−45097号の第4図に対応したものを適用
しても良い。また、例えば、図22に示した単純移動平
均フィルタ回路は、特公平4−10776号の第5図に
対応したものであるが、特公平4−10776号の第7
図に対応したものを適用しても良い。
【0156】(J-7) 瞬時位相検出回路105におけるエ
クスクルーシブオア回路106、107に代えてエクス
クルーシブノア回路を適用しても良い。
【0157】(J-8) 上記実施例においては、2値FSK
変調波信号又は4値FSK変調波信号を受信する装置と
して説明を行なったが、8値以上の多値FSK変調波信
号の受信装置にも本発明を適用することができる。
【0158】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、受信し
た多値FSK変調波信号を直交検波し、その低域成分を
取出してQチャネル信号及びIチャネル信号を得る直交
検波手段と、直交検波により得られたQチャネル信号及
びIチャネル信号を直交変調する直交変調手段と、この
直交変調手段によって得られた多値FSK変調波信号を
多値FSK検波する多値FSK検波回路とを有するの
で、ダイレクトコンバージョン方式のメリットを享受し
ながら、周波数情報(位相情報)を高精度に取り出すこ
とができ、符号の再生精度を高めることができる、しか
も集積回路化に適した多値FSK受信装置を実現でき
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施例の多値FSK受信装置を示すブロッ
ク図である。
【図2】従来の2値FSK受信装置を示すブロック図で
ある。
【図3】その各部タイミングチャートである。
【図4】第1実施例の装置内のミキサ構成例を示すブロ
ック図(その1)である。
【図5】その入出力信号の波形図である。
【図6】第1実施例の装置内のミキサ構成例を示すブロ
ック図(その2)である。
【図7】第2実施例の多値FSK受信装置を示すブロッ
ク図である。
【図8】第3実施例の多値FSK受信装置を示すブロッ
ク図である。
【図9】本発明が適用する多値FSK検波回路の第1例
を示すブロック図である。
【図10】論理回路112の処理説明用の波形図であ
る。
【図11】多値FSKのベースバンド信号の波形図であ
る。
【図12】4値FSKのアイパタン図である。
【図13】二重移動平均フィルタ回路110、111の
詳細ブロック図である。
【図14】送受信装置間の搬送波周波数ずれに伴って変
化したアイパタン図である。
【図15】AFC回路117の詳細ブロック図である。
【図16】本発明が適用する多値FSK検波回路の第2
例を示すブロック図である。
【図17】フィードバック型AFC回路150の詳細ブ
ロック図である。
【図18】その動作説明用のアイパタン図である。
【図19】本発明が適用する多値FSK検波回路の第3
例を示すブロック図である。
【図20】本発明が適用する多値FSK検波回路の第4
例を示すブロック図である。
【図21】本発明が適用する多値FSK検波回路の第5
例を示すブロック図である。
【図22】単純移動平均フィルタ回路126、127の
詳細ブロック図である。
【図23】多ビット移動平均フィルタ回路128の詳細
ブロック図である。
【符号の説明】
2…RF増幅段、3、4、13、14…ミキサ、5、1
5…π/2移相器、6、16、102、123…発振
器、7、8…ローパスフィルタ(LPF)、7−1、8
−1…増幅器、17、151…加算回路、18…リミッ
タ増幅器、19…多値FSK検波回路、20…AGC回
路、105…瞬時位相検出回路、115…微分回路、1
16…クロック再生回路、117…AFC回路、118
…減算回路、119…データ再生回路、124…サンプ
リング回路、125…1/k分周回路、128…多ビッ
ト移動平均フィルタ回路、130、130A…ベースバ
ンド処理回路、150…フィードバック型AFC回路。

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 受信した多値FSK変調波信号を直交検
    波し、その低域成分を取出してQチャネル信号及びIチ
    ャネル信号を得る直交検波手段と、 直交検波により得られたQチャネル信号及びIチャネル
    信号を直交変調する直交変調手段と、 この直交変調手段によって得られた多値FSK変調波信
    号を多値FSK検波する多値FSK検波回路とでなるこ
    とを特徴とする多値FSK受信装置。
  2. 【請求項2】 上記直交変調手段への入力信号レベルを
    所望レベルに保つように利得制御する自動利得制御手段
    をさらに有することを特徴とする請求項1に記載の多値
    FSK受信装置。
  3. 【請求項3】 上記多値FSK検波回路が、 上記直交変調手段によって得られた多値FSK変調波信
    号及び基準クロック信号が入力され、この多値FSK変
    調波信号の瞬時位相を検出してデジタル的に出力する瞬
    時位相検出回路と、 この瞬時位相検出回路から出力された多値FSK変調波
    信号の瞬時位相信号を微分して、上記多値FSK変調波
    信号の瞬時周波数を計算して出力する微分回路と、 この微分回路から出力された瞬時周波数信号から、デー
    タ及びデータクロックを再生するベースバンド処理回路
    とでなり、 上記瞬時位相検出回路が、 上記基準クロック信号に基づいて生成されたπ/2だけ
    位相が異なる同一周波数の第1及び第2のクロック信号
    を基に、上記多値FSK変調波信号のこれら第1及び第
    2のクロック信号を基準とした位相差反映情報を含む第
    1及び第2の変調波情報信号を出力する変調波情報生成
    回路と、 これら第1及び第2の変調波情報信号の移動平均をそれ
    ぞれ得る、単純移動フィルタ回路又は二重移動フィルタ
    回路でなる第1及び第2の移動平均フィルタ回路と、 これら第1及び第2の移動平均フィルタ回路からの移動
    平均信号に基づいて、入力された上記多値FSK変調波
    信号の瞬時位相信号を形成する瞬時位相信号形成用論理
    回路とでなることを特徴とするを持つ請求項1又は2に
    記載の多値FSK受信装置。
  4. 【請求項4】 上記変調波情報生成回路が、 上記基準クロック信号を1/m分周(mは整数)する1
    /m分周回路と、 分周されたクロック信号を2分岐し、少なくとも分岐し
    た一方のクロック信号の位相を操作してπ/2だけ位相
    が異なる上記第1及び第2のクロック信号を形成するク
    ロック信号形成回路と、 当該瞬時位相検出回路に入力された上記多値FSK変調
    波信号と、上記第1のクロック信号との論理レベルの一
    致不一致信号を形成して第1の変調波情報信号として出
    力する第1の一致不一致回路と、 当該瞬時位相検出回路に入力された上記多値FSK変調
    波信号と、上記第2のクロック信号との論理レベルの一
    致不一致信号を形成して第2の変調波情報信号として出
    力する第2の一致不一致回路とを備えることを特徴とす
    る請求項3に記載の多値FSK受信装置。
  5. 【請求項5】 上記ベースバンド処理回路が、 上記微分回路からの瞬時周波数信号からデータクロック
    を再生するクロック再生回路と、 再生されたデータクロック及び上記微分回路からの瞬時
    周波数信号に基づいて、その瞬時周波数信号に含まれて
    いる、送受信機間の搬送波周波数のずれに基づく誤差を
    補償する周波数ずれ補償回路と、 この周波数ずれ補償回路によって周波数ずれが補償され
    た瞬時周波数信号から、再生されたデータクロックに基
    づいて、データを再生するデータ再生回路とを備えるこ
    とを特徴とする請求項3又は4に記載の多値FSK受信
    装置。
  6. 【請求項6】 上記ベースバンド処理回路が、 再生されたデータクロック及び上記微分回路からの瞬時
    周波数信号に基づいて、その瞬時周波数信号が所定の上
    限及び下限間に入るように、送受信機間の搬送波周波数
    のずれに基づく誤差を補償するフィードバック型周波数
    ずれ補償回路と、 このフィードバック型周波数ずれ補償回路からの瞬時周
    波数信号からデータクロックを再生するクロック再生回
    路と、 再生されたデータクロック及び上記フィードバック型周
    波数ずれ補償回路からの瞬時周波数信号に基づいて、そ
    の瞬時周波数信号に含まれている、送受信機間の搬送波
    周波数のずれに基づく残存誤差を補償するフィードフォ
    ワード型周波数ずれ補償回路と、 このフィードフォワード型周波数ずれ補償回路によって
    周波数ずれが補償された瞬時周波数信号から、再生され
    たデータクロックに基づいて、データを再生するデータ
    再生回路とを備えることを特徴とする請求項3又は4の
    いずれかに記載の多値FSK受信装置。
  7. 【請求項7】 上記微分回路及び上記ベースバンド処理
    回路が、上記基準クロック信号とは異なる周波数であっ
    て、データ速度のN倍(Nは整数)の周波数を有する第
    2の基準クロック信号に基づいて動作することを特徴す
    る請求項3〜6のいずれかに記載の多値FSK受信装
    置。
  8. 【請求項8】 上記ベースバンド処理回路が、上記基準
    クロック信号とは異なる周波数であって、データ速度の
    N倍(Nは整数)の周波数を有する第2の基準クロック
    信号に基づいて動作することを特徴する請求項3〜6の
    いずれかに記載の多値FSK受信装置。
  9. 【請求項9】 上記第2の基準クロック信号を1/k分
    周(kは整数)する1/k分周回路と、 この1/k分周回路からのクロック信号に基づいて、入
    力信号のサンプリング周波数を変換して出力するサンプ
    リング回路とを備え、 上記サンプリング回路が、上記基準クロック信号で動作
    する最も後段の回路の後段に設けられていることを特徴
    する請求項7又は8に記載の多値FSK受信装置。
  10. 【請求項10】 上記微分回路及び上記ベースバンド処
    理回路間に、多ビット移動平均フィルタ回路を設けたこ
    とを特徴とする請求項3〜9のいずれかに記載の多値F
    SK受信装置。
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