JPH0936212A - 静電チャック - Google Patents

静電チャック

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JPH0936212A
JPH0936212A JP17373795A JP17373795A JPH0936212A JP H0936212 A JPH0936212 A JP H0936212A JP 17373795 A JP17373795 A JP 17373795A JP 17373795 A JP17373795 A JP 17373795A JP H0936212 A JPH0936212 A JP H0936212A
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JP
Japan
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electrostatic chuck
semiconductor wafer
water repellent
electrode
repellent material
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JP17373795A
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Hisashi Onishi
寿 大西
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Shinko Electric Co Ltd
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Shinko Electric Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来の静電チャックは、常時電力を供給しな
ければならなかったため、搬送可能範囲が制限された
り、空気中で使用すると絶縁体と半導体ウエハとの接触
抵抗が次第に低下し、吸着圧力が低下して半導体ウエハ
が固定保持できなくなってしまう。 【解決手段】 直流電源13によって半導体ウエハ10
と電極12との間に電位差を与えると、その間に吸着圧
力が発生して半導体ウエハ10が撥水性材料1の表面に
固定保持される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、半導体ウエハの搬送
時または加工時等に該半導体ウエハを固定保持する静電
チャックに関する。
【0002】
【従来の技術】通常、半導体ウエハを一枚ずつ高速で搬
送する場合や半導体ウエハを加工する場合は、搬送台や
作業台等にその半導体ウエハを固定保持する必要があ
る。このような半導体ウエハを固定保持する装置の1つ
に静電チャックがある。図8に静電チャックの基本的な
構成を示す。この図において、10は静電チャックに固
定保持される半導体ウエハである。11は半導体ウエハ
10を搬送する搬送台14に固定されている絶縁体であ
り、その内部に電極12を有している。13は直流電源
であり、直流電源13の正極側と負極側がそれぞれ電極
12と半導体ウエハ10に接続され、半導体ウエハ10
と電極12とに電位差を与える。
【0003】ここで、図8に示す静電チャックの等価回
路を図9に示す。この図においてVoは直流電源13の
出力電圧である。d1は半導体ウエハ10と絶縁体11
表面の間隔であり、d2は絶縁体11の厚さである。ま
た、R1は半導体ウエハ10と絶縁体11の表面間の抵
抗であり、絶縁体の表面抵抗値に関係する。R2は絶縁
体11の抵抗値である。この図に示す等価回路におい
て、半導体ウエハ10に対する吸着圧力Pは下式により
求められる。 P=1/2εo(V/d1)2 (1) ここで、εoは雰囲気の誘電率を示し、Vは接触抵抗R1
に発生する電圧を示す。
【0004】上述したような構成を有する静電チャック
において、吸着圧力P、すなわち半導体ウエハ10を絶
縁体11に吸着させる力を発生する方法として、従来よ
りジョンソン・ラーベック力を利用する方法とクーロン
力を利用する方法とがある。以下にそれぞれの方法の特
徴について説明する。
【0005】ジョンソンラーベック力を利用する方法 この方法は絶縁体11として、絶縁材料に導電性粉末
(例えばアルミナ+TiO2粉末等)を混入し、ある程度の
導電性を持たせたものを使用する。すなわち、図9に示
す等価回路において、抵抗R1,R2の値がある程度小さ
いので、抵抗R1,R2に電流が流れることになる。この
電流をiとした場合V=iR1となり、これを(1)式
に代入すると、ジョンソン・ラーベック力による半導体
ウエハ10に対する吸着圧力Pは下式により求められ
る。 P=1/2εo(iR1/d1)2 (2)
【0006】クーロン力を利用する方法 この方法においては、絶縁体11に例えばサファイア等
の高抵抗体を用いる。すなわち、図9に示す等価回路に
おいて、抵抗R1,R2の値が極めて大きくなるため、抵
抗R1,R2に電流がほとんど流れず、上述した電流iの
値をほぼ0と見なすことができる。したがって、電圧V
は下式によって求められる。 V=d1εVo/(d1ε+d2εo) (3) ここで、εは絶縁体11の誘電率を示す。
【0007】この(3)式を(1)式に代入すると、ク
ーロン力による半導体ウエハ10に対する吸着圧力Pは
下式により求められる。 P=1/2εo{εVo/(d1ε+d2εo)}2 (4) このように静電チャックは、上述したような方法によっ
て発生した吸着圧力により、半導体ウエハを絶縁体に吸
着させ固定保持している。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述したジ
ョンソン・ラーベック力を利用する静電チャックの場
合、絶縁体がある程度の導電性を有しているため半導体
ウエハと電極との間に電流が流れるため、半導体ウエハ
を固定保持している間は常時電力を供給する必要があっ
た。したがって、半導体ウエハを長距離搬送する場合は
電力供給用の配線を引き回さなければならず、搬送可能
範囲が制限されたり、使用しづらい面があった。
【0009】また、クーロン力を利用した静電チャック
の場合、従来より使用されている高抵抗体は水に対する
ぬれ性を有しているため、空気中で使用すると高抵抗体
に空気中の水分が吸着してしまい、絶縁体と半導体ウエ
ハとの接触抵抗が次第に低下してしまう。これにより、
半導体ウエハと高抵抗体表面間の電位差が徐々に減小
し、これに伴って吸着圧力Pも低下して半導体ウエハが
固定保持できなくなってしまうという問題があった。
【0010】この発明は、上記の点に鑑みてなされたも
のであり、空気中においても良好な吸着力を維持するこ
とができ、かつ、常時電力供給を行うことなく吸着圧力
を保持することができる静電チャックを提供することを
目的としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、
電極を内包する撥水性材料と、前記電極と前記撥水性材
料上に載置された半導体ウエハとに電位差を与える電位
差付与手段とを具備することを特徴とする静電チャック
である。
【0012】請求項2記載の発明は、電極を内包する半
導電体と、前記半導電体の外気との接触面に形成された
撥水性材料と、前記電極と前記撥水性材料上に載置され
た半導体ウエハとに電位差を与える電位差付与手段とを
具備することを特徴とする静電チャックである。
【0013】請求項3記載の発明は、電極を内包する高
誘電体と、前記高誘電体の外気との接触面に形成された
撥水性材料と、前記電極と前記撥水性材料上に載置され
た半導体ウエハとに電位差を与える直流電源とを具備す
ることを特徴とする静電チャックである。
【0014】請求項4記載の発明は、前記半導電体は、
4フッ化エチレン−パーフロロアルキルビニルエーテル
共重合または4フッ化エチレン−6フッ化プロピレン共
重合または4フッ化エチレンのいずれか1つに導電性物
質を付与したものであることを特徴とする請求項2記載
の静電チャックである。請求項5記載の発明は、前記半
導電体は、セラミックに導電性物質を付与したものであ
ることを特徴とする請求項2記載の静電チャックであ
る。
【0015】請求項6記載の発明は、前記高誘電体は、
酒石酸ナトリウムカリウムまたはジルコニウム酸チタン
酸鉛またはチタン酸バリウムまたはチタン酸鉛またはニ
オブ酸鉛またはニオブ酸ストロンチウムバリウムのいず
れかであることを特徴とする請求項3記載の静電チャッ
クである。
【0016】請求項7記載の発明は、前記撥水性材料が
フッ素系樹脂であることを特徴とする請求項1乃至3の
うち、いずれか1つ記載の静電チャックである。
【0017】請求項8記載の発明は、前記撥水性材料が
シリコン樹脂であることを特徴とする請求項1乃至3の
うち、いずれか1つ記載の静電チャックである。
【0018】請求項9記載の発明は、前記撥水性材料が
パラフィンであることを特徴とする請求項1乃至3のう
ち、いずれか1つ記載の静電チャックである。
【0019】請求項10記載の発明は、前記撥水性材料
がセラミックスをジメチルクロルシラン蒸気にさらした
ものであることを特徴とする請求項1乃至3のうち、い
ずれか1つ記載の静電チャックである。
【0020】請求項11記載の発明は、前記フッ素系樹
脂は、4フッ化エチレン−パーフロロアルキルビニルエ
ーテル共重合または4フッ化エチレン−6フッ化プロピ
レン共重合または4フッ化エチレンのいずれかであるこ
とを特徴とする請求項7記載の静電チャックである。
【0021】
【発明の実施の形態】この発明の静電チャックにおいて
は、外気との接触面に撥水性材料を形成し、その内部に
設けられた電極と、載置された半導体ウエハに、電位差
を与えることによって発生したクーロン力により、前記
半導体ウエハを前記撥水性材料上に固定保持する。ま
た、静電チャックと外気との接触面には撥水性材料が形
成されているため、静電チャック表面が空気中の水分を
吸収することがなく、このため、水分を含んだ空気中で
も前記半導体ウエハの固定保持力が低下することがな
い。
【0022】
【実施例】以下、図面を参照してこの発明の各実施例に
ついて説明する。 [第1実施例]図1に、本実施例における静電チャック
の構成を説明するための説明図を示す。この図におい
て、図8の各部と対応する部分については同一の符号を
付し、その説明を省略する。この図に示す静電チャック
が図8のものと異なる点は、図8における絶縁体11を
撥水性材料1で形成した点である。
【0023】ここで、本実施例において上述した撥水性
材料1にはフッ素系樹脂を用いるものとする。このフッ
素系樹脂としては、4フッ化エチレン−パーフロロアル
キルビニルエーテル共重合または4フッ化エチレン−6
フッ化プロピレン共重合または4フッ化エチレン等が使
用可能である。
【0024】ここで、本実施例における静電チャックの
等価回路を図2に示す。この図において、図9で示した
従来の静電チャックの等価回路に相当する構成について
は同一の符号を付し、その説明を省略する。この図に示
す等価回路が、図9の等価回路と異なる点は、高誘電体
3の外気との接触面に、撥水性材料1として高抵抗体で
もあるフッ素系樹脂を形成したために絶縁体の抵抗値R
2 が非常に高くなり、図9においてR2 を介して接続さ
れていた2点間はオープン状態と見なせる点である。
【0025】図2の等価回路において、直流電源13に
より電圧Vo を図1に示す静電チャックに印加した場
合、接触抵抗R1 に現れる電圧Vの時間的な変化は、次
の式により表すことができる。
【数1】 ここで、Aは静電チャックと半導体ウエハとの接触面積
を示す。
【0026】(5)式から分かるように、Vは指数関数
的に減少していく。そして、接触抵抗R1が高ければ高
いほど、接触抵抗R1に発生する電圧Vの時間的変化は
少なくなる。本実施例の静電チャックにおいては、絶縁
体11が撥水性材料1で形成されているので、水分を含
んだ空気中でも接触抵抗R1は非常に高く保たれ、この
ため、水分を含んだ空気中において、半導体ウエハ10
と電極12とに電位差を与えた後、長時間が経過したと
しても、半導体ウエハ10と静電チャックの接触面の電
圧が低下し難いので、半導体ウエハ10に対する吸着圧
力を維持することができる。
【0027】また、撥水性材料1として高抵抗体でもあ
るフッ素系樹脂を用いているので、半導体ウエハ10と
電極12との間にほとんど電流が流れない。したがっ
て、半導体ウエハ10を保持している間、電力を供給す
る必要がない。
【0028】なお、撥水性材料1として、上述したフッ
素系樹脂に限らず、シリコン樹脂,パラフィン,ガラス
等のセラミックスをジメチルジクロルシラン蒸気にさら
したもの等が使用可能であり、その場合においてもフッ
素系樹脂を用いた場合と同等の効果を得ることができ
る。
【0029】[第2実施例]図3に、本実施例における
静電チャックの構成を説明するための説明図を示す。こ
の図において、図1の各部と対応する部分については同
一の符号を付し、その説明を省略する。この図に示す静
電チャックが図1のものと異なる点は、図8における絶
縁体11として半導電体2を使用し、さらに、この半導
電体2と外気との接触面に撥水性材料1を形成した点で
ある。
【0030】ここで、上述した半導電体2の材料として
は、4フッ化エチレン−パーフロロアルキルビニルエー
テル共重合または4フッ化エチレン−6フッ化プロピレ
ン共重合または4フッ化エチレンのいずれかにカーボン
等の導電性物質を付与したもの、あるいはセラミックに
導電性物質を付与したものが使用可能である。
【0031】本実施例においても第1実施例と同様、半
導電体2の表面に撥水性材料1が形成されているため半
導電体2が空気中の水分を吸収して抵抗値が下がること
がなく、したがって、電極12と半導体ウエハ10との
間に発生するクーロン力、すなわち、半導体ウエハ10
に対する吸着圧力が低下することがない。また、本実施
例においては、撥水性材料1に傷などがつき、半導電体
2の一部が露出してしまったとしても、半導体ウエハ1
0に対する吸着圧力の低下が起こらないという利点があ
る。
【0032】[第3実施例]図4に、本実施例における
静電チャックの構成を説明するための説明図を示す。こ
の図において、図3の各部と対応する部分については同
一の符号を付し、その説明を省略する。この図に示す静
電チャックが図3のものと異なる点は、半導電体2の代
わりに高誘電体3を用いた点である。ここで、高誘電体
3としては、酒石酸ナトリウムカリウム,ジルコニウム
酸チタン酸鉛,チタン酸バリウム,チタン酸鉛,ニオブ
酸鉛,ニオブ酸ストロンチウムバリウム等が使用可能で
ある。
【0033】[第4実施例]図5に、本実施例における
静電チャックの構成を説明するための説明図を示す。こ
の図に示すように、本実施例の静電チャックは、外気と
の接触面に撥水性材料1が形成された半導電体2の内部
に、2つの電極12aおよび12bを設けた双極型の静
電チャックであり、これら電極12aおよび12b間を
絶縁体11で仕切って電気的に絶縁し、電極間を流れる
漏れ電流を阻止したものである。ここで、上述した絶縁
体11として、撥水性材料1としても使用可能であるフ
ッ素系樹脂を用いてもよい。
【0034】上述した双極型の静電チャックにおいて
は、直流電源13によって電極12a,12bのそれぞ
れを正電荷,負電荷に帯電させることにより、半導体ウ
エハ10において図5に示すような分極電荷が生じ、こ
れら相互の電荷によって発生するクーロン力により、半
導体ウエハ10に対する吸着圧力が生じて静電チャック
に固定保持される。
【0035】このように本実施例における静電チャック
は、半導体ウエハとの電気的な接続を必要とせずに吸着
圧力を発生することができるので、例えば、半導体ウエ
ハとの接触子等を設け、これを介して半導体ウエハに電
圧を供給する静電チャックに比べ、半導体ウエハの載置
位置が多少ずれたとしても確実に固定保持することがで
きる。
【0036】なお、本実施例において、半導電体2の代
わりに第3実施例で示した高誘電体3を用いることも可
能であり、この場合、2つの電極間を仕切る絶縁体11
を省くことができる。また、同様の構成を採ることで、
第1実施例で述べた静電チャックにおいても双極型の静
電チャックとすることができる。
【0037】次に、上述した第1〜第3実施例に示した
静電チャックを用いた応用例について説明する。 [第1応用例]図6は、上述した第1〜第3実施例で示
した静電チャックを用いた半導体ウエハの搬送装置の一
例である。この図において、100は上述した第1〜第
3実施例のうちいずれかの静電チャックであり、電極1
01とピン102を介して半導体ウエハ50とに電位差
を与え、これにより発生する電位差によって半導体ウエ
ハ50を固定保持する。
【0038】また、51は半導体ウエハ50の搬送台で
あり、搬送台51には図示せぬリニアモータの2次回路
等が内部に備えられ、また、静電チャック100の電極
101と、ピン102を介して半導体ウエハ50とにそ
れぞれ接続された接点103aと接点103bとが設け
られた電圧受給端子103を有している。52は複数の
半導体製造装置間に敷設された搬送台51の搬送路であ
り、搬送路52全体に渡りその内部にリニアモータの1
次回路(図示略)を備えている。すなわち、搬送台51
は、搬送路52と搬送台51とにそれぞれ設けられたリ
ニアモータの1次回路および2次回路によって搬送路5
2上を移動する。
【0039】53は、搬送路52の所定位置に予め設定
されている搬送台51の停止位置にそれぞれ設置されて
いる電圧供給装置である。この電圧供給装置53は、半
導体ウエハ50と電極101とに電位差を生じさせるた
めの直流電源54と、直流電源54と並列に接続され、
半導体ウエハ50と電極101とにそれぞれ蓄えられた
電荷を放電するための放電抵抗55と、直流電源54の
正極側と放電抵抗55との間に設けられたスイッチ56
と、電圧受給端子103に電圧を供給するための電圧供
給端子57とによって構成されている。また、電圧供給
端子57は、電圧受給端子103の接点103aと接点
103bにそれぞれ接触する接点57aと接点57bと
を有している。
【0040】本応用例における半導体ウエハの搬送装置
は、搬送台51が所定の停止位置に到着すると、まず、
電圧受給端子103の接点103aと電圧供給端子57
の接点57a、および、電圧受給端子103の接点10
3bと電圧供給端子57の接点57bを接触させる。こ
の時、スイッチ56を開に設定しておけば、半導体ウエ
ハ50と電極101とにそれぞれ蓄積されていた電荷
は、接点103a,57a、および接点103b,57
bを介して放電抵抗55によって放電される。これによ
り、半導体ウエハ50と電極101との間の電位差が減
少し、半導体ウエハ50に対する吸着圧力が解除され
る。
【0041】また、その後、スイッチ56を閉にすれ
ば、直流電源54により電極101には正電荷が、ま
た、半導体ウエハ50には負電荷がそれぞれ充電され
て、それによって生じる電位差により、クーロン力が発
生して半導体ウエハ50は静電チャックに吸着される。
【0042】上述した搬送装置において、半導体ウエハ
と電極に対して充/放電を行う場合、その切換えを行う
スイッチが電圧供給装置内に設けられているため、搬送
台内において発塵、すなわち、スイッチの切換え動作時
に微粒子が発生することがなく、なおかつ、搬送台の構
成を簡略化することができるという利点がある。さら
に、上述した搬送装置においては、例えば、接点103
bと図5に示す電極12aとを接続し、また、接点10
3aと図5に示す電極12bとを接続することにより、
前述した第4実施例の静電チャックを使用することも可
能である。
【0043】[第2応用例]図7に、上述した第1〜第
3実施例で示した静電チャックを用いた半導体ウエハの
搬送装置の他の構成例を示す。この図において、図6に
示す半導体ウエハの搬送装置と対応する部分については
同一の符号を付し、その説明を省略する。この図に示す
応用例が図6のものと異なる点は次の通りである。
【0044】搬送台51において、200は駆動回路で
あり、電極101とピン102に両端子が接続されてい
るコンデンサ201と、巻線202が巻かれているコア
203と、巻線202から出力された交流電圧を端子2
04aと端子204bから入力して直流電圧に変換し、
端子204c(正極側)と端子204d(負極側)から
出力してコンデンサ201へ印加する整流回路204
と、点弧したときコンデンサ201に充電されている電
荷を放電抵抗208を通して放電するサイリスタ209
と、巻線210が巻かれているコア71と、巻線210
から出力された交流電流を整流してサイリスタ209の
ゲート端子及び抵抗213へ出力するダイオード212
とによって構成されている。
【0045】また、電圧供給装置53は、周波数数KH
z〜数十KHzの交流電流を出力する交流電源301
と、図示せぬ制御回路によってオン/オフ制御されるリ
レーまたは半導体スイッチによってなるスイッチ302
と、スイッチ302がオンしたとき交流電源301の出
力電圧が印加される巻線303と、巻線303が巻かれ
ているコア304とを備え、さらに、巻線306が巻か
れているコア305と、パルス状の電流を出力する単安
定マルチバイブレータ等からなるパルス発生器307と
を内部に備えている。
【0046】上述した搬送装置において、搬送台51
は、搬送路52全体に設けられたリニアモータの1次回
路と搬送台51に設けられたリニアモータの2次回路に
より、搬送路52上を移動する。また、搬送路52上の
停止位置において、半導体ウエハ50に付加された吸着
圧力を解除する場合、パルス発生器307から所定のパ
ルス信号を発生させて巻線306にパルス電流を流す
と、電磁誘導によって巻線210に起電力が発生し、ダ
イオード212を通して整流された順方向のパルス電流
がサイリスタ209のゲートに流れ込む。そして、サイ
リスタ209が点弧してコンデンサ201に充電されて
いた電荷が放電抵抗208を介してサイリスタ209を
通して放電され、半導体ウエハ50と電極101との電
位差が所定値以下になると半導体ウエハ50に付加され
た吸着圧力が解除される。
【0047】また、上記停止位置において、再度、半導
体ウエハ50を固定保持する場合は、スイッチ302を
オンにし、巻線303に交流電源301から出力される
交流電圧を印加し、誘導起電力によって巻線202から
出力された交流電圧が整流回路204によって直流電圧
に変換され、この直流電圧をもってコンデンサ201を
充電してこれにより生じる半導体ウエハ50と電極10
1との電位差が所定値以上となった時に吸着圧力が生じ
る。
【0048】このように、上述した半導体ウエハの搬送
装置においては、半導体ウエハに付加する吸着圧力を解
除または再付加する際、電圧供給装置と物理的に接触す
ることなくコンデンサの放電または充電を行うことがで
きるので、接点等を用いてコンデンサと物理的に接続し
て充放電を行う場合のように、接点間で発生するアーク
放電により接点の一部が微粒子となって空気中を浮遊す
る恐れがなく、例えばクリーンルーム内での使用に最適
である。
【0049】なお、図7に示す搬送装置において、パル
ス発生器307の代わりに交流電源を用いても良く、ま
た、サイリスタ209および抵抗213の代わりにリレ
ーを用い、巻線210に発生する起電力によって放電抵
抗208とコンデンサ208との間をオン/オフしても
よい。
【0050】
【発明の効果】以上説明したように、この発明によれば
静電チャック表面と外気との接触面ににフッ素系樹脂等
の撥水性材料を形成しているので、この静電チャック表
面が空気中の水分を吸収することがなく、半導体ウエハ
の固定保持力が維持される。また、フッ素系樹脂は極め
て高抵抗であるため、半導体ウエハと電極との間に流れ
る漏れ電流がほとんど0であり、これにより半導体ウエ
ハを固定保持する際、電力がほとんど消費されない。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の第1実施例における静電チャック
の構成を説明するための説明図である。
【図2】 同静電チャックの等価回路を示す電気接続図
である。
【図3】 この発明の第2実施例における静電チャック
の構成を説明するための説明図である。
【図4】 同第3実施例における静電チャックの構成を
説明するための説明図である。
【図5】 同第4実施例における静電チャックの構成を
説明するための説明図である。
【図6】 同第1乃至第3実施例における静電チャック
を利用した半導体ウエハの搬送装置の一構成を説明する
ための説明図である。
【図7】 同半導体ウエハの搬送装置の他の構成を説明
するための説明図である。
【図8】 従来の静電チャックの構成を説明するための
説明図である。
【図9】 同静電チャックの等価回路を示す電気接続図
である。
【符号の説明】
1……フッ素系樹脂、2……半導電体、3……高誘電
体、10……半導体ウエハ、12……電極、13……直
流電源

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電極を内包する撥水性材料と、 前記電極と前記撥水性材料に載置された半導体ウエハと
    に電位差を与える電位差付与手段とを具備することを特
    徴とする静電チャック。
  2. 【請求項2】 電極を内包する半導電体と、 前記半導電体の外気との接触面に形成された撥水性材料
    と、 前記電極と前記撥水性材料に載置された半導体ウエハと
    に電位差を与える電位差付与手段とを具備することを特
    徴とする静電チャック。
  3. 【請求項3】 電極を内包する高誘電体と、 前記高誘電体の外気との接触面に形成された撥水性材料
    と、 前記電極と前記撥水性材料に載置された半導体ウエハと
    に電位差を与える電位差付与手段とを具備することを特
    徴とする静電チャック。
  4. 【請求項4】 前記半導電体は、4フッ化エチレン−パ
    ーフロロアルキルビニルエーテル共重合または4フッ化
    エチレン−6フッ化プロピレン共重合または4フッ化エ
    チレンのいずれか1つに導電性物質を付与したものであ
    ることを特徴とする請求項2記載の静電チャック。
  5. 【請求項5】 前記半導電体は、セラミックに導電性物
    質を付与したものであることを特徴とする請求項2記載
    の静電チャック。
  6. 【請求項6】 前記高誘電体は、酒石酸ナトリウムカリ
    ウムまたはジルコニウム酸チタン酸鉛またはチタン酸バ
    リウムまたはチタン酸鉛またはニオブ酸鉛またはニオブ
    酸ストロンチウムバリウムのいずれかであることを特徴
    とする請求項3記載の静電チャック。
  7. 【請求項7】 前記撥水性材料は、フッ素系樹脂である
    ことを特徴とする請求項1乃至3のうち、いずれか1つ
    記載の静電チャック。
  8. 【請求項8】 前記撥水性材料は、シリコン樹脂である
    ことを特徴とする請求項1乃至3のうち、いずれか1つ
    記載の静電チャック。
  9. 【請求項9】 前記撥水性材料は、パラフィンであるこ
    とを特徴とする請求項1乃至3のうち、いずれか1つ記
    載の静電チャック。
  10. 【請求項10】 前記撥水性材料は、セラミックスをジ
    メチルクロルシラン蒸気にさらしたものであることを特
    徴とする請求項1乃至3のうち、いずれか1つ記載の静
    電チャック。
  11. 【請求項11】 前記フッ素系樹脂は、4フッ化エチレ
    ン−パーフロロアルキルビニルエーテル共重合または4
    フッ化エチレン−6フッ化プロピレン共重合または4フ
    ッ化エチレンのいずれかであることを特徴とする請求項
    7記載の静電チャック。
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