JPH0936069A - 半導体ウエハ裏面研削用粘着フィルム - Google Patents

半導体ウエハ裏面研削用粘着フィルム

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JPH0936069A
JPH0936069A JP18016695A JP18016695A JPH0936069A JP H0936069 A JPH0936069 A JP H0936069A JP 18016695 A JP18016695 A JP 18016695A JP 18016695 A JP18016695 A JP 18016695A JP H0936069 A JPH0936069 A JP H0936069A
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Japan
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grinding
semiconductor wafer
group
film
adhesive film
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Application number
JP18016695A
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English (en)
Inventor
Kentaro Hirai
健太郎 平井
Yasuhiko Ota
靖彦 太田
Makoto Kataoka
片岡  真
Mario Yamamori
毬男 山森
Yasuko Fujii
靖子 藤井
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Mitsui Toatsu Chemicals Inc
Original Assignee
Mitsui Toatsu Chemicals Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 半導体ウエハ表面への汚染が少なく、さらに
汚染が生じたとしても水との簡単な接触により容易に浄
化できる半導体ウエハ裏面研削用粘着フィルムを提供す
る。 【解決手段】 基材フィルムの片表面に、主モノマー
(a)60〜98.7重量部、架橋剤と反応し得る官能
基を有するコモノマー(b)1〜30重量部及び水溶性
コモノマー(c)0.3〜10重量部を含むモノマー混
合物を共重合させた粘着剤ポリマー100重量部に対
し、粘着剤ポリマーの官能基と架橋し得る官能基を1分
子中に2つ以上有する架橋剤0.3〜15重量部を含む
粘着剤層が設けられていることを特徴とする半導体ウエ
ハ裏面研削用粘着フィルム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体ウエハの裏
面研削用粘着フィルムに関する。詳しくは、シリコンウ
エハ等の半導体ウエハの集積回路が組み込まれた側の面
(以下、ウエハ表面という)に粘着フィルムを貼付して
該ウエハの他の面(以下、ウエハ裏面という)を研削加
工する際に破損防止のために用いられる半導体ウエハ裏
面研削用粘着フィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】通常、半導体集積回路は高純度シリコン
単結晶等をスライスしてウエハとした後、イオン注入、
エッチング等により集積回路を組み込み、更にウエハの
裏面をグライディング、ポリッシング、ラッピング等に
より研削し、ウエハの厚さを100〜600μm程度ま
で薄くしてから、ダイシングしてチップ化する方法で製
造されている。これらの工程の中で、ウエハ裏面の研削
時に半導体ウエハの破損を防止したり、研削加工を容易
にするため、半導体ウエハ裏面研削用粘着フィルムをそ
の粘着剤層を介してウエハ表面に貼付して保護する方法
が用いられている。
【0003】具体的には、先ず、半導体ウエハ裏面研削
用粘着フィルムをウエハ表面に貼付してウエハ裏面を研
削する。研削が完了した後、該フィルムを剥離し、ウエ
ハ表面を洗浄する工程(以下、洗浄工程という)におい
て該ウエハ表面に残存する粘着剤層に起因する汚染物を
除去する。次いで、ダイシング工程等の次工程に移行す
る。洗浄工程では有機溶剤を用いて行われていたため、
作業環境が悪くなる問題や、生産コストが高くなる問題
が生じていた。
【0004】これらの問題を解決する方法として、例え
ば、特開昭62−101678号公報には、回路パター
ンが形成された半導体ウエハの裏面を研磨する際にその
回路パターンの形成面側に貼着される感圧性接着剤層
と、これを支持する基材とで構成された感圧接着フィル
ムからなり、前記感圧性接着剤層がポリオレフィングリ
コール系界面活性剤を含有することを特徴とする半導体
ウエハの保護部材が開示されている。そして、そのポリ
オレフィングリコール系界面活性剤の配合量が、感圧性
接着剤100重量部に対し0.1〜10重量部であるこ
とが記載されており、これにより半導体ウエハの感圧性
接着剤層成分による汚染を水を用いた洗浄で容易に除去
することが可能であるとされている。
【0005】また、特開昭63−296222号公報に
は、基材の一面上に、(i)少なくともカルボキシル基
の一部が部分中和されたカルボキシル基含有親水性重合
体の部分架橋物と、(ii)アニオン性界面活性剤および
カチオン性界面活性剤からなる群から選択される少なく
とも1種の室温で液状の界面活性剤とを含む粘着剤層が
設けられてなるウエハ研磨用保護シートが開示されてい
る。
【0006】上記発明は、半導体ウエハ表面の粘着剤層
に起因する汚染を除去するために有機溶剤を使用しなく
ともよい点、及び水洗により容易に除去することができ
る点で効果的である。しかし、いずれも半導体ウエハ表
面に粘着剤層に起因する汚染が生じることを前提とし、
その汚染を半導体ウエハ裏面の研削の後、水洗により除
去しようとするものである。従って、上記発明は半導体
ウエハ裏面研削の後、ダイシング工程に移行する前に洗
浄工程(以下、水洗工程という)をおかざるを得ず、工
程の簡略化を図り得る方法ではない。
【0007】かかる洗浄工程を省略し得るウエハ加工用
フィルムとして、特開平4−186832号公報には、
基材フィルムの片面に粘着剤層を設けたウエハ加工用フ
ィルムにおいて、粘着剤重合時の界面活性剤として反応
性界面活性剤を用いた水系エマルジョン粘着剤を用いて
なることを特徴とするウエハ加工用フィルムが開示され
ている。該ウエハ加工用フィルムは、ミラーウエハの表
面を汚染することがなく、これを半導体ウエハ裏面研削
用粘着フィルムとして使用するとウエハ表面の非汚染性
に優れた性能を有し、ウエハ裏面研磨加工の後、ウエハ
表面の洗浄が不要である点で有用である。しかし、本発
明者らの詳細な検討の結果、ウエハ表面に書き込まれた
回路の凹凸差が3μm以下程度の半導体ウエハには特に
問題なく使用できる。しかし、凹凸差が3μmを超える
ような半導体ウエハに使用すると、粘着剤層に起因する
汚染物がウエハ表面上に残ることがあった。
【0008】近年、半導体チップの量産化、小型軽量化
に伴い、半導体集積回路は高密度化してきており、ウエ
ハ裏面研削用粘着フィルムには従来に増してより低汚染
性が求められるようになっている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
問題に鑑み、半導体ウエハ表面への汚染が少なく、さら
に汚染が生じたとしても水との簡単な接触により容易に
浄化できる半導体ウエハ裏面研削用粘着フィルムを提供
することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは鋭意検討し
た結果、アクリル酸アルキルエステル等の主モノマー
(a)、架橋剤と反応し得る官能基を有するコモノマー
(b)及び特定の構造を有する水溶性コモノマー(c)
の各特定量を含むモノマー混合物を共重合したコポリマ
ー、並びに、特定量の架橋剤を含む粘着剤層を有する半
導体ウエハ裏面研削用粘着フィルムが上記目的を達成し
得るものであることを見出し、本発明に到った。
【0011】すなわち、本発明は、基材フィルムの片表
面に、主モノマー(a)60〜98.7重量部、架橋剤
と反応し得る官能基を有するコモノマー(b)1〜30
重量部及び一般式(1)〔化2〕
【0012】
【化2】 (式中、R1:水素、炭素数が1〜25のアルキル基ま
たは炭素数が6〜25のアルケニル基、R2:炭素数が
2〜5のアルケニル基、R3:水素または炭素数が2〜
5のアルケニル基、R4:炭素数が2〜5のアルキレン
基、n:1〜100の整数)で表される水溶性コモノマ
ー(c)0.3〜10重量部を含むモノマー混合物を共
重合させた粘着剤ポリマー100重量部に対し、粘着剤
ポリマーの官能基と架橋し得る官能基を1分子中に2つ
以上有する架橋剤0.3〜15重量部を含む粘着剤層が
設けられていることを特徴とする半導体ウエハ裏面研削
用粘着フィルムである。
【0013】本発明の半導体ウエハ裏面研削用粘着フィ
ルムを半導体ウエハの表面に貼付して、その裏面を研削
すると、該フィルムの粘着剤層に起因する半導体ウエハ
の表面の汚染が極めて少ない。そして、微量の汚染が生
じたとしても水と簡単に接触させるだけで容易に除去す
ることができる。従って、粘着剤層に起因する汚染を除
去するために、水洗工程を設けなくとも、ダイシング工
程において通常用いられる冷却用水または洗浄用水と接
触させる程度でウエハ表面の浄化が図れるという従来な
し得なかった効果を奏するものである。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。本発明は、基材フィルムの片表面に粘着剤層が形
成され、さらに必要に応じて、その粘着剤層の表面に剥
離フィルムが配設された半導体ウエハ裏面研削用粘着フ
ィルムである。
【0015】本発明の半導体ウエハ裏面研削用粘着フィ
ルムは、基材フィルムまたは剥離フィルムの片表面に、
粘着剤ポリマー、架橋剤、その他必要に応じて他の添加
剤を含む溶液またはエマルジョン液(以下、これらを総
称して粘着剤塗布液という)を塗布、乾燥して粘着剤層
を形成することにより製造される。
【0016】基材フィルムの片表面に粘着剤層を形成す
る場合は、環境に起因する汚染等から保護するために粘
着剤層の表面に剥離フィルムを貼着することが好まし
い。また、剥離フィルムの片表面に粘着剤層を形成する
場合は、粘着剤層を基材フィルムへ転写する方法がとら
れる。基材フィルム及び剥離フィルムのいずれの片表面
に粘着剤塗布液を塗布するかは、基材フィルム及び剥離
フィルムの耐熱性、半導体ウエハ表面の汚染性を考慮し
て決める。例えば、剥離フィルムの耐熱性が基材フィル
ムのそれより優れている場合は、剥離フィルムの表面に
粘着剤層を設けた後、基材フィルムへ転写する。耐熱性
が同等または基材フィルムが優れている場合は、基材フ
ィルムの表面に粘着剤層を設け、その表面に剥離フィル
ムを貼付する。
【0017】しかし、半導体ウエハ裏面研削用粘着フィ
ルムは、剥離フィルムを剥離したときに露出する粘着剤
層の表面を介して半導体ウエハ表面に貼付されることを
考慮し、粘着剤層による半導体ウエハ表面の汚染防止を
図るためには、耐熱性の良好な剥離フィルムを使用し、
その表面に粘着剤塗布液を塗布、乾燥して粘着剤層を形
成する方法が好ましい。
【0018】本発明で用いる基材フィルムとして、合成
樹脂、天然ゴム、合成ゴム等から製造されたフィルムが
挙げられる。具体的に例示するならば、エチレン−酢酸
ビニル共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、ポ
リブタジエン、軟質塩化ビニル樹脂、ポリオレフィン、
ポリエステル、ポリアミド、アイオノマー等の樹脂、お
よびそれらの共重合体エラストマー、およびジエン系、
ニトリル系、シリコーン系、アクリル系等の合成ゴム等
のフィルムが挙げられる。基材フィルムは単層体であっ
ても、また、積層体であってもよい。
【0019】また、基材フィルムの厚みは、ウエハ裏面
の研削中の半導体ウエハの破損防止、粘着剤塗布液の塗
布性、半導体ウエハ表面への貼付作業性および剥離作業
性等に影響する。かかる観点から、基材フィルムの厚み
は、通常、10〜2000μmである。好ましくは10
0〜300μmである。基材フィルムの厚み精度は、半
導体ウエハ裏面研削用粘着フィルムの厚み精度に影響を
与え、ひいては研削後の半導体ウエハの厚み精度に影響
を与える。従って、基材フィルムは上記厚みに±5μm
以内の精度で作成されたものが好ましい。さらに好まし
くは±3μm以内である。
【0020】裏面研削中の半導体ウエハの破損防止を考
慮すると、基材フィルムの硬度はASTM−D−224
0に規定されるショアーD型硬度が40以下である弾性
フィルム、例えば、エチレン−酢酸ビニル共重合体フィ
ルム、ポリブタジエンフィルム等が好ましく用いられ
る。この場合、基材フィルムの粘着剤層が設けられる面
の反対側の面に、これより硬いフィルム、具体的にはシ
ョアーD型硬度が40を超えるフィルムを積層すること
が好ましい。そのことにより、半導体ウエハ裏面研削用
粘着フィルムの剛性が増し、貼付作業性及び剥離作業性
が改善される。
【0021】また、半導体ウエハの裏面を研削した後に
施される酸によるエッチング処理の際にも引続き、半導
体ウエハ裏面研削用粘着フィルムを用いて半導体ウエハ
の表面を保護する場合には、耐酸性に優れた基材フィル
ムを使用することが好ましい。耐酸性フィルムを基材フ
ィルムの粘着剤層と反対側に積層してもよい。耐酸性の
フィルムしては例えばポリプロピレンフィルム等が挙げ
られる。
【0022】基材フィルムと粘着剤層との接着力を向上
させるため、基材フィルムの粘着剤層を設ける面にはコ
ロナ放電処理または化学処理等を施すことが好ましい。
また、基材フィルムと粘着剤層の間に下塗り剤を用いて
もよい。
【0023】本発明に使用する剥離フィルムとして、ポ
リプロピレン、ポリエチレンテレフタレート等の合成樹
脂フィルムが挙げられる。必要に応じてその表面にシリ
コーン処理等が施されたものが好ましい。剥離フィルム
の厚みは、通常10〜2000μmである。好ましくは
30〜100μmである。
【0024】本発明に用いられる粘着剤塗布液は、その
基本成分である粘着剤ポリマー、及び、凝集力を上げた
り粘着力を調整するための架橋性官能基を1分子中に2
個以上有する架橋剤を含む溶液またはエマルジョン液で
ある。粘着特性を調整するためにロジン系、テルペン樹
脂系等のタッキファイヤーを適宜添加してもよい。ま
た、粘着剤ポリマーがエマルジョン液である場合はジエ
チレングリコールモノアルキルエーテル等の造膜助剤を
添加してもよい。
【0025】本発明に用いる粘着剤ポリマーとして、架
橋剤と架橋反応し得る官能基を有する各種合成ゴム系の
もの等が挙げられる。これらの内、粘着物性の制御、再
現性等を考慮すると(メタ)アクリル酸アルキルエステ
ル系ポリマーが好ましく、これを含む主剤は溶液系、エ
マルジョン系の何れでもよい。ここで、本発明において
(メタ)アクリル酸エステル等の表現は、メタクリル酸
エステルもしくはアクリル酸エステル等を意味する。
【0026】粘着剤ポリマーが(メタ)アクリル酸アル
キルエステル系ポリマーである場合、粘着剤ポリマーを
構成する主モノマー(a)として、(メタ)アクリル酸
メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル
酸ブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル等の
(メタ)アクリル酸アルキルエステル等が挙げられる。
これらは単独で使用してもよいし、また、2種以上を混
合して使用してもよい。主モノマー(a)の使用量は粘
着剤ポリマーの原料となる全モノマーの総量100重量
部中に、通常、60〜98.7重量部の範囲で含まれて
いることが好ましい。
【0027】上記主モノマー(a)と共重合させる、架
橋剤と反応し得る官能基を持ったコモノマー(b)とし
て、(メタ)アクリル酸、イタコン酸、メサコン酸、シ
トラコン酸、フマル酸、マレイン酸、イタコン酸モノア
ルキルエステル、メサコン酸モノアルキルエステル、シ
トラコン酸モノアルキルエステル、フマル酸モノアルキ
ルエステル、マレイン酸モノアルキルエステル、(メ
タ)アクリル酸2ーヒドロキシエチル、(メタ)アクリ
ルアミド、ターシャル−ブチルアミノエチル(メタ)ア
クリレート等が挙げられる。これらの一種を上記主モノ
マー(a)と共重合させてもよいし、また2種以上を共
重合させてもよい。上記の架橋剤と反応しうる官能基を
持ったコモノマー(b)の使用量は、粘着剤ポリマーの
原料となる全モノマーの総量100重量部中に、通常、
1〜30重量部の範囲で含まれていることが好ましい。
【0028】本発明においては、上記粘着剤ポリマーを
構成する主モノマー(a)及び架橋剤と反応し得る官能
基を持ったコモノマー(b)のほかに上記一般式(1)
で表される水溶性コモノマー(c)を共重合する必要が
ある。
【0029】上記一般式(1)におけるR1、R4及びn
は、粘着剤ポリマーの重合方法、重合条件、他のモノマ
ーとの共重合性等を考慮して適宜選択する。例えば、乳
化重合法により粘着剤ポリマーを重合する場合、重合時
のエマルジョンの安定性、得られたエマルジョンの安定
性を考慮すれば、nは1〜100の整数であることが好
ましい。さらに好ましくは5〜70である。R4は炭素
数が2〜5であるアルキレン基、具体的には、エチレン
基、プロピレン基、ブチレン基等である。エチレン基ま
たはプロピレン基が好ましい。また、R1は炭素数が1
〜25であるアルキル基または炭素数が6〜25である
アルケニル基が好ましい。さらに好ましくは炭素数が8
〜10であるアルキル基である。
【0030】R2及びR3は他のモノマーとの共重合性、
化合物としての安定性等を考慮して適宜選択する。本発
明においては、R2は炭素数が2〜5のアルケニル基、
3は水素または炭素数が2〜5のアルケニル基である
ものが使用されるが、化合物としての安定性を考慮する
と、R2が1−プロペニル基、R3が水素であるものが好
ましい。
【0031】市販品の具体例としては、R1がノニル
基、R2が1−プロペニル基、R3が水素、R4がエチレ
ン基、nが10、20、30または50であり、且つ、
一般式(1)において、酸素原子の結合位置をベンゼン
環の1位としたときにR1が4位、R2が2位であるアク
アロンRN−10、同RN−20、同RN−30、同R
N−50等(第一工業製薬(株)製の商品名)が挙げら
れる。
【0032】水溶性コモノマー(c)の使用量は、通
常、粘着剤ポリマーの原料となる全モノマーの総量10
0重量部中に0.1〜15重量部の範囲で含まれる。し
かし、半導体ウエハ裏面研削用粘着フィルムの粘着剤層
は、該フィルムを用いて半導体ウエハの裏面を水をかけ
ながら研削する際に、半導体ウエハと粘着剤層の間に水
が侵入しない様な性質が要求されている。研削中に水が
侵入すれば、半導体ウエハの破損や表面汚染を引き起こ
すことになる。これらの要求される性質と、水との簡単
な接触により容易に浄化できる性質のバランスを考慮す
れば、水溶性コモノマー(c)の使用量は全モノマーの
総量100重量部中に0.3〜10重量部含まれること
が好ましい。
【0033】上記の主モノマー(a)、架橋剤と反応し
得る官能基を持ったコモノマー(b)、水溶性コモノマ
ー(c)の他に、さらに必要に応じて(メタ)アクリル
酸グリシジル、イソシアネートエチル(メタ)アクリレ
ート、2−(1−アジリジニル)エチル(メタ)アクリ
レート等の自己架橋性の官能基を持ったモノマーや、酢
酸ビニル、アクリロニトリル、スチレン等の重合性2重
結合を持ったモノマーを共重合してもよく、さらにはジ
ビニルベンゼン、(メタ)アクリル酸ビニル、(メタ)
アクリル酸アリル等の多官能性のモノマーを共重合して
もよい。
【0034】粘着剤ポリマーを重合する方法としては、
溶液重合法、懸濁重合法、乳化重合法、等既知の様々な
方法が採用できるが、得られる粘着剤ポリマーの分子量
およびそれにともなう粘着剤の凝集力への影響を考慮す
る必要がある。これらの重合方法の内、高分子量のポリ
マーが得られること、塗布、乾燥工程における環境汚
染、塗布性等を勘案すると乳化重合法が好ましい。
【0035】粘着剤ポリマーの重合反応機構としては、
ラジカル重合、アニオン重合、カチオン重合等が挙げら
れるが、粘着剤の製造コスト、モノマーの官能基の影響
および半導体ウエハ表面へのイオンの影響、等を等慮す
ればラジカル重合によって重合することが好ましい。ラ
ジカル重合反応によって重合する際、ラジカル重合開始
剤として、ベンゾイルパーオキサイド、アセチルパーオ
キサイド、イソブチリルパーオキサイド、オクタノイル
パーオキサイド、ジ−ターシャル−ブチルパーオキサイ
ド、ジ−ターシャル−アミルパーオキサイド等の有機過
酸化物、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム、過硫酸
ナトリウム等の無機過酸化物、2,2’−アゾビスイソ
ブチロニトリル、2,2’−アゾビス−2−メチルブチ
ロニトリル、4,4’−アゾビス−4−シアノバレリッ
クアシッド等のアゾ化合物、等が挙げられる。
【0036】乳化重合法により重合する場合には、これ
らのラジカル重合開始剤の中で、水溶性の過硫酸アンモ
ニウム、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム等の無機過
酸化物、同じく水溶性の4,4’−アゾビス−4−シア
ノバレリックアシッド等の分子内にカルボキシル基を持
ったアゾ化合物が好ましい。半導体ウエハ表面へのイオ
ンの影響を考慮すれば、過硫酸アンモニウム、4,4’
−アゾビス−4−シアノバレリックアシッド等の分子内
にカルボキシル基を持ったアゾ化合物がさらに好まし
い。4,4’−アゾビス−4−シアノバレリックアシッ
ド等の分子内にカルボキシル基を持ったアゾ化合物が特
に好ましい。
【0037】本発明に用いる架橋性の官能基を1分子中
に2個以上有する架橋剤は、粘着剤ポリマーが有する官
能基と反応させ、粘着力および凝集力を調整するために
用いる。
【0038】架橋剤としては、ソルビトールポリグリシ
ジルエーテル、ポリグリセロールポリグリシジルエーテ
ル、ペンタエリスリトールポリグリシジルエーテル、ジ
グリセロールポリグリシジルエーテル、グリセロールポ
リグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリ
シジルエーテル、レソルシンジグリシジルエーテル等の
エポキシ系化合物、テトラメチレンジイソシアネート、
ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチロールプロ
パンのトルエンジイソシアネート3付加物、ポリイソシ
アネート等のイソシアネート系化合物、トリメチロール
プロパン−トリ−β−アジリジニルプロピオネート、テ
トラメチロールメタン−トリ−β−アジリジニルプロピ
オネート、N,N’−ジフェニルメタン−4,4’−ビ
ス(1−アジリジンカルボキシアミド)、N,N’−ヘ
キサメチレン−1,6−ビス(1−アジリジンカルボキ
シアミド)、N,N’−トルエン−2,4−ビス(1−
アジリジンカルボキシアミド)、トリメチロールプロパ
ン−トリ−β−(2−メチルアジリジン)プロピオネー
ト等のアジリジン系化合物、及びヘキサメトキシメチロ
ールメラミン等のメラミン系化合物等が挙げられる。
【0039】これらは単独で使用してもよいし、2種以
上を併用してもよい。上記架橋剤の中で、エポキシ系架
橋剤は架橋反応の速度が遅く、反応が十分に進行しない
場合には粘着剤層の凝集力が低くなり、半導体ウエハ表
面の凹凸によっては粘着剤層に起因する汚染が生じるこ
とがある。したがって、適宜、アミン等の触媒を添加す
るか、もしくは触媒作用のあるアミン系官能基をもつモ
ノマーを粘着剤ポリマーに共重合するか、架橋剤を使用
する際にアミンとしての性質を有するアジリジン系架橋
剤を併用することが好ましい。
【0040】架橋剤の添加量は、通常、架橋剤中の官能
基数が粘着剤ポリマー中の官能基数よりも多くならない
程度の範囲で添加する。しかし、架橋反応で新たに官能
基が生じる場合や、架橋反応が遅い場合など、必要に応
じて過剰に添加してもよい。通常、ウエハ裏面研削用粘
着フィルムの粘着力は、SUS−BA板に対する粘着力
に換算すると10〜1000g/inch、好ましくは
30〜600g/inch程度である。ウエハ裏面の研
削条件、ウエハの口径、研削後のウエハの厚み等を勘案
して上記範囲に調整する。好ましくは粘着剤ポリマー1
00重量部に対し架橋剤0.3〜15重量部を添加して
調整する。
【0041】基材フィルムまたは剥離フィルムの片表面
に粘着剤塗布液を塗布する方法としては、従来公知の塗
布方法、例えばロールコーター法、グラビアロール法、
バーコート法等が採用できる。塗布された粘着剤の乾燥
条件には特に制限はないが、一般的には、80〜200
℃の温度範囲において10秒〜10分間乾燥することが
好ましい。さらに好ましくは80〜170℃において1
5秒〜5分間乾燥する。
【0042】粘着剤層の厚みは、半導体ウエハの表面状
態、形状、裏面の研削方法等により適宣決められるが、
半導体ウエハの裏面を研削している時の粘着力、研削が
完了した後の剥離性等を勘案すると、通常2〜100μ
m程度である。好ましくは5〜70μmである。架橋剤
と粘着剤ポリマーとの架橋反応を十分に促進させるため
に、被粘着剤塗布液の乾燥が終了した後に、半導体ウエ
ハ裏面研削用粘着フィルムを40〜80℃において5〜
300時間程度加熱しても良い。
【0043】本発明の半導体ウエハ裏面研削用粘着フィ
ルムの製造方法は、上記の通りであるが、半導体ウエハ
表面の汚染防止の観点から、基材フィルム、剥離フィル
ム、粘着剤主剤等全ての原料資材の製造環境、粘着剤塗
布液の調製、保存、塗布及び乾燥環境は、米国連邦規格
209bに規定されるクラス1,000以下のクリーン
度に維持されていることが好ましい。
【0044】半導体ウエハの表面は、光学顕微鏡で観察
できる程度の大きさの異物が付着していてはならいこと
は無論であるが、近年さらに高性能のものが要求され光
学顕微鏡では観察し難い、例えば、0.1〜0.2μm
程度の異物付着による汚染さえ好ましくないとされてい
る。そのため、例えば、レーザー式検査装置を用いて微
細な異物の有無を評価したり、ESCAを用いてウエハ
表面に付着した元素を定量的に評価する必要がある。し
かし、表面に集積回路が組み込まれた半導体ウエハは表
面に凹凸があり、レーザー式検査装置を用いてその表面
に付着した異物を検査することが困難である。また、集
積回路にはシリコンのみならずアルミニウム等多くの種
類の元素が含まれているため、ESCAを用いてウエハ
表面に付着した元素を定量的に評価するのも困難であ
る。
【0045】従って、本発明では、表面に集積回路が組
み込まれた半導体ウエハに対する汚染性は光学顕微鏡に
よる観察のみとし、レーザー式検査装置やESCAを用
いた微量の汚染物の評価は表面に集積回路が組み込まれ
ていないシリコンミラーウエハに対する汚染性で代替し
た。
【0046】本発明の半導体ウエハ裏面研削用粘着フィ
ルムは、上記方法により製造されるが、その使用方法
は、先ず、剥離フィルムを剥離し、粘着剤層表面を露出
させ、その粘着剤層を介して、集積回路が組み込まれた
側の半導体ウエハの表面に貼付する。次いで、研削機の
チャックテーブル等に半導体ウエハ裏面研削用粘着フィ
ルムの基材フィルム層を介して半導体ウエハを固定し、
その裏面を研削する。研削が完了した後、半導体ウエハ
裏面研削用粘着フィルムは剥離される。
【0047】通常、裏面の研削が完了した半導体ウエハ
は、洗浄工程においてその表面が洗浄された後、ダイシ
ング工程等を経て半導体チップとされる。裏面の研削が
完了した後、半導体ウエハ裏面研削用粘着フィルムを剥
離する前にケミカルエッチング工程を経ることもある。
しかし、本発明の半導体ウエハ裏面研削用粘着フィルム
を用いてウエハ裏面を研削した場合、研削した後に、半
導体ウエハ裏面研削用粘着フィルムを剥離しても半導体
ウエハ表面には粘着剤層に起因する汚染が殆ど残らない
ため水洗工程を完全に省略するか、もしくは著しく簡略
化することができる。例えば、水洗工程を設けずに、通
常行われている、水をかけながら行うダイシング工程お
よびダイシング終了後のシリコン屑を取り除く為に行わ
れている洗浄工程(ダイシング装置によってはダイシン
グ工程中に含まれる)におけるウエハ表面の水洗だけで
充分である。
【0048】本発明の半導体ウエハ裏面研削用粘着フィ
ルムが適用できる半導体ウエハとして、シリコンウエハ
のみならず、ゲルマニウム、ガリウム−ヒ素、ガリウム
−リン、ガリウム−ヒ素−アルミニウム等のウエハが挙
げられる。
【0049】
【実施例】以下、実施例を示して本発明についてさらに
詳細に説明する。以下に示す実施例及び比較例は全て米
国連邦規格209bに規定されるクラス1,000以下
のクリーン度に維持された環境において粘着剤塗布液の
調製および塗布を実施した。本発明はこれら実施例に限
定されるものではない。尚、実施例に示した各種特性値
は下記の方法で測定した。
【0050】(1)顕微鏡による観察 集積回路が組み込まれた半導体シリコンウエハ(径:4
インチ、表面の凹凸:約8μm)の表面に試料を貼付
し、研削機〔(株)ディスコ製:バックグラインダーD
FG−821F/8〕を用いて、水をかけて冷却しなが
ら半導体シリコンウエハの裏面を研削する。研削終了
後、該フィルムを剥離し、ウエハ表面の集積回路を光学
顕微鏡〔(株)ニコン製:OPTIPHOT2〕を用い
て50〜1000倍の範囲でウエハ表面全体及び回路の
微細部分まで観察し、汚染されているチップの数を計数
する。評価基準は次の通り。〇:汚染されたチップが観
察されない。×:汚染されたチップが観察された。(こ
の場合、ウエハ上の全チップ数に対する汚染されたチッ
プの割合をカッコ内にしめした。)
【0051】(2)裏面研削中の水侵入 集積回路が組み込まれた半導体シリコンウエハ(径:4
インチ、表面の凹凸:約8μm)の表面に、試料を貼付
し、研削機〔(株)ディスコ製:バックグラインダーD
FG−821F/8〕を用いて、水をかけて冷却しなが
ら半導体シリコンウエハの裏面を研削する。研削終了
後、周辺からの水侵入を目視で観察する。各試料ごとに
半導体シリコンウエハを20枚使用し、20回研削を行
った。評価基準は次の通り。〇:水侵入なし。×:一部
に水侵入が確認された。(この場合侵水の確認されたウ
エハの枚数をカッコ内に示した。)
【0052】(3)異物付着量(個/4インチウエハ) 試料をその粘着剤層を介して異物が付着していない4イ
ンチのシリコンミラーウエハの全表面に貼付した状態
で、温度23±2℃、相対湿度50±5%に調整された
雰囲気中に1時間放置した後、試料を剥離し、シリコン
ミラーウエハの表面に付着した0.1μm以上の異物の
数をレーザー表面検査装置〔日立電子エンジニアリング
(株)製、形式:LS−6000〕を用いて計数する。
【0053】(4)ESCAによるウエハ表面汚染の測
定 <冷却水との接触なし>試料をその粘着剤層を介して異
物が付着していない4インチのシリコンミラーウエハの
全表面に貼付した状態で、温度23±2℃、相対湿度5
0±5%に調整された雰囲気中に1時間放置した後、試
料を剥離し、シリコンミラーウエハをダイアモンドカッ
ターで表面を汚染しないように1cm角に切断した。切
断したウエハの表面をESCA(VG社製:ESCA
LAB MkII)を用いて下記の条件で測定し、珪素に
対する炭素の比(以下、C/Si比という)を求め、有
機物によるシリコンウエハの汚染状況を調べる。
【0054】<冷却水との接触あり>試料をその粘着剤
層を介して異物が付着していない4インチのシリコンミ
ラーウエハの全表面に貼付した状態で、温度23±2
℃、相対湿度50±5%に調整された雰囲気中に1時間
放置した後、試料を剥離し、シリコンミラーウエハをフ
リーオートマチックダイシングソー〔(株)ディスコ
製:形式DFD−2S/8〕を用いて水をかけながら1
cm角に切断した。切断したウエハの表面をESCA
(VG社製:ESCA LAB MkII)を用いて下記
の条件で測定し、C/Si比を求め有機物によるシリコ
ンウエハの汚染状況を調べる。
【0055】<ESCA測定条件及びC/Si比算出法
> X線源:Mg Kα線(1253.6eV)、X線出
力:300W、測定真空度:2×10−7Pa以下、C
/Si:(炭素のピーク面積)/(珪素のピーク面積)
【0056】<C/Si比の評価方法>試料を貼付する
前のシリコンミラーウエハ表面のC/Si比は0.10
(ブランク値)である。従って、試料を貼付した後のシ
リコンミラーウエハ表面のC/Si比が0.10〜0.
12程度のものを汚染無し、それを超えるものを汚染有
りと判定する。
【0057】(5)粘着力(g/inch) 試料をその粘着剤層を介して、5×20cmのSUS−
BA板の表面に貼付し、23℃において1時間放置す
る。試料の一端を挟持し、剥離角度180度、剥離速度
300mm/min.でSUS−BA板の表面から試料
を剥離する際の応力を測定し、g/inchに換算す
る。
【0058】実施例1 重合反応機に脱イオン水150重量部、重合開始剤とし
て4,4’−アゾビス−4−シアノバレリックアシッド
〔大塚化学(株)製、商品名:ACVA〕を0.5重量
部、アクリル酸ブチル70.75重量部、メタクリル酸
メチル14重量部、メタクリル酸−2−ヒドロキシエチ
ル9重量部、メタクリル酸2重量部、アクリルアミド1
重量部、水溶性コモノマーとしてポリオキシエチレンノ
ニルフェニルエ−テル(エチレンオキザイドの付加モル
数の平均=約50)のベンゼン環に重合性の1−プロペ
ニル基を導入したもの〔第一工業製薬(株)製:アクア
ロンRN−50、有効成分65重量%〕5重量部(有効
成分として3.25重量部)を用い、撹拌下で70℃に
おいて9時間乳化重合を実施し、アクリル樹脂系水エマ
ルジョンを得た。これを14%アンモニア水で中和し、
固形分約40重量%の粘着剤ポリマー(主剤)エマルジ
ョンを得た。得られた粘着剤主剤エマルジョン100重
量部(粘着剤ポリマー濃度約40重量%)を採取し、さ
らに14%アンモニア水を加えてpH9.3に調整し
た。次いで、アジリジン系架橋剤〔日本触媒化学工業
(株)製、ケミタイトPZ−33〕2重量部、およびジ
エチレングリコールモノブチルエーテル5重量部を添加
して粘着剤塗布液を得た。
【0059】この粘着剤塗布液をロールコーターを用い
てポリプロピレンフィルム(剥離フィルム、厚み:50
μm)に塗布し、120℃で1分間乾燥し厚さ15μm
の粘着剤層を設けた。次いで、コロナ放電処理を施した
厚さ120μmのエチレン−酢酸ビニル共重合体フィル
ム(ショアーD型硬度:38)の該処理面を貼り合わせ
押圧して、粘着剤層を転写させることにより半導体ウエ
ハ裏面研削用粘着フィルムを製造した。得られた半導体
ウエハ裏面研削用粘着フィルムを60℃において48時
間加熱した後、室温まで冷却した。得られた半導体ウエ
ハ裏面研削用粘着フィルムについて、半導体ウエハ表面
への汚染性および粘着力を上記の方法により評価した。
得られた結果を〔表1〕に示す。
【0060】実施例2 実施例1の水溶性コモノマーのかわりに、同じく水溶性
コモノマーであるポリオキシエチレンノニルフェニルエ
−テル(エチレンオキザイドの付加モル数の平均=約3
0)のベンゼン環に重合性の1−プロペニル基を導入し
たもの〔第一工業製薬(株)製:アクアロンRN−3
0〕を用い、その使用量を5重量部をとし、アクリル酸
ブチルの使用量を70重量部、メタクリル酸メチルの使
用量を13重量部とした以外はすべて実施例1と同様の
方法で半導体ウエハ裏面研削用粘着フィルムを作製し、
実施例1と同様の方法で評価した。得られた結果を〔表
1〕に示す。
【0061】実施例3 重合開始剤として4,4’−アゾビス−4−シアノバレ
リックアシッド〔大塚化学(株)製、商品名:ACV
A〕の代わりに過硫酸アンモニウムを0.5重量部用
い、実施例1の水溶性コモノマーの使用量を0.8重量
部(有効成分として0.52重量部)とし、さらにアク
リル酸ブチルの使用量を73.48重量部とした以外
は、すべて実施例1と同様の方法で半導体ウエハ裏面研
削用粘着フィルムを作製し、実施例1と同様の方法で評
価した。得られた結果を〔表1〕に示す。
【0062】実施例4 実施例1の水溶性コモノマーの使用量を12重量部(有
効成分として7.8重量部)とし、さらにアクリル酸ブ
チルの使用量を69.5重量部、メタクリル酸メチルの
使用量を11.75重量部、メタクリル酸−2−ヒドロ
キシエチルの使用量を7.95重量部とした以外は、す
べて実施例1と同様の方法で半導体ウエハ裏面研削用粘
着フィルムを作製し、実施例1と同様の方法で評価し
た。得られた結果を〔表1〕に示す。
【0063】実施例5 実施例1のアジリジン系架橋剤の使用量を0.3重量部
とした以外はすべて実施例1と同様の方法で半導体ウエ
ハ裏面研削用粘着フィルムを作製し、実施例1と同様の
方法で評価した。得られた結果を〔表1〕に示す。
【0064】実施例6 実施例1のアジリジン系架橋剤の使用量を5重量部とし
た以外はすべて実施例1と同様の方法で半導体ウエハ裏
面研削用粘着フィルムを作製し、実施例1と同様の方法
で評価した。得られた結果を〔表1〕に示す。
【0065】
【表1】 比較例1 実施例1の水溶性コモノマーの使用量を18重量部(有
効成分として11.7重量部)とし、アクリル酸ブチル
の使用量を67.4重量部、メタクリル酸メチルの使用
量を10重量部、メタクリル酸−2−ヒドロキシエチル
8重量部、メタクリル酸2.0重量部、アクリルアミド
0.9重量部、とした以外は、全て実施例1と同様の方
法で半導体ウエハ裏面研削用粘着フィルムを作製し、実
施例1と同様の方法で評価した。得られた結果を〔表
2〕に示す。
【0066】比較例2 実施例3の水溶性コモノマーの使用量を0.37重量部
(有効成分として0.24重量部)とし、アクリル酸ブ
チルの使用量を73.76重量部とした以外は、全て実
施例3と同様の方法で半導体ウエハ裏面研削用粘着フィ
ルムを作製し、実施例1と同様の方法で評価した。得ら
れた結果を〔表2〕に示す。
【0067】比較例3 実施例1のアジリジン系架橋剤〔日本触媒化学工業
(株)製、ケミタイトPZ−33〕の添加量を0重量部
とした以外はすべて実施例1と同様の方法で半導体ウエ
ハ裏面研削用粘着フィルムを作製し、実施例1と同様の
方法で評価した。得られた結果を〔表2〕に示す。
【0068】比較例4 実施例1のアジリジン系架橋剤〔日本触媒化学工業
(株)製、ケミタイトPZ−33〕の添加量を7重量部
とした以外はすべて実施例1と同様の方法で半導体ウエ
ハ裏面研削用粘着フィルムを作製し、実施例1と同様の
方法で評価した。得られた結果を〔表2〕に示す。
【0069】
【表2】
【0070】実用試験 集積回路が組み込まれた半導体シリコンウエハ(径:4
インチ、凹凸:約8μm)の表面に、実施例1〜6で得
られた半導体ウエハ裏面研削用粘着フィルムを貼付し、
研削機〔(株)ディスコ社製、バックグラインダーDF
G−821F/8〕を用いて、水をかけて冷却しながら
半導体シリコンウエハの裏面を研削した。その結果、研
削中にシリコンウエハの表面と研削用粘着フィルムとの
間に水が侵入することがなく、また、研削応力によりシ
リコンウエハが破損することがなかった。研削完了後、
研削用粘着フィルムを剥離し、水洗工程で洗浄すること
なしにフリーオートマチックダイシングソー〔(株)デ
ィスコ製、形式DFD−2S/8〕を用いて水をかけな
がらダイシングした。ダイシング終了後、得られたチッ
プの電気特性に異常が認められなかった。
【0071】
【発明の効果】本発明の半導体ウエハ裏面研削用粘着フ
ィルムは、水溶性コモノマーを共重合させた粘着剤ポリ
マーを架橋剤により架橋した粘着剤層を持つことを特徴
とする半導体ウエハ裏面研削用粘着フィルムである。そ
のため、半導体ウエハ表面への汚染が少なく、さらに微
小な汚染が生じたとしても水との簡単な接触により容易
に除去することができる。従って、本発明の半導体ウエ
ハ裏面研削用粘着フィルムを用いて半導体ウエハ裏面を
研削した場合、研削後の洗浄方法を簡略化することがで
きる。すなわち、通常行われている様な、ダイシングを
水(洗浄水や冷却水等)をかけながら行うこと、また
は、ダイシング工程後のシリコン屑を取り除く為に行わ
れている洗浄工程(ダイシング装置によってはダイシン
グ工程中に含まれる)により同時に汚染も取り除くこと
ができる。そのため、煩雑な洗浄工程なしに高品質の半
導体ウエハの製造を可能とする優れた効果を発揮するも
のである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C09J 7/02 JJZ C09J 7/02 JJZ JKA JKA JKD JKD JKE JKE JKK JKK JLE JLE 133/06 JDE 133/06 JDE 161/06 JEQ 161/06 JEQ 163/00 JFP 163/00 JFP 175/04 JFC 175/04 JFC (72)発明者 山森 毬男 愛知県名古屋市南区丹後通2丁目1番地 三井東圧化学株式会社内 (72)発明者 藤井 靖子 愛知県名古屋市南区丹後通2丁目1番地 三井東圧化学株式会社内

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基材フィルムの片表面に、主モノマー
    (a)60〜98.7重量部、架橋剤と反応し得る官能
    基を有するコモノマー(b)1〜30重量部及び一般式
    (1)〔化1〕 【化1】 (式中、R1:水素、炭素数が1〜25のアルキル基ま
    たは炭素数が6〜25のアルケニル基、R2:炭素数が
    2〜5のアルケニル基、R3:水素または炭素数が2〜
    5のアルケニル基、R4:炭素数が2〜5のアルキレン
    基、n:1〜100の整数)で表される水溶性コモノマ
    ー(c)0.3〜10重量部を含むモノマー混合物を共
    重合させた粘着剤ポリマー100重量部に対し、粘着剤
    ポリマーの官能基と架橋し得る官能基を1分子中に2つ
    以上有する架橋剤0.3〜15重量部を含む粘着剤層が
    設けられていることを特徴とする半導体ウエハ裏面研削
    用粘着フィルム。
  2. 【請求項2】 主モノマー(a)が、アクリル酸アルキ
    ルエステル及びメタクリル酸アルキルエステルなる群か
    ら選ばれた少なくとも1種の化合物であることを特徴と
    する請求項1記載の半導体ウエハ裏面研削用粘着フィル
    ム。
  3. 【請求項3】 コモノマー(b)の官能基が、水酸基、
    カルボキシル基及びアミノ基からなる群から選ばれた少
    なくとも1種の官能基であることを特徴とする請求項1
    記載の半導体ウエハ裏面研削用粘着フィルム。
  4. 【請求項4】 一般式(1)〔化1〕におけるR4がエ
    チレン基であり、且つ、nが5〜70であることを特徴
    とする請求項1記載の半導体ウエハ裏面研削用粘着フィ
    ルム。
  5. 【請求項5】 一般式(1)〔化1〕におけるR1が炭
    素数8〜10のアルキル基であることを特徴とする請求
    項1記載の半導体ウエハ裏面研削用粘着フィルム。
  6. 【請求項6】 一般式(1)〔化1〕におけるR2が1
    −プロペニル基であり、且つ、R3が水素であることを
    特徴とする請求項1記載の半導体ウエハ裏面研削用粘着
    フィルム。
  7. 【請求項7】 粘着剤ポリマーが、乳化共重合されたコ
    ポリマーであることを特徴とする請求項1記載の半導体
    ウエハ裏面研削用粘着フィルム。
  8. 【請求項8】 乳化共重合が、分子内にカルボキシル基
    を有するアゾ化合物及び過硫酸アンモニウムからなる群
    から選ばれた少なくとも1種の開始剤の存在下における
    反応であることを特徴とする請求項7記載の半導体ウエ
    ハ裏面研削用粘着フィルム。
  9. 【請求項9】 開始剤が、分子内にカルボキシル基を有
    するアゾ化合物であり、且つ、該化合物が4,4’−ア
    ゾビス−4−シアノバレリックアシッドであることを特
    徴とする請求項8記載の半導体ウエハ裏面研削用粘着フ
    ィルム。
  10. 【請求項10】 架橋剤が、エポキシ系、イソシアネー
    ト系、アジリジン系及びメラミン系の各化合物からなる
    群から選ばれた少なくとも1種の化合物であることを特
    徴とする請求項1記載の半導体ウエハ裏面研削用粘着フ
    ィルム。
  11. 【請求項11】 架橋剤が、アジリジン系化合物である
    ことを特徴とする請求項1記載の半導体ウエハ裏面研削
    用粘着フィルム。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6984413B2 (en) 1999-12-14 2006-01-10 Nitto Denko Corporation Removable pressure-sensitive adhesive sheet
KR100568039B1 (ko) * 1997-02-14 2006-06-23 린텍 가부시키가이샤 점착제 조성물 및 그의 이용방법

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