JPH0935934A - 糸状磁石、布帛状磁石、それらの製造方法および糸状磁石の製造装置 - Google Patents

糸状磁石、布帛状磁石、それらの製造方法および糸状磁石の製造装置

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JPH0935934A
JPH0935934A JP18607795A JP18607795A JPH0935934A JP H0935934 A JPH0935934 A JP H0935934A JP 18607795 A JP18607795 A JP 18607795A JP 18607795 A JP18607795 A JP 18607795A JP H0935934 A JPH0935934 A JP H0935934A
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JP
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magnetic
magnet
discharge port
magnetic powder
thermoplastic resin
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JP18607795A
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English (en)
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Katsumasa Okawa
勝正 大川
Koji Nakamura
幸司 中村
Kazuhiro Fujita
和宏 藤田
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Ishikawa Tekko KK
Shizuoka Prefecture
Somic Ishikawa KK
Original Assignee
Ishikawa Tekko KK
Shizuoka Prefecture
Somic Ishikawa KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 磁気力が向上する糸状磁石、布帛状磁石、そ
れらの製造方法および糸状磁石の製造装置を提供する。 【解決手段】 熱可塑性樹脂と適宜粒径を調整した磁性
体微粉末との混合物を下向き開口するノズル本体11の吐
出口16から突出する。吐出口16と略同形状の長手方向に
沿って平面状の平面部を有した偏平円柱状の磁性糸24を
吐出形成する。吐出口16の近傍に設けた磁気部18の吐出
口16の平滑部16a に対して略垂直方向に対向する磁極に
より生じる磁界にて、磁性体微粉末を異方性化する。加
熱ローラおよび着磁ローラにて加熱圧縮しつつ着磁す
る。簡単な構造で糸状磁石の長手方向に沿った平面状の
平面部に対して略垂直方向の磁力線による磁性体微粉末
の異方性化にて容易に磁気力を増大できる。延伸の際の
着磁および加熱圧縮により、さらに効率よく容易に異方
性化でき、磁気力のさらに高い糸状磁石が得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、磁性体粉末を含有
する合成樹脂を溶融法により紡糸する糸状磁石、この糸
状磁石を含む布帛状磁石、それらの製造方法および糸状
磁石の製造装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、磁性体粉末を含有する合成樹脂を
溶融法により紡糸する糸状磁石の製造方法としては、例
えば特開昭59−112018号公報に記載の糸状磁石
の製造方法が知られている。
【0003】そして、この特開昭59−112018号
公報に記載の糸状磁石の製造方法は、メッシュ状口金か
ら磁化された磁性体粉末と熱可塑性樹脂との溶融した懸
濁液を押し出し、メッシュ状口金の懸濁液の吐出面およ
びその近傍に冷却流体を供給して冷却しながら、メッシ
ュ状口金の細隙を通じて押し出される懸濁液を引き取っ
て、懸濁液を多数の分離された繊維状細流に変換して固
化して糸状磁石を作製したり、未磁化の磁性体粉末を混
合する場合には、固化して紡糸した磁性糸に着磁して糸
状磁石を作製したり、磁性糸を集合させず1本ずつ紡糸
するノズル本体を用いて糸状磁石を作製している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記特
開昭59−112018号公報に記載の糸状磁石の製造
方法では、熱可塑性樹脂内で分散する磁性体粉末の特性
上の有効な磁化軸が同一方向に並んだ異方性化状態には
ならず、得られる糸状磁石の発生磁力が低く、この糸状
磁石を用いて形成される微鉄粉吸着フィルタなどは、十
分な吸着力が得られない問題がある。また、糸状磁石の
磁気力を向上させるためには、磁化した磁性体粉末の含
有量を増加したり、糸状磁石の径寸法を大きくしなけれ
ばならず、製造性が低下したり製造コストが増大すると
ともに、糸状磁石としての柔軟性が阻害され、径寸法の
細小化の要望に対応できず、微鉄粉吸着フィルタなどの
織布の歩留まりの低下、製造性の低下およびコストの増
大を生じる問題もある。
【0005】一方、固化後に着磁する場合には、若干の
磁気力の向上は得られるが、固化しているため、等方性
の状態で存在する磁性体粉末は異方性化できず、磁気力
の向上に制約がある問題がある。
【0006】本発明は、このような点に鑑みなされたも
ので、磁気力が向上する糸状磁石、布帛状磁石、それら
の製造方法および糸状磁石の製造装置を提供することを
目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の糸状磁石
は、磁性体粉末を含有する熱可塑性樹脂を溶融法により
吐出口より吐出されて紡糸される糸状磁石において、磁
化方向に対して略垂直で長手方向に沿った平面状の平面
部を設けたもので、磁化方向に対して略垂直な平面状の
平面部を有するため、効率よく磁性体粉末が異方性化さ
れて磁気力が向上する。
【0008】請求項2記載の糸状磁石の製造方法は、磁
性体粉末を含有する熱可塑性樹脂を溶融法により吐出口
より吐出させて紡糸する糸状磁石の製造方法において、
前記吐出口は周面の一部に平面状の平滑部を有した筒状
で、前記吐出口の平滑部に対して略垂直方向に磁力線を
生じさせ、前記吐出口から前記磁性体粉末を異方性化さ
せつつ前記溶融している熱可塑性樹脂を吐出し紡糸する
もので、周面の一部に設けた平面状の平滑部に対して略
垂直方向に磁力線が生じる筒状の吐出口から磁性体粉末
を異方性化させつつ磁性体粉末を含有する溶融している
熱可塑性樹脂を吐出して紡糸するため、容易に磁性体粉
末が異方性化されて、磁気力が向上した糸状磁石が得ら
れる。
【0009】請求項3記載の糸状磁石の製造方法は、磁
性体粉末を含有する熱可塑性樹脂を溶融法により吐出口
より吐出させて紡糸する糸状磁石の製造方法において、
前記吐出口は周面の一部に平面状の平滑部を有した筒状
で、前記吐出口の平滑部に対して交差する方向に磁力線
を生じさせ、前記吐出口から前記磁性体粉末を異方性化
させつつ前記溶融している熱可塑性樹脂を吐出し磁化方
向に対して略垂直な平面状の平面部を有する磁性糸を形
成し、この磁性糸の前記平面部に対して略垂直方向に磁
力線を生じさせつつ加熱圧縮して紡糸するもので、周面
の一部に設けた平面状の平滑部に対して略垂直方向に磁
力線が生じる筒状の吐出口から磁性体粉末を異方性化さ
せつつ磁性体粉末を含有する溶融している熱可塑性樹脂
を吐出して磁化方向に対して略垂直な平面状の平面部を
有する磁性糸を形成し、この磁性糸の平面部に対して略
垂直方向に磁力線を生じさせつつ加熱圧縮して紡糸する
ため、効率よく容易に磁性体粉末が異方性化されて、磁
気力が向上した糸状磁石が得られる。
【0010】請求項4記載の布帛状磁石は、請求項1記
載の糸状磁石を含むもので、磁気力が向上する。
【0011】請求項5記載の布帛状磁石の製造方法は、
請求項4記載の布帛状磁石を加圧方向に沿って磁力線を
生じさせつつ加熱圧縮するもので、効率よく磁気力が向
上した布帛状磁石が容易に得られる。
【0012】請求項6記載の糸状磁石の製造装置は、周
面の一部に平面状の平滑部を有した略筒状で磁性体粉末
を含有する溶融された熱可塑性樹脂を吐出する吐出口
と、この吐出口の前記平滑部に対して略垂直方向に対向
して異なる磁極を位置させ前記熱可塑性樹脂に含まれる
前記磁性体粉末を異方性化させる磁気部とを具備したも
ので、磁性体粉末を含有する溶融している熱可塑性樹脂
を吐出する吐出口の周面の一部に設けた平面状の平滑部
に対して略垂直方向に異なる磁極が対向し、吐出される
熱可塑性樹脂に含まれる磁性体粉末を異方性化させる磁
気部を設けたため、簡便な構造で磁気力が向上する糸状
磁石が容易に形成される。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の糸状磁石の製造装
置の実施の一形態を図面を参照して説明する。
【0014】図4において、1は紡糸装置本体で、この
紡糸装置本体1は、一般的な熱可塑性を有する合成樹脂
を紡糸し、溶融紡糸工程部2と、冷却固化工程部3と、
延伸−熱処理工程部4とから構成されている。
【0015】そして、溶融紡糸工程部2は、図示しない
加熱手段を備えた押出機6と、押出機6の先端に設けら
れ図示しない加熱手段を備えたノズル装置7とから構成
されている。
【0016】また、押出機6にはホッパ8が設けられ、
このホッパ8から、磁性体粉末である酸化鉄や希土類元
素、ストロンチウム(Sr)−フェライトなどの図示しな
い磁性体微粉末と、ポリプロピレンやナイロン(ポリア
ミド)などの図示しない熱可塑性樹脂とを混合する図示
しない混合手段から混合物が押出機6内に投入される。
さらに、押出機6にはスクリューシャフト9が設けら
れ、ホッパ8から投入された混合物をノズル装置7に押
し出すようになっている。
【0017】一方、ノズル装置7は、非磁性体のノズル
本体11が設けられ、このノズル本体11は、図1ないし図
3に示すように、略円柱状に形成され、一端縁にはノズ
ル装置7に係合されるフランジ部12が形成され、このフ
ランジ部12の係合により、ノズル本体11が他端面である
吐出面13が下方に向けてノズル装置7に装着されてい
る。
【0018】また、ノズル本体11のフランジ部12側の一
端面には、ノズル本体11の内部を介して押出機6に連通
する円形凹状の流入口14が開口形成されている。さら
に、ノズル本体11には、流入口14からノズル本体11の吐
出面13に連通するノズル部15が穿設されている。そし
て、ノズル部15は、流入口14側が径大でノズル本体11の
吐出面13には径小で直径1mm強の吐出口16を開口する漏
斗状に形成されている。そして、この吐出口16は、周面
の一部に平面状の平滑部16a ,16a が略平行に略1mmの
間隔を介して対向するように略偏平円筒状に形成されて
いる。
【0019】さらに、ノズル本体11には、各ノズル部1
5,15に対応して磁気部18,18がそれぞれ形成されてい
る。そして、これら磁気部18,18は、例えば略L字状の
軟鉄製のヨーク体19a ,19b を一対有している。そし
て、これら一対のヨーク体19a ,19b は、ノズル部15の
吐出口16の近傍に、径大部分が吐出口16の平滑部16a ,
16a に対して略垂直方向である平滑部16a ,16a の対向
方向に沿って対向するように、ノズル本体11の吐出面13
側に1対ずつ埋設されて配設されている。さらに、これ
らヨーク体19a ,19b の吐出口16を介して対向する径大
部分の端部と反対側の端部間には、長手方向が径大部分
の対向方向に沿った長方体形状の磁石20が挟持されてい
る。そして、磁石20の挟持により、ヨーク体19a ,19b
の径大部分の端部に、吐出口16の平滑部16a ,16a の対
向方向に沿って異なる磁極が対向形成する。さらに、こ
れら磁石20とヨーク体19a ,19b とが、非磁性体の固定
板21にてノズル本体11に固定されている。
【0020】そして、吐出口16には、磁気部18の対向す
る異なる磁極により、磁力線が吐出口16の平滑部16a ,
16a の対向方向に沿った磁気回路が形成されている。
【0021】次に、冷却固化工程部3は、溶融紡糸工程
部2の下流側に位置して構成され、冷却固化工程部3に
は、溶融紡糸工程部2のノズル装置7の下方に位置し
て、水槽22が設けられている。そして、この水槽22に
は、例えば10℃程度の水23が、ノズル装置7のノズル
本体11の吐出面13から略2〜3cm程度に下方に水面が位
置するように流入されている。
【0022】また、延伸−熱処理工程部4は、冷却固化
工程部3の下流側に位置して構成され、延伸−熱処理工
程部4には、冷却固化工程部3の水槽22内の水23から出
た磁性糸24が掛け回される例えば周速16m/秒程度で
回転される複数のゴム製のローラ25,25からなる第1の
延伸部4aが、冷却固化工程部3の下流側に位置して配設
されている。さらに、この第1の延伸部4aのローラ25,
25の下流側に位置して、熱水26が流入された熱水槽27が
配設されている。また、熱水槽27の下流側には、例えば
周速34m/秒程度で回転する複数のステンレス製のロ
ーラ28,28からなる第2の延伸部4bが配設されている。
【0023】さらに、第2の延伸部4bには、加熱圧縮装
置30が設けられている。この加熱圧縮装置30は、図4お
よび図5に示すように、加熱可能な加熱ローラ31と着磁
ローラ32とが周面が対向して設けられ、着磁ローラ32
は、周面に周方向に異なる磁極となるように図示しない
複数の磁石を複数内蔵している。
【0024】そして、磁性糸24は、延伸−熱処理工程部
4において、熱水26を通過する際に、ローラ25,25とロ
ーラ28,28の速度差により磁性糸24が延伸されるととも
に、加熱圧縮装置30により加熱圧縮されつつさらに磁性
体微粉末の異方性化および着磁が行われる。
【0025】次に、上記実施の一形態の紡糸動作を説明
する。
【0026】先ず、溶融紡糸工程部2において、図示し
ない混合手段にて、熱可塑性樹脂に、適宜粒径を調整し
た磁性体微粉末を混合し、この混合物をホッパ8から押
出機6に投入する。
【0027】そして、押出機6内において図示しない加
熱手段により熱可塑性樹脂の溶融温度より略20〜30
℃高い所定の温度に段階的に加熱して溶融する。さら
に、スクリューシャフト9により所定の圧力で、同じ所
定の温度に図示しない加熱手段にて加熱してあるノズル
装置7に加圧し、下向きに開口するノズル本体11の吐出
口16から、吐出口16の開口形状と同様の長手方向に沿っ
て平面状の図示しない平面部を有した偏平円柱状の糸状
にして磁性糸24を吐出させる。
【0028】この溶融紡糸工程部2において、溶融され
た磁性体微粉末と熱可塑性樹脂との混合物を、ノズル装
置7に加圧し、下向きに開口するノズル本体11の吐出口
16から糸状にして吐出する際、吐出口16の近傍には、磁
気部18により吐出口16の平滑部16a に対して略垂直方向
に対向する磁極により磁界が生じているため、吐出され
た熱可塑性樹脂に含有する磁性体微粉末は、この磁性体
微粉末が例えば平板状のSr−フェライトの場合、平面が
吐出された磁性糸24の平面部に略平行となるように異方
性化される。
【0029】すなわち、磁気部18は、ノズル本体11の吐
出口16の径方向に沿って磁極が対向する磁石20を挟持す
るヨーク体19a ,19b を配設しているため、吐出口16の
平滑部に対して略垂直方向に沿って磁力線を有する磁気
回路が形成されており、この磁界により、磁性体微粉末
が磁化され、磁気部18の磁気力により固形化されていな
い熱可塑性樹脂内で異方性化される。そして、直ちに冷
却され、磁性体微粉末が異方性化された状態で磁性糸24
が固化される。
【0030】次に、溶融紡糸工程部2にて吐出口16から
吐出された磁性体微粉末を含有する熱可塑性樹脂の磁性
糸24を、ノズル本体11の下方に位置する冷却固化工程部
3において、直ちに水槽22に入れて数秒間潜らせて完全
に固化させる。
【0031】そして、延伸−熱処理工程部4で、冷却固
化工程部3の水槽22内の水23から出た磁性糸24を、第1
の延伸部4aの所定の速度で回転する複数のローラ25,25
に掛け回した後、熱水槽27に入れて熱水26中を通過さ
せ、さらに、第1の延伸部4aのローラ25,25より早い速
度で回転する第2の延伸部4bの複数のローラ28,28に掛
け回し、磁性糸24が熱水26を通過する際に、ローラ25,
25とローラ28,28の速度差により磁性糸24を延伸する。
【0032】また、磁性糸24は第2の延伸部4bの加熱圧
縮装置30にて加熱圧縮され、着磁ローラ32にて異方性化
および着磁されて糸状磁石を製造する。なお、延伸−熱
処理工程部4で延伸されても、磁性体微粉末は、磁性体
微粉末が例えばSr−フェライトの場合略六角形の平板状
で平面方向が伸延方向に沿って異方性化されているた
め、磁性体微粉末の異方性状態は維持される。
【0033】そして、この延伸−熱処理工程部4を経し
た糸状磁石は、図示しないボビンなどに巻き取ってお
く。
【0034】上記実施の一形態によれば、長手方向に沿
った平面状の平滑部に対して略垂直に磁力線を生じさせ
て磁性体微粉末24a を異方性化するため、従来の等方性
の磁性糸に比べ、着磁後の磁性糸24の磁気力が増大でき
る。そして、磁気力が増大するために、磁性体微粉末の
含有量を減少でき材料費を低減でき、さらに柔軟性に富
んだ糸状磁石24を形成でき製造性を向上できるととも
に、織物、編物、不織布などの布帛への加工が容易にで
きる。さらに、ノズル本体11の吐出口16の近傍に磁石20
を挟持するヨーク体19a ,19b からなる磁気部18を配設
するのみで、簡便な構造で、糸状磁石の磁気力を増大で
きる。
【0035】また、磁性糸24を延伸する際に着磁しつつ
加熱圧縮するため、さらに効率よく容易に磁性体微粉末
を異方性化でき、さらなる磁気力の向上が得られる。そ
して、加熱圧縮と着磁とが同時にできるため、製造工程
を簡単化でき、製造性を向上できる。
【0036】なお、上記実施の一形態において、第2の
延伸部4bに加熱圧縮装置30を設けて磁性糸24を加熱圧縮
しつつ着磁して説明したが、着磁せず加圧圧縮した後に
着磁しても同様の効果が得られる。
【0037】また、加熱圧縮装置30を設けずに延伸−熱
処理工程部4を経てボビンなどに巻き取った磁性糸24
を、通常の織物、編物、不織布などの布帛に形成した後
に、着磁してもできる。さらに、この布帛を加熱圧縮し
たり、加熱圧縮の際に着磁させてもできる。
【0038】一方、ノズル本体11に磁気部18を埋設して
説明したが、ノズル本体11の端面に磁気部18を配設する
などしてもできる。
【0039】また、磁性体粉末は、略六角形の平板状の
Sr−フェライトの磁性体微粉末に限られず、いずれの磁
性体粉末でもできる。
【0040】
【実施例】本発明の糸状磁石の製造方法の一実施例を上
記実施の一形態の製造工程を参照して説明する。
【0041】溶融紡糸工程部2において、図示しない混
合手段にて、熱可塑性樹脂として例えばナイロンに、磁
性体微粉末としてタイラー標準篩により200メッシュ
以下に調整した略六角形の平板状のSr−フェライトを重
量比で60%混合し、この混合物をホッパ8から押出機
6に投入する。
【0042】そして、押出機6内において図示しない加
熱手段によりナイロンの溶融温度223℃より略20〜
30℃高い245℃程度に段階的に加熱して溶融する。
さらに、スクリューシャフト9により略50kg/cm2
上の圧力で、同じ245℃程度に図示しない加熱手段に
て加熱してあるノズル装置7に加圧し、下向きに開口す
る直径1mm強のノズル本体11の吐出口16から糸状にして
吐出させる。
【0043】次に、溶融紡糸工程部2にて吐出口16から
吐出されたSr−フェライトを含有するナイロンの磁性糸
24を、ノズル本体11の下方に位置する冷却固化工程部3
において、直ちに水槽22に入れて10℃程度の水23に4
〜5秒潜らせて完全に固化させる。
【0044】さらに、延伸−熱処理工程部4で、冷却固
化工程部3の水槽22内の水23から出た磁性糸24を、周速
16m/秒程度で回転する複数のゴム製のローラ25,25
に掛け回した後、熱水槽27に入れて98℃程度の熱水26
中を通過させ、さらに、周速34m/秒程度で回転する
複数のステンレス製のローラ28,28に掛け回し、磁性糸
24が熱水26を通過する際に、ローラ25,25とローラ28,
28の速度差により磁性糸24を延伸する。そしてさらに、
第2の延伸部4bの加熱圧縮装置にて磁性糸24を加熱圧縮
し、着磁ローラ32にて異方性化および着磁し糸状磁石を
形成する。
【0045】そして、上記紡糸工程により得られた図1
ないし図3に示すノズル本体11を用いて紡糸し延伸−熱
処理工程部4の第2の延伸部4bで加熱圧縮しない磁性糸
24と、第2の延伸部4bで加熱圧縮した磁性糸24と、従来
使用されている磁気部18を有しないノズル本体を用いて
上述した紡糸工程の条件で紡糸した磁性糸との磁気力に
ついて測定した結果を図6に示す。また、糸状磁石の繊
維径、すなわち磁化方向の径寸法を適宜変化させた。
【0046】この図6に示す結果から、磁気部18を有し
たノズル本体11を用いて異方性化することで表面磁束密
度が略1.5倍程度増加することが分かる。さらに、加
熱圧縮させると従来の糸状磁石に比して表面磁束密度が
略2倍程度増加することが分かる。
【0047】
【発明の効果】請求項1記載の糸状磁石によれば、長手
方向に沿って平面状で磁化方向に対して略垂直な平面部
を有するため、効率よく磁性体粉末を異方性化でき磁気
力を向上できる。
【0048】請求項2記載の糸状磁石の製造方法によれ
ば、周面の一部に設けた平面状の平滑部に対して略垂直
方向に磁力線が生じる筒状の吐出口から磁性体粉末を異
方性化させつつ磁性体粉末を含有する溶融している熱可
塑性樹脂を吐出して紡糸するため、容易に磁性体粉末を
異方性化でき、磁気力が向上した糸状磁石が容易に得ら
れる。
【0049】請求項3記載の糸状磁石の製造方法によれ
ば、周面の一部に設けた平面状の平滑部に対して略垂直
方向に磁力線が生じる筒状の吐出口から磁性体粉末を異
方性化させつつ磁性体粉末を含有する溶融している熱可
塑性樹脂を吐出して磁化方向に対して略垂直な平面状の
平面部を有する磁性糸を形成し、この磁性糸の平面部に
対して略垂直方向に磁力線を生じさせつつ加熱圧縮して
紡糸するため、効率よく容易に磁性体粉末を異方性化で
き、磁気力が向上した糸状磁石を容易に得られる。
【0050】請求項4記載の布帛状磁石によれば、請求
項1記載の糸状磁石を含んでいるため、容易に磁気力を
向上できる。
【0051】請求項5記載の布帛状磁石の製造方法によ
れば、請求項4記載の布帛状磁石を加圧方向に沿って磁
力線を生じさせつつ加熱圧縮するため、効率よく磁気力
が向上した布帛状磁石を容易に得られる。
【0052】請求項6記載の糸状磁石の製造装置によれ
ば、磁性体粉末を含有する溶融された熱可塑性樹脂を吐
出する吐出口の周面の一部に設けた平面状の平滑部に対
して略垂直方向に異なる磁極が対向し、吐出される熱可
塑性樹脂に含まれる磁性体粉末を異方性化させる磁気部
を設けたため、簡便な構造で磁気力が向上する糸状磁石
を容易に形成できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の糸状磁石の製造装置の実施の一形態を
示すノズル本体の平面図である。
【図2】同上側面断面図である。
【図3】同上一部を切り欠いた側面断面図である。
【図4】同上糸状磁石を紡糸する紡糸装置本体を示す説
明図である。
【図5】同上加熱圧縮装置を示す説明図である。
【図6】同上磁性糸の異方性化および加熱圧縮による表
面磁束密度の変化をグラフ化した説明図である。
【符号の説明】
1 紡糸装置本体 11 ノズル本体 16 吐出口 16a 平滑部 18 磁気部 24 磁性糸 30 加熱圧縮装置
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H01F 41/02 H01F 41/02 Z (72)発明者 藤田 和宏 静岡県浜松市古川町500番地 株式会社ソ ミック石川浜松工場内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 磁性体粉末を含有する熱可塑性樹脂を溶
    融法により吐出口より吐出されて紡糸される糸状磁石に
    おいて、 磁化方向に対して略垂直で長手方向に沿った平面状の平
    面部を設けたことを特徴とする糸状磁石。
  2. 【請求項2】 磁性体粉末を含有する熱可塑性樹脂を溶
    融法により吐出口より吐出させて紡糸する糸状磁石の製
    造方法において、 前記吐出口は周面の一部に平面状の平滑部を有した筒状
    で、 前記吐出口の平滑部に対して略垂直方向に磁力線を生じ
    させ、 前記吐出口から前記磁性体粉末を異方性化させつつ前記
    溶融している熱可塑性樹脂を吐出し紡糸することを特徴
    とした糸状磁石の製造方法。
  3. 【請求項3】 磁性体粉末を含有する熱可塑性樹脂を溶
    融法により吐出口より吐出させて紡糸する糸状磁石の製
    造方法において、 前記吐出口は周面の一部に平面状の平滑部を有した筒状
    で、 前記吐出口の平滑部に対して交差する方向に磁力線を生
    じさせ、 前記吐出口から前記磁性体粉末を異方性化させつつ前記
    溶融している熱可塑性樹脂を吐出し磁化方向に対して略
    垂直な平面状の平面部を有する磁性糸を形成し、 この磁性糸の前記平面部に対して略垂直方向に磁力線を
    生じさせつつ加熱圧縮して紡糸することを特徴とした糸
    状磁石の製造方法。
  4. 【請求項4】 請求項1記載の糸状磁石を含むことを特
    徴とする布帛状磁石。
  5. 【請求項5】 請求項4記載の布帛状磁石を加圧方向に
    沿って磁力線を生じさせつつ加熱圧縮することを特徴と
    する布帛状磁石の製造方法。
  6. 【請求項6】 周面の一部に平面状の平滑部を有した略
    筒状で磁性体粉末を含有する溶融された熱可塑性樹脂を
    吐出する吐出口と、 この吐出口の前記平滑部に対して略垂直方向に対向して
    異なる磁極を位置させ前記熱可塑性樹脂に含まれる前記
    磁性体粉末を異方性化させる磁気部とを具備したことを
    特徴とする糸状磁石の製造装置。
JP18607795A 1995-07-21 1995-07-21 糸状磁石、布帛状磁石、それらの製造方法および糸状磁石の製造装置 Pending JPH0935934A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8893955B2 (en) 2010-10-27 2014-11-25 Intercontinental Great Brands Llc Releasably closable product accommodating package

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