JPH0934136A - 電子写真感光体の製造方法およびその製造装置 - Google Patents

電子写真感光体の製造方法およびその製造装置

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JPH0934136A
JPH0934136A JP20020595A JP20020595A JPH0934136A JP H0934136 A JPH0934136 A JP H0934136A JP 20020595 A JP20020595 A JP 20020595A JP 20020595 A JP20020595 A JP 20020595A JP H0934136 A JPH0934136 A JP H0934136A
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JP
Japan
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coating film
cylindrical support
wiping plate
wiping
solvent
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Application number
JP20020595A
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English (en)
Inventor
Kyoko Nishikawa
恭子 西川
Hideki Imai
秀樹 今井
Wataru Nakabayashi
渉 中林
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Fujifilm Business Innovation Corp
Original Assignee
Fuji Xerox Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 感光体下端部に塗膜が存在しない電子写真感
光体を連続的かつ安定に製造する方法および装置を提供
する。 【解決手段】 円筒状支持体上に形成されている塗膜に
拭取り板を接触させて塗膜を溶解する溶剤と共に不溶な
塗膜を除去して電子写真感光体を製造方法するに際し
て、前記拭取り板を接触させない状態で円筒状支持体を
所定の拭取り位置に配置させる工程と、前記拭取り板を
円筒状支持体上の塗膜表面に接触摺動させ、塗膜を除去
する工程と、その後、拭取り板を円筒状支持体の表面か
ら離脱させる工程とを有する。電子写真感光体の製造装
置は、溶剤を保持する溶剤皿5と、該溶剤皿と円筒状支
持体1とを相対的に回転させる手段と、該溶剤皿の内側
に設けられ、前記円筒状支持体に対して接触および離脱
可能に設けた拭取り板8と、該拭取り板を移動させる移
動手段とを有することを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電子写真方式による複
写機、プリンターに用いられる円筒状有機感光体の製造
方法およびその製造装置、具体的には、電子写真感光体
の塗膜の不要部分を除去する電子写真感光体の製造方法
およびその製造装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】電子写真感光体は、導電性の円筒状支持
体の上に必要に応じて中間層を設け、次いで、電荷発生
層および電荷輸送層が形成される。このような電子写真
感光体を、複写機、レーザープリンター等に使用する場
合、電子写真感光体と現像ロールとの距離は、現像性能
を良好にするために、常に一定に保持されなければなら
ない。そのため、通常は、電子写真感光体の端部にコロ
を当てたり、カラーリングで保持する等の方法が採用さ
れている。その場合、コロやカラーリングが当接する部
分は、摺擦を受けるため、塗膜が存在する場合には、不
均一に剥離されたり磨耗するという問題がある。したが
って、その部分には塗膜が形成されていないことが必要
である。
【0003】円筒状支持体上に有機感光層を形成する方
法としては、導電性の円筒状支持体を有機感光層形成用
の塗布液に浸漬して塗布する浸漬塗布が一般的である。
この場合、円筒状支持体の上端部を塗膜が形成されない
ように露出させることは、円筒状支持体の浸漬位置を調
節することにより容易に実施することができるが、下端
部は、塗布液中に浸漬されるので、塗膜が形成される。
したがって、下端部に形成される塗膜は、塗布後に除去
しなければならない。そのため、感光体下端部の塗膜を
除去する装置が提案されている。例えば、感光体下端部
を塗膜を溶解する溶剤に浸漬させ、拭取り板を回転させ
て不要な塗膜を除去する装置が知られている(特公平4
−41815号公報)。
【0004】図9は、従来の塗膜除去装置に関し、塗膜
除去開始前および塗膜除去終了後の、円筒状支持体1と
拭取り板8との位置関係を示している。すなわち、塗膜
除去開始前に、円筒状支持体1が所定の拭取り位置まで
下降する間、および、塗膜除去終了後、円筒状支持体1
が円盤ベッセル5内から上昇する間、円盤ベッセル5の
周壁内側の定位置に取り付けられた拭取り板支持具7で
固定された拭取り板8は、円筒状支持体1に接触してい
る状態を示す。図10は、従来の塗膜除去装置に関し、
塗膜除去時の、円筒状支持体1と拭取り板8との位置関
係を示している。すなわち、円筒状支持体1が所定の拭
取り位置において、該塗膜表面に対し、円盤ベッセル5
の周壁内側の定位置に取り付けられた拭取り板支持具7
に固定された拭取り板8が接触摺動し、不要な部分の塗
膜除去を行う状態を示す。
【0005】しかしながら、この装置では、拭取り板が
拭取り時と同じ位置に常に固定されているので、連続し
て使用すると、拭取り板と感光体とが接触する際或いは
拭取り板と感光体とが離れる際の衝撃によって、拭取り
板が次第に変形或いは一部が破損してしまい、拭取りが
十分にできなくなり、このような感光体を使用した場
合、画質上に悪影響を及ぼすという問題があった。本発
明は、上記の問題点を解決することを目的としてなされ
たものである。すなわち、本発明の目的は、感光体下端
部に塗膜が存在しない電子写真感光体を連続的かつ安定
に製造する方法および装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、円筒状支
持体上に形成された塗膜の不要部分を除去する際に使用
する拭取り板を、塗膜除去開始前には該塗膜表面に接触
させず塗膜除去終了後には離脱させることにより、上記
目的が達成できることを見出し、本発明を完成するに至
った。本発明は、円筒状支持体上に形成されている塗膜
に拭取り板を接触させて塗膜を溶解する溶剤と共に不溶
な塗膜を除去する電子写真感光体の製造方法において、
前記拭取り板を接触させない状態で円筒状支持体を所定
の拭取り位置に配置させる工程と、前記拭取り板を円筒
状支持体上の塗膜表面に接触摺動させ、塗膜を除去する
工程と、その後、拭取り板を円筒状支持体の表面から離
脱する工程とを有することを特徴とする。また、本発明
の電子写真感光体の製造装置は、溶剤を保持する溶剤皿
と、該溶剤皿と円筒状支持体とを相対的に回転させる手
段と、該溶剤皿の内側に設けられ、前記円筒状支持体に
対して接触および離脱可能に設けた拭取り板と、該拭取
り板を移動させる移動手段とを有することを特徴とす
る。
【0007】本発明の電子写真感光体の製造方法および
製造装置について、さらに具体的な実施態様として、次
のものがあげられる。本発明の第1の実施態様は、拭取
り板を塗膜除去開始時および塗膜除去終了後に該塗膜表
面に対して接触および離脱する方法として、円筒状支持
体を所定の拭取り位置に配置させた後、塗膜表面に対し
拭取り板を円筒状支持体の法線方向に直線的に移動させ
るように構成される。本発明の第2の実施態様は、拭取
り板を塗膜除去開始時および塗膜除去終了後に該塗膜表
面に対して接触および離脱する方法として、円筒状支持
体が所定の拭取り位置に配置させた後、拭取り板を円筒
状支持体の軸に対して垂直な面上を円弧状に移動させる
ように構成される。本発明において、円筒状支持体上に
形成されている複数層の塗膜の不要な部分を同時に除去
するようにしてもよい。
【0008】本発明の上記電子写真感光体の製造装置で
ある塗膜の不要部分の除去装置の第1の実施態様は、中
心に溶剤供給口を有する円盤ベッセルと、円筒状支持体
と該円盤ベッセルとが相対的に回転する手段と、該円盤
ベッセルからオーバーフローする溶剤を受けて再循環さ
せるための循環手段とを備え、該円盤ベッセルの周壁内
側に、円筒状支持体の法線方向に直接的に移動可能な複
数個の拭取り板を有するものである。また、本発明の上
記電子写真感光体の製造装置である塗膜の不要部分の除
去装置の第2の実施態様は、塗膜の不要部分の除去装置
において、中心に溶剤供給口を有する円盤ベッセルと、
円筒状支持体と該円盤ベッセルとが相対的に回転する手
段と、該円盤ベッセルからオーバーフローする溶剤を受
けて再循環させるための循環手段とを備え、該円盤ベッ
セルの周壁内側に、円筒状支持体の軸に対して垂直な面
上を円弧状に移動可能な複数個の拭取り板を有するもの
である。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明について実施例によ
って説明する。図1は、本発明の電子写真感光体の製造
装置における塗膜の不要部分の除去装置の概略図であ
る。図1において、1は円筒状支持体、2は回転可能な
円筒状支持体保持具である。3は、オーバーフローした
溶剤を受けるためのオーバーフローパンであり、溶剤排
出口4が設けられている。オーバーフローパン3の内側
には、回転可能な円盤ベッセル5が配置されており、そ
の中心には溶剤供給口6を有し、また、周壁内側には拭
取り板支持具7に固定された拭取り板8が取り付けられ
ている。また、9はリザーバータンク、10はポンプ、
11はフィルターであり、それらは、オーバーフローパ
ン3と共に、溶剤12を再循環させる再循環手段を構成
している。
【0010】この装置において、拭取り板8が装着され
た円盤ベッセル5に、ポンプ10により溶剤12を供給
し、オーバーフローさせた状態で、円筒状支持体1を所
定の拭取り位置まで下降させ、次いで拭取り板8を移動
させ、円筒状支持体1に接触摺動させて塗膜の不要部分
の除去を行う。塗膜除去が終了した後、拭取り板8を円
筒状支持体1から離脱し、円筒状支持体1を上昇させる
ことにより、下端部に塗膜の形成されていない電子写真
感光体が作製される。溶剤12は塗膜により汚染される
ため、フィルター11を設け、ポンプ10を作動させる
ことによって、再循環するようになっている。
【0011】図2は、本発明の第1の実施態様に関し、
塗膜除去開始前および塗膜除去終了後の、円筒状支持体
1と拭取り板8との位置関係を示している。すなわち、
塗膜除去開始前および塗膜除去終了後には、円盤ベッセ
ル5の周壁内側において、拭取り板支持具7に固定され
た拭取り板8は、円筒状支持体1に接触していない状態
にあることを示す。なお、13はスライダーである。
【0012】図3は、本発明の第1の実施態様に関し、
塗膜除去時の、円筒状支持体1と拭取り板8との位置関
係を示している。すなわち、円筒状支持体1を所定の拭
取り位置に配置した後、該塗膜表面に対し、拭取り板支
持具7に固定された拭取り板8が、拭取り板支持具7が
連結するスライダー13の駆動により、円筒状支持体1
の外周面に対して法線方向に直線的に移動して接触し、
摺動する状態を示しており、それにより不要な部分の塗
膜が除去される。
【0013】図4は、本発明の第2の実施態様に関し、
塗膜除去開始前および塗膜除去終了後の、円筒状支持体
1と拭取り板8との位置関係を示している。すなわち、
塗膜除去開始前および塗膜除去終了後において、円盤ベ
ッセル5の周壁内側における拭取り板支持具7に固定さ
れた拭取り板8は、円筒状支持体1に接触していない状
態を示す。なお、14はガイドロールである。
【0014】図5は、本発明の第2の実施態様に関し、
塗膜除去時の、円筒状支持体1と拭取り板8との位置関
係を示している。すなわち、円筒状支持体1を所定の拭
取り位置に配置した後、該塗膜表面に対し、ガイドロー
ル14に連結する拭取り板支持具7に固定された拭取り
板8が、円筒状支持体の軸に対して垂直な面上を円弧状
に移動して接触し、摺動する状態を示しており、それに
より不要な部分の塗膜が除去される。
【0015】図6ないし図8は、本発明の第2の実施態
様に関するものであって、図6は、図4に示した塗膜除
去開始前の、円筒状支持体1とガイドロール14および
拭取り板8の位置関係を表している。すなわち、円筒状
支持体1とガイドロール14とが全く接触せず、円筒状
支持体1と拭取り板8も接触していない状態を示してい
る。図7は、図6から図8に至る途中の状態を示し、塗
膜除去開始前の、円筒状支持体1とガイドロール14お
よび拭取り板8の位置関係を示している。すなわち、円
筒状支持体1が下降し、円筒状支持体1の外周面がガイ
ドロール14のテーパ部に接触し始めると、ガイドロー
ル14は円盤ベッセル5の周壁側へ水平移動し始め、同
時に拭取り板8が円筒状支持体1に向かって円筒状支持
体の軸に対して垂直な面上を円弧状に移動し始める。こ
の状態では、まだ、円筒状支持体1と拭取り板8は接触
していない。図8は、図5に示した塗膜除去時の、円筒
状支持体1とガイドロール14および拭取り板8の位置
関係を示している。すなわち、円筒状支持体1が所定の
拭取り位置まで下降した状態で、円筒状支持体1の外周
面がガイドロール14のストレート部と接触し、ガイド
ロール14が円盤ベッセル5の周壁側へ最大量水平移動
し、拭取り板8が円筒状支持体1の塗膜表面に最も接触
している状態を示している。塗膜除去終了後は、円筒状
支持体1とガイドロール14および拭取り板8の位置関
係は、図8から図6の状態に至るまで、上述とは逆向き
で説明される。
【0016】本発明において、拭取り板の材質として
は、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリテト
ラフルオロエチレン、ポリエステル、ナイロン、ポリイ
ミド等の樹脂や、エチレンプロピレンゴム、ブチルゴム
等の合成ゴム等が好ましく適用できるが、耐摩耗性およ
び耐溶剤性を考慮して適宜選択するのが好ましい。拭取
り板8の厚さは、0.5mm〜3mmの範囲、特に1m
m〜1.5mmの範囲が適当な弾性を有するので好まし
い。拭取り板8の長さは3mm〜30mmの範囲が好ま
しく、さらに好ましくは5mm〜15mmの範囲であ
る。円筒状支持体1への拭取り板8の接触深さは0.3
mm〜2mmの範囲が好ましく、さらに好ましくは1m
m〜1.5mmの範囲である。ここで接触深さとは、円
筒状支持体1に対し拭取り板8が仮想的に食い込む深さ
のことを意味する。また、円筒状支持体1の軸に垂直な
面における法線に対する拭取り板8の角度は0度〜50
度が好ましく、更に好ましくは15度〜40度の範囲で
ある。また、拭取り板8を円筒状支持体1の塗布表面に
接触摺動させる方向は、時計回り、反時計回りのどちら
でもよい。
【0017】
【実施例】以下、具体的な実施例により、本発明を更に
詳細に説明する。 実施例1 図2および図3に示す塗膜除去装置を使用し、拭取り板
8を2枚用いた。拭取り板8としては、厚さ1mm、長
さ9.5mmであって分子量が450万〜570万の範
囲のポリエチレンを使用した。その形状を図11に示
す。円筒状支持体1への接触深さは1mm、円筒状支持
体1の軸に垂直な面における法線に対する角度は15度
とした。また、拭取り板8を円筒状支持体1の塗布表面
に接触摺動させる方向は時計回りとした。有機ジルコニ
ウム化合物(商品名:オルガチックスZC540、松本
製薬(株)製)10部、シランカップリング剤(商品
名:A1100、日本ユニカー(株)製)1部、イソプ
ロピルアルコール40部、n−ブチルアルコール20部
からなる混合溶液を用意し、浸漬塗布により円筒状支持
体1(1mmt×40mmφ×310mml)上に塗布
した。塗布後5分間静止させた後、n−ブチルアルコー
ルで満たされた円盤ベッセル5の中に、円筒状支持体1
の底部から10mm拭取れる位置まで円筒状支持体1を
下降させた。その後、円盤ベッセル5を20rpmで回
転させ、拭取り板8をスライダー13の駆動により円筒
状支持体1の法線方向に直線的に移動させて塗膜表面に
接触させ、5秒間静止させて円筒状支持体1の端部の不
要な塗膜を除去した。その後、拭取り板8を上記とは逆
の向きに円筒状支持体1から離脱させた後、円筒状支持
体1を円盤ベッセル5から取り出すために上昇させた。
その後乾燥機に入れ、150℃において10分間加熱乾
燥し、円筒状支持体1の下端部に塗膜の存在しない膜厚
0.1μmの下引き層を形成した。
【0018】次に、ジブロモアントアントロン顔料(商
品名:モノライトレッド2Y、ICI社製)8部と、ポ
リビニルブチラール樹脂(商品名:BM−1、積水化学
(株)製)1部をシクロヘキサノン19部に添加混合
し、サンドミル装置で、顔料を分散させた。得られた分
散液にさらにシクロヘキサノンを加えて、固形分濃度が
約10重量%の塗布液を用意した。この塗布液を浸漬塗
布により下引き層の上に塗布した後、溶剤としてメチル
エチルケトンを用い、前記下引き層と同様な方法で円筒
状支持体1の下端部の塗膜を除去した。その後、100
℃において10分間加熱乾燥して、膜厚0.8μmの電
荷発生層を形成した。次に、N,N′−ジフェニル−
N,N′−ビス(3−メチルフェニル)−[1,1′−
ビフェニル]−4,4′−ジアミン4部とポリ(4,4
−シクロヘキシリデンフェニレンカーボネート)樹脂6
部とをモノクロロベンゼン40部に溶解した。得られた
塗布液を浸漬塗布により電荷発生層の上に塗布した後、
溶剤としてジクロロメタンを用い、前記下引き層、電荷
発生層の場合と同様な方法で円筒状支持体1の下端部の
塗膜を除去した。その後、110℃において1時間加熱
乾燥して、膜厚20μmの電荷輸送層を形成し、下端部
に塗膜のない電子写真感光体を作製した。感光体下端部
の塗膜と塗膜除去面との境界線は乱れておらず、きれい
な塗膜除去面を形成していた。また、拭取り板8の変形
も見られなかった。次に、この下端部塗膜の除去装置の
連続使用時の耐久性を確認するため、10,000本の
塗膜除去を行ったところ、拭取り板8の変形、磨耗は認
められず、1本目と同様な塗膜除去性を保つことが確認
された。
【0019】実施例2 図4および図5に示す塗膜除去装置を使用し、拭取り板
8を2枚用いた。拭取り板8としては、厚さ1mm、長
さ12mmであって分子量が450万〜570万の範囲
のポリエチレンを使用した。その形状を図11に示す。
円筒状支持体1への接触深さは1mm、円筒状支持体1
の軸に垂直な面における法線に対する角度は40度とし
た。また、拭取り板8を円筒状支持体1の塗布表面に接
触摺動させる方向は時計回りとした。実施例1と同様に
浸漬塗布により円筒状支持体1の上に下引き層を塗布し
た。その後、n−ブチルアルコールで満たされた円盤ベ
ッセル5の中へ、円筒状支持体1の底部から10mm拭
取れる位置まで円筒状支持体1をガイドロール14に接
触した状態で下降させることにより、拭取り板8を円筒
状支持体1の外周面に向かって円筒状支持体の軸に対し
て垂直な面上を円弧状に移動させて塗膜表面に接触させ
た。円盤ベッセル5を20rpmで回転させ、5秒間静
止させて円筒状支持体1の端部の不要な塗膜を除去し
た。その後、円筒状支持体1を円盤ベッセル5から出す
ためにガイドロール14を接触させた状態で上昇させる
ことにより、拭取り板8を上記とは逆の向きに円筒状支
持体1から離脱させた。その後乾燥機に入れ、150℃
において10分間加熱乾燥し、円筒状支持体1の下端部
に塗膜の存在しない膜厚0.1μmの下引き層を形成し
た。
【0020】次に、下引き層の上に電荷発生層を塗布し
た後、溶剤としてメチルエチルケトンを用い、前記下引
き層と同様な方法で円筒状支持体1の下端部の塗膜を除
去した。その後、100℃において10分間加熱乾燥
し、膜厚0.8μmの電荷発生層を形成した。次に、電
荷発生層の上に電荷輸送層を塗布した後、溶剤としてジ
クロロメタンを用い、前記下引き層、電荷発生層と同様
な方法で円筒状支持体1の下端部の塗膜を除去した。そ
の後、110℃において1時間加熱乾燥し、膜厚20μ
mの電荷輸送層を形成し、下端部に塗膜のない電子写真
感光体を作製した。この場合も、実施例1の時と同様
に、感光体下端部の塗膜と塗膜除去面との境界線は乱れ
ておらず、きれいな塗膜除去面を形成していた。また、
拭取り板8の変形も見られなかった。次に、この、下端
部塗膜の除去装置の連続使用時の耐久性を確認するた
め、10,000本の塗膜除去を行ったところ、拭取り
板8の変形、磨耗は認められず、1本目と同様な塗膜除
去性を保つことが確認された。
【0021】実施例3 実施例2と同様の塗膜除去装置を使用した。実施例2と
同様に浸漬塗布により円筒状支持体1の上に下引き層を
塗布した。その後、n−ブチルアルコールで満たされた
円盤ベッセル5の中に、円筒状支持体1の底部から10
mm拭取れる位置まで円筒状支持体1をガイドロール1
4に接触した状態で下降させることにより、拭取り板8
を円筒状支持体1の外周面に向かって円筒状支持体の軸
に対して垂直な面上を円弧状に移動させて塗膜表面に接
触させた。円盤ベッセル5を20rpmで回転させ、5
秒間静止させて円筒状支持体1の端部の不要な塗膜を除
去した。その後、円筒状支持体1を円盤ベッセル5から
出すためにガイドロール14を接触させた状態で上昇さ
せることにより、拭取り板8を先とは逆の向きに円筒状
支持体1から離脱させた。その後乾燥機に入れ、150
℃で10分間加熱乾燥し、円筒状支持体1の下端部に塗
膜の存在しない膜厚0.1μmの下引き層を形成した。
【0022】次に、下引き層の上に電荷発生層を塗布し
た後、100℃において10分間加熱乾燥し、膜厚0.
8μmの電荷発生層を形成した。次に、電荷発生層の上
に電荷輸送層を塗布した後、溶剤としてジクロロメタン
を用い、前記下引き層、電荷発生層と同様な方法で円筒
状支持体1の下端部の電荷発生層と電荷輸送層の塗膜を
同時に除去した。その後、110℃において1時間加熱
乾燥し、膜厚20μmの電荷輸送層を形成し、下端部に
塗膜のない電子写真感光体を作製した。この場合も、実
施例1、実施例2の場合と同様に、感光体下端部の塗膜
と塗膜除去面との境界線は乱れておらず、きれいな塗膜
除去面を形成していた。また、拭取り板8の変形も見ら
れなかった。下端部塗膜の除去装置を連続使用した時の
耐久性の確認テストの結果も、実施例1、実施例2の場
合と同様で、10,000本の塗膜除去の後でも、拭取
り板8の変形、磨耗は認められず、1本目と同様な塗膜
除去性を保つことが確認された。
【0023】比較例 図9および図10に示す塗膜除去装置を使用し、拭取り
板8は2枚用いた。拭取り板8としては、厚さ1mm、
長さ9.5mmであって、分子量が450万〜570万
の範囲のポリエチレンを使用した。その形状を図11に
示す。円筒状支持体1への接触深さは1mm、円筒状支
持体1の法線に対する角度は15度とした。また、拭取
り板8を円筒状支持体1の塗布表面に接触摺動させる方
向は時計回りとした。実施例1と同様に浸漬塗布により
円筒状支持体1の上に下引き層を塗布した。その後、n
−ブチルアルコールで満たされた円盤ベッセル5の中
に、円筒状支持体1の底部から10mm拭取れる位置ま
で円筒状支持体1を下降させたが、円筒状支持体1所定
の拭取り位置まで下降し終わらないうちに、円盤ベッセ
ル5の周壁内側の定位置に取り付けられた拭取り板支持
具7に固定された拭取り板8は、円筒状支持体1に接触
していた。円盤ベッセル5を20rpmで回転させ、5
秒間静止させて円筒状支持体1の端部の不要な塗膜を除
去した。その後、円筒状支持体1を円盤ベッセル5から
出すために上昇させたが、拭取り板8から円筒状支持体
1が離脱し終わるまでの間、拭取り板8は、円筒状支持
体1に接触していた。その後乾燥機に入れ、150℃に
おいて10分間加熱乾燥し、円筒状支持体1の下端部に
塗膜の存在しない膜厚0.1μmの下引き層を形成し
た。
【0024】次に、下引き層の上に電荷発生層を塗布し
た後、溶剤としてメチルエチルケトンを用い、前記下引
き層と同様な方法で円筒状支持体1の下端部の塗膜を除
去した。その後、100℃において10分間加熱乾燥
し、膜厚0.8μmの電荷発生層を形成した。次に、電
荷発生層の上に電荷輸送層を塗布した後、溶剤としてジ
クロロメタンを用い、前記下引き層、電荷発生層と同様
な方法で円筒状支持体1の下端部の塗膜を除去した。そ
の後、110℃において1時間加熱乾燥し、膜厚20μ
mの電荷輸送層を形成し、下端部に塗膜のない電子写真
感光体を作製した。さらに、この塗膜除去装置の連続使
用時の耐久性の確認を試みたところ、2本目の塗膜除去
から、拭取り板8と円筒状支持体1とが接触する際およ
び離脱する際の衝撃で、拭取り板8の先端部に図12に
示すような変形が生じてしまい、塗膜除去が十分できな
くなった。
【0025】
【発明の効果】本発明の電子写真感光体の製造装置は、
上記のように、円筒状支持体上に形成されている塗膜に
拭取り板を接触させて塗膜を溶解する溶剤と共に不要な
塗膜を除去する際に、塗膜除去の開始前には拭取り板が
該塗膜表面に接触せず、円筒状支持体が所定の拭取り位
置において、拭取り板を該塗膜表面に接触摺動させて不
要な部分の塗膜除去を行い、塗膜除去が終了した後に、
拭取り板を塗膜除去面から離脱するので、連続使用して
も、拭取り板に変形や破損が生じることなく塗膜除去を
行うことができる。したがって、この製造装置を用いる
本発明によれば、感光体下端部に塗膜が存在しない電子
写真感光体を連続的かつ安定に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の電子写真感光体の製造装置の概略図
である。
【図2】 本発明の第1の実施態様に関し、塗膜除去開
始前および塗膜除去終了後の、円筒状支持体と拭取り板
との位置関係を示す図である。
【図3】 本発明の第1の実施態様に関し、塗膜除去時
の円筒状支持体と拭取り板との位置関係を示す図であ
る。
【図4】 本発明の第2の実施態様に関し、塗膜除去開
始前および塗膜除去終了後の円筒状支持体と拭取り板と
の位置関係を示す図である。
【図5】 本発明の第2の実施態様に関し、塗膜除去時
の円筒状支持体と拭取り板との位置関係を示す図であ
る。
【図6】 本発明の第2の実施態様に関し、図4に示し
た塗膜除去開始前の、円筒状支持体とガイドロールおよ
び拭取り板との位置関係を示す図である。
【図7】 本発明の第2の実施態様に関し、塗膜除去開
始前の、円筒状支持体1とガイドロールおよび拭取り板
との位置関係を示す図である。
【図8】 本発明の第2の実施態様に関し、図5に示し
た塗膜除去時の円筒状支持体とガイドロールおよび拭取
り板の位置関係を示す図である。
【図9】 従来の塗膜除去装置における、塗膜除去開始
前および塗膜除去終了後の、円筒状支持体と拭取り板と
の位置関係を示す図である。
【図10】 従来の塗膜除去装置における、塗膜除去時
の、円筒状支持体と拭取取り板との位置関係を示す図で
ある。
【図11】 実施例1,2,3において、初期および連
続使用10,000本目における拭取り板の形状を示す
図である。また、比較例において、初期における拭取り
板の形状を示す図である。
【図12】 比較例において、連続使用2本目において
変形した拭取り板の形状を示す図である。
【符号の説明】
1…円筒状支持体、2…円筒状支持体保持具、3…オー
バーフローパン、4…溶剤排出口、5…円盤ベッセル、
6…溶剤供給口、7…拭取り板支持具、8…拭取り板、
9…リザーバータンク、10…ポンプ、11…フィルタ
ー、12…溶剤、13…スライダー、14…ガイドロー
ル。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 円筒状支持体上に形成されている塗膜に
    拭取り板を接触させて塗膜を溶解する溶剤と共に不要な
    塗膜を除去する電子写真感光体の製造方法において、前
    記拭取り板を接触させない状態で、または、接触させな
    がら円筒状支持体を所定の拭取り位置に配置させる工程
    と、前記拭取り板を円筒状支持体上の塗膜表面に摺動さ
    せ、塗膜を除去する工程と、その後、拭取り板を円筒状
    支持体の表面から離脱させる工程とを有することを特徴
    とする電子写真感光体の製造方法。
  2. 【請求項2】 塗膜を除去する工程において、前記拭取
    り板を円筒状支持体上の塗膜表面に対して法線方向から
    塗膜に接触させて摺動することを特徴とする請求項1記
    載の電子写真感光体の製造方法。
  3. 【請求項3】 塗膜を除去する工程において、前記拭取
    り板を前記塗膜に接触させるに際して、拭取り板を円筒
    状支持体の軸に垂直な面における法線に対して角度をな
    す方向から塗膜に接触させることを特徴とする請求項1
    記載の電子写真感光体の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記塗膜を除去する工程において、前記
    拭取り板を塗膜に接触させるに際して、拭取り板を円筒
    状支持体の軸に対して垂直な面上を円弧状に移動して塗
    膜表面に接触させることを特徴とする請求項3記載の電
    子写真感光体の製造方法。
  5. 【請求項5】 溶剤を保持する溶剤皿と、該溶剤皿と円
    筒状支持体とを相対的に回転させる手段と、該溶剤皿の
    内側に設けられ、前記円筒状支持体に対して接触および
    離脱可能に設けた拭取り板と、該拭取り板を移動させる
    移動手段とを有することを特徴とする電子写真感光体の
    製造装置。
  6. 【請求項6】 拭取り板が円筒状支持体の塗膜の法線方
    向に移動するように設置されていることを特徴とする請
    求項5記載の電子写真感光体の製造装置。
  7. 【請求項7】 前記拭取り板が前記円筒状支持体の軸に
    垂直な面における法線に対して角度をなす方向に移動す
    るよう設置されていることを特徴とする請求項5記載の
    電子写真感光体
  8. 【請求項8】 拭取り板が円筒状支持体の軸に対して垂
    直な面上を円弧状に移動するように設置されていること
    を特徴とする請求項7記載の電子写真感光体の製造装
    置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003262966A (ja) * 2002-03-12 2003-09-19 Konica Corp 有機感光体、該有機感光体の製造方法、クリーニング方法及び画像形成装置
JP2006231202A (ja) * 2005-02-24 2006-09-07 Fuji Xerox Co Ltd 塗膜除去装置

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