JPH0933245A - 散乱断面積測定装置 - Google Patents

散乱断面積測定装置

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JPH0933245A
JPH0933245A JP7189349A JP18934995A JPH0933245A JP H0933245 A JPH0933245 A JP H0933245A JP 7189349 A JP7189349 A JP 7189349A JP 18934995 A JP18934995 A JP 18934995A JP H0933245 A JPH0933245 A JP H0933245A
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Yoshio Inasawa
良夫 稲沢
Hiroaki Miyashita
裕章 宮下
Shigeru Makino
滋 牧野
Motoi Yanagisawa
基 柳沢
Yonehiko Sunahara
米彦 砂原
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来の方法は被測定体を2軸方向に回転させ
る必要があり、大形、大重量の被測定体では散乱断面積
が測定できないという課題があった。 【解決手段】 被測定体を乗せて設定角度以上に回転が
可能な支持回転機構と、支持回転機構から測定波長で決
まる距離以上離れて被測定体に対して上下方向に移動す
る上下移動機構と、上下移動機構に取り付けた送受信器
を備え、送受信器を用いて被測定体との角度と高さ方向
で形成された測定面へのフレネル変換に基づく散乱界値
を所定の円筒面範囲で積算して得られる反射源分布を、
被測定体相当の範囲で積算して遠方の散乱断面積を得る
ようにした。また更に、上下移動機構に換えて同等機構
を、また支持回転機構を固定支持機構として上下移動機
構側を対応して回転機構または相当機構とした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、被測定物内ある
いは上記被測定物の近傍でのフレネル領域の散乱界測定
値を用いた散乱断面積測定装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の散乱断面積測定方法として、D.G.
FALCONERが文献1(IEEE Trans. Antennas Propagat.,v
ol.AP-36,pp.822-829,June 1988 )で、球面部分領域の
フレネル領域の散乱界から遠方散乱断面積を求める方法
を提案している。この手法について説明する。上記文献
1における測定のための構成を図10に示す。ここで、
XYZ座標系の原点近傍の被測定物のXおよびY方向の
最大径をD、Z方向の最大径をH、測定に用いる電波の
波長をλ、波数をk、被測定物への入射電界をEi とす
る。この座標系において、原点から距離R離れたZ軸近
傍のαおよびβの走査角で定義される球面部分領域の散
乱電界を測定する。この際、αおよびβの範囲は文献1
中に述べられていることから次の式(1)から式(5)
で示される範囲を測定すれば十分である。
【0003】
【数1】
【0004】式(1)から式(5)を満たす範囲のαお
よびβの位置における散乱電界Es(R,α,β)から
XY平面上における等価的な反射源分布Oe (x,y)
は文献1の式(21)より次の式(6)で求められる。
更にこの等価的な反射源分布Oe (x,y)を用いるこ
とで、無限遠での散乱電界Es (∞,α,β)は、文献
1の式(20)より次の式(7)で求められる。
【0005】
【数2】
【0006】遠方での散乱断面積σは、式(7)で求め
られた無限遠での散乱電界Es (∞,α,β)および被
測定物への入射電界Ei を用い次式で求められる。
【0007】
【数3】
【0008】以上より、フレネル領域の球面部分領域の
散乱電界から遠方での散乱断面積を求めることができ
る。この方法に基づいた実施例を図11に示す。被測定
物1は2軸回転機構部3によりアジマスαおよびエレベ
ーションβの2方向に回転され、このα、βを式(1)
〜(5)の範囲に対応させて変化し、固定された送信機
5および受信機6によりフレネル領域の散乱界を測定す
る。この測定系より、被測定物1内あるいは被測定物1
の近傍に中心をもつ球面部分領域のフレネル領域の散乱
界を測定し、遠方の散乱断面積を求めることができる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】従来の散乱断面積測定
方法では、被測定物をα、β方向の2軸で回転する必要
がある。一方、回転機構部の構造から大きさおよび重量
に厳しい制限があるため、これらの制限外の大きい被測
定物は散乱断面積を測定できないという課題があった。
【0010】
【課題を解決するための手段】この発明に係る散乱断面
積測定装置は、被測定体を乗せて設定角度以上に回転が
可能な、また必要に応じて上下動する支持回転機構と、
この支持回転機構から測定波長で決まる必要距離以上離
れて被測定体に対して相対的に上下方向に移動する上下
移動機構と、この上下移動機構に取り付けた測定波長を
用いる送受信器を備え、送受信器を用いて被測定体との
角度と高さ方向で形成された測定面へのフレネル変換に
基づく散乱界値を所定の円筒面範囲で積算して得られる
反射源分布を、被測定体相当の範囲で積算して遠方の散
乱断面積を得るようにした。また更に、上下移動機構に
換えて同等機構を、また支持回転機構を固定支持機構と
して上下移動機構側を対応して回転機構または相当機構
とした。また更に、測定のための送受信器搭載部分を被
測定体に対して任意の距離が設定可能な距離可変上下移
動機構とし、被測定体との距離を変えて反射源分布を求
め、得られた反射源分布の平均値から被測定体相当の範
囲で積算して遠方の散乱断面積を得るようにした。また
更に、被測定体と送受信器搭載部分間に電波吸収体を敷
いて反射源分布を求め、得られた反射源分布を被測定体
相当の範囲で積算して遠方の散乱断面積を得るようにし
た。
【0011】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.本発明では課題を解決するため、被測定
体を乗せる支持回転体を2軸の回転ではなく、1回転ま
たは相当、つまりまたは支持回転せずに支持するのみと
して測定側で1軸回転する構造とし、この構造で断面積
が求まるように散乱界の反射源分布と、それから散乱断
面積が求められる座標系を採用した。図1はこの発明の
散乱断面積測定に係る概念の説明図である。図における
XYZ座標系の原点Oの近傍に被測定物1があり、この
XおよびY方向の最大径をD、Z方向の最大径をH、送
受信点PをXZ面に射影した点をP’、原点OとP’の
距離をρ、Z軸の正の方向に原点Oから距離ρ離れた位
置をO’、φ=∠P’OO’、θ=∠POP’とする。
送受信位置P(ρ,φ,θ)はXYZ座標系で、(ρs
inφ,ρtanθ,ρcosφ)で表され、ρを一定
とし、走査角をφ、θとする円筒面部分領域の散乱電界
を測定し、遠方散乱断面積を求める。ここで、測定波長
をλ、波数をkとすると、測定する範囲は次に示す式
(9)から式(15)を満たすZ軸近傍でよい。
【0012】
【数4】
【0013】被測定物への入射電界をEi とし、式
(9)から式(15)を満たす位置における散乱電界E
s (ρ,φ,θ)からXY平面上における等価的な反射
源分布Oe (x,y)は次の式(16)で求められる。
この等価的な反射源分布Oe (x,y)を用いること
で、無限遠での散乱電界Es (∞,φ,θ)は次の式
(17)で求められる。更に、遠方での散乱断面積σは
この式(17)でもとめたEs (∞,φ,θ)および被
測定物への入射電界Ei より次の式(18)でもとめら
れる。
【0014】
【数5】
【0015】これら式(16)、(17)と、従来の式
(6)、(7)を比較すると、(16)式は係数として
exp(−ikρtan2 θ)がかかり、(17)式は
2ikρに対してikρtan2 θの項の付加されてい
ることが判る。これらの項が従来の曲面座標系から図1
の円筒座標系での近似計算で変更になった部分である。
以上より、式(9)から式(15)を満たすフレネル領
域の円筒面部分領域の散乱電界を測定し、式(16)か
ら式(18)に従い、遠方散乱断面積を測定することが
できる。
【0016】図2は実施の形態1の具体的な散乱断面積
測定装置の構成図である。図において、1は被測定物、
2は被測定物支持台、4は回転機構部支持台、5は送信
機、6は受信機、7は送受信機支持台、8は1軸回転機
構部、9は上下移動機構部である。被測定物1は1軸回
転機構部8上に設置された被測定物支持台2上に置か
れ、水平方向に回転する。送信機5および受信機6は上
下移動機構部9に設置され、上下に移動する。このと
き、式(9)から式(15)を満たすθの最大値をθma
x 、被測定物と送受信位置までの距離をρとし、2ρt
anθmax の距離を上下に移動する。この実施例は、回
転機構部として1軸制御のみの回転機構部で構成されて
おり、従来例に比べて、大きさの制限が緩和され、より
大きい被測定物の遠方散乱断面積が求められる。
【0017】次にこの測定装置を使用した遠方散乱断面
積の測定方法について説明する。まず、被測定物1が静
止した状態で、送信機5および受信機6を上下に連続的
あるいは断続的に移動させながら散乱界を測定する。即
ち、式(16)を求めるため、まず上下方向に動かすこ
とでy方向、つまりρtanθ方向にディスクリートで
測定したものを加算して積分相当とする。次に被測定物
1をある角度だけ回転させ静止させる。つまりφ方向に
Δφだけ変化させる。この状態で上下方向に動かすこと
で、y方向の加算をする。こうしてφ方向にΔφだけ変
化させてy方向の加算値を得てゆく手順を重ねること
で、θ方向とは異なるφ方向の積分相当の結果が得られ
る。こうして散乱界ES が求まり、式(16)に基づい
て被測定体の最大座標範囲程度の反射源分布が求まる。
従って、式(17)に基づき上記得られた等価的な反射
源分布0e (x,y)を用い、被測定体の最大座標範囲
程度の2重成分相当のx,y方向に加算して散乱界が求
められ、更に式(18)により、遠方散乱断面積を測定
できる。
【0018】この測定系における遠方散乱断面積の測定
方法として、被測定物1を回転させながら送信機5およ
び受信機6を上下に連続的あるいは断続的に移動させな
がら散乱断面積を測定する方法も考えられる。
【0019】実施の形態2.図3は実施の形態2におけ
る散乱断面積測定装置の構成図である。図において、1
は被測定物、2は被測定物支持台、4は回転機構部支持
台、5aは送信機1、5bは送信機2、5cは送信機
n、6aは受信機1、6bは受信機2、6cは受信機
n、7は送受信機支持台、8は1軸回転機構部、9は上
下移動機構部である。被測定物1は1軸回転機構部8上
に設置された被測定物支持台2上に置かれ、水平方向に
回転する。送信機5a、5b、5cおよび受信機6a、
6b、6cは送受信機支持台7の上下方向に1つ以上
(1〜n)設置されている。このとき、式(9)から式
(15)を満たすθの最大値θmax 、被測定物の大きさ
D、測定波長λより、XY平面上における等価的な反射
源分布Oe (x,y)の分解能はλ/(4tanθmax
)であり、送受信機の数nは次式を満たすように決定
される。
【0020】
【数6】
【0021】この例は、回転機構部として1軸制御のみ
の回転機構部で構成されており、大きさの制限が緩和さ
れ、より大きい被測定物の遠方散乱断面積が求められ
る。
【0022】次にこの測定系における遠方散乱断面積の
測定方法について説明する。被測定物1を回転させなが
ら送受信機支持台7の上下方向に設置された送受信機
(1〜n)で散乱界を測定する。円筒面部分領域のフレ
ネル領域の散乱界を測定でき、従って遠方散乱断面積を
測定できる。この実施の形態は送受信機の組を複数必要
とするが、実施の形態1と比べて送受信機を移動する必
要がないため、より短い時間で散乱断面積を測定でき
る。
【0023】実施の形態3.図4は実施の形態3におけ
る散乱断面積測定装置の構成図である。図において、1
は被測定物、2は被測定物支持台、5は送信機、6は受
信機、7は送受信機支持台、9は上下移動機構部、10
は送受信機支持台移動部、11は移動用レールである。
被測定物1は固定された被測定物支持台2上に置かれ
る。送信機5および受信機6は上下移動機構部9に設置
され、上下に移動する。また、上下移動機構部9が設置
されている送受信機支持台7は、上記被測定物1内ある
いは上記被測定物1の近傍に中心軸をもつ円弧上を移動
用レール11に沿って移動する。ここで数(9)から式
(15)を満たすφの最大値をφmax とすると、−φma
x 〜+φmax に相当する距離を送受信機支持台7が移動
する。この実施の形態は、被測定物1を回転させる回転
機構部が不要なため、従来例および実施の形態2、3に
比べて、更に大きさの制限が緩和され、より大きい被測
定物の遠方散乱断面積が求められる。
【0024】次にこの測定系における遠方散乱断面積の
測定方法について説明する。被測定物1を被測定物支持
台2上に設置した後、まず、送受信機支持台7が静止し
た状態で送信機5および受信機6を上下に連続的あるい
は断続的に移動し、散乱界を測定する。次に送受信機支
持台7をある距離だけ移動させ静止させる。この2つの
手順を繰り返すことにより、円筒面部分領域のフレネル
領域の散乱界が測定でき、従って遠方散乱断面積が測定
できる。
【0025】この測定系における遠方散乱断面積の測定
方法として、送受信機支持台7が移動している状態で、
送信機5および受信機6を上下に連続的あるいは断続的
に移動させながら散乱断面積を測定する方法も考えられ
る。
【0026】実施の形態4.図5は実施の形態4におけ
る散乱断面積測定装置の構成図であり、実施の形態2と
実施の形態3を組み合わせたものである。図において、
1は被測定物、2は被測定物支持台、5aは送信機1、
5bは送信機2、5cは送信機n、6aは受信機1、6
bは受信機2、6cは受信機n、7は送受信機支持台、
10は送受信機支持台移動部、11は移動用レールであ
る。被測定物1は固定された被測定物支持台2上に置か
れる。送信機5a、5b、5cおよび受信機6a、6
b、6cは送受信機支持台7の上下方向に1つ以上(1
〜n)設置されている。また、送受信機支持台7は上記
被測定物1内あるいは上記被測定物1の近傍に中心軸を
もつ円弧上を移動用レール11に沿って移動することが
できる。この実施の形態は、実施の形態2と実施の形態
3の特徴を併せ持っている。
【0027】次にこの測定系における遠方散乱断面積の
測定方法について説明する。被測定物1を被測定物支持
台2上に設置した後、送受信機支持台7の上下方向に設
置された送受信機(1〜n)で散乱界を測定する。円筒
面部分領域のフレネル領域の散乱界を測定し、従って遠
方散乱断面積を測定する。
【0028】実施の形態5.図6は実施の形態5におけ
る散乱断面積測定装置の構成図であり、実施の形態2の
思想をφの角度方向に適用したものである。図におい
て、1は被測定物、2は被測定物支持台、5aは送信機
1、5bは送信機2、5cは送信機n、6aは受信機
1、6bは受信機2、6cは受信機n、7は送受信機支
持台、9は上下移動機構部である。被測定物1は固定さ
れた被測定物支持台2上に置かれる。送信機5a、5
b、5cおよび受信機6a、6b、6cは上記被測定物
1内あるいは上記被測定物1の近傍に中心軸をもつ円弧
上の上下移動機構部9に1つ以上(1〜n)設置されて
おり、これらの送受信機は同時に上下方向に移動するこ
とができる。この場合のnの数も、実施の形態2での式
(19)相当の分解能で決まる。この実施の形態も、実
施の形態2と同等の特徴がある。
【0029】次にこの測定系における遠方散乱断面積の
測定方法について説明する。被測定物1を被測定物支持
台2上に設置した後、円弧上に配列された送受信機(1
〜n)が上下に移動しながら散乱界を測定する。円筒面
部分領域のフレネル領域の散乱界を測定し、従って遠方
散乱断面積を測定する。
【0030】実施の形態6.図7は実施の形態6におけ
る散乱断面積測定装置の構成図であり、実施の形態2と
実施の形態5を組み合わせたものである。図において、
1は被測定物、2は被測定物支持台、5aaは送信機1
1、5abは送信機12、5acは送信機1n、5ba
は送信機21、5bbは送信機22、5caは送信機n
1、5cbは送信機nn、6aaは受信機11、6ab
は受信機12、6acは受信機1n、6baは受信機2
1、6bbは受信機22、6caは受信機n1、6cb
は受信機nn、7は送受信機支持台である。被測定物1
は固定された被測定物支持台2上に置かれる。送信機5
aa〜5cbおよび受信機6aa〜6cbは、上記被測
定物1内あるいは上記被測定物1の近傍に中心軸をもつ
円筒面上に1つ以上(11〜nn)配列され、送受信機
支持台7に設置されている。この実施の形態は、実施の
形態2と実施の形態5の特徴を併せ持ち、送受信機数は
最も多くいるが、短時間測定が可能である。
【0031】次にこの測定系における遠方散乱断面積の
測定方法について説明する。被測定物1を被測定物支持
台2上に設置した後、円筒面上に2次元に配列された送
受信機(11〜nn)を用いX,Y方向に走査して散乱
界を測定する。他の実施の形態と同様、円筒面部分領域
のフレネル領域の散乱界を測定し、従って遠方散乱断面
積を測定する。
【0032】本実施の形態における円筒面上に2次元に
配列された送受信機(11〜nn)と実施の形態などで
示した1軸回転機構あるいは実施の形態3などで示した
円弧上を移動する機構と併用することにより、本実施の
形態よりも送受信機の数を減らし、かつ実施の形態1な
いし5よりも測定時間を短くする測定方法も考えられ
る。
【0033】実施の形態7.実施の形態7は先の実施形
態と併用する測定方法である。先に述べた実施の形態で
は、地面の反射波などがない理想的な状況を想定してい
るが、実際には測定される散乱界には被測定物からの直
接の散乱波の他に、誤差要因となる地面からの反射波な
ども含めて測定される。ここに、被測定物と送受信位置
までの距離ρをn回変えて測定することにより、これら
の誤差要因を低減する方法を説明する。ρ=ρl(l=
1,・・,n))のときの散乱電界El s(ρl ,φ,
θ)は、被測定物からの直接の散乱波El sd (ρl
φ,θ)と地面などからのマルチパス波El sr (ρl
φ,θ)の和で表される。
【0034】
【数7】
【0035】このとき、El s(ρl ,φ,θ)、El sd
(ρl ,φ,θ)、El sr (ρl ,φ,θ)を式(1
6)で変換したものを、それぞれOe l(x,y)、Oed
l (x,y)、 Oer l (x,y)とすると次の式(2
1)が成り立つ。ここで、Oed l (x,y)は散乱体か
らの直接の散乱波から求められた反射源分布なので、す
べて等しい。Oed l (x,y)=Oed(x,y)(l=
1,・・,n)とし、n個のOe l(x,y)を平均した
ものをOe a(x,y)とすると、式(22)が成り立
つ。
【0036】
【数8】
【0037】ここで、式(16)は、被測定物による直
接の散乱波に対して反射源分布を求める式であり、Oer
l (x,y)のような地面からの反射波などを変換した
ものは距離lによって位相が異なるため、ΣOer l
(x,y)の各項どうし打ち消しあい、近似的に次の式
(23)が成り立つ。
【0038】
【数9】
【0039】従って、ρ=ρl のときの散乱電界E
l s(ρl ,φ,θ)から求めたOe l(x,y)よりも、
n個のOe l(x,y)を平均したOe a(x,y)の方
が、理想的な反射源分布Oed(x,y)に近く、地面の
反射などのマルチパスの影響を低減し、高精度に散乱断
面積を求めることができる。
【0040】図8は実施の形態1において上記の多点で
の距離lを変える散乱断面積測定装置の構成図である。
図において、1は被測定物、2は被測定物支持台、4は
回転機構支持部、5は送信機、6は受信機、7は送受信
機支持台、9は上下移動機構部、10は送受信機支持台
移動部、11は移動用レールである。送信機5および受
信機6は送受信機支持台7に設置され、上記被測定物1
内あるいは上記被測定物1の近傍を中心とし、径方向に
設置されている移動用レール11上を移動する。このと
き、式(9)を満たす複数の距離で測定を行い、上記方
法に従うと、高精度に散乱断面積が求められる。
【0041】例えば、マルチパスの影響が30%程度あ
るとき、6回の異なる距離での測定を行うと、式(2
1)、式(22)により、マルチパスの影響を5%程度
に押さえられる。
【0042】実施の形態8.実施の形態8は先の実施の
形態と併用する測定方法である。実際に測定される散乱
界には被測定物からの直接の散乱波の他に、誤差要因と
なる地面からの反射なども含めて測定される。地面上に
電波吸収体を設置することで、この地面からの反射の影
響を低減できる。被測定物からの直接の散乱波をE
sd(ρ,φ,θ)、電波吸収体がないときの地面からの
反射波をEsr(ρ,φ,θ)、電波吸収体の反射係数を
Rとすると、測定される散乱電界Es(ρ,φ,θ)は
次の式(24)で表される。
【0043】
【数10】
【0044】例えば、電波吸収体の反射係数Rを0.1
とすると、地面からの反射波を10%に低減できること
が分かる。従って、電波吸収体を設置することにより測
定される散乱電界は被測定物からの直接の散乱波E
sd(ρ,φ,θ)に近づくため、より高精度に散乱断面
積を測定できる。
【0045】図9は実施の形態1に本実施の形態の電波
吸収体を併用した散乱断面積測定装置の構成図である。
図において、1は被測定物、2は被測定物支持台、4は
回転機構支持部、5は送信機、6は受信機、7は送受信
機支持台、9は上下移動機構部、12は電波吸収体であ
る。被測定物1と送信機5および受信機6間の床あるい
は大地上に電波吸収体12を設置することで、床あるい
は大地の反射の影響を押さえて、より高精度に遠方の散
乱断面積を決定する。
【0046】
【発明の効果】上述のようにこの発明によれば、被測定
物の近傍散乱界デ−タから被測定物の散乱断面積を測定
する散乱断面積測定方法において、座標系を変えて被測
定物内あるいは上記被測定物の近傍に中心軸をもつ円筒
面部分領域の散乱界の測定値を用い、遠方の散乱断面積
を決定する。この円筒面部分領域の散乱界の測定値は、
被測定物を固定あるいは1軸制御のみの回転機構部から
なる測定系で実現するため、測定系を簡略化できるとい
う効果がある。また、従来例に比べて、大きさの制限を
緩和することができ、より大きい被測定物の遠方散乱断
面積を求めることができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の散乱断面積測定装置の概念説明図
である。
【図2】 この発明の実施の形態1の散乱断面積測定装
置の構成図である。
【図3】 この発明の実施の形態2の散乱断面積測定装
置の構成図である。
【図4】 この発明の実施の形態3の散乱断面積測定装
置の構成図である。
【図5】 この発明の実施の形態4の散乱断面積測定装
置の構成図である。
【図6】 この発明の実施の形態5の散乱断面積測定装
置の構成図である。
【図7】 この発明の実施の形態6の散乱断面積測定装
置の構成図である。
【図8】 この発明の実施の形態7の散乱断面積測定装
置の構成図である。
【図9】 この発明の実施の形態9の散乱断面積測定装
置の構成図である。
【図10】 従来の散乱断面積測定装置の概念説明図で
ある。
【図11】 従来の散乱断面積測定装置の構成図であ
る。
【符号の説明】
1 被測定物、2 被測定物支持台、3 2軸回転機構
部、4 回転機構部支持台、5 送信機、6 受信機、
5a 送信機1、5b 送信機2、5c 送信機n、6
a 受信機1、6b 受信機2、6c 受信機n、5a
a 送信機11、5ab 送信機12、5ac 送信機
1n、5ba 送信機21、5bb 送信機22、5c
a 送信機n1、5cb 送信機nn、6aa 受信機
11、6ab 受信機12、6ac 受信機1n、6b
a 受信機21、6bb 受信機22、6ca 受信機
n1、6cb 受信機nn、7 送受信機支持台、8
1軸回転機構部、9 上下移動機構部、10 送受信機
支持台移動部、11 移動用レール、12 電波吸収
体。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 柳沢 基 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内 (72)発明者 砂原 米彦 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被測定体を乗せて設定角度以上に回転が
    可能な、また必要に応じて上下動する支持回転機構と、 上記支持回転機構から測定波長で決まる必要距離以上離
    れ、上記被測定体に対して相対的に上下方向に移動する
    上下移動機構と、 上記上下移動機構に取り付けた上記測定波長を用いる送
    受信器を備え、 上記送受信器を用いて被測定体との角度と高さ方向で形
    成された測定面へのフレネル変換に基づく散乱界値を所
    定の円筒面範囲で積算して得られる反射源分布を、上記
    被測定体相当の範囲で積算して遠方の散乱断面積を得る
    散乱断面積測定装置。
  2. 【請求項2】 基本構成における上下移動機構に換えて
    同等位置に、上下方向に複数の送受信器用測定端子の組
    を設けた送受信器支持機構を備えたことを特徴とする請
    求項1記載の散乱断面積測定装置。
  3. 【請求項3】 基本構成における支持回転機構に換え
    て、角度は固定の固定支持機構とし、また基本構成にお
    ける上下移動機構を、被測定体に対して設定角度以上に
    回転可能な回転上下移動機構としたことを特徴とする請
    求項1記載の散乱断面積測定装置。
  4. 【請求項4】 また更に、回転上下移動機構に換えて、
    上下機構をなくして上下方向に複数の送受信器用測定端
    子の組を設け、かつ被測定体に対して設定角度回転可能
    な送受信器支持回転機構としたことを特徴とする請求項
    3記載の散乱断面積測定装置。
  5. 【請求項5】 また更に、回転上下移動機構に換えて、
    角度方向には移動せずに被測定体に対して円弧状で該円
    弧面に複数の送受信器用測定端子の組を設けた円弧状上
    下移動機構としたことを特徴とする請求項3記載の散乱
    断面積測定装置。
  6. 【請求項6】 また更に、回転上下移動機構に換えて、
    角度方向上下方向共に移動せずに固定で、被測定体に対
    して円筒状で該円筒面に複数の送受信器用測定端子の組
    を設けた円筒面送受信器支持機構としたことを特徴とす
    る請求項3記載の散乱断面積測定装置。
  7. 【請求項7】 また基本構成において、上下移動機構相
    当を被測定体に対して任意の距離が設定可能な距離可変
    上下移動機構とし、上記被測定体との距離を変えて反射
    源分布を求め、該得られた反射源分布の平均値から被測
    定体相当の範囲で積算して遠方の散乱断面積を得るよう
    にしたことを特徴とする請求項1ないし請求項3記載の
    散乱断面積測定装置。
  8. 【請求項8】 また基本構成に更に、被測定体と上下移
    動機構相当間に電波吸収体を敷き、該状態で反射源分布
    を求め、該得られた反射源分布を被測定体相当の範囲で
    積算して遠方の散乱断面積を得るようにしたことを特徴
    とする請求項1ないし請求項3記載の散乱断面積測定装
    置。
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