JP4578603B2 - アンテナ測定装置及びアンテナ測定方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は高周波数帯に共振周波数を有するアンテナの放射特性を測定するアンテナ測定装置及びアンテナ測定方法に係り、特に被測定アンテナやプローブを高精度に位置決めする装置を必要とせず、振幅分布のみの測定から被測定アンテナの放射特性を得ることができるアンテナ測定装置及びアンテナ測定方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
アンテナの放射特性などを測定する方法を大きく分けると遠方界測定法と、近距離からの測定として近傍界測定法とがある。これらを簡単に説明すると、遠方界測定法は被測定アンテナを回転させながら十分に遠方に設置された対向アンテナとの間の伝達電力を測定し、この時の回転角度と伝達電力との関係から被測定アンテナの指向性などの放射特性を測定するものである。この測定に必要なアンテナ間の距離は、通常、アンテナの開口端と中心部との位相差がπ/8以下となるように下記の式の関係に従って設定される。
R≧2(D1 +D2 )2 /λ
Rはアンテナ間の距離、D1 、D2 は送受信アンテナの最大開口寸法である。
【0003】
しかしながら、上記遠方界測定にてサブミリ波などの高周波数に共振周波数を有するアンテナの放射特性を測定しようとする場合では、その使用波長が短いために上記式から測定に必要なアンテナ間距離Rが、非常に大きくなってしまう。このため、十分なダイナミックレンジが確保できないという問題がある。
【0004】
これに対して、近傍界測定方法はアンテナの放射近傍界領域において電磁界の振幅及び位相を測定し、これらに厳密な電磁界理論に基づいた演算を施してアンテナの放射特性を得るものであり、上記遠方界測定と比較して大きなアンテナ間距離を必要としない。具体的には、被測定アンテナとプローブとの距離が近いために周囲で反射した電磁波による影響を除くために電波暗室内で測定を行い、被測定アンテナの開口近傍における電界(若しくは磁界)の振幅分布、位相分布を測定して開口分布を求め、この開口分布に厳密な電磁界理論に基づいた演算を施してアンテナの放射特性を得るものである。
【0005】
しかしながら、近傍界測定では、被測定アンテナの位相分布を測定するために被測定アンテナとプローブとの位置を高精度に決定する必要がある。さらに、被測定アンテナがサブミリ波などの高周波数帯に共振周波数を有する場合には、この位置精度に非常に敏感であり、測定器の誤差、ケーブルの温度変化、及び被測定アンテナやプローブの設置アライメント誤差などから、その位相分布を測定することが非常に困難であった。
【0006】
この近傍界測定における問題を解決する手段としてフェーズリトリーバル法がある。これは被測定アンテナを異なる2測定点に交互に置き、異なる2測定点における被測定アンテナの振幅分布を測定し、この振幅分布から位相分布を推定するものである。被測定アンテナの振幅分布は、プローブで被測定アンテナから送信された電磁波の伝達電力の測定から求められ、位相分布測定と比較して被測定アンテナとプローブとの位置を高精度に決定する必要がない。
【0007】
図6は、例えばO.M.Bucci et.al.“Far-Field Pattern Determination from Near-Field Amplitude on Two Surfaces”,IEEE Trans.on Antennas and propagation Vol.38,No.11,Nov.1990に示された従来のフェーズリトリーバル法を使用するアンテナ測定装置の概略的な構成を示す図である。図において、100は被測定アンテナ、102は被測定アンテナ100から送信された電磁波を検出するプローブで、103はプローブ102をX軸方向やY軸方向に摺動させるXYスキャナである。104aはプローブ102で検出した電磁波から被測定アンテナ100の振幅分布などを求める受信器、105は受信器104aが求めた振幅分布などからフェーズリトリーバル法に沿って被測定アンテナ100の放射特性を演算する演算処理器、106は被測定アンテナ100の回転台、107はZ軸方向に被測定アンテナ100を進退自在に摺動させるZ軸レール、112は被測定アンテナ100の送信器である。
図7はフェーズリトリーバル法による被測定アンテナ100の位相分布の算出過程を示すフロー図である。
【0008】
次に動作について説明する。
XYスキャナ103を摺動させるか若しくは被測定アンテナ100をZ軸レール107上で移動させて、被測定アンテナ100の任意の位置(z=R1)を測定面とする。このあと、送信器112により被測定アンテナ100がプローブ102に向けて電磁波を放射する。この被測定アンテナ100から放射された電磁波を、XYスキャナ103で位置決めしたプローブ102で検出する。受信器104aはプローブ102で検出した電磁波からz=R1における振幅分布を求める。次に、XYスキャナ103をさらに摺動させるか若しくは被測定アンテナ100をZ軸レール107上で移動させて、被測定アンテナ100の上記以外の位置(z=R2)を測定面とする。このあと、上記と同様にしてz=R2における振幅分布を求める。
【0009】
次に、上記のようにして求めた被測定アンテナ100の振幅分布(z=R1,R2)を用いて、演算処理器105にて図7に示すフェーズリトリーバル法による処理を行い、被測定アンテナ100の位相分布を算出する。また、図6に示すxyz座標系は、被測定アンテナ100の開口上に電磁波の放射される方向をz軸とし、開口部の中央を原点と定義する。
先ず、z=R1における被測定アンテナ100の振幅分布、及び位相分布の初期値として適当な値を処理対象として設定する(ステップST100)。
【0010】
次に処理対象とする測定点をz=R1からz=R2にフィールド変換し、上記ステップST100において設定したz=R1における振幅分布を、z=R2における振幅分布とし、これと上記位相分布の初期値とから、z=R2における位相分布を算出する(ステップST101,ステップST102)。
【0011】
上記ステップST102においてz=R2にフィールド変換された振幅分布を、z=R2において測定された振幅分布と置き換える(ステップST103,ステップST104)。
【0012】
次に処理対象とする測定面をz=R2からz=R1にフィールド変換し、ステップST103で求めたz=R2における振幅分布を、z=R1における振幅分布とし、これとステップST102で求めたz=R2における位相分布とから、z=R1における被測定アンテナ100の位相分布を算出する(ステップST104,ステップST106)。
【0013】
上記ステップST106においてz=R1にフィールド変換された振幅分布を、z=R1において測定された振幅分布と置き換える(ステップST107,ステップST108)。
【0014】
次に、再び処理対象とする測定面をz=R1からz=R2にフィールド変換し、上記ステップST108でのz=R1における振幅分布を、測定点R2における振幅分布とし、これとステップST106で算出したz=R1における位相分布とから、z=R2における被測定アンテナ100の位相分布を算出する(ステップST109)。
【0015】
ステップST110において、ステップST109で求めたz=R2における振幅分布と、上記実際に測定して求めたz=R2における振幅分布とを比較して、その差が十分に小さくなり収束した場合には処理を終了し、それ以外の場合にはステップST102に戻って上記ステップを繰り返し行う。上記のように実測値との差が最小に収束したときのz=R1,R2における被測定アンテナ100の振幅分布から推定される位相分布が、このフェーズリトリーバル法における解である。
【0016】
なお、任意の測定面における被測定アンテナ100の電界の振幅分布及び位相分布が求められると、これらに電磁界理論に基づく演算を施して、他の任意の位置にフィールド変換することが可能である。これにより、上記のようにして推定された被測定アンテナ100の位相分布並びに振幅分布を用いて、被測定アンテナ100の開口分布、及び放射パターンなどの諸特性を算出することができる。
【0017】
また、上記ではプローブ102をX軸方向若しくはY軸方向に走査して、被測定アンテナ100の測定を行う例を示したが、例えばプローブ102をX軸方向に摺動自在とし、被測定アンテナ100をx軸に平行な軸まわりに回転自在な回転台上に設置して、円筒走査してもよい。さらに、x軸、y軸まわりに回転自在の回転台上に被測定アンテナ100を設置して球面走査してもよい。
【0018】
一方、近傍界測定において、プローブには開口径を十分に小さくして、極力無指向性に近い受信用アンテナを用いるが、実際には若干の指向性を有する。この場合、プローブの指向性を考慮した補正を行って被測定アンテナの放射特性を求める。図8は、例えばA.G.Pepjar et.al.“Accurate Determination of Planar Near-Field Correction Parameters for Linearly Polarized Probes”,IEEE Trans.on Antennas and propagation Vol.36,No.6,Nov.1988 に示された従来のプローブの指向性補正を行う近傍界測定を説明する説明図である。なお、図6と同一構成要素には同一符号を付して重複する説明を省略する。図8におけるアンテナ装置は図7と同様のフェーズリトリーバル法によって被測定アンテナ100の放射特性を求め、これにプローブの指向性補正を行うものである。
【0019】
次にプローブの指向性補正について説明する。
図8に示すようにプローブ102は指向特性を有しており、このプローブ102を用いて測定される被測定アンテナ100の電磁波の受信レベルは、上記指向特性による誤差を含んでいる。この誤差の補正は指向特性による誤差を含んだプローブ102の受信レベルと既知のプローブ102のフーリエスペクトルを用いて行う。
【0020】
先ず、プローブ102の開口面を含む平面をスキャン平面とし、被測定アンテナ100の開口の中心からスキャン平面を貫く直線の交点を原点とするXY座標系を定義する。また、スキャン平面上におけるプローブ102の開口部の中心位置を測定点Pとし、上記と同様にして被測定アンテナ100から放射された電磁波を検出する。
ここで、測定点Pにおける受信レベルb’(P)は下記式のように表される。
【数1】
但し、A1 はアンテナの入力係数、KはXY平面内での波数ベクトル、t(K)は被測定アンテナ100のフーリエスペクトルで、r’(K)はプローブ102の既存のフーリエスペクトルである。γはZ軸方向を含めた波数ベクトルをk=kx ex +ky ey +kz ez としたときに、γ2 =k2 −K2 で表される量である。dは被測定アンテナ100とプローブ102との間の距離を示す。また、Pは測定点Pのベクトルを表す。
【0021】
上記式(1)から分かるようにプローブ102を用いて受信される受信レベルb’(P)にはプローブ102自体のフーリエスペクトルr’(K)の特性を含んでおり、これがプローブ102の誤差となる。そこで、このプローブ102自体のフーリエスペクトルr’(K)を除く過程について説明する。
【0022】
先ず、式(1)をフーリエ逆変換すると、プローブ102の指向性による誤差を含んだ測定値のフーリエスペクトルD’(K)を下記式のように求めることができる。
【数2】
ここで、t(K)及びr’(K)は次のように主偏波成分と交差偏波成分とに分けられるので、
t(K)=tm (K)em +tc (K)ec
r’(K)=r’m (K)em +r’c (K)ec ・・・(3)
と表せる。ここで、添え字のmは主偏波成分、cは交差偏波成分を表す。上記測定において被測定アンテナ100及びプローブ102の交差偏波成分が十分に低い場合には、
tm (K)=D’(K)/r’m (K) ・・・(4)
となり、このtm (K)がプローブ102の指向性が補正された被測定アンテナ100のフーリエスペクトルである。なお、プローブ102のスペクトルは測定値、計算値のいずれにおいても補正することができる。
【0023】
【発明が解決しようとする課題】
従来のアンテナ測定装置及びアンテナ測定方法は以上のように構成されているので、例えば平面走査近傍界測定装置では被測定アンテナをz軸方向に摺動し、異なる位置の測定面で測定を行わねばならず、摺動の際に設置アライメントの誤差を生じる可能性があるという課題があった。
【0024】
また、z軸摺動自在なアンテナ測定装置としなければならないために、高精度に位置決めが可能なZ軸レールなどの大掛かりな装置が必要であり、装置の製作にコストがかかるという課題があった。
【0025】
さらに、円筒走査近傍界測定装置、球面走査近傍界測定装置の場合、プローブをそれぞれ走査の中心軸、中心点から動径方向に移動する必要があり、上記平面走査近傍界測定装置よりも高精度に位置決めすることが可能な移動装置が必要であり、装置の製作にコストがよりかかるという課題があった。
【0026】
この発明は上記のような課題を解決するためになされたもので、簡易に構成でき、サブミリ波などの高周波数帯に共振周波数を有するアンテナの測定を行うことが可能なアンテナ測定装置及びアンテナ測定方法を得ることを目的とする。
【0027】
【課題を解決するための手段】
この発明に係るアンテナ測定装置は、被測定アンテナと、この被測定アンテナに対向した位置に設けられ、被測定アンテナから放射された電磁波を受信する開口部の大きさ及び/若しくは形状が異なる複数のプローブと、この複数のプローブが同時に受信した電磁波から振幅分布を求め、この振幅分布と一様な位相分布とから被測定アンテナの位相分布を算出し、振幅分布及び位相分布から被測定アンテナの放射特性を求める演算処理手段とを備えるものである。
【0028】
この発明に係るアンテナ測定装置は、被測定アンテナと、この被測定アンテナに対向した位置に設けられ、被測定アンテナから放射された電磁波を受信し、被測定アンテナに対して水平な方向及び垂直な方向の長さが異なる開口部を有するプローブと、このプローブを回転自在に保持し、プローブの被測定アンテナに対して水平な方向と垂直な方向とを交互に切り換えるプローブ回転手段と、プローブが、被測定アンテナの励振方向に対するプローブの励振方向は変えずに各方向で受信した電磁波から振幅分布を求め、この振幅分布と一様な位相分布とから被測定アンテナの位相分布を算出し、振幅分布及び位相分布から被測定アンテナの放射特性を求める演算処理手段とを備えるものである。
【0029】
この発明に係るアンテナ測定装置は、プローブを被測定アンテナに対して水平及び/若しくは垂直な方向に摺動自在に保持する摺動手段を備えるものである。
【0030】
この発明に係るアンテナ測定装置は、プローブに対して水平及び/若しくは垂直な方向の軸まわりに回転自在に、被測定アンテナを保持する回転手段を備えるものである。
【0031】
この発明に係るアンテナ測定方法は、被測定アンテナの位相分布の初期値として一様分布を予め設定する初期値設定ステップと、開口部の大きさ及び/若しくは形状が異なる複数のプローブが、被測定アンテナから放射される電磁波を一括して受信し、この複数のプローブが受信した電磁波から振幅分布を求める振幅分布測定ステップと、振幅分布と位相分布とから演算用データを算出し、この演算用データから複数のプローブが有する指向性に起因する要素を取り除いて演算用データ補正値を求め、この演算用データ補正値に基づいて被測定アンテナの測定面における振幅分布及び位相分布を算出し、この振幅分布を複数のプローブが受信した電磁波から求めた各振幅分布と順次置き換えて、複数のプローブの各演算用データ補正値を求める補正変換ステップと、この補正変換ステップにより求めた複数のプローブの各演算用データ補正値を比較し、これらが一致したと判定する十分小さい値にこれらの差が収束するとき、その演算用データ補正値に基づいて被測定アンテナの振幅分布及び位相分布を求め、収束しないとき、補正変換ステップを繰り返す比較演算ステップとを備えるものである。
【0032】
この発明に係るアンテナ測定方法は、被測定アンテナの位相分布の初期値として一様分布を予め設定する初期値設定ステップと、被測定アンテナに対して水平な方向及び垂直な方向の長さが異なる開口部を有するプローブが、被測定アンテナに対して水平な方向及び垂直な方向で被測定アンテナから放射される電磁波を受信し、この各方向のプローブが受信した電磁波から振幅分布を求める振幅分布測定ステップと、振幅分布と位相分布とから演算用データを算出し、この演算用データから各方向のプローブが有する指向性に起因する要素を取り除いて演算用データ補正値を求め、この演算用データ補正値に基づいて被測定アンテナの測定面における振幅分布及び位相分布を算出し、この振幅分布を各方向のプローブが受信した電磁波から求めた各振幅分布と順次置き換えて、各方向のプローブの演算用データ補正値を求める補正変換ステップと、この補正変換ステップにより求めた各方向のプローブの演算用データ補正値を比較し、これらが一致したと判定する十分小さい値にこれらの差が収束するとき、その演算用データ補正値に基づいて被測定アンテナの振幅分布及び位相分布を求め、収束しないとき、補正変換ステップを繰り返す比較演算ステップとを備えるものである。
【0033】
この発明に係るアンテナ測定方法は、初期値設定ステップで設定する被測定アンテナの位相分布の初期値は、被測定アンテナの形状に基づいて算出される計算値を用いるものである。
【0034】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の一形態を説明する。
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1におけるアンテナ測定装置を概略的に示す図である。図において、1は被測定アンテナ、2aは第1プローブ(プローブ)、2bは第1プローブ2aより開口径が大きい第2プローブ(プローブ)で、これら第1プローブ2a及び第2プローブ2bはx軸に沿って並列に配置される。3は第1プローブ2a及び第2プローブ2bをx軸方向及びy軸方向に摺動させるxyスキャナ(摺動手段)である。4aは第1プローブ2a及び第2プローブ2bで検出した被測定アンテナ1の電磁波を2チャンネル受信可能な送受信器を示す。5は送受信器4aから入力される被測定アンテナ1に関わるデータを演算処理する演算処理器(演算処理手段)である。12は被測定アンテナ1に接続され、電磁波送信を行う送信器である。
また、図2はこの発明の実施の形態1によるアンテナ測定装置を使用したアンテナ測定方法の位相推定アルゴリズムを示すフロー図である。
【0035】
次に動作について説明する。
図示を省略したがプローブ2a,2bの各開口面を含む平面をスキャン平面とし、被測定アンテナ1の開口の中心からスキャン平面を貫く直線の交点を原点とするxyz座標系と定義する。
xyスキャナ3をx軸方向に沿って摺動させて、被測定アンテナ1より放射された電磁波を、プローブ2a,2bで同時に受信すると、プローブ2aはその開口部の中心位置Pn (測定点Pn )における信号を受信し、プローブ2bは既にプローブ2aが測定した測定点Pn-1 (Pn とPn−1とはx軸方向に並んだ点でx座標値がPn-1 <Pn である)における信号を受信する。次に、xyスキャナ3をx軸方向に沿って摺動させて、プローブ2bの開口部の中心位置が既にプローブ2aが測定した点Pn に達したときに信号を受信し、プローブ2aは次の測定点で信号を受信する。このようなステップをふんで被測定アンテナ1からの電磁波を受信する。これにより、最終的に得られるプローブ2a,2bによる振幅分布は、同じ間隔で同じ測定点におけるデータを有していることとなる。
【0036】
上記のようにして測定された2つのプローブ2a,2bから得られた振幅分布を用いて、図2に示すフローに沿って、演算処理器5により以下に述べるアルゴリズムで被測定アンテナ1の開口上での位相分布を求める。
先ず、演算処理器5内の不図示のメモリに、ある測定点P(このときの、被測定アンテナ1の測定面をz=Z1とする)において一様である位相分布P0(P)を初期値として設定する(初期値設定ステップ)。次に、例えば第1プローブ2aで検出した電磁波から被測定アンテナ1の振幅分布A1(P)を求める(振幅分布測定ステップ)。ここまでの操作が図2におけるステップST1に相当する。
【0037】
次に、ステップST2において、上記振幅分布A1(P)及び位相分布P0(P)に基づいて、被測定アンテナ1の放射特性を表すスペクトルを算出する(Pは測定点Pのベクトルを表す)。ここでは、平面走査であるので、上記振幅分布A1(P)及び位相分布P0(P)に対してフーリエ変換(図示ではFFT)を行うことができる。これにより、被測定アンテナ1の放射特性を表すスペクトルD1(K)(演算用データ)は、下記式のように求められる。
【数3】
但し、A1 は第1プローブ2aのアンテナの入力係数、KはXY平面内での波数ベクトル、γはZ軸方向を含めた波数ベクトルをk=kx ex +ky ey +kz ez としたときに、γ2 =k2 −K2 で表される量である。dは被測定アンテナ1と第1プローブ2aとの間の距離を示す。ここまでの操作が図2におけるステップST2及びステップST3に相当し、これらが振幅分布測定ステップとなる。
【0038】
第1プローブ2a自体の放射特性を表すスペクトルr1(K)は既知の値であり、これを用いて第1プローブ2aの指向性に起因する要素を取り除く補正を行う。ここで、r1(K)は複素数であり、被測定アンテナ1と第1プローブ2aの交差偏波成分が十分に小さいと仮定して、第1プローブ2aの指向性に起因する要素を取り除く補正を行った被測定アンテナ1の放射特性を表すスペクトルD1’(K)(演算用データ補正値)は下記式のように表される。
D1’(K)=D1(K)/r1(K) ・・・(6)
ここまでの操作が図2のステップST4からステップST6に相当する。
【0039】
ステップST6で求めた被測定アンテナ1のスペクトルD1’(K)に再びフーリエ変換を行って、測定面z=Z1における被測定アンテナ1の電界分布を算出する(ステップST7)。この実施の形態1ではプローブ2a,2bは平面走査であるので、上記電界分布の振幅分布をA1’(P)、位相分布をP1(P)とすると、電界分布は下記式のように表せる(ステップST8)。
【数4】
【0040】
次に第2プローブ2bで測定した電磁波から求めた被測定アンテナ1の振幅分布A2(P)を、演算処理器5内の不図示のメモリから読み出して(ステップST9)、この電界分布における振幅分布A1’(P)と置き換える(ステップST10)。振幅分布を置き換えた電界分布(振幅分布及び位相分布)を再びフーリエ変換(ステップST11)することにより、下記式で表される第2プローブ2bで観測されたデータのスペクトルD2(K)が得られる(ステップST12)。
【数5】
ここで、A2 は第2プローブ2bのアンテナの入力係数を示す。
【0041】
第1プローブ2aと同様に、第2プローブ2bも指向性を有するので、これによるスペクトルをr2(K)とし、これを用いて第1プローブ2aの指向性に起因する要素を取り除く補正を行う。ここで、r2(K)は複素数であり、被測定アンテナ1と第2プローブ2bの交差偏波成分が十分に小さいと仮定して、第2プローブ2bの指向性に起因する要素を取り除く補正を行った被測定アンテナ1の放射特性を表すスペクトルD2’(K)(演算用データ補正値)は下記式のように表される。
D2’(K)=D2(K)/r2(K) ・・・(9)
ここまでの操作が図2のステップST13からステップST15に相当し、ステップST4からステップST15までが補正変換ステップとなる。
【0042】
このあと、ステップST6で求めたD1’(K)とステップST15で求めたD2’(K)とを比較する(ステップST17)。この比較操作は、例えば下記式で表されるD1’(K)とD2’(K)との差εを用いて行う。
ε=|D2’(K)−D1’(K)|2 ・・・(10)
具体的にはD1’(K)の振幅分布とD2’(K)の振幅分布とを比較するので、これらをフーリエ変換(図示ではFFT)して振幅分布及び位相分布を求める(ステップST16)。
2つのスペクトルD1’(K),D2’(K)は同じ間隔で同じ測定点におけるデータを有している振幅分布から求めた被測定アンテナ1のスペクトルであるので、これらの差であるεは本来ならば零であるはずだが、プローブ2a,2bの形状の違いに由来する因子(プローブ2a,2bの指向性など)から、当初はD1’(K)とD2’(K)とは等しくならない。そこで、εが十分に小さい値を示せさず、これらの差が大きい場合は、ステップST19に進んで上記ステップST2からの操作を繰り返してプローブ2a,2bの形状の違いに由来する因子を取り除く。具体的な操作は後述する。また、εが十分に小さい値に収束したものとしてステップST18に進み、D1’(K)(=D2’(K))をフーリエ変換して被測定アンテナ1の任意の位置における振幅分布及び位相分布が得られる。
【0043】
εが収束しなかった場合に進むステップST19では、ステップST15で求めたD2’(K)を用いて被測定アンテナ1の測定面(z=Z1)での電界分布(振幅分布及び位相分布)を求める。このとき、振幅分布をA2’(P)、位相分布をP2(P)とすると、電界分布は平面走査の場合は下記式で表される。
【数6】
【0044】
次に第1プローブ2aで測定した電磁波から求めた被測定アンテナ1の振幅分布A1(P)を、演算処理器5内の不図示のメモリから読み出して(ステップST20)、この電界分布における振幅分布A2’(P)と置き換える(ステップST21)。このようにして被測定アンテナ1の測定面(z=Z1)における振幅分布A1(P)、位相分布P2(P)を求め、この後、再びステップST2からの操作をステップST17におけるεが収束するまで繰り返す。以上のステップST16からステップST21までが比較演算ステップに相当する。
【0045】
なお、ある面での振幅・位相分布が得られた場合には、それらの分布を用いて任意の位置、例えば開口分布にフィールド変換可能なことは言うまでもない。また、収束時の各ステップで得られている位相分布は各状態での正しく推定された位相分布であることも言うまでもない。
【0046】
以上のように、この実施の形態1によれば、被測定アンテナ1と、この被測定アンテナ1に対向した位置に設けられ、被測定アンテナ1から放射された電磁波を受信する開口径が異なる第1プローブ2a及び第2プローブ2bと、これらプローブ2a,2bが受信した電磁波から振幅分布を求め、この振幅分布から被測定アンテナ1の位相分布を算出し、振幅分布及び位相分布から被測定アンテナ1の放射特性を求めるので、被測定アンテナ1を動かすことなくその位相分布を推定することができ、従来に比べ高精度に位置決めが可能な大掛かりな装置を必要としないことから、装置の製作コストを低減できる。また、アライメント精度も被測定アンテナ1を移動しないため、被測定アンテナ1がサブミリ波などの高周波数帯に共振周波数を有する場合においても高精度な測定が可能である。さらに、同時に2つの測定値が得られることから、従来のように2回測定を行う必要がなく、測定時間を短縮することができる。
【0047】
また、この実施の形態1によれば、被測定アンテナ1の位相分布の初期値を予め設定する初期値設定ステップと、開口径が異なるプローブ2a,2bが、被測定アンテナ1から放射される電磁波を一括して受信し、プローブ2a,2bが受信した電磁波から振幅分布を求める振幅分布測定ステップと、振幅分布と位相分布とから演算用データとして被測定アンテナ1の放射特性を表すスペクトルを算出し、このスペクトルからプローブ2a,2bが有する指向性に起因する要素を取り除いて演算用データ補正値として補正スペクトルを求め、この補正スペクトルに基づいて被測定アンテナ1の測定面における振幅分布及び位相分布を算出し、この振幅分布をプローブ2a,2bが受信した電磁波から求めた各振幅分布と順次置き換えて、プローブ2a,2bの各補正スペクトルを求める補正変換ステップと、この補正変換ステップにより求めたプローブ2a,2bの各補正スペクトルを比較し、これらが略一致するとき、その補正スペクトルに基づいて被測定アンテナ1の振幅分布及び位相分布を求め、略一致しないとき、補正変換ステップを繰り返す比較演算ステップとを備えた方法で測定を行うので、プローブ2a,2bの指向特性に起因する誤差を補正しながらフェーズリトリーバル法に則って被測定アンテナ1の振幅分布及び位相分布を求めることができることから、被測定アンテナ1の放射特性をより高精度に測定することができる。
【0048】
さらに、実施の形態1においては、平面走査であるので、フィールド変換は平面波展開となるためフーリエ変換を用いることができ、高速に計算することができる。
【0049】
なお、上記実施の形態1において、プローブ2a,2bの指向性に起因する要素を取り除く補正を行う際に、被測定アンテナ1とプローブ2a,2bとの交差偏波成分が十分に小さいことを前提として演算しているので、使用するプローブ2a,2bとしては、矩形開口を有するホーンまたは導波管の切れ端といった、低交差偏波を実現するものが望ましい。また、従来例との比較上プローブという言葉を用いるが、プローブに相当するものとして測定波長に比べて数波長から数十波長の大きさの開口を有するホーンを用いてもよい。
また、上記実施の形態1では2つのプローブ2a,2bで測定する例を示したが、本願発明はこれに限らず、3つ以上の開口部の形状と大きさとが異なるプローブを使用してもよい。これにより、同時に3つ以上の測定値が得られるので、さらに測定時間を短縮することができる。
【0050】
さらに、上記実施の形態1では開口径の異なる2つのプローブ2a,2bを用いたが、低交差偏波を実現することができるものならば、開口部の形状が異なるプローブや開口部の形状と大きさとが異なるプローブを使用してもよい。
【0051】
実施の形態2.
上記実施の形態1ではプローブ2a,2b及び被測定アンテナ1を固定して測定する例を示したが、この実施の形態2はプローブ2a,2bをスキャン平面上で平面走査し、被測定アンテナ1を回転させて様々な測定面における振幅分布を求めることができるようにしたものである。
【0052】
図3はこの発明の実施の形態2によるアンテナ測定装置を概略的に示す図である。図において、Aは1軸回転台6aの回転軸、6aは被測定アンテナ1をA軸まわりに回転させる1軸回転台(回転手段)で、9はプローブ2a,2bをx軸方向に摺動させるx軸方向駆動スキャナ(摺動手段)である。また、スキャン平面におけるxyz座標系の定義は図1と同一である。なお、図1と同一構成要素は同一符号を付して重複する説明を省略する。
【0053】
次に動作について説明する。
被測定アンテナ1をA軸まわりに回転させ、被測定アンテナ1の各回転角度に対してプローブ2a,2bをx軸上で移動させて走査することで、被測定アンテナ1の動径方向ρ=Z1の円筒面上での振幅分布を測定することができる。これを上記実施の形態1における被測定アンテナ1の測定面として、プローブ2a,2bにより得られた各振幅分布を用いて、上記実施の形態1と同様に位相分布を算出する。なお、図2において、スペクトルを求める際の変換には円筒座標系表示となる。
【0054】
図4はこの発明の実施の形態2によるアンテナ測定装置の他の例を概略的に示す図である。図において、Aは被測定アンテナ1の測定面を含む平面にXY座標をおくと、2軸回転台10のX軸に平行な回転軸であり、Bは2軸回転台10のY軸に平行な回転軸である。10は被測定アンテナ1をA軸及びB軸まわりに回転させる2軸回転台(回転手段)である。また、スキャン平面におけるxyz座標系の定義は図1と同一である。なお、図1と同一構成要素は同一符号を付して重複する説明を省略する。
【0055】
次に動作について説明する。
被測定アンテナ1をそれぞれA,B軸まわりに回転させて、被測定アンテナ1の各回転角度に対してプローブ2a,2bにて測定することで、2軸回転台10の回転中心を原点とした球面上での振幅分布を測定することができる。これを上記実施の形態1における被測定アンテナ1の測定面として、プローブ2a,2bにより得られた各振幅分布を用いて、上記実施の形態1と同様に位相分布を算出する。なお、図2において、スペクトルを求める際の変換には球座標系表示となる。
【0056】
以上のように、この実施の形態2によれば、上記実施の形態1の構成に加えて、開口径が異なるプローブ2a,2bを、被測定アンテナ1に対して水平及び/若しくは垂直な方向に摺動自在に保持する摺動手段であるx軸方向駆動スキャナ9、プローブ2a,2bに対して水平及び/若しくは垂直な方向の軸まわりに回転自在に、被測定アンテナ1を保持する回転手段である1軸回転台6aや2軸回転台10を備えたので、被測定アンテナ1の測定範囲を広げることができることから、例えば被測定アンテナ1の背面の電界分布も測定することが可能な円筒走査や球面走査を行うことができる。また、円筒走査近傍界測定及び球面走査近傍界測定に高価で大掛かりな移動装置を使うことがなく、測定装置のコストを低減することができる。
【0057】
実施の形態3.
上記実施の形態1及び実施の形態2では、開口部の大きさ及び/若しくは形状が異なる複数のプローブを用いる例を示したが、この実施の形態3は被測定アンテナに対して水平な方向及び垂直な方向の長さが異なる開口部を有するプローブを用いるものである。
【0058】
図5はこの発明の実施の形態3によるアンテナ測定装置を示す図であり、(a)は概略的な構成図、(b)はプローブ周辺部を示す拡大図である。図において、2cは縦横の長さが異なる矩形開口のプローブ(プローブ)であり、辺の長さをそれぞれa,bとする。4bはプローブ2cで検出した被測定アンテナ1の電磁波を1チャンネル受信可能な送受信器を示す。8はプローブ2cを開口部の中心を通る軸まわりに回転させるプローブ偏波回転装置(プローブ回転手段)である。また、図示を省略したがプローブ2cの開口面を含む平面をスキャン平面とし、被測定アンテナ1の開口の中心からスキャン平面を貫く直線の交点を原点とするxyz座標系を定義する。スキャン平面上におけるプローブ2cの各開口部の中心位置を測定点Pとし、被測定アンテナ1の測定面をz=Z1とする。なお、図1と同一構成要素については同一符号を付して重複する説明を省略する。
【0059】
次に動作について説明する。
縦横の長さの異なるプローブを用いた場合、例えば図5(a)に示す座標系において、プローブの受信偏波がx軸方向とすると、長さbの辺をx軸に平行にして測定した測定値と、長さaの辺をx軸に平行にして測定した場合には異なる測定結果が得られる。よって、図5(b)に示すように長さbの辺をx軸に平行にして測定を行い、プローブ偏波回転装置8を用いて90度回転させて、長さaの辺をx軸に平行にして測定を行った2つの測定値を用いて上記実施の形態1と同様にして位相分布の推定を行う。また、プローブ2cの補正は上記各方向におけるプローブ2cの放射特性を表すスペクトルなどを使って行う。
このように実施の形態3では、開口部の縦横の長さが異なるプローブを回転させて縦横を変換して測定することにより、被測定アンテナの移動を省略し、さらにフェーズリトリーバル法に基づいた解析を行うので振幅分布測定のみから被測定アンテナの放射特性を推定できることを特徴とする。
なお、励振偏波の方向はプローブ2cの回転による変化はしないものとする。
【0060】
以上のように、この実施の形態3によれば、被測定アンテナ1と、この被測定アンテナ1に対向した位置に設けられ、被測定アンテナ1から放射された電磁波を受信する被測定アンテナ1に対して水平な方向及び垂直な方向の長さが異なる開口部を有するプローブ2cと、このプローブ2cが各方向で受信した電磁波から振幅分布を求め、この振幅分布から被測定アンテナ1の位相分布を算出し、振幅分布及び位相分布から被測定アンテナ1の放射特性を求めるので、従来のように被測定アンテナ1を動かすことなくその位相分布を推定することができ、従来に比べ高精度に位置決めが可能な大掛かりな装置を必要としないことから、装置の製作コストを低減できる。また、アライメント精度も被測定アンテナ1を移動しないため、被測定アンテナ1がサブミリ波などの高周波数帯に共振周波数を有する場合においても高精度な測定が可能である。
【0061】
また、この実施の形態3によれば、被測定アンテナ1の位相分布の初期値を予め設定する初期値設定ステップと、被測定アンテナ1に対して水平な方向及び垂直な方向の長さが異なる開口部を有するプローブ2cが、被測定アンテナ1から放射される電磁波を各方向で受信し、プローブ2cが受信した各電磁波から振幅分布を求める振幅分布測定ステップと、振幅分布と位相分布とから演算用データとして被測定アンテナ1の放射特性を表すスペクトルを算出し、このスペクトルから各方向のプローブ2cが有する指向性に起因する要素を取り除いて演算用データ補正値として補正スペクトルを求め、この補正スペクトルに基づいて被測定アンテナ1の測定面における振幅分布及び位相分布を算出し、この振幅分布を各方向のプローブ2cが受信した電磁波から求めた各振幅分布と順次置き換えて、各方向のプローブ2cの各補正スペクトルを求める補正変換ステップと、この補正変換ステップにより求めた各方向のプローブ2cの各補正スペクトルを比較し、これらが略一致するとき、その補正スペクトルに基づいて被測定アンテナ1の振幅分布及び位相分布を求め、略一致しないとき、補正変換ステップを繰り返す比較演算ステップとを備えたアンテナ測定方法で測定を行うので、プローブ2a,2bの指向特性に起因する誤差を補正しながらフェーズリトリーバル法に則って被測定アンテナ1の振幅分布及び位相分布を求めることができることから、被測定アンテナ1の放射特性をより高精度に測定することができる。
【0062】
さらに、上記実施の形態3では、プローブ2cとして縦横の長さが異なる矩形開口部を有するものを示したが、矩形に限らず楕円形状など縦横の長さが異なるものならばよい。
【0063】
また、上記実施の形態3の構成に加えて、プローブ2cを被測定アンテナ1に対して水平及び/若しくは垂直な方向に摺動自在に保持する摺動手段や、プローブ2cに対して水平及び/若しくは垂直な方向の軸まわりに回転自在に、被測定アンテナ1を保持する回転手段を設けることで、被測定アンテナ1の背面の電界分布も測定することが可能な円筒走査や球面走査を行うことができる。また、これら円筒走査近傍界測定及び球面走査近傍界測定に高価で大掛かりな移動装置を使うことがなく、測定装置のコストを低減することができる。
【0064】
上記実施の形態3では、上記実施の形態1,2に比べると、同時に2つの測定値を取得できないため測定時間の短縮の効果は得られないが、送受信器4bが通常の1チャネルの送受信器であるので実施の形態1,2に比べて低コストで測定を行うことができる。
【0065】
なお、上記実施の形態1から実施の形態3で示した本発明の位相分布推定のアルゴリズムは、その根底の理論が最適法に基づくものであり初期値に依存する。上記実施の形態1から実施の形態3では、その推定アルゴリズムにおいて位相分布の初期値を測定点Pにおいて一様である位相分布としているが、これに代わって被測定アンテナの形状に基づいて算出される計算値を用いる。これにより、局所解に陥ることを防ぐことができ、収束が早くなるという効果を有する。また、位相分布の初期値が真の値から大きくずれることがなく、推定アルゴリズムの信頼性を向上させることができる。
【0066】
【発明の効果】
以上のように、この発明によれば、被測定アンテナと、この被測定アンテナに対向した位置に設けられ、被測定アンテナから放射された電磁波を受信する開口部の大きさ及び/若しくは形状が異なる複数のプローブと、この複数のプローブが受信した電磁波から振幅分布を求め、この振幅分布から被測定アンテナの位相分布を算出し、振幅分布及び位相分布から被測定アンテナの放射特性を求める演算処理手段とを備えるので、被測定アンテナを動かすことなくその位相分布を推定することができ、従来に比べ高精度に位置決めが可能な大掛かりな装置を必要としないことから、装置の製作コストを低減できる効果がある。また、アライメント精度も被測定アンテナを移動しないため、被測定アンテナがサブミリ波などの高周波数帯に共振周波数を有する場合においても高精度な測定が可能である。さらに、複数のプローブで同時に複数の測定値が得られることから、従来のように複数回測定を行う必要がなく、測定時間を短縮することができる効果がある。
【0067】
この発明によれば、被測定アンテナと、この被測定アンテナに対向した位置に設けられ、被測定アンテナから放射された電磁波を受信し、被測定アンテナに対して水平な方向及び垂直な方向の長さが異なる開口部を有するプローブと、このプローブを回転自在に保持し、プローブの被測定アンテナに対して水平な方向と垂直な方向とを交互に切り換えるプローブ回転手段と、プローブが各方向で受信した電磁波から振幅分布を求め、この振幅分布から被測定アンテナの位相分布を算出し、振幅分布及び位相分布から被測定アンテナの放射特性を求める演算処理手段とを備えるので、被測定アンテナを動かすことなくその位相分布を推定することができ、従来に比べ高精度に位置決めが可能な大掛かりな装置を必要としないことから、装置の製作コストを低減できる効果がある。また、被測定アンテナがサブミリ波などの高周波数帯に共振周波数を有する場合においてもアライメント精度も被測定アンテナを移動しないため、高精度な測定が可能である。
【0068】
この発明によれば、プローブを被測定アンテナに対して水平及び/若しくは垂直な方向に摺動自在に保持する摺動手段を備えるので、被測定アンテナの測定範囲を広げることができることから、例えば被測定アンテナの背面の電界分布も測定することが可能な円筒走査や球面走査を行うことができる。また、段落0066、段落0067や段落0069の構成に付加することで、円筒走査近傍界測定及び球面走査近傍界測定に高価で大掛かりな移動装置を使うことがなく、測定装置のコストを低減することができる効果がある。
【0069】
この発明によれば、プローブに対して水平及び/若しくは垂直な方向の軸まわりに回転自在に、被測定アンテナを保持する回転手段を備えるので、被測定アンテナの測定範囲を広げることができることから、例えば被測定アンテナの背面の電界分布も測定することが可能な円筒走査や球面走査を行うことができる。また、段落0066から段落0068の構成に付加することで、円筒走査近傍界測定及び球面走査近傍界測定に高価で大掛かりな移動装置を使うことがなく、測定装置のコストを低減することができる効果がある。
【0070】
この発明によれば、被測定アンテナの位相分布の初期値を予め設定する初期値設定ステップと、開口部の大きさ及び/若しくは形状が異なる複数のプローブが、被測定アンテナから放射される電磁波を一括して受信し、複数のプローブが受信した電磁波から振幅分布を求める振幅分布測定ステップと、振幅分布と位相分布とから演算用データを算出し、この演算用データから複数のプローブが有する指向性に起因する要素を取り除いて演算用データ補正値を求め、この演算用データ補正値に基づいて被測定アンテナの測定面における振幅分布及び位相分布を算出し、この振幅分布を複数のプローブが受信した電磁波から求めた各振幅分布と順次置き換えて、複数のプローブの各演算用データ補正値を求める補正変換ステップと、この補正変換ステップにより求めた複数のプローブの各演算用データ補正値を比較し、これらが略一致するとき、その演算用データ補正値に基づいて被測定アンテナの振幅分布及び位相分布を求め、略一致しないとき、補正変換ステップを繰り返す比較演算ステップとを備えるので、プローブの指向特性に起因する誤差を補正しながらフェーズリトリーバル法に則って被測定アンテナの振幅分布及び位相分布を求めることができることから、被測定アンテナの放射特性をより高精度に測定することができる効果がある。これにより、振幅分布のみを測定して位相分布を推定することができ、従来に比べ高精度に位置決めが可能な大掛かりな装置を必要としない。従って、装置の製作コストを低減できる効果がある。また、アライメント精度も被測定アンテナを移動しないため、被測定アンテナがサブミリ波などの高周波数帯に共振周波数を有する場合においても高精度な測定が可能である。さらに、複数のプローブで同時に複数の測定値を得ることができるために、従来のように複数回測定を行う必要がなく、測定時間を短縮することができる効果がある。
【0071】
この発明によれば、被測定アンテナの位相分布の初期値を予め設定する初期値設定ステップと、被測定アンテナに対して水平な方向及び垂直な方向の長さが異なる開口部を有するプローブが、被測定アンテナに対して水平な方向及び垂直な方向で被測定アンテナから放射される電磁波を受信し、各方向のプローブが受信した電磁波から振幅分布を求める振幅分布測定ステップと、振幅分布と位相分布とから演算用データを算出し、この演算用データから各方向のプローブが有する指向性に起因する要素を取り除いて演算用データ補正値を求め、この演算用データ補正値に基づいて被測定アンテナの測定面における振幅分布及び位相分布を算出し、この振幅分布を各方向のプローブが受信した電磁波から求めた各振幅分布と順次置き換えて、各方向のプローブの演算用データ補正値を求める補正変換ステップと、この補正変換ステップにより求めた各方向のプローブの演算用データ補正値を比較し、これらが略一致するとき、その演算用データ補正値に基づいて被測定アンテナの振幅分布及び位相分布を求め、略一致しないとき、補正変換ステップを繰り返す比較演算ステップとを備えるので、プローブの指向特性に起因する誤差を補正しながらフェーズリトリーバル法に則って被測定アンテナの振幅分布及び位相分布を求めることができることから、被測定アンテナの放射特性をより高精度に測定することができる効果がある。これにより、振幅分布のみを測定して位相分布を推定することができ、従来に比べ高精度に位置決めが可能な大掛かりな装置を必要としない。従って、装置の製作コストを低減できる効果がある。また、アライメント精度も被測定アンテナを移動しないため、被測定アンテナがサブミリ波などの高周波数帯に共振周波数を有する場合においても高精度な測定が可能である。
【0072】
この発明によれば、初期値設定ステップで設定する被測定アンテナの位相分布の初期値は、被測定アンテナの形状に基づいて算出される計算値を用いるので、局所解に陥ることを防ぐことができ、収束が早くなるという効果がある。また、位相分布の初期値が真の値から大きくずれることがなく、推定アルゴリズムの信頼性を向上させることができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態1におけるアンテナ測定装置を概略的に示す図である。
【図2】この発明の実施の形態1によるアンテナ測定装置を使用したアンテナ測定方法の位相推定アルゴリズムを示すフロー図である。
【図3】この発明の実施の形態2によるアンテナ測定装置を概略的に示す図である。
【図4】この発明の実施の形態2によるアンテナ測定装置の他の例を概略的に示す図である。
【図5】この発明の実施の形態3によるアンテナ測定装置を示す図であり、(a)は概略的な構成図、(b)はプローブ周辺部を示す拡大図である。
【図6】従来のフェーズリトリーバル法を使用するアンテナ測定装置の概略的な構成を示す図である。
【図7】フェーズリトリーバル法による被測定アンテナの位相分布の算出過程を示すフロー図である。
【図8】従来のプローブの指向性補正を行う近傍界測定を説明する説明図である。
【符号の説明】
1 被測定アンテナ、2a 第1プローブ(プローブ)、2b 第2プローブ(プローブ)、2c プローブ(プローブ)、3 xyスキャナ(摺動手段)、4a,4b 送受信器、5 演算処理器(演算処理手段)、6a 1軸回転台(回転手段)、8 プローブ偏波回転装置(プローブ回転手段)、9 x軸方向駆動スキャナ(摺動手段)、10 2軸回転台(回転手段)12 送信器、A,B回転軸。
Claims (7)
- 被測定アンテナと、
この被測定アンテナに対向した位置に設けられ、上記被測定アンテナから放射された電磁波を受信する開口部の大きさ及び/若しくは形状が異なる複数のプローブと、
この複数のプローブが同時に受信した電磁波から振幅分布を求め、この振幅分布と一様な位相分布とから上記被測定アンテナの位相分布を算出し、上記振幅分布及び位相分布から被測定アンテナの放射特性を求める演算処理手段とを備えたアンテナ測定装置。 - 被測定アンテナと、
この被測定アンテナに対向した位置に設けられ、上記被測定アンテナから放射された電磁波を受信し、上記被測定アンテナに対して水平な方向及び垂直な方向の長さが異なる開口部を有するプローブと、
このプローブを回転自在に保持し、上記プローブの上記被測定アンテナに水平な方向と垂直な方向とを交互に切り換えるプローブ回転手段と、
上記プローブが、上記被測定アンテナの励振方向に対する上記プローブの励振方向は変えずに上記各方向で受信した電磁波から振幅分布を求め、この振幅分布と一様な位相分布とから上記被測定アンテナの位相分布を算出し、上記振幅分布及び位相分布から被測定アンテナの放射特性を求める演算処理手段とを備えたアンテナ測定装置。 - プローブを、被測定アンテナに対して水平及び/若しくは垂直な方向に摺動自在に保持する摺動手段を備えたことを特徴とする請求項1又は請求項2記載のアンテナ測定装置。
- プローブに対して水平及び/若しくは垂直な方向の軸まわりに回転自在に、被測定アンテナを保持する回転手段を備えたことを特徴とする請求項1から請求項3のうちのいずれか1項記載のアンテナ測定装置。
- 請求項1、請求項3、及び請求項4のうちのいずれか1項記載のアンテナ測定装置を使用するアンテナ測定方法において、
被測定アンテナの位相分布の初期値として一様分布を予め設定する初期値設定ステップと、
開口部の大きさ及び/若しくは形状が異なる複数のプローブが、上記被測定アンテナから放射される電磁波を一括して受信し、この複数のプローブが受信した電磁波から振幅分布を求める振幅分布測定ステップと、
振幅分布と位相分布とから演算用データを算出し、この演算用データから上記複数のプローブが有する指向性に起因する要素を取り除いて演算用データ補正値を求め、この演算用データ補正値に基づいて上記被測定アンテナの測定面における振幅分布及び位相分布を算出し、この振幅分布を上記複数のプローブが受信した電磁波から求めた各振幅分布と順次置き換えて、上記複数のプローブの各演算用データ補正値を求める補正変換ステップと、
この補正変換ステップにより求めた上記複数のプローブの各演算用データ補正値を比較し、これらが一致したと判定する十分小さい値にこれらの差が収束するとき、その演算用データ補正値に基づいて上記被測定アンテナの振幅分布及び位相分布を求め、収束しないとき、上記補正変換ステップを繰り返す比較演算ステップとを備えたことを特徴とするアンテナ測定方法。 - 請求項2、請求項3、及び請求項4のうちのいずれか1項記載のアンテナ測定装置を使用するアンテナ測定方法において、
被測定アンテナの位相分布の初期値として一様分布を予め設定する初期値設定ステップと、
上記被測定アンテナに対して水平な方向及び垂直な方向の長さが異なる開口部を有するプローブが、上記被測定アンテナに対して水平な方向及び垂直な方向で上記被測定アンテナから放射される電磁波を受信し、この各方向のプローブが受信した電磁波から振幅分布を求める振幅分布測定ステップと、
振幅分布と位相分布とから演算用データを算出し、この演算用データから上記各方向のプローブが有する指向性に起因する要素を取り除いて演算用データ補正値を求め、この演算用データ補正値に基づいて上記被測定アンテナの測定面における振幅分布及び位相分布を算出し、この振幅分布を上記各方向のプローブが受信した電磁波から求めた各振幅分布と順次置き換えて、上記各方向のプローブの演算用データ補正値を求める補正変換ステップと、
この補正変換ステップにより求めた上記各方向のプローブの演算用データ補正値を比較し、これらが一致したと判定する十分小さい値にこれらの差が収束するとき、その演算用データ補正値に基づいて上記被測定アンテナの振幅分布及び位相分布を求め、収束しないとき、上記補正変換ステップを繰り返す比較演算ステップとを備えたことを特徴とするアンテナ測定方法。 - 初期値設定ステップで設定する被測定アンテナの位相分布の初期値は、上記被測定アンテナの形状に基づいて算出される計算値を用いることを特徴とする請求項5又は請求項6記載のアンテナ測定方法。
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