JPH09331685A - 積層型圧電アクチュエータ - Google Patents
積層型圧電アクチュエータInfo
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- JPH09331685A JPH09331685A JP8182594A JP18259496A JPH09331685A JP H09331685 A JPH09331685 A JP H09331685A JP 8182594 A JP8182594 A JP 8182594A JP 18259496 A JP18259496 A JP 18259496A JP H09331685 A JPH09331685 A JP H09331685A
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- piezoelectric ceramic
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Abstract
(57)【要約】
【課題】圧電アクチュエータの製造を簡易にして製造原
価の低減を図ること及び印加電圧の漏洩を抑止して圧電
アクチュエータ本来の性能を十分に発揮させ得る圧電ア
クチュエータを提供すること。 【解決手段】圧電セラミック板の表裏両主面に形成する
内部電極をその一部に内部電極を形成せしめない部所を
設けた電極とし且つ前記内部電極を形成せしめない部所
を圧電セラミック板の表裏両主面で同一部所としない構
成でなる積層型圧電アクチュエータ。
価の低減を図ること及び印加電圧の漏洩を抑止して圧電
アクチュエータ本来の性能を十分に発揮させ得る圧電ア
クチュエータを提供すること。 【解決手段】圧電セラミック板の表裏両主面に形成する
内部電極をその一部に内部電極を形成せしめない部所を
設けた電極とし且つ前記内部電極を形成せしめない部所
を圧電セラミック板の表裏両主面で同一部所としない構
成でなる積層型圧電アクチュエータ。
Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は固体の電界誘起歪を
利用して電気エネルギーを機械的エネルギーに変換する
積層型圧電アクチュエータに係るものである。
利用して電気エネルギーを機械的エネルギーに変換する
積層型圧電アクチュエータに係るものである。
【０００２】従来の圧電アクチュエータの一形態として
図７に示す構成のもの，即ちチタン酸ジルコン酸鉛等で
なり圧電定数の大なる圧電セラミック板１の表裏両主面
に電極を形成してこれを内部電極２とし，当該内部電極
２に直流電圧を印加して厚さ方向に分極せしめた圧電セ
ラミック板１を分極方向が対向するように積層接着した
圧電アクチュエータにおいて前記圧電セラミック板１の
厚さ方向に電界誘起歪によって変位を生じさせるべく外
部電極３を通して内部に電圧が印加される。しかるに前
記積層接着された各圧電セラミック板１への電圧印加は
圧電セラミック板１の側面に露出する内部電極２を一層
おきの交互に絶縁被覆７し，一層おきに露出する内部電
極側面上に帯状の外部電極３を形成せしめて両電極の接
触導通を図り，前記外部電極３に外部電源からの給電線
６を接続することによって可能ならしめていた。ここで
前記内部電極側面への絶縁被覆７は積層接着された圧電
セラミック板１の左右両側面に左右両側面で一層ずつず
らして形成される。
図７に示す構成のもの，即ちチタン酸ジルコン酸鉛等で
なり圧電定数の大なる圧電セラミック板１の表裏両主面
に電極を形成してこれを内部電極２とし，当該内部電極
２に直流電圧を印加して厚さ方向に分極せしめた圧電セ
ラミック板１を分極方向が対向するように積層接着した
圧電アクチュエータにおいて前記圧電セラミック板１の
厚さ方向に電界誘起歪によって変位を生じさせるべく外
部電極３を通して内部に電圧が印加される。しかるに前
記積層接着された各圧電セラミック板１への電圧印加は
圧電セラミック板１の側面に露出する内部電極２を一層
おきの交互に絶縁被覆７し，一層おきに露出する内部電
極側面上に帯状の外部電極３を形成せしめて両電極の接
触導通を図り，前記外部電極３に外部電源からの給電線
６を接続することによって可能ならしめていた。ここで
前記内部電極側面への絶縁被覆７は積層接着された圧電
セラミック板１の左右両側面に左右両側面で一層ずつず
らして形成される。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】前記した従来の積層型
圧電アクチュエータにあっては積層された各圧電セラミ
ック板１への電圧印加を可能ならしめるべく積層された
圧電セラミック板１の左右両側面に露出する内部電極２
を一層おきの交互に絶縁被覆７することが不可欠であっ
た。しかるに圧電セラミック板１の厚さ方向の変位率は
抗電界内での電圧印加ではわずか０．１％程度であり，
そのため実用に供するに足る変位を得るためには圧電セ
ラミック板１の積層数は少なくとも数十層としなければ
ならない。また前記変位率を保持しながら圧電セラミッ
ク板１への印加電圧を極力低下させることが求められて
おり，そのため圧電セラミック板１の厚さは成形加工限
界近くまで薄くしたものが用いられ，通常その厚さは
０．５ｍｍ以下である。しかし，かように厚さが薄く，
少なくとも数十層積層せしめた圧電セラミック板１の側
面に露出する内部電極２を一層おきの交互に絶縁被覆７
する作業は困難をきわめることから製造原価の圧迫要因
となり，また時として生じる絶縁被覆７の不完全から印
加電圧の漏洩により圧電アクチュエータ本来の性能を発
揮しないという事態をもたらしていた。
圧電アクチュエータにあっては積層された各圧電セラミ
ック板１への電圧印加を可能ならしめるべく積層された
圧電セラミック板１の左右両側面に露出する内部電極２
を一層おきの交互に絶縁被覆７することが不可欠であっ
た。しかるに圧電セラミック板１の厚さ方向の変位率は
抗電界内での電圧印加ではわずか０．１％程度であり，
そのため実用に供するに足る変位を得るためには圧電セ
ラミック板１の積層数は少なくとも数十層としなければ
ならない。また前記変位率を保持しながら圧電セラミッ
ク板１への印加電圧を極力低下させることが求められて
おり，そのため圧電セラミック板１の厚さは成形加工限
界近くまで薄くしたものが用いられ，通常その厚さは
０．５ｍｍ以下である。しかし，かように厚さが薄く，
少なくとも数十層積層せしめた圧電セラミック板１の側
面に露出する内部電極２を一層おきの交互に絶縁被覆７
する作業は困難をきわめることから製造原価の圧迫要因
となり，また時として生じる絶縁被覆７の不完全から印
加電圧の漏洩により圧電アクチュエータ本来の性能を発
揮しないという事態をもたらしていた。
【０００４】本発明はかかる前記問題点の解決を図るこ
とを課題とするものである。即ち本発明は積層型圧電ア
クチュエータにおいて前記絶縁被覆７の形成を必ずしも
不可欠条件としないことにより圧電アクチュエータの製
造を簡易にして製造原価の低減を図り，また印加電圧の
漏洩を抑止せしめて圧電アクチュエータ本来の性能を十
分に発揮させ得る圧電アクチュエータを提供することで
ある。
とを課題とするものである。即ち本発明は積層型圧電ア
クチュエータにおいて前記絶縁被覆７の形成を必ずしも
不可欠条件としないことにより圧電アクチュエータの製
造を簡易にして製造原価の低減を図り，また印加電圧の
漏洩を抑止せしめて圧電アクチュエータ本来の性能を十
分に発揮させ得る圧電アクチュエータを提供することで
ある。
【０００５】
【課題を解決するための手段】以下，図１から図６を用
いてその手段等を説明する。本発明は前記課題の解決を
図るため以下の手段を採るものである。即ち圧電セラミ
ック板１の表裏両主面に形成する内部電極２を全面に形
成するのではなく，その一部に内部電極２を形成せしめ
ない部所を設けた電極とし，且つ前記内部電極２を形成
せしめない部所を圧電セラミック板１の表裏両主面で同
一部所としない構成とするものである。内部電極に前記
内部電極２を形成せしめない部所を圧電セラミック板１
の外縁から内方に向けて局所的凹部４又は多角形の圧電
セラミック板１にあっては一辺全長に及ぶ帯状部８を設
けることによって形成するものである。
いてその手段等を説明する。本発明は前記課題の解決を
図るため以下の手段を採るものである。即ち圧電セラミ
ック板１の表裏両主面に形成する内部電極２を全面に形
成するのではなく，その一部に内部電極２を形成せしめ
ない部所を設けた電極とし，且つ前記内部電極２を形成
せしめない部所を圧電セラミック板１の表裏両主面で同
一部所としない構成とするものである。内部電極に前記
内部電極２を形成せしめない部所を圧電セラミック板１
の外縁から内方に向けて局所的凹部４又は多角形の圧電
セラミック板１にあっては一辺全長に及ぶ帯状部８を設
けることによって形成するものである。
【０００６】内部電極２を形成せしめない前記局所的凹
部４を設けてなる部所にはその幅内に配設されるよう内
部電極面と直角に積層する圧電セラミック板１の側面に
圧電セラミック板１の積層方向に沿って外部電極３が形
成される。また内部電極２を形成せしめない部所を多角
形の圧電セラミック板１にあっては一辺全長に及ぶ帯状
部８内に配設されるよう内部電極面に直角に積層する圧
電セラミック板１の側面に圧電セラミック板１の積層方
向に沿って外部電極３が形成される。別の形態としてこ
こで一の圧電セラミック板１に形成される内部電極２は
圧電セラミック板１の表裏両主面で非対称とされている
ため，即ち内部電極２を形成せしめない局所的凹部４又
は一辺全長に及ぶ帯状部８を設けてなる部所は圧電セラ
ミック板１の表裏両主面で非同一部所としているため表
裏両主面に形成される内部電極２のうち一方の内部電極
２と外部電極３とは接触導通し，他方の内部電極２と外
部電極３とは接触導通せしめない構成を採るものであ
る。
部４を設けてなる部所にはその幅内に配設されるよう内
部電極面と直角に積層する圧電セラミック板１の側面に
圧電セラミック板１の積層方向に沿って外部電極３が形
成される。また内部電極２を形成せしめない部所を多角
形の圧電セラミック板１にあっては一辺全長に及ぶ帯状
部８内に配設されるよう内部電極面に直角に積層する圧
電セラミック板１の側面に圧電セラミック板１の積層方
向に沿って外部電極３が形成される。別の形態としてこ
こで一の圧電セラミック板１に形成される内部電極２は
圧電セラミック板１の表裏両主面で非対称とされている
ため，即ち内部電極２を形成せしめない局所的凹部４又
は一辺全長に及ぶ帯状部８を設けてなる部所は圧電セラ
ミック板１の表裏両主面で非同一部所としているため表
裏両主面に形成される内部電極２のうち一方の内部電極
２と外部電極３とは接触導通し，他方の内部電極２と外
部電極３とは接触導通せしめない構成を採るものであ
る。
【０００７】
【発明の実施の形態】本発明において用いる圧電セラミ
ック板１はチタン酸ジルコン酸鉛等の三成分系複合ペロ
ブスカイト酸化物のグリーンシート，ブロック切断等で
形成された多角形，円形等の薄板状でなり，その表裏両
主面には銀焼け，真空蒸着，メッキ等，適宜の形成法で
なる内部電極２が形成される。しかるに前記内部電極２
はその一部に圧電セラミック板１の外縁から内方に向け
て内部電極を形成せしめないコ字状，半楕円形，半円形
等の局所的凹部４を設けてなるもの又は多角形の圧電セ
ラミック板１のものにあっては内部電極２を形成せしめ
ない一辺全長に及ぶ帯状部８を設けてなるものであり，
また圧電セラミック板１の表裏両主面で前記内部電極２
を形成せしめない局所的凹部４又は一辺全長に及ぶ帯状
部８は同一部所に設けない構成としている。ここで前記
局所的凹部４の角部となる部所にはＲを付けることが望
ましい。前記構成から圧電セラミック板１の表裏両主面
に形成される内部電極２のうち圧電セラミック板１の側
面に露出する内部電極２と外部電極３とは接触導通，圧
電セラミック板１の側面まで露出しない内部電極２と外
部電極３とは接触導通せしめないことが可能となる。
ック板１はチタン酸ジルコン酸鉛等の三成分系複合ペロ
ブスカイト酸化物のグリーンシート，ブロック切断等で
形成された多角形，円形等の薄板状でなり，その表裏両
主面には銀焼け，真空蒸着，メッキ等，適宜の形成法で
なる内部電極２が形成される。しかるに前記内部電極２
はその一部に圧電セラミック板１の外縁から内方に向け
て内部電極を形成せしめないコ字状，半楕円形，半円形
等の局所的凹部４を設けてなるもの又は多角形の圧電セ
ラミック板１のものにあっては内部電極２を形成せしめ
ない一辺全長に及ぶ帯状部８を設けてなるものであり，
また圧電セラミック板１の表裏両主面で前記内部電極２
を形成せしめない局所的凹部４又は一辺全長に及ぶ帯状
部８は同一部所に設けない構成としている。ここで前記
局所的凹部４の角部となる部所にはＲを付けることが望
ましい。前記構成から圧電セラミック板１の表裏両主面
に形成される内部電極２のうち圧電セラミック板１の側
面に露出する内部電極２と外部電極３とは接触導通，圧
電セラミック板１の側面まで露出しない内部電極２と外
部電極３とは接触導通せしめないことが可能となる。
【０００８】前記可能性を具現化させる上で重要なこと
は外部電極３は必ず内部電極２を形成せしめない局所的
凹部４の幅内に配設させることである。これはこの条件
が満たされない場合には外部電極３は圧電セラミック板
１の表裏両主面に形成された内部電極２と接触導通がと
られることになるからである。更に加えて重要なことは
外部電極３と局所的凹部４を設けてなる部所での内部電
極２との間隔は外部電極３のいずれの部所からも圧電セ
ラミック板１の厚さ以上の間隔となるよう内部電極２を
形成せしめない局所的凹部４を設けることである。また
内部電極２に内部電極２を形成せしめない一辺全長に及
ぶ帯状部８を設けるものにあっては前記帯状部８の幅は
圧電セラミック板１の厚さ以上とすることである。前記
間隔が圧電セラミック板１の厚さ以下である場合，外部
電極近傍の電界は圧電セラミック板１の厚さ方向の電界
よりも大となって外部電極近傍で印加電圧の漏洩をもた
らし，場合によっては絶縁破壊を惹起することにもなり
かねない。これは裏返せば圧電セラミック板１への電界
強度の低下をもたらし，単位印加電圧に対する圧電セラ
ミック板本来の変位量の低下を招来するものである。こ
こで前記のいずれかによって内部電極を形成してなる圧
電セラミック板１の接合において図５に示す如く上部に
配設される圧電セラミック板１の下面に形成される内部
電極と下部に配設される圧電セラミック板１の上面に形
成される内部電極との電極構成は非同一又は図６に示す
如く電極構成は同一のいずれの積層形態を採ってもよ
い。
は外部電極３は必ず内部電極２を形成せしめない局所的
凹部４の幅内に配設させることである。これはこの条件
が満たされない場合には外部電極３は圧電セラミック板
１の表裏両主面に形成された内部電極２と接触導通がと
られることになるからである。更に加えて重要なことは
外部電極３と局所的凹部４を設けてなる部所での内部電
極２との間隔は外部電極３のいずれの部所からも圧電セ
ラミック板１の厚さ以上の間隔となるよう内部電極２を
形成せしめない局所的凹部４を設けることである。また
内部電極２に内部電極２を形成せしめない一辺全長に及
ぶ帯状部８を設けるものにあっては前記帯状部８の幅は
圧電セラミック板１の厚さ以上とすることである。前記
間隔が圧電セラミック板１の厚さ以下である場合，外部
電極近傍の電界は圧電セラミック板１の厚さ方向の電界
よりも大となって外部電極近傍で印加電圧の漏洩をもた
らし，場合によっては絶縁破壊を惹起することにもなり
かねない。これは裏返せば圧電セラミック板１への電界
強度の低下をもたらし，単位印加電圧に対する圧電セラ
ミック板本来の変位量の低下を招来するものである。こ
こで前記のいずれかによって内部電極を形成してなる圧
電セラミック板１の接合において図５に示す如く上部に
配設される圧電セラミック板１の下面に形成される内部
電極と下部に配設される圧電セラミック板１の上面に形
成される内部電極との電極構成は非同一又は図６に示す
如く電極構成は同一のいずれの積層形態を採ってもよ
い。
【０００９】次に積層された圧電セラミック板１のそれ
ぞれの表裏両主面に形成された内部電極２と外部電極３
とを一方は接触導通，他方は接触導通させない構成を具
現化させる外部電極３の形成方法について説明する。そ
の一の方法はポリエチレン，ポリエステル等の高分子フ
ィルム上に真空蒸着で形成せしめたＡｌ，Ｎｉ，Ａｇ，
Ｃｕ，Ａｕ等の導電性薄膜でなる帯状転写箔を圧電セラ
ミック板側面に露出する内部電極側面上に載置し，加熱
・加圧せしめて前記導電性薄膜を積層される圧電セラミ
ック板側面に転写する方法，他の一の方法は硝化綿を酢
酸ｎブチル，メチルアルコール等の溶剤で溶解して得ら
れるニトロセルローズ溶液で形成されるニトロセルロー
ズ膜を圧電セラミック板側面に展張，当該ニトリセルロ
ーズ膜を蒸着基板とし，当該ニトロセルローズ膜上に蒸
着マスクを用いて帯状電極を形成し，次いで当該ニトロ
セルローズ膜を消散させるべく真空中，不活性ガス中，
空気中のいずれかの雰囲気中で１２０℃以上２５０℃以
下の加熱処理を施し，もって内部電極と外部電極とを密
着させる。
ぞれの表裏両主面に形成された内部電極２と外部電極３
とを一方は接触導通，他方は接触導通させない構成を具
現化させる外部電極３の形成方法について説明する。そ
の一の方法はポリエチレン，ポリエステル等の高分子フ
ィルム上に真空蒸着で形成せしめたＡｌ，Ｎｉ，Ａｇ，
Ｃｕ，Ａｕ等の導電性薄膜でなる帯状転写箔を圧電セラ
ミック板側面に露出する内部電極側面上に載置し，加熱
・加圧せしめて前記導電性薄膜を積層される圧電セラミ
ック板側面に転写する方法，他の一の方法は硝化綿を酢
酸ｎブチル，メチルアルコール等の溶剤で溶解して得ら
れるニトロセルローズ溶液で形成されるニトロセルロー
ズ膜を圧電セラミック板側面に展張，当該ニトリセルロ
ーズ膜を蒸着基板とし，当該ニトロセルローズ膜上に蒸
着マスクを用いて帯状電極を形成し，次いで当該ニトロ
セルローズ膜を消散させるべく真空中，不活性ガス中，
空気中のいずれかの雰囲気中で１２０℃以上２５０℃以
下の加熱処理を施し，もって内部電極と外部電極とを密
着させる。
【００１０】前記方法で外部電極３を形成する場合，圧
電セラミック板１の側面に露出する内部電極２を一層お
きの交互に絶縁被覆することは必ずしも必要ではない。
これは圧電セラミック板１に形成される内部電極２は圧
電セラミック板外縁から内方に内部電極２を形成せしめ
ない局所的凹部４又は一辺全長に及ぶ帯状部８を設けた
内部電極２としているからである。ところで前記後者の
外部電極形成法にあってはニトロセルローズ膜が局所的
凹部４又は一辺全長に及ぶ帯状部８を設けた部所での内
部電極２と外部電極３との接触導通を妨げる部材となる
ものである。
電セラミック板１の側面に露出する内部電極２を一層お
きの交互に絶縁被覆することは必ずしも必要ではない。
これは圧電セラミック板１に形成される内部電極２は圧
電セラミック板外縁から内方に内部電極２を形成せしめ
ない局所的凹部４又は一辺全長に及ぶ帯状部８を設けた
内部電極２としているからである。ところで前記後者の
外部電極形成法にあってはニトロセルローズ膜が局所的
凹部４又は一辺全長に及ぶ帯状部８を設けた部所での内
部電極２と外部電極３との接触導通を妨げる部材となる
ものである。
【００１１】前記内部電極２を形成せしめた圧電セラミ
ック板１は分極方向が対向するように積層し熱圧着によ
って一体化した後，外部電極３を形成し，次いで圧電ア
クチュエータの電気的絶縁及び吸湿防止を図るべく積層
された圧電セラミック板側面外周には熱収縮チューブに
よる被覆，絶縁塗膜による被覆が施される。前記外部電
極３には圧電セラミック板１への電圧印加を可能ならし
めるべく給電線６が接続され，また積層された圧電セラ
ミック板１の上下部にはそれぞれ変位伝達部材５が配設
される。
ック板１は分極方向が対向するように積層し熱圧着によ
って一体化した後，外部電極３を形成し，次いで圧電ア
クチュエータの電気的絶縁及び吸湿防止を図るべく積層
された圧電セラミック板側面外周には熱収縮チューブに
よる被覆，絶縁塗膜による被覆が施される。前記外部電
極３には圧電セラミック板１への電圧印加を可能ならし
めるべく給電線６が接続され，また積層された圧電セラ
ミック板１の上下部にはそれぞれ変位伝達部材５が配設
される。
【００１２】
【作用】給電線６，外部電極３及び内部電極２を通して
圧電セラミック板１に外部電源の出力周波数に等しい交
番電圧が印加されると前記圧電セラミック板１の厚さ方
向には逆圧電効果によって印加電圧に比例した変位がも
たらされる。ここで圧電セラミック板１で発生する変位
量は厚さ（又は長さ）のわずか０．１％程度にすぎない
が圧電セラミック板１の積層数に比例するため，積層数
を少なくとも数十層とすることによって１００μｍを越
える変位量を得ることもできる。特に交番電界でその周
波数を圧電アクチュエータの固有振動数と合致せしめた
場合にはいわゆる共振現象によってその変位量は一段と
増大させることができる。
圧電セラミック板１に外部電源の出力周波数に等しい交
番電圧が印加されると前記圧電セラミック板１の厚さ方
向には逆圧電効果によって印加電圧に比例した変位がも
たらされる。ここで圧電セラミック板１で発生する変位
量は厚さ（又は長さ）のわずか０．１％程度にすぎない
が圧電セラミック板１の積層数に比例するため，積層数
を少なくとも数十層とすることによって１００μｍを越
える変位量を得ることもできる。特に交番電界でその周
波数を圧電アクチュエータの固有振動数と合致せしめた
場合にはいわゆる共振現象によってその変位量は一段と
増大させることができる。
【００１３】
【実施例】本発明の実施例として厚さ０．２ｍｍの圧電
セラミック板１を１００層積層せしめた場合にあっては
１０００〜１５００Ｖ／ｍｍの電界に耐え得る内部電極
２と外部電極３との接触導通のない局所的凹部４での内
部電極２と外部電極３との間隔は圧電セラミック板１の
厚さの少なくとも１．５倍である０．３ｍｍをとってあ
れば前記局所的凹部４で印加電圧の漏洩が生じることも
ない。また局所的凹部４においてその角部には少なくと
も０．１ｍｍのＲを付ければ内部電極２と外部電極３と
の空間内で生じるコロナ放電及びそれに起因して生じる
印加電圧の漏洩を抑止することができる。
セラミック板１を１００層積層せしめた場合にあっては
１０００〜１５００Ｖ／ｍｍの電界に耐え得る内部電極
２と外部電極３との接触導通のない局所的凹部４での内
部電極２と外部電極３との間隔は圧電セラミック板１の
厚さの少なくとも１．５倍である０．３ｍｍをとってあ
れば前記局所的凹部４で印加電圧の漏洩が生じることも
ない。また局所的凹部４においてその角部には少なくと
も０．１ｍｍのＲを付ければ内部電極２と外部電極３と
の空間内で生じるコロナ放電及びそれに起因して生じる
印加電圧の漏洩を抑止することができる。
【００１４】本発明の第一の効果は積層する圧電セラミ
ック板１の側面に露出する内部電極２を一層おきの交互
に絶縁被覆することは必ずしも必要としないため，圧電
アクチュエータの製造を大幅に簡易ならしめたことであ
る。前記絶縁被覆形成作業は圧電セラミック板１の厚さ
が０．５ｍｍ以下である場合が多いこと及び積層数が少
なくとも数十層にも及ぶことから前記形成作業は困難を
きわめ，また絶縁被覆形成不良による製品歩留り低下も
看過できないものがあった。本発明では前記絶縁被覆を
形成することを必ずしも不可欠の条件とはしないため前
記問題点は完全に解消し，裏返せばそれが本発明の顕著
な効果となって発現されているのである。
ック板１の側面に露出する内部電極２を一層おきの交互
に絶縁被覆することは必ずしも必要としないため，圧電
アクチュエータの製造を大幅に簡易ならしめたことであ
る。前記絶縁被覆形成作業は圧電セラミック板１の厚さ
が０．５ｍｍ以下である場合が多いこと及び積層数が少
なくとも数十層にも及ぶことから前記形成作業は困難を
きわめ，また絶縁被覆形成不良による製品歩留り低下も
看過できないものがあった。本発明では前記絶縁被覆を
形成することを必ずしも不可欠の条件とはしないため前
記問題点は完全に解消し，裏返せばそれが本発明の顕著
な効果となって発現されているのである。
【００１５】第二の効果は前記第一の効果を受けて圧電
アクチュエータの製造原価を大幅に低減させ得たことで
ある。製造工程において困難をきわめる作業を伴えば多
くの場合，必然的に製造原価を圧迫することになるが本
発明では製造原価圧迫要因となる困難をきわめる作業が
絶対的条件でなくなったことにより圧電アクチュエータ
の製造原価は少なくとも１５％の低減をもたらしてい
る。
アクチュエータの製造原価を大幅に低減させ得たことで
ある。製造工程において困難をきわめる作業を伴えば多
くの場合，必然的に製造原価を圧迫することになるが本
発明では製造原価圧迫要因となる困難をきわめる作業が
絶対的条件でなくなったことにより圧電アクチュエータ
の製造原価は少なくとも１５％の低減をもたらしてい
る。
【００１６】第三の効果は本発明では内部電極２と外部
電極３との接触導通を断たしめる絶縁被覆の形成を絶対
的条件としていないため圧電セラミック板１の厚さは成
形加工限界まで薄くした圧電セラミック板を用いて圧電
アクチュエータを製造できることである。周知のように
圧電セラミック板から電界誘起歪によって生じる変位は
抗電界内では電界強度に比例するため，同一電界強度で
は圧電セラミック板の厚さは薄い程，圧電セラミック板
への印加電圧は低くてよいことになる。しかるに前記印
加電圧の低下は低電圧源で圧電アクチュエータを駆動さ
せ得るという効果をもたらすのである。
電極３との接触導通を断たしめる絶縁被覆の形成を絶対
的条件としていないため圧電セラミック板１の厚さは成
形加工限界まで薄くした圧電セラミック板を用いて圧電
アクチュエータを製造できることである。周知のように
圧電セラミック板から電界誘起歪によって生じる変位は
抗電界内では電界強度に比例するため，同一電界強度で
は圧電セラミック板の厚さは薄い程，圧電セラミック板
への印加電圧は低くてよいことになる。しかるに前記印
加電圧の低下は低電圧源で圧電アクチュエータを駆動さ
せ得るという効果をもたらすのである。
【図１】は本発明の積層型圧電アクチュエータに用いる
圧電セラミック板の斜視図である。
圧電セラミック板の斜視図である。
【図２】は本発明の圧電セラミック板の表主面と外部電
極との位置関係を示す平面図である。
極との位置関係を示す平面図である。
【図３】は本発明の圧電セラミック板の裏主面と外部電
極との位置関係を示す平面図である。
極との位置関係を示す平面図である。
【図４】は別の構成でなる本発明の圧電セラミック板の
一の主面と外部電極との位置関係を示す平面図である。
一の主面と外部電極との位置関係を示す平面図である。
【図５】は本発明の積層型圧電アクチュエータの中央縦
断面図である。
断面図である。
【図６】は本発明の別の構成でなる積層型圧電アクチュ
エータの中央縦断面図である。
エータの中央縦断面図である。
【図７】は従来の積層型圧電アクチュエータの斜視図で
ある。
ある。
１．圧電セラミック板 ２．内部電極 ３．外部電極 ４．局所的凹部 ５．変位伝達部材 ６．給電線 ７．絶縁被覆 ８．帯状部
Claims (4)
- 【請求項１】圧電セラミック板の表裏両主面に形成する
内部電極をその一部に内部電極を形成せしめない部所を
設けた電極とし且つ前記内部電極を形成せしめない部所
を圧電セラミック板の表裏両主面で同一部所としない構
成でなる積層型圧電アクチュエータ。 - 【請求項２】内部電極に内部電極を形成せしめない部所
を圧電セラミック板の外縁から内方に向けて局所的凹部
又は多角形の圧電セラミック板にあっては一辺全長に及
ぶ帯状部を設けることによって形成される請求項１の積
層型圧電アクユエータ。 - 【請求項３】内部電極を形成せしめない前記局所的凹部
を設けてなる部所にはその幅内に配設されるよう内部電
極面と直角に積層する圧電セラミック板の側面に圧電セ
ラミック板の積層方向に沿って外部電極を形成してなる
請求項２の積層型圧電アクチュエータ。 - 【請求項４】内部電極を形成せしめない部所を多角形の
圧電セラミック板にあっては一辺全長に及ぶ帯状部内に
配設されるよう内部電極面に直角に積層する圧電セラミ
ック板の側面に圧電セラミック板の積層方向に沿って外
部電極を形成してなる請求項２の積層型圧電アクチュエ
ータ。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP8182594A JPH09331685A (ja) | 1996-06-10 | 1996-06-10 | 積層型圧電アクチュエータ |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP8182594A JPH09331685A (ja) | 1996-06-10 | 1996-06-10 | 積層型圧電アクチュエータ |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH09331685A true JPH09331685A (ja) | 1997-12-22 |
Family
ID=16121021
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP8182594A Pending JPH09331685A (ja) | 1996-06-10 | 1996-06-10 | 積層型圧電アクチュエータ |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH09331685A (ja) |
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| WO2000005771A1 (en) * | 1998-07-24 | 2000-02-03 | Med-Dev Limited | Offset arrangement of electrodes on a piezoelectric transducer |
| WO2000038252A1 (fr) * | 1998-12-18 | 2000-06-29 | Denso Corporation | Corps multicouche piezoelectrique |
-
1996
- 1996-06-10 JP JP8182594A patent/JPH09331685A/ja active Pending
Cited By (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| WO2000005771A1 (en) * | 1998-07-24 | 2000-02-03 | Med-Dev Limited | Offset arrangement of electrodes on a piezoelectric transducer |
| WO2000038252A1 (fr) * | 1998-12-18 | 2000-06-29 | Denso Corporation | Corps multicouche piezoelectrique |
| US6452312B1 (en) | 1998-12-18 | 2002-09-17 | Denso Corporation | Piezoelectric laminate body |
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