JPH09331547A - ビデオ信号処理装置、ビデオ信号処理方法、並びに記録媒体 - Google Patents

ビデオ信号処理装置、ビデオ信号処理方法、並びに記録媒体

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JPH09331547A
JPH09331547A JP8156269A JP15626996A JPH09331547A JP H09331547 A JPH09331547 A JP H09331547A JP 8156269 A JP8156269 A JP 8156269A JP 15626996 A JP15626996 A JP 15626996A JP H09331547 A JPH09331547 A JP H09331547A
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video signal
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ビデオ信号処理装置において、テレビジョン
モニタによる表示に対して妨害が少なく、且つコピー防
止効果を確実とすることを可能とする。 【解決手段】 図10Bに示すように、正規バースト信
号に対して位相が反転された反転バースト部分8波と、
正規のバースト信号に対して振幅が増大された非位相シ
フトバースト部分5波によって、コピー防止用信号のバ
ースト信号が形成される。反転バースト部分は、アナロ
グVCRに記録され再生されると、時間軸方向に拡大さ
れ画像妨害を引き起こし、コピー防止機能をなす。非位
相シフトバースト部分の振幅は、任意に可変可能とされ
ているため、テレビジョンモニタの機種に対応させ妨害
補正の量を調整できる。そのため、このコピー防止用信
号が含まれたビデオ信号を映出させても、画像妨害が発
生しない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、ビデオディス
ク、ディジタルVCR、ディジタル放送の受信装置等か
らのアナログビデオ信号を記録するビデオテープレコー
ダおよびその再生出力を表示するテレビジョン受像機に
対して適用されるビデオ信号処理装置、ビデオ信号処理
方法、並びに記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】ディジタル技術の発達に伴い、家庭にお
いても高画質のビデオ信号源を容易に入手できるように
なりつつある。例えばプリレコーディッドテープ(ソフ
トテープ)のみならず、ディジタル放送の端末、DVD
(ディジタルビデオディスク)等は、高画質のビデオ信
号をユーザに提供する。ディジタルVCR(ビデオカセ
ットテープレコーダ)も家庭用として除々に浸透しつつ
あるが、現状では、アナログVCRが格段に普及してい
る。上述したような高画質のビデオ信号の提供者として
は、著作権保護の立場から、アナログVCRによるコピ
ーの制限に対して多大な関心を払わざるを得ない。
【0003】既に、アナログVCRに対しては、幾つか
のコピー制限の方法が考えられている。例えば、マクロ
ビジョン社によるAGCパルス方式やカラーストライプ
方式が知られている。AGCパルス方式は、コピー禁止
の場合では、ビデオ信号におけるAGC基準レベル検出
区間に、通常のAGC基準レベルより大きなレベルのパ
ルスを挿入しコピーを制限するものである。すなわち、
ビデオ信号のV(垂直)ブランキング期間の一部に疑似
SYNCパルスが挿入される。これは例えば、図18A
に示されるように、ビデオ信号のVブランキング期間の
一部に疑似同期パルスが挿入される。図18Bは、この
疑似同期パルスが挿入された部分を拡大して示す。この
疑似同期パルスは、水平同期パルスにレベルpを加えた
レベルで例えば5波挿入される。また、このレベルp
は、変化させられ挿入される。
【0004】アナログVCR(家庭用アナログVCR)
では、図18Cに示す、Vブランキング期間における1
Hの水平同期パルスを利用してAGCをかけるようにさ
れた機種が多数存在する。そのため、このように、水平
同期パルスよりも振幅の大きい疑似同期パルスが1Hに
挿入されると、AGC回路がこの疑似同期パルスの振幅
を基準レベルと判断してAGC動作を行う。その結果、
再生信号のゲインがかなり小さくなるため、同期信号を
振幅分離によって検出することができず、正常な再生が
行えなくなる。一方、テレビジョンモニタは、AGC方
式がアナログVCRと異なるので、再生画像を正常に表
示することができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、このAGC
パルス方式では、一部のビデオカセットレコーダに対し
て効果が無いという問題点があった。例えば、β方式の
VCRや8mmVCR、およびVHS方式のVCRにお
いて、AGC時定数が長いものなどには効果がなかっ
た。
【0006】そこで、他のコピー制限の方法として、以
下に説明するカラーストライプ方式が提案されている。
このカラーストライプ方式とは、再生ビデオ信号に対し
て、例えば21ライン毎に4ライン分、カラーバースト
信号全体の位相を反転させる方法である。このようにカ
ラーバースト信号の位相を反転させられた再生ビデオ信
号を別の家庭用アナログVCRで録画すると、アナログ
VCRのAPC(自動位相制御回路)がこの位相の反転
したカラーバースト信号を本来のカラーバースト信号と
して使用してしまうため、そのラインの色が反転され記
録/再生されてしまう。したがって、この録画されたビ
デオ信号を再生すると、図19に示すように、色の反転
した帯が21ライン毎に画面に映出される。
【0007】一方、一般的なテレビジョン受像機におい
ては、色信号復調のための搬送波を形成するPLL(A
PC)の時定数が長いため、高々4ラインにおいて連続
してカラーバースト信号が反転されても影響が出ない。
しかしながら、機種によっては時定数の短いPLLを用
いている場合もあり、この場合には、色の反転した帯が
画面に生じるという問題点があった。
【0008】さらに、本願出願人は、有効画面中の全ラ
インのカラーバースト信号において、その一部の期間の
位相を反転させるようにしたコピー制限方法を提案して
いる。この方法は、上述したカラーストライプ方式にお
いて、表示画像の画質が劣化するようなテレビジョンモ
ニタに対しても、そのような問題を生じない利点があ
る。
【0009】アナログ方式の家庭用VCRにおいては、
3.58MHzの周波数(NTSC方式の場合)を有す
る色副搬送波が低域変換され600〜700KHzの中
の所定の中心周波数を有する低域変換色信号とされる。
そして、この低域変換色信号と輝度信号とが周波数多重
化され磁気テープ上に記録される。再生時には再生信号
から低域変換色信号が周波数分離され、元の搬送波周波
数の色信号に変換される。このような記録および再生時
の信号処理とテープ,ヘッドを含む電磁変換系の特性に
よって、家庭用アナログVCRにおいて色信号は、テレ
ビジョン受像機などに比べ非常に狭く帯域制限される。
【0010】この帯域制限のために、再生カラーバース
ト信号は、記録前の原信号に比較して時間軸上でその前
後に拡張される性質を有する。図20は、原信号とVC
Rによる再生後の信号におけるカラーバースト信号を示
す。図20Aに示す、水平同期信号hの後に配されるカ
ラーバースト信号の原信号aが磁気テープに記録され再
生されると、図20Bに示すように、時間軸上において
カラーバースト信号aが前後に拡張される。
【0011】この性質を利用してコピー防止を図るの
が、カラーバースト信号の一部の位相を反転させる方式
である。図21は、この方式の適用例を示す。通常のラ
インにおいては、水平同期信号hの後ろに例えば10波
のカラーバースト信号が配される(図21A)。それに
対して、コピー防止のための画像妨害を生じさせるため
に、位相が反転された6波のカラーバースト信号と7波
の正規の位相のカラーバースト信号との計13波の、反
転カラーバースト信号を含むカラーバースト信号がコピ
ー防止用信号として配されたラインが設けられる(図2
1B)。例えば正規のカラーバースト信号を含む17ラ
インおよび反転カラーバースト信号を含む4ラインとの
合計21ラインが画面上で繰り返される(図21C)。
【0012】このように、反転カラーバースト信号を含
むラインが配されたビデオ信号は、例えばVCRで再生
された場合、VCRの色同期回路においてPLLが追従
できなくなり、画像の劣化を引き起こし、これによりコ
ピーを防止することができる。勿論、このビデオ信号を
別のVCRにより記録/再生した場合にも正常な画像が
得られない。また、この反転カラーバースト信号を含む
ビデオ信号は、テレビジョンモニタにおいては略正規の
カラーバースト信号として検出され使用される。そのた
め、このビデオ信号は、テレビジョンモニタにおいて
は、略正常な画面として映出される。
【0013】しかしながら、この方式は、VCRの色信
号の周波数帯域が狭いことを利用しているので、色信号
の帯域が広い、例えばS−VHSといったアナログVC
Rに対してはコピー防止効果が不十分であるといった問
題点があった。
【0014】この対策として、コピー防止効果を増大さ
せるために、反転カラーバースト信号の波数を増大させ
る方法が考えられる。例えば図22に示されるように、
10波の反転カラーバースト信号と3波の通常位相カラ
ーバースト信号との計13波でコピー防止用信号を形成
することが考えられる。この方法では、色信号の帯域の
広いVCRでもコピー防止効果を生じさせることができ
るが、一部のテレビジョンモニタに対して、著しい画像
妨害を与えてしまうという問題点があった。例えば、色
の反転は生じないが、水平ライン方向において縞状に濃
度の異なる妨害や、画面全体の色の濃さが変化するとい
った画像妨害が現れることがあった。
【0015】後述の参考例において詳細は説明するが、
この問題を解決するために、先に本願発明人によって、
上述の反転カラーバースト信号の波数を増大させたコピ
ー防止用信号が配されたラインと、通常のカラーバース
ト信号の振幅を増大させた補正カラーバースト信号が配
されたラインとが交互に配置されたマクロブロックで以
てコピー防止用信号を形成する方法が提案されている。
【0016】一般にテレビジョンモニタには、色信号の
レベルを自動補正するACC回路が採用されている。こ
のACC回路の動作特性は、テレビジョンモニタによっ
て異なり、反転カラーバースト信号や周波数の異なるカ
ラーバースト信号などによって生じる妨害に対する補正
量が一律に定まらない。したがって、この提案のような
コピー防止用信号が挿入されている信号がテレビジョン
モニタに供給され、テレビジョンモニタにおいて固定値
で以て妨害に対する補正が行われた場合、残留誤差が妨
害となって検知されてしまう場合があるという問題点が
あった。
【0017】さらに、反転バーストや異なる周波数のカ
ラーバースト信号に対して妨害を受けにくいテレビジョ
ンモニタに対して、この提案のような妨害補正を行う
と、一部のテレビジョンモニタにおいては、過補正によ
る副作用で妨害が検知されてしまう場合があるという問
題点があった。
【0018】従って、この発明の目的は、テレビジョン
モニタによる表示に対して妨害が少なく、且つコピー防
止効果を確実とすることが可能なビデオ信号処理装置、
ビデオ信号処理方法、並びに記録媒体を提供することに
ある。
【0019】
【課題を解決するための手段】この発明は、上述した課
題を解決するために、正規のカラーバースト信号に対し
て位相を反転または異ならせた第1の信号を発生する第
1の信号発生手段と、正規のカラーバースト信号と同位
相の第2の信号を発生する第2の信号発生手段と、第2
の信号の振幅を任意に可変する第1の振幅調整手段と、
第1の信号と振幅を調整された第2の信号とをカラーバ
ースト信号として再生ビデオ信号の1ライン上に挿入す
る手段とを有することを特徴とするビデオ信号処理装置
である。
【0020】また、この発明は、上述した課題を解決す
るために、正規のカラーバースト信号に対して位相を反
転または異ならせた第1の信号を発生するステップと、
正規のカラーバースト信号と同位相の第2の信号を発生
するステップと、第2の信号の振幅を任意に可変する第
1の振幅調整のステップと、第1の信号と振幅を調整さ
れた第2の信号とをカラーバースト信号として再生ビデ
オ信号の1ライン上に挿入するステップとを有すること
を特徴とするビデオ信号処理方法である。
【0021】また、この発明は、上述した課題を解決す
るために、ディジタルビデオ信号が予め記憶されると共
に、ディジタルビデオ信号を再生装置が再生し、アナロ
グビデオ信号として出力する場合に、記録制限のため
に、アナログビデオ信号中のカラーバースト信号の一部
の位相を正規のカラーバースト信号の位相に対して反転
または異ならせると共に別の一部の振幅を増大させ、そ
の信号をアナログビデオ信号中に配置することを指示す
る情報とが予め記録されたことを特徴とする記録媒体で
ある。
【0022】上述したように、この発明は、正規のカラ
ーバースト信号に対して位相が反転または異ならせた第
1の信号と正規のカラーバースト信号と同位相の第2の
信号とが再生ビデオ信号の1ライン上に挿入され、第2
の信号の振幅が任意に可変可能とされているため、アナ
ログVCRに対して記録されたこの第1および第2の信
号を含むビデオ信号が再生される際には画像妨害を生じ
させ、テレビジョンモニタに対しては、機種毎に適切な
妨害補正を行い正しい画像を映出させることができる。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の一形態に
ついて説明する。この発明の理解を容易とするために、
コピー制限の適用例について図1を参照して説明する。
図1は、ディジタルVCR2で再生されたアナログビデ
オ信号をアナログVCR1により録画する例である。デ
ィジタルVCR2により再生されるカセットテープが例
えばプリレコーディッドテープであって、テープ中に記
録されているコピー世代の制限に関する制御情報(CG
MS(Copy Generation Management System) と称する)
がコピー禁止を指示する場合では、アナログVCR1に
よる録画を実質的に禁止する必要がある。
【0024】図1Bは、DVDプレーヤ3からの再生ア
ナログビデオ信号をアナログVCR1により録画する例
である。この場合でも、DVDに記録されているCGM
Sによりコピー禁止が指示される場合では、アナログV
CR1による録画が禁止される必要がある。さらに、図
1Cは、ディジタル放送を受信するためのIRD(Integ
rated Receiver Decoder) (あるいはセットトップボッ
クス)4により受信したプログラムをディジタルVCR
5により録画し、この記録した内容をアナログVCR1
により録画する例である。一般的に、ディジタル放送の
プログラムをディジタル信号あるいはアナログ信号とし
てディジタルVCR5が1回は記録することが許容され
ることが多い。しかしながら、その記録した内容をアナ
ログVCR1によりコピーすることが制限される。勿
論、IRD4からアナログVCR1へのビデオ信号のコ
ピーを禁止する場合もある。
【0025】この発明は、図1に例示したような場合
に、アナログVCR1によるコピーを実質的に禁止し、
且つディジタルVCR2、DVDプレーヤ3、ディジタ
ルVCR5からのアナログビデオ信号をモニタ装置によ
り支障なく表示することを可能とするものである。
【0026】この発明の理解を容易とするために、実施
の一形態の説明に先んじて、先に本願出願人によって提
案されたビデオ信号処理方法を参考例として説明する。
図2は、図1Bの例のようにDVDプレーヤ3により再
生されたアナログビデオ信号を出力する場合に対してこ
の参考例を適用した例を示す。
【0027】MPEG等により圧縮符号化されたディジ
タル信号がDVD6から光ピックアップ7により読み取
られる。光ピックアップ7の再生信号がプリアンプ、波
形整形、復号回路8を介してエラー処理回路9に供給さ
れる。エラー処理回路9では、エラー訂正符号の復号が
なされ、エラーが訂正される。エラー処理回路9の出力
がディマルチプレクサ10に供給される。ディマルチプ
レクサ10は、再生信号からビデオデータ、オーディオ
データ、制御用のディジタルデータをそれぞれ分離す
る。
【0028】ビデオデータは、ビデオデコーダ11に供
給される。ビデオデコーダ11は、圧縮符号化のデコー
ド、アナログビデオ信号への変換等の処理を行い、アナ
ログビデオ信号をこの参考例が適用された出力部14に
供給する。出力端子16には、出力部14からコピー防
止用信号が選択的に付加されたアナログビデオ信号が出
力される。オーディオデータは、オーディオデコーダ1
2において、圧縮符号化のデコード、アナログオーディ
オ信号への変換等の処理を受け、出力端子17にアナロ
グオーディオ信号が得られる。ディジタルデータデコー
ダ13は、DVD6に記録されている制御用ディジタル
データを分離し、復号する。この制御用ディジタルデー
タの中にCGMSが含まれており、このCGMSに基づ
いて、コピーコントロール信号が形成される。コピーコ
ントロール信号が出力部14に与えられる。この出力部
14は、DVDプレーヤ内部に設けられる。
【0029】この参考例においては、コピー防止の効果
をより確実とするために、カラーバースト信号の前にカ
ラーバースト信号に対して位相を反転させた信号を挿入
した反転カラーバースト信号と、カラーバースト信号の
振幅を通常のものより大きくしたバースト補正信号とを
カラーバースト信号に代えて挿入する方式が用いられ
る。これら反転カラーバースト信号およびバースト補正
信号は、正規のカラーバースト信号と同様のタイミング
で以て挿入される。さらに、この参考例においては、上
述のAGCパルス方式も併用される。これら反転カラー
バースト信号とバースト補正信号の挿入,およびAGC
パルス方式の実施は、出力部14において行われる。
【0030】図3は、正規のカラーバースト信号,およ
びこれら挿入されるコピー防止用信号,バースト補正信
号の波形の一例を示す。図3Aは、正規のカラーバース
ト信号の例を示す。この例では、正規カラーバースト信
号は、10波から成る。図3Bに示される反転カラーバ
ースト信号において、正規カラーバースト信号の10波
に対して、前に3波付け加えられ、付け加えられたこの
3波を含む前半の10波が正規カラーバースト信号に対
して位相が反転させられている。図3Cに示されるバー
スト補正信号は、図3Aに示される正規カラーバースト
信号に対して、振幅が異ならされている。この例では、
振幅が信号正規カラーバースト信号に対して5dB大き
くされている。
【0031】図4は、この参考例における、反転カラー
バースト信号を含むラインおよびバースト補正信号が配
されたラインの配置の一例を示す。この例においては、
ビデオ信号の水平5ラインを単位として配置が行われ、
この5ラインをコピー防止用信号のマクロブロック(最
小構成単位)としている。この5ラインのうち、最初の
ライン(〔5n+0〕ライン)および〔5n+2〕ライ
ンにバースト補正信号が付加されたラインが配される。
〔5n+1〕ラインおよび〔5n+3〕ラインに反転カ
ラーバースト信号を含むラインが配される。また、〔5
n+4〕ラインに正規のカラーバースト信号が付加され
たラインが配される。
【0032】このように、この参考例においては、反転
カラーバースト信号を含むラインとバースト補正信号が
配されたラインとが交互に配置され、コピー防止用信号
のマクロブロックとされる。また、この例では、複数
の、例えば8マクロブロックによってコピー防止用信号
のブロックが形成される。
【0033】このようなマクロブロックで以て反転カラ
ーバースト信号を含むラインとバースト補正信号が配さ
れたラインとが配置された場合の、テレビジョンモニタ
およびVCRに対する影響について説明する。テレビジ
ョンモニタにおいては、色復調のためにAPCが用いら
れる。このAPCは、周知のように、入力ビデオ信号
(クロマ信号)からカラーバースト信号を抽出し、この
カラーバースト信号に対して位相検波を行う。この検波
出力がローパスフィルタなどで積分され、この積分出力
に基づき、電圧制御発振器によって基準サブキャリアが
生成される。この基準サブキャリアは、入力ビデオ信号
の色復調のために用いられると共に、位相検波の際の基
準信号としても用いられる。
【0034】このテレビジョンモニタのAPCの周波数
応答特性は、図5の実線に示されるように、ローパスフ
ィルタとしての特性、すなわち、積分特性を示す。VC
RにおけるAPCの特性も同様に積分特性を有するが、
これは同図に破線で示されるように、テレビジョンモニ
タに対して帯域が広い。
【0035】カラーバースト信号は、水平同期信号の周
期で間欠的に到来する。上述のAPCにおいては、この
間欠的に到来するカラーバースト信号だけを抜き取って
基準サブキャリアを生成する処理が行われる。図6は、
この様子を模式的に示す。カラーバースト信号のみを抜
き取ってみたばあい、反転カラーバースト信号を含むラ
インと通常のラインとで繰り返し周波数が形成される。
【0036】上述の従来技術において示したような、反
転カラーバースト信号を含むラインが4ライン連続して
配置されるような方法では(図6A)、反転カラーバー
スト信号による、ライン単位での繰り返し周波数が例え
ば図5のf1 のように、テレビジョンモニタにおけるA
PCの周波数応答範囲内となってしまう。したがって、
APCが反転カラーバースト信号の位相に引き込まれて
しまい、画像に妨害が生じてしまう。
【0037】そこで、この参考例では、1ライン間隔で
間欠的に反転カラーバースト信号を含むラインを配置す
ることによって、図6Bに示されるように、反転カラー
バースト信号によるライン単位での繰り返し周波数を上
げることができる。そのため、この繰り返し周波数は、
例えば図5のf2 のように、テレビジョンモニタのAP
Cの周波数応答範囲外であって、且つ、VCRのAPC
の周波数応答範囲内に存在させることができる。したが
って、この方法によれば、テレビジョンモニタにおいて
は、PLLが反転カラーバースト信号を引き込まないた
め画像妨害を生じないが、VCRにおいては、APCが
反転カラーバースト信号に応答して色反転を生じ、反転
カラーバースト信号による画像妨害を生じさせることが
できる。
【0038】また、テレビジョンモニタによっては、A
PCの周波数応答範囲が上述の想定よりも広く、1ライ
ン間隔で間欠的に反転カラーバースト信号を配置する方
法でも、色の濃さなどが変化してしまうといったような
画像妨害が生じてしまう場合がある。この画像妨害を補
正するために、この参考例では、上述のバースト補正信
号が配されたラインがさらに配置される。このバースト
補正信号による画像妨害の補正は、APCにおける位相
検波回路がカラーバースト信号の振幅方向の情報も検出
可能な乗算器タイプである場合に有効とされる。上述し
たように、APCの周波数特性が積分特性を有している
ために、位相検波回路によって振幅方向の情報が検出さ
れることで、カラーバースト信号の波数と信号レベルと
の変換が可能とされる。
【0039】このようなマクロブロック構造を有するコ
ピー防止用信号が画面上に所定の方法で配置されること
によって、実際に画面に対して画像妨害を生じさせ、コ
ピー防止効果を得ることができる。
【0040】図7は、このようなマクロブロックによる
コピー防止用信号の配置方法の一例および他の例を示
す。図7Aは、コピー防止用信号のブロックとコピー防
止用ブロックが含まれない正規のカラーバースト信号を
有するブロックとが交互に配置される例である。この例
では、コピー防止用信号のブロックが8マクロブロッ
ク、すなわち40ライン(図中の斜線で示された部分)
から成り、このコピー防止用ブロックとコピー防止用信
号が含まれない正規のカラーバースト信号を有する40
ラインとが交互に配置される。また、図7Bは、画面の
主要部分がコピー防止用ブロックで埋め尽くされた例で
ある。この配置では、若し、このコピー防止用信号によ
ってテレビジョンモニタに対して色の濃さの変化などの
画像妨害が生じる場合でも、この妨害を目立たなくさせ
ることができる。これらコピー防止用信号の配置は、連
続したフィールドに対してなされる。また、数フィール
ド置きに間欠的にコピー防止用信号を配置するようにし
てもよい。
【0041】ところで、この参考例のように、カラーバ
ースト信号において位相が一部反転させられていると、
テレビジョンモニタによっては画像に妨害が生じてしま
う。これは、テレビジョンモニタのACC回路の構成の
違いによるものである。このACC回路は、周知のよう
に、輝度信号と色信号とのレベル差を自動補正するため
の回路であり、カラーバースト信号の大きさを検出し
て、カラーバースト信号のレベルが一定になるように増
幅回路のゲインを制御する。これにより、画面上の色の
濃さが自動的に一定とされる。
【0042】図8および図9に、このACC回路の構成
の代表的な例を示す。図8は、ダイオード検波方式によ
るACC回路の例である。入力端100から供給された
映像信号が第1帯域増幅回路101によって増幅され第
2帯域増幅回路に供給されると共に、バーストゲート
(図示しない)によりカラーバースト信号を抽出されバ
ースト増幅回路102に供給される。バースト増幅回路
102で増幅されたカラーバースト信号は、バーストト
ランス103を介して色同期回路に供給されると共に、
ACC検波回路104に供給される。このカラーバース
ト信号は、コンデンサC1 およびダイオードD1 によっ
てエンベロープ検波され、ACC増幅回路105に供給
される。第1帯域増幅回路101のバイアス電圧がこの
ACC増幅回路105の出力によって制御される。これ
により、カラーバースト信号のレベルに応じて第1帯域
増幅回路の利得が制御される。
【0043】図9は、位相検波方式によるACC回路の
例である。図8と同様に、入力端110から供給された
映像信号が第1帯域増幅回路111で増幅され、第2帯
域増幅回路に供給されると共に、バーストゲート(図示
しない)でカラーバースト信号を抽出される。抽出され
たカラーバースト信号は、バースト増幅回路112に供
給される。バースト増幅回路112で増幅されたカラー
バースト信号は、バーストトランス113を介して、色
同期回路に供給されると共にACC検波回路114に供
給される。
【0044】このACC検波回路114は、位相検波回
路であって、バーストトランスの出力の正側から負側に
向けて順方向に接続された2つのダイオードD2 ,D1
の中点に、図示しないAPC回路によって、カラーバー
スト信号と同期するように形成された基準副搬送波が供
給される。バーストトランス113からこの検波回路1
14に供給されたカラーバースト信号は、この基準副搬
送波と位相比較され、位相差に基づいたレベルの出力が
図中のP点において得られる。この検波出力がACC増
幅回路115に供給される。この例では、ACC増幅回
路115のトランジスタTr2 が第1帯域増幅回路11
1のトランジスタTr1 のエミッタに直列接続されてお
り、供給される検波出力に応じたこのトランジスタTr
2 の内部抵抗の変化に基づき、第1帯域増幅回路111
の利得が制御される。
【0045】これら代表的な2種類のACC回路のう
ち、図8に示されるダイオード検波方式において、AC
C検波回路104の出力は、カラーバースト信号の波数
および振幅に依存し、位相に依らない。これに対して、
図9に示される位相検波方式では、ACC検波回路11
4の出力は、上述したようにカラーバースト信号の位相
に依存し、基準副搬送波に対してカラーバースト信号の
位相が反転していれば、検波出力が最小となる。
【0046】したがって、この位相検波方式において
は、カラーバースト信号の一部の位相が反転した反転カ
ラーバースト信号や一部の位相がずれたカラーバースト
信号に対しては、検波出力がカラーバースト信号の位相
に依存しているために、カラーバースト信号のレベルが
下がったと検出され、ACCゲインが増加されてしま
う。このような場合、この位相検波方式が採用されてい
るテレビジョンモニタでは、画面上において色が濃くな
ってしまう画像妨害が生ずる。
【0047】この例に示される反転カラーバースト信号
においては、上述したように、位相が反転させられてい
る信号は例えば10波であり、残りの3波の位相は正規
のものであり、バーストゲートにおいては、この正規の
位相の3波を全て含むように、例えば7波のカラーバー
スト信号が抽出される。しかしながら、このACC検波
回路114およびACC増幅回路115においては、検
波出力が積分されるため、位相が反転したカラーバース
ト信号や位相がずれたカラーバースト信号が供給される
と、正規の位相を有する信号と、反転位相を有する信号
やずれた位相を有する信号とが互いに相殺されてしま
う。そのため、結果的にカラーバースト信号のレベルが
全体的に低下したと検出される。すると、当然のことな
がら、ACC回路において第1帯域増幅回路での利得を
上げるような制御が行われ、画面上において色が濃くな
るという画像妨害が生じてしまう。
【0048】以下に説明するこの発明の実施の一形態に
おいては、この問題を解決するために、上述の反転カラ
ーバースト信号において、位相が反転した部分および正
規の位相の部分における振幅を、それぞれ独立に変更可
能なようにした。
【0049】図10は、この実施の一形態における、コ
ピー防止機能を有するカラーバースト信号の波形の一例
を示す。図10Aは、10波より成る正規の位相および
振幅を有するカラーバースト信号を示す。これに対し
て、図10Bに示される、この実施の一形態によるコピ
ー防止機能を有するカラーバースト信号は、全体が正規
カラーバースト信号より3波多い13波とされている。
この例では、この13波のうち、前半(左側)の8波
は、正規カラーバースト信号に対して位相が反転させら
れ、続く5波は、正規カラーバースト信号に対して同位
相であるが振幅が大きくされた補正信号とされる。
【0050】なお、以下の記述において、正規カラーバ
ースト信号に対して位相が反転された部分を反転バース
ト部分、正規カラーバースト信号に対して同位相である
部分を非反転バースト部分とそれぞれ略称する。そし
て、これら反転バースト部分および非反転バースト部分
とが組み合わされた、コピー防止機能を有するカラーバ
ースト信号を、反転/補正カラーバースト信号と略称す
る。
【0051】このように、反転バースト部分と非反転バ
ースト部分とを組み合わせることによって、上述したよ
うな、位相検波出力が積分されることによって生じる、
位相が反転された信号と正規の位相の信号とが互いに相
殺することによるカラーバースト信号レベルの低下を補
正することできる。すなわち、反転バースト部分に対し
て非反転バースト部分のレベルを所定の量だけ大きくす
ることによって、この反転/補正カラーバースト信号が
位相検波され互いに逆の位相の信号同士が積分された場
合でも、十分な検波出力を得るようにすることができ
る。これにより、反転カラーバースト信号と同一ライン
内での補正が可能とされる。
【0052】また、当然であるが、この反転/補正カラ
ーバースト信号を含むビデオ信号をアナログVCRによ
って記録し、再生した際には、反転バースト部分が時間
軸上で拡大され、画像妨害を発生させることができる。
これにより、コピー防止が達成される。
【0053】図11は、この実施の一形態における、反
転/補正カラーバースト信号が配されたラインおよび正
規のカラーバースト信号が配されたラインの配置の例を
示す。この例においては、上述の参考例と同様に、ビデ
オ信号の5ラインを単位として配置が行われ、この5ラ
インをコピー防止用信号のマクロブロックとしている。
この5ラインのうち、第2ライン目(〔5n+1〕ライ
ン)および〔5n+3〕ラインに反転/補正カラーバー
スト信号を含むラインが配される。〔5n+0〕ライ
ン,〔5n+2〕ライン,〔5n+4〕ラインには、正
規のカラーバースト信号を含むラインが配される。
【0054】このように、この実施の一形態において
は、反転/補正カラーバースト信号を含むラインと正規
のカラーバースト信号を含むラインとが交互に配置さ
れ、コピー防止用信号のマクロブロックとされる。この
反転/補正カラーバースト信号を含むラインの間欠的な
配置によって、参考例で説明したように、反転/補正カ
ラーバースト信号によるライン単位での繰り返し周波数
を上げることができる。それにより、APCの周波数特
性が狭いテレビジョンモニタにおいては画像妨害を生じ
させず、周波数特性が広いVCRにおいては画像妨害を
生じさせるようにできる。
【0055】このコピー防止用信号が画面上に所定の方
法で配置されることによって、実際に画面に対して画像
妨害を生じさせ、コピー防止効果を得ることができる。
この配置は、例えば、上述の参考例における図7Aに示
したように、8マクロブロックから成る40ラインを1
ブロックとして、正規のカラーバースト信号が含まれる
40ラインとこのコピー防止用信号のブロックとが交互
に配置される。また、図7Bのように、画面全体をこの
コピー防止用信号のマクロブロックで埋め尽くすように
してもよい。
【0056】このコピー防止用信号は、上述の参考例に
示されるように、連続したフィールドに対してなされ
る。また、これに限らず、数フィールドおきに間欠的に
配置してもよい。さらに、上述の、正規のカラーバース
ト信号のブロックとコピー防止用信号のブロックとが交
互に配置される例においては、フィールド毎にこの配置
を交互に入れ換えることもできる。
【0057】さらにまた、図12に示されるように、従
来のカラーストライプ方式のように、4ライン単位で配
置するようにもできる。この例では、4ラインに反転/
補正カラーバースト信号を含むラインが連続的に配置さ
れ、17ラインに正規のカラーバースト信号を含むライ
ンが配置される。
【0058】ところで、この実施の一形態の方法におい
ては、位相検波方式のACC回路を持つテレビジョンモ
ニタに対しては、非反転バースト部分の振幅を大きくす
ることによって、このコピー防止用信号が与える妨害を
除去することが可能である。しかしながら、図8に示さ
れるような、ダイオード検波方式によるACC回路を有
するテレビジョンモニタに対して、このような、非反転
バースト部分の振幅が大きくされた反転/補正カラーバ
ースト信号が供給された場合に問題が生じる。
【0059】すなわち、このダイオード検波方式のAC
C回路を有するテレビジョンモニタにおいては、大きく
された非反転バースト部分の振幅に基づいて第1帯域増
幅回路の利得が制御されてしまうため、反転バースト部
分による妨害が生じていないにも関わらず、ACC回路
によってだいたい域増幅回路の利得が下げられてしま
い、そのための妨害(画面の色が薄いなど)が生じてし
まう。
【0060】この問題を解決するため、この発明におい
ては、非反転バースト部分のレベルを可変としている。
非反転バースト部分のレベルを、例えばテレビジョンモ
ニタに応じて適切な設定値にすることによって、常に妨
害のない画面を楽しむことが可能となる。
【0061】例えば、位相検波方式のACC回路を有す
るテレビジョンモニタに対してこの発明が適用されたD
VDプレーヤを接続するような場合には、非反転バース
ト部分のレベルを大きく設定する。また、ダイオード検
波方式のACC回路を有するテレビジョンモニタに接続
する場合には、非反転バースト部分のレベルを標準値と
する。これらの場合、例えば基準のレベル値を与えるよ
うな手段を設けると、レベルの設定が容易とされる。さ
らに、反転バースト部分のレベルも可変とすると、より
柔軟な設定が可能となる。
【0062】なお、このように、非反転バースト部分の
レベルを変えテレビジョンモニタに対する妨害を除去し
ても、VCRにおいて磁気テープに記録され再生される
と、時間軸上において反転バースト部分が前後に拡張さ
れるため、コピー防止効果は、殆ど失われない。
【0063】図13は、この発明が適用された、図2に
示したDVDプレーヤ3における出力部14の構成の例
である。ビデオデコーダ11からの再生ビデオ信号は、
例えばアナログコンポーネント信号として出力部14に
供給される。21、22、23でそれぞれ示す入力端子
に対して、輝度信号(同期信号を含む)Y、色差信号R
−Y、B−Yがそれぞれ供給される。輝度信号Yがスイ
ッチャ40の一方の入力端子に供給され、このスイッチ
ャ40から加算器24を経て出力端子16Yに取り出さ
れる。色差信号がカラーエンコーダ25に供給され、カ
ラーエンコーダ25により直交2相変調された搬送色信
号(カラーバースト信号を含む)が形成される。カラー
エンコーダ26からの搬送色信号がスイッチャ45の一
方の入力端に供給され、スイッチャ45からスイッチャ
27の一方の入力端子aに供給される。スイッチャ26
は、カラーバースト信号のすげ替えのために設けられて
いる。スイッチャ26の出力が出力端子16Cに取り出
される。
【0064】この実施の一形態においては、コピーガー
ドの効果をより確実とするために、上述の反転/補正カ
ラーバースト信号によるコピーガードと共に、AGCパ
ルス方式によるものが併用される。加算器24では、A
GCパルス発生器28からのAGCパルスが供給され、
このAGCパルスが輝度信号Yに対して付加される。A
GCパルスとして、正規のレベルのものと、コピー禁止
のための大レベルのものとの一方をAGCパルス発生器
28が発生する。その選択は、データデコーダ13(図
2参照)から入力端子36に供給されるコピーコントロ
ール信号によりなされる。
【0065】スイッチャ26の入力端子bに対して供給
されるカラーバースト信号は、スイッチャ27から出力
される。スイッチャ26は、タイミングコントローラ3
5の出力により制御される。すなわち、コピーコントロ
ール信号によってコピーの許可が指示される場合では、
入力端子aが常に選択され、カラーバースト信号のすげ
替えがなされない。一方、コピーコントロール信号によ
ってコピーの禁止が指示される場合では、カラーバース
ト信号の期間よりやや広い期間で入力端子bが選択さ
れ、カラーバースト信号のすげ替えがなされる。従っ
て、出力端子16Y、16Cに取り出されたビデオ信号
をアナログVCRによって録画する場合に、録画を禁止
することができる。このようにコピーの許可/禁止に対
応してスイッチャ26の制御の態様が異なるので、タイ
ミングコントローラ35には、同期分離回路34で分離
された同期信号と入力端子36からのコピーコントロー
ル信号が供給される。
【0066】バースト発生回路41において、正規の周
波数のカラーバースト信号が発生される。この正規の周
波数のカラーバースト信号は、正規のカラーバースト信
号と同様に、カラーエンコーダ25において使用される
カラーサブキャリア信号と一定の位相関係を有する。ス
イッチャ27の入力端子cには、バースト発生回路41
で発生された正規のカラーバースト信号がインバータ4
2において位相反転され供給される。この位相反転は、
インバータ42を原信号の位相をずらすようなフェイズ
シフタとして、このフェイズシフタによって位相を18
0°ずらすことによってなすこともできる。このフェイ
ズシフタを用いた場合には、位相のずれを180°以外
の他の値とすることも可能である。場合には、スイッチ
ャ27の入力端子dには、バースト発生回路41から正
規のカラーバースト信号がそのまま供給される。また、
スイッチャ27の入力端子eには、バースト発生回路4
1で発生された正規のカラーバースト信号が、例えばボ
リューム調整つまみ44といった、外部からの制御によ
って利得が可変されるアンプ43によって所定の利得で
増幅され、供給される。
【0067】テスト信号発生器46は、例えばカラーバ
ーといった基準信号が発生される。この発生された基準
信号のうち輝度信号がスイッチャ40の他方の入力端に
供給され、色差信号がスイッチャ45の他方の入力端に
供給される。これらスイッチャ40および45は、共に
テストモードスイッチ47によって制御される。すなわ
ち、ユーザが調整つまみ44で以て補正バースト部分の
レベルを調整するような場合、このテストモードスイッ
チ47を押すことによってスイッチャ40および45に
おいて他方の入力端が選択され、テスト信号発生器46
で発生された基準信号が出力端子16Yおよび16Cに
導出される。
【0068】このような構成で以て、ユーザは、各自の
テレビジョンモニタの特性に合わせて、非反転バースト
部分のレベルをボリューム調整つまみ44によって調整
する。この際、テストモードスイッチ47を押すことに
よって、テスト信号発生器46による基準信号に基づく
映像、例えばカラーバーがテレビジョンモニタの画面上
に映出されるため、ユーザは、この調整を容易に行うこ
とができる。
【0069】また、インバータ42の前または後に、ア
ンプ43およびボリューム調整つまみ44と同様の構成
を設けることにより、反転バースト部分においてもレベ
ル調整ができるようになる。
【0070】なお、この図13の構成では、輝度信号Y
が同期信号を含み、カラーエンコーダ25がカラーバー
スト信号を発生するものとしているが、同期信号および
カラーバースト信号を発生する回路を設け、発生した同
期信号およびカラーバースト信号を輝度信号および搬送
色信号に対してそれぞれ付加するようにしても良い。
【0071】また、上述の説明では、非反転バースト部
分のレベルの調整を、調整つまみ44によって行うとし
たが、これはこの例に限定されるものではない。例え
ば、赤外線信号受光部および調整つまみ44の駆動機構
などを設け、赤外線などでコマンドを伝送するリモート
コントローラによる遠隔操作によってこのレベル調整を
行うようにすることもできる。
【0072】図14は、この発明が適用された、出力部
14の構成の他の例である。これは、アンプ43におけ
る非反転バースト部分のレベル設定を、例えばマイクロ
プロセッサおよびメモリなどから成るマイコン50の制
御によって行う例である。なお、この図において、上述
の図13と共通する部分には同一の番号を付し、その説
明を省略する。ユーザは、テレビジョンモニタ毎に予め
決められた非反転バースト部分に対する補正値を、テン
キーなどによる入力装置51からマイコン50に対して
入力する。この入力情報は、マイコン50の制御によっ
て例えば液晶ディスプレイによる表示装置52に映出さ
れる。マイコン50においてこの情報を表す映像信号を
生成させ、テレビジョンモニタを表示装置52として用
いてこれに映出させるようにしてもよい。
【0073】また、マイコン50のメモリに、例えばテ
レビジョンモニタのメーカー毎、機種毎の補正値テーブ
ルを予め持たせ、入力装置51から例えば機種名や機種
名に対応させた機種ナンバーを入力することによって非
反転バースト部分のレベルの補正値を設定するようにし
てもよい。
【0074】さらに、マイコン50によって他の装置と
の通信を行えるような通信ポートをこのDVDプレーヤ
3に設けるようにしてもよい。このようにすると、この
通信に対応したテレビジョンモニタなどがこのDVDプ
レーヤ3に接続された際に、このテレビジョンモニタと
DVDプレーヤ3との間で機器間通信を行い、テレビジ
ョンモニタの機種情報を得るようにすることで、非反転
バースト部分の補正値の設定を自動的に行うことが可能
とされる。
【0075】コピーコントロール信号は、例えばDVD
6に記録されるディジタルビデオ信号と付随して、予め
記録されているCGMSに基づいて生成される。CGM
Sのの一例を図15Aに示す。この図15Aに示すよう
に、CGMSは、下記のように定義される。 00:コピー可能 01:未使用 10:コピー1世代可能 11:コピー不可
【0076】このCGMSにおけるコピーがディジタル
コピー制限のみを規定する場合では、アナログコピーの
可否を示すフラグ、すなわち、アナログコピー制限信号
発生を指示するトリガービットを別に規定しても良い。
図15Bは、その一例であって、トリガービットが`00'
であれば、アナログコピー制限信号を発生しないことが
指示され、このビットが`01'であれば、アナログコピー
制限信号のうちAGCパルス方式によるAGC信号のみ
を発生することが指示される。また、このビットが`11'
であれば、AGC信号とこの発明が適用された第1のコ
ピー防止用信号とを発生することが指示される。ビット
`10'は、未使用としてもよいが、図15Bに示されるよ
うに、AGC信号と共に、上述の第1のコピー防止用信
号と配列の異なる第2のコピー防止用信号とを発生する
ようにすることが可能である。この場合では、CGMS
およびトリガービットの合計4ビットによって、アナロ
グコピーの制限情報が構成される。
【0077】なお、この例では、AGCパルス方式によ
るコピー制限信号の発生と、この発明が適用されたコピ
ー制限信号の発生とが1つのトリガービットによって制
御されるが、これはこの例に限定されるものではない。
すなわち、上述の図1に示されるデータデコーダ13か
らそれぞれ対応するトリガービットを供給することによ
って、AGCパルス方式によるコピー制限信号の発生お
よびこの発明が適用されたコピー制限信号の発生とを、
独立して制御するようにできる。
【0078】このようなCGMSを記録媒体に実際に記
録する形態としては、種々のものが可能である。ディジ
タルVCRの場合では、図16および図17に示すデー
タ構成が採用されている。図16は、VAUX(ビデオ
補助データ)の構成を示し、(01100001)(6
1h)(hは16進表示を表す)のパックヘッダを持つ
パックである。
【0079】このパックには、PC1の上位2ビットと
して、CGMSが記録される。このCGMSの定義は、
例えば図15Aに示すものと同一である。また、PC1
中のコピーソースが下記のように規定される。 00:アナログ入力によるコピー 01:ディジタル入力によるコピー 10:予備 11:情報なし
【0080】PC1中のコピー世代の定義を下記に示
す。 00:第1世代 01:第2世代 10:第3世代 11:第4世代
【0081】図17は、ディジタルVCRにおけるオー
ディオ信号に関する補助データ(AAUXデータ)の一
例を示す。このパックのヘッダは、(0101000
1)(51h)である。このパックPC1には、VAU
Xと同様の構成で、CGMSが記録される。なお、入力
ビデオ信号に付随するCGMSが1世代コピー可能とさ
れている場合に、この入力ビデオ信号を記録した場合に
は、テープ上のCGMSがコピー禁止へ書き換えられ
る。
【0082】この発明の一実施例におけるDVDの場合
は、図示しないが、記録データがセクタ等の区切りを有
し、この区切りの先頭に同期信号およびヘッダが付加さ
れる。このヘッダ中にコピー制限のための情報を記録す
るようになされる。
【0083】なお、上述の説明においては、コピー防止
のために画像妨害を生じさせる反転バースト部分は、正
規のカラーバースト信号に対して位相を反転させるとし
たが、これはこの例に限定されるものではない。例え
ば、この反転バースト部分においては、正規のカラーバ
ースト信号に対して周波数を変えるようにしても、コピ
ー防止の効果を得ることができる。
【0084】
【発明の効果】以上説明したように、この発明によれ
ば、正規のカラーバースト信号の位相に対して位相反転
された反転バースト部分と、正規のカラーバースト信号
と同位相の非反転バースト部分とが間欠的に配置される
マクロブロックによってコピー防止用信号が形成された
め、APCの周波数応答範囲が狭いテレビジョンモニタ
においては反転カラーバースト信号が引き込まれず、周
波数応答範囲が広いVCRにおいては引き込まれるよう
にすることができる。そのため、VCRに対して画像妨
害を生じさせ、テレビジョンモニタに対しては画像妨害
を生じないようにできる効果がある。
【0085】また、この発明によれば、非反転バースト
部分の信号レベルが可変とされているため、この非反転
バースト部分による、反転バースト部分での画像妨害に
対する補正量をテレビジョンモニタの特性に応じて最適
に設定することができる効果がある。これにより、例え
ば位相検波方式あるいはダイオード検波方式のどちらの
方式によるACC回路を有するテレビジョンモニタにも
対応できる効果がある。
【0086】同様にして、非反転バースト部分による補
正が不要、あるいは微量でいいようなテレビジョンモニ
タに対して、過補正による副作用を防止することができ
る効果がある。
【0087】また、この発明によれば、テレビジョンモ
ニタに対する妨害補正を行っても、VCRに対するコピ
ー防止効果は殆ど失われないという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明を適用できるビデオ信号記録システム
の幾つかの例を示すブロック図である。
【図2】DVDプレーヤの再生部の構成の一例を示すブ
ロック図である。
【図3】参考例におけるコピー防止用信号の例を示す波
形図である。
【図4】参考例におけるコピー防止用信号のマクロブロ
ックの一例を示す略線図である。
【図5】APCの周波数応答特性の例を示す略線図であ
る。
【図6】反転カラーバースト信号による繰り返し周波数
を説明するための略線図である。
【図7】コピー防止用信号のブロックが配置された画面
構成の例を示す略線図である。
【図8】ACC回路の構成の代表的な例を示す回路図で
ある。
【図9】ACC回路の構成の代表的な例を示す回路図で
ある
【図10】この発明による、コピー防止機能を有するカ
ラーバースト信号の波形の一例を示す略線図である。
【図11】コピー防止用信号のマクロブロックの一例を
示す略線図である。
【図12】コピー防止用信号のブロックが配置された画
面構成の例を示す略線図である。
【図13】この発明が適用された出力部の例を示すブロ
ック図である。
【図14】この発明が適用された出力部の他の例を示す
ブロック図である。
【図15】CGMSの一例およびコピー制限用信号の発
生を指示するトリガービットの説明に用いる略線図であ
る。
【図16】ディジタルVCRにおいて採用されているC
GMSの記録方法の一例の説明に用いる略線図である。
【図17】ディジタルVCRにおいて採用されているC
GMSの記録方法の一例の説明に用いる略線図である。
【図18】AGCパルス方式を説明するための波形図で
ある。再生後においてコピー防止用信号の幅が増えたこ
とを示す波形図である。
【図19】カラーストライプ方式を説明するための略線
図である。
【図20】原信号と再生後の信号におけるカラーバース
ト信号をそれぞれ示す波形図である。
【図21】先に提案されているコピー防止用信号の例を
示す波形図である。
【図22】先に提案されているコピー防止用信号の例を
示す波形図である。
【符号の説明】
3・・・DVDプレーヤ、6・・・DVD、14・・・
再生アナログビデオ信号を出力するための出力部、1
6、16Y、16C・・・出力端子、24・・・加算
器、26、27・・・スイッチャ、41・・・正規のカ
ラーバースト信号を発生する信号発生回路、42・・・
インバータ、43・・・アンプ、44・・・アンプ43
の利得を調整するためのボリューム調整つまみ

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ビデオ信号源からのアナログ出力用のビ
    デオ信号の記録を制限するためのビデオ信号処理装置で
    あって、 正規のカラーバースト信号に対して位相を反転または異
    ならせた第1の信号を発生する第1の信号発生手段と、 正規のカラーバースト信号と同位相の第2の信号を発生
    する第2の信号発生手段と、 上記第2の信号の振幅を任意に可変する第1の振幅調整
    手段と、 上記第1の信号と上記振幅を調整された第2の信号とを
    カラーバースト信号として再生ビデオ信号の1ライン上
    に挿入する手段とを有することを特徴とするビデオ信号
    処理装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のビデオ信号処理装置に
    おいて、 上記第1の信号の振幅を任意に可変する第2の振幅調整
    手段をさらに有することを特徴とするビデオ信号処理装
    置。
  3. 【請求項3】 請求項1または請求項2に記載のビデオ
    信号処理装置において、 振幅調整は主に上記第1の振幅調整手段によって行われ
    ることを特徴とするビデオ信号処理装置。
  4. 【請求項4】 請求項1または請求項2に記載のビデオ
    信号処理装置において、 調整操作によって入力が行われる第1の入力手段をさら
    に有し、上記第1および/または第2の振幅調整手段に
    よる調整は、上記入力手段によって行われることを特徴
    とするビデオ信号処理装置。
  5. 【請求項5】 請求項1または請求項2に記載のビデオ
    信号処理装置において、 標準的なビデオ画面を形成するような基準信号を発生す
    る基準信号発生手段をさらに有し、上記ビデオ画面を参
    照しながら上記第1および/または第2の振幅調整手段
    による振幅の可変を行うことを特徴とするビデオ信号処
    理装置。
  6. 【請求項6】 請求項5に記載のビデオ信号処理装置に
    おいて、 上記ビデオ画面は、カラーバーであることを特徴とする
    ビデオ信号処理装置。
  7. 【請求項7】 請求項1または請求項2に記載のビデオ
    信号処理装置において、 ビデオ信号映出装置の機種毎に設定された、上記第1お
    よび/または第2の信号に対する調整情報を記憶する記
    憶手段と、 上記記憶手段に対して上記調整情報を指示するための入
    力を行う第2の入力手段とをさらに有し、 上記ビデオ信号映出装置の機種を区別する情報を上記第
    2の入力手段に対して入力することで、上記記憶手段か
    ら読み出された上記調整情報に基づき上記第1および/
    または第2の振幅調整手段の制御を行うことを特徴とす
    るビデオ信号処理装置。
  8. 【請求項8】 請求項1または請求項2に記載のビデオ
    信号処理装置において、 上記第1および/または第2の振幅調整手段を制御する
    制御手段と、 他の装置と通信するための通信手段とをさらに有し、 上記通信手段に対応したビデオ信号映出装置が接続され
    た場合、該通信手段に対応したビデオ信号映出装置と上
    記制御装置との間で上記通信を行うことによって上記通
    信手段に対応したビデオ信号映出装置の装置情報を得、
    得られた該装置情報に基づき、上記第1および/または
    第2の振幅調整手段の制御を自動的に行うことを特徴と
    するビデオ信号処理装置。
  9. 【請求項9】 ビデオ信号源からのアナログ出力用のビ
    デオ信号の記録を制限するためのビデオ信号処理方法で
    あって、 正規のカラーバースト信号に対して位相を反転または異
    ならせた第1の信号を発生するステップと、 正規のカラーバースト信号と同位相の第2の信号を発生
    するステップと、 上記第2の信号の振幅を任意に可変する第1の振幅調整
    のステップと、 上記第1の信号と上記振幅を調整された第2の信号とを
    カラーバースト信号として再生ビデオ信号の1ライン上
    に挿入するステップとを有することを特徴とするビデオ
    信号処理方法。
  10. 【請求項10】 ディジタルビデオ信号が予め記憶され
    ると共に、 上記ディジタルビデオ信号を再生装置が再生し、アナロ
    グビデオ信号として出力する場合に、記録制限のため
    に、上記アナログビデオ信号中のカラーバースト信号の
    一部の位相を正規のカラーバースト信号の位相に対して
    反転または異ならせると共に別の一部の振幅を増大さ
    せ、その信号を上記アナログビデオ信号中に配置するこ
    とを指示する情報とが予め記録されたことを特徴とする
    記録媒体。
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