JP3694984B2 - ビデオ信号処理装置およびビデオ信号処理方法 - Google Patents

ビデオ信号処理装置およびビデオ信号処理方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、ビデオディスク、ディジタルVCR、ディジタル放送の受信装置等からのアナログビデオ信号を記録するビデオテープレコーダおよびその再生出力を表示するテレビジョン受像機に対して適用されるビデオ信号処理装置およびビデオ信号処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
ディジタル技術の発達に伴い、家庭においても高画質のビデオ信号源を容易に入手できるようになりつつある。例えばプリレコーディッドテープ(ソフトテープ)のみならず、ディジタル放送の端末、DVD(ディジタルビデオディスク)等は、高画質のビデオ信号をユーザに提供する。ディジタルVCR(ビデオカセットテープレコーダ)も家庭用として除々に浸透しつつあるが、現状では、アナログVCRが格段に普及している。上述したような高画質のビデオ信号の提供者としては、著作権保護の立場から、アナログVCRによるコピーの制限に対して多大な関心を払わざるを得ない。
【0003】
既に、アナログVCRに対しては、幾つかのコピー制限の方法が考えられている。例えば、マクロビジョン社によるAGCパルス方式やカラーストライプ方式が知られている。AGCパルス方式は、コピー禁止の場合では、ビデオ信号におけるAGC基準レベル検出区間に、通常のAGC基準レベルより大きなレベルのパルスを挿入しコピーを制限するものである。すなわち、ビデオ信号のV(垂直)ブランキング期間の一部に疑似SYNCパルスが挿入される。これは例えば、図18Aに示されるように、ビデオ信号のVブランキング期間の一部に疑似同期パルスが挿入される。図18Bは、この疑似同期パルスが挿入された部分を拡大して示す。この疑似同期パルスは、水平同期パルスにレベルpを加えたレベルで例えば5波挿入される。また、このレベルpは、変化させられ挿入される。
【0004】
アナログVCR(家庭用アナログVCR)では、図18Cに示す、Vブランキング期間における1Hの水平同期パルスを利用してAGCをかけるようにされた機種が多数存在する。そのため、このように、水平同期パルスよりも振幅の大きい疑似同期パルスが1Hに挿入されると、AGC回路がこの疑似同期パルスの振幅を基準レベルと判断してAGC動作を行う。その結果、再生信号のゲインがかなり小さくなるため、同期信号を振幅分離によって検出することができず、正常な再生が行えなくなる。一方、テレビジョンモニタは、AGC方式がアナログVCRと異なるので、再生画像を正常に表示することができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、このAGCパルス方式では、一部のビデオカセットレコーダに対して効果が無いという問題点があった。例えば、β方式のVCRや8mmVCR、およびVHS方式のVCRにおいて、AGC時定数が長いものなどには効果がなかった。
【0006】
そこで、他のコピー制限の方法として、以下に説明するカラーストライプ方式が提案されている。このカラーストライプ方式とは、再生ビデオ信号に対して、例えば21ライン毎に4ライン分、カラーバースト信号全体の位相を反転させる方法である。このようにカラーバースト信号の位相を反転させられた再生ビデオ信号を別の家庭用アナログVCRで録画すると、アナログVCRのAPC(自動位相制御回路)がこの位相の反転したカラーバースト信号を本来のカラーバースト信号として使用してしまうため、そのラインの色が反転され記録/再生されてしまう。したがって、この録画されたビデオ信号を再生すると、図19に示すように、色の反転した帯が21ライン毎に画面に映出される。
【0007】
一方、一般的なテレビジョン受像機においては、色信号復調のための搬送波を形成するPLL(APC)の時定数が長いため、高々4ラインにおいて連続してカラーバースト信号が反転されても影響が出ない。しかしながら、機種によっては時定数の短いPLLを用いている場合もあり、この場合には、色の反転した帯が画面に生じるという問題点があった。
【0008】
さらに、本願出願人は、有効画面中の全ラインのカラーバースト信号において、その一部の期間の位相を反転させるようにしたコピー制限方法を提案している。この方法は、上述したカラーストライプ方式において、表示画像の画質が劣化するようなテレビジョンモニタに対しても、そのような問題を生じない利点がある。
【0009】
アナログ方式の家庭用VCRにおいては、3.58MHzの周波数(NTSC方式の場合)を有する色副搬送波が低域変換され600〜700KHzの中の所定の中心周波数を有する低域変換色信号とされる。そして、この低域変換色信号と輝度信号とが周波数多重化され磁気テープ上に記録される。再生時には再生信号から低域変換色信号が周波数分離され、元の搬送波周波数の色信号に変換される。このような記録および再生時の信号処理とテープ,ヘッドを含む電磁変換系の特性によって、家庭用アナログVCRにおいて色信号は、テレビジョン受像機などに比べ非常に狭く帯域制限される。
【0010】
この帯域制限のために、再生カラーバースト信号は、記録前の原信号に比較して時間軸上でその前後に拡張される性質を有する。図20は、原信号とVCRによる再生後の信号におけるカラーバースト信号を示す。図20Aに示す、水平同期信号hの後に配されるカラーバースト信号の原信号aが磁気テープに記録され再生されると、図20Bに示すように、時間軸上においてカラーバースト信号aが前後に拡張される。
【0011】
この性質を利用してコピー防止を図るのが、カラーバースト信号の一部の位相を反転させる方式である。図21は、この方式の適用例を示す。通常のラインにおいては、水平同期信号hの後ろに例えば10波のカラーバースト信号が配される(図21A)。それに対して、コピー防止のための画像妨害を生じさせるために、位相が反転された6波のカラーバースト信号と7波の正規の位相のカラーバースト信号との計13波の、反転カラーバースト信号を含むカラーバースト信号がコピー防止用信号として配されたラインが設けられる(図21B)。例えば正規のカラーバースト信号を含む17ラインおよび反転カラーバースト信号を含む4ラインとの合計21ラインが画面上で繰り返される(図21C)。
【0012】
このように、反転カラーバースト信号を含むラインが配されたビデオ信号は、例えばVCRで再生された場合、VCRの色同期回路においてPLLが追従できなくなり、画像の劣化を引き起こし、これによりコピーを防止することができる。勿論、このビデオ信号を別のVCRにより記録/再生した場合にも正常な画像が得られない。また、この反転カラーバースト信号を含むビデオ信号は、テレビジョンモニタにおいては略正規のカラーバースト信号として検出され使用される。そのため、このビデオ信号は、テレビジョンモニタにおいては、略正常な画面として映出される。
【0013】
しかしながら、この方式は、VCRの色信号の周波数帯域が狭いことを利用しているので、色信号の帯域が広い、例えばS−VHSといったアナログVCRに対してはコピー防止効果が不十分であるといった問題点があった。
【0014】
この対策として、コピー防止効果を増大させるために、反転カラーバースト信号の波数を増大させる方法が考えられる。例えば図22に示されるように、10波の反転カラーバースト信号と3波の通常位相カラーバースト信号との計13波でコピー防止用信号を形成することが考えられる。この方法では、色信号の帯域の広いVCRでもコピー防止効果を生じさせることができるが、一部のテレビジョンモニタに対して、著しい画像妨害を与えてしまうという問題点があった。例えば、色の反転は生じないが、水平ライン方向において縞状に濃度の異なる妨害や、画面全体の色の濃さが変化するといった画像妨害が現れることがあった。
【0015】
後述の参考例において詳細は説明するが、この問題を解決するために、先に本願発明人によって、上述の反転カラーバースト信号の波数を増大させたコピー防止用信号が配されたラインと、通常のカラーバースト信号の振幅を増大させた補正カラーバースト信号が配されたラインとが交互に配置されたマクロブロックで以てコピー防止用信号を形成する方法が提案されている。
【0016】
一般にテレビジョンモニタには、色信号のレベルを自動補正するACC回路が採用されている。このACC回路の動作特性は、テレビジョンモニタによって異なり、反転カラーバースト信号や周波数の異なるカラーバースト信号などによって生じる妨害に対する補正量が一律に定まらない。したがって、この提案のようなコピー防止用信号が挿入されている信号がテレビジョンモニタに供給され、テレビジョンモニタにおいて固定値で以て妨害に対する補正が行われた場合、残留誤差が妨害となって検知されてしまう場合があるという問題点があった。
【0017】
さらに、反転バーストや異なる周波数のカラーバースト信号に対して妨害を受けにくいテレビジョンモニタに対して、この提案のような妨害補正を行うと、一部のテレビジョンモニタにおいては、過補正による副作用で妨害が検知されてしまう場合があるという問題点があった。
【0018】
従って、この発明の目的は、テレビジョンモニタによる表示に対して妨害が少なく、且つコピー防止効果を確実とすることが可能なビデオ信号処理装置およびビデオ信号処理方法を提供することにある。
【0019】
【課題を解決するための手段】
この発明は、上述した課題を解決するために、正規のカラーバースト信号に対して位相を反転または異ならせた第1の信号を発生する第1の信号発生手段と、正規のカラーバースト信号と同位相の第2の信号を発生する第2の信号発生手段と、第2の信号の振幅を任意に可変する第1の振幅調整手段と、第1の信号と振幅を調整された第2の信号とをカラーバースト信号として再生ビデオ信号の1ライン上に挿入する手段とを有することを特徴とするビデオ信号処理装置である。
【0020】
また、この発明は、上述した課題を解決するために、正規のカラーバースト信号に対して位相を反転または異ならせた第1の信号を発生するステップと、正規のカラーバースト信号と同位相の第2の信号を発生するステップと、第2の信号の振幅を任意に可変する第1の振幅調整のステップと、第1の信号と振幅を調整された第2の信号とをカラーバースト信号として再生ビデオ信号の1ライン上に挿入するステップとを有することを特徴とするビデオ信号処理方法である。
【0022】
上述したように、この発明は、正規のカラーバースト信号に対して位相が反転または異ならせた第1の信号と正規のカラーバースト信号と同位相の第2の信号とが再生ビデオ信号の1ライン上に挿入され、第2の信号の振幅が任意に可変可能とされているため、アナログVCRに対して記録されたこの第1および第2の信号を含むビデオ信号が再生される際には画像妨害を生じさせ、テレビジョンモニタに対しては、機種毎に適切な妨害補正を行い正しい画像を映出させることができる。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の一形態について説明する。この発明の理解を容易とするために、コピー制限の適用例について図1を参照して説明する。図1は、ディジタルVCR2で再生されたアナログビデオ信号をアナログVCR1により録画する例である。ディジタルVCR2により再生されるカセットテープが例えばプリレコーディッドテープであって、テープ中に記録されているコピー世代の制限に関する制御情報(CGMS(Copy Generation Management System) と称する)がコピー禁止を指示する場合では、アナログVCR1による録画を実質的に禁止する必要がある。
【0024】
図1Bは、DVDプレーヤ3からの再生アナログビデオ信号をアナログVCR1により録画する例である。この場合でも、DVDに記録されているCGMSによりコピー禁止が指示される場合では、アナログVCR1による録画が禁止される必要がある。さらに、図1Cは、ディジタル放送を受信するためのIRD(Integrated Receiver Decoder) (あるいはセットトップボックス)4により受信したプログラムをディジタルVCR5により録画し、この記録した内容をアナログVCR1により録画する例である。一般的に、ディジタル放送のプログラムをディジタル信号あるいはアナログ信号としてディジタルVCR5が1回は記録することが許容されることが多い。しかしながら、その記録した内容をアナログVCR1によりコピーすることが制限される。勿論、IRD4からアナログVCR1へのビデオ信号のコピーを禁止する場合もある。
【0025】
この発明は、図1に例示したような場合に、アナログVCR1によるコピーを実質的に禁止し、且つディジタルVCR2、DVDプレーヤ3、ディジタルVCR5からのアナログビデオ信号をモニタ装置により支障なく表示することを可能とするものである。
【0026】
この発明の理解を容易とするために、実施の一形態の説明に先んじて、先に本願出願人によって提案されたビデオ信号処理方法を参考例として説明する。図2は、図1Bの例のようにDVDプレーヤ3により再生されたアナログビデオ信号を出力する場合に対してこの参考例を適用した例を示す。
【0027】
MPEG等により圧縮符号化されたディジタル信号がDVD6から光ピックアップ7により読み取られる。光ピックアップ7の再生信号がプリアンプ、波形整形、復号回路8を介してエラー処理回路9に供給される。エラー処理回路9では、エラー訂正符号の復号がなされ、エラーが訂正される。エラー処理回路9の出力がディマルチプレクサ10に供給される。ディマルチプレクサ10は、再生信号からビデオデータ、オーディオデータ、制御用のディジタルデータをそれぞれ分離する。
【0028】
ビデオデータは、ビデオデコーダ11に供給される。ビデオデコーダ11は、圧縮符号化のデコード、アナログビデオ信号への変換等の処理を行い、アナログビデオ信号をこの参考例が適用された出力部14に供給する。出力端子16には、出力部14からコピー防止用信号が選択的に付加されたアナログビデオ信号が出力される。オーディオデータは、オーディオデコーダ12において、圧縮符号化のデコード、アナログオーディオ信号への変換等の処理を受け、出力端子17にアナログオーディオ信号が得られる。ディジタルデータデコーダ13は、DVD6に記録されている制御用ディジタルデータを分離し、復号する。この制御用ディジタルデータの中にCGMSが含まれており、このCGMSに基づいて、コピーコントロール信号が形成される。コピーコントロール信号が出力部14に与えられる。この出力部14は、DVDプレーヤ内部に設けられる。
【0029】
この参考例においては、コピー防止の効果をより確実とするために、カラーバースト信号の前にカラーバースト信号に対して位相を反転させた信号を挿入した反転カラーバースト信号と、カラーバースト信号の振幅を通常のものより大きくしたバースト補正信号とをカラーバースト信号に代えて挿入する方式が用いられる。これら反転カラーバースト信号およびバースト補正信号は、正規のカラーバースト信号と同様のタイミングで以て挿入される。さらに、この参考例においては、上述のAGCパルス方式も併用される。これら反転カラーバースト信号とバースト補正信号の挿入,およびAGCパルス方式の実施は、出力部14において行われる。
【0030】
図3は、正規のカラーバースト信号,およびこれら挿入されるコピー防止用信号,バースト補正信号の波形の一例を示す。図3Aは、正規のカラーバースト信号の例を示す。この例では、正規カラーバースト信号は、10波から成る。図3Bに示される反転カラーバースト信号において、正規カラーバースト信号の10波に対して、前に3波付け加えられ、付け加えられたこの3波を含む前半の10波が正規カラーバースト信号に対して位相が反転させられている。図3Cに示されるバースト補正信号は、図3Aに示される正規カラーバースト信号に対して、振幅が異ならされている。この例では、振幅が信号正規カラーバースト信号に対して5dB大きくされている。
【0031】
図4は、この参考例における、反転カラーバースト信号を含むラインおよびバースト補正信号が配されたラインの配置の一例を示す。この例においては、ビデオ信号の水平5ラインを単位として配置が行われ、この5ラインをコピー防止用信号のマクロブロック(最小構成単位)としている。この5ラインのうち、最初のライン(〔5n+0〕ライン)および〔5n+2〕ラインにバースト補正信号が付加されたラインが配される。〔5n+1〕ラインおよび〔5n+3〕ラインに反転カラーバースト信号を含むラインが配される。また、〔5n+4〕ラインに正規のカラーバースト信号が付加されたラインが配される。
【0032】
このように、この参考例においては、反転カラーバースト信号を含むラインとバースト補正信号が配されたラインとが交互に配置され、コピー防止用信号のマクロブロックとされる。また、この例では、複数の、例えば8マクロブロックによってコピー防止用信号のブロックが形成される。
【0033】
このようなマクロブロックで以て反転カラーバースト信号を含むラインとバースト補正信号が配されたラインとが配置された場合の、テレビジョンモニタおよびVCRに対する影響について説明する。テレビジョンモニタにおいては、色復調のためにAPCが用いられる。このAPCは、周知のように、入力ビデオ信号(クロマ信号)からカラーバースト信号を抽出し、このカラーバースト信号に対して位相検波を行う。この検波出力がローパスフィルタなどで積分され、この積分出力に基づき、電圧制御発振器によって基準サブキャリアが生成される。この基準サブキャリアは、入力ビデオ信号の色復調のために用いられると共に、位相検波の際の基準信号としても用いられる。
【0034】
このテレビジョンモニタのAPCの周波数応答特性は、図5の実線に示されるように、ローパスフィルタとしての特性、すなわち、積分特性を示す。VCRにおけるAPCの特性も同様に積分特性を有するが、これは同図に破線で示されるように、テレビジョンモニタに対して帯域が広い。
【0035】
カラーバースト信号は、水平同期信号の周期で間欠的に到来する。上述のAPCにおいては、この間欠的に到来するカラーバースト信号だけを抜き取って基準サブキャリアを生成する処理が行われる。図6は、この様子を模式的に示す。カラーバースト信号のみを抜き取ってみたばあい、反転カラーバースト信号を含むラインと通常のラインとで繰り返し周波数が形成される。
【0036】
上述の従来技術において示したような、反転カラーバースト信号を含むラインが4ライン連続して配置されるような方法では(図6A)、反転カラーバースト信号による、ライン単位での繰り返し周波数が例えば図5のf1 のように、テレビジョンモニタにおけるAPCの周波数応答範囲内となってしまう。したがって、APCが反転カラーバースト信号の位相に引き込まれてしまい、画像に妨害が生じてしまう。
【0037】
そこで、この参考例では、1ライン間隔で間欠的に反転カラーバースト信号を含むラインを配置することによって、図6Bに示されるように、反転カラーバースト信号によるライン単位での繰り返し周波数を上げることができる。そのため、この繰り返し周波数は、例えば図5のf2 のように、テレビジョンモニタのAPCの周波数応答範囲外であって、且つ、VCRのAPCの周波数応答範囲内に存在させることができる。したがって、この方法によれば、テレビジョンモニタにおいては、PLLが反転カラーバースト信号を引き込まないため画像妨害を生じないが、VCRにおいては、APCが反転カラーバースト信号に応答して色反転を生じ、反転カラーバースト信号による画像妨害を生じさせることができる。
【0038】
また、テレビジョンモニタによっては、APCの周波数応答範囲が上述の想定よりも広く、1ライン間隔で間欠的に反転カラーバースト信号を配置する方法でも、色の濃さなどが変化してしまうといったような画像妨害が生じてしまう場合がある。この画像妨害を補正するために、この参考例では、上述のバースト補正信号が配されたラインがさらに配置される。このバースト補正信号による画像妨害の補正は、APCにおける位相検波回路がカラーバースト信号の振幅方向の情報も検出可能な乗算器タイプである場合に有効とされる。上述したように、APCの周波数特性が積分特性を有しているために、位相検波回路によって振幅方向の情報が検出されることで、カラーバースト信号の波数と信号レベルとの変換が可能とされる。
【0039】
このようなマクロブロック構造を有するコピー防止用信号が画面上に所定の方法で配置されることによって、実際に画面に対して画像妨害を生じさせ、コピー防止効果を得ることができる。
【0040】
図7は、このようなマクロブロックによるコピー防止用信号の配置方法の一例および他の例を示す。図7Aは、コピー防止用信号のブロックとコピー防止用ブロックが含まれない正規のカラーバースト信号を有するブロックとが交互に配置される例である。この例では、コピー防止用信号のブロックが8マクロブロック、すなわち40ライン(図中の斜線で示された部分)から成り、このコピー防止用ブロックとコピー防止用信号が含まれない正規のカラーバースト信号を有する40ラインとが交互に配置される。また、図7Bは、画面の主要部分がコピー防止用ブロックで埋め尽くされた例である。この配置では、若し、このコピー防止用信号によってテレビジョンモニタに対して色の濃さの変化などの画像妨害が生じる場合でも、この妨害を目立たなくさせることができる。これらコピー防止用信号の配置は、連続したフィールドに対してなされる。また、数フィールド置きに間欠的にコピー防止用信号を配置するようにしてもよい。
【0041】
ところで、この参考例のように、カラーバースト信号において位相が一部反転させられていると、テレビジョンモニタによっては画像に妨害が生じてしまう。これは、テレビジョンモニタのACC回路の構成の違いによるものである。このACC回路は、周知のように、輝度信号と色信号とのレベル差を自動補正するための回路であり、カラーバースト信号の大きさを検出して、カラーバースト信号のレベルが一定になるように増幅回路のゲインを制御する。これにより、画面上の色の濃さが自動的に一定とされる。
【0042】
図8および図9に、このACC回路の構成の代表的な例を示す。図8は、ダイオード検波方式によるACC回路の例である。入力端100から供給された映像信号が第1帯域増幅回路101によって増幅され第2帯域増幅回路に供給されると共に、バーストゲート(図示しない)によりカラーバースト信号を抽出されバースト増幅回路102に供給される。バースト増幅回路102で増幅されたカラーバースト信号は、バーストトランス103を介して色同期回路に供給されると共に、ACC検波回路104に供給される。このカラーバースト信号は、コンデンサC1 およびダイオードD1 によってエンベロープ検波され、ACC増幅回路105に供給される。第1帯域増幅回路101のバイアス電圧がこのACC増幅回路105の出力によって制御される。これにより、カラーバースト信号のレベルに応じて第1帯域増幅回路の利得が制御される。
【0043】
図9は、位相検波方式によるACC回路の例である。図8と同様に、入力端110から供給された映像信号が第1帯域増幅回路111で増幅され、第2帯域増幅回路に供給されると共に、バーストゲート(図示しない)でカラーバースト信号を抽出される。抽出されたカラーバースト信号は、バースト増幅回路112に供給される。バースト増幅回路112で増幅されたカラーバースト信号は、バーストトランス113を介して、色同期回路に供給されると共にACC検波回路114に供給される。
【0044】
このACC検波回路114は、位相検波回路であって、バーストトランスの出力の正側から負側に向けて順方向に接続された2つのダイオードD2 ,D1 の中点に、図示しないAPC回路によって、カラーバースト信号と同期するように形成された基準副搬送波が供給される。バーストトランス113からこの検波回路114に供給されたカラーバースト信号は、この基準副搬送波と位相比較され、位相差に基づいたレベルの出力が図中のP点において得られる。この検波出力がACC増幅回路115に供給される。この例では、ACC増幅回路115のトランジスタTr2 が第1帯域増幅回路111のトランジスタTr1 のエミッタに直列接続されており、供給される検波出力に応じたこのトランジスタTr2 の内部抵抗の変化に基づき、第1帯域増幅回路111の利得が制御される。
【0045】
これら代表的な2種類のACC回路のうち、図8に示されるダイオード検波方式において、ACC検波回路104の出力は、カラーバースト信号の波数および振幅に依存し、位相に依らない。これに対して、図9に示される位相検波方式では、ACC検波回路114の出力は、上述したようにカラーバースト信号の位相に依存し、基準副搬送波に対してカラーバースト信号の位相が反転していれば、検波出力が最小となる。
【0046】
したがって、この位相検波方式においては、カラーバースト信号の一部の位相が反転した反転カラーバースト信号や一部の位相がずれたカラーバースト信号に対しては、検波出力がカラーバースト信号の位相に依存しているために、カラーバースト信号のレベルが下がったと検出され、ACCゲインが増加されてしまう。このような場合、この位相検波方式が採用されているテレビジョンモニタでは、画面上において色が濃くなってしまう画像妨害が生ずる。
【0047】
この例に示される反転カラーバースト信号においては、上述したように、位相が反転させられている信号は例えば10波であり、残りの3波の位相は正規のものであり、バーストゲートにおいては、この正規の位相の3波を全て含むように、例えば7波のカラーバースト信号が抽出される。しかしながら、このACC検波回路114およびACC増幅回路115においては、検波出力が積分されるため、位相が反転したカラーバースト信号や位相がずれたカラーバースト信号が供給されると、正規の位相を有する信号と、反転位相を有する信号やずれた位相を有する信号とが互いに相殺されてしまう。そのため、結果的にカラーバースト信号のレベルが全体的に低下したと検出される。すると、当然のことながら、ACC回路において第1帯域増幅回路での利得を上げるような制御が行われ、画面上において色が濃くなるという画像妨害が生じてしまう。
【0048】
以下に説明するこの発明の実施の一形態においては、この問題を解決するために、上述の反転カラーバースト信号において、位相が反転した部分および正規の位相の部分における振幅を、それぞれ独立に変更可能なようにした。
【0049】
図10は、この実施の一形態における、コピー防止機能を有するカラーバースト信号の波形の一例を示す。図10Aは、10波より成る正規の位相および振幅を有するカラーバースト信号を示す。これに対して、図10Bに示される、この実施の一形態によるコピー防止機能を有するカラーバースト信号は、全体が正規カラーバースト信号より3波多い13波とされている。この例では、この13波のうち、前半(左側)の8波は、正規カラーバースト信号に対して位相が反転させられ、続く5波は、正規カラーバースト信号に対して同位相であるが振幅が大きくされた補正信号とされる。
【0050】
なお、以下の記述において、正規カラーバースト信号に対して位相が反転された部分を反転バースト部分、正規カラーバースト信号に対して同位相である部分を非反転バースト部分とそれぞれ略称する。そして、これら反転バースト部分および非反転バースト部分とが組み合わされた、コピー防止機能を有するカラーバースト信号を、反転/補正カラーバースト信号と略称する。
【0051】
このように、反転バースト部分と非反転バースト部分とを組み合わせることによって、上述したような、位相検波出力が積分されることによって生じる、位相が反転された信号と正規の位相の信号とが互いに相殺することによるカラーバースト信号レベルの低下を補正することできる。すなわち、反転バースト部分に対して非反転バースト部分のレベルを所定の量だけ大きくすることによって、この反転/補正カラーバースト信号が位相検波され互いに逆の位相の信号同士が積分された場合でも、十分な検波出力を得るようにすることができる。これにより、反転カラーバースト信号と同一ライン内での補正が可能とされる。
【0052】
また、当然であるが、この反転/補正カラーバースト信号を含むビデオ信号をアナログVCRによって記録し、再生した際には、反転バースト部分が時間軸上で拡大され、画像妨害を発生させることができる。これにより、コピー防止が達成される。
【0053】
図11は、この実施の一形態における、反転/補正カラーバースト信号が配されたラインおよび正規のカラーバースト信号が配されたラインの配置の例を示す。この例においては、上述の参考例と同様に、ビデオ信号の5ラインを単位として配置が行われ、この5ラインをコピー防止用信号のマクロブロックとしている。この5ラインのうち、第2ライン目(〔5n+1〕ライン)および〔5n+3〕ラインに反転/補正カラーバースト信号を含むラインが配される。〔5n+0〕ライン,〔5n+2〕ライン,〔5n+4〕ラインには、正規のカラーバースト信号を含むラインが配される。
【0054】
このように、この実施の一形態においては、反転/補正カラーバースト信号を含むラインと正規のカラーバースト信号を含むラインとが交互に配置され、コピー防止用信号のマクロブロックとされる。この反転/補正カラーバースト信号を含むラインの間欠的な配置によって、参考例で説明したように、反転/補正カラーバースト信号によるライン単位での繰り返し周波数を上げることができる。それにより、APCの周波数特性が狭いテレビジョンモニタにおいては画像妨害を生じさせず、周波数特性が広いVCRにおいては画像妨害を生じさせるようにできる。
【0055】
このコピー防止用信号が画面上に所定の方法で配置されることによって、実際に画面に対して画像妨害を生じさせ、コピー防止効果を得ることができる。この配置は、例えば、上述の参考例における図7Aに示したように、8マクロブロックから成る40ラインを1ブロックとして、正規のカラーバースト信号が含まれる40ラインとこのコピー防止用信号のブロックとが交互に配置される。また、図7Bのように、画面全体をこのコピー防止用信号のマクロブロックで埋め尽くすようにしてもよい。
【0056】
このコピー防止用信号は、上述の参考例に示されるように、連続したフィールドに対してなされる。また、これに限らず、数フィールドおきに間欠的に配置してもよい。さらに、上述の、正規のカラーバースト信号のブロックとコピー防止用信号のブロックとが交互に配置される例においては、フィールド毎にこの配置を交互に入れ換えることもできる。
【0057】
さらにまた、図12に示されるように、従来のカラーストライプ方式のように、4ライン単位で配置するようにもできる。この例では、4ラインに反転/補正カラーバースト信号を含むラインが連続的に配置され、17ラインに正規のカラーバースト信号を含むラインが配置される。
【0058】
ところで、この実施の一形態の方法においては、位相検波方式のACC回路を持つテレビジョンモニタに対しては、非反転バースト部分の振幅を大きくすることによって、このコピー防止用信号が与える妨害を除去することが可能である。しかしながら、図8に示されるような、ダイオード検波方式によるACC回路を有するテレビジョンモニタに対して、このような、非反転バースト部分の振幅が大きくされた反転/補正カラーバースト信号が供給された場合に問題が生じる。
【0059】
すなわち、このダイオード検波方式のACC回路を有するテレビジョンモニタにおいては、大きくされた非反転バースト部分の振幅に基づいて第1帯域増幅回路の利得が制御されてしまうため、反転バースト部分による妨害が生じていないにも関わらず、ACC回路によってだいたい域増幅回路の利得が下げられてしまい、そのための妨害(画面の色が薄いなど)が生じてしまう。
【0060】
この問題を解決するため、この発明においては、非反転バースト部分のレベルを可変としている。非反転バースト部分のレベルを、例えばテレビジョンモニタに応じて適切な設定値にすることによって、常に妨害のない画面を楽しむことが可能となる。
【0061】
例えば、位相検波方式のACC回路を有するテレビジョンモニタに対してこの発明が適用されたDVDプレーヤを接続するような場合には、非反転バースト部分のレベルを大きく設定する。また、ダイオード検波方式のACC回路を有するテレビジョンモニタに接続する場合には、非反転バースト部分のレベルを標準値とする。これらの場合、例えば基準のレベル値を与えるような手段を設けると、レベルの設定が容易とされる。さらに、反転バースト部分のレベルも可変とすると、より柔軟な設定が可能となる。
【0062】
なお、このように、非反転バースト部分のレベルを変えテレビジョンモニタに対する妨害を除去しても、VCRにおいて磁気テープに記録され再生されると、時間軸上において反転バースト部分が前後に拡張されるため、コピー防止効果は、殆ど失われない。
【0063】
図13は、この発明が適用された、図2に示したDVDプレーヤ3における出力部14の構成の例である。ビデオデコーダ11からの再生ビデオ信号は、例えばアナログコンポーネント信号として出力部14に供給される。21、22、23でそれぞれ示す入力端子に対して、輝度信号(同期信号を含む)Y、色差信号R−Y、B−Yがそれぞれ供給される。輝度信号Yがスイッチャ40の一方の入力端子に供給され、このスイッチャ40から加算器24を経て出力端子16Yに取り出される。色差信号がカラーエンコーダ25に供給され、カラーエンコーダ25により直交2相変調された搬送色信号(カラーバースト信号を含む)が形成される。カラーエンコーダ26からの搬送色信号がスイッチャ45の一方の入力端に供給され、スイッチャ45からスイッチャ27の一方の入力端子aに供給される。スイッチャ26は、カラーバースト信号のすげ替えのために設けられている。スイッチャ26の出力が出力端子16Cに取り出される。
【0064】
この実施の一形態においては、コピーガードの効果をより確実とするために、上述の反転/補正カラーバースト信号によるコピーガードと共に、AGCパルス方式によるものが併用される。加算器24では、AGCパルス発生器28からのAGCパルスが供給され、このAGCパルスが輝度信号Yに対して付加される。AGCパルスとして、正規のレベルのものと、コピー禁止のための大レベルのものとの一方をAGCパルス発生器28が発生する。その選択は、データデコーダ13(図2参照)から入力端子36に供給されるコピーコントロール信号によりなされる。
【0065】
スイッチャ26の入力端子bに対して供給されるカラーバースト信号は、スイッチャ27から出力される。スイッチャ26は、タイミングコントローラ35の出力により制御される。すなわち、コピーコントロール信号によってコピーの許可が指示される場合では、入力端子aが常に選択され、カラーバースト信号のすげ替えがなされない。一方、コピーコントロール信号によってコピーの禁止が指示される場合では、カラーバースト信号の期間よりやや広い期間で入力端子bが選択され、カラーバースト信号のすげ替えがなされる。従って、出力端子16Y、16Cに取り出されたビデオ信号をアナログVCRによって録画する場合に、録画を禁止することができる。このようにコピーの許可/禁止に対応してスイッチャ26の制御の態様が異なるので、タイミングコントローラ35には、同期分離回路34で分離された同期信号と入力端子36からのコピーコントロール信号が供給される。
【0066】
バースト発生回路41において、正規の周波数のカラーバースト信号が発生される。この正規の周波数のカラーバースト信号は、正規のカラーバースト信号と同様に、カラーエンコーダ25において使用されるカラーサブキャリア信号と一定の位相関係を有する。スイッチャ27の入力端子cには、バースト発生回路41で発生された正規のカラーバースト信号がインバータ42において位相反転され供給される。この位相反転は、インバータ42を原信号の位相をずらすようなフェイズシフタとして、このフェイズシフタによって位相を180°ずらすことによってなすこともできる。このフェイズシフタを用いた場合には、位相のずれを180°以外の他の値とすることも可能である。場合には、スイッチャ27の入力端子dには、バースト発生回路41から正規のカラーバースト信号がそのまま供給される。また、スイッチャ27の入力端子eには、バースト発生回路41で発生された正規のカラーバースト信号が、例えばボリューム調整つまみ44といった、外部からの制御によって利得が可変されるアンプ43によって所定の利得で増幅され、供給される。
【0067】
テスト信号発生器46は、例えばカラーバーといった基準信号が発生される。この発生された基準信号のうち輝度信号がスイッチャ40の他方の入力端に供給され、色差信号がスイッチャ45の他方の入力端に供給される。これらスイッチャ40および45は、共にテストモードスイッチ47によって制御される。すなわち、ユーザが調整つまみ44で以て補正バースト部分のレベルを調整するような場合、このテストモードスイッチ47を押すことによってスイッチャ40および45において他方の入力端が選択され、テスト信号発生器46で発生された基準信号が出力端子16Yおよび16Cに導出される。
【0068】
このような構成で以て、ユーザは、各自のテレビジョンモニタの特性に合わせて、非反転バースト部分のレベルをボリューム調整つまみ44によって調整する。この際、テストモードスイッチ47を押すことによって、テスト信号発生器46による基準信号に基づく映像、例えばカラーバーがテレビジョンモニタの画面上に映出されるため、ユーザは、この調整を容易に行うことができる。
【0069】
また、インバータ42の前または後に、アンプ43およびボリューム調整つまみ44と同様の構成を設けることにより、反転バースト部分においてもレベル調整ができるようになる。
【0070】
なお、この図13の構成では、輝度信号Yが同期信号を含み、カラーエンコーダ25がカラーバースト信号を発生するものとしているが、同期信号およびカラーバースト信号を発生する回路を設け、発生した同期信号およびカラーバースト信号を輝度信号および搬送色信号に対してそれぞれ付加するようにしても良い。
【0071】
また、上述の説明では、非反転バースト部分のレベルの調整を、調整つまみ44によって行うとしたが、これはこの例に限定されるものではない。例えば、赤外線信号受光部および調整つまみ44の駆動機構などを設け、赤外線などでコマンドを伝送するリモートコントローラによる遠隔操作によってこのレベル調整を行うようにすることもできる。
【0072】
図14は、この発明が適用された、出力部14の構成の他の例である。これは、アンプ43における非反転バースト部分のレベル設定を、例えばマイクロプロセッサおよびメモリなどから成るマイコン50の制御によって行う例である。なお、この図において、上述の図13と共通する部分には同一の番号を付し、その説明を省略する。ユーザは、テレビジョンモニタ毎に予め決められた非反転バースト部分に対する補正値を、テンキーなどによる入力装置51からマイコン50に対して入力する。この入力情報は、マイコン50の制御によって例えば液晶ディスプレイによる表示装置52に映出される。マイコン50においてこの情報を表す映像信号を生成させ、テレビジョンモニタを表示装置52として用いてこれに映出させるようにしてもよい。
【0073】
また、マイコン50のメモリに、例えばテレビジョンモニタのメーカー毎、機種毎の補正値テーブルを予め持たせ、入力装置51から例えば機種名や機種名に対応させた機種ナンバーを入力することによって非反転バースト部分のレベルの補正値を設定するようにしてもよい。
【0074】
さらに、マイコン50によって他の装置との通信を行えるような通信ポートをこのDVDプレーヤ3に設けるようにしてもよい。このようにすると、この通信に対応したテレビジョンモニタなどがこのDVDプレーヤ3に接続された際に、このテレビジョンモニタとDVDプレーヤ3との間で機器間通信を行い、テレビジョンモニタの機種情報を得るようにすることで、非反転バースト部分の補正値の設定を自動的に行うことが可能とされる。
【0075】
コピーコントロール信号は、例えばDVD6に記録されるディジタルビデオ信号と付随して、予め記録されているCGMSに基づいて生成される。CGMSのの一例を図15Aに示す。この図15Aに示すように、CGMSは、下記のように定義される。
00:コピー可能
01:未使用
10:コピー1世代可能
11:コピー不可
【0076】
このCGMSにおけるコピーがディジタルコピー制限のみを規定する場合では、アナログコピーの可否を示すフラグ、すなわち、アナログコピー制限信号発生を指示するトリガービットを別に規定しても良い。図15Bは、その一例であって、トリガービットが`00'であれば、アナログコピー制限信号を発生しないことが指示され、このビットが`01'であれば、アナログコピー制限信号のうちAGCパルス方式によるAGC信号のみを発生することが指示される。また、このビットが`11'であれば、AGC信号とこの発明が適用された第1のコピー防止用信号とを発生することが指示される。ビット`10'は、未使用としてもよいが、図15Bに示されるように、AGC信号と共に、上述の第1のコピー防止用信号と配列の異なる第2のコピー防止用信号とを発生するようにすることが可能である。この場合では、CGMSおよびトリガービットの合計4ビットによって、アナログコピーの制限情報が構成される。
【0077】
なお、この例では、AGCパルス方式によるコピー制限信号の発生と、この発明が適用されたコピー制限信号の発生とが1つのトリガービットによって制御されるが、これはこの例に限定されるものではない。すなわち、上述の図1に示されるデータデコーダ13からそれぞれ対応するトリガービットを供給することによって、AGCパルス方式によるコピー制限信号の発生およびこの発明が適用されたコピー制限信号の発生とを、独立して制御するようにできる。
【0078】
このようなCGMSを記録媒体に実際に記録する形態としては、種々のものが可能である。ディジタルVCRの場合では、図16および図17に示すデータ構成が採用されている。図16は、VAUX(ビデオ補助データ)の構成を示し、(01100001)(61h)(hは16進表示を表す)のパックヘッダを持つパックである。
【0079】
このパックには、PC1の上位2ビットとして、CGMSが記録される。このCGMSの定義は、例えば図15Aに示すものと同一である。また、PC1中のコピーソースが下記のように規定される。
00:アナログ入力によるコピー
01:ディジタル入力によるコピー
10:予備
11:情報なし
【0080】
PC1中のコピー世代の定義を下記に示す。
00:第1世代
01:第2世代
10:第3世代
11:第4世代
【0081】
図17は、ディジタルVCRにおけるオーディオ信号に関する補助データ(AAUXデータ)の一例を示す。このパックのヘッダは、(01010001)(51h)である。このパックPC1には、VAUXと同様の構成で、CGMSが記録される。なお、入力ビデオ信号に付随するCGMSが1世代コピー可能とされている場合に、この入力ビデオ信号を記録した場合には、テープ上のCGMSがコピー禁止へ書き換えられる。
【0082】
この発明の一実施例におけるDVDの場合は、図示しないが、記録データがセクタ等の区切りを有し、この区切りの先頭に同期信号およびヘッダが付加される。このヘッダ中にコピー制限のための情報を記録するようになされる。
【0083】
なお、上述の説明においては、コピー防止のために画像妨害を生じさせる反転バースト部分は、正規のカラーバースト信号に対して位相を反転させるとしたが、これはこの例に限定されるものではない。例えば、この反転バースト部分においては、正規のカラーバースト信号に対して周波数を変えるようにしても、コピー防止の効果を得ることができる。
【0084】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明によれば、正規のカラーバースト信号の位相に対して位相反転された反転バースト部分と、正規のカラーバースト信号と同位相の非反転バースト部分とが間欠的に配置されるマクロブロックによってコピー防止用信号が形成されため、APCの周波数応答範囲が狭いテレビジョンモニタにおいては反転カラーバースト信号が引き込まれず、周波数応答範囲が広いVCRにおいては引き込まれるようにすることができる。そのため、VCRに対して画像妨害を生じさせ、テレビジョンモニタに対しては画像妨害を生じないようにできる効果がある。
【0085】
また、この発明によれば、非反転バースト部分の信号レベルが可変とされているため、この非反転バースト部分による、反転バースト部分での画像妨害に対する補正量をテレビジョンモニタの特性に応じて最適に設定することができる効果がある。これにより、例えば位相検波方式あるいはダイオード検波方式のどちらの方式によるACC回路を有するテレビジョンモニタにも対応できる効果がある。
【0086】
同様にして、非反転バースト部分による補正が不要、あるいは微量でいいようなテレビジョンモニタに対して、過補正による副作用を防止することができる効果がある。
【0087】
また、この発明によれば、テレビジョンモニタに対する妨害補正を行っても、VCRに対するコピー防止効果は殆ど失われないという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明を適用できるビデオ信号記録システムの幾つかの例を示すブロック図である。
【図2】DVDプレーヤの再生部の構成の一例を示すブロック図である。
【図3】参考例におけるコピー防止用信号の例を示す波形図である。
【図4】参考例におけるコピー防止用信号のマクロブロックの一例を示す略線図である。
【図5】APCの周波数応答特性の例を示す略線図である。
【図6】反転カラーバースト信号による繰り返し周波数を説明するための略線図である。
【図7】コピー防止用信号のブロックが配置された画面構成の例を示す略線図である。
【図8】ACC回路の構成の代表的な例を示す回路図である。
【図9】ACC回路の構成の代表的な例を示す回路図である
【図10】この発明による、コピー防止機能を有するカラーバースト信号の波形の一例を示す略線図である。
【図11】コピー防止用信号のマクロブロックの一例を示す略線図である。
【図12】コピー防止用信号のブロックが配置された画面構成の例を示す略線図である。
【図13】この発明が適用された出力部の例を示すブロック図である。
【図14】この発明が適用された出力部の他の例を示すブロック図である。
【図15】CGMSの一例およびコピー制限用信号の発生を指示するトリガービットの説明に用いる略線図である。
【図16】ディジタルVCRにおいて採用されているCGMSの記録方法の一例の説明に用いる略線図である。
【図17】ディジタルVCRにおいて採用されているCGMSの記録方法の一例の説明に用いる略線図である。
【図18】AGCパルス方式を説明するための波形図である。再生後においてコピー防止用信号の幅が増えたことを示す波形図である。
【図19】カラーストライプ方式を説明するための略線図である。
【図20】原信号と再生後の信号におけるカラーバースト信号をそれぞれ示す波形図である。
【図21】先に提案されているコピー防止用信号の例を示す波形図である。
【図22】先に提案されているコピー防止用信号の例を示す波形図である。
【符号の説明】
3・・・DVDプレーヤ、6・・・DVD、14・・・再生アナログビデオ信号を出力するための出力部、16、16Y、16C・・・出力端子、24・・・加算器、26、27・・・スイッチャ、41・・・正規のカラーバースト信号を発生する信号発生回路、42・・・インバータ、43・・・アンプ、44・・・アンプ43の利得を調整するためのボリューム調整つまみ

Claims (9)

  1. ビデオ信号源からのアナログ出力用のビデオ信号の記録を制限するためのビデオ信号処理装置であって、
    正規のカラーバースト信号に対して位相を反転または異ならせた第1の信号を発生する第1の信号発生手段と、
    正規のカラーバースト信号と同位相の第2の信号を発生する第2の信号発生手段と、
    上記第2の信号の振幅を任意に可変する第1の振幅調整手段と、
    上記第1の信号と上記振幅を調整された第2の信号とをカラーバースト信号として再生ビデオ信号の1ライン上に挿入する手段と
    を有することを特徴とするビデオ信号処理装置。
  2. 請求項1に記載のビデオ信号処理装置において、
    上記第1の信号の振幅を任意に可変する第2の振幅調整手段をさらに有することを特徴とするビデオ信号処理装置。
  3. 請求項1または請求項2に記載のビデオ信号処理装置において、
    振幅調整は主に上記第1の振幅調整手段によって行われることを特徴とするビデオ信号処理装置。
  4. 請求項1または請求項2に記載のビデオ信号処理装置において、
    調整操作によって入力が行われる第1の入力手段をさらに有し、上記第1および/または第2の振幅調整手段による調整は、上記入力手段によって行われることを特徴とするビデオ信号処理装置。
  5. 請求項1または請求項2に記載のビデオ信号処理装置において、
    標準的なビデオ画面を形成するような基準信号を発生する基準信号発生手段をさらに有し、上記ビデオ画面を参照しながら上記第1および/または第2の振幅調整手段による振幅の可変を行うことを特徴とするビデオ信号処理装置。
  6. 請求項5に記載のビデオ信号処理装置において、
    上記ビデオ画面は、カラーバーであることを特徴とするビデオ信号処理装置。
  7. 請求項1または請求項2に記載のビデオ信号処理装置において、
    ビデオ信号映出装置の機種毎に設定された、上記第1および/または第2の信号に対する調整情報を記憶する記憶手段と、
    上記記憶手段に対して上記調整情報を指示するための入力を行う第2の入力手段と
    をさらに有し、
    上記ビデオ信号映出装置の機種を区別する情報を上記第2の入力手段に対して入力することで、上記記憶手段から読み出された上記調整情報に基づき上記第1および/または第2の振幅調整手段の制御を行うことを特徴とするビデオ信号処理装置。
  8. 請求項1または請求項2に記載のビデオ信号処理装置において、
    上記第1および/または第2の振幅調整手段を制御する制御手段と、
    他の装置と通信するための通信手段と
    をさらに有し、
    上記通信手段に対応したビデオ信号映出装置が接続された場合、該通信手段に対応したビデオ信号映出装置と上記制御装置との間で上記通信を行うことによって上記通信手段に対応したビデオ信号映出装置の装置情報を得、得られた該装置情報に基づき、上記第1および/または第2の振幅調整手段の制御を自動的に行うことを特徴とするビデオ信号処理装置。
  9. ビデオ信号源からのアナログ出力用のビデオ信号の記録を制限するためのビデオ信号処理方法であって、
    正規のカラーバースト信号に対して位相を反転または異ならせた第1の信号を発生するステップと、
    正規のカラーバースト信号と同位相の第2の信号を発生するステップと、
    上記第2の信号の振幅を任意に可変する第1の振幅調整のステップと、
    上記第1の信号と上記振幅を調整された第2の信号とをカラーバースト信号として再生ビデオ信号の1ライン上に挿入するステップと
    を有することを特徴とするビデオ信号処理方法
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