JP3777657B2 - ビデオ信号のコピーガード装置および方法並びにコピーガードシステム - Google Patents

ビデオ信号のコピーガード装置および方法並びにコピーガードシステム Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、例えばアナログインターフェイスを介されてアナログビデオ信号を記録するようなビデオテープレコーダにおいて、ビデオ信号の記録制限を行うようなビデオ信号のコピーガード装置および方法並びにコピーガードシステムに関する。
【0002】
【従来の技術】
磁気テープにアナログ方式でビデオ信号の記録/再生を行うビデオテープレコーダが登場して久しいが、このような機器においては、著作権保護の立場から、例えばビデオソフトのダビングの防止のために、所謂コピーガードが施される。従来では、このコピーガードの方法として、マクロビジョン社によるAGCパルス方式やカラーストライプ方式が用いられていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
AGCパルス方式は、ビデオ信号におけるAGC基準レベル検出区間に、通常のAGC基準レベルより大きなレベルのパルスを挿入し記録を行うものである。これは例えば、図7Aに示されるように、ビデオ信号のV(垂直)ブランキング期間の一部に疑似SYNCパルスが挿入される。図7Bは、この疑似SYNCパルスが挿入された部分を拡大して示す。この疑似SYNCパルスは、1Hにおけるバースト信号の後ろに、水平同期パルスにレベルpを加えたレベルで例えば5波挿入される。また、このレベルpは、変化させられ挿入される。
【0004】
家庭用のアナログ式のビデオテープレコーダ(家庭用アナログVTR)では、図7Cに示す、このVブランキング期間における1Hの水平同期パルスを利用してAGCをかけるようにされた機種が多数存在する。そのため、このように、水平同期パルスよりも振幅の大きい疑似SYNCパルスが1Hに挿入されると、AGC回路がこの疑似SYNCパルスの振幅を基準レベルと判断してAGCがかけられる。その結果、AGCレベルがこの疑似SYNCパルスのレベルとして検出されるため図8に示されるように、全体的なレベルが小さくされてしまい、結果的にSYNCを検出できず、正常な再生が行えなくなる。
【0005】
ところが、このAGCパルス方式では、VHS方式の一部のビデオテープレコーダにしか効果が無いという問題点があった。例えば、β方式のVTRや8mmビデオ、およびVHS方式でも水平同期パルスを利用する以外の方法でAGCの基準レベルを得るようなものでは効果がなかった。
【0006】
そこで、このAGCパルス方式に以下に説明するカラーストライプ方式を組み合わせることによって、より完全なコピーガードを行う方法が考案された。
【0007】
このカラーストライプ方式とは、再生ビデオ信号に対して、例えば20ライン毎に2〜4ライン分、バースト信号の位相を反転させる方法である。このようにバースト信号の位相を反転させられた再生ビデオ信号を別の家庭用アナログVTRで録画すると、家庭用アナログVTRのAPC(自動位相制御回路)がこの位相の反転したバースト信号を本来のバースト信号として使用してしまうため、そのラインの色が反転され録画されてしまう。したがって、この録画されたビデオ信号を再生すると、図9に示されるような、色の反転した帯が画面に映出される。
【0008】
一方、一般的なテレビジョン受像機においては、色信号復調のための搬送波を形成するPLLの時定数が長いため、高々2〜4ラインにおいて連続してバースト信号が反転されても影響が出ない。しかしながら、機種によっては時定数の短いPLLを用いている場合もあり、この場合には勿論色の反転した帯が画面に映出されるという問題点があった。
【0009】
したがって、この発明の目的は、アナログ方式の家庭用ビデオテープレコーダにおいて、テレビジョン受像機における再生画像の画質を劣化させずに、ダビング後のビデオテープレコーダからの再生画像の画質だけを著しく劣化させるような、ビデオ信号のコピーガード装置および方法並びにコピーガードシステムを提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
この発明は、上述した課題を解決するために、ビデオ信号源から出力されるアナログ方式のビデオ信号に対してコピー防止用信号を付加し、アナログ方式での記録を制限するようなコピーガード装置において、正規のカラーバースト信号とは異なる特性を有したカラーバースト信号を発生する信号発生手段と、ビデオ信号の1水平ライン上において、特性の異なるカラーバースト信号を正規のカラーバースト信号の前または後ろに接続させて配置する手段とを有し、特性の異なるカラーバースト信号が配置されたビデオ信号は、色信号が低域変換されて記録媒体に記録され、記録されたビデオ信号が再生された際に周波数変換されることによって、特性の異なるカラーバースト信号が帯域制限されて正規のカラーバースト信号に対して干渉することで、特性の異なるカラーバースト信号がコピー防止用信号として再生画像に対して画像妨害を発生させコピーガードをなすことを特徴とするコピーガード装置である。
【0012】
また、この発明は、上述した課題を解決するために、ビデオ信号源から出力されるアナログ方式のビデオ信号に対してコピー防止用信号を付加し、アナログ方式での記録を制限するようなコピーガード方法において、正規のカラーバースト信号とは異なる特性を有したカラーバースト信号を発生するステップと、ビデオ信号の1水平ライン上において、特性の異なるカラーバースト信号を正規のカラーバースト信号の前または後ろに接続させて配置するステップとを有し、特性の異なるカラーバースト信号が配置されたビデオ信号は、色信号が低域変換されて記録媒体に記録され、記録されたビデオ信号が再生された際に周波数変換されることによって、特性の異なるカラーバースト信号が帯域制限されて正規のカラーバースト信号に対して干渉することで、特性の異なるカラーバースト信号がコピー防止用信号として再生画像に対して画像妨害を発生させコピーガードをなすことを特徴とするコピーガード方法である。
【0013】
また、この発明は、上述した課題を解決するために、アナログ方式でビデオ信号を記録媒体に対して記録し、記録されたビデオ信号を再生した際に画像妨害を生じさせることで、ビデオ信号のコピー防止とするコピーガードシステムにおいて、受け取られたビデオ信号のコピーを制限する場合には、正規のカラーバースト信号とは異なる特性を有したカラーバースト信号が正規のカラーバースト信号の前または後ろに続させて配置されたビデオ信号を出力するコピーガード部と、コピーガード部からビデオ信号が供給されるビデオ信号記録/再生部またはモニタ部とを備え、ビデオ信号を記録媒体に記録する際に低域変換を行い、記録されたビデオ信号を再生する際に周波数変換を行い、それにより特性の異なるカラーバースト信号を帯域制限させて正規のカラーバースト信号に対して干渉させることによって、特性の異なるカラーバースト信号がコピー防止用信号として再生画像に対して画像妨害を生じさせることでコピー防止をなすことを特徴とするコピーガードシステムである。
【0014】
上述したように、この発明は、ビデオ信号において、正規のカラーバースト信号に対して特性を異ならされたカラーバースト信号が正規のカラーバースト信号に近接させて配置されるため、このビデオ信号をアナログVCRで以て記録して再生すると、記録時における低域変換および再生時における周波数変換の影響で、正規のカラーバースト信号と近接して配置された特性を異ならされたカラーバースト信号とが干渉し合うことにより画像妨害を生じさせることができ、一方テレビジョン受像機においては、ビデオ信号の低域変換が行われないために画像妨害が生じないために、ビデオ信号のアナログVCRに対するコピー防止とすることができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の一形態を、図面を参照しながら説明する。この発明は、ビデオ信号に対して、正規のカラーバースト信号に対してその位相,周波数,あるいは振幅などが異ならされることによって特性が異ならされたカラーバースト信号をコピー防止用信号として、正規のカラーバースト信号に対して近接するように配置するものである。この際、正規のカラーバースト信号の波数を減少させるようにしてもよい。
【0016】
先ず、この発明の理解を容易とするために、実施の一形態の説明に先んじて、アナログVCR(ビデオカセットレコーダ)の信号処理について説明する。図1は、アナログVCRのビデオ信号記録系の構成の一例を示す。
【0017】
端子1から供給されたコンポジットビデオ信号は、AGC2でゲインを調整されY/C分離回路3に供給される。このY/C分離回路3で、供給されたコンポジットビデオ信号が輝度信号Yおよび色信号Cとに分離される。分離されたこれらの信号のうち、輝度信号Yは、プリエンファシス回路4で高域強調され、FM変調回路5でFM変調され、記録アンプ6に供給される。
【0018】
一方、Y/C分離回路3で分離された信号のうち色信号Cは、バンドパスフィルタ7を介してACC8に供給され、カラーバースト信号に基づき色信号Cのレベルが一定に調整される。そして、この色信号Cが周波数変換回路9に供給される。色信号Cは、色副搬送波周波数が3.58MHzとされており、通常の磁気テープにおいては記録帯域が不足するため、この色信号Cを記録することができない。そのため、この色信号Cが低域変換され、色副搬送波周波数が600〜700KHz程度とされる。
【0019】
こうして低域変換された色信号Cは、ローパスフィルタ10を介して記録アンプ6に供給される。上述したように、この記録アンプ6には輝度信号Yも供給されており、これら輝度信号Yおよび低域変換された色信号Cが記録アンプ6から記録ヘッド11に供給され、記録ヘッド11によって磁気テープ12に対してヘリカルトラックで以て記録される。
【0020】
図2は、図1の記録系に対応したビデオ信号再生系の構成の一例を示す。磁気テープ12から再生ヘッド20によって再生された再生信号が再生アンプ21に供給される。再生アンプ21において増幅された再生信号がトラップ22およびローパスフィルタ26に共に供給される。トラップ22によって、再生信号から再生輝度信号Yが抽出される。また、ローパスフィルタ26によって、再生信号から再生色信号Cが抽出される。トラップ22によって抽出された再生輝度信号Yは、FM復調回路23で復調されることによって復調輝度信号Yとされる。この復調輝度信号Yは、ディ・エンファシス回路24を介してY/C混合回路25に供給される。
【0021】
一方、ローパスフィルタ26によって抽出された再生色信号Cは、ACC27に供給される。それと共に、この再生色信号Cは、バーストゲート28にも供給され、カラーバースト信号が抽出される。抽出されたカラーバースト信号は、ダイオード検波方式や位相同期検波方式などにより構成された検波回路29で検波される。検波回路29は、検波出力に対して所定の時定数を持たせるために、積分回路を含んでいる。したがって、この検波回路29からの検波出力は、複数ライン分のカラーバースト信号の検波出力が積分されたものとして出力される。この検波出力がACC回路27に供給される。ACC回路27において、この供給された検波出力に基づいてACCゲインが制御され、色信号Cの振幅の調整がなされる。この振幅が制御された再生色信号Cは、周波数変換回路30に供給される。
【0022】
再生色信号Cは、上述したように、記録時に低域変換されている。この低域変換されている再生色信号Cは、周波数変換回路30において、色副搬送波周波数が3.58MHzである元の帯域に変換される。この変換は、位相検出回路34,ローパスフィルタ35,およびVCO31などによって構成されるPLLの出力に基づき行われる。
【0023】
すなわち、周波数変換回路30の出力がバンドパスフィルタ32を介してバーストゲート33に供給され、カラーバースト信号が抽出される。この抽出されたカラーバースト信号は、位相検出回路34に供給され、例えば水晶発振子の発振に基づき生成された3.58MHzの基準信号との位相を比較される。位相比較された結果がローパスフィルタ35において積分され、位相比較結果に基づき変動する制御電圧がVCO31によって発生される。このVCO31によって発生された制御電圧に基づき周波数変換回路30での周波数変換が行われる。
【0024】
このようにして周波数変換回路30で高域変換され色副搬送波周波数が3.58MHzとされた再生色信号Cは、バンドパスフィルタ32を介してY/C混合回路25に供給される。このY/C混合回路25において、上述した復調輝度信号Yとこの再生色信号Cとが混合され、コンポジットビデオ信号とされ端子35から出力される。
【0025】
上述したように、ビデオ信号における色信号Cは、ビデオ信号の磁気テープに対する記録の際に低域変換される。そして、アナログVCRの記録系および再生過程を通ることによって帯域制限を受けているので、帯域制限の受ける前の原信号の波形に完全には復元されずに、鈍った波形となる。例えばカラーバースト信号においては、原信号に対して信号の裾が広がったようになる。
【0026】
この発明は、正規のカラーバースト信号に近接させて、正規のカラーバースト信号とは特性の異なるカラーバースト信号をコピー防止用信号として配置し、この、帯域制限によって生じる信号の変形を利用して正規のカラーバースト信号に対して干渉を生じさせ、コピーガードとなすものである。
【0027】
図3は、この発明による方法で配置されたコピー防止用信号による効果の一例を概略的に示す。これらの図において、a点は、共に同じタイミングを示す。図3Aは、最初図中に点線で示されるように配置された正規のカラーバースト信号の原信号bが、上述のようなビデオテープレコーダの記録/再生系を介することにより、図中に実線で示される再生カラーバースト信号b’のように鈍された様子を示す。図3Bも同様にして、コピー防止用信号の原信号cが再生コピー防止用信号c’のように鈍される。図から判るように、これらの信号は、ビデオテープレコーダの記録/再生系を介することによって、これらの信号の裾が本来の信号の端点であるa点を互いにはみ出してしまっている。
【0028】
図3Cは、正規のカラーバースト信号の原信号bおよびコピー防止用信号の原信号cが予めa点を接点とするように近接して配置されて成る信号がビデオテープレコーダの記録/再生系を介した様子を示す。このように、これら信号bおよび信号cは、互いに干渉し合い(d部)、例えば正規のカラーバースト信号の原信号bにおいては、正規の波の部分がより少ない信号となってしまう。
【0029】
このように、正規のカラーバースト信号とは特性の異なるカラーバースト信号を、正規のカラーバースト信号に対して近接させて配置することによって、正規のカラーバースト信号の幅を等価的に減少させることができる。この性質を利用することによって、アナログビデオ信号のビデオテープレコーダによる記録/再生に対するコピーガードを実現することが可能とされる。
【0030】
例えば、コピー防止用信号として正規のカラーバースト信号に対して位相を180°などと異ならせた信号を用いることができる。この場合には、このビデオ信号をビデオテープレコーダによって記録し再生すると、干渉部dにおいて正規のカラーバースト信号の振幅が干渉によって減少させられる。上述したように、ビデオテープレコーダの再生系の構成におけるACCは、複数ライン分のカラーバースト信号の検波出力が積分された信号によってACCゲインの制御がなされる。そのため、この干渉によるカラーバースト信号の振幅の減少によって、ACCにおいて色信号Cに対する正常な調整が行われなくなり、再生画像に対して画像妨害を生じさせることができる。
【0031】
一方、テレビジョン受像機やモニタにおいては、色復調回路に至るまでに回路系によって色信号Cの帯域が制限されるが、この帯域制限は、ビデオテープレコーダに比して程度が小さくなされ、バーストゲートによってカラーバースト信号が抽出される。そして、この抽出されたカラーバースト信号に基づいてACCゲインが制御される。そのため、このようにコピー防止用信号が正規のカラーバースト信号に近接して配置されても、帯域制限による干渉が生じないために、画像妨害が発生しない。
【0032】
コピー防止用信号として、この例に限らず、他の方法で正規のカラーバーストと特性を異ならせた信号を用いることができる。例えば、コピー防止用信号に、正規のカラーバースト信号に対して振幅を異ならせた信号を用いることができる。振幅を小さくした信号をコピー防止用信号として用いれば、ACC27においてACCゲインが大きく制御され、再生色信号Cのレベルが大きくされる。逆に、コピー防止用信号として、正規のカラーバースト信号より振幅を大きくしたものも用いることができる。また例えば、コピー防止用信号に、正規のカラーバースト信号に対して周波数を異ならせた信号を用いることも可能である。
【0033】
さらに、正規のカラーバースト信号の幅(波数)を変えるようにしても効果が得られる。また、正規のカラーバースト信号の振幅を変えるようにしてもよい。これらの場合には、ビデオテープレコーダの記録/再生を介さない場合にモニタに対して影響が出ないように、全体的に見て検波回路29からの検波出力が正規のカラーバースト信号を検波した場合と同様になるように、コピー防止用信号の振幅や幅を設定すると、より好ましい。
【0034】
図4は、このような、コピー防止用信号と正規のカラーバースト信号との配置の例を示す。図4Aは、コピー防止用信号が配置されておらず、正規のカラーバースト信号のみが本来の位置に配置された例である。この例では、勿論、ビデオテープレコーダにおけるコピーガードの効果は得られない。
【0035】
図4Bは、正規のカラーバースト信号の前、すなわち、水平同期信号側にコピー防止用信号が配置された例である。この場合、コピー防止用信号は、正規のカラーバースト信号に対して位相または周波数,あるいはこれらの双方が異ならされる。図4Cは、正規のカラーバースト信号より振幅を大きくされたコピー防止用信号が正規のカラーバースト信号の前に配置された例である。この場合にも、コピー防止用信号には、さらに位相や周波数を正規のカラーバースト信号に対して異ならせた信号を用いることができる。また、逆にコピー防止用信号の振幅を正規のカラーバースト信号の振幅よりも小さくしてもよい。
【0036】
図4Dは、正規のカラーバースト信号の後ろに、正規のカラーバースト信号よりも振幅を大きくされたコピー防止用信号が配置された例である。また、図4Eは、正規の図4Dに示される例において、正規のカラーバースト信号の幅が減少させられた例である。これらの例においても、コピー防止用信号には、さらに位相や周波数を正規のカラーバースト信号に対して異ならせた信号を用いることができる。
【0037】
このコピー防止用信号は、例えばビデオ信号の1水平ラインにおいて、正規のカラーバースト信号の一部、これは正規のカラーバースト信号の前あるいは後を含めてた部分とすげ替えられることによって配置される。また、正規のカラーバースト信号およびその前または後ろを含めて変調することによって配置してもよい。さらには、正規のカラーバースト信号と同期した信号およびコピー防止用信号とを別個の発振器により生成させ、ビデオ信号の1水平ラインに元来配置されている正規のカラーバースト信号とすげ替えるようにしてもよい。
【0038】
このコピー防止用信号は、例えば水平ラインの数ライン乃至数10ラインにわたって連続して配置し、続く数ライン乃至数10ラインには配置しない。これを1フィールド中において繰り返し間欠的な配置とすることによって、水平方向の縞状の画像妨害として画面に表示させることができる。また、例えば偶数フィールドでは画面全体の水平ラインにこのコピー防止用信号を配置し、奇数フィールドでは画面全体にわたって配置しない。こうすることによって画面にフリッカを生じさせることができ、画像妨害とすることができる。勿論、このフィールド毎の配置と上述の間欠的な配置とを組み合わせてもよい。
【0039】
さらに、上述では、図4Bにおいて正規のカラーバースト信号の前に配置するコピー防止用信号は、位相あるいは周波数を異ならせるとしたが、偶数フィールドと奇数フィールドとでコピー防止用信号の配置の有無を切り換える方法によれば、コピー防止用信号の振幅が正規のカラーバースト信号の振幅と同じであっても、フリッカによる画像妨害を生じさせることができる。これは、正規のカラーバースト信号と同等の信号を正規のカラーバースト信号に対して追加し、正規のカラーバースト信号の波数を増加させることによって、検波回路29によって検波された入力カラーバースト信号の振幅を、実質的に大きくする効果があるためである。
【0040】
また、コピー防止用信号のパターンを複数用意し、これをフィールド単位、あるいはライン単位で切り換えるようにしてもよい。
【0041】
図5は、このようなコピー防止用信号をビデオ信号に対して配置するようなシステムの構成の一例を示す。ビデオ信号再生装置40は、ビデオ信号を再生する装置であって、アナログビデオカセットレコーダ(アナログVCR),ディジタルビデオカセットレコーダ(ディジタルVCR),ディジタルビデオディスク(DVD)プレーヤなどがある。また、コンピュータなどによるディジタル画像を出力可能な装置でもよい。さらに、放送電波を受信し復調するチューナでもよい。このビデオ信号再生装置40で再生されたビデオ信号がコピーガード装置41に対して供給される。この再生ビデオ信号には、既に正規のカラーバースト信号が所定の位置に配置されている。
【0042】
コピーガード装置41は、図6に一例が示されるように、例えばコピー防止用信号発生回路50,水平同期分離回路51,タイミングコントローラ52,およびスイッチャ53から成る。端子54から供給された再生ビデオ信号は、スイッチャ53の端子53aに供給されると共に、水平同期分離回路51およびコピー防止用信号発生回路50に供給される。水平同期分離回路51で再生ビデオ信号から分離された水平同期信号がタイミングコントローラ52に供給される。このタイミングコントローラ52は、この水平同期信号に基づきタイミング信号を生成する。
【0043】
コピー防止用信号発生回路50において、上述したようなコピー防止用信号が発生される。これは、供給された再生ビデオ信号におけるカラーバースト信号に基づきなされるもので、所定の方法で以て、供給されたカラーバースト信号に対して位相,振幅,あるいは周波数などが異ならされた信号が発生される。この発生されたコピー防止用信号は、スイッチャ53の端子53bに対して供給される。
【0044】
スイッチャ53は、タイミングコントローラ52において生成されたタイミング信号に基づき、端子53aおよび53bとを切り換える。このスイッチャ53がタイミング信号に基づき所定のタイミングで切り替わることによって、端子53aおよび53bに供給された信号がすげ替えられ、端子54から供給された再生ビデオ信号の、正規のカラーバースト信号に近接した位置に、コピー防止用信号発生回路50によって発生されたコピー防止用信号が配置される。こうしてコピー防止用信号が配置された再生ビデオ信号は、端子55に導出され、コピーガード装置41から出力される。
【0045】
なお、この図5では、コピーガード装置41がビデオ信号再生装置40の外部に接続されるように示されているが、実際には、このコピーガード装置41は、ビデオ信号再生装置40に内蔵されるものとするのが好ましい。
【0046】
このようにしてコピー防止用信号が配置されたビデオ信号がアナログVCR42またはモニタ44に供給される。なお、この図においては、これらアナログVCR42およびモニタ44が同時に接続されているように示されているが、実際には、これらは常に同時に接続されている必要は無い。ビデオ信号がアナログVCR42に供給された場合には、このビデオ信号は、磁気テープに記録される。上述したように、ビデオ信号における色信号Cは、アナログVCRの記録系および再生過程を通ることによって生じる帯域制限によって信号が変形し、正規のカラーバースト信号とコピー防止用信号とが干渉し合う。このビデオ信号がモニタ43によって映出されると、正規のカラーバースト信号とコピー防止用信号との干渉の影響で、画像妨害が画面上に現れる。
【0047】
一方、上述したように、モニタ44におけいて生じる帯域制限は、軽度であるため、コピーガード装置41によってコピー防止用信号が配置されたビデオ信号がモニタ44に直接的に供給された場合には、ビデオ信号におけるカラーバースト信号の変形が殆ど生じない。そのため、正規のカラーバースト信号とコピー防止用信号とが干渉することがなく、モニタ44に映出される画像には妨害が生じ
ない。
【0048】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明によれば、アナログVCRおよびテレビジョン受像機との色信号の処理の過程における周波数帯域の差を利用することによって、アナログVCRでのビデオ信号の記録/再生に対するコピーガードを行っている。そのため、この発明によってコピー防止用信号が配置されたビデオ信号は、テレビジョン受像機に対しては画像妨害を生じさせず、アナログVCRに対しては画像妨害を生じさせることができるために、アナログVCRに対するコピーガードを実現することができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】アナログVCRのビデオ信号記録系の構成の一例を示すブロック図である。
【図2】アナログVCRのビデオ信号再生系の構成の一例を示すブロック図である。
【図3】この発明による方法で配置されたコピー防止用信号による効果の一例を概略的に示す略線図である。
【図4】コピー防止用信号と正規のカラーバースト信号との配置の例を示す略線図である。
【図5】コピー防止用信号をビデオ信号に対して配置するようなシステムの構成の一例を示すブロック図である。
【図6】コピーガード装置の構成の一例を示すブロック図である。
【図7】AGCパルス方式を説明するための図である。
【図8】AGCパルス方式を説明するための図である。
【図9】カラーストライプ方式による画像妨害を示す略線図である。
【符号の説明】
3・・・Y/C分離回路、8・・・ACC、9・・・周波数変換回路、10・・・ローパスフィルタ、12・・・磁気テープ、26・・・ローパスフィルタ、27・・・ACC、28・・・バーストゲート、29・・・検波回路、30・・・周波数変換回路

Claims (21)

  1. ビデオ信号源から出力されるアナログ方式のビデオ信号に対してコピー防止用信号を付加し、アナログ方式での記録を制限するようなコピーガード装置において、
    正規のカラーバースト信号とは異なる特性を有したカラーバースト信号を発生する信号発生手段と、
    ビデオ信号の1水平ライン上において、上記特性の異なるカラーバースト信号を上記正規のカラーバースト信号の前または後ろに接続させて配置する手段と
    を有し、
    上記特性の異なるカラーバースト信号が配置されたビデオ信号は、色信号が低域変換されて記録媒体に記録され、上記記録されたビデオ信号が再生された際に周波数変換されることによって、上記特性の異なるカラーバースト信号が帯域制限されて上記正規のカラーバースト信号に対して干渉することで、上記特性の異なるカラーバースト信号がコピー防止用信号として再生画像に対して画像妨害を発生させコピーガードをなすことを特徴とするコピーガード装置。
  2. 請求項1に記載のコピーガード装置において、
    上記特性の異なるカラーバースト信号は、上記正規カラーバースト信号の前または後ろの一部をすげ替えて配置されることを特徴とするコピーガード装置。
  3. 請求項1または2に記載のコピーガード装置において、
    上記異なる特性は、上記正規のカラーバースト信号に対して位相を異ならせることによってなすことを特徴とするコピーガード装置。
  4. 請求項1または2に記載のコピーガード装置において、
    上記異なる特性は、上記正規のカラーバースト信号に対して周波数を異ならせることによってなすことを特徴とするコピーガード装置。
  5. 請求項1または2に記載のコピーガード装置において、
    上記異なる特性は、上記正規のカラーバースト信号に対して振幅を異ならせることによってなすことを特徴とするコピーガード装置。
  6. 請求項1または2に記載のコピーガード装置において、
    上記特性の異なるカラーバースト信号が配置されたビデオ信号は、所定のフィールドに対して配されることを特徴とするコピーガード装置。
  7. 請求項1または2に記載のコピーガード装置において、
    上記特性の異なるカラーバースト信号が配置されたビデオ信号は、所定のラインに対して配されることを特徴とするコピーガード装置。
  8. ビデオ信号源から出力されるアナログ方式のビデオ信号に対してコピー防止用信号を付加し、アナログ方式での記録を制限するようなコピーガード方法において、
    正規のカラーバースト信号とは異なる特性を有したカラーバースト信号を発生するステップと、
    ビデオ信号の1水平ライン上において、上記特性の異なるカラーバースト信号を上記正規のカラーバースト信号の前または後ろに接続させて配置するステップと
    を有し、
    上記特性の異なるカラーバースト信号が配置されたビデオ信号は、色信号が低域変換されて記録媒体に記録され、上記記録されたビデオ信号が再生された際に周波数変換されることによって、上記特性の異なるカラーバースト信号が帯域制限されて上記正規のカラーバースト信号に対して干渉することで、上記特性の異なるカラーバースト信号がコピー防止用信号として再生画像に対して画像妨害を発生させコピーガードをなすことを特徴とするコピーガード方法。
  9. 請求項8に記載のコピーガード方法において、
    上記特性の異なるカラーバースト信号は、上記正規カラーバースト信号の前または後ろの一部をすげ替えて配置されることを特徴とするコピーガード方法。
  10. 請求項8または9に記載のコピーガード方法において、
    上記異なる特性は、上記正規のカラーバースト信号に対して位相を異ならせることによってなすことを特徴とするコピーガード方法。
  11. 請求項8または9に記載のコピーガード方法において、
    上記異なる特性は、上記正規のカラーバースト信号に対して周波数を異ならせることによってなすことを特徴とするコピーガード方法。
  12. 請求項8または9に記載のコピーガード方法において、
    上記異なる特性は、上記正規のカラーバースト信号に対して振幅を異ならせることによってなすことを特徴とするコピーガード方法。
  13. 請求項8または9に記載のコピーガード方法において、
    上記特性の異なるカラーバースト信号が配置されたビデオ信号は、所定のフィールドに対して配されることを特徴とするコピーガード方法。
  14. 請求項8または9に記載のコピーガード方法において、
    上記特性の異なるカラーバースト信号が配置されたビデオ信号は、所定のラインに対して配されることを特徴とするコピーガード方法。
  15. アナログ方式でビデオ信号を記録媒体に対して記録し、該記録されたビデオ信号を再生した際に画像妨害を生じさせることで、上記ビデオ信号のコピー防止とするコピーガードシステムにおいて、
    受け取られたビデオ信号のコピーを制限する場合には、正規のカラーバースト信号とは異なる特性を有したカラーバースト信号が上記正規のカラーバースト信号の前または後ろに続させて配置されたビデオ信号を出力するコピーガード部と、
    上記コピーガード部から上記ビデオ信号が供給されるビデオ信号記録/再生部またはモニタ部とを備え、
    上記ビデオ信号を記録媒体に記録する際に低域変換を行い、上記記録されたビデオ信号を再生する際に周波数変換を行い、それにより上記特性の異なるカラーバースト信号を帯域制限させて上記正規のカラーバースト信号に対して干渉させることによって、上記特性の異なるカラーバースト信号がコピー防止用信号として再生画像に対して画像妨害を生じさせることでコピー防止をなすことを特徴とするコピーガードシステム。
  16. 請求項15に記載のコピーガードシステムにおいて、
    上記特性の異なるカラーバースト信号は、上記正規カラーバースト信号の前または後ろの一部をすげ替えて配置されることを特徴とするコピーガードシステム。
  17. 請求項15または16に記載のコピーガードシステムにおいて、
    上記異なる特性は、上記正規のカラーバースト信号に対して位相を異ならせることによってなすことを特徴とするコピーガードシステム。
  18. 請求項15または16に記載のコピーガードシステムにおいて、
    上記異なる特性は、上記正規のカラーバースト信号に対して周波数を異ならせることによってなすことを特徴とするコピーガードシステム。
  19. 請求項15または16に記載のコピーガードシステムにおいて、
    上記異なる特性は、上記正規のカラーバースト信号に対して振幅を異ならせることによってなすことを特徴とするコピーガードシステム。
  20. 請求項15または16に記載のコピーガードシステムにおいて、
    上記特性の異なるカラーバースト信号が配置されたビデオ信号は、所定のフィールドに対して配されることを特徴とするコピーガードシステム。
  21. 請求項15または16に記載のコピーガードシステムにおいて、
    上記特性の異なるカラーバースト信号が配置されたビデオ信号は、所定のラインに対して配されることを特徴とするコピーガードシステム。
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