JPH04368083A - 映像信号処理装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は映像信号処理装置に関す
るものであり，特に，違法に映像信号を複写することを
防止するため映像信号にアンチパイラシー信号を重畳す
る映像信号処理装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】映像信号の違法な複写（ダビング）を禁
止する方法としては，たとえば，民生用ＶＴＲなどにお
いて，記録時にその信号を検出して記録を禁止するため
のアンチパイラシー（パイロット）信号を同期信号部分
に組み込むことが試みられている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら，同期信
号部分にアンチパイラシーを組み込む方法は同期信号部
分をすげ替えることにより，容易にアンチパイラシー信
号が解除されてしまうという問題がある。違法ダビング
を防止する他の方法としては，映像信号帯域外の高い周
波数のアンチパイラシー信号を映像信号に重畳させる方
法も提案されている。この方法は，映像信号の周波数帯
域外にアンチパイラシー信号が存在するから，モニタ装
置で再生した画像が劣化するという問題は少ない。しか
しながら，簡単な回路構成のローパスフィルタでアンチ
パイラシー信号が容易に除去されてしまい，事実上違法
ダビングを防止することができないという問題がある。 違法ダビングを防止する方法としてはその他の方法も考
えられるが，モニタ装置に通常の形態で再生させた場合
にその再生画像に劣化を惹起させないで効果的に違法ダ
ビングを防止する有効な方法はまだ実現されていない。

【０００４】本発明は上述した問題を解決し，本来の再
生映像信号に画質劣化を生じさせず，しかもその解除が
事実上困難なアンチパイラシー信号を映像信号に重畳す
る映像信号処理装置を提供することにある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上記問題を解決するため
，本発明の映像信号処理装置は，映像信号の周波数帯域
内で水平走査周波数に対して周波数インターリーブ関係
にある所定の周波数を有し所定の範囲内の振幅を有する
アンチパイラシー信号を発生する回路と，アンチパイラ
シー信号を上記映像信号部分に重畳する回路を有する。

【０００６】

【作用】アンチパイラシー信号発生回路は，映像信号周
波数帯域内にあり，水平走査周波数と周波数インターリ
ーブ関係にある周波数で，しかも，再生映像信号に事実
上影響を及ぼさない振幅を有するアンチパイラシー信号
を発生する。アンチパイラシー信号重畳回路は上記アン
チパイラシー信号を映像信号に重畳する。映像信号に上
述した周波数を有し，上述した振幅を有するアンチパイ
ラシー信号を重畳してもモニタ装置で再現される映像は
事実上劣化しない。一方，上述したアンチパイラシー信
号が重畳された映像信号がビデオ記録装置にかけられて
ダビングされるとき，ビデオ記録装置に組み込まれた違
法ダビング禁止回路（図示せず）がアンチパイラシー信
号を検出してビデオ記録装置における記録動作を禁止す
る。アンチパイラシー信号は映像信号周波数帯域内の周
波数を有し，映像信号に重畳されているから，かりにこ
のようなアンチパイラシー信号を除去しようとすると，
相当複雑な回路が必要となり，ダビングが困難である。

【０００７】

【実施例】図１は本発明の映像信号処理装置の１実施例
の構成図を示す。この図は，再生ＶＴＲ１で再生した映
像信号を記録ＶＴＲ２で記録する構成を示す。再生ＶＴ
Ｒ１には，ビデオテープから映像信号を再生する再生処
理回路１１，アンチパイラシー信号発生回路１２および
信号重畳回路１３を有している。記録ＶＴＲ２は再生処
理回路１１で再生された映像信号を記録する記録処理回
路２１，アンチパイラシー信号検出回路２２およびシス
テム制御回路２３を有している。再生ＶＴＲ１で再生し
た映像信号を画像として見る場合，モニタ装置４が図示
の如く接続される。

【０００８】図２に図１に示したアンチパイラシー信号
発生回路１２および信号重畳回路１３の具体的回路構成
例を示す。アンチパイラシー信号発生回路１２は，周波
数を１／２にする１／２分周回路１２１，位相比較回路
１２２，電圧制御形発振回路（ＶＣＯ）１２３，１／（
２Ｎ＋１）分周回路１２４，ゲート回路１２５，ローパ
スフィルタ（ＬＰＦ）１２６，ゲート回路１２７を有し
ている。またアンチパイラシー信号発生回路１２は，カ
ウンタ１２８，デコード回路１２９および水平ブランキ
ング信号発生回路１３０を有している。信号重畳回路１
３は３個並列設けられた信号加算回路１３ａ〜１３ｃを
有している。

【０００９】再生処理回路１１は従来と同様，ビデオテ
ープに記録された映像信号および音声信号を再生して出
力する。ただし，音声信号は本発明に直接関係しないの
で，以下記述を省略する。再生された映像信号は，輝度
信号Ｙ，第１の色差信号ＰＢ　および第２の色差信号Ｐ
Ｒ　からなる。再生処理回路１１はまた水平同期信号Ｈ
Ｄおよび垂直同期信号ＶＤを出力する。

【００１０】アンチパイラシー信号の発生およびその信
号重畳処理について述べる。アンチパイラシー信号発生
回路１２は水平同期信号ＨＤを入力し，分周回路１２１
で水平同期信号ＨＤの水平走査周波数ｆＨ　を１／２に
分周する。この分周された信号は位相比較回路１２２，
ＶＣＯ１２３および分周回路１２４で構成されたＰＬＬ
（位相同期回路）に入力され，ＶＣＯ１２３から位相同
期された下記式１で定義される周波数ｆ０　の信号を出
力する。 　　　　　　　　ｆ０　＝（Ｎ＋１／２）ｆＨ　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　　（１）Ｎは分周回路１２４の分周率である。式１か
ら明らかなように，周波数ｆ０は水平走査周波数ｆＨ　
と周波数インターリーブ関係にある。

【００１１】水平同期信号ＨＤは水平ブランキング信号
発生回路１３０に印加され，水平ブランキング信号発生
回路１３０は水平ブランキング期間，水平ブランキング
信号ＨＢＬＫを発生し，この水平ブランキング信号ＨＢ
ＬＫがゲート回路１２５を付勢してＶＣＯ１２３からの
信号をＬＰＦ１２６に通過させる。ＬＰＦ１２６はゲー
ト回路１２５を介して入力されたＶＣＯ１２３からの矩
形状信号の高周波成分を除去したアンチパイラシー信号
を出力する。また，垂直同期信号ＶＤがカウンタ１２８
に入力され，垂直同期信号ＶＤの到来パルス数が計数さ
れる。デコード回路１２９はその計数値がＭ（整数の値
）になるごとにゲート回路１２７を付勢して，ＬＰＦ１
２６からゲート回路１２７に印加されたアンチパイラシ
ー信号を通過させる。すなわち，Ｍフィールドごとにア
ンチパイラシー信号を通過させる。ゲート回路１２７か
らのアンチパイラシー信号ｐｙ，ｐｂ，ｐｒは信号重畳
回路１３内の信号加算回路１３ａ〜１３ｃに印加され，
再生処理回路１１で再生された輝度信号Ｙに重畳（加算
）される。

【００１２】図３および図４は上記処理による信号形態
を示している。輝度信号Ｙは３値水平同期信号とその後
に続く輝度信号成分からなる。水平ブランキング信号発
生回路１３０によって「ハイ」レベルの水平ブランキン
グ信号ＨＢＬＫが３値同期信号領域を除くタイミングで
発生され，この水平ブランキング信号ＨＢＬＫが存在す
る期間，ＬＰＦ１２６からのアンチパイラシー信号が重
畳信号として輝度信号成分に重畳される。アンチパイラ
シー信号は３値同期信号には重畳されない。したがって
，同期信号には悪影響を与えない。また，アンチパイラ
シー信号は，カウンタ１２８，デコード回路１２９およ
びゲート回路１２７によってＭフィールドごとに重畳さ
れる。以上は輝度信号Ｙにアンチパイラシー信号を重畳
する例について述べたが，第１の色差信号ＰＢ　および
第２の色差信号ＰＲ　についても上記同様にアンチパイ
ラシー信号を重畳してもよい。

【００１３】図５はアンチパイラシー信号の周波数特性
を示す。分周回路１２４の分周率Ｎは適宜選択できるが
，上述したようにアンチパイラシー信号の周波数周波数
ｆＰ　（またはｆ０　）は周波数ｆＨ　とは周波数イン
ターリーブ関係にある。図６にアンチパイラシー信号の
振幅特性を示す。曲線ＣＶ１は連続して各フィールドに
アンチパイラシー信号を映像信号に重畳したときの再生
画像をモニタ装置４で人間が観察した場合に振幅７００
ｍＶの輝度信号Ｙに影響を及ぼさないアンチパイラシー
信号の振幅の上限をプロットした曲線を示す。曲線ＣＶ
２は，図４に示したようにＭ＝３０フィールドごとにア
ンチパイラシー信号を輝度信号Ｙに重畳したの再生画像
をモニタ装置４で人間が観察した場合に輝度信号Ｙに影
響を及ぼさないアンチパイラシー信号の振幅の上限をプ
ロットした曲線を示す。輝度信号Ｙそのものの振幅によ
っても，その影響度は大きく変化するが，連続的にアン
チパイラシー信号を重畳した場合とＭフィールドごとに
間欠的にアンチパイラシー信号を重畳した場合とでは大
きく異なる。

【００１４】間欠的にアンチパイラシー信号を重畳する
ときは高い振幅のアンチパイラシー信号を重畳してもモ
ニタ装置４における再生画像には殆ど影響がない。上述
した本実施例ではＭフィールドごとに間欠的にアンチパ
イラシー信号を重畳するので，モニタ装置４における再
生画像に事実上影響のないアンチパイラシー信号の最大
振幅は，挿入レベルが小さい時，第１のレベルＬＶＬ１
以下の振幅となる。したがって，Ｍフィールドの値にも
よるが，本実施例では輝度信号Ｙに重畳するアンチパイ
ラシー信号の振幅を２０〜３０ｍＶ程度の範囲に設定し
ている。このように，周波数ｆＨ　と周波数インターリ
ーブ関係にあり，上記振幅範囲内にあるアンチパイラシ
ー信号を映像信号に重畳してもモニタ装置４における再
生画像には事実上影響がない。

【００１５】図１を参照すると，記録処理回路２１はア
ンチパイラシー信号が重畳された映像信号，すなわち，
輝度信号Ｙ，第１の色差信号ＰＢ　および第２の色差信
号ＰＲ　を記録する場合，アンチパイラシー信号検出回
路２２およびシステム制御回路２３によって記録動作が
禁止される。

【００１６】図７にアンチパイラシー信号検出回路２２
の詳細回路を示す。アンチパイラシー信号検出回路２２
は，１Ｈ遅延回路２２２と信号加算回路２２３で構成さ
れるくし形フィルタ２２１，バンドパスフィルタ（ＢＰ
Ｆ）２２４，検波回路２２５，基準電圧発生用抵抗器２
２６および比較回路２２７で構成される。アンチパイラ
シー信号が重畳された輝度信号Ｙがくし形フィルタ２２
１に入力され，上述したアンチパイラシー周波数ｆ０　
の近傍の周波数信号を通過させる帯域特性を持つＢＰＦ
２２４から再生ＶＴＲ１内で重畳されたアンチパイラシ
ー信号が抽出される。この抽出されたアンチパイラシー
信号は検波回路２２５で検波され，この検波信号が基準
電圧発生用抵抗器２２６で規定される電圧よりも高いと
き，比較回路２２７から「ハイ」レベルの信号Ｓ２２が
出力される。システム制御回路２３はこの信号Ｓ２２を
入力すると，記録処理回路２１に対してダビング禁止信
号ＳＴＯＰを出力する。記録処理回路２１はダビング禁
止信号ＳＴＯＰが入力されると，記録を停止する。これ
により，違法ダビングが禁止される。

【００１７】図８（Ａ）は映像信号とアンチパイラシー
信号との周波数・スペクトル特性図を示す。アンチパイ
ラシー信号は，映像信号周波数帯域，たとえば，１３Ｍ
ＨＺ　内に，その周波数を異ならせて複数，たとえば，
３種のアンチパイラシー周波数ｆ１　，ｆ２　，ｆ３　
のアンチパイラシー信号を重畳させることができる。こ
のように複数種類のアンチパイラシー信号を重畳させる
場合は，図２に示したアンチパイラシー信号発生回路１
２を複数配設する。これらのアンチパイラシー周波数は
それぞれ，周波数ｆＨ　と周波数インターリーブ関係に
ある。これらのアンチパイラシー信号の振幅は上述した
振幅の大きさである。

【００１８】もしこのように３種のアンチパイラシー信
号が重畳された映像信号を違法にダビングするには，上
述したアンチパイラシー信号検出回路２２およびシステ
ム制御回路２３が動作しないようにする必要がある。そ
のためには，記録処理回路２１およびアンチパイラシー
信号検出回路２２の前段に，図８（Ｂ）の通過特性を有
するフィルタ回路を設ける。そのフィルタ回路は，たと
えば，図７に示した１Ｈ遅延回路２２２と信号加算回路
２２３からなるくし形フィルタ２２１と，ＢＰＦ２２４
に相当する回路構成となる。したがって，その回路構成
は複雑であり，容易に違法ダビングができない。一方，
そのような海賊行為を行っても，図８（Ｃ）に示すよう
に，記録処理回路２１で記録する信号は劣化したものと
なる。したがって，有効な海賊行為ができない。

【００１９】本発明の映像信号処理装置の第２実施例に
ついて述べる。この第２実施例は，図９（Ａ）に示すよ
うに，映像信号周波数帯域の上限近傍のアンチパイラシ
ー周波数ｆＡＰを有するアンチパイラシー信号を重畳す
る。この場合，図２の分周回路１２４の分周率Ｎを適宜
設定して，上記アンチパイラシー周波数ｆＡＰとする。 このアンチパイラシー信号の振幅は図６に示した特性に
基づいて決定する。このアンチパイラシー信号もＭフィ
ールドごとに間欠的に輝度信号Ｙ，第１の色差信号ＰＢ
　，第２の色差信号ＰＲ　に重畳する。このようなアン
チパイラシー信号が重畳された映像信号をモニタ装置４
で再生してもその再生画像には事実上影響がない。この
実施例における図１に示したアンチパイラシー信号検出
回路２２の回路構成も図７に示した回路と同様となる。 ただし，ＢＰＦ２２４の通過特性はアンチパイラシー周
波数ｆＡＰを中心周波数とする帯域通過となる。

【００２０】もし，このようなアンチパイラシー信号が
重畳された映像信号を違法にダビングする場合，図９（
Ｂ）に示したローパスフィルタ特性を有するローパスフ
ィルタが必要になる。しかしながら，そのようなローパ
スフィルタを通過させると，図９（Ｃ）に示したような
劣化した信号となる。したがって，このような劣化した
映像信号を記録処理回路２１で記録すれば，その記録内
容は劣化したものとなり，有効なダビング結果が得られ
ない。

【００２１】本発明の実施に際しては，上述した実施例
に限定されず，種々の実施態様をとることができる。た
とえば，第１実施例として示した周波数ｆＨと周波数イ
ンターリーブ関係にあるアンチパイラシー周波数ｆ０　
，ｆ１　，ｆ２　，ｆ３　，またはアンチパイラシー周
波数ｆＡＰを有するアンチパイラシー信号の重畳は，輝
度信号Ｙにだけ重畳してもよく，第１の色差信号ＰＢ　
および第２の色差信号ＰＲ　に同様に重畳してもよい。 また，上述した間欠的なアンチパイラシー信号の重畳の
タイミングは，連続的に重畳してもよい。アンチパイラ
シー信号の重畳タイミング，振幅は図６に示した特性ま
たはこの特性に相当する特性に基づいて決定できる。実
験データによれば，上述した間欠的にアンチパイラシー
信号を重畳するフィールドは３〜４フィールド程度でも
よい。

【００２２】

【発明の効果】以上述べたように，本発明のアンチパイ
ラシー信号重畳によれば，モニタ装置で再現される画像
に事実上の劣化を生じさせず，違法ダビングを困難にす
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の映像信号処理装置の実施例構成図であ
る。

【図２】図１のアンチパイラシー信号発生回路および信
号重畳回路の回路構成図である。

【図３】図２の回路によるアンチパイラシー信号の信号
重畳方法を説明する図である。

【図４】図２の回路によるアンチパイラシー信号の他の
信号重畳方法を説明する図である。

【図５】図１におけるアンチパイラシー信号の周波数成
分を示す図である。

【図６】図１におけるアンチパイラシー信号の振幅特性
を示す図である。

【図７】図１のアンチパイラシー信号検出回路の回路図
である。

【図８】本発明の映像信号処理装置の第１実施例におけ
るアンチパイラシー信号重畳特性とその除去特性を示す
図である。

【図９】本発明の映像信号処理装置の第２実施例におけ
るアンチパイラシー信号重畳特性とその除去特性を示す
図である。

【符号の説明】

１・・再生ＶＴＲ，２・・記録ＶＴＲ，４・・モニタ装
置，１１・・再生処理回路，１２・・アンチパイラシー
信号発生回路，１３・・信号重畳回路，１３ａ〜１３ｃ
・・信号加算回路，２１・・記録処理回路，２２・・ア
ンチパイラシー信号検出回路，２３・・システム制御回
路，１２１・・分周回路，１２２・・位相比較回路，１
２３・・ＶＣＯ，１２４・・分周回路，１２５・・ゲー
ト回路，１２６・・ＬＰＦ，１２７・・ゲート回路，１
２８・・カウンタ，１２９・・デコード回路，１３０・
・水平ブランキング信号発生回路，２２１・・くし形フ
ィルタ，２２２・・１Ｈ遅延回路，２２３・・信号加算
回路，２２４・・ＢＰＦ，２２５・・検波回路２２５，
２２６・・基準電圧発生用抵抗器，２２７・・比較回路
，ＨＤ・・水平同期信号，ＶＤ・・垂直同期信号，ＨＢ
ＬＫ・・水平ブランキング信号，ｆＨ　・・水平走査周
波数，ｆ０　，ｆ１　，ｆ２　，ｆ３　，ｆＡＰ・・ア
ンチパイラシー周波数。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】　　映像信号の周波数帯域内で水平走査周
   波数に対して周波数インターリーブ関係にある所定の周
   波数を有し，所定の範囲内の振幅を有するアンチパイラ
   シー信号を発生する回路と，上記アンチパイラシー信号
   を上記映像信号部分に重畳する回路とを有することを特
   徴とする映像信号処理装置。