JPH09329201A - 多段式斜交継ぎ手 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】１つのケーシング内に２段式または３段式の減
速段を収容したい。 【解決手段】２つの減速段（３、４）または３つの減速
段有する斜交継ぎ手（１）であって、ケーシング（２）
は、２段式（３、４）から３段式へ、またはその逆へ切
り換えたとき、前記駆動軸（３１）の軸線と被駆動軸の
軸線との相互の位置が変更されずに維持されながら、２
つの減速段（３、４）または３つの減速段を選択的に収
容するように設計されていて、ケーシング（２）は、２
つの歯車列を交互に支持する複数の内部支持部材（１
２、１３、）を有している。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、多段式斜交継ぎ手
に関する。

【０００２】

【従来の技術】既に知られているように、上述の型の継
ぎ手は、ケーシング、入力用駆動軸、出力用被駆動軸お
よびハウジング内に収容され駆動軸と被駆動軸との間に
介在された複数の減速段とを備えている。

【０００３】現在市販されている継ぎ手の主な欠点は、
２つまたは３つの減速段を収容するように設計されたケ
ーシングにあって、ハウジング内で直接的な操作によっ
て段の数を換えられないことにある（例えば、２段式か
ら３段式へ、あるいはその逆へ）。すなわち、同一のハ
ウジングを用いて２段式から３段式の設計に換えること
が出来ないが、これは、歯車列をある設計から他の設計
に換えるのに必要な機構を支持する座がないことによ
る。現在市販されている自動車の継ぎ手の第１段は、ほ
ぼ常に、ベベル環状歯車と歯合するベベルピニオンによ
って規定されるが、このことは、もっとも多くの振動を
生ずる段が、歯車列の最初に設けられているので、それ
故システム全体としての騒音を増大することを意味す
る。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上述
した欠点を改善した多段式斜交継ぎ手を提供することで
ある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明の目的は、ケーシ
ングと、駆動軸と、ユーザの装置に接続される被駆動軸
と、前記駆動軸と前記被駆動軸との間で前記ケーシング
に収容されている複数の減速段とを有し、前記ケーシン
グは、２段式から３段式へ、またはその逆へ切り換えた
とき、前記駆動軸の軸線と被駆動軸の軸線との相互の位
置が変更されずに維持しながら、２つの減速段または３
つの減速段を選択的に収容するように設計されていて、
さらに前記ケーシングは、複数の軸と複数の歯付部材と
を有する２つのいずれかの歯車列を支持している複数の
内部支持部材を有する多段式斜交継ぎ手を提供すること
である。

【０００６】さらに、ベベルピニオンを有する段を、決
して歯車列の最初に設けないことである。

【０００７】本発明の、限定されない沢山の実施例が、
図面を参照した例として記述されている（同様のまたは
類似の機能を発揮する部品は同じ符号を付してある）。

【０００８】

【発明の実施の形態】図１と図２とに示した実施例にお
いて、斜交継ぎ手１は、ケーシング２内に収納された二
つの減速段３、４を備えている。第１段３は、駆動軸３
１と一体になった第１のシリンダー状歯車３２（軸線Ｋ
の）を有していて、この第１のシリンダー状歯車３２
は、２つのベアリング７、８に支持された軸６に嵌合し
た第２のシリンダー状歯車５と歯合している。

【０００９】図１と図２とに示した第２段４は、被駆動
軸１１（軸線Ｍの）（図２）と一体のベベル環状歯車１
０と歯合する歯付部材としてのハイポイドベベルピニオ
ン９を有している。

【００１０】図１と図２に示したように、ハイポイドピ
ニオン９は、歯付部材としての第２のシリンダー状歯車
５が嵌合しているのと同じ軸６に支持されていて、軸６
は、上述したように、内部支持部材１２、１３によって
保持されたベアリング７、８に支持されている。

【００１１】ケーシング２は、ボックス形状を規定する
複数の壁１４ないし１９で構成されていて、壁１４は、
開口２０を有していて、この開口２０を通って第１のシ
リンダー状歯車３２から第２のシリンダー状歯車５へ運
動が伝えられ、座２１、２２（図２）が、ベアリング２
４、２５により被駆動軸１１を支持するために、壁１
８、１９にそれぞれ設けられていて、それ故、被駆動軸
１１と一体になったベベル環状歯車１０も同様に支持し
ている。

【００１２】図１と図２に示した２つの段３、４を持つ
実施例において、第２のシリンダー状歯車５が嵌合して
いる軸６は、同様にハイポイドピニオン９を支持してい
て、このハイポイドピニオン９は、上述したように、ベ
ベル環状歯車１０と歯合していて、運動を軸６から被駆
動軸１１に伝える。図１に示したように、内部支持部材
１２、１３および対応するベアリング７、８は、第２の
シリンダー状歯車５とハイポイドベベルピニオン９との
間の間隙に設けられている。

【００１３】２段継ぎ手において、第１の減速段３を経
たケーシング２への“入力”運動は、第２のシリンダー
状歯車５と歯合している第１のシリンダー状歯車３２に
よって規定されて、ベベル環状歯車１０と歯合している
ハイポイドピニオン９によって規定される第２の減速段
４を通って“伝達”され、ユーザの装置（図示せず）を
駆動する被駆動軸１１から“退去”する。

【００１４】同じケーシング２を使い、軸線Ｋと軸線Ｍ
との間の距離を同様に維持しながら３段式継ぎ手１に切
り換えるには、第３段２３を追加する必要がある。すな
わち、対応するベアリング２６、２７で中間軸を支持す
る第２の一対の内部支持部材２４、２５が設けられなけ
ればならない。図３に示した３段式継ぎ手の実施例にお
いて、図２に示した２段式継ぎ手の軸６は、中間軸２８
に嵌合した歯付部材としての第３のシリンダー状歯車３
０と歯合し同様にベベルピニオン９を支持する歯付部材
としての歯付軸２９に置き換えられる。第３のシリンダ
ー状歯車３０とベベルピニオン９とは、内部支持部材２
４と２５とによって規定される間隙内に収容されてい
て、この内部支持部材２４と２５とは、ギヤ列の部品が
正確に歯合するために、内部支持部材１２と１３とに関
して片寄っている。

【００１５】本発明の好ましい実施例において、４つの
内部支持部材１２、１３、２４、２５は、ケーシング２
と一体に作られるべきである。

【００１６】内部支持部材２４、２５は、同様に、２つ
の減速段３、４のみが示され、内部支持部材１２と１３
のみが伝達部材を支持するために使われている図１の実
施例にも明らかに適用できる。

【００１７】第３の減速段２３は、第１の減速段３と第
２の減速段４との間に配置されていて、この第２の減速
段４は、言ってみれば第３の減速段２３を挿入出来るよ
うに、“転移”している。詳細な引用が図３の実施例で
歯付軸２９についてなされたが、このことから、同等の
伝達手段に明らかに置き換え得る（たとえば、内部支持
部材１２、１３に保持された軸と一体のシリンダー状歯
車）。

【００１８】図に示したように、内部支持部材２４、２
５の軸は、駆動軸３１の軸線Ｋを含まない面を規定する
ように、同じ面にあって座２１、２２の軸線Ｍに垂直で
ある。

【００１９】図４から図８は内部支持部材１２、１３、
２４、２５、の相互の位置を、ケーシング２を規定する
壁１４から１９との関係で、同様に、より詳細に示して
いる。

【００２０】

【発明の効果】以上のように、上述した継ぎ手は、使用
者の要望に応じて２つまたは３つの減速段に使うケーシ
ングを一種類で可能にしたので、製造に時間がかから
ず、貯蔵コストも削減できるのみならず、歯車列の交換
が、特別な熟練工によらなくても極めて直接的な作業で
出来る。

【００２１】ここに述べた以外であっても、本発明の範
囲から外れなければ、斜交継ぎ手を作るのに変更できる
であろうことは明らかである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の好ましい実施例の２段式斜交継ぎ手を
示す一部断面図。

【図２】図１のII―II線に沿った断面図。

【図３】図１と図２のケーシングと同じ特徴を持つ本発
明の３段式斜交継ぎ手の好ましい実施例を示す一部断面
図。

【図４】図１から図３に示された斜交継ぎ手のケーシン
グの断面図。

【図５】図４のケーシングの第１の断面図。

【図６】上記図面に示されたケーシングの側面図。

【図７】図４のケーシングの第２の断面図。

【図８】図４のケーシングの第３の断面図。

【符号の説明】

１……斜交継ぎ手 ２……ケーシング ３、４、２３……減速段 ５、……歯付部材（第２のシリンダー状歯車） ９……歯付部材（（ハイポイド）（ベベル）ピニオン） １１……被駆動軸 ６、２８……軸 １２、１３、２４、２５……内部支持部材 ２９……歯付部材（歯付軸） ３０……歯付部材（第３のシリンダー状歯車） ３１……駆動軸

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ピエトロ・デピエトリ イタリア国、40141 ボローニャ、ビア・ アッティ ２

Claims (10)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 ケーシング（２）と、 駆動軸（３１）と、 ユーザの装置に接続される被駆動軸（１１）と、 前記駆動軸（３１）と前記被駆動軸（１１）との間で前
   記ケーシング（２）に収容された複数の減速段（３、
   ４、２３）とを有し、 前記ケーシングは、２段式（３、４）から３段式（３、
   ４、２３）へ、またはその逆へ切り換えたとき、前記駆
   動軸（３１）の軸線（Ｋ）と被駆動軸（１１）の軸線
   （Ｍ）との相互の位置が変更されずに維持されるよう
   に、２つの減速段（３、４）または３つの減速段（３、
   ４、２３）を選択的に収容するように設計されていて、
   さらに前記ケーシング（２）は、複数の軸（６、２８）
   と複数の歯付部品（５、９、２９、３０）とを有する２
   つの歯車列のいずれかのを支持している第１および第２
   の内部支持部材（１２、１３、２４、２５）を有するこ
   とを特徴とする多段式斜交継ぎ手。
2. 【請求項２】 少なくとも１つの減速段（４）が、ベベ
   ルピニオン（９）とベベル環状歯車（１０）とによって
   規定されている一対の歯車を有していることを特徴とす
   る請求項１記載の多段式斜交継ぎ手。
3. 【請求項３】 前記ケーシング（２）が２つの減速段
   （３、４）を収容している場合、前記ベベルピニオン
   （９）は、ハイポイドベベルピニオンであることを特徴
   とする請求項２記載の多段式斜交継ぎ手。
4. 【請求項４】 前記第１の内部支持部材（１２、１３）
   は、第２のシリンダー状歯車（５）と前記ハイポイドベ
   ベルピニオン（９）との間の間隙内に設けられているこ
   とを特徴とする請求項３記載の多段式斜交継ぎ手。
5. 【請求項５】 前記ケーシング（２）が３つの減速段
   （３、４、２３）を収容している場合、前記第３の減速
   段（２３）は、前記第１の減速段（３）と前記第２の減
   速段（４）との間に設けられていることを特徴とする請
   求項２記載の多段式斜交継ぎ手。
6. 【請求項６】 前記第１の内部支持部材（１２、１３）
   は、前記第２のシリンダー状歯車（５）が一体に設けら
   れた歯付部材（２９）を支持し、前記第２の内部支持部
   材（２４、２５）は第３のシリンダー状歯車（３０）と
   前記ベベルピニオン（９）とが嵌合している中間軸（２
   ８）を支持していることを特徴とする請求項５記載の多
   段式斜交継ぎ手。
7. 【請求項７】 前記第２の内部支持部材（２４、２５）
   は、前記第１の内部支持部材（１２、１３）に関し片寄
   っていることを特徴とする請求項６記載の多段式斜交継
   ぎ手。
8. 【請求項８】 前記歯付部材（２９）は、歯付軸である
   ことを特徴とする請求項６記載の多段式斜交継ぎ手。
9. 【請求項９】 前記第３のシリンダー状歯車（３０）と
   前記ベベルピニオン（９）とは、前記複数の第２の内部
   支持部材（２４、２５）の間の間隙に設けられているこ
   とを特徴とする請求項６記載の多段式斜交継ぎ手。
10. 【請求項１０】 第１と第２の内部支持部材（１２、１
    ３；２４、２５）は、前記ケーシング（２）と一体に形
    成されていることを特徴とする請求項１記載の多段式斜
    交継ぎ手。