JPH09328698A - すべり案内面用潤滑油組成物 - Google Patents

すべり案内面用潤滑油組成物

Info

Publication number
JPH09328698A
JPH09328698A JP9051787A JP5178797A JPH09328698A JP H09328698 A JPH09328698 A JP H09328698A JP 9051787 A JP9051787 A JP 9051787A JP 5178797 A JP5178797 A JP 5178797A JP H09328698 A JPH09328698 A JP H09328698A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
branched
group
acid
isomers
linear
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP9051787A
Other languages
English (en)
Inventor
Eiji Tominaga
英二 富永
Toshiaki Wakabayashi
利明 若林
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Eneos Corp
Original Assignee
Nippon Oil Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Oil Corp filed Critical Nippon Oil Corp
Priority to JP9051787A priority Critical patent/JPH09328698A/ja
Publication of JPH09328698A publication Critical patent/JPH09328698A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Lubricants (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 すべり案内面での潤滑特性および水溶性切削
液との分離性に優れ、かつ水溶性切削液の諸性能に悪影
響を与えないすべり案内面用潤滑油組成物を開発する。 【解決手段】 鉱油、油脂および合成油の中から選ばれ
る少なくとも1種を基油とし(A)カルボン酸および/
またはエステルならびに(B)アルカリ金属、アルカリ
土類金属、亜鉛および鉛の中から選ばれる少なくとも1
種の金属の有機酸塩および/または(C)下式(1)で
表される亜リン酸エステル、またはそのアミン塩を含有
させる。式(1):(HO)n −P−(OR13-n
(R1 は炭素数1〜24の炭化水素基を表し、nは0〜
2の整数を表す)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はすべり案内面用潤滑
油組成物に関し、詳しくはすべり案内面での潤滑特性に
優れ、かつ水溶性切削液との分離性に優れるすべり案内
面用潤滑油組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】工作機械では、すべり案内面用潤滑油が
工作物の加工液に混入してしまう構造になっているもの
が多い。特に、加工液として水溶性切削液を用いている
場合、このすべり案内面用潤滑油の混入が水溶性切削液
の劣化(切削性能の低下、腐敗の促進、更油寿命の短
縮、廃液処理コストの上昇など)の原因の1つとなって
いる。したがって、すべり案内面用潤滑油の性能として
はすべり案内面での潤滑特性に優れていることに加え
て、水溶性切削液に混入した場合に水溶性切削液との分
離性に優れ、かつ該水溶性切削液の諸性能に悪影響を与
えないことが要求されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、すべり
案内面用潤滑油に通常用いられている潤滑特性を向上さ
せるための添加剤では、水溶性切削液との分離性を低下
させ、従来、潤滑特性と水溶性切削液との分離性の両方
に優れるすべり案内面用潤滑油を得ることは困難であっ
た。本発明の目的は、すべり案内面での潤滑特性に優れ
るとともに、水溶性切削液に混入した場合に水溶性切削
液との分離性に優れ、かつ水溶性切削液の諸性能に悪影
響を与えないすべり案内面用潤滑油組成物を提供するこ
とである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を克服するため鋭意研究を重ねた結果、特定の組成を有
する潤滑油組成物が、潤滑特性に優れかつ水溶性切削液
との分離性に優れることを見い出し、本発明を完成する
に至った。
【0005】すなわち本発明の第1の発明は、鉱油、油
脂および合成油の中から選ばれる少なくとも1種を基油
とし、(A)カルボン酸および/またはエステルならび
に(B)アルカリ金属、アルカリ土類金属、亜鉛および
鉛の中から選ばれる少なくとも1種の金属の有機酸塩を
含有することを特徴とするすべり案内面用潤滑油組成物
を提供するものである。
【0006】また本発明の第2の発明は、鉱油、油脂お
よび合成油の中から選ばれる少なくとも1種を基油と
し、(A)カルボン酸および/またはエステルならびに
(C)下記式(1)で表される亜リン酸エステル、また
はそのアミン塩 (HO)n −P−(OR13-n (1) (上記式(1)において、R1 は炭素数1〜24の炭化
水素基を表し、nは0〜2の整数を表す。)を含有する
ことを特徴とするすべり案内面用潤滑油組成物を提供す
るものである。
【0007】さらに本発明の第3の発明は、鉱油、油脂
および合成油の中から選ばれる少なくとも1種を基油と
し、(A)カルボン酸および/またはエステル(B)ア
ルカリ金属、アルカリ土類金属、亜鉛および鉛の中から
選ばれる少なくとも1種の金属の有機酸塩ならびに
(C)下記式(1)で表される亜リン酸エステル、また
はそのアミン塩 (HO)n −P−(OR13-n (1) (上記式(1)において、R1 は炭素数1〜24の炭化
水素基を表し、nは0〜2の整数を表す。)を含有する
ことを特徴とするすべり案内面用潤滑油組成物を提供す
るものである。
【0008】
【発明の実施の形態】以下本発明を詳細に説明する。本
発明のすべり案内面用潤滑油組成物は、鉱油、油脂およ
び合成油の中から選ばれる少なくとも1種を基油とする
ものである。本発明で使用可能な鉱油系基油を例示すれ
ば、原油を常圧蒸留および減圧蒸留して得られた潤滑油
留分に対して、溶剤脱れき、溶剤抽出、水素化分解、溶
剤脱ろう、接触脱ろう、水素化精製、硫酸洗浄、白土処
理等の1種もしくは2種以上の精製手段を適宜組み合わ
せて適用して得られるパラフィン系またはナフテン系の
鉱油を挙げることができる。
【0009】また、油脂としては、牛脂、豚脂、大豆
油、菜種油、米ぬか油、ヤシ油、パーム油、パーム核
油、あるいはこれらの水素添加物などが挙げられる。
【0010】また、合成油としては、例えば、ポリα−
オレフィン(エチレン−プロピレン共重合体、ポリブテ
ン、1−オクテンオリゴマー、1−デセンオリゴマー、
およびこれらの水素化物など)、アルキルベンゼン、ア
ルキルナフタレン、モノエステル(ブチルステアレー
ト、オクチルラウレート)、ジエステル(ジトリデシル
グルタレート、ジ−2−エチルヘキシルアジペート、ジ
イソデシルアジペート、ジトリデシルアジペート、ジ−
2−エチルヘキシルセパケートなど)、ポリエステル
(トリメリット酸エステルなど)、ポリオールエステル
(トリメチロールプロパンカプリレート、トリメチロー
ルプロパンペラルゴネート、ペンタエリスリトール−2
−エチルヘキサノエート、ペンタエリスリトールペラル
ゴネートなど)、ポリオキシアルキレングリコール、ポ
リフェニルエーテル、ジアルキルジフェニルエーテル、
リン酸エステル(トリクレジルフォスフェートなど)、
含フッ素化合物(パーフルオロポリエーテル、フッ素化
ポリオレフィンなど)、シリコーン油などが例示でき
る。
【0011】本発明のすべり案内面用潤滑油組成物の基
油としては、上記した基油を単独で用いてもよいし、2
種以上組み合わせてもよい。また本発明で使用する基油
は、その粘度に格別の限定はないが、一般的には、40
℃における動粘度が10〜500mm2 /sの範囲にあ
るものが好ましく、15〜250mm2 /sの範囲にあ
るものがより好ましい。本発明において、上記した基油
の含有量については任意であるが、通常組成物全量基準
で50〜99.98質量%の範囲で用いられる。
【0012】本発明の(A)成分は、カルボン酸(A−
1)および/またはエステル(A−2)である。(A−
1)カルボン酸としては、分子内にカルボキシル基を1
つ有するモノカルボン酸であっても、分子内にカルボキ
シル基を2つ以上有するポリカルボン酸であってもよ
い。モノカルボン酸としては、通常炭素数6〜24の脂
肪酸が用いられる。また、直鎖状のものでも分岐状のも
のでもよく、飽和脂肪酸であっても不飽和脂肪酸であっ
てもよい。炭素数6〜24の脂肪酸としては、具体的に
は例えば、直鎖状または分岐状のヘキサン酸、直鎖状ま
たは分岐状のヘプタン酸、直鎖状または分岐状のオクタ
ン酸、直鎖状または分岐状のノナン酸、直鎖状または分
岐状のデカン酸、直鎖状または分岐状のウンデカン酸、
直鎖状または分岐状のドデカン酸、直鎖状または分岐状
のトリデカン酸、直鎖状または分岐状のテトラデカン
酸、直鎖状または分岐状のペンタデカン酸、直鎖状また
は分岐状のヘキサデカン酸、直鎖状または分岐状のヘプ
タデカン酸、直鎖状または分岐状のオクタデカン酸、直
鎖状または分岐状のノナデカン酸、直鎖状または分岐状
のイコサン酸、直鎖状または分岐状のヘンイコサン酸、
直鎖状または分岐状のドコサン酸、直鎖状または分岐状
のトリコサン酸、直鎖状または分岐状のテトラコサン酸
などの飽和脂肪酸、または、直鎖状または分岐状のヘキ
セン酸、直鎖状または分岐状のヘプテン酸、直鎖状また
は分岐状のオクテン酸、直鎖状または分岐状のノネン
酸、直鎖状または分岐状のデセン酸、直鎖状または分岐
状のウンデセン酸、直鎖状または分岐状のドデセン酸、
直鎖状または分岐状のトリデセン酸、直鎖状または分岐
状のテトラデセン酸、直鎖状または分岐状のペンタデセ
ン酸、直鎖状または分岐状のヘキサデセン酸、直鎖状ま
たは分岐状のヘプタデセン酸、直鎖状または分岐状のオ
クタデセン酸、直鎖状または分岐状のノナデセン酸、直
鎖状または分岐状のイコセン酸、直鎖状または分岐状の
ヘンイコセン酸、直鎖状または分岐状のドコセン酸、直
鎖状または分岐状のトリコセン酸、直鎖状または分岐状
のテトラコセン酸などの不飽和脂肪酸などが挙げられ
る。
【0013】また、ポリカルボン酸としては、炭素数2
〜10のものが好ましく用いられ、具体的には例えば、
シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン
酸、ピメリン酸、スバリン酸、アゼライン酸、セバシン
酸、メチルマロン酸、エチルマロン酸、ジメチルマロン
酸、メチルコハク酸、2,2−ジメチルコハク酸、2,
3−ジメチルコハク酸、2−エチル−2−メチルコハク
酸、2−メチルグルタル酸、3−メチルグルタル酸、3
−メチルアジピン酸等の飽和脂肪族ジカルボン酸、マレ
イン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸、メサコ
ン酸等の不飽和脂肪族ジカルボン酸、フタル酸、テレフ
タル酸、イソフタル酸、トリメリット酸等の芳香族ポリ
カルボン酸等が挙げられる。
【0014】上記(A−2)エステルとは、アルコール
および/またはフェノールとカルボン酸とからなるエス
テルである。(A−2)エステルを構成するアルコール
としては、1価アルコールであっても2価以上の多価ア
ルコールであってもよい。1価アルコールとしては、通
常炭素数1〜24の脂肪族アルコールが用いられる。炭
素数1〜24の脂肪族アルコールとしては、具体的には
例えば、メタノール、エタノール、直鎖状または分岐状
のプロパノール、直鎖状または分岐状のブタノール、直
鎖状または分岐状のペンタノール、直鎖状または分岐状
のヘキサノール、直鎖状または分岐状のヘプタノール、
直鎖状または分岐状のオクタノール、直鎖状または分岐
状のノナノール、直鎖状または分岐状のデカノール、直
鎖状または分岐状のウンデカノール、直鎖状または分岐
状のドデカノール、直鎖状または分岐状のトリデカノー
ル、直鎖状または分岐状のテトラデカノール、直鎖状ま
たは分岐状のペンタデカノール、直鎖状または分岐状の
ヘキサデカノール、直鎖状または分岐状のヘプタデカノ
ール、直鎖状または分岐状のオクタデカノール、直鎖状
または分岐状のノナデカノール、直鎖状または分岐状の
イコセノール、直鎖状または分岐状のヘンイコセノー
ル、直鎖状または分岐状のドコセノール、直鎖状または
分岐状のトリコセノール、直鎖状または分岐状のテトラ
コセノール等が挙げられる。
【0015】また、多価アルコールとしては、2〜10
価のものが好ましく用いられる。2〜10価の多価アル
コールとしては、具体的には、エチレングリコール、ジ
エチレングリコール、ポリエチレングリコール(エチレ
ングリコールの3〜15量体)、プロピレングリコー
ル、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコー
ル(プロピレングリコールの3〜15量体)、1,3−
プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−
ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2−メチル
−1,2−プロパンジオール、2−メチル−1,3−プ
ロパンジオール、1,2−ペンタンジオール、1,3−
ペンタンジオール、1,4−ペンタンジオール、1,5
−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール等の2価
アルコール;グリセリン、ポリグリセリン(グリセリン
の2〜8量体、例えばジグリセリン、トリグリセリン、
テトラグリセリンなど)、トリメチロールアルカン(ト
リメチロールエタン、トリメチロールプロパン、トリメ
チロールブタンなど)およびこれらの2〜8量体、ペン
タエリスリトールおよびこれらの2〜4量体、1,2,
4−ブタントリオール、1,3,5−ペンタントリオー
ル、1,2,6−ヘキサントリオール、1,2,3,4
−ブタンテトロール、ソルビトール、ソルビタン、ソル
ビトールグリセリン縮合物、アドニトール、アラビトー
ル、キシリトール、マンニトールなどの多価アルコー
ル;キシロース、アラビノース、リボース、ラムノー
ス、グルコース、フルクトース、ガラクトース、マンノ
ース、ソルボース、セロビオース、マルトース、イソマ
ルトース、トレハロース、シュクロースなどの糖類が挙
げることができる。
【0016】また(A−2)エステルとしては、上記し
たアルコールからなるエステルであってもよいが、フェ
ノール化合物からなるエステルを用いても良い。ここで
いうフェノール化合物としては、通常炭素数6〜12の
ものが用いられ、具体的には例えば、フェノール、メチ
ルフェノール(別名クレゾール)(全ての置換異性体を
含む)、エチルフェノール(全ての置換異性体を含
む)、ジメチルフェノール(全ての置換異性体を含
む)、プロピルフェノール(全ての置換異性体を含
む)、エチルメチルフェノール(全ての置換異性体を含
む)、トリメチルフェノール(全ての置換異性体を含
む)、ブチルフェノール(全ての置換異性体を含む)、
ペンチルフェノール(全ての置換異性体を含む)、ヘキ
シルフェノール(全ての置換異性体を含む)等が挙げら
れる。
【0017】上記(A−2)エステルを構成するカルボ
ン酸としては、具体的には例えば、上記(A−1)カル
ボン酸として例示したものと同様のものが使用可能であ
る。なお、(A−2)エステルを構成するアルコールと
して多価アルコールを用いる場合は、その水酸基全てが
エステル化されている完全エステルであってもよく、水
酸基の少なく1個以上がエステル化されない水酸基のま
まで残っている部分エステルであってもよいが、完全エ
ステルであることが好ましい。また、この場合カルボン
酸として1種のみを用いてもよく、2種以上のカルボン
酸を用いてもよい。
【0018】同様に、(A−2)エステルを構成するカ
ルボン酸としてポリカルボン酸を用いる場合は、そのカ
ルボキシル基全てがエステル化されている完全エステル
であってもよく、カルボキシル基の少なくとも1個以上
がエステル化されないカルボキシル基のままで残ってい
る部分エステルであってもよいが、完全エステルである
ことが好ましい。また、この場合アルコールとして1種
のみを用いてもよく、2種のアルコールを用いてもよ
い。
【0019】本発明において、(A)成分としては上記
した(A−1)および(A−2)の中から選ばれる1種
の化合物からなるものであってもよく、2種以上の混合
物からなるものであってもよい。
【0020】本発明の(A)成分として(A−1)カル
ボン酸を用いる場合、(A−1)成分の含有量の上限値
は、組成物全量基準で40質量%、好ましくは20質量
%、より好ましくは10質量%、最も好ましくは7質量
%である。(A−1)成分を40質量%を越えて含有さ
せてもそれ以上の効果の向上はみられず、また貯蔵安定
性が悪くなる恐れがあり好ましくない。
【0021】また、本発明において基油として(A−
2)エステルを用いることも可能であり、この場合(A
−2)エステルに該当するエステルの含有量の上限値
は、組成物全量基準で99.9質量%、好ましくは90
質量%、より好ましくは50質量%である。
【0022】また、(A)成分の含有量の下限値は、組
成物全量基準で0.01質量%、好ましくは0.05質
量%、より好ましくは0.1質量%、最も好ましくは
0.2質量%である。(A)成分の含有量が0.01質
量%に満たない場合は、潤滑性が悪くなり好ましくな
い。
【0023】本発明の第1の発明に係るすべり案内面用
潤滑油組成物は、上記基油および(A)成分、並びに下
記に示す(B)成分を必須の構成成分とするものであ
る。本発明の(B)成分は、アルカリ金属、アルカリ土
類金属、亜鉛および鉛の中から選ばれる少なくとも1種
の金属の有機酸塩である。
【0024】上記(B)成分において、アルカリ金属と
しては、具体的には例えばナトリウムおよびカリウムな
どが、またアルカリ土類金属としては、具体的には例え
ばマグネシウム、カルシウムおよびバリウムなどが挙げ
られる。また(B)成分において、有機酸塩としては、
具体的には例えば、(B−1)スルフォネート、(B−
2)フェネート、(B−3)サリシレート、ならびにこ
れらの混合物などが挙げられる。
【0025】(B−1)スルフォネートとしては、分子
量100〜1500、好ましくは200〜700のアル
キル芳香族化合物をスルフォン化することによって得ら
れるアルキル芳香族スルフォン酸と、アルカリ金属、ア
ルカリ土類金属、亜鉛または鉛の塩基(酸化物や水酸化
物)とを反応させて得られる、いわゆる中性スルフォネ
ート;中性スルフォネートと、過剰のアルカリ金属、ア
ルカリ土類金属、亜鉛または鉛の塩や塩基(酸化物や水
酸化物)を水の存在下で加熱することにより得られる、
いわゆる塩基性スルフォネート;炭酸ガスの存在下で中
性スルフォネートをアルカリ金属、アルカリ土類金属、
亜鉛または鉛の塩基(酸化物や水酸化物)と反応させる
ことにより得られる、いわゆる炭酸塩過塩基性(超塩基
性)スルフォネート;中性スルフォネートをアルカリ金
属、アルカリ土類金属、亜鉛または鉛の塩基(酸化物や
水酸化物)ならびにホウ酸または無水ホウ酸などのホウ
酸化合物と反応させたり、または炭酸塩過塩基性(超塩
基性)スルフォネートとホウ酸または無水ホウ酸などの
ホウ酸化合物を反応させることによって製造される、い
わゆるホウ酸塩過塩基性(超塩基性)スルフォネート;
およびこれらの混合物などが挙げられる。
【0026】また、上記アルキル芳香族スルフォン酸と
しては、具体的にはいわゆる石油スルフォン酸や合成ス
ルフォン酸などが挙げられる。ここでいう石油スルフォ
ン酸としては、一般に鉱油の潤滑油留分のアルキル芳香
族化合物をスルフォン化したものやホワイトオイル製造
時に副生する、いわゆるマホガニー酸などが用いられ
る。また合成スルフォン酸としては、例えば洗剤の原料
となるアルキルベンゼン製造プラントから副生したり、
ポリオレフィンをベンゼンにアルキル化することにより
得られる、直鎖状や分枝状のアルキル基を有するアルキ
ルベンゼンをスルフォン化したもの、あるいはジノニル
ナフタレンなどのアルキルナフタレンをスルフォン化し
たものなどが用いられる。またこれらアルキル芳香族化
合物をスルフォン化する際のスルフォン化剤としては特
に制限はないが、通常、発煙硫酸や無水硫酸が用いられ
る。
【0027】(B−2)フェネートとしては、具体的に
は例えば、炭素数4〜20のアルキル基を1〜2個有す
るアルキルフェノールと、元素イオウの存在下または不
存在下で、アルカリ金属、アルカリ土類金属、亜鉛また
は鉛の塩基(酸化物や水酸化物)と反応させることによ
り得られる中性フェネート;中性フェネートと過剰のア
ルカリ金属、アルカリ土類金属、亜鉛または鉛の塩や塩
基(酸化物や水酸化物)を水の存在下で加熱することに
より得られる、いわゆる塩基性フェネート;炭酸ガスの
存在下で中性フェネートをアルカリ金属、アルカリ土類
金属、亜鉛または鉛の塩基(酸化物や水酸化物)と反応
させることにより得られる、いわゆる炭酸塩過塩基性
(超塩基性)フェネート;中性フェネートをアルカリ金
属、アルカリ土類金属、亜鉛または鉛の塩基(酸化物や
水酸化物)ならびにホウ酸または無水ホウ酸などのホウ
酸化合物と反応させたり、または炭酸塩過塩基性(超塩
基性)フェネートとホウ酸または無水ホウ酸などのホウ
酸化合物を反応させることによって製造される、いわゆ
るホウ酸塩過塩基性(超塩基性)フェネート;およびこ
れらの混合物などが挙げられる。
【0028】(B−3)サリシレートとしては、具体的
には例えば、炭素数4〜20のアルキル基を1〜2個有
するアルキルサリチル酸を、元素イオウの存在下または
不存在下で、アルカリ金属、アルカリ土類金属、亜鉛ま
たは鉛の塩基(酸化物や水酸化物)と反応させることに
より得られる中性サリシレート;中性サリシレートと、
過剰のアルカリ金属、アルカリ土類金属、亜鉛または鉛
の塩や塩基(酸化物や水酸化物)を水の存在下で加熱す
ることにより得られる、いわゆる塩基性サリシレート;
炭酸ガスの存在下で中性サリシレートをアルカリ金属、
アルカリ土類金属、亜鉛または鉛の塩基(酸化物や水酸
化物)と反応させることにより得られる、いわゆる炭酸
塩過塩基性(超塩基性)サリシレート;中性サリシレー
トをアルカリ金属、アルカリ土類金属、亜鉛または鉛の
塩基(酸化物や水酸化物)ならびにホウ酸または無水ホ
ウ酸などのホウ酸化合物と反応させたり、または炭酸塩
過塩基性(超塩基性)金属サリシレートとホウ酸または
無水ホウ酸などのホウ酸化合物を反応させることによっ
て製造される、いわゆるホウ酸塩過塩基性(超塩基性)
サリシレート;およびこれらの混合物などが挙げられ
る。
【0029】本発明の(B)成分としては、上記した化
合物の中でも潤滑性や水溶性切削液との分離性に優れる
点からアルカリ土類金属の有機酸塩が好ましく、この中
でも全塩基価が30〜500mgKOH/gの過塩基性
の有機酸塩がさらに好ましい。なお、ここでいう全塩基
価とは、JIS K 2501「石油製品および潤滑油
−中和試験方法」の7.に準拠して測定される過塩素酸
法による全塩基価を意味している。
【0030】本発明において、(B)成分としては上記
したような化合物の中から選ばれる1種のみを用いても
よく、また2種以上の混合物を用いてもよい。(B)成
分の含有量の上限値は、組成物全量基準で20質量%、
好ましくは10質量%、より好ましくは5質量%、最も
好ましくは3質量%である。(B)成分の含有量が20
質量%を越えても、それ以上の効果の向上が期待でき
ず、コストが高くなるため好ましくない。また、(B)
成分の含有量の下限値は、組成物全量基準で0.01質
量%、好ましくは0.05質量%、より好ましくは0.
1質量%、最も好ましくは0.2質量%である。(B)
成分の含有量が0.01質量%に満たない場合は、水溶
性切削液との分離性が低下し好ましくない。
【0031】本発明の第2の発明に係るすべり案内面用
潤滑油組成物は、上記基油および(A)成分、並びに下
記に示す(C)成分を必須の構成成分とするものであ
る。本発明の(C)成分は下記式(1)で表される亜リ
ン酸エステル、またはそのアミン塩である。
【0032】 (HO)n −P−(OR13-n (1) (上記式(1)において、R1 は炭素数1〜24の炭化
水素基を表し、nは0〜2の整数を表す。)
【0033】上記式(1)中R1 は、炭素数1〜24の
炭化水素基を表すが、このような炭化水素基としては、
具体的には例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル
基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、s
ec−ブチル基、tert−ブチル基、直鎖または分枝
のペンチル基、直鎖または分枝のヘキシル基、直鎖また
は分枝のヘプチル基、直鎖または分枝のオクチル基、直
鎖または分枝のノニル基、直鎖または分枝のデシル基、
直鎖または分枝のウンデシル基、直鎖または分枝のドデ
シル基、直鎖または分枝のトリデシル基、直鎖または分
枝のテトラデシル基、直鎖または分枝のペンタデシル
基、直鎖または分枝のヘキサデシル基、直鎖または分枝
のヘプタデシル基、直鎖または分枝のオクタデシル基、
直鎖または分枝のノナデシル基、直鎖または分枝のイコ
シル基、直鎖または分枝のヘンイコシル基、直鎖または
分枝のドコシル基、直鎖または分枝のトリコシル基、直
鎖または分枝のテトラコシル基等の炭素数1〜24のア
ルキル基;
【0034】ビニル基、直鎖または分岐のプロペニル
基、直鎖または分枝のブテニル基、直鎖または分枝のペ
ンテニル基、直鎖または分枝のヘキセニル基、直鎖また
は分枝のヘプテニル基、直鎖または分枝のオクテニル
基、直鎖または分枝のノネニル基、直鎖または分枝のデ
セニル基、直鎖または分枝のウンデセニル基、直鎖また
は分枝のドデセニル基、直鎖または分枝のトリデセニル
基、直鎖または分枝のテトラデセニル基、直鎖または分
枝のペンタデセニル基、直鎖または分枝のヘキサデセニ
ル基、直鎖または分枝のヘプタデセニル基、直鎖または
分枝のオクタデセニル基、直鎖または分枝のノナデセニ
ル基、直鎖または分枝のイコセニル基、直鎖または分枝
のヘンイコセニル基、直鎖または分枝のドコセニル基、
直鎖または分枝のトリコセニル基、直鎖または分枝のテ
トラコセニル基等の炭素数2〜24のアルケニル基;
【0035】シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シ
クロヘプチル基等の炭素数5〜7のシクロアルキル基;
メチルシクロペンチル基、ジメチルシクロペンチル基
(全ての構造異性体を含む)、メチルエチルシクロペン
チル基(全ての構造異性体を含む)、ジエチルシクロペ
ンチル基(全ての構造異性体を含む)、メチルシクロヘ
キシル基、ジメチルシクロヘキシル基(全ての構造異性
体を含む)、メチルエチルシクロヘキシル基(全ての構
造異性体を含む)、ジエチルシクロヘキシル基(全ての
構造異性体を含む)、メチルシクロヘプチル基、ジメチ
ルシクロヘプチル基(全ての構造異性体を含む)、メチ
ルエチルシクロヘプチル基(全ての構造異性体を含
む)、ジエチルシクロヘプチル基(全ての構造異性体を
含む)等の炭素数6〜11のアルキルシクロアルキル
基;
【0036】フェニル基、ナフチル基等の炭素数6〜1
0のアリール基:トリル基(全ての構造異性体を含
む)、キシリル基(全ての構造異性体を含む)、エチル
フェニル基(全ての構造異性体を含む)、直鎖または分
枝のプロピルフェニル基(全ての構造異性体を含む)、
直鎖または分枝のブチルフェニル基(全ての構造異性体
を含む)、直鎖または分枝のペンチルフェニル基(全て
の構造異性体を含む)、直鎖または分枝のヘキシルフェ
ニル基(全ての構造異性体を含む)、直鎖または分枝の
ヘプチルフェニル基(全ての構造異性体を含む)、直鎖
または分枝のオクチルフェニル基(全ての構造異性体を
含む)、直鎖または分枝のノニルフェニル基(全ての構
造異性体を含む)、直鎖または分枝のデシルフェニル基
(全ての構造異性体を含む)、直鎖または分枝のウンデ
シルフェニル基(全ての構造異性体を含む)、直鎖また
は分枝のドデシルフェニル基(全ての構造異性体を含
む)等の炭素数7〜18のアルキルアリール基;
【0037】ベンジル基、フェニルエチル基、フェニル
プロピル基(プロピル基の異性体を含む)、フェニルブ
チル基(ブチル基の異性体を含む)、フェニルペンチル
基(ペンチル基の異性体を含む)、フェニルヘキシル基
(ヘキシル基の異性体を含む)等の炭素数7〜12のア
リールアルキル基;などが挙げられる。
【0038】上記式(1)において、nは0〜2の整数
を表すが、nが0の場合亜リン酸トリエステルを表し、
nが1の場合亜リン酸ジエステルを表し、nが2の場合
亜リン酸モノエステルを表す。なお、nが0または1の
場合、3つまたは2つのR1は同一分子中で同じでも異
なっていても良い。また、潤滑性や水溶性切削液との分
離性に優れる点からnが1〜2の整数であることが好ま
しい。
【0039】また、本発明の(C)成分としては、式
(1)で表される亜リン酸エステルであってもよいが、
式(1)のnが1〜2の整数である場合そのアミン塩で
あってもよく、また両者の混合物であってもよい。ここ
でいうアミンとしては、炭素数6〜24のものが用いら
れる。炭素数6〜24のアミンとして、具体的には例え
ば、ジプロピルアミン(全ての異性体を含む)、トリプ
ロピルアミン(全ての異性体を含む)、ジブチルアミン
(全ての異性体を含む)、トリブチルアミン(全ての異
性体を含む)、ジペンチルアミン(全ての異性体を含
む)、トリペンチルアミン(全ての異性体を含む)、モ
ノヘキシルアミン(全ての異性体を含む)、ジヘキシル
アミン(全ての異性体を含む)、トリヘキシルアミン
(全ての異性体を含む)、モノヘプチルアミン(全ての
異性体を含む)、ジヘプチルアミン(全ての異性体を含
む)、トリヘプチルアミン(全ての異性体を含む)、モ
ノオクチルアミン(全ての異性体を含む)、ジオクチル
アミン(全ての異性体を含む)、トリオクチルアミン
(全ての異性体を含む)、モノノニルアミン(全ての異
性体を含む)、ジノニルアミン(全ての異性体を含
む)、モノデシルアミン(全ての異性体を含む)、ジデ
シルアミン(全ての異性体を含む)、モノウンデシル
(全ての異性体を含む)、ジウンデシル(全ての異性体
を含む)、モノドデシルアミン(全ての異性体を含
む)、ジドデシルアミン(全ての異性体を含む)、ドデ
シルジメチルアミン(全ての異性体を含む)、モノトリ
デシルアミン(全ての異性体を含む)、モノテトラデシ
ルアミン(全ての異性体を含む)、モノペンタデシルア
ミン(全ての異性体を含む)、モノヘキサデシルアミン
(全ての異性体を含む)等のアルキルアミン;モノベン
ジルアミン、(1−フェニルエチル)アミン、(2−フ
ェニルエチル)アミン(別名:モノフェネチルアミ
ン)、ジベンジルアミン、ビス(1−フェニルエチル)
アミン、ビス(2−フェニルエチル)アミン(別名:ジ
フェネチルアミン)等の芳香族置換アルキルアミン;ジ
シクロペンチルアミン、トリシクロペンチルアミン、モ
ノシクロヘキシルアミン、ジシクロヘキシルアミン、ト
リシクロヘキシルアミン、モノシクロヘプチルアミン、
ジシクロヘプチルアミン、トリシクロヘプチルアミン等
の炭素数6〜21のシクロアルキルアミン;(メチルシ
クロペンチル)アミン(全ての置換異性体を含む)、ビ
ス(メチルシクロペンチル)アミン(全ての置換異性体
を含む)、(ジメチルシクロペンチル)アミン(全ての
置換異性体を含む)、ビス(ジメチルシクロペンチル)
アミン(全ての置換異性体を含む)、(エチルシクロペ
ンチル)アミン(全ての置換異性体を含む)、ビス(エ
チルシクロペンチル)アミン(全ての置換異性体を含
む)、(メチルエチルシクロペンチル)アミン(全ての
置換異性体を含む)、ビス(メチルエチルシクロペンチ
ル)アミン(全ての置換異性体を含む)、(ジエチルシ
クロペンチル)アミン(全ての置換異性体を含む)、
(メチルシクロヘキシル)アミン(全ての置換異性体を
含む)、ビス(メチルシクロヘキシル)アミン(全ての
置換異性体を含む)、(ジメチルシクロヘキシル)アミ
ン(全ての置換異性体を含む)、ビス(ジメチルシクロ
ヘキシル)アミン(全ての置換異性体を含む)、(エチ
ルシクロヘキシル)アミン(全ての置換異性体を含
む)、ビス(エチルシクロヘキシル)アミン(全ての置
換異性体を含む)、(メチルエチルシクロヘキシル)ア
ミン(全ての置換異性体を含む)、(ジエチルシクロヘ
キシル)アミン(全ての置換異性体を含む)、(メチル
シクロヘプチル)アミン(全ての置換異性体を含む)、
ビス(メチルシクロヘプチル)アミン(全ての置換異性
体を含む)、(ジメチルシクロヘプチル)アミン(全て
の置換異性体を含む)、(エチルシクロヘプチルアミン
(全ての置換異性体を含む)、(メチルエチルシクロヘ
プチル)アミン(全ての置換異性体を含む)、(ジエチ
ルシクロヘプチル)アミン(全ての置換異性体を含む)
等のアルキルシクロアルキルアミンなどを挙げることが
できる。
【0040】本発明の(C)成分としては、上記した化
合物の中でも潤滑性や水溶性切削液との分離性に優れる
点から、上記式(1)においてnが1または2の亜リン
酸エステル、およびそのアミン塩が好ましい。
【0041】本発明において、(C)成分としては上記
したような化合物の中から選ばれる1種のみを用いても
よく、また、2種以上の混合物を用いてもよい。(C)
成分の含有量の上限値は、組成物全量基準で30質量
%、好ましくは10質量%、より好ましくは5質量%、
最も好ましくは3質量%である。(C)成分の含有量が
30質量%を越えてもそれ以上の効果の向上が見られず
コストが高くなり好ましくない。また、(C)成分の含
有量の下限値は、組成物全量基準で0.01質量%、好
ましくは0.05質量%、より好ましくは0.1質量
%、最も好ましくは0.2質量%である。(C)成分の
含有量が0.01質量%に満たない場合は、潤滑性が低
下し好ましくない。
【0042】本発明の第3の発明に係るすべり案内面用
潤滑油組成物は、上記基油、(A)成分、(B)成分お
よび(C)成分を必須の構成成分とするものである。本
発明において、基油に3成分を必須成分として含有させ
ることにより、潤滑特性および水溶性切削液との分離性
がさらに向上したすべり案内面用潤滑油組成物が得られ
る。
【0043】本発明のすべり案内面用潤滑油組成物は、
さらに必要に応じてその優れた性質を高めるために、そ
の他の各種添加剤を配合した形でも用いられる。この様
な添加剤としては、ジ−tert−ブチル−p−クレゾ
ール、ビスフェノールA等のフェノール系化合物、フェ
ニル−α−ナフチルアミン、N,N’−ジ(2−ナフチ
ル)−p−フェニレンジアミン等のアミン系化合物等の
酸化防止剤;ベンゾトリアゾールやアルキルチアジアゾ
ール等の金属不活性化剤;シリコーン油、フルオロシリ
コン油等の消泡剤;エチレンオキサイド、プロピレンオ
キサイドの縮合生成物等の抗乳化剤;ポリメタクリレー
ト等の流動点降下剤;ポリメタクリレート、ポリブテ
ン、ポリアルキルスチレン、オレフィンコポリマー、ス
チレン−ジエンコポリマー、スチレン−無水マレイン酸
コポリマー等の粘度指数向上剤などが挙げられる。
【0044】本発明のすべり案内面油潤滑油組成物に、
これら添加剤を配合する場合は、それぞれ単独で使用し
ても良く、また2種類以上組み合わせて使用してもよ
い。これら公知の添加剤を配合する場合の添加量は任意
であるが、通常、これら公知の添加剤の合計量が組成物
全量基準で15質量%以下となるような量を添加するの
が好ましい。
【0045】
【実施例】以下、実施例および比較例により本発明の内
容をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施
例に何ら限定されるものではない。
【0046】(実施例1〜17)表1(実施例1〜
6)、表2(実施例7〜12)および表3(実施例13
〜17)に示す組成により本発明に係るすべり案内面用
潤滑油組成物を調製した。これらの組成物に対して、以
下に示す方法により工作機械の位置決め性能と水溶性切
削液分離性を評価した。結果をそれぞれ表1(実施例1
〜6)、表2(実施例7〜12)および表3(実施例1
3〜17)に示す。
【0047】(比較例1〜7)表4(比較例1〜4)お
よび表5(比較例5〜7)に示す組成により比較のため
の組成物を調製した。これらの組成物に対して、実施例
1〜17と同様にして工作機械の位置決め性能と水溶性
切削液分離性を評価した。結果をそれぞれ表4(比較例
1〜4)、表5(比較例5〜7)に示す。
【0048】なお、実施例および比較例で用いた各成分
は以下の通りである。 基油 基1:パラフィン系高度溶剤精製鉱油(68.0mm2
/s(@40℃)) 基2:ポリα−オレフィン(数平均分子量650)とト
リメチロールプロパントリラウレートの65:35(体
積比)混合油(68.0mm2 /s(@40℃))
【0049】(A)成分 A1:オレイン酸 A2:グリセリントリオレート
【0050】(B)成分 B1:炭酸カルシウム含有過塩基性カルシウムスルホネ
ート(重量平均分子量450の石油スルホン酸の過塩基
性カルシウム塩、全塩基価(過塩素酸法)160mgK
OH/g、カルシウム含有量6.6質量%) B2:ほう酸カルシウム含有過塩基性カルシウムサリシ
レート(炭素数12〜20のα−オレフィン混合物から
誘導されたアルキル基を有するアルキルサリシル酸の過
塩基性カルシウム塩、全塩基価(過塩素酸法)170m
gKOH/g、カルシウム含有量6.8質量%) B3:炭酸カルシウム含有過塩基性カルシウムフェネー
ト(炭素数9〜18のα−オレフィン混合物から誘導さ
れたアルキル基を有するアルキルフェノールの過塩基性
カルシウム塩、全塩基価(過塩素酸法)125mgKO
H/g、カルシウム含有量5.7質量%) B4:炭酸カルシウム含有過塩基性カルシウムサリシレ
ート(炭素数12〜20のα−オレフィン混合物から誘
導されたアルキル基を有するアルキルサリシル酸の過塩
基性カルシウム塩、全塩基価(過塩素酸法)160mg
KOH/g、カルシウム含有量6.2質量%) B5:鉛スルホネート(重量平均分子量450の石油ス
ルホン酸の鉛塩、全塩基価(過塩素酸法)0mgKOH
/g) B6:亜鉛スルホネート(重量平均分子量450の石油
スルホン酸の亜鉛塩、全塩基価(過塩素酸法)0mgK
OH/g) B7:ナトリウムスルホネート(重量平均分子量450
の石油スルホン酸のナトリウム塩、全塩基価(過塩素酸
法)0mgKOH/g)
【0051】(C)成分 C1:ジオレイルフォスファイト C2:ジラウリルフォスファイト C3:ジオレイルフォスファイトの2−エチルヘキシル
アミン塩 C4:トリオレイルフォスファイト
【0052】(工作機械の位置決め性能)加工テーブル
に真円度計を設置し、X−Y平面で円運動させたときの
真円度(μm)を下記に示す試験条件で測定した。この
値が小さいほど位置決め性能が高いと判定する。 試験条件 真円度測定器:CMD(牧野フライス製) マニシングセンター:UB−75−II(日精浦和製) 測定面:X−Y平面 円運動半径:100mm 送り速度:200mm/min 測定点数:1887point/360deg
【0053】(水溶性切削液分離性)試料油20mLと
水溶性切削液80mLを100mLせんつきメスシリン
ダに採取し、室温で1分間振とう後、所定時間経過した
ときの分離状況を観察した。水溶性切削液としては、以
下のものを用いた。 エマルション型切削液 JIS K 2241「切削油剤」のW1種1号相当
品、希釈率10倍 ソリューブル型切削液 JIS K 2241「切削油剤」のW2種1号相当
品、希釈率30倍 なお、分離状況の判定は以下のようにして行った。 分離条件の判定 分離状況の観察において、各分離層の呼称を図1のよう
に定め、各層の体積(mL)を測定した。
【0054】
【表1】
【0055】
【表2】
【0056】
【表3】
【0057】
【表4】
【0058】
【表5】
【0059】表1〜3から本発明のすべり案内面用潤滑
油組成物(実施例1〜17)は位置決め性能が高くすべ
り案内面での潤滑特性に優れ、かつ水溶性切削液に混入
した場合に水溶性切削液との分離性に優れることが判
る。これに対して、表4〜5から比較例1〜7の組成物
は位置決め性能が低くすべり案内面での潤滑特性が劣る
ものがある上、水溶性切削液に混入した場合に水溶性切
削液との分離性が劣ることが判る。
【0060】
【発明の効果】本発明のすべり案内面用潤滑油組成物
は、すべり案内面での潤滑特性に優れるとともに、水溶
性切削液に混入した場合に水溶性切削液との分離性に優
れ、かつ水溶性切削液の諸性能に悪影響を与えない優れ
たすべり案内面用潤滑油組成物である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 水溶性切削液分離性の評価における各分離層
の呼称を説明する説明図である。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C10N 10:02 10:04 40:02

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鉱油、油脂および合成油の中から選ばれ
    る少なくとも1種を基油とし、(A)カルボン酸および
    /またはエステルならびに(B)アルカリ金属、アルカ
    リ土類金属、亜鉛および鉛の中から選ばれる少なくとも
    1種の金属の有機酸塩を含有することを特徴とするすべ
    り案内面用潤滑油組成物。
  2. 【請求項2】 鉱油、油脂および合成油の中から選ばれ
    る少なくとも1種を基油とし、(A)カルボン酸および
    /またはエステルならびに(C)下記式(1)で表され
    る亜リン酸エステル、またはそのアミン塩 (HO)n −P−(OR13-n (1) (上記式(1)において、R1 は炭素数1〜24の炭化
    水素基を表し、nは0〜2の整数を表す。)を含有する
    ことを特徴とするすべり案内面用潤滑油組成物。
  3. 【請求項3】 鉱油、油脂および合成油の中から選ばれ
    る少なくとも1種を基油とし、(A)カルボン酸および
    /またはエステル(B)アルカリ金属、アルカリ土類金
    属、亜鉛および鉛の中から選ばれる少なくとも1種の金
    属の有機酸塩ならびに(C)下記式(1)で表される亜
    リン酸エステル、またはそのアミン塩 (HO)n −P−(OR13-n (1) (上記式(1)において、R1 は炭素数1〜24の炭化
    水素基を表し、nは0〜2の整数を表す。)を含有する
    ことを特徴とするすべり案内面用潤滑油組成物。
JP9051787A 1996-04-10 1997-03-06 すべり案内面用潤滑油組成物 Pending JPH09328698A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9051787A JPH09328698A (ja) 1996-04-10 1997-03-06 すべり案内面用潤滑油組成物

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8850896 1996-04-10
JP8-88508 1996-04-10
JP9051787A JPH09328698A (ja) 1996-04-10 1997-03-06 すべり案内面用潤滑油組成物

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH09328698A true JPH09328698A (ja) 1997-12-22

Family

ID=26392359

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP9051787A Pending JPH09328698A (ja) 1996-04-10 1997-03-06 すべり案内面用潤滑油組成物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH09328698A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010538120A (ja) * 2007-08-28 2010-12-09 シェブロン ユー.エス.エー. インコーポレイテッド 滑り面潤滑剤組成物、その製法及びその使用
JP2016108492A (ja) * 2014-12-09 2016-06-20 昭和シェル石油株式会社 すべり案内面用潤滑油組成物
CN106433868A (zh) * 2016-09-05 2017-02-22 广西大学 一种能有效防止磨损和腐蚀的导轨润滑剂组合物
WO2020095970A1 (ja) 2018-11-06 2020-05-14 Jxtgエネルギー株式会社 潤滑油組成物

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6281494A (ja) * 1985-10-05 1987-04-14 Toyota Motor Corp 摺動面用潤滑剤組成物
JPS6341702B2 (ja) * 1984-04-16 1988-08-18 Juraron Kk
JPH04202400A (ja) * 1990-11-29 1992-07-23 Yushiro Chem Ind Co Ltd 工作機械潤滑油兼用水溶性金属加工用油剤及び該油剤を用いた潤滑方法
JPH06264087A (ja) * 1993-03-16 1994-09-20 Nippon Oil Co Ltd 難燃性潤滑油組成物
JPH08183980A (ja) * 1994-12-28 1996-07-16 Tonen Corp 潤滑油組成物

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6341702B2 (ja) * 1984-04-16 1988-08-18 Juraron Kk
JPS6281494A (ja) * 1985-10-05 1987-04-14 Toyota Motor Corp 摺動面用潤滑剤組成物
JPH04202400A (ja) * 1990-11-29 1992-07-23 Yushiro Chem Ind Co Ltd 工作機械潤滑油兼用水溶性金属加工用油剤及び該油剤を用いた潤滑方法
JPH06264087A (ja) * 1993-03-16 1994-09-20 Nippon Oil Co Ltd 難燃性潤滑油組成物
JPH08183980A (ja) * 1994-12-28 1996-07-16 Tonen Corp 潤滑油組成物

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010538120A (ja) * 2007-08-28 2010-12-09 シェブロン ユー.エス.エー. インコーポレイテッド 滑り面潤滑剤組成物、その製法及びその使用
JP2016108492A (ja) * 2014-12-09 2016-06-20 昭和シェル石油株式会社 すべり案内面用潤滑油組成物
CN106433868A (zh) * 2016-09-05 2017-02-22 广西大学 一种能有效防止磨损和腐蚀的导轨润滑剂组合物
WO2020095970A1 (ja) 2018-11-06 2020-05-14 Jxtgエネルギー株式会社 潤滑油組成物
WO2020095969A1 (ja) 2018-11-06 2020-05-14 Jxtgエネルギー株式会社 潤滑油組成物
WO2020095968A1 (ja) 2018-11-06 2020-05-14 Jxtgエネルギー株式会社 潤滑油組成物
US11555159B2 (en) 2018-11-06 2023-01-17 Eneos Corporation Lubricating oil composition

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP1734103A1 (en) Lubricating oil composition for industrial machinery and equipment
WO2005095556A1 (ja) 金属加工油
EP2062684A1 (en) Minimal quantity lubrication cutting/grinding method, and oil composition for minimal quantity lubrication cutting/grinding
JPWO2002081605A1 (ja) 極微量油剤供給式切削・研削加工用油剤組成物
WO2012132053A1 (ja) 塑性加工用潤滑剤組成物
US8058217B2 (en) Metal working fluid
JP4548809B2 (ja) すべり案内面用潤滑油組成物
JP2005290161A (ja) 金属加工油
JP2002105476A (ja) 潤滑油組成物
JP4863634B2 (ja) 潤滑油組成物
JP4833487B2 (ja) アルミニウム加工用潤滑油組成物
JPH09328698A (ja) すべり案内面用潤滑油組成物
JP2005272818A (ja) 金属加工油組成物
JP5089179B2 (ja) 極微量油剤供給式切削・研削加工方法
JP5380408B2 (ja) 金属加工油及び金属加工方法
JP5004481B2 (ja) 金属加工油組成物
WO2005093021A1 (ja) 潤滑油組成物
JP2009286823A (ja) 切り屑吸引式切削・研削加工用油剤組成物
JPH1017881A (ja) すべり案内面用潤滑油組成物
JP4335385B2 (ja) ミスト潤滑油組成物
JP4979244B2 (ja) 金属加工油組成物
JP2008239815A (ja) ランキンサイクル発電のタービン用潤滑油及び作動流体組成物
JP2004182790A (ja) すべり案内面用潤滑油組成物
JP2000169871A (ja) 潤滑油組成物
JP2001192690A (ja) 極微量油剤供給式切削・研削加工用油剤組成物

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20040302

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20060907

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20061114

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20070111

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20071204