JPH09328674A - 電気レオロジー流体用粉体 - Google Patents

電気レオロジー流体用粉体

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JPH09328674A
JPH09328674A JP8147421A JP14742196A JPH09328674A JP H09328674 A JPH09328674 A JP H09328674A JP 8147421 A JP8147421 A JP 8147421A JP 14742196 A JP14742196 A JP 14742196A JP H09328674 A JPH09328674 A JP H09328674A
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layer
film
metal
coating layers
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Takashi Shinko
貴史 新子
Katsuto Nakatsuka
勝人 中塚
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Nittetsu Mining Co Ltd
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Nittetsu Mining Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 流体中に分散して電気レオロジー流体原料と
することができる軽い粉体、特にカラーインクプリンタ
ーやカラーディスプレイなどに使用可能な軽量でかつ分
散性の良い電気レオロジー流体用着色粉体を提供するこ
と。 【解決手段】 ポリオレフィン粒子などの有機物の粉体
の表面に、多層の薄膜を有する電気レオロジー流体用粉
体。好ましくは屈折率の異なる多層の薄膜(銀膜、ポリ
スチレン膜、チタニア膜など)を設けた電気レオロジー
流体用粉体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電気レオロジー流
体(ERF)用粉体に関するものであり、さらに詳しく
は、印加電圧の作用(ON、OFF、電圧の変化)によ
って見掛けの粘度を迅速かつ可逆的に変化させることが
可能であり、さらには流動性を全く示さないゲル状態に
まで変化させることが可能で、クラッチ、バルブ、ダン
パー、ブレーキ、ショックアブソーバー、アクチュエー
ター等への応用が考えられる電圧応答性に優れた電気レ
オロジー流体に用いられる粉体に関するものである。さ
らに、本発明は、その粉体の性質により流体の流動状態
を調べるために使用される標識用粒子、例えばレーザー
ドップラー法による流動状態計測用トレーサーに適用で
きる、電気レオロジー流体の性質を利用する粉体に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】電気レオロジー流体は、電気粘性流体、
電気応答流体とも呼ばれているものであり、通常は液体
状態であり流動性を示すが、高電圧の印加により著しく
粘度が上昇し、さらには流動性を全く示さないゲル状態
にまで変化する機能性流体である。このような流体とし
ては、これまである種の高分子溶液、各種粒子を分散さ
せた懸濁液が提案されているが、前者は印加電圧に対す
る粘度増加率が小さく、電気レオロジー流体として十分
な機能を示さず、これまで主として後者の粒子分散系流
体を中心に検討がなされている。すなわち、粒子分散系
のERFは、高分子溶液系と比べて比較的良好な電圧印
加による粘度増加(ウインズロー効果)を示すものであ
る。
【0003】ところで、電気レオロジー流体の油性媒体
中に分散させる粒子として、これまでシリカ、イオン交
換樹脂、チタン酸バリウム、含水フェノール樹脂、結晶
性ゼオライト、セルロース、澱粉、大豆カゼインなどの
無機および有機物質が知られている(特公昭45−10
048号公報、特開昭48−17806号公報、特公昭
58−32197号公報、特開昭58−179259号
公報、特開昭63−185812号公報、特開平4−8
9893号公報など)。また、無機物はERF効果が大
きく、ポリマー粒子は分散性が良いということから、ポ
リマー粒子の表面に無機物の微粒子を付着させて無機・
有機複合型の二重構造とし、電気レオロジー流体用粉体
とすることも提案されている(「月刊トライボロジ」1
994年8月号24頁)。
【0004】一方、本発明者らは先に、金属粉体又は金
属化合物粉体だけが備える性質のほかに別の性質を合わ
せ持ち、複合した機能を有する粉体を提供するために、
金属又は金属化合物粉体の表面に、均一な0.01〜2
0μmの厚みの、前記粉体を構成する金属とは異種の金
属を成分とする金属酸化物膜の多層を有する粉体を発明
した(特開平6−228604号公報)。また、本発明
者らは前記の粉体をさらに改良し、金属酸化物膜単独で
はなく、金属酸化物膜と金属膜とを交互に複数層有する
ようにした粉体も発明した(特開平7−90310号公
報)。これらの粉体を製造するには、粉体粒子の上に均
一な厚さの金属酸化物膜を複数層設けることが必要であ
って、そのためには金属塩水溶液から金属酸化物又はそ
の前駆体である金属化合物を沈殿させることが難しいの
で、本発明者らは、金属アルコキシド溶液中に前記の粉
体を分散し、該金属アルコキシドを加水分解することに
より、前記粉体上に金属酸化物膜を生成させる方法を開
発し、この方法によって薄くてかつ均一な厚さの金属酸
化物膜を形成することができるようになり、特に多層の
金属酸化物膜を形成することが可能になった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述し
た従来技術の中、前記無機・有機複合型のERFについ
ては、その構造上、無機物の微粒子を分散性の良いポリ
マー粒子(コア部)の表面に付けた形態であるため、以
下のような問題がある。すなわち、樹脂粉体表面に酸化
チタンなどの微粒子を付着させた場合、作動中にこれら
表面に被覆された粉体が剥離することがある。また、電
気レオロジー流体用粒子をカラープリンターインク用粉
体およびカラーディスプレイ用粉体などに使用するため
には、その粒子を着色することが必要であるが、従来の
電気レオロジー流体はカラー化されておらず、カラー化
できればヘルツ方式(C.H.Hertz et al
安居院 猛ほか著「リアルカラーハードコピー」産業
図書株式会社、平成5年10月8日発行、56頁参照)
などのプリンターに使用可能になる。
【0006】さらに、金属や金属化合物を核とする粉体
は比重が大きいため液中で沈降しやすく、均一分散が難
しいという問題がある。そこで本発明は、これらの問題
点を解決するもので、その目的とするところは流体中に
分散して電気レオロジー流体原料とすることができる軽
い粉体、特にカラー流体原料とすることができる着色粉
体を提供することを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、鋭意研究
を進めた結果、有機物からなる粉体の表面に多層の薄
膜、好ましくは屈折率の異なる多層の薄膜を形成するこ
とにより上記の目的を達成できることを見出し、本発明
を完成するに至った。すなわち、本発明の、電気レオロ
ジー流体に用いられる粉体は、核となる有機物の表面に
複数の被膜層を有するものであり、好ましくは核粒子上
に屈折率の異なる膜を製膜し相互の膜間の多重干渉で着
色したものである。前記の粉体粒子の核となる有機物粒
子は、その比重が小さいために、粉体粒子が液体の中に
良く分散できる性質を与える。また、その表面の被膜層
は、その被覆層が1層のみではなく複数であるため、複
合した機能を与えることができる。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明において、電気レオロジー
流体用粉体の核を構成する有機物粉体は、特に限定され
るものではないが、好ましくは樹脂粉体である。樹脂粉
体の具体例としては、アクリル系ポリマー、スチレン系
ポリマー、共重合系ポリマー、ビニル重合系ポリマーな
どの球状または破砕型の粉体が挙げられる。特に好まし
い樹脂粉体はアクリル酸またはメタアクリル酸エステル
の重合により得られる球状のアクリル樹脂粉体である。
本発明の電気レオロジー流体用粉体において、核を構成
する有機物粉体の表面に形成される複数の被膜層は、そ
れらの屈折率が互いに異なるものであることが好まし
く、材質としては無機金属化合物、金属または合金、お
よび有機物のうちから選択することが望ましい。この複
数の被膜層は、いずれも緻密で連続した膜であることに
よって、その特性を優れたものとすることができる。
【0009】被膜層を構成する無機金属化合物として
は、その代表的なものとして金属酸化物が挙げられ、具
体例として鉄、スズ、ニッケル、クロム、チタン、アル
ミニウム、ケイ素、カルシウム、マグネシウム、バリウ
ムなどの酸化物、あるいはこれらの複合酸化物が挙げら
れる。さらに、金属酸化物以外の金属化合物としては鉄
窒化物などの金属窒化物、金属炭化物などが挙げられ
る。特に、シリカ等は、ERFとしての特性を良く与え
るものである。被膜層を構成する金属単体としては金属
銀、金属コバルト、金属ニッケル、金属鉄などが挙げら
れ、金属合金としては鉄・ニッケル合金、鉄・コバルト
合金、鉄・ニッケル合金窒化物、鉄・ニッケル・コバル
ト合金窒化物などが挙げられる。
【0010】被膜層を構成する有機物としては、核を構
成する上記の有機物と同一でも異なってもよく、特に限
定されるものではないが、好ましくは樹脂である。樹脂
の具体例としては、アクリル系ポリマー、スチレン系ポ
リマー、共重合系ポリマー、ビニル重合系ポリマーなど
が挙げられる。被覆層に有機物を用いる場合、他の層に
ついては、金属酸化物膜からなるものであることが好ま
しい。本発明において、被覆される有機物粉体の形状は
どのような形状でもよい。例えば粉砕物のような不定形
でも被覆および着色は可能であるが、特に球状のものが
好ましい。本発明の電気レオロジー流体用粉体の粒径
は、特に限定されず、電気レオロジー流体の使用目的に
応じて適宜調整することができるが、通常は0.01μ
m〜数mmの範囲である。ただし、カラーの場合には可
視光干渉を用いた色材とする場合には、粒径を0.06
μm〜1000μmにするのが好ましい。
【0011】電気レオロジー流体に使用される液状媒体
は絶縁性媒体であり、使用条件において液状の電気的絶
縁性を有する高沸点物質であれば、特に制限はなく、通
常よく使用されるものとして、石油系潤滑剤、トランス
油、シリコーン油、セバシン酸ジブチル、塩化パラフィ
ン、臭化アルキル、芳香族ポリカルボン酸のアルキルエ
ステル、ハロフェニルアルキルエーテル、フッ素系オイ
ルなどが例示される。この絶縁性媒体への上記粉体の添
加量は10〜50容積%である。10容積%未満の場
合、電圧印加に対する粘度変化率が小さく、電気レオロ
ジー流体として特性が低い。50容積%を越える場合、
電圧を印加しない通常時の粘度も高くチクソトロピック
な挙動を示すようになり不適当である。
【0012】本発明において、核を構成する有機物粉体
の表面に形成される複数の被膜層を形成するための手段
としては、種々の手段を適用することができる。例え
ば、前記の樹脂粉体を着色したものとし、液体媒体中に
分散してカラーの電気レオロジー流体原料とする場合に
は、具体的には、各となる樹脂粒子の表面に屈折率の異
なる膜を形成する。その屈折率の異なる膜を多層に製膜
し、膜間の多重干渉で着色する。その膜の形成方法とし
ては、その形成する物質に応じて次のような方法を挙げ
ることができるが、その外の方法を使用することができ
る。
【0013】(1)有機物膜(樹脂膜)を形成する場合 a.液相中での重合法 核となる粒子を分散させて乳化重合させることにより、
その粒子の上に樹脂膜を形成させる方法などが使用でき
る。 b.気相中での製膜法(CVD)(PVD) (2)無機金属化合物膜を形成する場合 a.液相中での固相析出法 核となる粒子を金属アルコキシド溶液中に分散し、金属
アルコキシドを加水分解することにより、その粒子の上
に金属酸化物膜を形成する方法が好ましく、緻密な金属
酸化物膜を形成することができる。また、金属塩水溶液
の反応により粒子の上に金属酸化物膜等を形成すること
ができる。 b.気相中での製膜法(CVD)(PVD) (3)金属膜あるいは合金膜を形成する場合 a.液相中での金属塩の還元法 金属塩水溶液中で金属塩を還元して金属を析出させて金
属膜を形成する、いわゆる化学メッキ法が使用させる。 b.気相中での製膜法(CVD)(PVD) 金属の真空蒸着などにより、粒子の表面に金属膜を形成
することができる。
【0014】本発明において、前記により多層膜を形成
するに当たり、例えば比重の小さい核粒子に金属薄膜を
交互に製膜することにより、積層コンデンサーのように
分極が大きくなると考えられ、比重が小さくて分極が大
きい粒子が得られる。また、強誘電体を着色用の干渉膜
としても使用できるので、多層膜化することにより比重
が小さく比誘電率の大きな粉体を得ることができる。特
に、屈折率の高い膜としてチタン酸バリウム(屈折率
1.8〜2.3)やPZT(屈折率1.7〜2.0)を
製膜し、低屈折率膜との間で可視光多重干渉により着色
すればカラー電気エレクトロレオロジー流体用粉体とし
て好適である。得られた本発明の粉体は、その粒子の形
状が球形の場合には、電場において回転せずに瞬時に配
向する。また、その粉体粒子が形状異方性がある場合に
は、電場の方向に平行に長い方向が配列する。本発明の
粉体では、粉体表面に膜となって一体化しており、導電
体の場合には電場の方向に対して正負両極に分極しすく
なっている。同時に中心に絶縁体がある場合には、丁度
コンデンサーのように対称的に分極する。
【0015】本発明の粉体は、電気レオロジー流体(E
RF)用のものとして有用性が高く、この粉体を用いる
ことにより、印加電圧の作用(ON、OFF、電圧の変
化)によって見掛けの粘度を迅速かつ可逆的に変化させ
ることが可能であり、さらには流動性を全く示さないゲ
ル状態にまで変化させることが可能である電気レオロジ
ー流体を形成することができ、それは、クラッチ、バル
ブ、ダンパー、ブレーキ、ショックアブソーバー、アク
チュエーター等への応用が考えられる電圧応答性に優れ
た電気レオロジー流体を形成することができる。さら
に、本発明の粉体は、流体の流動状態を調べるために使
用される標識用粒子、例えばレーザードップラー法によ
る流動状態計測用トレーサーに適用することができる。
【0016】
【実施例】以下、本発明を実施例によりさらに具体的に
説明する。ただし、本発明はこの実施例のみに限定され
るものではない。
【0017】実施例1 (1層目:金属銀被膜)平均粒径5.6μmのポリオレ
フィン粒子50gをあらかじめ用意した銀液中に攪拌し
ながら分散させた。攪拌分散させながら還元液600m
lを投入し30分間攪拌した。その結果、分散性の良い
金属銀被覆オレフィン粒子が得られた。なお、前記の銀
液および還元液は:次のように調製した。銀液は硝酸銀
8.75gを蒸留水300mlに溶解した。ここで酸化
銀の沈殿が出来たので、沈殿が錯イオン化するまでアン
モニア水(濃度29%)を加えた。続いて、あらかじめ
用意した水酸化ナトリウムを蒸留水300mlに溶解し
た溶液を添加した。再び酸化銀の沈殿が出来たので、沈
殿が錯イオン化するまでアンモニア水(29%)を加え
銀液とした。還元液は水1リットルに対しブドウ糖45
gを溶解し、さらに酒石酸4gを加えて溶解し、5分間
煮沸した。冷却後、エタノール100mlを加え還元液
とした。
【0018】(2層目:ポリスチレン被膜)蒸留水60
0gにスチレンモノマー300gを入れ、70℃まで加
熱攪拌しながらラウリル硫酸ナトリウムを入れ乳化し
た。さらに表面をメタクリル酸で親油化した金属銀被覆
ポリオレフィン粉体45gを混合し、高速攪拌し十分混
合した。これに過硫酸アンモニウム水溶液10%を添加
し、重合反応を開始させ、4時間攪拌し反応させた。反
応終了後、蒸留水2リットルで希釈し、傾斜洗浄で上液
を捨て沈殿物を集めた。沈殿物を濾紙上で乾燥し、ポリ
スチレン銀被覆ポリエチレン粉体を得た。
【0019】(3層目:チタニア被膜)加熱処理後、再
び得られたポリスチレン銀被覆ポリオレフィン粉体10
gに対しエタノール250mlとチタンイソプロポキシ
ド6gの混合溶液を加え十分攪拌し分散した。この溶液
をオイルバスで加熱し55℃に保持し、さらにエタノー
ル30mlと水8.0gの混合溶液を60分かけて滴下
した後、3時間反応させ、真空乾燥および加熱処理を施
し、チタニアポリスチレン銀被覆オレフィン粉体を得
た。得られたチタニアポリスチレン銀被覆オレフィン粉
体は、分散性が良く、それぞれ単粒子であるとともに、
色が鮮やかで、電場に作動する粉体であった。また、こ
の粉体は、分光反射曲線のピーク波長が534nmであ
り、ピーク波長での反射率が47%で、鮮やかな緑色で
あった。
【0020】実施例2 (BaTiO3 膜を高屈折率(屈折率約2)とした場
合) (1層目:チタン酸バリウム膜)平均粒径が0.7μm
のポリスチレン粒子50gをバリウムエトキシド27.
5gとチタンエトキシド26.0gをエタノール100
0ml中に分散し、容器とともに55℃に保持し、攪拌
しながら、この溶液にあらかじめpH=10のアンモニ
ア水26.8gとエタノール118gと混合した溶液を
1時間滴下し、さらにその後6時間反応させた。反応終
了後、充分な量のエタノールで傾斜洗浄を行い、固形分
を濾別した後、真空乾燥を180℃で8時間施した。得
られたチタン酸バリウム被覆ポリスチレン粉体Aにおけ
るチタン酸バリウム被膜の厚さは75nmで、その屈折
率は約2であった。
【0021】(2層目:シリカ膜)チタン酸バリウム被
覆ポリスチレン粉体A50gに対し、エタノール100
0mlを加えて分散し、これにシリコンエトキシド30
g、アンモニア水(29%)40gと水40gを添加
し、攪拌しながら6時間反応させた。反応終了後、充分
な量のエタノールで傾斜洗浄を行い、固形分を濾別した
後、真空乾燥を180℃で8時間施した。得られたシリ
カ・チタン酸バリウム被覆ポリスチレン粉体Aのシリカ
膜の厚さは98nmで、その屈折率は約1.5であっ
た。
【0022】(3層目:チタン酸バリウム膜)シリカ・
チタン酸バリウム被覆ポリスチレン粉体A50gをバリ
ウムエトキシド27.5gとチタンエトキシド26.0
gをエタノール1000ml中に分散し、容器とともに
55℃に保持し、攪拌しながら、この溶液にあらかじめ
pH=10のアンモニア水26.8gとエタノール11
8gと混合した溶液を1時間滴下し、さらにその後6時
間反応させた。反応終了後、充分な量のエタノールで傾
斜洗浄を行い、固形分を濾別した後、真空乾燥を180
℃で8時間施した。得られたチタン酸バリウム被覆ポリ
スチレン粉体Bの第3層のチタン酸バリウム被膜の厚さ
は77nmで、その屈折率は約2であった。得られた粉
体は、波長550nmの光に41%の反射ピークを有
し、その色は緑色であった。なお、この3層被覆粉体の
比誘電率は420であった。
【0023】実施例3 (BaTiO3 膜を高屈折率(屈折率約2)とした場
合) (1層目:チタン酸バリウム膜)平均粒径が0.7μm
のポリスチレン粒子50gをバリウムエトキシド27.
5gとチタンエトキシド26.0gをエタノール100
0ml中に分散し、容器とともに55℃に保持し、攪拌
しながら、この溶液にあらかじめpH=10のアンモニ
ア水26.8gとエタノール118gと混合した溶液を
1時間滴下し、さらにその後6時間反応させた。反応終
了後、充分な量のエタノールで傾斜洗浄を行い、固形分
を濾別した後、真空乾燥を180℃で8時間施した。得
られたチタン酸バリウム被覆ポリスチレン粉体Bにおけ
るチタン酸バリウム被膜の厚さは75nmで、その屈折
率は約2であった。
【0024】(2層目:シリカ膜)チタン酸バリウム被
覆ポリスチレン粉体B50gに対し、エタノール100
0mlを加えて分散し、これにシリコンエトキシド30
g、アンモニア水(29%)40gと水40gを添加
し、攪拌しながら6時間反応させた。反応終了後、充分
な量のエタノールで傾斜洗浄を行い、固形分を濾別した
後、真空乾燥を180℃で8時間施した。得られたシリ
カ・チタン酸バリウム被覆ポリスチレン粉体Cのシリカ
膜の厚さは98nmで、その屈折率は約1.5であっ
た。
【0025】(3層目:チタン酸バリウム膜)シリカ・
チタン酸バリウム被覆ポリスチレン粉体C50gをバリ
ウムエトキシド27.5gとチタンエトキシド26.0
gをエタノール1000ml中に分散し、容器とともに
55℃に保持し、攪拌しながら、この溶液にあらかじめ
pH=10のアンモニア水26.8gとエタノール11
8gと混合した溶液を1時間滴下し、さらにその後6時
間反応させた。反応終了後、充分な量のエタノールで傾
斜洗浄を行い、固形分を濾別した後、真空乾燥を180
℃で8時間施した。前記ポリスチレン粉体Cの上にチタ
ン酸バリウム膜が被覆した粉体が得られた。この粉体に
ついて、前記したチタン酸バリウム膜被覆操作を同じよ
うにしてさらに2回繰り返した。すなわち、それによ
り、3層目としてのチタン酸バリウム膜が3層からなる
シリカ・チタン酸バリウム被覆ポリスチレン粉体Dを得
た。得られたシリカ・チタン酸バリウム被覆ポリスチレ
ン粉体Eの第3層のチタン酸バリウム膜の厚さは227
nmであった。また、得られた粉体は、波長757nm
の光に40%の反射ピークを有し、その色は緑色であっ
た。なお、この3層被覆粉体の比誘電率は680であっ
た。
【0026】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の電気レオ
ロジー流体用粉体は、軽量でかつ分散性の良いものであ
り、多層の被覆膜を有することにより、その各層の被覆
膜の材料の選択により、種々の複合した機能を有するも
のが得られ、被覆膜の各層の組合せにより電気レオロジ
ー流体用としての特性が優れたものや被覆膜の各層にお
ける屈折率を調整することにより着色した粉体が得られ
る。そして、それらは、軽い粉体粒子からなっているた
めにインクジェット方式でのカラーインクプリンターや
カラーディスプレイなどに使用する上で優れている。ま
た、本発明の電気レオロジー流体用粉体は、その被覆膜
が緻密で連続した膜であることにより、使用中にその被
覆膜が剥がれるという欠点もなく、高い特性を有するも
のである。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 有機物からなる粉体の表面に複数の被膜
    層を有することを特徴とする電気レオロジー流体用粉
    体。
  2. 【請求項2】 複数の被膜層が屈折率の異なる被膜層で
    あることを特徴とする請求項1記載の電気レオロジー流
    体用粉体。
  3. 【請求項3】 複数の被膜層の少なくとも1層が無機金
    属化合物層であることを特徴とする請求項1または請求
    項2記載の電気レオロジー流体用粉体。
  4. 【請求項4】 前記無機金属化合物層が金属酸化物膜層
    であることを特徴とする請求項1または請求項2記載の
    電気レオロジー流体用粉体。
  5. 【請求項5】 複数の被膜層の少なくとも1層が金属層
    または合金層であることを特徴とする請求項1または請
    求項2記載の電気レオロジー流体用粉体。
  6. 【請求項6】 複数の被膜層の少なくとも1層が有機物
    層であることを特徴とする請求項1または請求項2記載
    の電気レオロジー流体用粉体。
JP8147421A 1996-06-10 1996-06-10 電気レオロジー流体用粉体 Ceased JPH09328674A (ja)

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