JPH09328531A - 適度な脆さを有する吸水性且つ保水性硬質ポリウレタンフォームの製造方法 - Google Patents
適度な脆さを有する吸水性且つ保水性硬質ポリウレタンフォームの製造方法Info
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- JPH09328531A JPH09328531A JP8168381A JP16838196A JPH09328531A JP H09328531 A JPH09328531 A JP H09328531A JP 8168381 A JP8168381 A JP 8168381A JP 16838196 A JP16838196 A JP 16838196A JP H09328531 A JPH09328531 A JP H09328531A
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Abstract
優れ、各種の果菜類、花卉等の育苗床、活花用支持具等
として使用することができる、適度な脆さを有する吸水
性且つ保水性硬質ポリウレタンフォームの製造方法を提
供する。 【解決手段】 水酸基価140〜190、10モル%ま
でのオキシエチレン基を含むこともあるポリオキシプロ
ピレントリオール、水酸基価28〜42、オキシエチレ
ン基含有量70〜90モル%のポリオキシアルキレント
リオール、水酸基価600〜850、25モル%までの
オキシエチレン基を含むエチレンジアミンのオキシアル
キル化生成物及び水酸基価56〜187、オキシエチレ
ン基含有量70〜100モル%のポリオキシアルキレン
グリコールモノアルキルエーテル、以上4種類のポリエ
ーテルポリオールを使用し、適量の無機充填剤を配合
し、イソシアネートインデックスを35〜75として、
硬質フォームを得る。
Description
るとともに適度に脆く、また良好な通気性を有し、吸水
し易く、且つ保水性に優れる適度な脆さを有する吸水性
且つ保水性硬質ポリウレタンフォーム(以下、適度に脆
い吸水性且つ保水性フォームという。)の製造方法に関
する。本発明の方法によって製造される適度に脆い吸水
性且つ保水性フォームは、農園芸用、特に水耕栽培にお
ける育苗床、又は活花用支持具等として使用することが
できる。
床、又は活花用の支持具などにはフェノール樹脂フォー
ムが使用されており、特に細ねぎなど果菜類等の水耕栽
培における育苗床として多用されている。この育苗床に
は、播種のための多数の穴が設けられている。そして、
育苗箱内にこれを敷き、灌水した後、各穴に十数粒ずつ
のねぎの種子を播種する。その後、水及び液肥を適宜与
えながら保温育成する。細ねぎが十分に成育した後、根
元近辺に高圧エア及び水を吹き付け、フォームを吹き飛
ばして除去し、次いで、最外皮を1枚剥いだ後、製品と
して出荷する。
れ、発芽、発根性が良好であって、且つ根などが順調に
成育することが要求される。また、育成後、根元近辺に
高圧エア及び水を吹き付けた際に、細ねぎの根がすべて
吹き飛ばされてしまわない程度の圧力で、すべてのフォ
ームが容易に吹き飛ばされる適度な脆さを有しているこ
とが必要である。この細ねぎの根は、出荷後、鮮度を保
つために不可欠である。また、育苗床は、上記の要求特
性を備えるとともに、各種果菜類、花卉等の育成を阻害
する成分などを含んでいてはならない。
フォームの使用も各種試みられている。例えば特開昭5
2−39478号公報には、親水性の連続気泡硬質ポリ
ウレタン発泡体よりなる簡便な活花用支持具が開示され
ている。また、特公昭60−52115号公報には、半
硬質親水性のポリウレタンフォームを所要の形状に裁断
加工した、育苗、移植に好適なマットが記載されてい
る。更に、特開平2−14209号公報には、切花用支
持体として使用される連続気泡親水性ポリウレタンフォ
ームの製造方法が、特開平6−25374号公報には、
土壌代替物等として用いられる親・吸水性硬質ウレタン
フォームの製造方法が開示されている。
れているフェノール樹脂フォームは、脆さ及び吸水性等
の所要特性には優れる。しかしながら、製造時、雰囲気
温度のフォーム生成速度への影響が大きいため、温度を
厳密にコントロールする必要がある。また、液状から固
化する際の粘度の上昇が急激で、しかもフォーム生成時
の発熱が激しいため、クラック或いは内部の焼けを生じ
易い等の問題もある。そのため、大型成形品の発泡が難
しく、更に、原料の経時変化が大きい等、実際の生産に
おける問題点が多い。
ム生成触媒として濃塩酸、濃硫酸、燐酸等の強酸を用い
るため、取り扱い難く、危険でもある。更に、フォーム
中に残存する酸の影響により、水のpHが酸性となり、
果菜類、花卉等に悪影響を及ぼす場合がある。その他、
フェノール樹脂フォームは焼却できず、使用後の処理が
厄介で環境面でも問題がある。
ル樹脂フォームに代えて、前記のようにポリウレタンフ
ォームの使用が提案されている。そして、特に連泡性の
ポリウレタンフォームであれば、発芽、発根及び根など
の成長等に何ら問題はない。しかし、従来のポリウレタ
ンフォームは適度な脆さを有しておらず、出荷前、根に
付着しているフォームを加圧エア等によって吹き飛ば
し、除去する際に、根のすべてがフォームとともに吹き
飛ばされてしまうという問題がある。
有する問題点を解決するものであり、特定の4種類のポ
リオールを併用し、所定量の無機充填剤を配合し、且つ
イソシアネートインデックスを特定の低い数値範囲に設
定している。それによって適度な脆さを有するととも
に、良好な吸水性及び保水性等を有するフォームを提供
することを目的とする。また、整泡剤の組成を特定し、
更に優れた特性を有する適度に脆い吸水性且つ保水性フ
ォームを提供することを目的とする。
水性且つ保水性フォームの製造方法は、ポリオール成
分、ポリイソシアネート及び無機充填剤を含む原料を用
いて硬質ポリウレタンフォームを製造する方法におい
て、上記ポリオール成分は、ポリオール、発泡剤、触媒
及び整泡剤を含有し、該ポリオールは、下記のポリオー
ル(a)、(b)、(c)及び(d)を含み、該ポリオ
ールの全量を100重量部とした場合に、ポリオール
(a)は30〜50重量部、ポリオール(b)は5〜2
5重量部、ポリオール(c)は5〜15重量部及びポリ
オール(d)は20〜40重量部であり、上記無機充填
剤は、上記ポリオールの全量100重量部に対して15
〜55重量部であって、イソシアネートインデックスは
35〜75であることを特徴とする。
トリオール(ポリオキシアルキレン部分は、90〜10
0モル%のオキシプロピレン基と0〜10モル%のオキ
シエチレン基とからなる。)、水酸基価;140〜19
0 ポリオール(b):ポリオキシアルキレントリオール、
オキシエチレン基含有量;70〜90モル%、水酸基
価;28〜42 ポリオール(c):エチレンジアミンのオキシアルキル
化生成物(該オキシアルキル化部分は0〜25モル%の
オキシエチレン基を含む。)、水酸基価;600〜85
0 ポリオール(d):ポリオキシアルキレングリコールモ
ノアルキルエーテル、オキシエチレン基含有量;70〜
100モル%、水酸基価;56〜187
及び(d)」を特定量比で併用することにより、フライ
アビリティ並びに吸水性及び保水性等の良好な、適度に
脆い吸水性且つ保水性フォームを得ることができる。ポ
リオール(a)は3官能であって水酸基価が高く、ポリ
オール(c)は4官能であって水酸基価が特に高い。こ
れらポリオールによってフォームは適度に脆くなる。ま
た、ポリオール(b)及び(d)はオキシエチレン基の
含有量が高く、これによってフォームの親水性が高ま
り、吸水性及び保水性が向上する。更に、ポリオール
(c)は第3級アミノ基含有ポリオールであり、混合ポ
リオールの相溶性を良好にする作用をも有する。
質ポリウレタンフォーム(以下、硬質フォームとい
う。)に一般に用いられるものを使用することができ
る。例えばクルード若しくはポリメリック−ジフェニル
メタンジイソシアネート(MDI)、クルード−トリレ
ンジイソシアネート(TDI)、並びにそれらのプレポ
リマー等が挙げられる。また、クルードMDIとクルー
ドTDIとの混合物などを用いることもできる。ポリオ
ールとポリイソシアネートとは「イソシアネートインデ
ックス(以下、インデックスという。)」が「35〜7
5」、特に40〜60の範囲で反応させる。インデック
スが35未満の場合、セル数は多いが、連泡性が高いた
めか、通気性は良好である。しかし、フライアビリティ
が大きく低下し、実用には供し得ない。一方、インデッ
クスが75を越えると、フォームの通気性が極端に低下
し、吸水性も大きく低下する。
カルシウム、クレー、水酸化アルミニウム及び硫酸バリ
ウム等が挙げられる。これらは粉末状で使用され、その
粒径は500〜2000メッシュのものが好ましい。粒
径が500メッシュ未満の場合、ポリオール混合物中に
おける無機充填剤の分散性に劣り、無機充填剤が沈降す
ることがある。この無機充填剤はフォームに脆さを与え
るものであり、その配合量が15重量部未満では、フォ
ームの脆さが不十分(靱性がある。)になる。また、5
5重量部を越える場合は、フォームの密度が高まるとと
もに、連泡性が低下し、フォームの通気性及び吸水性が
低下する。
合され、その後、ポリイソシアネートと混合される。そ
の配合量が55重量部を越える場合は、上記の問題の
他、ポリオール成分の粘度が高くなりすぎ、作業性が低
下し、量産にも支障をきたすことがある。この無機充填
剤は、特に20〜50重量部程度が好ましく、この範囲
であれば、適度な脆さ及び優れた吸水性及び保水性を有
するフォームを得ることができる。
される。実際にはこの水とポリイソシアネートとの反応
によって生成する炭酸ガスを利用するものであるが、便
宜上、水を発泡剤という。本発明では、この水を、ポリ
オール100重量部に対して5〜15重量部、特に8〜
12重量部程度使用する。また、上記「触媒」として
は、硬質フォームの製造において主に使用されている、
例えばアミン誘導体及びモルホリン誘導体等を用いるこ
とができる。この触媒は、ポリオール100重量部に対
して0.5〜3重量部程度を配合する。
連泡化に好適な整泡剤を使用することができる。例えば
一般に軟質ポリウレタンフォームの製造において使用さ
れている、ペンダント構造を有し、且つそのポリエーテ
ル部が、40〜60モル%のオキシプロピレン基と60
〜40モル%のオキシエチレン基とを有するジメチルポ
リシロキサンとポリエーテルとのブロック共重合体が好
ましい。また、このブロック共重合体を100重量%と
した場合に、ジメチルポリシロキサン部が7〜25重量
%である第2発明の整泡剤が特に好ましい。このジメチ
ルポリシロキサン部の量比は通常より低めであるが、本
発明では、このような整泡剤をポリオール100重量部
に対して3〜7重量部、特に5重量部程度と多量に使用
しており、これによって得られるフォームの表面に対す
る水の濡れ性が向上する。
%未満の場合は、発泡時、フォームは安定性に劣り崩壊
してしまうことがある。また、セル数が少ない、言い換
えればセル径の大きいフォームとなって保水性が低下す
る。一方、ジメチルポリシロキサン部が25重量%を越
えると、フォームの通気性が低下する他、得られるフォ
ームの表面に対する水の濡れ性が大きく低下するため、
吸水性に劣ったフォームとなる(負の毛管現象)。この
ジメチルポリシロキサン部は10〜20重量%の範囲が
更に好ましく、このような整泡剤を使用することによっ
て、より吸水性に優れたフォームを得ることができる。
末端にアルコキシ基等の、イソシアネート基に対して不
活性な基を有するものがより好ましい。それによってフ
ォームの連泡化が高まり、且つその表面の濡れ性がより
向上する。尚、ポリエーテル部の末端に水酸基、アミノ
基等のイソシアネート基に対して活性な基を有する整泡
剤を使用した場合は、フォームの通気性が低下し、また
フォームの表面に対する水の濡れ性が低下し、吸水性が
不十分になる。
に気泡連通化剤を使用することによって、更に向上させ
ることもできる。この気泡連通化剤としては、通常、例
えばジメチルポリシロキサン等の破泡性を有する整泡剤
を用いる。この気泡連通化剤の配合量は、ポリオールを
100重量部とした場合に、0.1〜1.0重量部、特
に0.5〜1.0重量部とする。
フォームは、各種の果菜類及び花卉等の育苗床として使
用することができるが、果菜類、花卉等の種類によって
フォームを適宜に着色してもよい。例えば細ねぎの水耕
栽培における育苗床として使用する場合、茶色系のフォ
ームが好まれて使用されている。
性フォームは、三次元網状構造を有する硬質フォームか
らなる。そして、第3発明のように、セル数が20〜4
0個/インチであって、フライアビリティが50%以上
であり、且つ通気度が50〜200cm3 /cm2 /
秒、吸水時間が60秒以下及び保水率が50%以上であ
るフォームが特に好ましい。尚、通気度が50〜70c
m3 /cm2 /秒、吸水時間が40秒以下及び保水率が
70%以上であれば、各特性のバランスに優れた更に好
ましいフォームとすることができる。また、フライアビ
リティが100%であっても所要のフォームを得ること
はできる。しかし、このフライアビリティを99%以
下、特に97%以下程度とすれば、より適度な脆さを有
するフォームとすることができる。
は大きく、通気性及び吸水性は向上するが、保水性は低
下する傾向にある。セル数が40個/インチを越える場
合は、保水性は向上するが、苗の発根性及び成育性に劣
る。セル数が上記範囲内にあれば、吸水性と保水性のバ
ランス及び苗の発根性及び成育性のよいフォームが得ら
れ易い。しかし、セル数はフォームをある一表面におい
て観察したものであり、その内部に渡って優れた吸水性
及び保水性を有するフォームとするためには、その通気
度を上記の範囲とする必要がある。
ォームとすることにより、上記の吸水時間及び保水率を
備えるフォームを安定して得ることができる。そして、
第3発明のフォームであれば、通気性に優れ、速やかに
吸水し、且つ保水力が高く、また、発根性及び成育性が
良好であり、育苗床として好適である。また、適度な脆
さを有しており、苗の成育過程においては所定の形状を
維持しており、出荷前、加圧エア等を吹き付けた際に
は、根のすべてが吹き飛ばされない程度の圧力で容易に
除去することができる。
4g/cm3 程度である。この密度はフォームのフライ
アビリティ並びに吸水性及び保水性等にそれほど大きな
影響は及ぼさない。しかし、密度が0.025〜0.0
35g/cm3 の範囲のフォームとした場合に、上記の
性能等により優れたフォームが得られるため特に好まし
い。
体的に説明する。 (1) フォームの製造 ポリオール、発泡剤、触媒、整泡剤、無機充填剤、気泡
連通化剤及びポリイソシアネートとしては以下のものを
使用した。
ル、水酸基価;158、オキシエチレン基含有量;0モ
ル%、配合量;45重量部 ポリオール(b):ポリオキシアルキレントリオー
ル、水酸基価;33.7、オキシエチレン基含有量;8
0モル%、配合量;15重量部 ポリオール(c):エチレンジアミンのオキシプロピ
ル化生成物、水酸基価;760、オキシエチレン基含有
量;0モル%、配合量;12重量部 ポリオール(d):ポリエチレングリコールモノメチ
ルエーテル、水酸基価;100、オキシエチレン基;1
00モル%、配合量;28重量部
(日本ポリウレタン工業株式会社製、商品名「ミリオネ
ートMR−400」)、イソシアネート含有量;30% 3)無機充填剤;重質炭酸カルシウム(同和カルファイン
株式会社製、商品名「KS−1300」)
エトキシ)エタノール、配合量;1重量部 6)整泡剤:軟質ポリウレタンフォームの製造において使
用される、ペンダント構造を有し、且つそのポリエーテ
ル部は、各50モル%のオキシプロピレン基とオキシエ
チレン基とを有するジメチルポリシロキサン−ポリエー
テルブロック共重合体、ブロック共重合体中のジメチル
ポリシロキサン部の含有量;5、10、15、20及び
30重量%、配合量;5重量部、尚、ポリエーテル部の
末端にはメトキシ基が結合している。 7)気泡連通化剤;ジメチルポリシロキサン(日本ユニカ
ー株式会社製、商品名「L−45」)、粘度;1000
cps、配合量;0.7重量部
剤を秤量し、容量2リットルのポリエチレン製のビーカ
ーに投入した。その後、温度を21℃に保って、混合
し、ポリオール成分を調製した。次いで、温度を21℃
に保ったまま、所定量のポリイソシアネート及び気泡連
通化剤を秤量して、上記のビーカーに加えた。その後、
5秒間高速攪拌してポリオール成分とポリイソシアネー
ト等との混合物を調製し、この混合物を、37cm角の
段ボール製の箱に入れられたポリエチレン製の袋の中に
注入し、自由発泡させた。得られたフォームの密度、セ
ル数、通気度、吸水時間、保水率及びフライアビリティ
ーを測定した。それらの結果を表1に示す。
ロキサンの含有量及び無機充填剤の配合量を表1のよう
に変化させた他は実施例1と同様にしてフォームを得
た。また、同様にしてその通気度他を測定した。
(実験例12)、ポリオール(b)を使用しなかった
(実験例13)、ポリオール(c)を使用しなかった
(実験例14)及びポリオール(d)を使用しなかった
(実験例15)他は、実施例1と同様にしてフォームを
得た。また、同様にして通気度他を測定した。以上、実
験例2〜8の結果を表1に併記し、実験例9〜15の結
果を表2に示す。尚、表1及び表2において、*は第1
発明の範囲を、**は第2発明の範囲を外れていること
を表す。また、***はフォームの特性が第3発明の範
囲外であることを表す。
した。 1)密度;JIS K6401 2)セル数;JIS K6402 3)通気度;JIS L1096 A法 4)吸水時間;115×110×80mmの試片を25℃
の水上に静置し、試片の全体が完全に湿潤するまでの時
間を測定する。
片の重量(WF )を測定する。その後、試片を25℃の
水中に1時間浸漬した後、静かに取り出し、重量
(WA )を測定する。次いで、試片を金網上に静置し、
21℃、65%RHの雰囲気下に7日間放置し、再びそ
の重量(WT )を測定する。 保水率(%)=(WT −WF )/(WA −WF )×10
0 6)フライアビリティ;ASTM C421−61
床として使用し、以下の要領で細ねぎの育成を行った場
合の、発芽、発根及び成育の状況を観察した。更に、成
育後、加圧エアと水をフォームに吹き付け、フォーム除
去の難易を確認し、また、根の状況を観察した。 1)播種のための窪みが設けられた多数の突部が連なって
構成される、厚さ30mmのフォームを水に浸す。十分
に吸水させた後、水中から取り出し、プラスチック製の
トレーに入れる。 2)窪み一か所当たり10粒程度のねぎの種子を播き、ジ
ョウロで均等に水を撒いた後、新聞紙を被せ、発芽後、
この新聞紙は直ちに取り去る。
フォーム中に根が張り、芽の長さが10cm程度になっ
た時点で、各突部を中心にして切り分ける。切り分けら
れた各ブロックを水耕栽培用プールの水面に置かれた発
泡スチロールからなる枠に設けられた孔に嵌め込み育苗
する。 4)播種後、40〜50日経過して、根の長さが10〜1
5cmになった時点で、ブロックを取り出し、根の近辺
に高圧エアと水を吹き付ける。フォームが適度な脆さを
有するものであれば、フォームはすべて吹き飛び、長さ
1.5cm程度の根が残る。
実験例1〜5では、各特性はいずれも第3発明の範囲内
にあり、適度なフライアビリティ及びほどよい通気性を
有し、吸水性及び保水性に優れたフォームであることが
分かる。特にイソシアネートインデックスが50である
実験例1〜3では、各特性のバランスのとれた、より優
れた性能のフォームであることが分かる。また、細ねぎ
の育成においても、特に問題はなく、高圧エア等を吹き
付けた場合も、フォームはすべて容易に吹き飛ばされ、
且つ根はすべて吹き飛ばされることなく、所要長さの根
が残っていた。
発明の範囲外である実験例6、7の場合、ジメチルポリ
シロキサンの含有量が低い整泡剤を使用した実験例6で
は、セル数が少ない(セル径が大きい)ため通気度が高
く、吸水性は良好であるものの、保水性が大きく低下し
ていることが分かる。また、ジメチルポリシロキサン部
の含有量が高い整泡剤を使用した実験例7では、連泡化
が不十分となり、通気性及び吸水性に劣るフォームであ
ることが分かる。これらのフォームでは、ねぎは順調に
成育せず、商品価値のないものであった。
発明の範囲を外れて低い実験例8では、通気性は高い
が、セル数が多く、セル径が小さいためか保水性には優
れる。しかし、フライアビリティが大きく低下し、実用
に供し得ないものであることが分かる。このフォームで
は、ねぎは順調に成育したが、根がすべて吹き飛んでし
まうほどの高圧エアを吹き付けないと、フォームを除去
することができなかった。一方、インデックスが高すぎ
る実験例9では、セル数は少なく、通気性、吸水性が非
常に劣り、ねぎは成育不良であった。
限を越えて多い実験例10では、フライアビリティ、保
水性ともに問題ないが、通気性及び吸水性に劣り、ねぎ
は順調に成育せず、商品価値のないものであった。一
方、無機充填剤の配合量が下限未満である 実験例11
では、通気性は問題ないものの、吸水性に劣り、更にフ
ライアビリティが非常に低く、根がすべて吹き飛ぶほど
の高圧エアでないと、フォームを除去することができな
かった。
の安定性に劣り、崩壊してしまった。実験例13及び1
5では、フライアビリティ及び保水性は特に問題ないも
のの、通気性及び吸水性が大きく低下していることが分
かる。また、実験例14では、吸水性及びフライアビリ
ティは特に問題ないものの、通気性が大きすぎ、それに
伴って保水性も大きく低下している。更に、実験例14
では、3種類のポリオールの相溶性も低下し、作業性に
も問題があった。これらも育苗床として使用した場合、
上記の実験例10と同様の問題があった。
オールを併用し、所定量の無機充填剤を配合し、インデ
ックスの範囲を限定することにより、適度なフライアビ
リティを有し、且つほどよい通気性のため、吸水性及び
保水性に優れるフォームを得ることができる。また、第
2発明のように、ジメチルポリシロキサン部の含有量が
特定の範囲にある整泡剤を使用することにより、フライ
アビリティ、通気性、吸水性及び保水性等、優れた性能
を有するフォームをより安定して得ることができる。
Claims (3)
- 【請求項1】 ポリオール成分、ポリイソシアネート及
び無機充填剤を含む原料を用いて硬質ポリウレタンフォ
ームを製造する方法において、上記ポリオール成分は、
ポリオール、発泡剤、触媒及び整泡剤を含有し、該ポリ
オールは、下記のポリオール(a)、(b)、(c)及
び(d)を含み、該ポリオールの全量を100重量部と
した場合に、ポリオール(a)は30〜50重量部、ポ
リオール(b)は5〜25重量部、ポリオール(c)は
5〜15重量部及びポリオール(d)は20〜40重量
部であり、上記無機充填剤は、上記ポリオールの全量1
00重量部に対して15〜55重量部であって、イソシ
アネートインデックスは35〜75であることを特徴と
する適度な脆さを有する吸水性且つ保水性硬質ポリウレ
タンフォームの製造方法。 ポリオール(a):ポリオキシアルキレントリオール
(ポリオキシアルキレン部分は、90〜100モル%の
オキシプロピレン基と0〜10モル%のオキシエチレン
基とからなる。)、水酸基価;140〜190 ポリオール(b):ポリオキシアルキレントリオール、
オキシエチレン基含有量;70〜90モル%、水酸基
価;28〜42 ポリオール(c):エチレンジアミンのオキシアルキル
化生成物(オキシアルキル化部分は0〜25モル%のオ
キシエチレン基を含む。)、水酸基価;600〜850 ポリオール(d):ポリオキシアルキレングリコールモ
ノアルキルエーテル、オキシエチレン基含有量;70〜
100モル%、水酸基価;56〜187 - 【請求項2】 上記整泡剤は、ジメチルポリシロキサン
−ポリエーテルブロック共重合体からなり、該ブロック
共重合体を100重量%とした場合に、該ジメチルポリ
シロキサン部は7〜25重量%である請求項1記載の適
度な脆さを有する吸水性且つ保水性硬質ポリウレタンフ
ォームの製造方法。 - 【請求項3】 セル数が20〜40個/インチであっ
て、フライアビリティが50%以上であり、且つ通気度
が50〜200cm3 /cm2 /秒、吸水時間が60秒
以下、保水率が50%以上である請求項1又は2記載の
適度な脆さを有する吸水性且つ保水性硬質ポリウレタン
フォームの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP16838196A JP3222064B2 (ja) | 1996-06-07 | 1996-06-07 | 適度な脆さを有する吸水性且つ保水性硬質ポリウレタンフォームの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
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---|---|---|---|
JP16838196A JP3222064B2 (ja) | 1996-06-07 | 1996-06-07 | 適度な脆さを有する吸水性且つ保水性硬質ポリウレタンフォームの製造方法 |
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Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2014532397A (ja) * | 2011-10-28 | 2014-12-08 | ハンツマン・インターナショナル・エルエルシー | ポリウレタンフォームの製造方法 |
JP2015515528A (ja) * | 2012-04-13 | 2015-05-28 | イノアック ユーエスエー インク | 親水性ポリウレタンフォームの製造方法、及び親水性ポリウレタンフォーム |
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1996
- 1996-06-07 JP JP16838196A patent/JP3222064B2/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (4)
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KR101295287B1 (ko) * | 2011-01-26 | 2013-08-12 | 박주환 | 흡수성 오픈 셀 경질 폴리우레탄폼 제조용 폴리올 조성물 및 이에 의해 제조된 흡수성 오픈 셀 경질 폴리우레탄폼 |
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