JPH09104737A - 吸水性ポリウレタンフォーム及びその製造方法 - Google Patents

吸水性ポリウレタンフォーム及びその製造方法

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JPH09104737A
JPH09104737A JP7289206A JP28920695A JPH09104737A JP H09104737 A JPH09104737 A JP H09104737A JP 7289206 A JP7289206 A JP 7289206A JP 28920695 A JP28920695 A JP 28920695A JP H09104737 A JPH09104737 A JP H09104737A
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Japan
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water
polyurethane foam
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absorbent polyurethane
foam
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JP7289206A
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English (en)
Inventor
Hyoe Hatakeyama
兵衛 畠山
Shigeo Hirose
重雄 廣瀬
Kiyuuichirou Uchida
久一朗 内田
Masahiko Matsumoto
雅彦 松本
Terukazu Teruya
輝一 照屋
Takeshi Kobashigawa
健 小橋川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
TOROPIKARU TECHNO CENTER KK
TOSUKO KK
Tosco Corp Japan
Original Assignee
TOROPIKARU TECHNO CENTER KK
TOSUKO KK
Tosco Corp Japan
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Publication date
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  • Manufacture Of Porous Articles, And Recovery And Treatment Of Waste Products (AREA)
  • Polyurethanes Or Polyureas (AREA)
  • Biological Depolymerization Polymers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 育苗培地や剣山として使用されうる、新しい
吸水性を有する素材、特に、生分解性をも併有する樹脂
素材を提供すること。 【解決手段】 ポリオール成分、イソシアネート成分、
電解性官能基を有する成分および必要によりヒドロキシ
ル基を含有する天然高分子を用い、浸透剤を均一に分散
させて、これらを反応、成型することにより、1cm3
当り0.2g以上の水を吸収する吸水性ポリウレタンフ
ォームを得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、吸水性ポリウレタ
ンフォームおよびその製造方法に関し、更に詳細には、
各種作物あるいは花卉等の発芽・発根促進のための育苗
用培地フォームとして、また生け花等で使用される剣山
用フォームとして有利に使用することのできる吸水性ポ
リウレタンフォーム及びその製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、農業分野に於いては、農業の近代
化、効率化、人手不足の解消、収益性のアップを理由
に、栽培方法の改良が成され、従来の播種栽培から、苗
圃における育苗、苗の移植の2段階栽培となっている。
【0003】苗圃に於ける育苗用の培地資材(以下、
「育苗培地」という)としては、より発根、発芽性が良
く、育苗用資材ごと圃場へ移植可能なものが求められ、
ペーパーポット的なもの、プラグ苗的なもの、あるいは
人工培土的な樹脂フォームによるものが開発されてい
る。
【0004】これらのうち、ペーパーポット的なものあ
るいはプラグ苗的なものは、いわゆる育苗箱をより簡易
的な形としたものであり、従って、培土を必要とし、ま
た苗床を作成する作業を必要とするが、樹脂フォームは
それ自体が人工培土として用いられるため、農作業を簡
素化することができ、現在注目されている。
【0005】この育苗培土としての樹脂フォームの材質
は、植物の発根が容易な適度な脆さと吸水性を兼ね備え
ていることが要求されており、現在、その条件を満たす
ものとしては主にフェノール樹脂が使われている。 ま
た、軟質ポリウレタンフォームも一部で育苗培地として
用いられているが、ポリウレタンフォーム自体は吸水性
がないので、育苗培地として用いる場合には一旦圧縮し
て水分あるいは液肥溶液を物理的に吸収せしめる必要が
あり、扱いが煩雑であるという欠点があった。
【0006】一方、近年、趣味の多様化により生け花等
のサークルも多く開講され、生け花を芸術として楽しむ
人が多くなっている。 また、結婚式、各種パーティ
ー、イベントあるいはウィンドーディスプレイ等に於い
ても、花卉によるデコレーションは欠かせないものとな
っている。
【0007】これらに於ける生け花は、古典的なものか
らは一線を隔し、自由な発想のもとに花卉を生ける、い
わゆるフラワーアレンジメントの色彩が強くなってお
り、花卉をアレンジメントするための土台となる剣山
も、従来の金属製のものは、重い、扱いづらい、あるい
はデコレーションの形が限定され発想に制約を受ける等
の理由により敬遠され、最近では使い捨てタイプの樹脂
フォーム製のものが主に使用されている。
【0008】この剣山に用いられる樹脂フォームも、そ
の材質として、花卉を突き刺せる適度な脆さと吸水性を
兼ね備えていることが要求され、現在実用化されている
のは唯一フェノール樹脂である。
【0009】しかし、育苗培地や剣山として使用されて
いるフェノール樹脂フォームには、土壌中の微生物によ
って自然分解され再び自然の環境システムに組み入れら
れるといった生分解性の機能がないため、そのまま放置
あるいは土壌に埋没した状態で投棄されるという問題点
があった。 特に、フェノール樹脂フォームごと圃場へ
定植し、作物収穫後はそのまま圃場の土壌中へ鋤込まれ
ることより、長年のフェノール樹脂の蓄積による自然環
境への影響が懸念され、環境保全の面からも、育苗用資
材として必要な吸水機能を有したフェノール樹脂に代わ
る樹脂フォームの開発が強く求められていた。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、フェノール
樹脂フォームに代わる新しい吸水性を有する素材、特
に、生分解性をも併有する樹脂素材を提供することを課
題とするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、ポリウレ
タンフォームに着目し、これに育苗培地や剣山として共
通な必要機能である吸水性を付与する方法について鋭意
検討を行った結果、ポリウレタン中に組み込む成分およ
び発泡処理時に用いる添加成分を選択することにより、
吸水性を有するポリウレタンフォームが得られることを
見出した。また、このものは容易に生分解性にできるこ
とを見出し、本発明を完成した。
【0012】すなわち本発明の目的は、1cm3当り0.
2g以上の水を吸収する吸水性ポリウレタンフォームを
提供することである。また、本発明の他の目的は、生分
解性である上記吸水ポリウレタンフォームを提供するこ
とである。更に、本発明の別の目的は、上記したポリウ
レタンフォームの製造方法を提供することである。
【0013】本発明において吸水性ポリウレタンフォー
ムとは、自然の状態で水を吸収するポリウレタンフォー
ムをいい、水に10分浸漬した後の吸水量が0.2g/
cm3 以上、好ましくは0.5g/cm3以上のものをい
う。 なお、本明細書中において吸水性を有するとは、
ポリウレタンフォームを静かに水に浮かべた状態におい
て自然に水を吸収する性質をいい、例えば軟質ポリウレ
タンフォームを圧縮し、これが元に戻るときにフォーム
空間に取り込まれる水の量、すなわち物理的な吸水量を
意味するものではない。 従って、前記吸水量は、ポリ
ウレタンフォーム試料を静かに水に浮かべ、10分放置
した後に測定される全吸水量を意味する。
【0014】本発明の吸水性ポリウレタンフォームは、
ポリウレタンの原料モノマーとしてイソシアネート成
分、ポリオール成分および電解性官能基を有する成分を
用い、これらからポリウレタンを成型する際に浸透剤を
用いることにより得られる。
【0015】本発明の吸水性ポリウレタンを製造するた
めに用いられる、電解性官能基を有する成分としては、
電解性官能基と、これをポリウレタン中に組み込むため
の少なくとも二つ以上のイソシアネート成分との反応性
基を有する化合物が利用される。 具体的には、例え
ば、グルコン酸塩、グリセロリン酸塩や、シリウス・ス
ープラ・レッド・バイオレット(Sirius Supra Red Vio
let) RLL、シリウス・スープラ・ブルー(Sirius S
upra Blue) BRR、ダイレクト・ダーク・グリーン
(Direct Dark Green) B等の染料系物質を挙げること
ができる。 このうち、ポリオール成分中への可溶性、
および吸水性付与の点からは特にグリセロリン酸ナトリ
ウムが好ましい。
【0016】また、吸水性を付与するもう一つの成分で
ある、濡れ性を改善するための浸透剤としては、親水性
基としてOH基を有しないアニオン系活性剤、例えば、
脂肪酸塩類、高級アルコール硫酸エステル塩類、液体脂
肪油硫酸エステル塩類、脂肪族アミンおよび脂肪族アマ
イドの硫酸塩類、脂肪アルコールリン酸エステル塩類、
二塩基性脂肪酸エステルのスルホン塩類、脂肪酸アミド
スルホン酸塩類、アルキルアリルスルホン酸塩類、ホル
マリン結合のナフタリンスルホン酸塩類を挙げることが
できる。
【0017】このうち、ポリウレタン材料中への均一分
散、および濡れ性改善の点から、二塩基性脂肪酸エステ
ルのスルホン塩類、特にジアキルスルホコハク酸エステ
ル塩が好ましい。
【0018】更に、本発明の吸水性ポリウレタンフォー
ムを生分解性とするには、ポリウレタンの原料モノマー
としてイソシアネート成分、ポリオール成分および電解
性官能基を有する成分のほか、ヒドロキシル基を含有す
る天然高分子を利用すれば良い。
【0019】ヒドロキシル基を含有する天然高分子材料
(以下、「天然高分子材料」という)は、そのヒドロキ
シル基を介し、イソシアネート成分及びポリオール成分
とでポリウレタン鎖を形成するものであり、具体的に
は、ヒドロキシル基を有する液体状の物質、例えば、糖
蜜、リグニン系物質等や、ヒドロキシル基を有する固体
状の物質、例えば、繊維状及び粉末セルロース系物質、
ヘミセルロース系物質、ペクチン系物質、リグニン系物
質、でん粉系物質等を挙げることができる。このうち、
生分解性の点からは特に糖蜜が好ましい。
【0020】本発明の吸水性ポリウレタンの製造にあた
って利用するポリオール成分やイソシアネート成分につ
いては、特に制限はなく、従来一般にポリウレタンの製
造に用いられている各種のものを使用することができ
る。
【0021】このうち、ポリオール成分の例としては、
エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレン
グリコール、ジエチレングリコール、トリメチロールプ
ロパン、ヘキサントリオール、グリセリン、トリメチロ
ールエタン、ペンタエリストリール等の低分子量ポリオ
ール;ポリカプロラクトン、多塩基酸とヒドロキシル化
合物から製造されるポリエステルポリオール;ポリオキ
シエチレングリコール、ポリオシキプロピレングリコー
ル、ポリ(オキシプロピレン)ポリ(オキシエチレン)
グリコール、ポリ(オキシブチレン)グルコール、ポリ
(オキシテトラメチレン)グリコール等のポリエーテル
ポリオール等を挙げることができる。また、アクリルポ
リオール;ヒマシ油あるいはトール油誘導体を用いるこ
ともできる。
【0022】また、イソシアネート成分の例としては、
脂肪族系イソシアネート、芳香族系イソシアネートや、
それらの変性体を挙げることができる。
【0023】このうち、脂肪族系イソシアネートとして
は、例えば、ヘキサメチレンジイソシアネート等が、芳
香族系イソシアネートとしては、例えば、ジフェニルメ
タンジイソシアネート、ポリメリックジフェニルイソシ
アネート、トリレンジイソシアネート、キシリレンジイ
ソシアネート、ナフタレンジイソシアネート、トリフェ
ニルメタントリイソシアネート等が、またイソシアネー
ト変性体としては、例えば、ウレタンプレポリマー等が
それぞれ挙げられる。
【0024】本発明の吸水性ポリウレタンフォームは、
一般に行われる方法に準じて調製することができる。
すなわち、ポリウレタン鎖の調製方式としては、ワンシ
ョット法、プレポリマー法、擬プレポリマー法等のいず
れの方法を利用しも良く、ポリウレタンフォームの製造
方式も、スラブ、モールドのいずれの方法を利用しても
良い。
【0025】以下に、前記各成分を用い、モールド法の
ワンショット法にて生分解性を有する吸水性ポリウレタ
ンフォームを製造する方法について、例を挙げて具体的
に説明する。
【0026】すなわち、まず、ポリオール成分、電解性
官能基を有する成分、天然高分子材料、触媒、発泡剤、
整泡剤および浸透剤を計り取り、これらを均一に混合し
てポリオール溶液とする。 次にイソシアネート成分を
計り取り、反応型中で先のポリオール溶液に混合し、接
触反応により、吸水性を有する生分解性フォームを得る
ことができる。
【0027】発泡剤としては、一般にポリウレタンの製
造に用いられている各種のものが使用できる。 その例
としては、水、有機系発泡剤、無機系発泡剤が挙げられ
る。有機系発泡剤としては、例えば、ニトロアルカン、
ニトロ尿素、アルドオキシム、活性メチレン化合物、酸
アミド、3級アルコール、しゅう酸水和物が、無機系発
泡剤としては、例えば、トリクロロモノフルオロメタ
ン、ジクロロジフルオロメタン、ホウ酸、固体炭酸、水
酸化アルミニウム等が挙げられる。 なお、水を発泡剤
として使用する場合、天然高分子材料が水分を含有する
ものであるときは、発泡剤として作用する水分量を勘案
し、水の量を調整することができる。
【0028】また、ポリオール成分とイソシアネート成
分の反応速度を調整するための触媒としては、ポリウレ
タンの製造に普通一般に用いられる触媒、例えば、アミ
ン類、フォスフィン類のルイス塩基やルイス酸の有機金
属化合物(アルミニウム、スズ)等をポットライフに応
じて用いることができる。
【0029】本発明の吸水性ポリウレタンフォームにお
いて、電解性官能基を有する成分の組み込み量は、全成
分量に対して1重量%(以下、単に「%」で示す)以上
であり、吸水性、物性、成形性の面から好ましくは5〜
20%である。 また、浸透剤の量は、全成分量に対し
て、1%以上、吸水性、物性及び成形性の面から好まし
くは2〜20%である。
【0030】また、イソシアネート成分の混合割合は、
ポリオール成分、天然高分子材料、及び電解性官能基を
有する成分に含まれる全ヒドロキシル基の当量数に対し
て、そのイソシアネート当量数で0.5〜2.0倍当量程
度であり、吸水性、及び必要とされる脆さの面より好ま
しくは0.6〜1.0倍当量程度である。
【0031】更に、ポリイソシアネート成分とポリオー
ル成分の合計反応量は、天然高分子材料に対して10%
以上、生分解性、物性及び反応のコントロールし易さの
面から好ましくは100〜900%である。
【0032】前記した各成分を混合、反応させてポリウ
レタンフォームとする、反応成型時の攪拌のために用い
る混合装置としては、一般にポリウレタンフォームの成
形に用いられる装置、例えば、機械式攪拌機、高圧攪拌
機、エアミキシング機等のいずれも用いることができ
る。
【0033】上記の生分解性を有する吸水性ポリウレタ
ンフォームを調製において、その反応に必要な熱は自然
反応熱により与えられるが、使用するポリオール成分、
イソシアネート成分の反応性によっては、100〜15
0℃程度の温度まで加熱しても良い。
【0034】なお、イソシアネート成分を加える前後
に、吸水性付与の目的で加える浸透剤をポリオール組成
物中で均一分散させるために、少なくとも10秒間以
上、好ましくは30秒間以上撹拌することが好ましい。
【0035】また、得られるポリウレタンフォームの硬
化時間は、天然高分子材料の添加量、ポリオール成分、
イソシアネート成分の種類、あるいは反応促進のために
加える触媒量、更には反応温度により異なるが、一般的
には常温で5分間以上である。
【0036】かくして得られる本発明の吸水性ポリウレ
タンフォームは、育苗培地や剣山としての必要な機能を
満たすためには、その発泡倍率が5〜70倍程度、特に
20〜50倍程度であることが好ましい。
【0037】また、本発明の吸水性ポリウレタンフォー
ムの形状については、特に制約はなく、その比重は0.
01〜0.3程度である。また、用途に応じて、染料、
顔料等により着色してもよい。
【0038】以上のごとくして得られる本発明の吸水性
ポリウレタンフォームは、その吸水性能において他のポ
リウレタン結合を有する樹脂フォームと区別される。す
なわち、本発明の吸水性ポリウレタンフォームは、自然
に放置した状態でも0.2g/cm3、特に吸水量0.5
g/cm3以上と高い吸水性能を示し、他の高分子材料
と区別することができるものである。
【0039】また、本発明の吸水性ポリウレタンフォー
ムのうち、生分解性を有するものは、更にその自然分解
性においても区別できる。 すなわち、例えば土壌中で
の初期(2〜3カ月後)の重量減少率が2〜3%/月程
度以上であることから理解されるように、極めて優れた
自然分解性を示し、他の高分子材料と区別することがで
きるものである。
【0040】ポリウレタン結合を有する材料に吸水性を
付与するためには、電解性官能基を有する成分を用いる
ことと、成型時に浸透剤を均一に分散させることの2つ
を併用することが重要で、何れか一方では殆ど効果が認
められない。 すなわち、ポリウレタン結合を有す高分
子フォームの化学構造は、3次元網目構造となってお
り、一定ポリウレタン分子鎖単位で電解性官能基を組み
込むだけでは、フォーム内部への水の進入が容易に起ら
ない結果、電解性官能基は解離せず、吸水性は殆ど付与
されない。
【0041】一方、ポリウレタン結合反応中に浸透剤を
混合し、ポリウレタン結合を有す生分解性高分子材料中
に浸透剤を均一分散させ、濡れ性を改善しても、フォー
ムは薄膜セルにより構成されていることにより、薄膜を
通過しての吸水性の付与は成されない。
【0042】従って、ポリウレタン結合を有する高分子
材料への吸水性の付与は、本発明の特徴とするところ
の、二つの方法の組み合わせによって初めて達成される
ものであり、この方法により、吸水量0.5g/cm3
上に達する吸水性ポリウレタンフォームを得ることがで
きるのである。
【0043】
【発明の効果】本発明の吸水性ポリウレタンフォーム
は、植物の生育に不可欠な水の供給を十分に行うための
吸水性能を備えており、また花卉を容易に突き刺せる、
植物の発根、発芽に影響を及ぼさない適度な脆さを有す
る。 更に、特に生分解性をも与えた吸水性ポリウレタ
ンフォームは、これを土壌に埋没した場合に生分解して
自然環境に悪影響を与えない利点がある。
【0044】すなわち、本発明の好ましい態様である生
分解性を有する吸水性ポリウレタンフォームは、使用時
は植物の生育、保存に十分な吸水性能、あるいは形態安
定性を有するが、その後、土壌中の微生物によって自然
に炭酸ガスにまで分解される生分解性の機能があるた
め、自然放置されても自然環境に悪影響を与えないもの
である。
【0045】従って、本発明の吸水性ポリウレタンフォ
ーム、特に生分解性を有する吸水性ポリウレタンフォー
ムは、環境保全に優れた剣山フォーム及び育苗資材用フ
ォームとして有利に利用できるものである。
【0046】
【実施例】次に実施例および試験例を挙げ、本発明を更
に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例等になんら
制約されるものではない。
【0047】実 施 例 1 ポリエチレングリコール200と糖蜜を2:1の割合で
混合し、エバポレーターにより水分を1.5重量%まで
除去して、糖蜜ポリオールを得た。 この糖蜜ポリオー
ルに対して、0.7倍量のエチレングリコール、吸水性
を付与するための電解性官能基を有する成分として0.
3倍量のグリセロリン酸ナトリウム、アニオン系浸透剤
として0.4倍量のジアルキルスルホコハク酸エステル
塩、全重量の2.0重量%のシリコーン整泡剤、触媒と
してジラウリン酸ジブチル錫を10滴、更に脆さを付与
するために無機物として醗酵残渣を全重量の100.0
重量%加え、1,000rpmで20秒間高速攪拌し
た。
【0048】次に、全ヒドロキシル基当量に対し、イソ
シアネート基当量で0.7倍となる量のポリメリックジ
フェニルメタンジイソシアネートを混合し、1,000
rpmで30秒間高速攪拌した後、静置し、自然反応熱
条件で、発泡、硬化させ、生分解性を有する吸水性ポリ
ウレタンフォーム(本発明品1)を得た。
【0049】実 施 例 2 糖蜜ポリオールに対するエチレングリコールの量を0.
9倍量、電解性官能基を有する成分としてグリセロリン
酸ナトリウムの代わりにシリウス・スープラ・ブルー
BRRを0.1倍量とし、以下実施例1と同様にして生
分解性を有する吸水性ポリウレタンフォーム(本発明品
2)を得た。
【0050】実 施 例 3 全ヒドロキシル基当量に対し、イソシアネート基当量で
1.0倍となる量のポリメリックジフェニルメタンジイ
ソシアネートを混合しする以外は実施例1と同様にし
て、生分解性を有する吸水性ポリウレタンフォーム(本
発明品3)を得た。
【0051】比 較 例 1 ポリエチレングリコール200に対して、1.0倍量の
エチレングリコール、全重量の2.0重量%のシリコー
ン整泡剤、2.0重量%の水(発泡剤)、触媒としてジ
ラウリン酸ジブチル錫を8滴加え、1,000rpmで
20秒間高速攪拌した。 次に、全ヒドロキシル基当量
に対し、イソシアネート当量で1.2倍となる量のポリ
メリックジフェニルメタンジイソシアネートを混合し、
1,000rpmで30秒間高速攪拌した後、静置し、
自然反応熱条件で、発泡、硬化させ、ポリウレタンフォ
ーム(比較品1)を得た。
【0052】比 較 例 2 アニオン系浸透剤(ジアルキルスルホコハク酸エステル
塩)を使用しない以外は実施例1と同様にして生分解性
ポリウレタンフォーム(比較品2)を得た。
【0053】比 較 例 3 電解性官能基(グリセロリン酸ナトリウム)を利用しな
い以外は実施例1と同様にして生分解性ポリウレタンフ
ォーム(比較品3)を得た。
【0054】試 験 例 1 実施例1〜3で得られた吸水性ポリウレタンフォーム及
び比較例1〜3のポリウレタンフォームについて、下記
方法によりそれらの吸水性を測定した。 その結果を表
1に示す。
【0055】[吸水性測定方法] (1)調製した試料を5cm(縦)×5cm(横)×2
cm(厚さ)の形に切断する。 (2)切断した試料の寸法を正確に測定し、体積(V)
を算出する。また、電子天秤により、重量(W0)を正
確に測定する。 (3)パットに20℃に調整した十分量の水を入れ、
(2)の試料を静かに水面に浮かべる。 (4)10分後、静かに試料を取り出し、目開き5mm
のステンレスメッシュの上に5分間放置し、付着水を除
去する。 (5)(4)の吸水試料の重量(W10)を正確に測定す
る。 (6)1cm3当りの吸水量(M)を次の式により求め
る。 M(g/cm3)=(W10−W0)/V (7)以下、30分後および60分後も同様にして測定
する。
【0056】[ 結 果 ]
【0057】この結果から明らかなように、本発明品は
いずれも一般的ポリウレタンフォームである比較品1に
比べ、著しく高い吸水性能を示し、剣山および育苗資材
用樹脂フォームとしては極めて有効なものであった。
また、本発明品は、吸水性付与を単独の方法で試みた比
較品2、比較品3と比べても、2倍量以上の吸水性能を
示しており、吸水性付与における本発明の有効性が確認
された。
【0058】試 験 例 2 実施例1で得られた生分解性を有する吸水性ポリウレタ
ンフォームおよび比較例1の一般のポリウレタンフォー
ムについて、それらの生分解性を調べた。 この結果を
表2に示す。
【0059】
【0060】この結果から明らかなように、天然高分子
材料を用いた本発明品1は、従来のポリウレタンに比
べ、2倍以上の自然分解性を示した。 以 上
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08G 101:00) C08L 75:04 (72)発明者 畠山 兵衛 福井県福井市日光2−25−3 ウェストベ ルセル401号 (72)発明者 廣瀬 重雄 千葉県松戸市下矢切205 (72)発明者 内田 久一朗 広島県三原市城町573−07 (72)発明者 松本 雅彦 東京都葛飾区西亀有2−40−4 (72)発明者 照屋 輝一 沖縄県具志川市字州崎5−1 株式会社ト ロピカルテクノセンター内 (72)発明者 小橋川 健 沖縄県具志川市字州崎5−1 株式会社ト ロピカルテクノセンター内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 1cm3当り0.2g以上の水を吸収する
    吸水性ポリウレタンフォーム。
  2. 【請求項2】 更に生分解性である請求項1記載の吸水
    性ポリウレタンフォーム。
  3. 【請求項3】 硬質フォームである請求項第1項または
    第2項記載の吸水性ポリウレタンフォーム。
  4. 【請求項4】 嵩密度が0.01〜0.3g/cm3であ
    る請求項第1項ないし第3項のいずれかの項記載の吸水
    性ポリウレタンフォーム。
  5. 【請求項5】 ポリオール成分、イソシアネート成分お
    よび電解性官能基を有する成分を用い、成型時に浸透剤
    を均一に分散させることを特徴とする吸水性ポリウレタ
    ンフォームの製造方法。
  6. 【請求項6】 ポリオール成分、イソシアネート成分、
    電解性官能基を有する成分およびヒドロキシル基を含有
    する天然高分子を用い、成型時に浸透剤を均一に分散さ
    せることを特徴とする生分解性を有する吸水性ポリウレ
    タンフォームの製造方法。
  7. 【請求項7】 電解性官能基を有する成分が、少なくと
    も2つ以上のイソシアネートとの反応性基及び1つ以上
    の電解性官能基を有するものであり、浸透剤が、親水性
    基としてOH基を有さないアニオン系界面活性剤である
    請求項第5項または第6項記載の吸水性ポリウレタンフ
    ォームの製造方法。
  8. 【請求項8】 ヒドロキシル基を有する天然高分子材料
    が、糖蜜、リグニン系物質、繊維状及び粉末状セルロー
    ス系物質、ヘミセルロース系物質、ペクチン系物質また
    は澱粉系物質である請求項6または請求項7記載の生分
    解性を有する吸水性ポリウレタンフォーム。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US6969740B2 (en) 1997-06-06 2005-11-29 Eastman Chemical Resins, Inc. High density polyethylene films with improved moisture barrier properties
JP2021505278A (ja) * 2017-12-08 2021-02-18 エシティ・ハイジーン・アンド・ヘルス・アクチエボラグ 吸収性物品及び吸収性物品の製造方法

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