JPH09327611A - 難ろ過性廃液のろ過方法およびそのろ過装置 - Google Patents

難ろ過性廃液のろ過方法およびそのろ過装置

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JPH09327611A
JPH09327611A JP8148957A JP14895796A JPH09327611A JP H09327611 A JPH09327611 A JP H09327611A JP 8148957 A JP8148957 A JP 8148957A JP 14895796 A JP14895796 A JP 14895796A JP H09327611 A JPH09327611 A JP H09327611A
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tank
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filterable
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Hideji Seki
秀司 関
Manabu Sakurai
学 桜井
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Abstract

(57)【要約】 【課題】難ろ過性廃液中の懸濁物を薬品を使用すること
なく除去し、かつろ過性改善のために加える物質を再使
用して最終処分の廃棄物量を最小にする。 【解決手段】バクテリア,藻類,エマルジョン物質等の
難ろ過性物質を含む難ろ過性廃液中に常磁性物質を加え
て撹拌した後、ろ過処理を施す。常磁性物質はマグネタ
イト,鉄,ニッケル,コバルト,磁性合金等の粉末であ
る。被処理液流入ライン1からの難ろ過性廃液と添加剤
タンク8からの常磁性物質を収容する収集タンク2を設
け、この収集タンク2にポンプ3を介して逆洗可能フィ
ルタ4を接続する。逆洗可能フィルタ4の逆洗液11側に
電磁フィルタ5を接続し、この電磁フィルタ5で回収さ
れた回収常磁性物質12を回収常磁性物質タンク6に投入
する。回収常磁性物質タンク6の出口側にポンプ7およ
びフィードバックライン25を介して添加剤タンク8に接
続する。添加剤タンク8を収集タンク2に接続する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は難ろ過性廃液と分類
される河川水,湖沼水などをろ過処理するのに好適な難
ろ過性廃液のろ過方法およびそのろ過装置に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば河川水や湖沼水などでは水中にバ
クテリアや藻類を含む廃液、またはエマルジョン物質に
含む廃液があり、いずれも廃液中の固形分(バクテリ
ア,藻類,エマルジョン物質)は力が加わると変形し易
く、集合することで水の通る路を狭める作用がある。
【0003】河川水や湖沼水中に存在する懸濁物を除去
するため、例えば飲料水を製造する浄水場や火力発電所
の補給水製造施設では、一般的に除濁装置として凝集沈
殿槽,浮遊凝集物の除去装置として砂ろ過装置の組み合
わせによる前処理法が採用されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述した方
法では、水中に存在する懸濁物を除去するためにポリ塩
化アルミニウムなどの凝集沈殿剤を被処理液中に加えた
後、中和剤添加による凝集反応により除去している。し
かし、少量の懸濁物を除去するために多量の薬品(凝集
沈殿剤/中和剤)を使用すること、薬品添加のためにイ
オン成分的には原水よりも汚れること、凝集沈殿廃液が
多量に発生し、最終処分するには凝集沈殿廃液をさらに
濃縮・脱水などの処理が必要となる。
【0005】また、浮遊凝集物の除去装置として採用さ
れている砂ろ過装置は、表層での浮遊凝集物の捕集が主
なため、ろ過処理に伴う差圧上昇が急で逆洗操作の頻度
が高く、逆洗廃液の発生も多いといった課題がある。そ
こで、廃棄物発生量が少なく、たとえ廃棄物の発生があ
っても、後処理が容易なろ過装置の開発が望まれてい
る。
【0006】本発明は、上記課題を解決するためになさ
れたもので、従来のように難ろ過性廃液中の懸濁物を除
去するために薬品を添加することなく処理でき、かつろ
過特性改善のために添加した物質を繰り返し使用でき、
最終的に処理プロセスから排出される廃棄物量が最小と
なるような難ろ過性廃液のろ過方法およびそのろ過装置
を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、バク
テリア,藻類,エマルジョン物質等の難ろ過性物質を含
む難ろ過性廃液中に常磁性物質を加え撹拌したのち、ろ
過処理を施すことを特徴とする。
【0008】請求項1の発明によれば、薬剤を使用しな
いで、難ろ過性物質が含まれている廃水のろ過性を容易
にすることができる。また、常磁性物質を回収して繰り
返し再使用できるので廃棄物量を低減できる。
【0009】請求項2の発明は、前記難ろ過性物質と前
記常磁性物質との混合物を固液分離する前記ろ過処理に
逆洗可能なフィルタを使用することを特徴とする。請求
項2の発明によれば、廃水中の難ろ過性物質と常磁性物
質の両者を分離でき、常磁性物質を再使用に適したよう
にできる。
【0010】請求項3の発明は常磁性物質はマグネタイ
ト,鉄,ニッケル,コバルト,磁性合金などの粉末から
選択された少なくとも一種からなることを特徴とする。
請求項3の発明によれば、廃液のろ過特性を改善し、繰
り返して再使用できるため最終廃棄物量を最小にでき
る。
【0011】請求項4の発明は難ろ過性廃液と常磁性物
質とを収容する収集タンクと、この収集タンクに接続す
る逆洗可能フィルタと、この逆洗可能フィルタでろ過さ
れた前記常磁性物質を回収する電磁フィルタと、この電
磁フィルタから流出する濃縮廃液中の難ろ過性物質を濃
縮する濃縮タンクとを具備したことを特徴とする。
【0012】請求項5の発明は、前記濃縮タンク内には
中空糸膜フィルタが設けられてなることを特徴とする。
請求項4,5の発明によれば、難ろ過性廃液を処理する
場合、添加物質として常磁性物質,固液分離装置として
の逆洗可能タイプのフィルタ,常磁性物質の回収装置と
して電磁フィルタ,濃縮された廃液の濃縮装置として中
空糸膜フィルタを組み合わせた難ろ過性廃液のろ過装置
では、常磁性物質を再使用し、濃縮された難ろ過性物質
はさらに中空糸膜フィルタにより濃縮されるため、最終
的にろ過装置から排出される廃棄物量は最小限に抑える
ことができる。
【0013】請求項6の発明は、前記電磁フィルタで回
収した常磁性物質を回収する回収常磁性物質タンクを設
けるとともに添加剤タンクに戻すフィードバックライン
を設けてなることを特徴とする。
【0014】請求項7の発明は、前記回収常磁性物質タ
ンク内に電極を設け、この電極を直流電源に接続してな
ることを特徴とする。請求項8の発明は、前記回収常磁
性物質タンク内に電気ヒータを設けてなることを特徴と
する。
【0015】請求項9の発明は、前記回収常磁性物質タ
ンク内に蒸気加熱配管を設けてなることを特徴とする。
請求項10の発明は、前記回収常磁性物質タンク内に超
音波振動子を設けてなることを特徴とする。請求項11
の発明は、前記回収常磁性物質タンク内にアルカリおよ
び酸添加装置を設けてなることを特徴とする。
【0016】請求項6の発明によれば、回収常磁性物質
タンクを備え、フィルタの逆洗時に常磁性物質だけを選
択的に回収して再度添加剤タンクに戻すフィードバック
機能を有する。
【0017】請求項7〜11の発明によれば、難ろ過性の
主因が水中に存在する微生物である場合、常磁性物質が
吸着した微生物が処理プロセス内でリサイクルあるいは
繁殖することでろ過特性を悪化させるのを防止するため
に常磁性物質の回収タンク内に直流電圧印加用の電極を
備えて微生物を死滅させる。
【0018】その他、微生物を死滅させる方法として、
回収した含常磁性物質溶液を加温するために加熱ヒータ
あるいは蒸気配管を設けるか、含常磁性物質溶液中に超
音波振動子を入れ、超音波照射を行うか、含常磁性物質
溶液にアルカリを添加し、つづいて酸添加で中和するか
などによることで常磁性物質の回収と再使用が可能とな
る。
【0019】
【発明の実施の形態】図1から図10を参照しながら本発
明に係る難ろ過性廃液のろ過方法およびそのろ過装置に
ついて併記しながら説明する。図1中、符号1は被処理
液流入ラインで、例えば河川水,湖沼水などで水中にバ
クテリア,藻類,エマルジョン物質などの固形分を含む
難ろ過性廃液を流す配管流路である。符号2は被処理液
流入ライン1からの被処理液を収容し常磁性物質を含む
添加剤を加え撹拌する収集タンクで、この収集タンク2
の底部にはポンプ3が接続し、ポンプ3の吐出側には逆
洗可能フィルタ4に接続している。
【0020】逆洗可能フィルタ4の逆洗液11側には電磁
フィルタ5が接続している。電磁フィルタ5のろ過物排
出側は回収常磁性物質12を回収する回収常磁性物質タン
ク6に接続している。回収常磁性物質タンク6の流出側
はポンプ7を介してフィードバックライン25に接続し、
フィードバックライン25の端末部は添加剤タンク8に接
続している。添加剤タンク8には回収された常磁性物質
が収容する。
【0021】添加剤タンク8から常磁性物質が収集タン
ク2内に添加され、収集タンク2に設置された撹拌機9
により被処理液流入ライン1と常磁性物質は撹拌されて
混合する。ここで、常磁性物質としてはマグネタイト,
鉄,ニッケル,コバルト,磁性合金などの粉末から選択
された少なくとも一種からなる。
【0022】電磁フィルタ5の濃縮廃液13側は濃縮タン
ク14内と接続し、濃縮廃液13を流入する。濃縮タンク14
内には中空糸膜フィルタ15が組み込まれている。濃縮タ
ンク14から流出する濃縮廃液17は廃棄処理され、中空糸
膜フィルタ15でろ過された処理液はポンプ16により導出
され、前記逆洗可能フィルタ4の処理液10側に合流する
ように接続されている。電磁フィルタ5は磁力をON−
OFFすることで、常磁性物質を回収したり、逆に放出
することが可能となるものである。
【0023】逆洗可能フィルタ4とは投入した常磁性物
質などの粉末をほぼ完全に捕集できるフィルタメディア
を内蔵したろ過器(フィルタ)で、具体的には高分子材
料で形成された中空糸膜フィルタやセラミックフィル
タ,焼結金属フィルタなどを使用する。
【0024】逆洗可能フィルタ4の概略構造は密閉タン
ク内にフィルタが設置されたもので、通水(処理)モー
ドではタンクの下部から被処理液が流入し、上部から処
理液が流出し、逆洗モードでは空気がタンクの上部から
流入し下部から流出するようになっている。逆洗時には
被処理液の供給をストップした後、空気で清水(処理
水)を押し流すことで、フィルタ表面に付着した固形分
を剥離する。
【0025】次に図2から図7により上記構成のろ過装
置によるろ過方法を説明する。最初に図2中太線で示す
ように、被処理液の難ろ過性廃液は被処理液流入ライン
1を通して収集タンク2に集められる。つづいて、図3
に示すように、添加剤タンク8から添加剤の常磁性物質
溶液を収集タンク2に投入して撹拌機9で均一に混合す
る。この後、混合溶液は図4中太線で示すようにポンプ
3により逆洗可能フィルタ4に送られろ過処理される。
【0026】逆洗可能フィルタ4は精密ろ過を行う固液
分離装置であり、ろ過された処理液10の懸濁物濃度は入
口の懸濁物濃度(含添加物質)が%オーダであってもJ
ISK0102 による懸濁物質測定法によっても検出できな
い程度まで低減することができる。
【0027】逆洗可能フィルタ4で分離された難ろ過性
物質と常磁性物質は、フィルタの差圧が一定値に達した
時点で図5中太線で示すように逆洗液11として排出され
電磁フィルタ5に流入する。排出された逆洗液11中から
常磁性物質のみを選択的に分離・回収するため、電磁フ
ィルタ5でろ過することにより、回収常磁性物質12とし
て電磁フィルタ5内に回収される。一方、電磁フィルタ
5で処理されたろ液中の難ろ過性物質は濃縮廃液13とし
て濃縮廃液タンク14に排出される。
【0028】電磁フィルタ5内に回収された常磁性物質
は、図6中太線で示すように、電磁フィルタ5の電源を
遮断し、少量の清水を流すことで回収常磁性物質タンク
6に排出される。この時、濃縮タンク14に溜まった濃縮
廃液13は濃縮タンク14内に組み込まれた中空糸膜フィル
タ15によりろ過処理されて逆洗可能フィルタ4から流出
する処理液10と同じラインで次工程に送られる。
【0029】回収常磁性物質タンク6に回収された常磁
性物質は、図7中太線で示すようにポンプ7によりフィ
ードバックライン25を通して元の添加剤タンク8に戻さ
れて再度添加剤として収集タンク2内で被処理液と混合
して再使用される。濃縮タンク14内で濃縮された少量の
固形分(難ろ過性物質)は最終的には焼却処分あるいは
埋設処分される。
【0030】図8は、難ろ過性廃液中に常磁性物質とし
てマグネタイトを添加した場合のろ過性能の改善を示す
試験結果である。この試験は被処理液中に何も添加しな
い場合と、被処理液中にマグネタイトを20ppm 添加した
場合のろ過速度の変化を比較したものである。
【0031】図8から明らかなように、マグネタイトを
添加することで処理量が増加しても処理速度の低下は少
なくなり、マグネタイト添加による劇的な改善効果が認
められる。この結果は、逆洗可能タイプのフィルタと組
み合わせた場合のように一定流速の条件で処理した場合
を考えると、濃縮廃液が排出されるまでの時間間隔を延
長できる等のメリットのあることを示している。
【0032】図9は逆洗可能フィルタ、つまり逆洗再生
タイプのフィルタと使い捨てタイプのフィルタを使用し
てマグネタイト(添加物質)の有無とろ過差圧の上昇を
示したもので、図9から明らかなように、難ろ過性廃液
を何も処理せずにろ過処理した場合には、ろ過に伴う差
圧の上昇は急で、使い捨てタイプのフィルタでは多量の
フィルタが廃棄物となる。本実施の形態で使用するフィ
ルタはいわゆる逆洗可能フィルタ4であるが、この場合
にも逆洗頻度が高くなり、逆洗廃液量が多量となる。
【0033】しかし、本実施の形態でろ過特性改善のた
めに添加するマグネタイトは、それ自体が易ろ過性であ
るため、あらかじめ難ろ過性廃液に添加撹拌混合し、つ
づいてろ過処理を行えば逆洗の頻度は大幅に低下する。
【0034】図10は難ろ過性廃液として河川水,ろ過改
善物質としてマグネタイトを添加した場合のろ過特性の
変化を示している。図10に示すように、マグネタイトの
添加により一定差圧に達するまでの時間(処理量)は格
段に延びる。ところで、このようなろ過特性を改善する
マグネタイトであるが、この物質の磁石につく性質を利
用して回収・再利用が可能である。
【0035】すなわち、一度難ろ過性廃液に添加してフ
ィルタ分離され、濃縮廃液として排出される含マグネタ
イト廃液は、電磁フィルタに通してマグネタイトのみを
回収し、さらに元の添加剤タンク8に戻すことが可能と
なる。このようなプロセスにすることで従来のソルカフ
ロックや粉末イオン交換樹脂などのろ過助材を用いたプ
リコートタイプのろ過装置、すなわちろ過性能が低下し
たならば1回の使用で廃棄するタイプのもにに比べて廃
棄物の発生量は大幅に減少する。
【0036】つぎに図11により本発明に係る難ろ過性廃
液のろ過装置の第2の実施の形態を説明する。なお、図
11中、図1と同一部分には同一符号を付して重複する部
分の説明は省略する。本実施の形態が第1の実施の形態
と異なる点は回収常磁性物質タンク6内に一対の電極18
を設置し、この電極18を直流電源19に接続して易ろ過性
の維持とプロセス内でバクテリアなどの繁殖を防止する
ことにある。
【0037】すなわち、電磁フィルタ5を通して常磁性
物質を回収した場合、pHが中性領域の水中ではプラス
に帯電しているため、逆の電荷(マイナス)を有するバ
クテリアや藻類などを多く含む場合には、マグネタイト
表面にこれらを吸着し、電磁フィルタで回収して元の添
加剤タンクに戻してさらに被処理液に添加した場合に
は、易ろ過性の特性が損なわれたり、あるいはプロセス
内でバクテリアなどが繁殖する恐れがあるが、本実施の
形態による回収常磁性物質タンク6に一対の電極18を入
れ、電極18間に直流電圧を印加してバクテリア等を死滅
させることができる。
【0038】本実施の形態では、電磁フィルタ5で分離
され、回収常磁性物質タンク6に排出された常磁性物質
廃液(含バクテリア)に直流電圧を印加することでバク
テリアなどの生物は死滅し、本プロセス内での繁殖は防
止できる。
【0039】つぎにバクテリアなどの生物を死滅させる
手段としての本発明に係る第3の実施の形態を図12によ
り説明する。回収常磁性物質タンク6内に加熱用ヒータ
あるいは加熱蒸気用配管20を備え、高温度でバクテリア
等を死滅させることができる。本実施の形態では、電磁
フィルタ5で分離され、回収常磁性物質タンク6に排出
された常磁性物質廃液(含バクテリア)の水温を70〜 1
00℃に加温しさらに5〜30分間保持してバクテリア類を
死滅させる。本実施の形態によれば、前記各実施の形態
と同様にプロセス内での繁殖は防止できる。
【0040】つぎに図13,14により本発明の第4の実施
の形態を説明する。すなわち、図13に示すように回収常
磁性物質タンク6内に超音波振動子21を設け、この超音
波振動子21を超音波発振器22に接続して超音波を発振さ
せることにより、高周波数の音波でバクテリアの表面を
覆っている細胞膜を破裂させて死滅させることができ
る。
【0041】図14は超音波照射による微生物の繁殖抑制
効果を説明するためのもので、回収常磁性物質タンク6
に出力1000W,周波数45kHzの超音波を発振する振動
子21を設け、超音波発振器22に接続して超音波を照射し
たときのバクテリア数の変化を示している。
【0042】この測定では、培養法により廃液中に存在
する生菌が作るコロニー数を計数したが、超音波の照射
を30分間続ければコロニーの生成は観察されなくなっ
た。すなわち、廃液中の生物はすべて死滅したことが認
められる。
【0043】つぎに図15により本発明に係る難ろ過性廃
液のろ過装置の第5の実施の形態を説明する。なお、図
15中図1と同一部分には同一符号を付して重複する部分
の説明は省略する。本実施の形態が第1の実施の形態と
異なる点は回収常磁性物質タンク6に添加剤(アルカ
リ)タンク23と添加剤(酸)タンク24を設置し、電磁フ
ィルタ5から排出された含常磁性物質廃液に水酸化ナト
リウム溶液などのアルカリを添加剤(アルカリ)タンク
23から入れて廃液のpHを10〜13に調整し、この状態を
30分間程度保持してバクテリア類を死滅させる。この
後、添加剤(酸)タンク24から硫酸などの酸を入れて廃
液のpHを中性にして元の添加剤タンクに戻すことにあ
る。
【0044】上記に説明したバクテリア類を死滅させる
各実施の形態は、いずれも常磁性物質物性変化(例えば
常磁性物質でない物質に形態変化)を引き起こしにく
く、再使用の際に問題を生じない。
【0045】
【発明の効果】本発明によれば、従来難ろ過性物質を除
去するために使用されてきた方法、すなわち凝集沈殿−
砂ろ過法に比べて最終廃棄物の発生量が最小に抑えら
れ、かつ、薬品を使用しないプロセスであるために、ろ
過装置から流出する水質は従来法よりも格段によくな
る。
【0046】また、常磁性物質を添加し回収する工程か
らなるろ過装置で、かつ常磁性物質を再利用できるた
め、運転コストの低減を図ることができる。さらに、常
磁性物質に吸着したバクテリアなどの微生物の繁殖を防
止するために、直流電圧の印加,熱水の利用(ヒータ,
蒸気配管敷設),超音波の利用,アルカリの添加を行う
ことにより長期的に再利用することが可能となり、廃棄
物の発生を最小に抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る難ろ過性廃液のろ過方法およびそ
のろ過装置の第1の実施の形態を説明するための系統
図。
【図2】図1の状態から被処理液の収集状態を示す系統
図。
【図3】図2の状態から常磁性物質の被処理液への投入
状態を示す系統図。
【図4】図3の状態から廃液処理時の状態を示す系統
図。
【図5】図4の状態から逆洗水の排出状態を示す系統
図。
【図6】図5の状態から常磁性物質の排出と濃縮タンク
からの水の回収状態を示す系統図。
【図7】図6の状態から常磁性物質の再利用状態を示す
系統図。
【図8】本発明の第1の実施の形態において、従来例と
の比較値を示す特性図。
【図9】図8と同じく、常磁性物質の有無とろ過差圧の
関係を示す特性図。
【図10】図8と同じく、常磁性物質のマグネタイトの
有無とろ過差圧の関係を示す特性図。
【図11】本発明に係る難ろ過性廃液のろ過装置の第2
の実施の形態を示す系統図。
【図12】本発明に係る難ろ過性廃液のろ過装置の第3
の実施の形態を示す系統図。
【図13】本発明に係る難ろ過性廃液のろ過装置の第4
の実施の形態を示す系統図。
【図14】図13における超音波照射による微生物の繁殖
抑制効果を示す特性図。
【図15】本発明に係る難ろ過性廃液のろ過装置の第5
の実施の形態を示す系統図。
【符号の説明】
1…被処理液流入ライン、2…収集タンク、3…ポン
プ、4…逆洗可能フィルタ、5…電磁フィルタ、6…回
収常磁性物質、7…ポンプ、8…添加剤タンク、9…撹
拌機、10…処理液、11…逆洗液、12…回収常磁性物質、
13…濃縮廃液、14…濃縮タンク、15…中空糸膜フィル
タ、16…ポンプ、17…濃縮廃液、18…電極、19…直流電
源、20…加熱用蒸気配管、21…超音波振動子、22…超音
波発振器、23…添加剤(アルカリ)タンク、24…添加剤
(酸)タンク、25…フィードバックライン。

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 バクテリア,藻類,エマルジョン物質等
    の難ろ過性物質を含む難ろ過性廃液中に常磁性物質を加
    え撹拌したのち、ろ過処理を施すことを特徴とする難ろ
    過性廃液のろ過方法。
  2. 【請求項2】 前記難ろ過性物質と前記常磁性物質との
    混合物を固液分離する前記ろ過処理に逆洗可能なフィル
    タを使用することを特徴とする請求項1記載の難ろ過性
    廃液のろ過方法。
  3. 【請求項3】 前記常磁性物質はマグネタイト,鉄,ニ
    ッケル,コバルト,磁性合金などの粉末から選択された
    少なくとも一種からなることを特徴とする請求項1記載
    の難ろ過性廃液のろ過方法。
  4. 【請求項4】 難ろ過性廃液と常磁性物質とを収容する
    収集タンクと、この収集タンクに接続する逆洗可能フィ
    ルタと、この逆洗可能フィルタでろ過された前記常磁性
    物質を回収する電磁フィルタと、この電磁フィルタから
    流出する濃縮廃液中の難ろ過性物質を濃縮する濃縮タン
    クとを具備したことを特徴とする難ろ過性廃液のろ過装
    置。
  5. 【請求項5】 前記濃縮タンク内には中空糸膜フィルタ
    が設けられてなることを特徴とする請求項4記載の難ろ
    過性廃液のろ過装置。
  6. 【請求項6】 前記電磁フィルタで回収した常磁性物質
    を回収する回収常磁性物質タンクを設けるとともに添加
    剤タンクに戻すフィードバックラインを設けてなること
    を特徴とする請求項4記載の難ろ過性廃液のろ過装置。
  7. 【請求項7】 前記回収常磁性物質タンク内に一対の電
    極を設け、この一対の電極を直流電源に接続してなるこ
    とを特徴とする請求項4記載の難ろ過性廃液のろ過装
    置。
  8. 【請求項8】 前記回収常磁性物質タンク内に電気ヒー
    タを設けてなることを特徴とする請求項4記載の難ろ過
    性廃液のろ過装置。
  9. 【請求項9】 前記回収常磁性物質タンク内に蒸気加熱
    配管を設けてなることを特徴とする請求項4記載の難ろ
    過性廃液のろ過装置。
  10. 【請求項10】 前記回収常磁性物質タンク内に超音波
    振動子を設けてなることを特徴とする請求項4記載の難
    ろ過性廃液のろ過装置。
  11. 【請求項11】 前記回収常磁性物質タンク内にアルカ
    リおよび酸を添加する添加装置を設けてなることを特徴
    とする請求項4記載の難ろ過性廃液のろ過装置。
JP8148957A 1996-06-11 1996-06-11 難ろ過性廃液のろ過方法およびそのろ過装置 Pending JPH09327611A (ja)

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