JPH09327609A

JPH09327609A - オイルストレーナ

Info

Publication number: JPH09327609A
Application number: JP8147540A
Authority: JP
Inventors: Minoru Matsune; 穣松根
Original assignee: Nok Corp
Current assignee: Nok Corp
Priority date: 1996-06-10
Filing date: 1996-06-10
Publication date: 1997-12-22
Anticipated expiration: 2016-06-10
Also published as: JP3462345B2

Abstract

(57)【要約】【課題】油圧を低下させることなく濾過性能を高め
る。【解決手段】下ケース３と上ケース７との間で袋状に
形成した第１濾過部材１１の周縁部を挟持固定する。第
１濾過部材１の内面側の流出口８に近い部分には第１濾
過部材１１よりも目の細かい第２濾過部材１５が密着し
た状態で設けられる。流入口４を介して第１濾過部材１
１の内部に流れ込んだオイルは、第２濾過部材１５およ
び第１濾過部材１１を通過して両ケース３、７内に流れ
込み、流出口８から両ケース３、７外に流出する。第２
濾過部材１５によって第１濾過部材１１で濾過できない
ような細かい粒子を濾過することができる。第２濾過部
材１５は第１濾過部材１１の内面側の一部に設けられて
いるので、油圧の低下を低く抑えることができ、必要と
する油圧を十分に確保できる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】この発明は自動車の自動変速
装置等に用いられるオイルストレーナに関し、特に、目
の荒さの異なる２種類の濾過部材を具えたオイルストレ
ーナに関するものである。

【０００２】

【従来技術およびその問題点】従来、自動車の自動変速
装置等に用いられるオイルストレーナにあっては、種々
のタイプのものが提案されており、例えば、流入口を有
する合成樹脂製のカップ状の下ケースと、下ケースに対
向して設けられるとともに、流出口を有する合成樹脂製
のカップ状の上ケースとからなるケースと、前記両ケー
ス間に介装されるとともに、両ケースの周縁部間で周縁
部が挟持固定されるナイロン、ポリエステル等の繊維か
らなるフェルト状の不織布である濾過部材とを具えたも
のが一般に知られている。

【０００３】この場合、濾過部材は、シート状をなすも
のを２つ折りにして袋状に形成したものであって、折曲
げ部を除く周縁部を下ケースの周縁部と上ケースの周縁
部との間で挟持固定されるものである。そして、濾過部
材の内部には空所が形成され、この空所は濾過部材の一
部に設けた開口部を介して下ケースの流入口に連通する
ものである。

【０００４】そして、上記のような構成のオイルストレ
ーナを自動車の自動変速装置等に装着し、下ケースの流
入口にオイルが作用すると、そのオイルは流入口から濾
過部材の内部に流れ込み、濾過部材を通過してケース内
に流れ込む。そして、濾過部材を通過する際にオイル中
に含まれるスケール等の不純物が除去され、それらが含
まれていないオイルがケース内に流れ込み、ケース内を
流れて上ケースの流出口に作用し、流出口からケース外
に流出する。そして、このようなことを繰り返すことに
より、スケール等の不純物が含まれていないオイルを潤
滑部に供給することができるものである。

【０００５】しかしながら、上記のように構成される従
来のオイルストレーナにあっては、濾過部材の目の荒さ
が全体に渡って一様に形成されているため、除去できる
粒子の大きさが制限されてしまい、一定の大きさ以下の
細かい粒子を除去することができない。したがって、こ
のような細かい粒子まで除去するためには、オイルスト
レーナの濾過部材の目の荒さを細かくするか、細かい粒
子を除去できる外付けのフィルターを別個に設置する必
要がある。しかし、オイルストレーナの濾過部材の目の
荒さを細かくすると、通油抵抗が大きくなるために必要
とする大きさの油圧を確保することができなくなり、外
付けのフィルターを設置すると、構成部品の点数が多く
なり、メンテナンスに手間がかかることになる。

【０００６】この発明は前記のような従来のもののもつ
問題点を解決したものであって、油圧を低下させること
なく、しかも、構成部品の点数を多くすることなく、細
かい粒子のスケール等の不純物を確実に濾過することが
できる濾過性能の高いオイルストレーナを提供すること
を目的とするものである。

【０００７】

【問題点を解決するための手段】上記の問題点を解決す
るためこの発明は、流入口を有する下ケースの上部に、
シート状をなす第１濾過部材を２つ折りにして位置する
とともに、この第１濾過部材の上部に、流出口を有する
上ケースを位置して、上ケースの周縁部を前記下ケース
の周縁部に接合し、両ケースの周縁部間で前記第１濾過
部材の折曲げ部を除く周縁部を挟持固定するようになっ
ているオイルストレーナにおいて、前記第１濾過部材の
内面側の一部に前記第１濾過部材よりも目の細かい第２
濾過部材を密着した状態で設けた手段を採用したもので
ある。また、前記第２濾過部材を前記第１濾過部材の内
面側の前記上ケースの流出口に近い部分に設けた手段を
採用したものである。さらに、前記第１濾過部材を不織
布で形成するとともに、前記第２濾過部材を不織布又は
濾紙で形成した手段を採用したものである。

【０００８】

【作用】この発明は前記のような手段を採用したことに
より、流入口にオイルが作用すると、そのオイルは流入
口から第１濾過部材の内部に流れ込み、第２濾過部材お
よび第１濾過部材を介してケース内に流れ込み、ケース
内を流れて流出口に作用し、流出口からケース外に流出
することになる。第２濾過部材は第１濾過部材よりも目
が細かく形成されているので、第１濾過部材で濾過でき
る粒子よりも細か粒子を第２濾過部材で瀘過することが
できることになる。

【０００９】

【発明の実施の形態】以下、この発明によるオイルスト
レーナの実施の形態について説明する。図１および図２
には、この発明によるオイルストレーナの一実施の形態
が示されていて、図１は全体を示す縦断面図、図２は図
１に示すものの第１濾過部材と第２濾過部材との関係を
示す説明図である。

【００１０】すなわち、この実施の形態に示すオイルス
トレーナ１は、流入口４を有する合成樹脂製のカップ状
の下ケース３と、下ケース３に対向して設けられるとと
もに、流出口８を有する合成樹脂製のカップ状の上ケー
ス７とからなるケース２と、前記両ケース３、７の周縁
部間で周縁部が挟持固定される第１濾過部材１１と、第
１濾過部材１１の内面側に密着した状態で設けられる第
２濾過部材１５とを具えている。

【００１１】下ケース３の開口周縁部には、外方に張り
出る鍔部５が全周に渡って一体に設けられるとともに、
鍔部５の内周側には鍔部５よりも一段低い段部６が全周
に渡って一体に設けられ、段部６内に後述する第１濾過
部材１１の周縁部が位置するものである。

【００１２】上ケース７の開口周縁部には、外方に張り
出る鍔部９が全周に渡って一体に設けられるとともに、
鍔部９の内周側には鍔部９よりも一段高い突部１０が全
周に渡って一体に設けられ、突部１０と前記下ケース３
の段部６との間で後述する第１濾過部材１１の周縁部が
挟持固定されるものである。

【００１３】第１濾過部材１１は、ナイロン、ポリエス
テル等の繊維からなるフェルト状の不織布であって、シ
ート状をなすものを２つ折りにして袋状に形成したもの
である。第１濾過部材１１の折曲げ部を除く周縁部は下
ケース３の周縁部と上ケース７の周縁部との間で挟持固
定されるとともに、一部に設けた開口部１２の周縁部は
下ケース３の流入口４の周縁部に熱融着等によって一体
に接合されるものである。第１濾過部材１１は、後述す
る第２濾過部材１５よりも目が荒く形成されるものであ
る。

【００１４】第２濾過部材１５は、第１濾過部材１１と
同様にナイロン、ポリエステル等の繊維からなるフェル
ト状の不織布であって、第１濾過部材１１の内面側の上
ケース７の流出口８に近い部分（流速の最も速い部分）
に超音波溶着、熱圧着等によって一体に接合されるもの
である。第２濾過部材１５は、第１濾過部材１１よりも
目が細かく形成され、第１濾過部材１１で濾過できない
ような細かい粒子であっても濾過できるものである。

【００１５】第２濾過部材１５は、オイルが循環するよ
うな箇所で使用する場合には、上ケース７の流出口８に
近い部分でなく、第１濾過部材１１の内面側の他の部分
に設けてもよい。また、第２濾過部材１５は、第１濾過
部材１１よりも目が細かく形成されているので、通油抵
抗が大きくなり油圧が低下するが、必要とする油圧の大
きさに応じて、第２濾過部材１５の面積、厚み等を設定
することによって、所望の油圧が得られるものである。
なお、第２濾過部材１５は濾紙等で形成してもよいもの
は勿論のことであり、その場合には第１濾過部材１１の
内面側に接着剤等を用いて接着すればよいものである。

【００１６】第１濾過部材１１の周縁部を下ケース３と
上ケース７との間で挟持固定するには、第１濾過部材１
１の折曲げ部を下ケース３の段部６内に位置するととも
に、第１濾過部材１１の周縁部を介在させた状態で上ケ
ース７の突部１０を前記段部６内に位置し、両ケース
３、７の周縁部間を振動溶着等によって一体に接合すれ
ばよい。

【００１７】そして、上記のように構成したこの実施の
形態によるオイルストレーナ１を自動車の自動変速装置
等に装着し、下ケース３の流入口４にオイルが作用する
と、そのオイルは流入口４から第１濾過部材１１の内部
に流れ込み、第２濾過部材１５および第１濾過部材１１
を通過してケース２内に流れ込む。そして、ケース２内
を流れて上ケース７の流出口８に作用し、流出口８から
ケース２外に流出する。そして、このようなことを繰り
返すことにより、オイル中に含まれるスケール等の不純
物を除去することができるものである。

【００１８】上記のように構成したこの実施の形態によ
るオイルストレーナ１にあっては、第１濾過部材１１の
内面側の流出口８に近い部分に、第１濾過部材１１より
も目の細かい第２濾過部材１５を設けたことにより、第
１濾過部材１１で瀘過できないような細かい粒子であっ
ても第２濾過部材１５で濾過することができる。したが
って、濾過性能が大幅に向上することになる。そして、
第２濾過部材１５は、第１濾過部材１１の内面側の一部
に設けられているので、全体としての通油抵抗が大きく
なり過ぎて所定の油圧が得られなくなるようなことはな
く、必要とする油圧を十分に確保することができること
になる。そして、ケース２内に２種類の濾過部材１１、
１５を設けたことにより、外付けのフィルタが不要とな
り、構成部品の点数を少なくすることができ、メンテン
ナンスに要する手間を少なくすることができることにな
る。

【００１９】

【発明の効果】この発明は前記のように構成したことに
より、ケース内に、第１濾過部材と第１濾過部材よりも
目の細かい第２濾過部材の２種類の濾過部材を設けるこ
とができるので、第１濾過部材で濾過できないような細
かい粒子であっても第２濾過部材で濾過することができ
ることになり、濾過性能が著しく向上することになる。
しかも、この場合、第２濾過部材は、第１濾過部材の内
面側の一部に設けられているので、第２濾過部材をオイ
ルが通過しても全体としての通過抵抗が大きくなり過ぎ
るようなことはなく、必要とする油圧を十分に確保する
ことができることになる。さらに、第２濾過部材を第１
濾過部材の内面側に設けたことにより、第２濾過部材と
同様の機能を有する外付けのフィルターを設ける必要が
なくなり、構成部品の点数を少なくすることができ、メ
ンテナンスに要する手間を少なくすることができること
になる等の優れた効果を有するものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明によるオイルストレーナの一実施の形
態の全体を示す概略断面図である。

【図２】図１に示すものの第１濾過部材と第２濾過部材
との関係を示した説明図である。

【符号の説明】

１……オイルストレーナ２……ケース３……下ケース４……流入口５、９……鍔部６……段部７……上ケース８……流出口１０……突部１１……第１濾過部材１２……開口部１５……第２濾過部材

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】流入口（４）を有する下ケース（３）の
上部に、シート状をなす第１濾過部材（１１）を２つ折
りにして位置するとともに、この第１濾過部材（１１）
の上部に、流出口（８）を有する上ケース（７）を位置
して、上ケース（７）の周縁部を前記下ケース（３）の
周縁部に接合し、両ケース（３）（７）の周縁部間で前
記第１濾過部材（１１）の折曲げ部を除く周縁部を挟持
固定するようになっているオイルストレーナにおいて、前記第１濾過部材（１１）の内面側の一部に前記第１濾
過部材（１１）よりも目の細かい第２濾過部材（１５）
を密着した状態で設けたことを特徴とするオイルストレ
ーナ。
【請求項２】前記第２濾過部材（１５）を前記第１濾
過部材（１１）の内面側の前記上ケース（７）の流出口
（８）に近い部分に設けた請求項１記載のオイルストレ
ーナ。
【請求項３】前記第１濾過部材（１１）を不織布で形
成するとともに、前記第２濾過部材（１５）を不織布又
は濾紙で形成した請求項１記載のオイルストレーナ。