JPH09192419A - 流体フィルタおよびこの流体フィルタを用いたエンジンオイル濾過装置 - Google Patents

流体フィルタおよびこの流体フィルタを用いたエンジンオイル濾過装置

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JPH09192419A
JPH09192419A JP8047358A JP4735896A JPH09192419A JP H09192419 A JPH09192419 A JP H09192419A JP 8047358 A JP8047358 A JP 8047358A JP 4735896 A JP4735896 A JP 4735896A JP H09192419 A JPH09192419 A JP H09192419A
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filter
fluid
engine oil
oil
bypass
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JP8047358A
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Katsumi Wada
克己 和田
Seiji Shindo
誠司 進藤
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Wako Sangyo KK
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Wako Sangyo KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 エンジンオイルのグレードや濾過するゴミの
粒径の変化の如何に拘らず、濾材の交換頻度を減らすこ
とができるとともに、濾過効率を向上させることができ
るオイルフィルタ等の流体フィルタを得る。 【解決手段】 フィルタケース20内に配設されたフィ
ルタエレメント10を濾紙フィルタ11と不織布フィル
タ15とから構成し、濾紙フィルタ11の上流側に不織
布フィルタ15を設けている。濾過されるエンジンオイ
ルは、矢印Eで示すように、フィルタエレメント10の
外周側から内周側へ流れ、まず、不織布フィルタ15で
エンジンオイル内の不純物を除去した後に濾紙フィルタ
11を通過して濾過される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、エンジンの潤滑油
等、流体の濾過に用いられる流体フィルタに関するとと
もに、この流体フィルタを用いたエンジンオイル濾過装
置に関する。
【0002】
【従来の技術】エンジンの潤滑を行うためのエンジンオ
イル(潤滑油)においては、エンジンの駆動によって発
生する金属粉やカーボン等の固形分(ゴミ)をオイルフ
ィルタによって捕捉することにより、エンジン各部の研
削摩耗を減少させることとしており、オイルフィルタの
濾材としては濾紙が用いられることが多い。
【0003】オイルフィルタとしては、エンジンに供給
される潤滑油の濾過のみを行ういわゆるフルフロー式の
オイルフィルタがある。さらに、このフルフロー式のオ
イルフィルタよりも濾過精度を高くした(濾紙の目を細
かくした)バイパスフィルタを、フルフロー式のオイル
フィルタとは別の送油回路において潤滑油の循環を行う
循環回路に設けることにより微細なゴミの除去を行い、
よりエンジンの摩耗を減少させるようにしたコンビネー
ション式のフィルタシステムもある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】潤滑油内の不純物を十
分濾過させるためには、オイルフィルタの濾過精度はな
るべく高い(濾過粒度はなるべく小さい)方が良い。し
かし、オイルフィルタの濾過精度を高くすると、潤滑油
内の粒子の細かいゴミを多く捕捉することができるが、
目詰まりが生じやすく、濾過できる流量がすぐに少なく
なってしまい、頻繁にバイパスフィルタ(濾紙)の交換
を行わなければならなくなるとともに、濾過効率の低下
が大きくなるという問題があった。
【0005】特に、潤滑油における油種(品質と使用区
分によるAPIサービス分類における種類)のグレード
が高かったり(CE級もしくはCF級程度)、潤滑油中
のゴミの粒径が極めて微細な場合にはオイルフィルタの
濾過精度を高くすることが好ましいが、実際に濾過を行
う潤滑油の油種のグレードが低かったり、潤滑油中のゴ
ミの粒径が大きい場合には、グレードの高い潤滑油に適
した濾過精度のオイルフィルタを用いると、よりオイル
フィルタの目詰まりを生じやすくなる。
【0006】そこで、使用する潤滑油のグレードやゴミ
の粒径に合わせて、濾過精度の異なるオイルフィルタを
適宜使用することが考えられるが、これではオイルフィ
ルタの種類が増加し、生産工程が煩雑になるとともに使
用者を混乱させるおそれもある。
【0007】本発明は、このような問題に鑑みてなされ
たものであり、流体の種類や濾過するゴミの粒径の変化
の如何に拘らず、濾材の交換頻度を減らすことができる
とともに濾過効率を向上させることができる流体フィル
タを提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明の流体フィルタは、流体の流入孔および流
出孔を備えたフィルタケース内にフィルタエレメントを
保持させている。フィルタエレメントは、フィルタケー
スの流入孔から流入した流体を通過させて濾過した後流
出孔から流出させる。このフィルタエレメントは、濾紙
によって形成された第一濾材と、化学繊維製の不織布に
よって形成された第二濾材とからなり、第二濾材は、第
一濾材の上流側に配設されている。
【0009】このように構成された流体フィルタによれ
ば、濾過される流体は、化学繊維製の不織布によって形
成された第二濾材を通過した後に、濾紙によって形成さ
れた第一濾材を通過することにより濾過される。これに
より、流体が不織布を通過することで大きいゴミがまず
捕捉されるため濾紙への負担が軽減され、その後濾紙を
通過することにより細かい他のゴミが効率よく捕捉され
る。
【0010】このため、濾過効率を向上させることがで
きるとともに、流体の濾過に伴う濾紙の目詰まりを減少
させることができ、濾過流量の減少割合を少なくするこ
とができるため、フィルタエレメント交換の寿命を延ば
すことができる。
【0011】このような効果を得るための第二濾材を形
成する不織布の仕様の例としては、材質をレーヨン、ポ
リエステル等の化学繊維を用いて、質量が50〜200
g/m2で、JIS B 8356に規定される油圧用
フィルタの濾過粒度試験による測定法にて50〜100
μmの濾過粒度を有するシート材とすることが好まし
い。なお、ここでの不織布の厚さとは、何等力を加えな
い自由状態における厚さであって、いわゆる見掛け厚さ
である。
【0012】また、フィルタエレメントは、濾紙を円筒
状に形成して外周側から内周側に向かって流体を通過さ
せて流体の濾過を行わせるようにすることが好ましく、
このように濾紙を円筒状にすることにより、濾紙の濾過
面積を広く取ることができるとともに外周に巻く不織布
の濾過面積を広く取ることができ、かつ、フィルタエレ
メントの外形寸法を小さくすることができる。
【0013】さらに、第二濾材の寸法を第一濾材より小
さく形成したり、第二濾材に貫通孔を形成したりするこ
とにより第二濾材に開放部を形成し、流入孔から流入し
た流体を第二濾材を通過させずに第一濾材のみを通過さ
せることができるようにすることが好ましい。このよう
な構成とすることにより、上流側の第二濾材に目詰まり
が生じた場合には、下流側の第一濾材に直接流体が流れ
込むため、早期の濾過流量の減少を防止することができ
る。
【0014】このように構成されたフィルタエレメント
が、エンジンオイルの濾過を行うフィルタエレメントで
ある場合には、第二濾材の濾過粒度は、APIサービス
分類によるグレードの高いエンジンオイルに適した濾過
粒度で形成することが好ましい。このような構成とする
ことにより、潤滑油のグレードが高かったり、潤滑油中
のゴミの粒径が極めて微細な場合には、第二濾材を通過
することで大きいゴミがまず捕捉されるため第一濾材へ
の負担が軽減され、その後第一濾材を通過することによ
り細かい他のゴミが効率よく捕捉される。
【0015】また、潤滑油のグレードが低かったり、潤
滑油中のゴミの粒径が大きい場合には、第二濾材におけ
る目詰まりを生じやすくなるが、第二濾材に目詰まりが
生じたときは第二濾材の開放部から潤滑油が直接第一濾
材へ流れ込むため、フィルタエレメント交換の寿命を延
ばすことができる。
【0016】そして、上記のように構成された流体フィ
ルタのうちのいずれかの流体フィルタを、フルフローフ
ィルタとバイパスフィルタとからなるエンジンオイル濾
過装置におけるバイパスフィルタとして用いることが好
ましい。なお、フルフローフィルタは、オイルパンとエ
ンジンとの間に配設され、エンジン潤滑部に供給される
エンジンオイルの濾過を行い、バイパスフィルタは、フ
ルフロー式のフィルタよりも濾過精度が高く構成され、
循環手段により循環するオイルパン内のエンジンオイル
の濾過を行う。
【0017】このように構成された流体濾過装置によれ
ば、フルフローフィルタにより濾過された潤滑油をエン
ジンへ供給することができる一方、濾過精度の高いバイ
パスフィルタにより、オイルパン内のエンジンオイルに
含まれるフルフローフィルタによって除去しきれなかっ
た細かい粒子の除去を行うことができる。さらに、濾過
されるエンジンオイルの流量の減少割合を少なくするこ
とができるため、オイルパン内のエンジンオイルの濾過
サイクルが多くなり、長時間にわたりオイルパン内のエ
ンジンオイルを清浄することができる。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の好
ましい実施の形態について説明する。まず、本発明に係
る流体フィルタを用いて、流体の一例であるエンジンオ
イルの濾過を行うエンジンオイル濾過装置について、図
3を参照しながら説明する。このシステムは、ディーゼ
ルエンジンEのエンジンオイルの濾過を行うものであ
り、エンジンオイルを清浄するためのオイルフィルタと
して、全流式(フルフロー式)の他、分流式(バイパス
式)のものも用いられるいわゆるコンビネーション式
(デュアルフロー式)のフィルタシステムである。これ
により、エンジンオイルの寿命を延ばすことができると
ともにエンジンの摩耗防止を図ることができる。
【0019】ポンプPによってオイルパンTから吸い上
げられたエンジンオイルはエンジンEへ供給されるが、
ポンプPとエンジンEとを繋ぐ供給油路L1にはフルフ
ローフィルタFが設けられており、エンジンEへ供給さ
れるエンジンオイルはこのフルフローフィルタFによっ
て濾過される。
【0020】供給油路L1にはオイルパンTへバイパス
するバイパス油路L2が繋がれている。バイパス油路L
2にはバイパスフィルタBが設けられ、ポンプPから吐
出されるエンジンオイルの一部がこのバイパスフィルタ
Bによって濾過された後タンクTに戻される(オイルパ
ンT内のエンジンオイルを循環させる)。なお、フルフ
ローフィルタFおよびエンジンEにおいて余剰となった
エンジンオイルをオイルパンTへ戻すための油路L3,
L4も設けられ、各油路L3,L4にはリリーフ弁R
1,R2が配設されている。
【0021】ここで、図1および図2を参照しながらバ
イパスフィルタBについて説明する。バイパスフィルタ
Bは、マウントボディ30と、このマウントボディ30
に固定用ボルト22を螺着することによって取り付けら
れるフィルタケース20および、このフィルタケース2
0内に着脱自在に保持されたフィルタエレメント10か
ら構成されている。
【0022】フィルタケース20は、上側にフィルタエ
レメント10を挿入させるための開孔を有する円筒状の
ケース本体21と、この開孔の反対側に設けられたケー
ス孔21aに貫通される固定用ボルト22からなる。こ
の固定用ボルト22は、ケース本体21の全長よりも長
く形成され、その先端部にはマウントボディ30に設け
られた雌ネジ30aに螺合する雄ネジ22aを有してい
る。
【0023】ケース孔21aには、ボルト受け24が取
り付けられている。そして、このボルト受け24の中央
部に設けられた貫通孔24aの下端面にはOリング24
bが備えられ、固定用ボルト22を貫通孔24aに挿入
し、マウントボディ30と螺合することによりフィルタ
ケース20内部からのエンジンオイルの漏出を防止する
ことができる。
【0024】フィルタケース20には、フィルタエレメ
ント10が挿嵌されるインナーチューブ23が備えられ
ている。このインナーチューブ23は、エンジンオイル
がフィルタエレメント10を通過する際に生じる差圧に
よりフィルタエレメント10が変形するのを防止するた
めのものであり、多数の透孔23cを有した金属プレー
トから本体23aが筒状に形成されている。
【0025】本体23aの下端部に取り付けられたエン
ドプレート23bの中心付近には取付孔23dが形成さ
れ、ゴム等の弾性材料によって製作されたゴムブッシュ
27が挿入されている。このゴムブッシュ27の中央部
にも貫通孔27aが設けられており、固定ボルト22が
挿入されるとゴムブッシュ27の弾性力により固定ボル
ト22に対して上下方向に摺動自在に、且つ、一定の保
持力を有して固定ボルト22に保持される。
【0026】固定ボルト22の外周であって、ボルト受
け24とゴムブッシュ27の間には、座金26を介して
スプリング25が備えられており、このスプリング25
はインナーチューブ23を上方に付勢する付勢力を有し
ている。これにより、フィルタケース20内に詳細を後
述するフィルタエレメント10を保持させて、固定ボル
ト22によってマウントボディ30に取り付けた場合
に、フィルタエレメント10はマウントボディ30に付
勢されて保持されることとなる。
【0027】フィルタエレメント10は、一定の折曲幅
を有して蛇腹状に折曲された(プリーツ状に折曲げられ
た)濾紙フィルタ(第一濾材)11と、環状にした濾紙
フィルタ11の上下端面に取り付けることにより濾紙フ
ィルタ11を菊花状に保持させる2枚の保持プレート1
2、12と、円筒状に形成された濾紙フィルタ11の外
周を形成する外側の折曲稜線11bに沿って(濾紙フィ
ルタ11の外周に)巻き付けられた不織布フィルタ(第
二濾材)15とから構成されている。
【0028】バイパスフィルタBには、フルフローフィ
ルタFに設けられている濾材よりも濾過精度の高い(目
が細かい)濾材が必要である。このため、濾紙フィルタ
11には0.1μmm以上の粒子を除去する濾過能力を
有した濾紙が使われている。なお、環状に形成された濾
紙フィルタ11の内周を形成する折曲稜線11aは、本
体23aの外周に接触するような寸法となっている。
【0029】不織布フィルタ15は、レーヨン、ポリエ
ステル等の化学繊維によって、質量が50〜200g/
2に形成されるとともに、濾過粒度が50〜100μ
mに形成されている。具体的には、見かけ厚さが0.5
mm〜2.0mm程度に形成されたシート材が用いら
れ、帯状に形成されている。このような形状寸法で形成
された不織布フィルタ15は、外側の折曲稜線11bに
接着されたり、保持プレート12、12に接着されたり
して、濾紙フィルタ11の外周に取り付けられる。
【0030】なお、不織布フィルタ15は、形成された
厚みや濾過される流体に応じて図のように濾紙フィルタ
11の外周に一周巻き付けたり(単層)、数周巻き付け
たり(複層)する。さらに、不織布フィルタ15の形状
としては、シート材を予め円筒状に形成し、濾紙フィル
タ11の外周に単層もしくは複層に配設してもよい。
【0031】マウントボディ30は、流入孔31および
流出孔32を有するとともに、流入通路33および流出
通路34が形成されている。そして、雌ネジ30aに、
前記のフィルタエレメント10を保持したフィルタケー
ス20を貫通して備えられている固定ボルト22の雄ネ
ジ22aを螺合させて、フィルタケース20をマウント
ボディ30に取り付けることによりバイパスフィルタB
を構成する。なお、フィルタケース20とマウントボデ
ィ30の取付部には、エンジンオイルの漏出を防止する
ためのシールリング28が備えられている。
【0032】上記のように構成されたバイパスフィルタ
Bにおいては、流入孔31から流入したエンジンオイル
は矢印Aで示すように流入通路33に送り込まれ、次い
で、ケース本体21内におけるフィルタエレメント10
の周囲空間13に送り込まれる。この後、エンジンオイ
ルは、矢印Eで示すようにまず、不織布フィルタ15を
通り、次いで濾紙フィルタ11を通って濾過され、イン
ナーチューブ23の透孔23cを通ってインナーチュー
ブ23内の空間14内に入る。そして、矢印Cで示すよ
うに流出通路34を通り、矢印Dで示すように流出孔3
2から濾過されたエンジンオイルが流出する。
【0033】ここで、図4および図5を参照しながら、
上記のように構成されたバイパスフィルタBの濾過効率
試験およびバイパスフィルタBを流れるエンジンオイル
の経時的な流量の変化の測定結果について説明する。
【0034】図4には、濾過効率試験の結果を表してい
る。なお、本濾過効率試験は、JIS D 1611
(自動車用オイルフィルタの試験方法)に基づいて行っ
たものである。ここで、実線で示す結果は上記バイパス
フィルタBのものであり、破線で示す結果は従来の(濾
紙フィルタ11と同一構成の濾紙だけが配設された)バ
イパスフィルタのものである。
【0035】試験開始後11時間を経過した時点での濾
過効率は、本発明のバイパスフィルタBが96.6%で
あるのに対し、従来のバイパスフィルタは94.6%と
低い。すなわち、不織布フィルタ15を設けることによ
り、濾紙フィルタ11にかかる負荷が軽減され、バイパ
スフィルタBの濾過効率が向上することとなる。
【0036】さらに、フィルタの使用時間が経過すると
フィルタに目詰まりを生じ、結果的にフィルタの目が細
かくなった状態と同じ状態となるため、濾過効率は徐々
に上昇する。そして、試験開始後40時間を経過した時
点での濾過効率は、本発明のバイパスフィルタBが9
8.3%となるのに対し、従来のバイパスフィルタは9
5.8%となる。
【0037】次に、図5を参照して上記の試験時におけ
るバイパス流量(バイパスフィルタB等をエンジンオイ
ルが通過する量、濾過できるエンジンオイルの量)につ
いて説明する。なお、前記と同様に、実線で示す結果は
上記バイパスフィルタBのものであり、破線で示す結果
は従来のバイパスフィルタのものである。
【0038】前記のように、フィルタを使用すると、フ
ィルタの目詰まりにより濾過効率は上昇するが、この目
詰まりに伴ってバイパス流量も低下する。具体的には、
試験開始直後は、両バイパスフィルタともバイパス流量
が5.1ι(リットル)/minであったものが、試験開
始後11時間を経過した時点でのバイパス流量は、本発
明のバイパスフィルタBが3.2ι/minであるのに対
し、従来のバイパスフィルタは2.8ι/minと低くな
っている。さらに、試験開始後40時間を経過した時点
でのバイパス流量は、バイパスフィルタBが2.6ι/
minあるのに対し、従来のバイパスフィルタは2.3ι
/minである。
【0039】この実験結果から分かるように、バイパス
フィルタBを用いることにより、バイパス流量の減少割
合を少なくすることができ、フィルタエレメント交換ま
での寿命を延ばすことができる。また、オイルパン内の
エンジンオイルの濾過サイクルが多くなるため、濾過効
率の向上を図ることができる。さらに、不織布フィルタ
15における不純物の濾過効果も加わるため、エンジン
オイル濾過装置全体としての不純物の捕捉量が増加する
ことにより、この面からも濾過効率が向上し、オイルパ
ン内のエンジンオイルを長時間清浄に保つことができ
る。
【0040】次に、図6を参照して本発明の異なる構成
のバイパスフィルタB′について説明する。このバイパ
スフィルタB′は、不織布フィルタ(第二濾材)45の
構成が、前記のバイパスフィルタBにおける不織布フィ
ルタ15の構成と異なるのみでその他は前記のバイパス
フィルタBと同一の構成となっている。このため、図6
においては、不織布フィルタ45以外の構成部材につい
ては図1と同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
【0041】不織布フィルタ45は、前記の不織布フィ
ルタ15と同様に濾紙フィルタ11の外周に巻き付けら
れているが、不織布フィルタ15においては上下方向の
寸法が2枚の保持プレート12、12間の寸法と同一に
形成されていたのに対し、不織布フィルタ45において
は、2枚の保持プレート12、12間の寸法L1よりも
短く形成されている。
【0042】すなわち、不織布フィルタ45において
は、上下方向の寸法L2が、2枚の保持プレート12、
12間の寸法L1よりも上端部および下端部においてそ
れぞれL3づつ短く形成されている。このため、このよ
うに構成された不織布フィルタ45を濾紙フィルタ11
の外周に巻き付けると、不織布フィルタ45の上端部の
上方と下端部の下方とにそれぞれ間隙46,46が生じ
る。
【0043】以上のように形成された不織布フィルタ4
5は、濾過粒度が50μm程度の比較的濾過精度が高い
材質のものが用いられる。これにより、バイパスフィル
タB′により潤滑油の濾過を行う場合、油種のグレード
が高かったり混入しているゴミの粒径が極めて微細な潤
滑油の場合には、間隙46,46から流入する一部の潤
滑油は直接濾紙フィルタ11で濾過されることとなる
が、ほとんどの潤滑油はまず不織布フィルタ45によっ
て濾過されるため、濾過効率の向上を図ることができる
とともに、濾過に伴う濾紙フィルタ11の目詰まりを減
少させることができるため濾過流量の減少割合を少なく
することもできる。
【0044】また、濾過を行う潤滑油の油種のグレード
が低かったり混入しているゴミの粒径が比較的大きい場
合には不織布フィルタ45の目詰まりを生じやすくなる
が、不織布フィルタ45に目詰まりが生じても間隙4
6,46から潤滑油が流入して濾紙フィルタ11による
濾過が行われる。なお、不織布フィルタ45は濾紙フィ
ルタ11の外周を形成する外側の折曲稜線11bに沿っ
て巻き付けられているため、間隙46,46が小さくて
も、この間隙46,46から流入した潤滑油は、菊花状
に形成された濾紙フィルタ11全体で濾過される。
【0045】ここで、上記のバイパスフィルタB′にお
いては、間隙46の寸法L3は1〜2mmで形成されて
いる。なお、このように間隙L3を形成するとともに、
不織布フィルタ45に複数の貫通孔47,47…を形成
するようにしてもよく、間隙46を形成せずに、貫通孔
47のみを設けるようにしてもよい。
【0046】次に、図7を参照して本発明の異なる構成
のバイパスフィルタB″について説明する。このバイパ
スフィルタB″は、前記のバイパスフィルタB,B′が
分解式フィルタと称されているのに対し、いわゆるスピ
ンオン型(カートリッジ型)フィルタと称されるタイプ
のフィルタである。バイパスフィルタB″は、マウント
ボディ80と、このマウントボディ80に形成された雄
ネジ部に螺合することによって取り付けられるフィルタ
ケース70および、このフィルタケース20内に保持さ
れたフィルタエレメント60から構成されている。
【0047】フィルタエレメント60は、前記フィルタ
エレメント10と同様に形成され、インナーチューブ6
7の外周に配設された濾紙フィルタ(第一濾材)61
と、濾紙フィルタ61の外周に巻き付けられた不織布フ
ィルタ(第二濾材)65とを有し、上下が保持プレート
66,62によって保持されている。
【0048】そして、流入孔81から流入したエンジン
オイルは矢印Aで示すように、フィルタエレメント60
の周囲空間63に送り込まれ、矢印Eで示すように、ま
ず不織布フィルタ65を通り、次いで濾紙フィルタ61
を通って濾過され、インナーチューブ67の透孔を通っ
た後、矢印Cで示すように上部保持プレート66の流出
通路を通り、矢印Dで示すように流出孔82から濾過し
たエンジンオイルを流出させる。
【0049】なお、上記の実施の形態における各バイパ
スフィルタB等においては、第一濾材をプリーツ状に折
曲げたヒダ折型に形成した場合について説明したが、本
発明はこのような形状の第一濾材に限られるものではな
く、濾材とスペーサとを交互に重ねた多層の濾過部材を
上記のインナーチューブ23に相当する部材の外周に巻
き付けることにより円筒状に形成した、いわゆる渦巻型
濾材(積層型濾材)であってもよい。
【0050】また、上記の各バイパスフィルタB等にお
いては、円筒状に形成されたフィルタエレメントの外側
から内側に向かってエンジンオイルが流れる構成として
いるが、本発明はこのような構成に限られるものではな
く、フィルタエレメントの内側から外側に向かってエン
ジンオイルが流れる構成としてもよい。この場合には、
不織布フィルタはインナーチューブの外周に巻き付ける
ようにすればよい。
【0051】さらに、上記の実施の形態においては、本
発明に係る流体フィルタをエンジンオイル濾過用のバイ
パスフィルタとして用いた場合について説明したが、本
発明はこのような実施例に限られるものではなく、フル
フローフィルタとして用いたり、エンジンオイル濾過装
置以外の燃料等の他の流体のフィルタとして用いること
も可能である。
【0052】
【発明の効果】以上のように、本発明に係る流体フィル
タは、化学繊維の不織布によって形成された第二濾材を
通過した後に濾紙によって形成された第一濾材を通過さ
せることによりエンジンオイル等の流体の濾過を行う。
これにより、濾過精度を高くすることができるとともに
濾過効率を向上させることができる。また、濾過流量の
減少割合が少なくなるため、濾材の交換を必要とするま
での寿命が長くなる。
【0053】また、第二濾材には、第二濾材を通過させ
ずに直接第一濾材に流体を流し込むための開放部を形成
するとともに、第二濾材の濾過粒度をグレードの高い潤
滑油の濾過に適したものとすることが好ましく、このよ
うな構成とすることにより、潤滑油のグレードやゴミの
粒径が異なっても、濾材の交換寿命が長くなる等の上記
の効果を維持することができる。
【0054】さらに、このように構成された流体フィル
タをバイパスフィルタとして用いることによりエンジン
オイル濾過装置を構成してもよく、このような構成とし
た場合には、併せて設けられているフルフローフィルタ
によりエンジンの潤滑部へ供給するエンジンオイルの濾
過を行わせ、これとは別個にオイルパン内のエンジンオ
イルを循環させてバイパスフィルタによってより細かい
ゴミを効率よく濾過させることができる。また、バイパ
スフィルタの交換寿命も延ばすことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る流体フィルタの断面図である。
【図2】上記流体フィルタの斜視図である。
【図3】上記の流体フィルタをバイパスフィルタとして
用いたフィルタシステムの構成を示す回路図である。
【図4】上記流体フィルタの試験結果を示す図である。
【図5】上記流体フィルタの試験結果を示す図である。
【図6】本発明に係る流体フィルタの異なる構成の断面
図である。
【図7】本発明に係る流体フィルタの異なる構成の断面
図である。
【符号の説明】
B,B′,B″ バイパスフィルタ 10,70 フィルタエレメント 11,61 濾紙フィルタ 15,45,65 不織布フィルタ 20,70 フィルタケース 30,80 マウントボディ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 F01M 11/03 B01D 29/06 510D 520B 520D 520F

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 流体の流入孔および流出孔を備えたフィ
    ルタケースと、 このフィルタケース内に保持され、前記流入孔から流入
    した流体を通過させて濾過し前記流出孔から流出させる
    フィルタエレメントとからなり、 このフィルタエレメントが、 濾紙によって形成された第一濾材と、 化学繊維製の不織布によって形成され、前記第一濾材の
    上流側に配設された第二濾材とからなることを特徴とす
    る流体フィルタ。
  2. 【請求項2】 前記第一濾材が、円筒状に形成され、外
    周側から内周側に向かって流体を通過させて流体の濾過
    を行い、 前記第二濾材が、質量が50〜200g/m2で、濾過
    粒度が50〜100μm(JIS B 8356 油圧
    用フィルタの濾過粒度試験による)のシート材からな
    り、 前記第一濾材の外周を覆って前記第二濾材が巻き付けら
    れていることを特徴とする請求項1に記載の流体フィル
    タ。
  3. 【請求項3】 前記第二濾材に、前記流入孔から流入し
    た流体を前記第二濾材を通過させずに前記第一濾材のみ
    を通過させる開放部が形成されていることを特徴とする
    請求項1もしくは請求項2に記載の流体フィルタ。
  4. 【請求項4】 前記フィルタエレメントがエンジンオイ
    ルの濾過を行うフィルタエレメントであり、前記第二濾
    材が、グレード(APIサービス分類による)の高いエ
    ンジンオイルの濾過に適した濾過粒度で形成されている
    ことを特徴とする請求項3に記載の流体フィルタ。
  5. 【請求項5】 エンジンオイルが貯留されたオイルパン
    と、 エンジン潤滑部と前記オイルパンとの間に配設され、前
    記エンジン潤滑部に供給されるエンジンオイルを濾過す
    るフルフローフィルタと、 前記オイルパン内のエンジンオイルを循環させる循環手
    段と、 前記フルフローフィルタより濾過精度が高く形成され、
    前記循環手段により循環するエンジンオイルの濾過を行
    うバイパスフィルタとからなるエンジンオイル濾過装置
    であって、 前記バイパスフィルタが請求項1から請求項4のいずれ
    かに記載の流体フィルタであることを特徴とするエンジ
    ンオイル濾過装置。
JP8047358A 1995-11-16 1996-03-05 流体フィルタおよびこの流体フィルタを用いたエンジンオイル濾過装置 Pending JPH09192419A (ja)

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