JPH09327508A - 医療用シート材 - Google Patents
医療用シート材Info
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- JPH09327508A JPH09327508A JP8149301A JP14930196A JPH09327508A JP H09327508 A JPH09327508 A JP H09327508A JP 8149301 A JP8149301 A JP 8149301A JP 14930196 A JP14930196 A JP 14930196A JP H09327508 A JPH09327508 A JP H09327508A
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- Japan
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- sheet material
- drug
- fiber sheet
- fiber
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Abstract
(57)【要約】 (修正有)
【課題】 当該医療用シート材に含まれる薬剤の薬効の
強弱、並びに薬剤の作用する期間を適用箇所或いは適用
症例に合わせて任意に調整することができる医療用シー
ト材を提供することを。 【解決手段】 吸水性繊維を基材とする繊維シート22
の一方表面或いは両表面上に、薬剤24を含む水溶性樹
脂23が付着していることを特徴とする。
強弱、並びに薬剤の作用する期間を適用箇所或いは適用
症例に合わせて任意に調整することができる医療用シー
ト材を提供することを。 【解決手段】 吸水性繊維を基材とする繊維シート22
の一方表面或いは両表面上に、薬剤24を含む水溶性樹
脂23が付着していることを特徴とする。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、包帯やシーツ、あ
るいは創面被覆材などに適用される医療用シート材に関
する。詳細には当該医療用シート材に含まれる薬剤の薬
効の強弱、並びに薬剤の作用する期間を適用箇所或いは
適用症例に合わせて任意に調整することができる医療用
シート材に関する。
るいは創面被覆材などに適用される医療用シート材に関
する。詳細には当該医療用シート材に含まれる薬剤の薬
効の強弱、並びに薬剤の作用する期間を適用箇所或いは
適用症例に合わせて任意に調整することができる医療用
シート材に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、包帯やシーツ、あるいは創面被覆
材などに適用される医療用シート材には、例えば特開平
4−1126号公報や特開平4−317654号公報に
記載のものがある。特開平4−1126号公報に記載の
シート材1は、図5に示すように基材2の片面に感圧接
着剤層3を設けると共に、その感圧接着剤層3のほぼ中
央部分に薬剤5を含むパット材4を配置したものであ
り、基材2の片面に設けた感圧接着剤層3によって、薬
剤5を含むパット材4が皮膚または創面に確実に固定さ
れるようになっていて、この状態でパッド材4に含まれ
る薬剤5が皮膚または創面に作用するようになってい
た。
材などに適用される医療用シート材には、例えば特開平
4−1126号公報や特開平4−317654号公報に
記載のものがある。特開平4−1126号公報に記載の
シート材1は、図5に示すように基材2の片面に感圧接
着剤層3を設けると共に、その感圧接着剤層3のほぼ中
央部分に薬剤5を含むパット材4を配置したものであ
り、基材2の片面に設けた感圧接着剤層3によって、薬
剤5を含むパット材4が皮膚または創面に確実に固定さ
れるようになっていて、この状態でパッド材4に含まれ
る薬剤5が皮膚または創面に作用するようになってい
た。
【0003】一方、特開平4−317654号公報に記
載の医療用シート材11は、図6に示すように、不織布
よりなる基材12表面に開口14を有するポリウレタン
フィルム13を積層してなり、前記基材12又はフィル
ム13には抗菌剤15が含まれていることを特徴とする
ものであり、このシート材11を創面に適用したとき、
創面が基材12及びフィルム13によって保護され、か
つ基材12又はフィルム13に含まれる抗菌剤15が創
面に作用するようになっている。
載の医療用シート材11は、図6に示すように、不織布
よりなる基材12表面に開口14を有するポリウレタン
フィルム13を積層してなり、前記基材12又はフィル
ム13には抗菌剤15が含まれていることを特徴とする
ものであり、このシート材11を創面に適用したとき、
創面が基材12及びフィルム13によって保護され、か
つ基材12又はフィルム13に含まれる抗菌剤15が創
面に作用するようになっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】これらの医療用シート
材の主な目的は創面に直接適用し、抗菌剤を除放して、
創面における細菌の増殖を抑制しようとするものであ
る。特開平4−1126号公報に記載のシート材は、小
範囲の創面を対象とし、周囲の正常皮膚部分に感圧接着
剤層が当たるように使用するものであり、広範囲の創面
には適用できない。
材の主な目的は創面に直接適用し、抗菌剤を除放して、
創面における細菌の増殖を抑制しようとするものであ
る。特開平4−1126号公報に記載のシート材は、小
範囲の創面を対象とし、周囲の正常皮膚部分に感圧接着
剤層が当たるように使用するものであり、広範囲の創面
には適用できない。
【0005】一方、特開平4−317654号公報に記
載のシート材は、広範囲の創面にも適用できるが、実際
には、このシート材の上に滅菌ガーゼをのせて包帯によ
り固定する使用方法をとらなければならない。体内から
の惨出液が多い場合は、ガーゼや包帯が湿潤状態とな
り、この中で細菌が増殖する危険性がある。
載のシート材は、広範囲の創面にも適用できるが、実際
には、このシート材の上に滅菌ガーゼをのせて包帯によ
り固定する使用方法をとらなければならない。体内から
の惨出液が多い場合は、ガーゼや包帯が湿潤状態とな
り、この中で細菌が増殖する危険性がある。
【0006】本発明は、このような事情に鑑みなされた
ものであり、当該医療用シート材に含まれる薬剤の薬効
の強弱、並びに薬剤の作用する期間を適用箇所或いは適
用症例に合わせて任意に調整することができる医療用シ
ート材を提供することを目的とするものである。
ものであり、当該医療用シート材に含まれる薬剤の薬効
の強弱、並びに薬剤の作用する期間を適用箇所或いは適
用症例に合わせて任意に調整することができる医療用シ
ート材を提供することを目的とするものである。
【0007】従来、抗菌剤入り軟膏やクリームをガーゼ
に塗布したものを創面に適用し、この上に滅菌ガーゼを
のせて包帯固定するいわゆる軟膏療法が一般的手法とし
て普及しているが、この軟膏塗布ガーゼの上に使用する
滅菌ガーゼならびに包帯の代替として当該医療用シート
材を適用することにより、抗菌作用を有する優れた被覆
効果が可能となる。
に塗布したものを創面に適用し、この上に滅菌ガーゼを
のせて包帯固定するいわゆる軟膏療法が一般的手法とし
て普及しているが、この軟膏塗布ガーゼの上に使用する
滅菌ガーゼならびに包帯の代替として当該医療用シート
材を適用することにより、抗菌作用を有する優れた被覆
効果が可能となる。
【0008】また、各種の創傷被覆材を適用する際に
も、一般的には、その上に滅菌ガーゼをのせて、包帯固
定する。それゆえ、滅菌ガーゼならびに包帯の代替とし
て当該医療用シート材を適用することにより、抗菌作用
を有する優れた被覆効果が可能となる。
も、一般的には、その上に滅菌ガーゼをのせて、包帯固
定する。それゆえ、滅菌ガーゼならびに包帯の代替とし
て当該医療用シート材を適用することにより、抗菌作用
を有する優れた被覆効果が可能となる。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1記載の発明は、吸水性繊維を基材とする繊
維シートの一方面或いは両表面上に、薬剤を含む水溶性
樹脂が付着していることを特徴とする医療用シート材を
その要旨とした。
め、請求項1記載の発明は、吸水性繊維を基材とする繊
維シートの一方面或いは両表面上に、薬剤を含む水溶性
樹脂が付着していることを特徴とする医療用シート材を
その要旨とした。
【0010】請求項2記載の発明は、上記の繊維シート
の一方表面或いは両表面上に薬剤を含む水溶性樹脂が付
着していると共に、一方表面に透湿性フィルムが積層一
体化されていることを特徴とする医療用シート材をその
要旨とした。
の一方表面或いは両表面上に薬剤を含む水溶性樹脂が付
着していると共に、一方表面に透湿性フィルムが積層一
体化されていることを特徴とする医療用シート材をその
要旨とした。
【0011】請求項3記載の発明は、薬剤が抗菌剤であ
ることを特徴とする医療用シート材をその要旨とした。
ることを特徴とする医療用シート材をその要旨とした。
【0012】請求項4記載の発明は、水溶性樹脂中に染
料が含まれていることを特徴とする医療用シート材をそ
の要旨とした。
料が含まれていることを特徴とする医療用シート材をそ
の要旨とした。
【0013】
【発明の実施の形態】以下に本発明の医療用シート材の
一形態について説明する。図1及び図2に示すように、
この医療用シート材21は繊維シート22上に薬剤を含
む水溶性樹脂23が付着していることを特徴としてい
る。
一形態について説明する。図1及び図2に示すように、
この医療用シート材21は繊維シート22上に薬剤を含
む水溶性樹脂23が付着していることを特徴としてい
る。
【0014】繊維シート22は、吸水性繊維を基材とす
るものであり、織物、編物、不織布、或いはこれらの複
合体といった形態を取り得る。この繊維シート22を構
成する基材には、吸水性繊維である木材パルプ、木綿な
どの植物繊維、レーヨン、キュプラなどの再生繊維、ア
セテートなどの半合成繊維や、非吸水性繊維であるナイ
ロン6、ナイロン66などのポリアミド繊維、ポリエス
テル繊維、アクリル繊維といった合成繊維などが用いら
れる。これらの繊維の内、1種類を単独使用、或いは2
種類以上を混合して繊維シートが構成されている。この
繊維シートは包帯やシーツなどに適用されることから、
比較的伸縮性が大きいものが好ましい。尚、吸水性繊維
を基材の一部として含ませる場合、吸水性繊維の量は
20〜80%が好ましい。
るものであり、織物、編物、不織布、或いはこれらの複
合体といった形態を取り得る。この繊維シート22を構
成する基材には、吸水性繊維である木材パルプ、木綿な
どの植物繊維、レーヨン、キュプラなどの再生繊維、ア
セテートなどの半合成繊維や、非吸水性繊維であるナイ
ロン6、ナイロン66などのポリアミド繊維、ポリエス
テル繊維、アクリル繊維といった合成繊維などが用いら
れる。これらの繊維の内、1種類を単独使用、或いは2
種類以上を混合して繊維シートが構成されている。この
繊維シートは包帯やシーツなどに適用されることから、
比較的伸縮性が大きいものが好ましい。尚、吸水性繊維
を基材の一部として含ませる場合、吸水性繊維の量は
20〜80%が好ましい。
【0015】この繊維シートの構成繊維の平均繊維径や
目付などは、当該医療用シート材の用途や使用状態に応
じて任意に設定すればよいが、構成繊維の平均繊維径が
5〜30ミクロンであり、目付が50〜300g/m2
の範囲のものが好ましい。その理由は以下の通りであ
る。すなわち構成繊維の平均繊維径が5ミクロン以下と
なると、吸水性は確保されるものの十分な通気性が得ら
れなくなり、反対に平均繊維径が30ミクロンを上回る
と塵や埃、細菌の捕集効率が低下し、かつ吸水性が損な
われてしまうことになる。又、繊維シートの目付が50
g/m2を下回るときには十分な吸水性、機械的強度、
細菌の捕集効率が得られず、300g/m 2を上回ると
きには十分な通気性が確保できなくなる。
目付などは、当該医療用シート材の用途や使用状態に応
じて任意に設定すればよいが、構成繊維の平均繊維径が
5〜30ミクロンであり、目付が50〜300g/m2
の範囲のものが好ましい。その理由は以下の通りであ
る。すなわち構成繊維の平均繊維径が5ミクロン以下と
なると、吸水性は確保されるものの十分な通気性が得ら
れなくなり、反対に平均繊維径が30ミクロンを上回る
と塵や埃、細菌の捕集効率が低下し、かつ吸水性が損な
われてしまうことになる。又、繊維シートの目付が50
g/m2を下回るときには十分な吸水性、機械的強度、
細菌の捕集効率が得られず、300g/m 2を上回ると
きには十分な通気性が確保できなくなる。
【0016】水溶性樹脂23とは、水(または水蒸気)
との接触により溶融する性質を持つ樹脂であり、具体的
には合成高分子であるポリビニルアルコール、ポリエチ
レングリコール、ポリビニールピロリドン、天然高分子
であるカルボキシ・メチルセルロース、澱粉、ゼラチン
などがある。この水溶性樹脂23に含まれる薬剤24と
しては、スルファジアジン銀や銀ゼオライトなどの抗菌
剤、塩化ベンザルコニウムなどの消毒剤などを挙げるこ
とができ、これらを単独で或いは併用して用いることが
できる。
との接触により溶融する性質を持つ樹脂であり、具体的
には合成高分子であるポリビニルアルコール、ポリエチ
レングリコール、ポリビニールピロリドン、天然高分子
であるカルボキシ・メチルセルロース、澱粉、ゼラチン
などがある。この水溶性樹脂23に含まれる薬剤24と
しては、スルファジアジン銀や銀ゼオライトなどの抗菌
剤、塩化ベンザルコニウムなどの消毒剤などを挙げるこ
とができ、これらを単独で或いは併用して用いることが
できる。
【0017】この薬剤24を含む水溶性樹脂23が前記
繊維シート22の一方表面(図1a及び図2a)または
両表面(図1b及び図2b)上に付着して、本発明の医
療用シート材21が構成されているのである。尚、水溶
性樹脂の付着形態は任意であり、ドット状、ストライプ
状、層状など当該医療用シート材の用途や使用形態に応
じて適宜決定すればよい。特に繊維シートの風合を保持
するためには、トッド状が好ましい。
繊維シート22の一方表面(図1a及び図2a)または
両表面(図1b及び図2b)上に付着して、本発明の医
療用シート材21が構成されているのである。尚、水溶
性樹脂の付着形態は任意であり、ドット状、ストライプ
状、層状など当該医療用シート材の用途や使用形態に応
じて適宜決定すればよい。特に繊維シートの風合を保持
するためには、トッド状が好ましい。
【0018】この医療用シート材21は、例えば創面被
覆材に適用したとき、図3a、図3bに示すように、繊
維シート22上に付着する水溶性樹脂23は、汗や水蒸
気、体内からの滲出液や血液などの水分との接触によ
り、繊維シート22側及び皮膚または創面s側へと溶け
出すことになる。このとき、水溶性樹脂23中に含まれ
る薬剤24も繊維シート22側及びまたは皮膚または創
面s側へと流れ出て、作用を発揮するようになる。
覆材に適用したとき、図3a、図3bに示すように、繊
維シート22上に付着する水溶性樹脂23は、汗や水蒸
気、体内からの滲出液や血液などの水分との接触によ
り、繊維シート22側及び皮膚または創面s側へと溶け
出すことになる。このとき、水溶性樹脂23中に含まれ
る薬剤24も繊維シート22側及びまたは皮膚または創
面s側へと流れ出て、作用を発揮するようになる。
【0019】このようにこの医療用シート材21にあっ
ては、水分との接触による水溶性樹脂23の溶出に伴っ
て、溶け出した水溶性樹脂23中に含まれる薬剤24も
流れ出て薬効を発揮するようになっているので、用途や
適用症例に合わせて医療用シート材21に含まれる薬剤
24の量及び水溶性樹脂23の量を適宜調整すること
で、皮膚や患部に作用する薬剤の量を調整でき、薬剤の
薬効の強弱、薬剤の作用する期間を調整することができ
る。
ては、水分との接触による水溶性樹脂23の溶出に伴っ
て、溶け出した水溶性樹脂23中に含まれる薬剤24も
流れ出て薬効を発揮するようになっているので、用途や
適用症例に合わせて医療用シート材21に含まれる薬剤
24の量及び水溶性樹脂23の量を適宜調整すること
で、皮膚や患部に作用する薬剤の量を調整でき、薬剤の
薬効の強弱、薬剤の作用する期間を調整することができ
る。
【0020】また、医療用シート材21における水溶性
樹脂23中には薬剤の他に染料を含ませることもでき
る。この場合には、当該シート材21に血液や体内から
の滲出液などが付着しても、不快感を不快感を軽減でき
るメリットがある。
樹脂23中には薬剤の他に染料を含ませることもでき
る。この場合には、当該シート材21に血液や体内から
の滲出液などが付着しても、不快感を不快感を軽減でき
るメリットがある。
【0021】また、この医療用シート材21は、図4に
示すような形状を取ることもできる。この形状は、薬剤
24を含む水溶性樹脂23が、繊維シート22の一方表
面(図4a)或いは両表面(図4b)上に付着している
と共に、一方表面に透湿性フィルム25が積層一体化さ
れていることを特徴とするものであり、シーツやドレー
プ、ドレッシングなどに好適に用いることができる。
示すような形状を取ることもできる。この形状は、薬剤
24を含む水溶性樹脂23が、繊維シート22の一方表
面(図4a)或いは両表面(図4b)上に付着している
と共に、一方表面に透湿性フィルム25が積層一体化さ
れていることを特徴とするものであり、シーツやドレー
プ、ドレッシングなどに好適に用いることができる。
【0022】透湿性フィルム25としては、湿気は通す
が液体は透過させない性質を有するプラスチックフィル
ムであり、具体的には特開平4−317654号公報に
記載の微多孔構造を有するポリウレタン膜やポリテトラ
フルオロエチレン膜、或いはポリエチレン膜やシリコン
膜などを挙げることができる。
が液体は透過させない性質を有するプラスチックフィル
ムであり、具体的には特開平4−317654号公報に
記載の微多孔構造を有するポリウレタン膜やポリテトラ
フルオロエチレン膜、或いはポリエチレン膜やシリコン
膜などを挙げることができる。
【0023】この透湿性フィルム25は、予め成膜され
たフィルムを繊維シート22の片面に積層一体化しても
良いが、繊維シート22の片面に樹脂溶液を塗布して、
繊維シート22上で成膜することもできる。
たフィルムを繊維シート22の片面に積層一体化しても
良いが、繊維シート22の片面に樹脂溶液を塗布して、
繊維シート22上で成膜することもできる。
【0024】この場合、フィルム25の厚みは任意であ
るが、例えばシーツに適用する場合には5〜100μm
の範囲が好ましい。何故ならこの範囲よりも薄いと、十
分な防水性及び機械的強度が得られなくなり、反対にこ
の範囲よりも厚い場合には透湿性の他に取り扱い性、ソ
フト感といった性能が損なわれることになるからであ
る。
るが、例えばシーツに適用する場合には5〜100μm
の範囲が好ましい。何故ならこの範囲よりも薄いと、十
分な防水性及び機械的強度が得られなくなり、反対にこ
の範囲よりも厚い場合には透湿性の他に取り扱い性、ソ
フト感といった性能が損なわれることになるからであ
る。
【0025】尚、この医療用シート材は、包帯や医療用
シーツの他に、ハップ材やプラスター、ドレッシングや
ドレープなどにも適用することができる。
シーツの他に、ハップ材やプラスター、ドレッシングや
ドレープなどにも適用することができる。
【0026】
【実施例】平均繊維径が2.5デニールのポリエステル
繊維と平均繊維径が3デニールのレーヨン繊維とからな
る目付109g/m2 の不織布(各繊維の重量比78/
22)の一方表面に、ポリビニルアルコールの樹脂溶液
にシルバーサルファジアジン銀と青色染料とを添加した
ものをドット状に塗布し、80°Cで5分間乾燥し、図
1a及び図2aに示す医療用シート材を得た。尚、この
医療用シート材におけるポリビニルアルコールの固形分
付着量は5g/m2 、シルバーサルファジアジン銀の付
着量(添加量)は0.5g/m2 、青色染料の付着量
(添加量)は0.05g/m2 であり、ポリビニルアル
コールのドット数は17ポイント/吋とした。
繊維と平均繊維径が3デニールのレーヨン繊維とからな
る目付109g/m2 の不織布(各繊維の重量比78/
22)の一方表面に、ポリビニルアルコールの樹脂溶液
にシルバーサルファジアジン銀と青色染料とを添加した
ものをドット状に塗布し、80°Cで5分間乾燥し、図
1a及び図2aに示す医療用シート材を得た。尚、この
医療用シート材におけるポリビニルアルコールの固形分
付着量は5g/m2 、シルバーサルファジアジン銀の付
着量(添加量)は0.5g/m2 、青色染料の付着量
(添加量)は0.05g/m2 であり、ポリビニルアル
コールのドット数は17ポイント/吋とした。
【0027】得られた医療用シートを5〓×5〓の大き
さに裁断し、これを緑膿菌を2×105/〓2の密度で播
種した寒天培地上に置き、37℃で3日間培養した。こ
の後、シート下の寒天培地1〓2を切りとり、滅菌生理
食塩水に入れ起音波処理により菌体母液を調整した。通
常の希釈法により菌数を測定したところ、当該医療用シ
ートの下には緑膿菌が生息していないことが確認され
た。一方、対照の寒天培地上では1×109〓の緑膿菌
が確認された。
さに裁断し、これを緑膿菌を2×105/〓2の密度で播
種した寒天培地上に置き、37℃で3日間培養した。こ
の後、シート下の寒天培地1〓2を切りとり、滅菌生理
食塩水に入れ起音波処理により菌体母液を調整した。通
常の希釈法により菌数を測定したところ、当該医療用シ
ートの下には緑膿菌が生息していないことが確認され
た。一方、対照の寒天培地上では1×109〓の緑膿菌
が確認された。
【0028】
【発明の効果】本発明の医療用シート材にあっては、水
分との接触による水溶性樹脂の溶出に伴って、溶け出し
た水溶性樹脂中に含まれる薬剤も流れ出て薬効を発揮す
るようになっているので、用途や適用症例に合わせて当
該医療用シート材に含まれる薬剤の量及び水溶性樹脂の
量を適宜調整することで、皮膚や患部に作用する薬剤の
量を調整でき、薬剤の薬効の強弱、薬剤の作用する期間
を適用箇所或いは適用症例に合わせて任意に調整するこ
とができる。
分との接触による水溶性樹脂の溶出に伴って、溶け出し
た水溶性樹脂中に含まれる薬剤も流れ出て薬効を発揮す
るようになっているので、用途や適用症例に合わせて当
該医療用シート材に含まれる薬剤の量及び水溶性樹脂の
量を適宜調整することで、皮膚や患部に作用する薬剤の
量を調整でき、薬剤の薬効の強弱、薬剤の作用する期間
を適用箇所或いは適用症例に合わせて任意に調整するこ
とができる。
【0029】このため、この医療用シート材にあって
は、例えば包帯や医療用シーツとして適用するときに、
患部の症状や皮膚の状態に応じて、薬剤が弱く作用する
ようにもできるし、薬剤が長期に渡って作用するように
して、包帯や医療用シーツの取り替え回数を減らすこと
もできる。
は、例えば包帯や医療用シーツとして適用するときに、
患部の症状や皮膚の状態に応じて、薬剤が弱く作用する
ようにもできるし、薬剤が長期に渡って作用するように
して、包帯や医療用シーツの取り替え回数を減らすこと
もできる。
【0030】また、繊維シートの一方面側に透湿性フィ
ルムを積層したものにあっては、上述の効果に加えて遮
水性も有しているので、シーツやドレープなどの素材と
してきわめて有効である。
ルムを積層したものにあっては、上述の効果に加えて遮
水性も有しているので、シーツやドレープなどの素材と
してきわめて有効である。
【0031】また、この医療用シート材の別形状とし
て、水溶性樹脂中に例えば青色の染料を含ませた場合に
は、当該シート材に血液や体内からの滲出液などが付着
しても、周りに与える不快感を軽減できるメリットがあ
る。
て、水溶性樹脂中に例えば青色の染料を含ませた場合に
は、当該シート材に血液や体内からの滲出液などが付着
しても、周りに与える不快感を軽減できるメリットがあ
る。
【図1】本発明の医療用シート材を示した側面図。
【図2】本発明の医療用シート材の要部拡大断面図。
【図3】本発明の医療用シート材における水溶性樹脂に
水分が接触して、同水溶性樹脂が溶出するとともに、こ
れに伴ってこれに含まれる薬剤も流れ出ていく状態を示
した要部拡大断面図。
水分が接触して、同水溶性樹脂が溶出するとともに、こ
れに伴ってこれに含まれる薬剤も流れ出ていく状態を示
した要部拡大断面図。
【図4】本発明の医療用シート材の別の形状を示した要
部拡大断面図。
部拡大断面図。
【図5】従来の医療用シート材を示した要部拡大断面
図。
図。
【図6】従来の別の医療用シート材を示した要部拡大断
面図。
面図。
22・・・繊維シート 23・・・水溶性樹脂 24・・・薬剤 25・・・透湿性フィルム
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 佐藤 弘 岐阜県大垣市米野町3丁目30番地 コーテ ック株式会社内 (72)発明者 山田 継 岐阜県大垣市米野町3丁目30番地 コーテ ック株式会社内
Claims (4)
- 【請求項1】 吸水性繊維を基材とする繊維シートの一
方表面或いは両表面上に、薬剤を含む水溶性樹脂が付着
していることを特徴とする医療用シート材。 - 【請求項2】 吸水性繊維を基材とする繊維シートの一
方表面或いは両表面に薬剤を含む水溶性樹脂が付着して
いると共に、一方表面に透湿性フィルムが積層一体化さ
れていることを特徴とする請求項1記載の医療用シート
材。 - 【請求項3】 薬剤が抗菌剤であることを特徴とする請
求項1または2記載の医療用シート材。 - 【請求項4】 水溶性樹脂中に染料が含まれていること
を特徴とする請求項1、2または3記載の医療用シート
材。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8149301A JPH09327508A (ja) | 1996-06-11 | 1996-06-11 | 医療用シート材 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8149301A JPH09327508A (ja) | 1996-06-11 | 1996-06-11 | 医療用シート材 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09327508A true JPH09327508A (ja) | 1997-12-22 |
Family
ID=15472168
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP8149301A Pending JPH09327508A (ja) | 1996-06-11 | 1996-06-11 | 医療用シート材 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH09327508A (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2004500179A (ja) * | 2000-01-03 | 2004-01-08 | バイオメド・サイエンシーズ・インコーポレーテッド | 新規な創傷用包帯、その製造方法およびその有用な物品 |
JP2007125155A (ja) * | 2005-11-02 | 2007-05-24 | Meditech:Kk | 血液拡散機能及び血液吸収機能を有する止血用具 |
JP2007215803A (ja) * | 2006-02-17 | 2007-08-30 | Teijin Ltd | 円筒体 |
CN102991040A (zh) * | 2011-07-18 | 2013-03-27 | 湖区工业公司 | 新型聚乙烯醇物品 |
JP2016531098A (ja) * | 2013-07-09 | 2016-10-06 | マヌカメッド リミテッド | 創傷被覆材 |
-
1996
- 1996-06-11 JP JP8149301A patent/JPH09327508A/ja active Pending
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2004500179A (ja) * | 2000-01-03 | 2004-01-08 | バイオメド・サイエンシーズ・インコーポレーテッド | 新規な創傷用包帯、その製造方法およびその有用な物品 |
JP2007125155A (ja) * | 2005-11-02 | 2007-05-24 | Meditech:Kk | 血液拡散機能及び血液吸収機能を有する止血用具 |
JP2007215803A (ja) * | 2006-02-17 | 2007-08-30 | Teijin Ltd | 円筒体 |
CN102991040A (zh) * | 2011-07-18 | 2013-03-27 | 湖区工业公司 | 新型聚乙烯醇物品 |
JP2016531098A (ja) * | 2013-07-09 | 2016-10-06 | マヌカメッド リミテッド | 創傷被覆材 |
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