JPH09324788A - 真空ポンプ - Google Patents

真空ポンプ

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JPH09324788A
JPH09324788A JP14290696A JP14290696A JPH09324788A JP H09324788 A JPH09324788 A JP H09324788A JP 14290696 A JP14290696 A JP 14290696A JP 14290696 A JP14290696 A JP 14290696A JP H09324788 A JPH09324788 A JP H09324788A
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screw
rotary shaft
axial target
shaft
axial
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Masao Ono
正雄 大野
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  • Non-Positive Displacement Air Blowers (AREA)
  • Control Of Positive-Displacement Air Blowers (AREA)
  • Structures Of Non-Positive Displacement Pumps (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 スラスト磁気軸受及びラジアル磁気軸受を介
して支持された回転軸の下端部にアキシャルターゲット
を螺着させるようにしたターボ分子ポンプにおいて、ア
キシャルターゲットの薄肉化を図ることができるように
し、もって、回転系の軸長を短くするとともにその端部
を軽量化することで回転系の共振点を上げてさらなる高
速化が図れるようにする。 【解決手段】 回転軸(4)に、内周に雌ねじが形成さ
れたねじ穴(4a)を設ける一方、アキシャルターゲッ
ト(15)に、外周に上記雌ねじに螺合する雄ねじが形
成されたねじ軸(15a)を設けるようにすることで、
従来のアキシャルターゲットが有するねじ穴を無くし、
そのようなねじ穴を有することに起因するアキシャルタ
ーゲット(15)の薄肉化の制約が無くなるようにす
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ターボ分子ポンプ
等の真空ポンプに関し、特に回転系の共振点を上げて高
速化を図る対策に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば特開平4−164187号公報や
特開平4−164188号公報等で知られているよう
に、ターボ分子ポンプは、超高真空排気が可能であるこ
とから、半導体装置製造時のエッチング工程において、
例えばアルミニウムの金属膜を真空雰囲気で塩素系ガス
によりエッチングするときに、その反応生成物としての
塩化アルミニウム(AlCl3 )のガス分子を排気する
際に用いられる。
【0003】従来のターボ分子ポンプについて説明する
と、図2に例示するように、上下方向に延びるように設
けられたケーシング(1)の内部に、回転軸(4)と該
回転軸(4)に回転一体に設けられたポンプロータ
(3)とが配置されている。この例では、上記回転軸
(4)は、スラスト磁気軸受(11)及びラジアル磁気
軸受(12),(12)により回転可能に支持されてい
る。そして、図5(a)に拡大して示すように、回転軸
(a)の下端部には、該回転軸(a)のスラスト方向の
位置を検出するためのアキシャルターゲット(b)が螺
着されており、このアキシャルターゲット(b)により
上記スラスト磁気軸受のディスク(c)は回転軸(a)
に回転一体に連結されている。具体的には、上記回転軸
(a)は、外周に雄ねじが形成されたねじ軸(d)を有
し、一方、アキシャルターゲット(b)は、内周に上記
雄ねじに螺合する雌ねじが形成されたねじ穴(e)を有
する。その際に、アキシャルターゲット(b)の直径方
向に対向する2箇所の側部には、図5(b)にも示すよ
うに、このアキシャルターゲット(b)を回転軸(a)
に螺着させる際に使用されるスパナの口が係合可能な切
欠部(f),(f)が設けられている。さらに、アキシ
ャルターゲット(b)の底面には、回転軸(a)の回転
数を検出するための凹部(g),(g)が設けられてい
る。尚、図5(a)において、(h)はアキシャルター
ゲット(b)との間のギャップを検出する位置センサで
あり、(i)は上記凹部(g)の通過回数を検出する回
転数センサである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記ターボ
分子ポンプにおいて、超高真空が得られるようにするに
は回転系を高速回転させる必要があり、そのためには、
回転系の共振点を上げる必要がある。しかしながら、上
記従来のターボ分子ポンプでは、回転系の軸長を短くし
たり、その端部を軽量化することに制約があり、十分に
共振点を上げることは困難である。
【0005】具体的には、上記アキシャルターゲット
(b)の厚さ(T)を薄くすることに制約があるため
に、そのような薄肉化により回転系の軸長を短くしたり
回転系の端部を軽量化することは困難である。また、ア
キシャルターゲット(b)の外径(D)を小さくするこ
とにも制約があり、したがって、そのような小径化によ
り回転系の端部を軽量化することも困難である。
【0006】すなわち、上記アキシャルターゲット
(b)の厚さ(T)は、螺着作業時に使用されるスパナ
の頭部の厚さよりも大きくなければならない。また、ア
キシャルターゲット(b)のねじ穴(e)の深さ(L)
は、必要なねじ深さ(L1)に下穴分(L2)を加えた
ものであるが、このねじ穴(e)の深さ(L)よりも厚
さ(T)の方が大きくなければならない。尚、ねじ穴
(e)については、図6に示すように、ねじ穴(e)を
貫通孔にすれば、ねじ深さ(L)を考慮しなくても済む
ようになり、このことで、アキシャルターゲット(b)
の薄肉化は可能となるが、その代わりに、位置センサ
(h)との間のギャップ調整ができなくなり、その上、
回転軸(a)を加工する際に必要なセンタ穴(図5
(a)の(j))がとれなくなることから、より高度の
加工が回転軸(a)に要求されることとなり、したがっ
て、採用することは難しい。
【0007】また、上記アキシャルターゲット(b)の
径(D)について説明すると、アキシャルターゲット
(b)の凹部(g)を回転数センサ(i)で検出する際
に、アキシャルターゲット(b)の切欠部(f),
(f)が影響するのを回避するためには、アキシャルタ
ーゲット(b)の径(D)はスパナの二面幅、つまり両
切欠部(f),(f)間の間隔(W)よりも大きくなけ
ればならない。よって、アキシャルターゲット(b)の
小径化にも制約がある。
【0008】本発明は斯かる諸点に鑑みてなされたもの
であり、その主な目的は、回転系を高速回転させるター
ボ分子ポンプ等の真空ポンプにおいて、回転軸にアキシ
ャルターゲット等の螺着部材を螺着させる構造に改良を
加えることで、上記螺着部材の薄肉化及び小径化を図る
ことができるようにし、もって、回転系の軸長を短くす
るとともにその端部を軽量化することにより回転系の共
振点を上げて高速化が図れるようにすることにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明では、アキシャルターゲットに設けられて
いるねじ穴を、回転軸の側に設けることとし、上記ねじ
穴を有することに起因するアキシャルターゲットの薄肉
化の制約をなくするようにした。
【0010】具体的には、請求項1の発明では、図2に
示すように、吸気口(1)及び排気口(2)を有するケ
ーシング(3)と、このケーシング(3)内に回転可能
に設けられた回転軸(4)と、この回転軸(4)に回転
一体に設けられたポンプロータ(5)と、上記回転軸の
一端部(図示する例では下端部)に回転一体に螺着され
た螺着部材(15)とを備えた真空ポンプが前提であ
る。
【0011】そして、図1、図3及び図4にそれぞれ示
すように、上記回転軸(4)は、上記端部の軸心位置に
該回転軸(4)の軸心方向に延びるように設けられかつ
内周に雌ねじが形成されてなるねじ穴(4a)を有する
一方、上記螺着部材(15)は、外周に上記雌ねじに螺
合して回転軸(4)に螺着部材(15)を螺着させる雄
ねじが形成されてなるねじ軸(15a)を有するものと
する。
【0012】上記の構成において、真空ポンプの回転軸
(4)の一端部には、螺着部材(15)が螺着されてい
る。このとき、回転軸(4)の上記端部には、雌ねじを
有するねじ穴(4a)が設けられている一方、螺着部材
(15)には、上記雌ねじに螺合する雄ねじを有するね
じ軸(15a)が設けられており、これらのことで、従
来では螺着部材の側に設けられているねじ穴は不要とな
る。よって、そのようなねじ穴を有することに起因する
螺着部材(15)の薄肉化の制約はなくなり、螺着部材
(15)の厚さ(T)を薄くすることができるようにな
る。
【0013】請求項2の発明では、上記請求項1の発明
において、ねじ穴(4a)の開口端側内周には、回転軸
(4)に螺着部材(15)を螺着させるときにねじ軸
(15a)の基部外周に周接して回転軸(4)に対し螺
着部材(15)を同軸状に位置決めするガイド部(4
b)が形成されているものとする。
【0014】上記の構成において、回転軸(4)の雌ね
じに螺着部材(15)の雄ねじが螺合していくと、ねじ
穴(4a)の開口端側内周のガイド部(4b)にねじ軸
(15a)の基部外周が周接するようになり、このこと
で、回転軸(4)に対し螺着部材(15)は同軸状に位
置決めされた状態で螺着される。よって、上記雌ねじ及
び雄ねじ間の螺合のみによっては不十分とならざるを得
ない螺着部材(15)の同軸管理が、十分に行えるよう
になる。
【0015】請求項3の発明では、上記請求項1又は2
の発明において、ケーシング(3)と回転軸(4)との
間に、スラスト磁気軸受(11)及びラジアル磁気軸受
(12)がそれぞれ介装されている場合に、螺着部材
(15)は、回転軸(4)のスラスト方向の位置を検出
するためのアキシャルターゲットで構成されているもの
とする。
【0016】上記の構成において、回転軸(4)の雌ね
じには、アキシャルターゲット(15)の雄ねじが螺合
していて、該アキシャルターゲット(15)が回転軸
(4)の一端部に螺着されている。よって、上記請求項
1及び2の発明での作用は具体的にかつ適正に営まれ
る。
【0017】請求項4の発明では、上記請求項3の発明
において、アキシャルターゲット(15)が、該アキシ
ャルターゲット(15)の軸心から偏心した位置に回転
軸(4)の回転数検出用の凹部(15b)を有するもの
である場合に、上記凹部(15b)は、アキシャルター
ゲット(15)を回転軸(4)に螺着させるための工具
が係合可能とされているものとする。
【0018】上記の構成において、真空ポンプでの回転
軸(4)の回転数は、アキシャルターゲット(15)の
凹部(15b)を用いることで検出される。このとき、
上記凹部(15b)は、回転軸(4)にアキシャルター
ゲット(15)を螺着させる際に、その螺着作業に使用
される工具が係合可能である。つまり、上記凹部(15
b)は、本来の回転数検出に用いられることに加え、回
転軸(4)にアキシャルターゲット(15)を螺着させ
る際には、工具の係合部としても利用される。よって、
螺着工具を係合させるために従来のアキシャルターゲッ
トに設けられている切欠部(図5の(f)参照)が不要
となるので、そのような切欠部を有することに起因する
アキシャルターゲット(15)の小径化の制約はなくな
り、アキシャルターゲット(15)の外径を小さくする
ことができるようになる。
【0019】請求項5の発明では、上記請求項3又は4
の発明において、アキシャルターゲット(15)に、ス
ラスト磁気軸受(11)のディスク(11a)が一体に
設けられているものとする。
【0020】上記の構成において、真空ポンプ内でのス
ラスト磁気軸受(11)のディスク(11a)は、アキ
シャルターゲット(15)に一体に設けられている。し
たがって、上記回転軸(4)に対するディスク(11
a)の組付作業は、アキシャルターゲット(15)が回
転軸(4)に螺着されることで同時に行われることにな
り、このために、回転軸の端部にディスクを外嵌合させ
た状態でアキシャルターゲットを螺着させるようにする
従来の場合よりも、部品の組付作業は容易化される。さ
らに、請求項4の発明の場合には、アキシャルターゲッ
ト(15)に凹部(15b)を設ける際に、アキシャル
ターゲット(15)の部分に止どまらず、ディスク(1
1a)の部分に亘って設けることができるので、そのア
キシャルターゲット(15)の厚さ(T)よりも軸心方
向の長さの大きい凹部(15b)が得られ、よって、ア
キシャルターゲット(15)の薄肉化に拘らず、凹部
(15b)に対する螺着工具のより確実な係合は確保さ
れる。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面に
基づいて説明する。 (実施形態1)図2は、本発明の実施形態1に係る真空
ポンプとしてのターボ分子ポンプの全体構成を示してい
る。このターボ分子ポンプは、半導体装置製造時のドラ
イエッチング工程において、その基板表面に形成された
アルミニウムの金属膜を真空雰囲気で塩素系ガスを用い
てエッチングする際に、その反応生成物である塩化アル
ミニウム(AlCl3 )のガス分子を排気するために用
いられる。
【0022】上記ターボ分子ポンプは、吸気口(1)及
び排気口(2)を有するケーシング(3)と、このケー
シング(3)内に回転可能に設けられかつ上下方向に延
びるように配置された回転軸(4)と、この回転軸
(4)に回転一体に設けられたポンプロータ(5)と、
上記回転軸(4)を回転駆動する電動モータ(6)とを
備えている。
【0023】上記ケーシング(3)は、上下方向に延び
かつ上下両端が開口された略円筒状の内部ケーシング
(3a)と、この内部ケーシング(3a)の下端開口縁
に外向きフランジ状に一体に設けられた排気口ケーシン
グ(3b)と、この排気口ケーシング(3b)の下面に
内部ケーシング(3a)の下端開口を覆うように設けら
れた底部ケーシング(3c)と、上記排気口ケーシング
(3b)上に上下に重なるように設けられた略円筒状の
下部ポンプケーシング(3d)及び上部ポンプケーシン
グ(3e)と、この上部ポンプケーシング(3e)の上
端開口縁に設けられた吸気口ケーシング(3f)とから
なっている。そして、上記吸気口(1)は吸気口ケーシ
ング(3f)により形成されている一方、排気口(2)
は、排気口ケーシング(3b)に側方(図2の左方)に
向かって開口した状態に形成されている。
【0024】上記排気口ケーシング(3b)と底部ケー
シング(3c)との間には、回転軸(4)をスラスト方
向(図2の上下方向)において回転可能に支持するスラ
スト磁気軸受(11)が配置されている。この磁気軸受
(11)は、回転軸(4)の下端部に同心状にかつ回転
一体に設けられた磁性体からなるディスク(11a)
と、このディスク(11a)の上下に近接配置された電
磁石(11b),(11b)とからなっている。一方、
内部ケーシング(3a)内の上下2箇所には、各々、回
転軸(4)をラジアル方向において回転可能に支持する
ラジアル磁気軸受(12)が配置されている。各ラジア
ル磁気軸受(12)は、回転軸(4)に回転一体に外嵌
合された磁性体からなる円筒部(12a)と、この円筒
部(12a)の外周側に近接配置された電磁石(12
b)とからなっている。そして、これら両ラジアル磁気
軸受(12),(12)間に上記電動モータ(6)が配
置されている。この電動モータ(6)は、回転軸(4)
に回転一体に外嵌合されたモータロータ(6a)と、こ
のモータロータ(6a)の外周側に配置されたモータス
テータ(6b)とからなっている。
【0025】上記回転軸(4)の下端部下方には、該回
転軸(4)のスラスト方向の位置を検出するスラスト位
置センサ(13)と、回転軸(4)の回転速度を検出す
る回転センサ(14)とが設けられている。具体的に
は、上記回転軸(2)の下端部には、螺着部材としての
アキシャルターゲット(15)が回転一体に設けられて
おり、一方、底部ケーシング(3c)の回転軸(4)の
軸心に対向する位置には上記位置センサ(13)が、ま
た軸心から偏心した位置には上記回転センサ(14)が
それぞれ配置されている。そして、上記アキシャルター
ゲット(15)の底面は回転軸(4)の軸心と直交する
平面とされており、この底面とのギャップをスラスト位
置センサ(13)により検出するようになっている。ま
た、アキシャルターゲット(15)の底面における周縁
部の互いに180°だけずれた2箇所の位置には、断面
円形状をなす回転速度検出用の凹部(15b)がそれぞ
れ設けられており、これら凹部(15b),(15b)
が回転センサ(14)上を通過する回数に基づいて回転
軸(4)の回転速度を検出するようになっている。
【0026】上記スラスト磁気軸受(11)と、下側の
ラジアル磁気軸受(12)との間には、回転軸(4)の
下端側のラジアル方向の位置を検出するラジアル位置セ
ンサ(16)が配置されている。また、上側ラジアル磁
気軸受(12)の上方には、回転軸(4)の上端側のラ
ジアル方向の位置を検出するラジアル位置センサ(1
6)が配置されている。さらに、上記スラスト磁気軸受
(11)と下側のラジアル位置センサ(16)との間、
及び電動モータ(7)と上側のラジアル磁気軸受(1
2)との間には、各々、回転軸(4)の回転異常時に該
回転軸(4)を保護する軸受(17)が配置されてい
る。
【0027】上記ポンプロータ(5)は、下端が開口さ
れた有底筒状をなしていて、上記回転軸(4)の上端部
にボルト(18),(18),…により回転一体に連結
されている。その外周側の上半部には、各々、半径方向
外方に向かって延びるように設けられた複数の動翼(1
9),(19),…が軸心方向に多段に配置されてい
る。一方、これら動翼(19),(19),…に対向し
て、上部ポンプケーシング(3e)の内周側には、各
々、半径方向内方に向かって延びるように設けられた複
数の静翼(20),(20),…が、同じく軸心方向に
多段にかつ動翼(19),(19),…と交互に位置す
るように配置されている。上下に隣接する静翼(2
0),(20)間にはスペーサ(21)がそれぞれ介装
されている。そして、これら動翼(19),(19),
…及び静翼(20),(20),…により、ターボポン
プが構成されている。
【0028】また、上記ポンプロータ(5)の外周面下
半部は円筒面とされている。一方、この円筒面に対向す
る上記下部ポンプケーシング(3d)の内周には、複数
条のねじ溝(22),(22),…が設けられている。
そして、これら円筒面及びねじ溝(22),(22),
…により、ねじポンプが構成されている。
【0029】上記内部ケーシング(3a)と、排気口ケ
ーシング(3b)と、下部ポンプケーシング(3d)と
の間には、円環状の環状路(23)が回転軸(4)の周
りを巡るように形成されており、この環状路(23)
は、排気口ケーシング(3b)に設けられた連通路(2
4)により上記排気口(2)に連通している。尚、図2
の(25)は、上記各磁気軸受(11),(12)の電
磁石(11b),(12b)、電動モータ(6)及び各
センサ(13),(14),(16)等と、図外の給電
装置及び制御装置とを電気的に接続するためのコネクタ
である。
【0030】そして、本実施形態では、図1(a)に示
すように、上記回転軸(4)は、下端部の軸心位置に該
回転軸(4)の軸心方向に延びるように設けられかつ内
周に雌ねじが形成されてなるねじ穴(4a)を有する一
方、上記アキシャルターゲット(15)は、外周に上記
雌ねじに螺合して回転軸(4)にアキシャルターゲット
(15)を螺着させるための雄ねじが形成されてなるね
じ軸(15a)を有する。
【0031】また、上記アキシャルターゲット(10)
の凹部(15b),(15b)は、アキシャルターゲッ
ト(15)を回転軸(4)に螺着させるための工具が係
合可能とされているさらに、上記ねじ軸(15a)の基
部外周は、円筒面状に形成されており、一方、上記ねじ
穴(4a)の開口端側内周には、回転軸(4)にアキシ
ャルターゲット(15)を螺着させるときにねじ軸(1
5a)の基部外周に周接して回転軸(4)に対しアキシ
ャルターゲット(15)を同軸状に位置決めする円筒面
状のガイド部(4b)が形成されている。尚、図1
(a)の(26)は、スラスト位置センサ(13)及び
アキシャルターゲット(15)間のギャップ調整を行う
ためのスペーサである。
【0032】次に、上記ターボ分子ポンプにおいて、回
転軸(4)にアキシャルターゲット(15)を回転一体
に連結する作業について説明する。ここでは、先端部が
二股に分かれていて、その各先端が上記アキシャルター
ゲット(15)の各々の凹部(15b)に係入可能な工
具を用いる。そして、回転軸(4)の下端部に、スペー
サ(26)と、スラスト磁気軸受(11)のディスク
(11a)とを順に外嵌合させた状態で、該回転軸
(4)のねじ穴(4a)にアキシャルターゲット(1
5)のねじ軸(15a)を臨ませ、上記工具を用いてア
キシャルターゲット(15)の雄ねじを回転軸(4)の
雌ねじに螺合させていく。すると、ねじ軸(15a)の
基部外周がねじ穴(4a)のガイド部(4b)に周接す
るようになり、このことで、回転軸(4)に対し、アキ
シャルターゲット(15)は同軸状に位置決めされた状
態で螺着される。また、このことで、スラスト磁気軸受
(11)のディスク(11a)は回転軸(4)に回転一
体に連結される。
【0033】したがって、本実施形態によれば、ターボ
分子ポンプにおける回転軸(4)及びアキシャルターゲ
ット(15)間の螺着構造において、回転軸(4)に、
雌ねじが形成されたねじ穴(4a)を設ける一方、アキ
シャルターゲット(15)には、上記雌ねじに螺合する
雄ねじが形成されたねじ軸(15a)を設けるようにし
たので、従来ではアキシャルターゲット(15)の側に
設けられているねじ穴(図5(a)の(e)参照)を無
くすることができる。よって、そのようなねじ穴を有す
ることに起因するアキシャルターゲット(15)の薄肉
化の制約を無くすることができ、アキシャルターゲット
(15)の厚さ(T)を薄くできるようになる。
【0034】また、上記アキシャルターゲット(15)
を回転軸(4)に螺着させる際に、その凹部(15
b),(15b)に工具を係合させることができるよう
にしたので、従来のような切欠部(図5の(f)を参
照)を設けることに起因するアキシャルターゲット(1
5)の薄肉化の制約を無くすることができる。さらに、
上記切欠部に起因してアキシャルターゲット(15)の
径(D)を小さくできないという制約も無くなる。
【0035】よって、上記アキシャルターゲット(1
5)を薄肉化することで、回転系の軸長を短くすること
ができるとともに、図1(b)に示すようにアキシャル
ターゲット(10)の小径化を図ることができることと
相俟って、回転系の端部を軽量化することができ、これ
らにより、ターボ分子ポンプにおける回転系の共振点を
上げて高速化を図ることができる。また、上記回転系の
軸長を短くすることで、ターボ分子ポンプのコンパクト
化を図ることもできる。
【0036】尚、上記実施形態1では、螺着部材がアキ
シャルターゲット(15)である場合について説明して
いるが、上記螺着部材は、回転軸の一方の端部に螺着さ
れるものであればよい。
【0037】また、上記実施形態1では、半導体装置製
造時のエッチング工程における反応生成物を排気するタ
ーボ分子ポンプの場合について述べているが、その他の
超高真空ポンプにも本発明を適用することができる。
【0038】(実施形態2)図3は、本発明の実施形態
2に係るターボ分子ポンプの要部を示し、上記実施形態
1の場合と同じ部分には同じ符号を付している。
【0039】この実施形態では、アキシャルターゲット
(15)に、スラスト磁気軸受(11)のディスク(1
1a)が一体に設けられている。そして、上記ディスク
(11a)がアキシャルターゲット(15)に一体化さ
れていることで、アキシャルターゲット(15)に凹部
(15b)を設ける際に、アキシャルターゲット(1
5)の本体部分(ディスク(11a)の下面側の部分)
に止どまらず、ディスク(11a)の部分に亘って設け
ることができるようになっている。尚、その他の構成は
実施形態1の場合と同じであるので説明は省略する。
【0040】したがって、この実施形態によっても、上
記実施形態1の場合と同じ効果を奏することができる
他、部品点数を少なくしてその組付作業を容易化するこ
とができる。また、アキシャルターゲット(15)の本
体部分の厚さ(T)を薄くしたにも拘らず、各凹部(1
5b)の軸心方向の長さを長くとることができ、各凹部
(15b)に対する螺着工具のより確実な係合を確保す
ることができる。
【0041】(実施形態3)図4は、本発明の実施形態
3に係るターボ分子ポンプの要部を示し、上記実施形態
1の場合と同じ部分には同じ符号を付している。
【0042】この実施形態では、上記実施形態2の場合
と同じくアキシャルターゲット(15)にスラスト磁気
軸受(11)のディスク(11a)が一体に設けられて
いるが、実施形態2と異なるのは、回転軸(4)とディ
スク(11a)の部分との間に介装されていたスペーサ
(図3の(26)参照)が省略されており、形状として
は、アキシャルターゲット(15)に上記スペーサが一
体に設けられた状態となっている。
【0043】したがって、この実施形態によれば、スペ
ーサを用いてのスラスト位置センサ(13)及びアキシ
ャルターゲット(15)間のギャップ調整ができないこ
とから、その分だけ高度の加工が要求されるようになる
他は、上記実施形態2の場合と同じ効果を奏することが
できる。
【0044】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1の発明に
よれば、吸気口及び排気口を有するケーシングと、この
ケーシング内に回転可能に設けられた回転軸と、この回
転軸に回転一体に設けられたポンプロータと、上記回転
軸の一端部に回転一体に螺着された螺着部材とを備えた
真空ポンプにおいて、上記回転軸に、内周に雌ねじが形
成されたねじ穴を設ける一方、上記螺着部材に、外周に
上記雌ねじに螺合する雄ねじが形成されたねじ軸を設け
るようにしたので、従来では螺着部材に設けられている
ねじ穴を無くすることができ、そのようなねじ穴を有す
ることに起因する螺着部材の薄肉化の制約を無くするこ
とができる結果、回転系の軸長を短くするとともにその
端部を軽量化して回転系の共振点を上げることができ、
よって、真空ポンプにおける回転系の高速化を図ること
ができる。また、上記回転系の軸長を短くすることで、
真空ポンプのコンパクト化を図ることもできる。
【0045】請求項2の発明によれば、上記ねじ穴の開
口端側内周に、回転軸に螺着部材を螺着させるときにね
じ軸の基部外周に周接して回転軸に対し螺着部材を同軸
状に位置決めするガイド部を形成するようにしたので、
雌ねじ及び雄ねじ間の螺合関係のみでは不十分となる回
転軸に対する螺着部材の同軸管理を十分に行うことがで
きる。
【0046】請求項3の発明によれば、上記ケーシング
及び回転軸間にスラスト磁気軸受及びラジアル磁気軸受
がそれぞれ介装されている場合に、上記螺着部材を、回
転軸のスラスト方向の位置を検出するためのアキシャル
ターゲットで構成するようにしたので、上記請求項1及
び2の発明による効果を具体的にかつ適正に得ることが
できる。
【0047】請求項4の発明によれば、上記アキシャル
ターゲットが回転軸の回転数検出用の凹部を有するもの
である場合に、上記凹部に工具を係合させて回転軸にア
キシャルターゲットを螺着できるようにしたので、従来
ではアキシャルターゲットの直径方向の両側に設けられ
ている切欠部を無くすることができ、そのような切欠部
を有することに起因するアキシャルターゲットの薄肉化
の制限を無くすることができる結果、真空ポンプにおけ
る回転系の高速化と、真空ポンプのコンパクト化とをさ
らに図ることができる。
【0048】請求項5の発明によれば、上記アキシャル
ターゲットに、スラスト磁気軸受のディスクを一体に設
けるようにしたので、真空ポンプの部品点数を少なくし
てその組付作業を容易化することができる。また、アキ
シャルターゲットに凹部を設ける際には、そのアキシャ
ルターゲットの厚さよりも軸心方向の長さの大きい凹部
を得ることができ、アキシャルターゲットの薄肉化に拘
らず、凹部に対する螺着工具のより確実な係合を確保す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態1に係るターボ分子ポンプの
回転軸及びアキシャルターゲット間の螺着構造を拡大し
て示す縱断面図(a)及びアキシャルターゲットの底面
図(b)である。
【図2】ターボ分子ポンプの全体構成を示す縱断面図で
ある。
【図3】本発明の実施形態2に係るターボ分子ポンプの
要部を拡大して示す図1(a)相当図である。
【図4】本発明の実施形態3に係るターボ分子ポンプの
要部を拡大して示す図1(a)相当図である。
【図5】従来のターボ分子ポンプの要部を拡大して示す
図1相当図である。
【図6】提案例のターボ分子ポンプの要部を拡大して示
す図1(a)相当図である。
【符号の説明】
(1) 吸気口 (2) 排気口 (3) ケーシング (4) 回転軸 (4a) ねじ穴 (4b) ガイド部 (5) ポンプロータ (15) アキシャルターゲット(螺着部材) (15a) ねじ軸 (15b) 凹部

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 吸気口(1)及び排気口(2)を有する
    ケーシング(3)と、 上記ケーシング(3)内に回転可能に設けられた回転軸
    (4)と、 上記回転軸(4)に回転一体に設けられたポンプロータ
    (5)と、 上記回転軸(4)の一端部に回転一体に螺着された螺着
    部材(15)とを備えた真空ポンプにおいて、 上記回転軸(4)は、上記端部の軸心位置に該回転軸
    (4)の軸心方向に延びるように設けられかつ内周に雌
    ねじが形成されてなるねじ穴(4a)を有する一方、 上記螺着部材(15)は、外周に上記雌ねじに螺合して
    回転軸(4)に螺着部材(15)を螺着させる雄ねじが
    形成されてなるねじ軸(15a)を有することを特徴と
    する真空ポンプ。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の真空ポンプにおいて、 ねじ穴(4a)の開口端側内周に、回転軸(4)に螺着
    部材(15)を螺着させるときにねじ軸(15a)の基
    部外周に周接して回転軸(4)に対し螺着部材(15)
    を同軸状に位置決めするガイド部(4b)が形成されて
    いることを特徴とする真空ポンプ。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2記載の真空ポンプにおい
    て、 ケーシング(3)及び回転軸(4)間に、スラスト磁気
    軸受(11)及びラジアル磁気軸受(12)がそれぞれ
    介装され、 螺着部材(15)は、回転軸(4)のスラスト方向の位
    置を検出するためのアキシャルターゲットであることを
    特徴とする真空ポンプ。
  4. 【請求項4】 請求項3記載の真空ポンプにおいて、 アキシャルターゲット(15)は、該アキシャルターゲ
    ット(15)の軸心から偏心した位置に回転軸(4)の
    回転数検出用の凹部(15b)を有し、 上記凹部(15b)は、アキシャルターゲット(15)
    を回転軸(4)に螺着させるための工具が係合可能とさ
    れていることを特徴とする真空ポンプ。
  5. 【請求項5】 請求項3又は4記載の真空ポンプにおい
    て、 アキシャルターゲット(15)に、スラスト磁気軸受
    (11)のディスク(11a)が一体に設けられている
    ことを特徴とする真空ポンプ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007132265A (ja) * 2005-11-10 2007-05-31 Shimadzu Corp 真空ポンプ
WO2010095218A1 (ja) * 2009-02-18 2010-08-26 株式会社 島津製作所 ターボ分子ポンプ
CN104279166A (zh) * 2013-07-10 2015-01-14 上海佰诺泵阀有限公司 不锈钢磁力驱动泵

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