JPH09324329A - 自然分解性複合糸およびその製品 - Google Patents

自然分解性複合糸およびその製品

Info

Publication number
JPH09324329A
JPH09324329A JP8145408A JP14540896A JPH09324329A JP H09324329 A JPH09324329 A JP H09324329A JP 8145408 A JP8145408 A JP 8145408A JP 14540896 A JP14540896 A JP 14540896A JP H09324329 A JPH09324329 A JP H09324329A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
fiber
aliphatic polyester
fibers
segment
polymer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP8145408A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3683037B2 (ja
Inventor
Masao Matsui
雅男 松井
Hidekazu Koseki
英一 小関
Yoshikazu Kondo
義和 近藤
Hiroshi Kajiyama
宏史 梶山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Shimadzu Corp
Kanebo Ltd
Original Assignee
Shimadzu Corp
Kanebo Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Priority to JP14540896A priority Critical patent/JP3683037B2/ja
Application filed by Shimadzu Corp, Kanebo Ltd filed Critical Shimadzu Corp
Priority to US09/180,628 priority patent/US6174602B1/en
Priority to DE69737075T priority patent/DE69737075T2/de
Priority to CNB971945241A priority patent/CN1159476C/zh
Priority to PCT/JP1997/001588 priority patent/WO1997043472A1/ja
Priority to DE69731290T priority patent/DE69731290T2/de
Priority to EP04023800A priority patent/EP1520918B1/en
Priority to EP97918408A priority patent/EP0905292B1/en
Priority to CNB2004100492695A priority patent/CN1311113C/zh
Publication of JPH09324329A publication Critical patent/JPH09324329A/ja
Priority to HK99103514A priority patent/HK1018633A1/xx
Priority to US09/713,033 priority patent/US6322887B1/en
Priority to US09/938,578 priority patent/US6440556B2/en
Priority to US10/187,280 priority patent/US6579617B2/en
Priority to US10/426,797 priority patent/US6844062B2/en
Priority to US10/863,775 priority patent/US6844063B2/en
Application granted granted Critical
Publication of JP3683037B2 publication Critical patent/JP3683037B2/ja
Priority to HK05108787A priority patent/HK1074653A1/xx
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Yarns And Mechanical Finishing Of Yarns Or Ropes (AREA)
  • Woven Fabrics (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】自然分解性であり、且つ優れた嵩高性、柔軟性
および好ましい風合いを持つ繊維製品を製造することが
できる、新規複合糸およびその製品を提供することを目
的とする。 【構成】脂肪族ポリエステルを主成分とし、融点140
℃以上、溶融時の吸熱量が20ジュール/グラム以上の
重合体(1)よりなる低収縮性繊維(A)と、脂肪族ポ
リエステルを主成分とし、実質的に非結晶性でありガラ
ス転移点が40℃以下であるソフトセグメント(S)
と、融点110℃以上の脂肪族ポリエステルの結晶性セ
グメント又は/及びウレタン結合を有するセグメントか
らなるハードセグメント(H)とが結合されたブロック
共重合体(2)よりなる高収縮性繊維(B)とが混合さ
れている複合糸、およびそれを用いた製品。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自然分解性で、且
つ優れた嵩高性、柔軟性および好ましい風合いを持つ繊
維製品を製造することが出来る、新規複合糸およびその
製品に関する。
【0002】
【従来の技術】合成樹脂からなる従来の合成繊維は、自
然環境下での分解速度が遅く、また焼却時の発熱量がく
また空気中の炭酸ガスを増大させるため、自然環境保護
の見地からの見直しが必要である。このため、脂肪族ポ
リエステルからなる自然分解性繊維が開発されつつあ
り、環境保護への貢献が期待されている。脂肪族ポリエ
ステルのあるものは、優れた繊維性能を持ち、新しい特
徴ある繊維素材として期待されるが、製品の嵩高性、柔
軟性、風合いなどの面で不満足な点があり、その改善が
望まれている。
【0003】従来、通常の繊維間複合(混合)体におい
て、収縮性の異なる繊維を組合せると、嵩高性や柔軟性
に優れた編織物などの製品が得られることは知られてい
る。しかし、脂肪族ポリエステル繊維では、収縮性を制
御する方法は未だほとんど知られておらず、まして収縮
性の異なる繊維を複合することや、それを用いて織物や
編物の品質を改良することは、全く知られていない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、自然
分解性であり、且つ優れた嵩高性、柔軟性および好まし
い風合いを持つ繊維製品を製造することが出来る新規複
合糸およびそれらから得られる優れた製品を提供するに
ある。本発明者らは、脂肪族ポリエステル繊維の特性特
に熱収縮性について鋭意研究し、分子構造の異なる成分
からなる繊維を組合わせることにより、優れた繊維構造
物が得られることを明らかにし、本発明を完成したもの
である。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記本発明の目的は、脂
肪族ポリエステルを主成分とし融点140℃以上且つ溶
融時の吸熱量が20ジュール/グラム以上の重合体
(1)からなる、分子配向された繊維(A)と、脂肪族
ポリエステルを主成分とし、実質的に非結晶性でありガ
ラス転移点が40℃以下であるソフトセグメント(S)
と、融点110℃以上の脂肪族ポリエステルの結晶性セ
グメント又は/及びウレタン結合を有するセグメントか
らなるハードセグメント(H)とが結合されているブロ
ック共重合体(2)からなる繊維(B)とが混合されて
なる複合糸およびその応用製品によって達成される。
【0006】ここで、脂肪族ポリエステルを主成分とす
る重合体とは、(1)グリコール酸、乳酸、ヒドロキシ
ブチルカルボン酸などのようなヒドロキシアルキルカル
ボン酸、(2)グリコリド、ラクチド、ブチロラクト
ン、カプロラクトンなどの脂肪族ラクトン、(3)エチ
レングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオー
ル、ヘキサンジオールなどのような脂肪族ジオール、
(4)ジエチレングリコール、トリエチレングリコー
ル、エチレン/プロピレングリコール、ジヒドロキシエ
チルブタンなどのようなポリアルキレンエーテルのオリ
ゴマー、ポリエチレングリコール、ポリプロピレンリコ
ール、ポリブチレンエーテルなどのポリアルキレングリ
コール、(5)ポリプロピレンカーボネート、ポリブチ
レンカーボネート、ポリヘキサンカーボネート、ポリオ
クタンカーボネート、ポリデカンカーボネートなどのポ
リアルキレンカーボネートグリコールおよびそれらのオ
リゴマー、(6)コハク酸、アジピン酸、スベリン酸、
アゼライン酸、セバシン酸、デカンジカルボン酸などの
脂肪族ジカルボン酸など、脂肪族ポリエステル重合原料
に由来する成分を主成分すなわち50重量%以上(特に
60%以上)とするものであって、脂肪族ポリエステル
のホモポリマー、脂肪族ポリエステルのブロック又は/
及びランダム共重合ポリマー、および脂肪族ポリエステ
ルに他の成分、例えば芳香族ポリエステル、ポリエーテ
ル、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリ尿素、ポリウ
レタン、ポリオルガノシロキサンなどを50重量%以下
(ブロック又は/及びランダム)共重合したもの及び/
又は混合したものをすべて包含する。脂肪族ポリエステ
ルを共重合や混合によって変性する目的は、結晶性の低
下、融点の低下(重合温度や成型温度の低下)、摩擦係
数、柔軟性や弾性回復性の改良、耐熱性、ガラス転移温
度や熱収縮性の低下または上昇、染色性、親水性や撥水
性の改良、分解性の向上または抑制などが挙げられる。
【0007】本発明複合糸は、融点140℃以上、溶融
時の吸熱量20J/g以上で結晶性が高い脂肪族ポリエ
ステル重合体(1)からなる低収縮性繊維(A)と、特
定のハードセグメントおよびソフトセグメントが結合さ
れたブロック共重合体からなる高収縮性繊維(B)が混
合された、繊維間複合体である。本発明複合糸の具体例
としては、複数種の連続フィラメントが混合されている
混合フィラメント(以下「混繊糸」と記すことがあ
る)、連続フイラメントとステープルとが複合された
「長/短複合糸」、および複数種のステープルが混合さ
れ紡績された「混紡糸」の3つが代表的なものである。
【0008】ここで溶融時の吸熱量は、走査型示差熱量
計(以下DSCと記す)を用い、十分に延伸又は/及び
熱処理し且つ乾燥した試料について、試料重量10m
g、窒素中、昇温速度10℃/minの条件で測定した
ものである。図2に、DSC曲線を模式的に示す。図は
ほとんど結晶化していない試料の測定例で、4はガラス
転移によるベースラインの変化を示し、5は測定時の加
熱による結晶化の発熱ピークを示し、6は結晶の溶融に
よる吸熱ピークを示す。十分に結晶化している試料で
は、発熱ピーク5は消失し観測されない。本発明におい
て、融点は結晶の溶融による吸熱ピーク6の極小値(中
心値)の温度とし、吸熱ピーク6の全吸熱量(積分値、
図7の斜線部の面積に比例する)を溶融時の吸熱量とす
る。吸熱量の単位は、ジュール/グラム(以下J/gと
記す)とする。混合物やブロック共重合体などで、融点
が複数存在する場合は、最も高いものを組成物全体の融
点とする。但し、最も高温のピークの溶融吸熱量が例え
ば3J/g程度以下と無視できる程小さく、それよりも
低温に溶融吸熱量が例えば20J/g以上の大きな主ピ
ークがあれば、その組成物の実質的な融点(ポリマーが
極度に軟化、流動開始する温度)はその主ピークとみな
される場合もある。また組成物全体の溶融吸熱量は、全
ての溶融吸熱ピークの合計とする。
【0009】重合体(1)は、融点及び溶融吸熱量が高
く、熱収縮性の小さな成分である。重合体(1)に好適
なものとしては、結晶性のホモポリマーおよび、それに
対して結晶性をあまり損なわない程度に少量(例えば4
0重量%以下、特に30%以下)の第二成分や第三成分
を共重合又は/及び混合したものが挙げられる。本発明
繊維混合体の、強度、耐熱性および製品の風合いの見地
から、重合体(1)の溶融時の吸熱量は、20J/g以
上が必要であり、30J/g以上が特に好ましく、40
J/g以上が最も好ましい。結晶性脂肪族ポリエステル
のホモポリマーの溶融吸熱量は、多くの場合50J/g
前後またはそれ以上である。
【0010】同様に、耐熱性その他の実用的見地から重
合体(1)の融点は、140℃以上の必要があり、15
0℃以上が好ましく、160℃以上が最も好ましい。重
合体(1)に好ましいものの具体例としては、ポリL−
乳酸(融点約175℃)、ポリD−乳酸(同175
℃)、ポリヒドロキシブチレート(同180℃)、ポリ
グリコール酸(同230℃)などのホモポリマー、およ
びそれらに少量の他成分を共重合又は/及び混合したも
のが挙げられる。重合体(1)の分子量は、特に限定さ
れないが、強度その他の実用性の見地から、5万以上が
好ましく、8〜30万が特に好ましく、10〜20万の
範囲が最も広く用いられる。
【0011】一般に、ブロック共重合では結晶性や融点
の変化は緩やかであり、共重合成分の比率は1〜50
%、特に1〜40%、多くの場合1〜30%が好ましい
が、ランダム共重合では結晶性や融点の変化が顕著で、
結晶性を保つためには、共重合成分の比率は0.5〜1
0%、特に1〜5%が好ましいことが多い。勿論、共重
合による融点や結晶性の変化は、共重合成分によって大
きく変るので、DSCによる結晶の溶融吸熱量及び融点
に注意する必要がある。他成分の混合による融点や結晶
性の変化も、混合成分や混合率により相当変るが、ラン
ダム共重合ほど顕著でないことが多い。
【0012】重合体(2)は、実質的に非結晶性(以下
非晶性と記す)すなわち結晶の溶融時の吸熱量が3ジュ
ール/グラム(以下J/gと記す)未満で、且つガラス
転移点が40℃以下の脂肪族ポリエステルを主成分とす
るソフトセグメント(S)と、特定のハードセグメント
(H)からなるブロック共重合体であり、それに少量
(50重量%以下、とくに30%以下)の他の成分を共
重合または混合したものも包含する。ここでセグメント
は、ポリマー分子鎖の一部分を意味し、ブロックともい
う。
【0013】上記の特異な構造により、重合体(2)は
いわゆるエラストマー(高弾性体)的な弾性挙動を示
し、引き伸ばされた状態からの回復性にすぐれ、繊維化
されると高い熱収縮性を示す。高い熱収縮性を示すため
には、ソフトセグメント(S)のガラス転移点は、40
℃以下の必要があり、特に20℃以下が好ましく、0℃
以下が最も好ましい。ガラス転移点は、図2に示すよう
にDSCでもある程度測定可能であるが、粘弾性の測定
(例えば1〜60ヘルツで測定)での力学的損失(ta
n δ)の主分散の極大値温度が、より正確である。ソ
フトセグメント(S)に好適な例としては、共重合や混
合によって結晶性を消失または実質的に非晶化した脂肪
族ポリエステルが挙げられる。結晶性を消失または実質
的に非晶化するには、2成分の場合の共重合(重量)比
率は1/1の周辺、すなわち2/1〜1/2程度の範囲
が好ましいことが多い。
【0014】ソフトセグメント(S)の成分に好適な、
ガラス転移点が0℃以下の脂肪族ポリエステルの例とし
ては、ポリカプロラクトン、ポリエチレンサクシネー
ト、ポリエチレンアジペート、ポリエチレンセバケー
ト、ポリエチレンアゼラエート、ポリエチレンデカネー
ト、ポリプロピレンサクシネート、ポリプロピレンアジ
ペート、ポリプロピレンセバケート、ポリプロピレンア
ゼラエート、ポリプロピレンデカネート、ポリブチレン
サクシネート、ポリブチレンアジペート、ポリブチレン
セバケート、ポリブチレンアゼラエート、ポリブチレン
デカネート、ボリヘキサンサクシネート、ポリヘキサン
アジペート、ポリヘキサンセバケート、ポリヘキサンア
ゼラエート、ポリヘキサンデカネートなどの炭素数2〜
20程度の直鎖または側鎖をもつアルキル基を有するポ
リエステルが挙げられる。上記の他、ジエチレングリコ
ール、トリエチレングリコール、エチレン/フロピレン
グリコールなどのアルキレングリコールのオリゴマーと
脂肪族ジカルボン酸とを組合わせたポリエーテルエステ
ルもソフトセグメント成分として好ましい。これらのポ
リエステルのホモポリマーは一般に結晶性であり、した
がってその2種以上を混合したり共重合(ランダム又は
/及びブロック共重合)して、結晶性を実質的に消失さ
せる必要がある。ソフトセグメントの分子量は、特に限
定されないが、例えば1000〜20万、特に2000
〜10万が好ましい事が多く、5000〜5万程度のも
のが最もよく用いられる。
【0015】重合体(2)のハードセグメント(H)に
は、2種類の型とそれを組み合わせたもの計3種が用い
られる。ハードセグメント(H)の第1の型は、融点1
10℃以上、好ましくは120℃以上、最も好ましくは
140℃以上の結晶性脂肪族ポリエステルである。この
ような高融点の結晶性脂肪族ポリエステルの具体例は前
記した通りである。このような高い融点を保つために
は、ホモポリマーが好ましく、共重合などによる変性の
場合も第2成分の量を抑制すること、例えば第2成分の
量は20重量%以下が好ましく、10%以下が最も好ま
しい。結晶型ハードセグメントの分子量は特に限定され
ないが、十分に高融点で結晶するには、分子量は500
0〜20万、特に1万〜10万が好ましいことが多い。
【0016】重合体(2)のハードセグメント(H)の
第2の型は、ウレタン結合を持つもので、例えば末端に
水酸基を持つソフトセグメント用のポリエステルにイソ
シアネート、好ましくはジイソシアネートを反応させて
形成することが出来る。ジイソシアネートの例として
は、ブチレンジイソシアネート、ヘキサンジイソシアネ
ート、オクタンジイソシアネート、フェニレンジイソシ
アネート、トリレンジイソシアネート、キシレンジイソ
シアネート、ジフェニルメタンジイソシアネートなどの
脂肪族および芳香族ジイソシアネートが応用出来る。さ
らに、エチレングリコール、プロパンジオール、ブタン
ジオール、ネオペンチルグリコール、ヘキサンジオール
などのジオールを鎖伸長剤として添加し、必要に応じジ
イソシアネートをやや過剰に用い、ハードセグメントの
分子量やウレタン結合の数を増やし、ハードセグメント
をより強固にすることが出来る。しかし、鎖伸長剤とし
てジアミンを(多く)用い、ウレア結合を(高密度で)
導入すると、融点が高くなり過ぎ(例えば230℃以上
など)、溶融紡糸が困難になり、得策でない。なお、芳
香族ジイソシアネートを用いると、弾性的性質は優れる
が、変色し易く、生分解性も劣る傾向があり、他方脂肪
族ジイソシアネートは逆の傾向があり、目的や用途に応
じて選ぶことが出来る。なお鎖伸長剤やイソシアネート
類に3官能以上の化合物を少量(例えば5モル%以下)
用い、ポリマーに分岐や架橋構造を導入することも出来
る。
【0017】ハードセグメント(H)の第3の型は、上
記2つの型の組合わせで、例えば、結晶性ハードセグメ
ント用ポリエステルの末端水酸基と、非晶性ソフトセグ
メント用ポリエステルの末端水酸基にジイソシアネート
を反応させ、両者を結合して得る事が出来る。この場
合、ポリマーの結晶の周辺に水素結合可能なウレタン結
合部分が生じ、ハードセグメントが強化される。
【0018】重合体(2)のハードセグメント(H)と
ソフトセグメント(S)との比率及び弾性的性質は、特
に限定されず、用いるハードセグメントとソフトセグメ
ントの性質や、製品の目的・用途などに応じ適宜選べば
よい。一般にハードセグメントが多いほど繊維は固く耐
熱性がすぐれ、ソフトセグメントが多いほど繊維の柔軟
性が優れる傾向がある。繊維(B)の弾性的性質は、い
わゆるスパンデックス(弾性糸)のように極めて強い弾
性回復率をもつものから、紡糸、延伸、熱処理で、ある
程度分子配列が固定され、後の熱処理によって様々な収
縮率や収縮力で収縮するものまで、広範囲のものが製造
可能である。しかし、一般に、本発明の目的には、紡
糸、延伸、熱処理で、ある程度分子配列が固定され、1
00℃の水中で処理したときの収縮率が15〜80%、
特に20〜70%のものが好ましいことが多く、30〜
60%程度のものが最も広く用いられる。このため、重
合体(2)中のハードセグメント(H)の重量比率は、
10〜90重量%、特に20〜80%の範囲が好まし
く、30〜70%の範囲が最も好ましいことが多い。重
合体(2)の分子量は、特に限定されないが、5万〜3
0万、特に8万〜20万程度のものが好ましいことが多
い。
【0019】重合体(2)のソフトセグメント(S)
は、実質的に非結晶性(以下非晶性とも記す)の脂肪族
ポリエステルを主成分とするものである。非晶性脂肪族
ポリエステルは、複数の脂肪族ポリエステルをランダム
共重合することによって容易に得られる。例えば、ポリ
エチレンアジペートとポリプロピレンアジペートの原料
を、モル比1/3〜3/1程度の範囲、特に1/2〜2
/1の範囲で混合して重合すれば、低結晶性〜非晶性脂
肪族ポリエステルが得られる。また、例えば、分子末端
に水酸基を持つポリエチレンアジペートとポリプロピレ
ンセバケートの重量比1/1の混合物40部とラクチド
60部とを溶融重合すれば、ポリ乳酸/ポリエチレンア
ジペート、ポリ乳酸/ポリプロピレンセバケートの2種
のブロック共重合体が混合したポリマーが得られ、その
組成物の中では、ポリエチレンアジペートセグメントと
ポリプロピレンセバケートセグメントの部分は非晶性の
ソフトセグメントを形成し、ポリ乳酸セグメントは結晶
性のハードセグメントを形成する。すなわちソフトセグ
メントの非晶化は、複数成分のランダム共重合、ブロッ
ク共重合及び混合使用などの方法で、容易に行うことが
出来る。成分が2つの場合、共重合または混合の重量比
率は1/2〜2/1の範囲が好ましいことが多い。実質
的に非晶性であるかどうかは、DSCによる結晶の溶融
吸熱量が、3J/g未満であるかどうかで判定出来る。
【0020】重合体(1)と重合体(2)とは、それぞ
れ別々に繊維化され、必要に応じ延伸、熱処理などによ
り分子配向、結晶化され、繊維(A)および繊維(B)
が製造される。繊維(A)および繊維(B)は、色々な
手段で混合されて本発明の複合糸(繊維混合体)が得ら
れる。混合方法は、特に限定されないが、繊維(A)お
よび繊維(B)が共にフィラメントの場合、同一または
近接する紡糸口金から同時に紡糸し巻取る紡糸混繊、別
々に紡糸後エアノズルなどを応用するエア混繊、延伸混
繊、単なる合糸、合撚、混繊仮撚(複合仮撚)などの方
法が好ましく用いられる。繊維(A)および繊維(B)
の一方がフィラメントで他方がステープルの場合は、紡
績工程にフィラメントを供給するいわゆるコアスピニン
グ法が応用される。繊維(A)および繊維(B)が共に
ステープルの場合、通常の混合綿、混合スライバー、混
合ウェブなどの方法で混紡糸が容易に得られる。
【0021】従来、特に柔軟性を必要とするドレス、ブ
ラウス、下着、裏地、コート用そのほかの薄地または中
肉の織編物などでは、染色仕上げ加工工程において、ポ
リエステル繊維からなる布をアルカリ(水酸化ナトリウ
ムの水溶液など)で処理し、ポリマーの一部(例えば5
〜50%、特に10〜30%)を分解除去するアルカリ
減量加工が広く行われる。脂肪族ポリエステル繊維もア
ルカリ減量加工可能である。しかし、一般に脂肪族ポリ
エステル繊維はアルカリに極めて敏感であり、従来の芳
香族ポリエステル繊維に比べ、よりマイルドな条件(低
アルカリ濃度、弱アルカリ、低PH、低温など)で行
う。本発明複合糸を応用した編織物のアルカリ減量加工
では、繊維(A)と繊維(B)のアルカリ減量速度が異
なる場合、例えば繊維(B)のアルカリ減量速度が大き
い場合が多い。従って、アルカリ減量が予定されている
場合、繊維(A)と(B)は、その減量速度に応じて単
糸の(平均)繊度を変えておくことが望ましいことが多
い。同様な目的の別の方法としては、繊維(B)を単位
重量当たりの表面積が小さい円形またはそれに類似する
断面とし、繊維(A)をそれよりも10%以上、特に2
0〜400%(5倍)程度表面積の大きな多角形や多葉
形とすることが挙げられ、アルカリ減量加工後に繊維
(A)および(B)が、それぞれ適切な繊度および混合
比率となるように配慮することが好ましい。もちろん上
記2つの方法を併用することもできる。いずれにせよ、
アルカリ減量加工をする場合、脂肪族ポリエステル繊維
のアルカリ減量加工は、アルカリの消費量が少なく、生
成する分解物は容易に生物により分解されるので、従来
の芳香族ポリエステル繊維に比べて、環境への悪影響が
極めて少ないという大きな利点がある。
【0022】繊維(A)と繊維(B)との沸騰水収縮率
(100℃沸騰水中、無荷重で10分間処理し、常温室
内で自然乾燥したとき)の差は、特に限定されないが、
通常3%以上、特に5〜50%程度が好ましく、10〜
40%程度の範囲が最も広く用いられる。従って、繊維
(A)の沸騰水収縮率は15%以下が好ましく、10%
以下が特に好ましい。他方、繊維(B)の沸騰水収縮率
は15%以上が好ましく、20%以上が特に好ましく、
30〜60%程度の範囲が広く用いられる。繊維(A)
と繊維(B)の断面は、円形、長円形、ひょうたん形、
多角形、多葉形、アルファベット形その他各種の非円形
(異形)、中空形など任意に選ぶことが出来る。繊度も
同様に使用目的に応じて任意に選ばれるが、通常の衣料
用には、単糸繊度0.1〜50デニール(d)程度の範
囲、特に0.5〜30dの範囲が好ましく、1〜20d
の範囲が広く用いられる。不織布、皮革、資材用などに
はもっと細いものや太いものも用いられる。繊維(A)
と繊維(B)は、それぞれ断面、繊度、収縮率の異なる
2種以上のものを混合したものでも良い。
【0023】本発明複合糸を形成する繊維は、重合体
(1)および重合体(2)を用い、溶融、湿式、乾式、
その他の任意の方法で紡糸すればよいが、特に溶融紡糸
は能率が高く好ましい。溶融紡糸は、巻取速度500〜
2000m/minの低速紡糸、巻取速度2000〜5
000m/minの高速紡糸、巻取速度5000m/m
in以上の超高速紡糸が可能であり、更に必要に応じて
延伸や熱処理をすることができる。一般に低速紡糸では
3〜8倍程度、高速紡糸では1.5〜3倍程度の延伸を
行い、超高速紡糸では延伸不要または2倍程度以下の延
伸を行うことが多い。紡糸と延伸を連続して行ういわゆ
るスピンドロー方式も好ましく応用できる。また、延伸
を比較的低い倍率で行い、熱処理を例えば100℃以下
などの比較的低温で行った結晶化度と分子配向度の低い
特殊繊維で、後の工程の例えば100℃以上の熱処理に
より、結晶化と分子配向が進み繊維が伸びる、自己伸張
糸も、繊維(A)として好ましく用いることが出来る。
【0024】本発明複合糸は、連続フィラメント混繊
糸、合撚糸、複合仮撚糸、混紡糸およこびそれらに類似
するものなど、使用目的に応じて任意の形態とすること
が出来、それらを用いて編物、織物、不織布その他の繊
維構造物を製造することが出来る。それらの製造工程や
加工工程の中で、また製造後に適宜加熱又は膨潤するこ
とにより、繊維(A)と繊維(B)との間に収縮率の差
を生じさせ、製品に好ましい嵩高性、柔軟性、伸縮性、
風合いを与えることが出来る。加熱は乾熱、湿熱、赤外
線、それらの併用その他任意である。膨潤は溶剤、膨潤
剤や水を用いる。もちろん、必要に応じ糸状で仮撚や押
込み法などで、機械的に巻縮を付与した後、加熱して収
縮させることも出来る。また、例えば織物や編み物の染
色仕上げ工程で、加熱収縮させることが広く行われる。
一般に収縮処理は、弛緩状態で行うことが多いが、適度
な緊張を加えて収縮を制御することが出来る。
【0025】本発明複合糸を構成する繊維には、各種顔
料、染料、着色剤、撥水剤、吸水剤、難燃剤、安定剤、
酸化防止剤、紫外線吸収剤、金属粒子、無機化合物粒
子、結晶核剤、滑剤、可塑剤、抗菌剤、香料その他の添
加剤を混合することが出来る。本発明複合糸は単独で、
又は他の繊維と混用して糸、紐、ロープ、編物、織物、
不織布、紙、複合材料その他の構造物の製造に用いるこ
とが出来る。他の繊維と混用する場合、綿、羊毛、絹な
どの天然有機繊維、脂肪族ポリエステル繊維などの自然
分解性繊維と混合使用すれば、完全に自然分解性の製品
が得られるので特に好ましい。
【0026】
【発明実施の形態】図1に本発明の実施例である混繊
糸、コアスパン糸(長/短複合糸)、および混紡糸の各
種横断面を示す。図において1は繊維(A)を示し、2
は繊維(B)を示し、3はその他の繊維(C)を示す。
図1において、(a)は、円形断面の繊維(A)12本
と、円形断面の繊維(B)12本が比較的均一に混合さ
れている例、(b)は、円形断面の繊維(A)12本
と、円形断面の繊維(B)12本が偏心的(それぞれの
重心が離れている状態)に配置されている例、(c)
は、円形断面の繊維(B)10本が内部に、円形断面の
繊維(A)14本が外部に、同心的芯鞘型に配置されて
いる例である。(d)は、円形断面の繊維(B)12本
と、三角断面の繊維(A)15本とが、ほぼ均一に混合
されている例、(e)はやや太い繊維(B)6本と、や
や細い三角断面の繊維(A)15本が芯鞘型に配置され
ている例、(f)は、やや太い繊維(B)4本と、細い
3角断面の繊維(A)12本、更にそれらとは別の円形
断面の繊維(C)12本が混合されている例である。
【0027】本発明において、繊維の断面形状、繊度、
繊維(A)と繊維(B)との混合比率(重量比)など
は、特に限定されない。繊維(A)と繊維(B)との混
合比率は、目的とする製品によって任意に選ばれるが、
多くの場合10/1〜1/10、特に5/1〜1/5の
範囲が好ましく、3/1〜1/3の範囲が特に好まし
く、2/1〜1/2の範囲が最も広く用いられる。繊維
(A)と繊維(B)との複合(混合)状態も限定されな
いが、図1の(a)に示すように両者が均一且つランダ
ムに分散されたもの、(b)に示すような偏心的配置、
(c)に示すような芯鞘または同心的配置の三種は、基
本的かつ好ましいことが多く、広く用いられる。また、
(f)のように別の繊維(C)を混合しても良い。
【0028】
【実施例】以下の実施例において、%、部は特に断らな
い限り重量比である。脂肪族ポリエステルの分子量は、
試料の0.1%クロロホルム溶液のGPC分析におい
て、分子量1000以下の成分を除く高分子成分の分散
の重量平均値である。
【0029】繊維の収縮率は、試料フィラメントを約1
000デニール(950〜1050d)、長さ50cm
の束にし、荷重10gを加えて1分後の長さL1を測定
し、次に無荷重で沸騰水中で10分間処理した後吸取り
紙で脱水し、23℃,65%RHの測定室中で無荷重で
24時間以上自然乾燥した後、荷重10gを加えて1分
後の長さL2を測定し、[(L1−L2)/L1]×1
00(%)の式によって計算する。
【0030】実施例1 分子量8000で両末端が水酸基のポリエチレングリコ
ール(PEG)3部、L−ラクチド98部、オクチル酸
錫100ppm、チバガイギー社の酸化防止剤イルガノ
ックス1010の0.1部を混合し、窒素雰囲気中18
8℃で12分間、2軸押出機中で溶融攪拌重合し、冷却
チップ化後、140℃窒素雰囲気中で4時間処理(固相
重合)して、ポリ乳酸とPEGのブロック共重合ポリマ
ーP1を得た。ポリマーP1は、分子量15.5万、P
EG成分の含有率約3%、融点175℃、十分に配向結
晶化した繊維の溶融吸熱量は55J/gであった。ポリ
マーP1を230℃のスクリュウ押出し機で溶融し、2
25℃、直径0.2mmのオリフィスより紡出し空気中
で冷却、オイリングしながら1500m/minの速度
で巻取り、80℃で4.5倍延伸し緊張下110℃で熱
処理し40デニール/12フィラメのント延伸糸A1を
得た。延伸糸A1の強度は4.9g/d,伸度29%、
沸騰水中の収縮率は12%である。
【0031】ブタンジオール、プロピレングリコール、
サクシン酸、アジピン酸の等モルランダム共重合物で、
分子量8.5万、非晶性のもの30部、L−ラクチド7
1部、上記イルガノックス0.1部、オクチル酸錫10
0ppmを混合し、以下ポリマーP1と同様にして、ブ
ロックコポリマーBP1を得た。BP1の分子量は1
4.7万、融点は166℃、吸熱量は30J/gで、こ
れはポリL−乳酸セグメント(ブロック)の結晶の融点
である。
【0032】コポリマーBP1を220℃のスクリュウ
押出し機で溶融し、225℃、直径0.2mmのオリフ
ィスより紡出し空気中で冷却、オイリングしながら15
00m/minの速度で巻取り、80℃で4.5倍延伸
し、熱処理しないで40デニール/12フィラメのント
延伸糸B1を得た。延伸糸B1の強度は4.5g/d,
伸度35%、沸騰水中の収縮率は35%である。
【0033】延伸糸A1および延伸糸B1を各1本ずつ
用いエアノズルにより混合し、糸断面内で両者が均一に
混合された混繊糸MY1を得た。混繊糸MY1を,60
0回/mで撚糸したものを経糸に、撚数30回/mのも
のを緯糸に用い2/1の綾織物を作成し、精練後弛緩状
態で120℃乾熱で15分間熱処理し、更に80℃の炭
酸ソーダ2.5%水溶液で10分間処理(減量加工)し
た。その後洗浄し柔軟仕上げ剤を0.2%付与し135
℃で緊張下で熱処理して織物MF1を得た。
【0034】比較のために、延伸糸A1を2本合撚した
糸を用い、以下MF1と同様にして織物MF2を得た。
織物MF1、織物MF2の風合いなどを表1に示す。
【0035】 表1 織物 柔軟性 嵩高性 風合い 備考 MF1 良好 良好 良好 本発明 MF2 やや不良 やや不良 不良 比較例 実施例2 両末端が水酸基のポリブチレンサクシネート/ポリブチ
レンアジペートの4/1(モル比)ランダム共重合物で
分子量12.5万、融点92℃のもの14部、ポリ
(2、2−ジメチルプロパンアジペート)ホモポリマー
で融点37℃、分子量8.1万で両末端が水酸基のもの
14部、L−ラクチド73部、オクチル酸錫100pp
mを用い、イルガノックス0.1部を混合し、以下実施
例1のBP1と同様にしてブロック共重合物BP2を得
た。BP1の分子量は14.7万、融点は168℃で、
これはポリ乳酸セグメントの融点である。
【0036】共重合物BP2を220℃で溶融し、22
5℃の紡糸口金より紡糸し、以下実施例1延伸糸B1と
同様にして延伸糸B2を得た。延伸糸B2の強度は4.
6g/d、伸度は33%、沸騰水中の収縮率は36%で
ある。実施例1の延伸糸A1の1本と延伸糸B2の1本
を用い、以下実施例1の混繊糸MY1と同様にして、混
繊糸MY3を得た。混繊糸MY3を用い、以下実施例1
の織物MF1と同様にして混繊糸織物MF3を得た。織
物MF3の柔軟性、嵩高性、風合いなどは、実施例1の
MF1とほぼ同等で、比較例MF2に比べるとはるかに
優れており、混繊の効果が十分に認められた。
【0037】実施例3 L−ラクチドに対し、エチレングリコール0.05%、
イルガノックス0.1%、オクチル酸錫100ppmを
混合し、以下実施例1のポリマーP1と同様にして、両
末端に水酸基を持つ分子量5.2万のポリ乳酸PL1を
得た。両末端に水酸基を持つ分子量12000のポリエ
チレンアジペート1モル、両末端に水酸基を持つ分子量
8000のポリジメチルプロパンアジペート1モルを混
合し、100℃、窒素気流中で溶融攪拌しながらジフェ
ニルメタンジイソシアネート4.02モルを徐々に滴下
し3時間反応してプレポリマーPP1を得た。2軸押出
し機を用い185℃で上記ポリ乳酸1部を溶融攪拌しつ
つ、それに対してプレポリマーPP1を0.4部、ラウ
リルアルコール2%を混合し、5分間反応したのち口金
より押出し、水中で冷却、切断してブロックポリマーB
P3を得た。BP3は、ポリ乳酸の結晶とウレタン結合
を持つハードセグメントと非晶性の脂肪族ポリエステル
セグメントからなるブロックコポリマーで、ハードセグ
メントの融点172℃、分子量18.8万であった。B
P3を220℃のスクリュー押出し機で溶融し230
℃、直径0.2mmのオリフィス12個より紡出し、同
様に溶融紡出した実施例1のポリマーP1の繊維と合糸
しエア混繊しつつ1500m/minの速度で巻取り、
80℃で3.9倍に延伸し80デニール/24フイラメ
ントの混繊糸MY3を得た。MY3を用い、以下実施例
1のMF1と同様にして織物を製造し、MF1と同様に
優れた嵩高性、柔軟性を持つ織物MF3を得た。
【0038】
【発明の効果】本発明によって、自然分解性であり環境
汚染することが少なく、しかも柔軟性、嵩高性、風合い
にすぐれた編物、織物などを製造することが出来る新規
複合糸が提供され、各種衣料、工業資材、産業資材、家
庭用品などに好適に利用可能となった。一般に、脂肪族
ポリエステル繊維は、自然環境下で分解するだけでな
く、従来使われた合成繊維よりも燃焼時の発熱量が少な
く、焼却も容易である。なかでも乳酸は、農産物から発
酵法などで得られ、自然の物質循環系の中に組み込まれ
るので、空気中の炭酸ガスを増加させることがなく、ポ
リ乳酸を主成分とする脂肪族ポリエステルは、環境保護
の見地から最も好ましい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例である各種複合糸の断面図であ
る。(a)は2種の円形断面繊維が均一に混合された例
であり、(b)は2種の円形断面繊維が偏心的に混合さ
れた例であり、(c)は2種の円形断面繊維が同心的に
混合された例であり、(d)は3角断面繊維と円形断面
繊維が均一に混合された例であり、(e)は3角断面繊
維との円形断面繊維が同心的に混合された例であり、
(f)は3角断面繊維と円形断面繊維および第3の繊維
が混合された例である。
【図2】走査型示差熱量計(DSC)による、結晶性ポ
リマーの昇温時の発熱および吸熱を示す曲線(DSC曲
線)である。
【符号の説明】
1重合体(1)よりなる繊維(A) 2重合体(2)
よりなる繊維(B) 3第3の繊維(C) 4ガラス転移に
よるベースラインの変化 5ポリマーの結晶化発熱ピーク 6ポリマー結晶
の溶融吸熱ピーク
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 近藤 義和 山口県防府市国衙2丁目5番31号 (72)発明者 梶山 宏史 山口県防府市鐘紡町4番1号

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】脂肪族ポリエステルを主成分とし融点14
    0℃以上且つ溶融時の吸熱量が20ジュール/グラム以
    上の重合体(1)からなる、分子配向された繊維(A)
    と、脂肪族ポリエステルを主成分とし、実質的に非結晶
    性でありガラス転移点が40℃以下であるソフトセグメ
    ント(S)と、融点110℃以上の脂肪族ポリエステル
    の結晶性セグメント又は/及びウレタン結合を有するセ
    グメントからなるハードセグメント(H)とが結合され
    ているブロック共重合体(2)からなる繊維(B)とが
    混合されてなる複合糸。
  2. 【請求項2】重合体(1)が、融点160℃以上、溶融
    時の吸熱量40ジュール/グラム以上であり、且つ組成
    物(2)の結晶性ハードセグメントが、「ポリL−乳
    酸、ポリD−乳酸、ポリ3−ビドロキシブチレート、ポ
    リグリコリド、ポリブチレンサクシネートおよびそれら
    を主成分とする共重合体」の群からえらばれた少なくと
    も1種の脂肪族ポリエステルである、請求項1記載の複
    合糸。
  3. 【請求項3】繊維(B)の単糸繊度が、繊維(A)のそ
    れよりも10%以上大きい、又は/及び繊維(B)の単
    位重量当たりの表面積が、繊維(A)のそれよりも10
    %以上小さい、請求項1記載の複合糸。
  4. 【請求項4】請求項1〜3記載の複合糸を、少なくとも
    一部に用いて製造した織物および編物。
JP14540896A 1996-05-14 1996-06-07 自然分解性複合糸およびその製品 Expired - Fee Related JP3683037B2 (ja)

Priority Applications (16)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP14540896A JP3683037B2 (ja) 1996-06-07 1996-06-07 自然分解性複合糸およびその製品
DE69737075T DE69737075T2 (de) 1996-05-14 1997-05-12 Spontan abbaubare Fasern
CNB971945241A CN1159476C (zh) 1996-05-14 1997-05-12 自然分解性纤维及其制品
PCT/JP1997/001588 WO1997043472A1 (fr) 1996-05-14 1997-05-12 Fibres degradables spontanement et articles constitues de celles-ci
DE69731290T DE69731290T2 (de) 1996-05-14 1997-05-12 Spontan abbaubare fasern
EP04023800A EP1520918B1 (en) 1996-05-14 1997-05-12 Spontaneously degradable fibers
EP97918408A EP0905292B1 (en) 1996-05-14 1997-05-12 Spontaneously degradable fibers
CNB2004100492695A CN1311113C (zh) 1996-05-14 1997-05-12 自然分解性纤维及其制品
US09/180,628 US6174602B1 (en) 1996-05-14 1997-05-12 Spontaneously degradable fibers and goods made thereof
HK99103514A HK1018633A1 (en) 1996-05-14 1999-08-13 Spontaneously degradable fibers.
US09/713,033 US6322887B1 (en) 1996-05-14 2000-11-16 Spontaneously degradable fibers and goods made thereof
US09/938,578 US6440556B2 (en) 1996-05-14 2001-08-27 Spontaneously degradable fibers and goods made thereof
US10/187,280 US6579617B2 (en) 1996-05-14 2002-07-08 Spontaneously degradable fibers and goods made thereof
US10/426,797 US6844062B2 (en) 1996-05-14 2003-05-01 Spontaneously degradable fibers and goods made thereof
US10/863,775 US6844063B2 (en) 1996-05-14 2004-06-09 Spontaneously degradable fibers and goods made thereof
HK05108787A HK1074653A1 (en) 1996-05-14 2005-10-04 Spontaneously degradable fibers

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP14540896A JP3683037B2 (ja) 1996-06-07 1996-06-07 自然分解性複合糸およびその製品

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH09324329A true JPH09324329A (ja) 1997-12-16
JP3683037B2 JP3683037B2 (ja) 2005-08-17

Family

ID=15384574

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP14540896A Expired - Fee Related JP3683037B2 (ja) 1996-05-14 1996-06-07 自然分解性複合糸およびその製品

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3683037B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002155440A (ja) * 2000-11-13 2002-05-31 Hagihara Industries Inc フラットヤーンまたはその製造方法

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002155440A (ja) * 2000-11-13 2002-05-31 Hagihara Industries Inc フラットヤーンまたはその製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP3683037B2 (ja) 2005-08-17

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP0905292B1 (en) Spontaneously degradable fibers
EP0569145B1 (en) Polyester fibers
JP4498001B2 (ja) ポリエステル複合繊維
US5349028A (en) Polyester fibers
US5308697A (en) Potentially elastic conjugate fiber, production thereof, and production of fibrous structure with elasticity in expansion and contraction
JP2665049B2 (ja) 粗表面を有する複合弾性フィラメント、その製造方法及びそれよりなる繊維構造物
JP4661266B2 (ja) 合成繊維、およびそれからなる繊維構造体
JP3683048B2 (ja) 自然分解性繊維集合体
JP3694100B2 (ja) 自発巻縮性複合繊維
JP3683037B2 (ja) 自然分解性複合糸およびその製品
JP3557027B2 (ja) 自然分解性複合糸およびその製品
JP3694117B2 (ja) 自己接着性複合繊維及びその応用製品
JP4269604B2 (ja) パイル編布用生分解性地糸及びパイル編布
JP3694101B2 (ja) 自然分解性複合繊維及びその応用製品
JP3694103B2 (ja) 自然分解性複合繊維及びその応用製品
JPH09209216A (ja) 自発巻縮性複合繊維
JP3683036B2 (ja) 自然分解性複合糸およびその製品
JPH09157954A (ja) 帯電防止性繊維
JP3694118B2 (ja) 自発巻縮性複合繊維
JP3694102B2 (ja) 自然分解性複合繊維及びその応用製品
JPH09157952A (ja) 自己接着性複合繊維
JPH11113783A (ja) 浴用タオル
JPH11302926A (ja) ポリエステル系複合繊維
JPH11293518A (ja) 生分解性短繊維及びその製造方法
JP2008214831A (ja) ポリエステル複合繊維

Legal Events

Date Code Title Description
A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20040907

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20041108

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20050208

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20050510

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20050524

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313117

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

S202 Request for registration of non-exclusive licence

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R315201

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080603

Year of fee payment: 3

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080603

Year of fee payment: 3

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080603

Year of fee payment: 3

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090603

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100603

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110603

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110603

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120603

Year of fee payment: 7

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313117

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120603

Year of fee payment: 7

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120603

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130603

Year of fee payment: 8

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees