JPH09323996A - チオフェン誘導体 - Google Patents

チオフェン誘導体

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JPH09323996A
JPH09323996A JP16237996A JP16237996A JPH09323996A JP H09323996 A JPH09323996 A JP H09323996A JP 16237996 A JP16237996 A JP 16237996A JP 16237996 A JP16237996 A JP 16237996A JP H09323996 A JPH09323996 A JP H09323996A
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内田  学
Yusho Izumisawa
勇昇 泉澤
Kenji Furukawa
顕治 古川
Kohei Tamao
皓平 玉尾
Shigehiro Yamaguchi
茂弘 山口
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】低電圧で高発光効率を有し、赤色発光有機EL
素子や赤色蛍光塗料用に好適な新規なチオフェン誘導体
を提供する。 【解決手段】一般式1のチオフェン誘導体。 (mとnは独立に0〜3、AとBは独立に飽和/不飽和
の炭化水素基、置換/無置換のヘテロ環又はAとBが結
合して飽和/不飽和の環を形成し、XとYは独立に飽和
/不飽和の炭化水素基、置換/無置換のヘテロ環又はX
とYが結合して飽和/不飽和の環を形成し、R1〜R10
は独立に水素、ハロゲン、置換/無置換のC1〜6のア
ルキル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、パーフル
オロアルキル基、パーフルオロアルコキシ基、アミノ
基、アルキルカルボニル基等を示す。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、チオフェン誘導体
に関する。さらに詳しくは電界発光(EL)素子等に使
用されるチオフェン誘導体に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、これまでにない高輝度な平面ディ
スプレイの候補として有機EL素子が注目され、その研
究開発が活発に行われている。有機EL素子は有機発光
層を2つの電極で挟んだ構造であり、陽極から注入され
た正孔と陰極から注入された電子とが発光層中で再結合
して光を発する。用いられる有機材料には低分子材料と
高分子材料があり、共に高輝度のEL素子ができること
が示されている。このような有機EL素子には2つのタ
イプがある。1つは、タン(C.W.Tang)らによって発表
された蛍光色素を電荷輸送層中に添加したもの(ジャー
ナル オブ ジ アプライドフィジックス(J.Appl.Phy
s.),65,3610(1989))、もう1つは、蛍光色素を単独に
用いたものである(例えば、ジャパニーズ ジャーナル
オブ ジ アプライドフィジックス(Jpn.J.Appl.Phy
s.),27,L269(1988))。後者の素子では、蛍光色素が電
荷の1つである正孔のみを輸送する正孔輸送層および/
又は電子のみを輸送する電子輸送層が積層されているよ
うな場合に発光効率が向上することが示されている。
【0003】このような有機EL素子が、フルカラーの
平面ディスプレイとして実用化されるためには、赤、
青、緑の3原色が必要となる。しかしながら、青色ある
いは緑色においては多くの報告例があるにも関わらず、
赤色有機EL素子の報告例は少ない。これは、効率がよ
く、色純度の高い赤色発光材料が無いからである。赤色
発光素子の例としては、前記(ジャーナル オブ ジ
アプライドフィジックス(J.Appl.Phys.),65,3610(198
9))に記載のもの、特開平6−9953号公報に記載の
もの、第41回応用物理学会春季講演会予稿集28p−
N−1に記載のもの等があるが、これらにおいても実用
上十分な発光性能を有していなかった。
【0004】一方、シロール環を分子内に持つチオフェ
ン誘導体の最近の報告例としては、特開平6−1667
46号公報に示されているが、これらの化合物は、ほと
んどがポリマーであり、吸収波長が長く有機EL素子の
発光材料としては不向きであった。さらに、(ジャーナ
ル オブ ジ アメリカン ケミカル ソサイエティー
(J.Am.Chem.Soc.),114,5867(1992))に記載のものがあ
るが、これらの蛍光性については、全く触れられていな
い。また、チオフェン誘導体を用いた有機EL素子とし
ては、特開平6−1974号公報、特開平6−2002
43号公報、特開平6−271847号公報に記載され
たものがあるが、これらは全て青色か緑色に発光し、赤
色には発光しない。ポリチオフェン誘導体を有機EL素
子に利用した例として、(アドバンスド マテリアルズ
(Adv.Mater.6,132(1994))に記載のものがあるが、発光
色が赤色でない。
【0005】そこで、この問題を解決し、低電圧で、高
い発光効率を有する赤色発光有機EL素子や蛍光塗料に
使用できる赤色発光材料を見いだすべく鋭意検討した。
その結果、特定構造を有する新規なチオフェン誘導体を
有機EL素子に用いた場合、上記問題点が解決されるこ
とを見いだし、この知見に基づき、本発明を完成した。
以上の記述から明かなように、本発明の目的は、低電圧
で、高い発光効率を有する、赤色発光有機EL素子や赤
色蛍光塗料に好適に使用できる新規なチオフェン誘導体
を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、下記(1)な
いし(2)の各構成を有する。 (1)下記化3で表されるチオフェン誘導体。
【化3】 (式中、m及びnは、それぞれ独立に0〜3を表し、A
及びBは、それぞれ独立に、飽和もしくは不飽和の炭化
水素基、置換もしくは無置換のヘテロ環又はAとBが結
合して飽和または不飽和の環を形成しており、X及びY
は、それぞれ独立に飽和もしくは不飽和の炭化水素基、
置換もしくは無置換のヘテロ環又はXとYが結合して飽
和もしくは不飽和の環を形成しており、R1〜R10は、
それぞれ独立に水素、ハロゲン、置換もしくは無置換の
炭素数1から6までの、アルキル基、アルコキシ基、ア
リールオキシ基、パーフルオロアルキル基、パーフルオ
ロアルコキシ基、アミノ基、アルキルカルボニル基、ア
リールカルボニル基、アルコキシカルボニル基、アリー
ルオキシカルボニル基、アゾ基、アルキルカルボニルオ
キシ基、アリールカルボニルオキシ基、アルコキシカル
ボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ基、
シリル基、アリール基、ヘテロ環基、アルケニル基、ア
ルキニル基もしくはシアノ基を示し、隣接した場合には
置換もしくは無置換の環が縮合していてもよい)。
【0007】(2)下記化4で表されるチオフェン誘導
体。
【化4】 (式中、nは0〜3を表し、A及びBは、それぞれ独立
に、飽和もしくは不飽和の炭化水素基又はAとBとが結
合して飽和もしくは不飽和の環を形成しており、X及び
Yは、それぞれ独立に飽和もしくは不飽和の炭化水素基
又はXとYが結合して飽和もしくは不飽和の環を形成し
ており、R1〜R8は、それぞれ独立に水素、フッ素、置
換もしくは無置換の炭素数1から6までの、アルキル
基、アルコキシ基、アリールオキシ基、パーフルオロア
ルキル基、パーフルオロアルコキシ基、シリル基、アリ
ール基、ヘテロ環基もしくはシアノ基を示し、隣接した
場合には置換もしくは無置換の環が縮合していてもよ
い)。
【0008】本発明のチオフェン誘導体は、例えば、以
下の製造法により得ることができる。すなわち、下記化
5で表されるアセチレン誘導体にアルカリ金属錯体を反
応させ、続いて下記化6で表されるシラン誘導体を反応
させ、さらに続いて、塩化亜鉛もしくは塩化亜鉛錯体を
反応させることによって下記化7で表される反応性シラ
シクロペンタジエン誘導体が得られる。
【0009】
【化5】 (式中、A及びBは、それぞれ独立に、飽和もしくは不
飽和の炭化水素基、置換もしくは無置換のヘテロ環又は
AとBが結合して飽和もしくは不飽和の環を形成してお
り、X及びYは、それぞれ独立に飽和もしくは不飽和の
炭化水素基、置換もしくは無置換のヘテロ環又はXとY
が結合して飽和もしくは不飽和の環を形成している)。
【0010】
【化6】 (式中、X、Y及びZは、それぞれ独立に、ターシャリ
ーブチル基もしくはアリール基を示す)。
【0011】
【化7】 (式中、Cは、ハロゲン化亜鉛もしくはハロゲン化亜鉛
錯体を示し、X及びYは、それぞれ独立に飽和もしくは
不飽和の炭化水素基、置換もしくは無置換のヘテロ環又
はXとYが結合して飽和もしくは不飽和の環を形成して
おり、A及びBは、それぞれ独立に、飽和もしくは不飽
和の炭化水素基、置換もしくは無置換のヘテロ環又はA
とBが結合して飽和もしくは不飽和の環を形成してい
る)。
【0012】ここで用いられるアセチレン誘導体につく
置換基としては、アルカリ金属錯体とアセチレンとの反
応を阻害しにくいものがよく、アルカリ金属錯体に対し
て不活性なものが特に好ましい。該アルカリ金属錯体と
しては、例えば、リチウムナフタレニド、ナトリウムナ
フタレニド、カリウムナフタレニド、リチウム4,4’
−ジターシャリーブチル−2,2’−ビフェニリドもし
くはリチウム(N、N−ジメチルアミノ)ナフタレニド
などがあげられる。
【0013】用いる溶媒としては、アルカリ金属もしく
はアルカリ金属錯体に不活性なものなら特に制限はな
く、通常、エーテルやテトラヒドロフランのようなエー
テル系の溶媒が用いられる。続いて使用されるシラン誘
導体の置換基としては、嵩高いものが好ましく、具体的
にはターシャリーブチルジフェニルクロロシランやジタ
ーシャリーブチルフェニルクロロシランなどがあげられ
る。さらに続いて用いられる塩化亜鉛もしくは塩化亜鉛
の錯体としては、塩化亜鉛の固体を直接用いるか、塩化
亜鉛のエーテル溶液を使用するかもしくは塩化亜鉛のテ
トラメチルエチレンジアミン錯体などを使用することが
あげられる。
【0014】これらの塩化亜鉛類は、十分に乾燥してい
ることが好ましく、水分が多いと目的物が得られ難くな
る。この反応は、不活性気流中で行うことが好ましく、
アルゴンガスが使われる。このようにして得られた反応
性シラシクロペンタジエン誘導体に触媒の存在下、下記
化8で表されるハロゲン化物を反応させることによっ
て、本発明のチオフェン誘導体を得ることができる。
【0015】
【化8】 (式中、nは0〜3を表し、Xは、塩素、臭素もしくは
ヨウ素を表し、R1〜R5は、それぞれ独立に水素、ハロ
ゲン、置換もしくは無置換の炭素数1から6までの、ア
ルキル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、パーフル
オロアルキル基、パーフルオロアルコキシ基、アミノ
基、アルキルカルボニル基、アリールカルボニル基、ア
ルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、
アゾ基、アルキルカルボニルオキシ基、アリールカルボ
ニルオキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、アリー
ルオキシカルボニルオキシ基、シリル基、アリール基、
ヘテロ環基、アルケニル基、アルキニル基、シアノ基又
は隣接した場合には置換もしくは無置換の環が縮合して
いてもよい)。
【0016】ここで用いられる触媒としては、テトラキ
ストリフェニルフォスフィンパラジウムもしくはジクロ
ロビストリフェニルフォスフィンパラジウムなどのパラ
ジウム触媒があげられる。一連の反応の各段階におい
て、反応温度に特に制限はないが、アルカリ金属錯体、
シラン誘導体及び塩化亜鉛等を加え撹拌する際には、室
温以下が好ましく、通常氷冷下で行われる。ハロゲン化
物を加えたあとの反応温度は、室温以上が好ましく、通
常、溶媒にテトラヒドロフランを用いた場合には還流下
で行われる。反応時間においても特に制限はなく、アル
カリ金属錯体、シラン誘導体及び塩化亜鉛等を加え撹拌
する際には、数分から数時間の間が望ましい。ハロゲン
化物を加えたあとの反応は、核磁気共鳴法(NMR)や
クロマトグラフィー法等の一般的な分析手段により反応
を追跡し、反応の終点を決定すればよい。
【0017】このようにして得られた本発明のチオフェ
ン誘導体のケイ素上につく置換基としては、メチル基、
エチル基、ノルマルプロピル基、イソプロピル基、シク
ロペンチル基もしくはターシャリーブチル基のようなア
ルキル基、ビニル基、アリル基、ブテニル基もしくはス
チリル基のようなアルケニル基、エチニル基、プロパギ
ル基もしくはフェニルアセチニル基のようなアルキニル
基、フェニル基、ナフチル基、アントラセニル基、ビフ
ェニル基、トルイル基、ピレニル基、ペリレニル基、ア
ニシル基、ターフェニル基もしくはフェナンスレニル基
等のアリール基、ヒドロフリル基、ヒドロピレニル基、
ジオキサニル基、チエニル基、フリル基、オキサゾリル
基、オキサジアゾリル基、チアゾリル基、チアジアゾリ
ル基、アクリジニル基、キノリル基、キノキサロイル
基、フェナンスロリル基、ベンゾチエニル基、ベンゾチ
アゾリル基、インドリル基、シラシクロペンタジエニル
基もしくはピリジル基等のヘテロ環等があげられる。さ
らに、これらの置換基がお互いに任意の場所で結合して
環を形成していてもよい。
【0018】ベンゾチオフェン環の炭素上につく置換基
としては、水素、フッ素もしくは塩素等のハロゲン、メ
チル基、エチル基、ノルマルプロピル基、イソプロピル
基、シクロペンチル基もしくはターシャリーブチル基の
ようなアルキル基、ビニル基、アリル基、ブテニル基も
しくはスチリル基のようなアルケニル基、エチニル基、
プロパギル基もしくはフェニルアセチニル基のようなア
ルキニル基、メトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ
基もしくはターシャリーブトキシ基のようなアルコキシ
基、ビニルオキシ基もしくはアリルオキシ基のようなア
ルケニルオキシ基、エチニルオキシ基もしくはフェニル
アセチルオキシ基のようなアルキニルオキシ基、フェノ
キシ基、ナフトキシ基、ビフェニルオキシ基もしくはピ
レニルオキシ基のようなアリールオキシ基、トリフルオ
ロメチル基、トリフルオロメトキシ基もしくはペンタフ
ルオロエトキシ基のようなパーフルオロ基、
【0019】ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基もし
くはジフェニルアミノ基のようなアミノ基、アセチル基
もしくはベンゾイル基のようなケトン、アセトキシ基も
しくはベンゾイルオキシ基のようなエステル基、メトキ
シカルボニル基、エトキシカルボニル基もしくはフェノ
キシカルボニル基のようなエステル基、メチルスルフィ
ニル基もしくはフェニルスルフィニル基のようなスルフ
ィニル基、トリメチルシリル基、ジメチルターシャリー
ブチルシリル基、トリメトキシシリル基もしくはトリフ
ェニルシリル基のようなシリル基、フェニル基、ビフェ
ニル基、ターフェニル基、ナフチル基、アントラセニル
基、ピレニル基、トルイル基、アニシル基、フルオロフ
ェニル基、ジフェニルアミノフェニル基、ジメチルアミ
ノフェニル基、ジエチルアミノフェニル基もしくはフェ
ナンスレニル基のようなアリール基、
【0020】チエニル基、フリル基、シラシクロペンタ
ジエニル基、オキサゾリル基、オキサジアゾリル基、チ
アゾリル基、チアジアゾリル基、アクリジニル基、キノ
リル基、キノキサロイル基、フェナンスロリル基、ベン
ゾチエニル基、ベンゾチアゾリル基、インドリル基、カ
ルバゾリル基、ピリジル基、ピロリル基、ベンゾオキサ
ゾリル基、ピリミジル基もしくはイミダゾリル基等のヘ
テロ環、ニトロ基、ホルミル基、ニトロソ基、ホルミル
オキシ基、イソシアノ基、シアネート基、イソシアネー
ト基、チオシアネート基、イソチオシアネート基もしく
はシアノ基等があげられる。さらに、これらの置換基が
お互いに任意の場所で結合して環を形成していてもよ
い。
【0021】これらの置換基の導入方法は、シラシクロ
ペンタジエン環の形成前に導入してもよいし、シラシク
ロペンタジエン環形成後に導入してもよい。
【0022】本発明のチオフェン誘導体は、有機EL素
子の赤色発光材料として有効であり、シラシクロペンタ
ジエン環は、対応するシクロペンタジエン環、チオフェ
ン環、ピロール環やフラン環に比べて、最低非占有分子
軌道が低く、電子受容性であることがアビニシオ計算に
よりわかった。これは、ジエン部分のπ*軌道とケイ素
のσ*軌道との相互作用によると考えられる。そのた
め、電子供与性のチオフェン環と組み合わせることによ
り蛍光の極大波長が長波長化したと考えられる。
【0023】
【実施例】以下に実施例にて本発明を具体的に説明する
が、本発明は下記の実施例に限定されるものではない。
【0024】実施例1 2,5ービス{5−(2−ベンゾ[b]チエニル)チエ
ニル}−1,1,3,4−テトラフェニルシラシクロペ
ンタジエン(BTTSTBT)の合成 窒素気流下、エチニルベンゼン2.25gの20mlT
HF溶液に0℃で1.6Nノルマルブチルリチウムのヘ
キサン溶液14mlを滴下する。1時間撹拌後、ジフェ
ニルシリルクロライド2.53gの10mlTHF溶液
を添加する。室温にて一晩撹拌後、析出した固体を濾過
し、反応溶液を濃縮する。これに水を加え、エーテルに
て抽出する。さらに、エーテル層を水で洗浄後、硫酸マ
グネシウムにて乾燥し濃縮する。ヘプタンと酢酸エチル
の混合溶液にて再結晶を行い、0.67gのビスフェニ
ルエチニルジフェニルシランを得る。ナフタレン867
mgの入った100ml三口フラスコ内をアルゴンガス
に置換後、リチウム47mgとTHF5mlを加える。
5時間撹拌後、先に得られたシラン誘導体650mgの
THF溶液を滴下する。続いて10分後に0℃まで冷却
後、ターシャリーブチルジフェニルシリルクロライド9
29mgを加え、20分撹拌後、塩化亜鉛のテトラメチ
ルエチレンジアミン錯体1.71gを添加する。反応温
度を室温に戻し、2−(5−ブロモチエニル)ベンゾ
[b]チオフェン705mgとビストリフェニルフォス
フィンジクロロパラジウム59mgを加え、22時間還
流する。これに水を加え、エーテルにて抽出する。さら
に、エーテル層を水で洗浄後、硫酸ナトリウムにて乾燥
し濃縮する。カラムクロマトグラフィーにて精製後、昇
華精製を行い、約100mgの表題化合物を得た。クロ
ロフォルム中での蛍光のλmax=612nmで、オレ
ンジ色であった。蒸着膜の蛍光のλmax=638nm
で、赤色であった。1 HNMR(CHCl3) δ=6.79(d,2H), 6.91(d,2H), 7.04(s,2H), 7.12(m,4
H), 7.2-7.3(m,12H), 7.45-7.55(m,6H),7.60(d,2H), 7.
67(d,2H), 7.92(d,2H)
【0025】実施例2〜7 各種誘導体の合成 実施例1で用いた2−(5−ブロモチエニル)ベンゾ
[b]チオフェンを対応するハロゲノチオフェンに、ビ
スフェニルエチニルジフェニルシランを対応するシラン
に置き換えた以外は、実施例1に準ずる方法で以下の
(1)〜(5)の化合物を合成できる (1)2,5ービス[5−{5−(2−ベンゾ[b]チ
エニル)チエニル}チエニル]−1,1,3,4−テト
ラフェニルシラシクロペンタジエン、(2)2,5ービ
ス(2−ベンゾ[b]チエニル)−1,1,3,4−テ
トラフェニルシラシクロペンタジエン、(3)2,5ー
ビス(2−ナフト[b]チエニル)−1,1,3,4−
テトラフェニルシラシクロペンタジエン、(3)2,5
ービス[5−{5−(2−ベンゾ[b]チエニル)チエ
ニル}チエニル]−1,1−ジメチル−3,4−ジフェ
ニルシラシクロペンタジエン、(4)2,5ービス{5
−(2−ベンゾ[b]チエニル)チエニル}−1,1−
ジフェニル−3,4−ビス(3−メチルフェニル)シラ
シクロペンタジエン、(5)2,5ービス{5−(2−
ベンゾ[b]チエニル)チエニル}−1−メチル−1,
3,4−トリフェニルシラシクロペンタジエン、
【0026】応用例1 25mm×75mm×1.1mmのガラス基板上にIT
Oを蒸着法にて50nmの厚さで製膜したもの(東京三
容真空(株)製)を透明支持基板とした。この透明支持
基板を市販の蒸着装置(真空機工(株)製)の基板ホル
ダーに固定し、石英製のるつぼにN,N’−ジフェニル
−N,N’−ジ(3−メチルフェニル)−4,4’−ジ
アミノビフェニル(TPD)をいれ、別のるつぼに実施
例1で得られた化合物(BTTSTBT)を入れて真空
槽を1×10-4Paまで減圧した。TPD入りのるつぼ
を加熱し、膜厚50nmになるように蒸着した。次に、
この上にBTTSTBT入りのるつぼを加熱して、膜厚
50nmになるように蒸着した。蒸着速度は0.1〜
0.2nm/秒であった。その後真空槽を2×10-4
aまで減圧してから、グラファイト性のるつぼから、マ
グネシウムを1.2〜2.4nm/秒の蒸着速度で、同
時にもう一方のるつぼから銀を0.1〜0.2nm/秒
の蒸着速度で蒸着した。上記条件でマグネシウムと銀の
混合金属電極を発光層の上に200nm積層蒸着して対
向電極とし、素子を形成した。ITO電極を陽極、マグ
ネシウムと銀の混合電極を陰極として、得られた素子
に、直流電圧5Vを印加すると電流が流れ、赤色の発光
を得た。
【0027】比較例1 実施例1で用いたチオフェン誘導体を化9に代えた以外
は応用例1に準拠して素子を作成した。得られた素子
に、直流電圧4.5Vを印加すると約40mA/cm2
の電流が流れ、約5cd/m2の発光を得たが、発光色
は赤色ではなく黄橙色であった。応用例1との比較によ
り、本発明の化合物が色純度の高い赤色発光材料である
ことがわかる。
【化9】
【0028】応用例2 25mm×75mm×1.1mmのガラス基板上にIT
Oを蒸着法にて50nmの厚さで製膜したものを透明支
持基板とした。この透明支持基板を市販のスピンナー
(協栄セミコンダクター(株)製)に固定し、ポリビニ
ルカルバゾール50重量部、2−ビフェニル−5−(p
−タ−シャリーブチルフェニル)オキサジアゾ−ル50
重量部およびBTTSTBT1重量部をトルエンに溶解
したものを5000rpmで塗布した。その後、この基
板を10-1Paの減圧下50℃にて乾燥後、蒸着装置の
基板ホルダーに固定した。その後真空槽を2×10-4
aまで減圧してから、グラファイト性のるつぼから、マ
グネシウムを1.2〜2.4nm/秒の蒸着速度で、同
時にもう一方のるつぼから銀を0.1〜0.2nm/秒
の蒸着速度で蒸着した。上記条件でマグネシウムと銀の
混合金属電極を発光層の上に200nm積層蒸着して対
向電極とし、素子を形成した。ITO電極を陽極、マグ
ネシウムと銀の混合電極を陰極として、得られた素子
に、直流電圧を印加すると電流が流れ、赤橙色の発光を
得た。
【0029】
【発明の効果】本発明の化合物は、赤色の発光性に優れ
ているので、蛍光塗料もしくは有機EL素子等の赤色発
光材料として有用である。有機EL素子として使用した
場合、これまでの赤色発光材料を使用した素子よりも色
純度が高く、高効率な赤色発光が得られ実用的価値が高
い。これらを用いることにより、フルカラーディスプレ
ー等の高効率な発光素子が作成できる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記化1で表されるチオフェン誘導体。 【化1】 (式中、m及びnは、それぞれ独立に0〜3を表し、A
    及びBは、それぞれ独立に、飽和もしくは不飽和の炭化
    水素基、置換もしくは無置換のヘテロ環又はAとBが結
    合して飽和もしくは不飽和の環を形成しており、X及び
    Yは、それぞれ独立に飽和もしくは不飽和の炭化水素
    基、置換もしくは無置換のヘテロ環又はXとYが結合し
    て飽和もしくは不飽和の環を形成しており、R1〜R10
    は、それぞれ独立に水素、ハロゲン、置換もしくは無置
    換の炭素数1から6までの、アルキル基、アルコキシ
    基、アリールオキシ基、パーフルオロアルキル基、パー
    フルオロアルコキシ基、アミノ基、アルキルカルボニル
    基、アリールカルボニル基、アルコキシカルボニル基、
    アリールオキシカルボニル基、アゾ基、アルキルカルボ
    ニルオキシ基、アリールカルボニルオキシ基、アルコキ
    シカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキ
    シ基、シリル基、アリール基、ヘテロ環基、アルケニル
    基、アルキニル基もしくはシアノ基を示し、隣接した場
    合には置換もしくは無置換の環が縮合していてもよ
    い)。
  2. 【請求項2】 下記化2で表されるチオフェン誘導体。 【化2】 (式中、nは0〜3を表し、A及びBは、それぞれ独立
    に、飽和もしくは不飽和の炭化水素基又はAとBとが結
    合して飽和または不飽和の環を形成しており、X及びY
    は、それぞれ独立に飽和もしくは不飽和の炭化水素基又
    はXとYが結合して飽和または不飽和の環を形成してお
    り、R1〜R8は、それぞれ独立に水素、フッ素、置換も
    しくは無置換の炭素数1から6までの、アルキル基、ア
    ルコキシ基、アリールオキシ基、パーフルオロアルキル
    基、パーフルオロアルコキシ基、シリル基、アリール
    基、ヘテロ環基あるいはシアノ基又は隣接した場合には
    置換もしくは無置換の環が縮合していてもよい。)。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010093098A (ja) * 2008-10-09 2010-04-22 Konica Minolta Holdings Inc 有機光電変換素子、太陽電池および光センサアレイ
US8524899B2 (en) * 2003-03-04 2013-09-03 California Institute Of Technology Alternative heterocycles for DNA recognition

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