JPH09323964A - N−(1−アルコキシエチル)カルボン酸アミドの製造法 - Google Patents

N−(1−アルコキシエチル)カルボン酸アミドの製造法

Info

Publication number
JPH09323964A
JPH09323964A JP9086718A JP8671897A JPH09323964A JP H09323964 A JPH09323964 A JP H09323964A JP 9086718 A JP9086718 A JP 9086718A JP 8671897 A JP8671897 A JP 8671897A JP H09323964 A JPH09323964 A JP H09323964A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
acid amide
carboxylic acid
alkoxyethyl
reaction
acetamide
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP9086718A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4061419B2 (ja
Inventor
Hitoshi Nakamura
仁至 中村
Tetsuo Kudo
哲雄 工藤
Etsuko Kadowaki
悦子 門脇
Toshiyuki Aizawa
利行 相沢
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Resonac Holdings Corp
Original Assignee
Showa Denko KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Showa Denko KK filed Critical Showa Denko KK
Priority to JP08671897A priority Critical patent/JP4061419B2/ja
Publication of JPH09323964A publication Critical patent/JPH09323964A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4061419B2 publication Critical patent/JP4061419B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P20/00Technologies relating to chemical industry
    • Y02P20/50Improvements relating to the production of bulk chemicals
    • Y02P20/52Improvements relating to the production of bulk chemicals using catalysts, e.g. selective catalysts

Landscapes

  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)
  • Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明の目的は簡単且つ良好な最後収得率で
N−(1−アルコキシエチル)カルボン酸アミドを効率
的に製造する方法を開発することである。 【解決手段】 本発明は、酸触媒の存在下、炭素数1〜
5のアルコールおよびN−ビニルカルボン酸アミドを反
応させることにより、あるいは、N−(1−アルコキシ
エチル)カルボン酸アミド、カルボン酸アミド、エチリ
デンビスカルボン酸アミド、アセタール、アセトアルデ
ヒドおよび水のうち、少なくとも1種類をさらに原料に
加えて反応させることにより、N−(1−アルコキシエ
チル)カルボン酸アミドを製造する方法。また上記の方
法において、強酸性イオン交換樹脂を触媒として反応さ
せる際に水溶性の強酸を存在させることにより、N−
(1−アルコキシエチル)カルボン酸アミドを製造する
方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、N−(1−アルコ
キシエチル)カルボン酸アミドの製造法に関する。この
N−(1−アルコキシエチル)カルボン酸アミドは、分
析用途や、各種の農薬、医薬の中間体として有用である
ほか、吸水剤、増粘剤等に利用できるN−ビニルカルボ
ン酸アミド系のポリマーのモノマーとして、あるいはタ
ウリンおよびシステアミン等の化学薬品の合成原料とし
て極めて有用なN−ビニルカルボン酸アミドの中間体で
ある。さらに本発明は、N−(1−アルコキシエチル)
カルボン酸アミドからのN−ビニルカルボン酸アミドの
製造法、また得られたN−ビニルカルボン酸アミドをモ
ノマーとして使用するN−ビニルカルボン酸アミド系ポ
リマーの製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、N−(1−アルコキシエチル)カ
ルボン酸アミドの合成法としては、各種の方法が提案さ
れている。これらの方法について原料に注目すると、ア
セタールを用いる方法、エチリデンビスカルボン酸アミ
ドを用いる方法、アセトアルデヒドを用いる方法、など
に分類される。
【0003】ジメチルアセタールを原料とする方法とし
て米国特許第4,554,377号公報にジメチルアセ
タールとカルボン酸アミドをメタンスルホン酸、硫酸等
の強酸、あるいは強酸性イオン交換樹脂の存在下、反応
させる方法が開示されている。しかし、この方法は、別
途にジメチルアセタールを合成し、更にこれを単離して
使用する必要がある上に、高収率を得るためにはその原
料組成をカルボン酸アミド1モルに対してジメチルアセ
タール20モルと極めて高度に希釈しなければならず、
生産性が著しく低いという欠点を有している。また、特
開平2−9851号公報にはホルムアミドとアセタール
から同様にN−(1−アルコキシエチル)ホルムアミド
が合成されることが報告されているが、同様の問題点が
ある。
【0004】また、エチリデンビスカルボン酸アミドを
原料に用いる方法として特開平1−100153号公報
や特開平2−304053号公報がある。この方法は入
手が容易で安価なアセトアルデヒドとカルボン酸アミド
あるいはビニルエーテルとカルボン酸アミド等から容易
に製造されるエチリデンビスアミドをアルカノールと反
応させることにより簡便でかつ収率よく目的とするN−
(1−アルコキシエチル)カルボン酸アミドが得られ
る。しかし、この方法の問題点として、反応終了後、N
−(1−アルコキシエチル)アミドを単離するために、
抽出を含む煩雑な操作を必要とするうえ、エチリデンビ
スカルボン酸アミドの合成とN−(1−アルコキシエチ
ル)カルボン酸アミドの合成の二段階操作を必要とする
ことが挙げられる。
【0005】アセトアルデヒドを原料とする方法は、特
公平6−17351号公報および特開昭63−9616
0号公報に記載されている。これらの方法は比較的高収
率で目的とするN−(1−アルコキシエチル)カルボン
酸アミドが得られるものの、アセタールおよびエチリデ
ンビスアミドが副生する。同様の方法として特公平5−
81581号公報に記載の方法がある。これには、N−
(1−アルコキシエチル)カルボン酸アミドの製造にお
いて副生するアセタールを反応系にリサイクルして用い
る可能性について述べられているが、反応成績に対する
影響についてなど何等具体的な開示がなされていない。
また、反応成績についても充分なレベルではない。
【0006】一方、特開平6−100515号公報では
アセタールおよびエチリデンビスカルボン酸第一アミド
の存在下で、比較的収率よく目的とするN−(1−アル
コキシエチル)カルボン酸アミドの製造方法が提案され
ている。このようにアセトアルデヒドを原料とする方法
は入手容易でかつ安価であるカルボン酸アミド、アセト
アルデヒド、アルコールの3種類の化合物から強酸性触
媒の存在下、一段階で反応させて比較的収率よく目的と
するN−(1−アルコキシエチル)カルボン酸アミドを
合成できることから工業的に有利に製造する方法として
期待される。
【0007】特開昭62−289549号公報および特
開昭63−96160号公報には第一カルボン酸アミ
ド、アセトアルデヒド、および直鎖型もしくは分岐型ア
ルカノールを原料として、カチオン交換樹脂を用いて、
比較的高収率で目的とするN−(1−アルコキシエチ
ル)カルボン酸アミドを得る方法が開示されている。こ
の方法は不均一系触媒であるカチオン交換樹脂を使用す
るため、反応生成物と触媒の分離が容易であるという利
点がある。しかし、カチオン交換樹脂を触媒として使用
する場合、使用中に失活することがある。これは、反応
中に副生する極微量の塩基性イオンや原料中に含まれる
金属イオンあるいは塩基性物質などの不純物によるもの
と推定される。したがって該製造方法を採用するにあた
っては、触媒の失活に伴う製造の中断、失活樹脂の再生
コスト等の観点から工業的に解決すべき問題がある。
【0008】また、これらの方法とは別に、特開平6−
100515号公報では均一系触媒の使用が述べられて
いる。しかし、この方法は原料に対して多量の酸触媒を
必要とするため、反応後の中和塩の廃棄が問題となる。
【0009】ところで、N−(1−アルコキシエチル)
カルボン酸アミドの製造方法は、いずれも平衡反応であ
るためカルボン酸アミドを全てN−(1−アルコキシエ
チル)カルボン酸アミドに変換することは出来ない。し
たがって、これらの反応液にはいずれもN−(1−アル
コキシエチル)カルボン酸アミドの他に原料であるカル
ボン酸アミドが含まれている。一般に、N−(1−アル
コキシエチル)カルボン酸アミドとその原料であるカル
ボン酸アミドは蒸気圧等の物性が極めて近く、特に、メ
トキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基等の低級脂肪
族アルコキシル基を含む場合は精製が困難であった。
【0010】さらに、所望により得られたN−(1−ア
ルコキシエチル)カルボン酸アミドは熱分解あるいは接
触分解反応によりアルコールの脱離反応を行い、N−ビ
ニルカルボン酸アミドの製造に用いられる。この反応も
平衡反応であるため、完全にN−(1−アルコキシエチ
ル)カルボン酸アミドをN−ビニルカルボン酸アミドに
変換することはできない。したがって、得られた反応液
にはN−ビニルカルボン酸アミドの他に主な不純物とし
て未反応のN−(1−アルコキシエチル)カルボン酸ア
ミドとカルボン酸アミドが含まれている。この反応液か
らN−ビニルカルボン酸アミドを回収、精製する方法と
して、種々の方法が提案されている。たとえば、晶析操
作でN−ビニルカルボン酸アミドを得る場合、原理的に
全てのN−ビニルカルボン酸アミドを回収することはで
きず、N−ビニルカルボン酸アミドを含んだN−(1−
アルコキシエチル)カルボン酸アミドとカルボン酸アミ
ドからなる母液が得られる。
【0011】一方、蒸留や抽出等の分離操作でN−ビニ
ルカルボン酸アミドを得る場合でも、その物性がN−
(1−アルコキシエチル)カルボン酸アミドやカルボン
酸アミドと極めて近いため、充分な分離が困難である。
したがって、多くの場合、回収、精製されたN−ビニル
カルボン酸アミドとN−ビニルカルボン酸アミドを含ん
だN−(1−アルコキシエチル)カルボン酸アミドとカ
ルボン酸アミドからなる留分あるいは抽出残分などが得
られる。したがって、これらN−ビニルカルボン酸アミ
ドを含んだN−(1−アルコキシエチル)カルボン酸ア
ミドとカルボン酸アミドからなる混合物をいかに効率的
に、かつ簡便に有用物質として回収するかが問題であっ
た。
【0012】以上のように、従来のN−(1−アルコキ
シエチル)カルボン酸アミドの製造方法は、収率、副生
物の生成、原料入手の困難さ、触媒の寿命、反応工程や
精製工程の煩雑さ等の点において、多くの改良を必要と
しており、また、未反応カルボン酸アミドの含有量の少
ない高純度のN−(1−アルコキシエチル)カルボン酸
アミドを得ることは困難であった。さらに、N−(1−
アルコキシエチル)カルボン酸アミドをN−ビニルカル
ボン酸アミドの製造に用いる場合でも、回収、精製工程
など後工程を含めた製造プロセス全体の収率、副生物の
抑制、煩雑さ等の点において、満足すべき方法とは言い
難い。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、N−
(1−アルコキシエチル)カルボン酸アミドを工業的に
有利に製造する方法を開発することにある。また、得ら
れたN−(1−アルコキシエチル)カルボン酸アミドか
らN−ビニルカルボン酸アミドを工業的に有利に製造す
る方法を提供する。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明は、酸触媒の存在
下、炭素数1〜5のアルコールおよびN−ビニルカルボ
ン酸アミドを反応させることにより、あるいは、未反応
原料であるカルボン酸アミド、未反応中間体であるN−
(1−アルコキシエチル)カルボン酸アミド、または未
回収品であるN−ビニルカルボン酸アミドをN−(1−
アルコキシエチル)カルボン酸アミド合成に利用するこ
とにより、簡単且つ良好な最終収得率でN−(1−アル
コキシエチル)カルボン酸アミドを効率的に製造する方
法を提供する。
【0015】即ち、本発明は、酸触媒の存在下、炭素数
1〜5のアルコールおよびN−ビニルカルボン酸アミド
を反応させることにより、あるいは、N−(1−アルコ
キシエチル)カルボン酸アミド、カルボン酸アミド、エ
チリデンビスカルボン酸アミド、アセタール、アセトア
ルデヒドおよび水のうち、少なくとも1種類をさらに原
料に加えて反応させることにより、N−(1−アルコキ
シエチル)カルボン酸アミドを製造する方法を提供す
る。また上記の方法において、酸触媒として強酸性イオ
ン交換樹脂を使用することにより N−(1−アルコキ
シエチル)カルボン酸アミドを製造する方法を提供す
る。さらに当該方法において、強酸性イオン交換樹脂を
使用する際に水溶性の強酸を存在させることによりN−
(1−アルコキシエチル)カルボン酸アミドを製造する
方法を提供する。
【0016】また、本発明は、上記の方法によりN−
(1−アルコキシエチル)カルボン酸アミドを得る第1
工程、第1工程のN−(1−アルコキシエチル)カルボ
ン酸アミドを接触分解あるいは熱分解し、N−ビニルカ
ルボン酸アミドに変換する第2工程、第2工程液から精
製したN−ビニルカルボン酸アミドを得る第3工程から
なり、第3工程の残部を第1工程にもどすことを特徴と
するN−ビニルカルボン酸アミドの製造方法を提供す
る。さらに本発明は、得られたN−ビニルカルボン酸ア
ミドをモノマーとして使用し、N−ビニルカルボン酸ア
ミドのホモポリマーまたはコポリマーの製造法を提供す
る。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明の方法についてさら
に詳細に説明する。本発明においては、アルコールとし
ては炭素数1〜5の脂肪族アルコールを用いることがで
きる。たとえば、メタノール、エタノール、n−プロパ
ノール、イソプロパノール、n−ブタノール、sec−
ブタノール、1−ペンタノール等が挙げられ、なかでも
メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、n
−ブタノールが好ましい。N−ビニルカルボン酸アミド
としては、例えば、N−ビニルホルムアミド、N−ビニ
ルアセトアミド、N−ビニルプロピオン酸アミド、N−
ビニルイソプロピオン酸アミド、N−ビニル酪酸アミ
ド、N−ビニルイソ酪酸アミド等のN−ビニル脂肪族カ
ルボン酸アミドが挙げられ、なかでもN−ビニルホルム
アミド、N−ビニルアセトアミドが好ましく、特にN−
ビニルアセトアミドが好ましい。アセタールとしては、
例えばアセトアルデヒドとメタノール、エタノール、n
−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、
sec−ブタノール、n−ペンタノール等の脂肪族アル
コールとから導かれるアセタールが挙げられる。これら
のアセタールとアルコールは平衡反応の関係にあり、反
応条件下ではアルコキシル基の交換反応が起こることか
ら同一種類のアルコールとアセタールの組合せ、例え
ば、メタノールとジメチルアセタール、エタノールとジ
エチルアセタールの組合せなどが好ましい。
【0018】カルボン酸アミドとしては、一般に脂肪族
カルボン酸アミドが使用できる。これらの中にはホルム
アミド、アセトアミド、プロピオン酸アミド、イソプロ
ピオン酸アミド、酪酸アミド、イソ酪酸アミド等が挙げ
られるが、なかでもホルムアミド、アセトアミドが好ま
しく、特にアセトアミドが好ましい。これらのカルボン
酸アミドは本発明の製造工程においてアセトアルデヒド
及びアルコール、及び/またはアセタールと反応し、目
的のN−(1−アルコキシエチル)カルボン酸アミドを
与えることができる。エチリデンビスカルボン酸アミド
としては、例えば、ホルムアミド、アセトアミド、プロ
ピオン酸アミド、イソプロピオン酸アミド、酪酸アミ
ド、イソ酪酸アミド等の脂肪族カルボン酸アミドからの
エチリデンビスカルボン酸アミドが挙げられ、なかでも
ホルムアミドやアセトアミドからのエチリデンビスカル
ボン酸アミドが好ましく、特にアセトアミドからのエチ
リデンビスカルボン酸アミドが好ましい。これらのエチ
リデンビスカルボン酸アミドは本発明の製造工程におい
てアルコール、及び/またはアセタールと反応し、目的
のN−(1−アルコキシエチル)カルボン酸アミドを与
えることができる。。
【0019】目的物であるN−(1−アルコキシエチ
ル)カルボン酸アミドとしては、炭素数1〜5のアルコ
キシル基を有し、且つ、カルボン酸アミドとしては前述
のようにホルムアミド、アセトアミド、プロピオン酸ア
ミド、イソプロピオン酸アミド、酪酸アミド、イソ酪酸
アミド等の脂肪族カルボン酸アミドで、例えば、N−
(1−メトキシエチル)ホルムアミド、N−(1−メト
キシエチル)アセトアミド、N−(1−メトキシエチ
ル)プロピオン酸アミド、N−(1−メトキシエチル)
イソプロピオン酸アミド、N−(1−メトキシエチル)
酪酸アミド、 N−(1−メトキシエチル)イソ酪酸ア
ミド、N−(1−エトキシエチル)ホルムアミド、N−
(1−エトキシエチル)アセトアミド、N−(1−エト
キシエチル)プロピオン酸アミド、N−(1−エトキシ
エチル)イソプロピオン酸アミド、N−(1−エトキシ
エチル)酪酸アミド、N−(1−エトキシエチル)イソ
酪酸アミド、N−(1−イソプロポキシエチル)ホルム
アミド、N−(1−イソプロポキシエチル)アセトアミ
ド、N−(1−イソプロポキシエチル)プロピオン酸ア
ミド、N−(1−イソプロポキシエチル)イソプロピオ
ン酸アミド、N−(1−イソプロポキシエチル)酪酸ア
ミド、N−(1−イソプロポキシエチル)イソ酪酸アミ
ドなどが挙げられ、N−(1−アルコキシエチル)ホル
ムアミド、及び、N−(1−アルコキシエチル)アセト
アミドが好ましい。特にN−(1−アルコキシエチル)
アセトアミドが好ましい。この場合、アルコキシル基は
メトキシ基またはエトキシ基が良い。これらのカルボン
酸アミド基を持つ物質同士は、平衡反応の関係にあり、
反応条件下ではカルボン酸アミド基の交換反応が起こる
ことから、これらを組み合わせて使用するときは、同一
種類のカルボン酸アミド基を持つ物質を使用することが
適当である。
【0020】本発明で用いる酸触媒としては、均一系触
媒、不均一系触媒のいずれでもよく、前者の例として
は、例えば、塩酸、硫酸、硝酸、リン酸などの鉱酸、リ
ンタングステン酸などのヘテロポリ酸、メタンスルホン
酸、p−トルエンスルホン酸などの有機酸などが挙げら
れる。後者の例としては、ゲル型やポーラス型などの酸
性イオン交換樹脂が挙げられ、例えば、「ダイヤイオン
SK−1B]、「アンバーライトIR−120B」、
「ダウエックス50W]、「ダイヤイオンPK−21
6]、「アンバーライト200C」、「アンバーリスト
15」、「ダウエックスMSC−1」(いずれも登録商
標)などが挙げられる。工業的に製造するには、不均一
系触媒であるイオン交換樹脂を使用するのが好ましい。
【0021】また、強酸性イオン交換樹脂を酸触媒とし
て反応させる際に存在させる水溶性の強酸としては、原
則的に水溶性で強酸であれば特に制限はなく、例えば、
塩酸、硫酸、硝酸、リン酸などの鉱酸、リンタングステ
ン酸などのヘテロポリ酸、メタンスルホン酸、p−トル
エンスルホン酸などの有機酸などが挙げられる。本発明
のN−(1−アルコキシ)エチルカルボン酸アミドの合
成に関わる反応は次の反応式(1)〜(8)を含む。
【0022】
【化1】
【0023】ここでRは、水素、及びC1 〜C3 までの
アルキル基を表し、R1 は、C1 〜C5 までのアルキル
基を表す。これらの反応は、いずれも平衡反応である。
したがって、用いる原料の仕込モル比は所望の反応液組
成、即ち、反応成績に応じて決定される。また、アルコ
ールやカルボン酸アミドの種類によって平衡定数が異な
るため、それぞれ、好ましい仕込モル比の範囲は異なっ
てくる。
【0024】原料の仕込モル比を設定するにあたって重
要なことは、反応成績、即ち、目的化合物であるN−
(1−アルコキシエチル)カルボン酸アミドの収率を大
きくすることと、その生産性、即ち、反応液中のN−
(1−アルコキシエチル)カルボン酸アミド濃度を上げ
ることである。さらに、反応原料にN−ビニルカルボン
酸アミドとアルコールの他に、N−(1−アルコキシエ
チル)カルボン酸アミド、カルボン酸アミド、エチリデ
ンビスカルボン酸アミド、アセタール、アセトアルデヒ
ドまたは水を用いる場合は、反応の前後でアセタールお
よび、エチリデンビスカルボン酸アミドなどの副生物が
増減しないことが好ましい。これらの化合物は副生物な
がら、平衡反応に大きく関与している。通常これらの副
生物は廃棄物の削減とコストの削減の観点から反応後、
生成物と分離され、反応工程に戻される(リサイクルさ
れる)。したがって、定常的に反応を継続するために
は、副生物が増減しないことが好ましい。反応によって
これらの副生物が減少する場合は、減少分の副生物を新
たに合成し、反応原料に添加する必要がある。逆に、反
応によってこれらの副生物が増加する場合は、増加分を
廃棄する必要がある。
【0025】これらを踏まえた上で、通常、原料中の各
成分のモル比は下記の比率が好ましい。N−ビニルカル
ボン酸アミドとアルコールのモル比は1:0.1〜10
0の範囲から選択されるが、なかでも1:0.5〜25
が特に好ましい。これらに加えて、N−(1−アルコキ
シエチル)カルボン酸アミド、カルボン酸アミド、エチ
リデンビスカルボン酸アミド、アセタール、アセトアル
デヒドおよび水を存在させる場合は、N−ビニルカルボ
ン酸アミドとN−(1−アルコキシエチル)カルボン酸
アミド、カルボン酸アミド、エチリデンビスカルボン酸
アミド、アセタール、アセトアルデヒドおよび水とのモ
ル比は1:0〜20:0〜20:0〜10:0〜20
0:0〜50:0〜10の範囲から選択されるのがよ
く、なかでも1:0.1〜10:0.1〜10:0.0
1〜1:10〜100:1〜20:1〜5が特に好まし
い。
【0026】N−ビニルカルボン酸アミド、カルボン酸
アミドまたはN−(1−アルコキシエチル)カルボン酸
アミドに対してアセトアルデヒドのモル比をこれ以上に
しても収率の向上は期待できず、アセトアルデヒド縮合
物の生成量が増すだけである。また、これ以下にすると
収率が低下する。N−ビニルカルボン酸アミド、カルボ
ン酸アミドまたはN−(1−アルコキシエチル)カルボ
ン酸アミドに対してアルコールのモル比をこれ以上にす
るとN−(1−アルコキシエチル)カルボン酸アミドの
収率が低下し、アセタールが増加するとともに、生産性
が低下する。また、これ以下にすると、N−ビニルカル
ボン酸アミドへのカルボン酸アミドの付加反応が優先し
てエチリデンビスカルボン酸アミドの生成量が増し、ア
セタールが減少してしまう。N−ビニルカルボン酸アミ
ド、カルボン酸アミドまたはN−(1−アルコキシエチ
ル)カルボン酸アミドに対してアセタールのモル比をこ
れ以上にすると生産性が低下するとともにアセタール量
が減少する。また、これ以下にするとN−(1−アルコ
キシエチル)カルボン酸アミドの収率が低下し、エチリ
デンビスカルボン酸アミドの生成量が増す。N−ビニル
カルボン酸アミド、カルボン酸アミドまたはN−(1−
アルコキシエチル)カルボン酸アミドに対してエチリデ
ンビスカルボン酸アミドのモル比はこの範囲で反応前後
のエチリデンビスカルボン酸アミド量がバランスする。
また、N−ビニルカルボン酸アミド、カルボン酸アミド
またはN−(1−アルコキシエチル)カルボン酸アミド
に対して水をこれ以上加えると、N−(1−アルコキシ
エチル)カルボン酸アミドの収率が低下すると共に、ア
セタールが減少するため、好ましくない。
【0027】以上、反応原料の各化合物のモル比につい
て、本発明を説明した。しかし、前述のように本発明で
用いる反応はいずれも平衡反応である。また、これらの
平衡反応は反応原料と生成物がお互いに関連した非常に
複雑な反応系である。したがって、反応原料の組成を各
化合物のモル比でも説明可能であるが、むしろ、各化合
物を構成する「部位」に分解し、その「部位」の比率で
本発明の原料組成を説明する。本発明において「部位」
とは、それぞれの化合物を構成する官能基であり、「エ
チリデン」、「アルコキシル」、「アミド」、「水」の
4つの部位があるとする。例えば、N−(1−アルコキ
シエチル)カルボン酸アミドは、「エチリデン」部位1
つ、「アルコキシル」部位1つ、「アミド」部位1つか
ら成る。アセタールは「エチリデン」部位1つ、「アル
コキシル」部位2つから成る。アセトアルデヒドについ
ては次のように考える。アセトアルデヒドとアルコール
からのアセタール合成反応を例に挙げて説明する。上で
定義したようにアセタールの部位は「エチリデン」部位
1つと「アルコキシル」部位2つである。アルコール2
当量とH20 は明らかに、それぞれ「アルコキシル」部位
2つと「水」部位1つである。したがって、部位につい
ての化学量論式より、アセトアルデヒドの部位は「エチ
リデン」部位1つと「水」部位1つとなる。
【0028】
【表1】
【0029】化学量論式
【化2】 同様に、その他の化合物についても構成する部位は下表
のようになる。
【表2】 表中、「EA」はN−(1−アルコキシエチル)カルボン
酸アミド、「NV」はN−ビニルカルボン酸アミド、「EB
A 」はエチリデンビスカルボン酸アミドを表す。「部
位」の比率を用いて表した原料組成は「アミド」:「エ
チリデン」:「アルコキシル」:「水」=1:1〜2
0:1〜100:0〜10であるのがよく、好ましくは
1:5〜15:10〜50:1〜5である。
【0030】反応形式は回分式あるいは連続式が用いら
れる。回分式は、均一系触媒を使用する際は、反応器に
原料、酸触媒を供給して反応させ、不均一系触媒を使用
する際には、反応器に原料、酸触媒、及び水溶性の強酸
を供給して反応させる。連続式は、均一系触媒を使用す
る際は撹拌槽、または管状反応器に、原料と酸触媒を供
給して反応させ、不均一系触媒を使用する際は撹拌槽、
または管状反応器に、原料と酸触媒、及び水溶性の強酸
を供給して反応させる。本発明は、特に触媒を充填した
触媒層を用い、この中を水溶性の強酸を含む原料組成物
を通過させる連続式に用いる時に効果が大きい。
【0031】酸触媒の使用量については必ずしも厳密な
制限はないが、原料重量に対して0.01〜30重量
%、好ましくは0.05〜15重量%の範囲から適宜に
選択される。30重量%以上用いても反応速度の大きな
増加はなく、経済的に好ましくない。また、0.01%
以下では反応速度が小さく、生産性の点で好ましくな
い。また、強酸性イオン交換樹脂を酸触媒として使用す
る際に存在させる水溶性の強酸の量は、原料のうちカル
ボン酸アミド基をもつ物質の総モル数に対して、2×1
-3〜3×10-1当量の範囲から選択されるのがよい
が、2×10-3〜3×10-2当量が好ましく、2×10
-3〜1×10-2当量が特に好ましい。このときの当量と
は、カルボン酸アミド基に対する酸の量を表すために用
いられる化学当量を表す。3×10-1当量を越える量を
用いても触媒の長寿命化の効果は飽和しておりそれ以上
の長寿命化は望めず、また、強酸の使用量に応じて対応
する中和塩の副生が避けられないため好ましくない。ま
た、2×10-3当量未満の量では触媒の長寿命化に顕著
な効果は認められず好ましくない。
【0032】水溶性の強酸の添加方法は、原料組成物中
に予め添加しておく方法、強酸性イオン交換樹脂と接触
させる直前に添加する方法などいずれでも良く特に制限
はない。後者の場合、腐食を防止する観点から水溶性の
強酸を希釈して添加する方法が好ましい。この時の希釈
剤としては、強酸が均一に溶解するものであれば特に制
限はないが、反応原料の組成を変えないためにも、原料
として用いられる物質を使用する方法が好ましい。具体
的には、前述の炭素数1〜5のアルコール、アセタール
が挙げられる。この時、強酸の変質などの好ましくない
反応を抑制するために水を少量存在させておくことが効
果的である。
【0033】この反応において、強酸性イオン交換樹脂
の長寿命化の理由は明らかではないが、原料中に含まれ
るごく微量の塩基性物質、あるいは原料中の酸成分によ
る装置の腐食による金属イオン、また、反応時における
原料のカルボン酸アミドの加水、加溶媒分解反応によっ
て生成するごく微量の塩基性イオンなどの強酸性イオン
交換樹脂への吸着が少量の水溶性の強酸を添加すること
によって抑えられ、触媒の失活を抑制する効果があるも
のと推定される。
【0034】反応温度は通常0〜150℃の範囲から選
択されるのがよく、20〜80℃が特に好ましい。0℃
以下では、反応速度が遅いため好ましくない。また、1
50℃以上では、不純物の生成が増加し、好ましくな
い。反応時間は反応に用いる触媒量、反応温度、原料の
化合物の種類等により異なるが、通常0.05〜10時
間の範囲から選択されるのがよく、特に0.1〜5時間
が好ましい。これらの反応条件は、使用するアルコー
ル、アセタール等の原料化合物の種類によって最適条件
が異なるので目的物のN−(1−アルコキシエチル)カ
ルボン酸アミドを収率よく得るためには上記の範囲でそ
の反応に合った原料組成、反応温度、反応時間を設定す
ることが重要である。また、圧力は減圧、常圧、加圧、
のいずれの条件でも可能であるが、通常は常圧で差し支
えない。
【0035】次に、上述の第1工程で得られたN−(1
−アルコキシエチル)カルボン酸アミドを接触分解ある
いは熱分解し、N−ビニルカルボン酸アミドとアルコー
ルに変換する第2工程について説明する。N−(1−ア
ルコキシエチル)カルボン酸アミドのN−ビニルカルボ
ン酸アミドへの変換は熱分解や接触分解など公知の方法
による。それらの反応条件としては、たとえば、気相ま
たは液相で、反応温度、60〜600℃、反応時間、
0.3秒〜2時間、反応圧力、0.1mmHg〜大気圧
が挙げられる。接触分解を行う場合に用いる触媒として
は、カルボン酸のアルカリ金属塩、例えば、酢酸カリウ
ムなど、アルカリ金属やアルカリ土類金属の酸化物、例
えば、酸化マグネシウムなどが挙げられる。
【0036】さらに、第2工程液から精製したN−ビニ
ルカルボン酸アミドを得る第3工程の実施態様について
詳細に説明する。本発明の方法において、第3工程とし
ては、精密蒸留法、共沸蒸留法、再結晶法、圧力晶析法
など公知の方法が用いられる。精密蒸留法で分離する場
合の蒸留装置としては特に制限はなく、1〜50段の理
論段数を有する棚段塔や充填塔が用いられるが、圧力損
失が少なく、精留性能の優れた精留塔を用いることが好
ましく、このような例として規則充填物を用いた充填塔
が挙げられる。N−ビニルカルボン酸アミドは熱に対し
て変質し易いので可能な限り低温で蒸留することが好ま
しい。したがって、0.01から100mmHgの減圧
下で蒸留が行われる。
【0037】本発明は連続的にも非連続的にも実施でき
るが、連続的操作の方が生産性、運転安定性などの点で
好ましい。還流比は特に制限はなく、N−ビニルカルボ
ン酸アミドの含有量、種類、蒸留塔の性能などに応じて
設定されるが、0.1〜20程度で充分であり、好まし
くは0.5〜10程度である。
【0038】本発明の方法において、N−ビニルカルボ
ン酸アミド溶液の冷却による再結晶法で分離する場合
は、これらの溶液を直接冷却してもよいが、N−ビニル
カルボン酸アミドとの反応性がなく、適度な溶解性を有
する再結晶溶媒を用いてもよい。このような再結晶溶媒
としては、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレンなど
芳香族炭化水素、ペンタン、シクロペンタン、ヘキサ
ン、シクロヘキサン、ヘプタンなど脂肪族炭化水素、メ
タノール、エタノール、n−プロピルアルコール、イソ
プロピルアルコール、n−ブタノール、イソブタノー
ル、sec−ブタノール、tert−ブタノール、シク
ロヘキサノールなどアルコール類、塩化メチレン、クロ
ロフォルム、クロルベンゼンなどのハロゲン化炭化水
素、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン
などケトン類、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピ
ル、酢酸ブチルなどエステル類、ジエチルエーテルなど
エーテル類、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−
ジメチルアセトアミドなどアミド類、ジメチルスルフォ
キシドなどが挙げられ、特に、トルエン、シクロヘキサ
ン、メタノール、イソプロピルアルコールが好ましい。
また、これらの組み合わせも用いられる。冷却温度はN
−ビニルカルボン酸アミドと再結晶溶媒の種類や量によ
って適切な温度が異なるが、−20〜50℃、好ましく
は−10〜40℃である。
【0039】本発明で用いられる晶析装置としては連続
式、回分式のどちらでも、また、晶析方法も冷媒との熱
交換による方法でも溶媒の蒸発による濃縮と冷却による
方法でもよく、構造様式に厳密な条件はない。本発明で
用いられる結晶の分離装置についても真空圧や加圧を利
用するもの、重力や遠心力を利用するものなど特に制限
はない。
【0040】本発明においては、晶析操作と分離操作を
同一装置内で行う固液分離器も用いることができる。こ
のような例として、再結晶溶媒を用いない場合などには
圧力晶析機、流下液膜式晶析機(MWB分別晶析装置な
ど)や塔型連続晶析精製装置(BMC装置など)が好ま
しい。また、高濃度のスラリーを濾過する場合にはロー
ゼンムンドフィルターのような自動ヌッチェフィルター
が好ましい。第3工程でN−ビニルカルボン酸アミドを
精製分離した残部には、主にN−ビニルカルボン酸アミ
ド、N−(1−アルコキシエチル)カルボン酸アミド、
カルボン酸アミドが含まれている。本発明では、これら
の混合物を第1工程にリサイクルし、N−(1−アルコ
キシエチル)カルボン酸アミド合成の原料に用いられ
る。残部をそのままリサイクルしてもよいが、N−ビニ
ルカルボン酸アミドのオリゴマーなど高沸点を有する物
質が含まれている場合は、一旦、蒸留精製を行った後、
反応に用いてもよい。
【0041】本発明の方法によって得られるN−(1−
アルコキシエチル)カルボン酸アミドは、主として例え
ばN−ビニルカルボン酸アミドの製造のための中間体で
あり、これらは既述のN−ビニルカルボン酸アミド系ホ
モポリマーまたはコポリマ−や有用な化学薬品へと誘導
される。本発明によれば、本発明で得られたN−ビニル
カルボン酸アミドをモノマーとして使用することによっ
て、高分子量のN−ビニルカルボン酸アミドのホモポリ
マーまたは他の共重合可能なモノマーとのコポリマーを
製造できる。
【0042】本発明でN−ビニルカルボン酸アミドと共
重合可能なモノマーとして代表的なものを具体的に例示
すれば、以下のようなものが挙げられる。アクリル酸、
メタクリル酸(以下、総称して(メタ)アクリル酸とい
う。)またはそれらのナトリウム塩、カリウム塩等のア
ルカリ金属塩;そのメチルエステル、エチルエステル、
プロピルエステル、ブチルエステル、ペンチルエステ
ル、ヘキシルエステル、ヘプチルエステル、オクチルエ
ステル、ノニルエステル、デシルエステル、ステアリル
エステル、パルミチルエステル等のアルキルエステル;
そのヒドロキシエチルエステル、ヒドロキシプロピルエ
ステル、ヒドロキシブチルエステル等のヒドロキシ低級
アルキルエステル;そのジメチルアミノメチルエステ
ル、ジメチルアミノエチルエステル、ジメチルアミノプ
ロピルエステル、ジメチルアミノブチルエステル、ジエ
チルアミノメチルエステル、ジエチルアミノエチルエス
テル、ジエチルアミノプロピルエステル、ジエチルアミ
ノブチルエステル等の低級アルキルアミノ基で置換され
た低級アルキルエステル;そのトリメチルアンモニオエ
チルエステルハライド、トリメチルアンモニオプロピル
エステルハライド、トリエチルアンモニオエチルエステ
ルハライド、トリエチルアンモニオプロピルエステルハ
ライド等の第4級アンモニウム基で置換された低級アル
キルエステルハライド(ハライドはクロライドまたはブ
ロマイドが好ましい。);そのジメチルアミノメチルア
ミド、ジメチルアミノエチルアミド、ジメチルアミノプ
ロピルアミド、ジメチルアミノブチルアミド、ジエチル
アミノメチルアミド、ジエチルアミノエチルアミド、ジ
エチルアミノプロピルアミド、ジエチルアミノブチルア
ミド等の低級アルキルアミノ基で置換された低級アルキ
ルアミド;そのトリメチルアンモニオエチルアミドハラ
イド、トリメチルアンモニオプロピルアミドハライド、
トリエチルアンモニオエチルアミドハライド、トリエチ
ルアンモニオプロピルアミドハライド等の第4級アンモ
ニウム基で置換された低級アルキルアミドハライド;そ
のスルフォメチルアミド、スルフォエチルアミド、スル
フォプロピルアミド、スルフォブチルアミド、ソジウム
スルフォメチルアミド、ソジウムスルフォエチルアミ
ド、ソジウムスルフォプロピルアミド、ソジウムスルフ
ォブチルアミド、カリウムスルフォメチルアミド、カリ
ウムスルフォエチルアミド、カリウムスルフォプロピル
アミド、カリウムスルフォブチルアミド等のスルホン酸
またはアルカリ金属スルホン酸で置換された低級アルキ
ルアミド;アクリロニトリル;メチルビニルエーテル、
エチルビニルエーテル、プロピルビニルエーテル、ブチ
ルビニルエーテル等のビニルエーテル;メチルビニルケ
トン、エチルビニルケトン等のビニルケトン;酢酸ビニ
ル、プロピオン酸ビニル等の低級カルボン酸ビニル;無
水マレイン酸、マレイン酸、マレイン酸ナトリウム、マ
レイン酸カリウムなどが挙げられる。
【0043】これらの中で特に(メタ)アクリル酸、
(メタ)アクリル酸ナトリウム、(メタ)アクリル酸メ
チル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸
プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、2−ヒドロキシ
エチル(メタ)アクリル酸エステル、2−ヒドロキシプ
ロピル(メタ)アクリル酸エステル、2−ヒドロキシブ
チル(メタ)アクリル酸エステル、ジメチルアミノエチ
ル(メタ)アクリル酸エステル、塩化トリメチルアミノ
エチル(メタ)アクリル酸エステル、アクリルアミド、
スルフォプロピルアクリルアミド、スルフォブチルアク
リルアミド、ソジウムスルフォプロピルアクリルアミ
ド、ソジウムスルフォブチルアクリルアミド、アクリロ
ニトリル、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテ
ル、メチルビニルケトン、エチルビニルケトン、酢酸ビ
ニル、N−ビニル−2−ピロリドン、無水マレイン酸な
どが好ましいものとして挙げられる。
【0044】また、本発明でN−ビニルカルボン酸アミ
ドと共重合可能なモノマーとして1分子中に不飽和基を
2個以上有する化合物である架橋性モノマーまたは架橋
剤を使用することができる。重合方法については必ずし
も制限はないが、従来公知の方法を用いることができ
る。通常は溶液重合法、逆相懸濁重合法、逆相乳化重合
法等の方法によることが好ましい。例えば、溶液重合法
としては、水又は有機溶媒或いはこれらの混合溶媒等の
溶媒中にモノマー成分、架橋剤を均一に溶解し、真空脱
気あるいは窒素、炭酸ガス等の不活性ガスによる置換等
により系内の溶存酸素を除去した後、重合開始剤を添加
して反応させる。重合開始温度は通常−10〜60℃程
度であり、反応時間は1〜10時間程度である。
【0045】
【実施例】
[実施例1]5Lガラス製反応器にN−ビニルアセトア
ミドを1kg、メタノールを3kg、強酸性イオン交換
樹脂「ダウエックスMSC−1」(登録商標)30gを
加え、室温で5時間撹拌した。反応液を分析したとこ
ろ、N−(1−メトキシエチル)アセトアミドが定量的
に生成していた。
【0046】[実施例2]アセトアミド6.9重量%、
N−ビニルアセトアミド57.4重量%、N−(1−メ
トキシエチル)アセトアミド35.6重量%から成る混
合物(以下、NVA混合液と呼ぶ)19.1g、ジメチ
ルアセタール96.0重量%、アセトアルデヒド0.1
重量%、メタノール2.9重量%、水分0.23重量
%、ヘミアセタール0.27重量%から成る混合液(以
下、アセタール原料と呼ぶ)726.5g、アセトアル
デヒド86.7g、メタノール126.7g、アセトア
ミド27.8g、N−ビニルアセトアミド6.8g、水
9.9gを混合した。混合液のN−ビニルアセトアミド
とN−(1−メトキシエチル)アセトアミド、アセトア
ミド、アセタール、アセトアルデヒド、水、メタノール
とのモル比は1:0.36:2.4:37.2:9.
7:3.1:22.3であった。また、これらの比率を
「部位」で表すと、「アミド」:「エチリデン」:「メ
トキシ」:「水」=1:12.9:26.0:3.4で
あった。これらを十分混合し、反応原料液として、強酸
性イオン交換樹脂「ダウエックスMSC−1」(登録商
標)10mlを充填した内径25mmの反応管の上部か
ら毎時50ml供給した。反応器のジャケットには40
℃の温水を流し、反応温度を40℃に制御した。反応成
績は、反応器下部の出口から得られた反応液を中和処理
後、ガスクロマトグラフィ−で定量分析して算出した。
7時間後の反応成績は、N−(1−メトキシエチル)ア
セトアミド収率(アセトアミド+N−(1−メトキシエ
チル)アセトアミド+N−ビニルアセトアミド基準)8
7.4%であり、反応副生物であるエチリデンビスアセ
トアミドの収率(算出基準はN−(1−メトキシエチ
ル)アセトアミド収率と同じ)は、5.2%であった。
【0047】[実施例3]NVA混合液11.5g、ア
セタール原料435.9g、アセトアルデヒド50.6
g、メタノール76.0g、アセトアミド14.8g、
N−ビニルアセトアミド6.7g、水6.5gを混合し
た。混合液のN−ビニルアセトアミドとN−(1−メト
キシエチル)アセトアミド、アセトアミド、アセター
ル、アセトアルデヒド、水、メタノールとのモル比は
1:2.89:1.7:29.8:7.54:2.6
8:17.9であった。また、これらの比率を「部位」
で表すと、「アミド」:「エチリデン」:「メトキ
シ」:「水」=1:12.9:26.0:3.4であっ
た。これらを十分混合し、反応原料液として、実施例2
と同様に反応したところ、7時間後の反応成績は、N−
(1−メトキシエチル)アセトアミド収率87.5%で
あり、反応副生物であるエチリデンビスアセトアミドの
収率は、5.4%であった。
【0048】[実施例4]N−ビニルアセトアミド、N
−(1−メトキシエチル)アセトアミド、アセトアミ
ド、アセトアルデヒドジメチルアセタール、アセトアル
デヒド、水、メタノ−ルのモル比1:0.3:0.2:
17.3:5.4:2.2:10.3の原料を調製し
た。これらの比率を「部位」で表すと、「アミド」:
「エチリデン」:「メトキシ」:「水」=1:14.
1:26.4:4.5であった。これにN−ビニルカル
ボン酸アミド、N−(1−メトキシエチル)アセトアミ
ド、アセトアミドの総モル数に対して3.76×10-3
当量の硫酸を添加し十分に溶解させ、反応原料液とし
た。強酸性イオン交換樹脂「ダウエックスMSC−1」
(登録商標)10mlを充填した内径25mmの反応管
の上部から反応原料液を毎時50ml供給した。反応器
のジャケットには40℃の温水を流し、反応温度を40
℃に制御した。反応成績は、反応器下部の出口から得ら
れた反応液を中和処理後、ガスクロマトグラフィーで定
量分析して算出した。24時間後の反応成績は、アセト
アミド転化率93.5%、N−(1−メトキシエチル)
アセトアミド選択率96.3%であり、650時間経過
後の反応成績は、アセトアミド転化率93.2%、N−
(1−メトキシエチル)アセトアミド選択率96.1%
であり、活性の低下はみられなかった。ある時間経過し
たときの反応初期に対するアセトアミド転化率の低下率
を活性低下率と定義すると、650時間後の活性低下率
は、0.32%であった。また、反応副生物であるエチ
リデンビスアセトアミドの生成は、2.8%であった。
【0049】[実施例5]硫酸の添加量をN−ビニルア
セトアミド、N−(1−メトキシエチル)アセトアミ
ド、アセトアミドの総モル数に対してに対して3.76
×10-3当量から1.88×10-2当量に代えた以外
は、実施例4と全く同様に操作を行なった。24時間経
過後の反応成績は、アセトアミド転化率93.1%、N
−(1−メトキシエチル)アセトアミドの選択率95.
8%であった。また、650時間経過後の反応成績は、
アセトアミド転化率92.9%、N−(1−メトキシエ
チル)アセトアミドの選択率95.2%であり、活性低
下率は、0.21%であった。エチリデンビスアセトア
ミドの生成は、3.2%であった。
【0050】[実施例6]実施例4の原料組成のうち、
メタノ−ル1/5量を別にとりこれにN−ビニルアセト
アミド、N−(1−メトキシエチル)アセトアミド、ア
セトアミドの総モル数に対して3.76×10-3当量の
硫酸を添加し十分に溶解した。この2つの溶液を別々に
供給し、その他は実施例4と同様に操作を行った。24
時間後の反応成績は、アセトアミド転化率92.9%、
N−(1−メトキシエチル)アセトアミド選択率90.
0%であった。650時間後の反応成績は、アセトアミ
ド転化率92.5%、N−(1−メトキシエチル)アセ
トアミド選択率89.9%であり、活性低下率は0.4
3%であった。反応副生物であるエチリデンビスアセト
アミドの生成は、4.7%であった。また、2000時
間後の反応成績は、アセトアミド転化率92.1%N−
(1−メトキシエチル)アセトアミド選択率91.6%
であり、活性低下率は0.86%であった。また、反応
副生物であるエチリデンビスアミドの生成は、5.0%
であった。
【0051】[実施例7] 〔第1工程(N−(1−メトキシエチル)アセトアミド
合成工程)〕後述の水分離工程で得られたジメチルアセ
タール74.4重量%、メタノール13.8重量%、ア
セトアルデヒド7.5重量%、酢酸メチル3.3重量
%、水1重量%からなるアセタール回収液7869kg
と後述のN−ビニルアセトアミド濃縮工程で得られたメ
タノール144kgに新たにメタノール15kgを加
え、さらに、後述のろ液回収工程で得られたアセトアミ
ド11.0重量%、N−ビニルアセトアミド54.4重
量%、N−(1−メトキシエチル)アセトアミド32.
2重量%、その他の成分2.4重量%から成るリサイク
ル液212kg、および、アセトアミド239kg、ア
セトアルデヒド165kgを加え、十分に混合し、反応
原料液を調製した。混合液のN−ビニルアセトアミドと
N−(1−メトキシエチル)アセトアミド、アセトアミ
ド、アセタール、アセトアルデヒド、水、メタノールと
のモル比は1:0.28:3.14:46.4:12.
3:3.64:27.8であった。また、これらの比率
を「部位」で表すと、「アミド」:「エチリデン」:
「メトキシ」:「水」=1:13.2:26.6:3.
5であった。この原料を強酸性イオン交換樹脂「ダウエ
ックスMSC−1」(登録商標)150Lを充填した反
応器の上部から毎時450L供給した。反応器のジャケ
ットには40℃の温水を流し、反応温度を40℃に制御
した。反応成績は、反応器下部の出口から得られた反応
液を中和処理後、ガスクロマトグラフィーで定量分析し
て算出した。反応成績は、N−(1−メトキシエチル)
アセトアミド収率(アセトアミド+N−(1−メトキシ
エチル)アセトアミド+N−ビニルアセトアミド基準)
88.0%であり、反応副生物であるエチリデンビスア
セトアミドの収率(算出基準はN−(1−メトキシエチ
ル)アセトアミド収率と同じ)は、4.0%であった。
【0052】〔アセタール回収工程〕第1工程(N−
(1−メトキシエチル)アセトアミド合成工程)で得ら
れた反応液からジメチルアセタール、メタノール、アセ
トアルデヒド、酢酸メチル、水など軽沸分を留去する工
程である。第1工程(N−(1−メトキシエチル)アセ
トアミド合成工程)で得られた反応液を150mmHg
に減圧した伝熱面積2.8m2 の流下薄膜式連続蒸発器
に毎時450Lで供給した。ジャケットには100℃の
熱媒を循環させた。エチリデンビスアセトアミドを2.
6重量%、アセトアミドを4.4重量%含むN−(1−
メトキシエチル)アセトアミドからなる蒸発残分が得ら
れた。ジメチルアセタール72.9重量%、メタノール
13.5重量%、アセトアルデヒド7.4重量%、酢酸
メチル3.2重量%、水2.9重量%からなる揮発成分
を凝縮した液は後述の水分離工程に送液した。
【0053】〔エチリデンビスアセトアミド分離工程〕
アセタール回収工程で得られたN−(1−メトキシエチ
ル)アセトアミドを主成分とする蒸発残分を5mmHg
で単蒸留した。得られた留分のN−(1−メトキシエチ
ル)アセトアミド中のアセトアミドは4.1重量%であ
った。この液を第2工程(N−ビニルアセトアミド合成
工程)に送液した。蒸発残分の主成分はエチリデンビス
アセトアミドであった。
【0054】〔第2工程(N−ビニルアセトアミド合成
工程)〕エチリデンビスアセトアミド分離工程で得られ
たN−(1−メトキシエチル)アセトアミドを主成分と
する留分を毎分33gで、440℃に加熱し100mm
Hgに減圧した内径20mm、全長6mのステンレス反
応管に供給した。反応管出口に設けられた冷却器で熱分
解反応で生成したN−ビニルアセトアミドとメタノール
の混合物を凝縮し、回収した。N−(1−メトキシエチ
ル)アセトアミドの転化率は88%であった。
【0055】〔N−ビニルアセトアミド濃縮工程〕第2
工程(N−ビニルアセトアミド合成工程)で得られた反
応液を減圧度76mmHgから24mmHgまで上げな
がら、メタノールを留去した。留去後の残液はN−ビニ
ルアセトアミドを78.0重量%、N−(1−メトキシ
エチル)アセトアミドを14.6重量%、アセトアミド
を5.4重量%、その他の成分を2重量%含んでいた。
【0056】〔第3工程(N−ビニルアセトアミド精製
工程)〕N−ビニルアセトアミド濃縮工程で得られた粗
N−ビニルアセトアミド溶液を28℃に冷却し、N−ビ
ニルアセトアミドの一部を晶析させ、スラリー液にし
た。このN−ビニルアセトアミドスラリーを高圧容器内
で1800kg/cm2 に加圧し、N−ビニルアセトア
ミドを圧力晶析するとともに、母液を分離した。N−ビ
ニルアセトアミド結晶の純度は99.5%、母液の組成
はアセトアミド11.1重量%、N−ビニルアセトアミ
ド54.9重量%、N−(1−メトキシエチル)アセト
アミド29.9重量%、その他の成分4.1重量%であ
った。
【0057】〔ろ液回収工程〕第3工程(N−ビニルア
セトアミド精製工程)で得られた母液を4mmHgで単
蒸留し、アセトアミド11.0重量%、N−ビニルアセ
トアミド54.4重量%、N−(1−メトキシエチル)
アセトアミド32.2重量%、その他の成分2.4重量
%から成る留出液を収率90%で得た。得られた液をN
−(1−メトキシエチル)アセトアミド合成工程に送
り、リサイクルした。
【0058】〔水分離工程〕ジメチルアセタール72.
9重量%、メタノール13.5重量%、アセトアルデヒ
ド7.4重量%、酢酸メチル3.2重量%、水2.9重
量%からなるアセタール回収工程からの留出液を毎時2
00Lで内径400mm 、充填高さ10mの充填塔の中央部
に供給した。還流比は2で、塔頂の温度60℃、塔底の
温度が100℃を維持するように加熱を行った。缶出液
は実際上水で、留出液はジメチルアセタール74.4重
量%、メタノール13.8重量%、アセトアルデヒド
7.5重量%、酢酸メチル3.3重量%、水1重量%か
らなる混合物であった。
【0059】[実施例8]ガラス製反応器に水745
g、実施例7で得られたN−ビニルアセトアミドを25
0g、架橋剤としてN,N’−(ジアセチル)−N,
N’−(ジビニル)−1、4−ビス(アミノメチル)シ
クロヘキサン0.409gを加えて溶解し、窒素ガスに
て溶存酸素を除去した後、重合開始剤として、脱気水5
mLに溶解した2、2’−アゾビス−2−(2−イミダ
ゾリン−2−イル)プロパン二塩酸塩0.075gを加
え、断熱して静置した。7時間後、重合熱により反応器
の内部の温度は71℃に達した。
【0060】
【発明の効果】本発明のN−(1−アルコキシエチル)
カルボン酸アミドの製造方法は、収率、副生物の生成、
原料入手の困難さ、触媒の寿命、反応工程や精製工程の
煩雑さ等の点において、改良され、未反応カルボン酸ア
ミドの含有量の少ない高純度のN−(1−アルコキシエ
チル)カルボン酸アミドを得ることができる。さらに、
N−(1−アルコキシエチル)カルボン酸アミドを高純
度のN−ビニルカルボン酸アミドの製造に用いる場合で
も、回収、精製工程など後工程を含めた製造プロセス全
体の収率、副生物の抑制、煩雑さ等の点において、満足
すべき方法を提供する。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // C07B 61/00 300 C07B 61/00 300 (72)発明者 相沢 利行 大分県大分市大字中の洲2番地 昭和電工 株式会社大分工場内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 酸触媒下、炭素数1〜5のアルコールお
    よびN−ビニルカルボン酸アミドを原料として反応させ
    ることを特徴とするN−(1−アルコキシエチル)カル
    ボン酸アミドの製造法。
  2. 【請求項2】 N−(1−アルコキシエチル)カルボン
    酸アミド、カルボン酸アミド、エチリデンビスカルボン
    酸アミド、アセタール、アセトアルデヒドおよび水のう
    ち、少なくとも1種類をさらに存在させる請求項1の方
    法。
  3. 【請求項3】 酸触媒として強酸性イオン交換樹脂を使
    用することを特徴とする請求項1または2記載のN−
    (1−アルコキシエチル)カルボン酸アミドの製造法。
  4. 【請求項4】 強酸性イオン交換樹脂を使用する際に、
    水溶性の強酸を存在させる請求項3記載のN−(1−ア
    ルコキシエチル)カルボン酸アミドの製造法。
  5. 【請求項5】 反応の際に存在させる水溶性の強酸の量
    が、原料のうちカルボン酸アミド基をもつ物質の総モル
    数に対して、2×10-3〜3×10-1当量である請求項
    4記載のN−(1−アルコキシエチル)カルボン酸アミ
    ドの製造法。
  6. 【請求項6】 強酸性イオン交換樹脂を充填した触媒層
    に連続的に原料を供給して反応を行い、N−(1−アル
    コキシエチル)カルボン酸アミドを連続して製造する請
    求項の1〜5記載のN−(1−アルコキシエチル)カル
    ボン酸アミドの製造法。
  7. 【請求項7】 請求項1〜6の製造法によりN−(1−
    アルコキシエチル)カルボン酸アミドを得る第1工程、
    第1工程のN−(1−アルコキシエチル)カルボン酸ア
    ミドを接触分解あるいは熱分解し、N−ビニルカルボン
    酸アミドに変換する第2工程、第2工程から精製したN
    −ビニルカルボン酸アミドを得る第3工程からなり、第
    3工程の残部を第1工程に戻すことを特徴とするN−ビ
    ニルカルボン酸アミドの製造法。
  8. 【請求項8】 N−ビニルカルボン酸アミドのホモポリ
    マーまたは他の共重合可能なモノマーとのコポリマーの
    製造法において、請求項7の方法により得られたN−ビ
    ニルカルボン酸アミドをモノマーとして使用することを
    特徴とするN−ビニルカルボン酸アミドのホモポリマー
    またはコポリマーの製造法。
JP08671897A 1996-04-05 1997-04-04 N−(1−アルコキシエチル)カルボン酸アミドの製造法 Expired - Fee Related JP4061419B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP08671897A JP4061419B2 (ja) 1996-04-05 1997-04-04 N−(1−アルコキシエチル)カルボン酸アミドの製造法

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8403196 1996-04-05
JP8-84031 1996-04-05
JP08671897A JP4061419B2 (ja) 1996-04-05 1997-04-04 N−(1−アルコキシエチル)カルボン酸アミドの製造法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH09323964A true JPH09323964A (ja) 1997-12-16
JP4061419B2 JP4061419B2 (ja) 2008-03-19

Family

ID=26425114

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP08671897A Expired - Fee Related JP4061419B2 (ja) 1996-04-05 1997-04-04 N−(1−アルコキシエチル)カルボン酸アミドの製造法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4061419B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008521849A (ja) 2004-12-01 2008-06-26 ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア 極性ビニル化合物の精製法
WO2020110614A1 (ja) * 2018-11-29 2020-06-04 昭和電工株式会社 N-ビニルカルボン酸アミドの製造方法

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH023641A (ja) * 1988-02-24 1990-01-09 Air Prod And Chem Inc カルボキサミド類の合成法
JPH02188560A (ja) * 1988-11-18 1990-07-24 Air Prod And Chem Inc N―ビニルアセトアミドを精製する方法

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH023641A (ja) * 1988-02-24 1990-01-09 Air Prod And Chem Inc カルボキサミド類の合成法
JPH02188560A (ja) * 1988-11-18 1990-07-24 Air Prod And Chem Inc N―ビニルアセトアミドを精製する方法

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008521849A (ja) 2004-12-01 2008-06-26 ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア 極性ビニル化合物の精製法
WO2020110614A1 (ja) * 2018-11-29 2020-06-04 昭和電工株式会社 N-ビニルカルボン酸アミドの製造方法
JPWO2020110614A1 (ja) * 2018-11-29 2021-10-14 昭和電工株式会社 N−ビニルカルボン酸アミドの製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP4061419B2 (ja) 2008-03-19

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4099831B2 (ja) 高重合性n−ビニルカルボン酸アミドおよびその製造方法
WO2017145569A1 (ja) N-ビニルカルボン酸アミドの製造方法
CA2655170A1 (fr) Procede de transformation de composes nitriles en acides carboxyliques et esters correspondants
US6143836A (en) Highly polymerizable N-vinylcarboxylic acid amide and production process thereof
JPH04198152A (ja) メタクリル酸の製造法
JP4061419B2 (ja) N−(1−アルコキシエチル)カルボン酸アミドの製造法
JP3674966B2 (ja) 高重合性単量体の製造方法
EP0799820B1 (en) Process producing n-(1-alkoxyethyl)carboxylic amides
JP2619204B2 (ja) N−ビニルカルボン酸アミドの精製方法
US20020032345A1 (en) Process for producing hydroxyalkyl (meth)acrylate
US5789619A (en) Highly polymerizable N-vinylcarboxylic acid amide and production process thereof
JP3077713B2 (ja) カルボン酸エステルの製造法
JPH06199752A (ja) N−モノ置換−(メタ)アクリルアミドの製法
JP2686824B2 (ja) ジペンタエリスリトールヘキサエステル化合物の製法
WO1994008946A1 (en) Process for producing n-monosubstituted (meth)acrylamyde
JP3175334B2 (ja) N−(α−アルコキシエチル)−カルボン酸アミドの製造法
JP2000212177A (ja) (メタ)アクリル酸グリシジルの精製法
US5959148A (en) Purification process of N-vinylformamide
JP3192975B2 (ja) ハロゲン化ベンゼンの製造方法
JP2003171347A (ja) アクリル酸エステルの製造方法
JPH11302268A (ja) (メタ)アクリル酸グリシジルの精製方法及び製造方法
JPH0283358A (ja) 不飽和カルボン酸アミドの製造方法
JP5626838B2 (ja) 高品位なn(n,n)−モノ(ジ)アルキルアクリルアミドの製造方法
JP2001172236A (ja) アクリル酸ジメチルアミノエチルの精製方法
JPH0248559A (ja) 不飽和カルボン酸アミドの製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20040426

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20041207

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20050204

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20070731

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20070920

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20071127

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20071210

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110111

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110111

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140111

Year of fee payment: 6

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees