JPH09323597A - 自動車用天井材 - Google Patents

自動車用天井材

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JPH09323597A
JPH09323597A JP16244196A JP16244196A JPH09323597A JP H09323597 A JPH09323597 A JP H09323597A JP 16244196 A JP16244196 A JP 16244196A JP 16244196 A JP16244196 A JP 16244196A JP H09323597 A JPH09323597 A JP H09323597A
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JP
Japan
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layer
base material
fiber
melting point
denier
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JP16244196A
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Koichi Nemoto
好一 根本
Hiroshi Sugawara
浩 菅原
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Nissan Motor Co Ltd
Original Assignee
Nissan Motor Co Ltd
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  • Vehicle Interior And Exterior Ornaments, Soundproofing, And Insulation (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 車室内騒音の周波数特性に合致した吸音性能
を有し、車室内騒音を効果的に低減できる自動車用天井
材を提供する。 【解決手段】 基材層5に表層7,8を積層して成る自
動車用天井材である。基材層5の一部に疑似膜構造を有
する緻密層6が設けられている。騒音の周波数特性に合
わせて緻密層6の目付を調整することができ、効果的な
吸音効果が得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車用天井材に
係り、更に詳細には、優れた吸音性能や遮音性能を有す
る自動車用ヘッドライニング材に関するものであり、本
ヘッドライニング材によれば、車室内騒音が低減される
ので、乗員の快適性を向上させることができる。
【0002】
【従来の技術】一般に、自動車用天井材、特にヘッドラ
イニング材には、車室内騒音を低減させるべく、吸音性
能や遮音性能を有することが求められる。そして、従来
のヘッドライニング材としては、例えば、図2に示すよ
うに、レジンフェルト基材1とトリコット表皮4との二
層構造を有し、この間に通気止めフィルム2やスラブウ
レタン層3を設置した構成のものが知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来のヘッドライニング材においては、基材層の構
成材料として段ボールやフェルトを樹脂で固めたレジン
フェルト又は樹脂発泡体等が用いられており、かかる材
料から形成されている基材層では、吸音性能等の音振に
関する性能を期待することはできなかった。更に、車室
内における騒音の周波数特性は、自動車の車種や走行路
の状態等に応じて異なることがあるが、上記従来のヘッ
ドライニング材では、吸音性能をかかる周波数特性に合
致させて調整することは試みられておらず、また、その
構成上も吸音性能の調整は困難であった。また、表皮層
の構成材料としては、ポリエステル繊維等が用いられて
いるが、これらから構成される表皮層での音振性能もほ
とんど期待できなかった。
【0004】以上のように、従来のヘッドライニング材
における材料構成では、音振性能そのものが低く、周波
数特性に応じて吸音性能を可変にすることができなかっ
たため、車室内騒音を低減できないという課題があっ
た。本発明は、このような従来技術の有する課題に着目
してなされたもので、その目的とするところは、車室内
騒音の周波数特性に合致した吸音性能を有し、車室内騒
音を効果的に低減できる自動車用天井材を提供すること
にある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記目的を
達成すべく鋭意研究を重ねた結果、基材層に繊維が密集
して膜のような構造を有する緻密層を配設し、また、こ
の緻密層の目付けを変化させることにより、上記目的が
達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明の自動車用天井材は、基材層に表層を積層
して成る自動車用天井材において、上記基材層は、ポリ
エステル繊維を主成分とし、且つその一部に、繊維が密
集した疑似膜構造を有する緻密層を備えることを特徴と
する。
【0006】
【作用】本発明の自動車用天井材においては、ポリエス
テル繊維を主体とした基材層を形成し、この基材層の一
部に、繊維が密集して気孔が少なく膜のような構造(以
下、「疑似膜構造」という)を有する緻密層を配設し
た。よって、この緻密層が膜の共振と同様の作用を奏す
るため、車室内の騒音が吸音される。また、この緻密層
の目付けを適宜変化させることにより、対象とする騒音
の周波数に合致した吸音性能を発揮させることができ、
車室内騒音を効果的に低減することができる。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明の自動車用天井材は、基材
層に表層を積層して構成され、また、基材層の一部に
は、繊維が密集した疑似膜構造を有する緻密層が配設さ
れている。ここで、上記基材層は、ポリエステル繊維を
主体として構成されるが、ポリエステル繊維から成る高
融点繊維と、ポリエステル繊維から成る芯成分及び鞘成
分を含む芯鞘型複合繊維とから構成されるのが好まし
い。同様に、緻密層も、ポリエステル繊維から成る高融
点繊維と、ポリエステル繊維から成る芯成分及び鞘成分
を含む芯鞘型複合繊維とから構成されるのが好ましい。
【0008】上述のように、本発明の自動車用天井材の
基材層及び緻密層において、ポリエステル系繊維を構成
材料とした理由は、ナイロン繊維は原材料コストが高く
経済的な理由で好ましくなく、ポリプロピレン繊維は耐
摩耗性に劣るほか、加熱圧縮成形後にも型くずれし易い
ので好ましくないからである。なお、上記基材層に積層
する表層としては、特に限定されるものではなく、従来
公知のスラブウレタン層やトリコット表皮を用いること
ができる。
【0009】次に、本発明の自動車用天井材の構造の一
例について説明する。図1は、本発明の自動車天井材の
一例であるヘッドライニングの構造を示す断面図であ
る。同図において、このヘッドライニングは、基材層5
に表層であるスラブウレタン層7及びトリコット表皮8
を積層して成り、表層側が車室内に面するように構成さ
れている。また、基材層5の一部は緻密層6を形成して
おり、本例においては、緻密層6は基材層5の表面を構
成し、上記表層と接する構成となっている。なお、緻密
層6の配設位置は、本例に示す位置に限定されるもので
はなく、基材層6における任意の位置でよく、基材層6
の中間部や裏面側(ルーフ側)に配設してもよい。ま
た、その個数も複数個とすることができ、例えば、基材
層6の表面及び裏面を緻密層で構成することもできる。
【0010】次に、本発明の自動車用天井材の材料構成
について詳細に説明する。上述の如く、本発明の自動車
用天井材では、基材層及び緻密層は、高融点繊維と芯鞘
型複合繊維とから構成されるのが好ましいが、具体的に
は、両繊維を含む不織布を用いて形成される。以下、か
かる不織布の構成材料について説明する。まず、高融点
のポリエステル繊維としては、エチレンテレフタレート
又はこれに準ずる成分を有するポリエステルを挙げるこ
とができ、これらは安価なので好ましく使用することが
できる。
【0011】また、芯鞘型複合繊維の芯成分に用いられ
るポリエステル繊維としては、ポリエチレンテレフタレ
ート又はこれに準ずる成分を有するポリエステルが安価
なので、これらを好ましく使用できる。更に、鞘成分で
ある熱融着型繊維に用いられるコポリエステルとして
は、テレフタル酸、イソフタル酸等の酸成分とエチレン
グリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコ
ール等のジオール成分、又はラクトンを開環して共重合
したコポリエステル等を挙げることができる。
【0012】以下、本発明の自動車用天井材における基
材層及び緻密層について更に詳細に説明する。 1)基材層の構成 基材層は、ポリエチレンテレフタレートを主体とする繊
度1〜40デニールの高融点繊維と、ポリエチレンテレ
フタレートを主体とする芯成分とポリエチレンテレフタ
レートを主たる共重合成分とする融点200℃以下の低
融点エラスティックポリエステル鞘成分とを含む繊度1
〜20デニールの芯鞘型複合繊維と、から構成される不
織布により形成するのが好ましい。
【0013】2)緻密層の構成 緻密層は、ポリエチレンテレフタレートを主体とする繊
度1〜15デニールの高融点繊維20〜0重量%と、ポ
リエチレンテレフタレートを主体とする芯成分とポリエ
チレンテレフタレートを主たる共重合成分とする融点2
00℃以下の低融点エラスティックポリエステル鞘成分
とを含む繊度1〜10デニールの芯鞘型複合繊維0〜8
0重量%と、から構成される不織布より形成するのが望
ましい。上記緻密層の目付けは、天井の面積が約2m2
であることより、50〜300g/m2であるのが好ま
しい。目付けが50g/m2未満では、通気が生じ、天
井の通気汚れの原因となる。300g/m2を超える
と、緻密層だけでも600g/台となり、天井基材の全
体重量が重くなるため、好ましくない。
【0014】なお、上述の芯鞘型複合繊維の代わりに全
融型複合繊維を用いることが可能であり、また、緻密層
自体を、エチレンビニルアセテートやポリエステル又は
ポリエチレン等を主体とする50g/m2以上の面密度
を有する高分子フィルムを用いて形成することも可能で
ある。面密度が50g/m2未満の場合には、好ましく
ない。
【0015】
【実施例】以下、本発明を実施例により更に詳細に詳細
に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるもの
ではない。 (実施例1) 〈基材層〉13デニール52mm長の丸断面の通常ポリ
エステルステーブル繊維40重量%と、2デニール52
mm長の芯鞘構造を有する熱融着型のポリエステルステ
ーブル繊維(170℃溶融型)60重量%とをブレンド
し、カーディング、クロスレイヤー、ニードルパンチ工
程を経て目付800g/m2の不織布原反を得た。
【0016】〈緻密層〉ポリエチレンテレフタレートを
主体とする繊度2デニールの高融点繊維10重量%と、
ポリエチレンテレフタレートを主体とする芯成分とポリ
エチレンテレフタレートを主たる共重合成分とする融点
200℃以下の低融点エラスティックポリエステル鞘成
分とを含む繊度2デニールの芯鞘型複合繊維90重量%
とをブレンドし、カーディング、クロスレイヤー、ニー
ドルパンチ工程を経て目付100g/m2の不織布原反
を得た。
【0017】得られた基材層と緻密層の不織布原反をニ
ードルパンチ工程を介し接着させ、更に170℃以上に
加熱し、表層としてのスラブウレタン付きのトリコット
表皮とともにプレス成形して本実施例のヘッドライニン
グを得た。なお、本実施例において、緻密層の設置位置
は、車室内から見て表層の裏側(基材の表面)とした。
このような層構成を採ったことで、従来のヘッドライニ
ング基材よりも音振性能に優れ、また、1〜2KHzで
吸音率ピークを有するヘッドライニングが得られた。
【0018】(実施例2) 〈基材層〉13デニール52mm長の丸断面の通常ポリ
エステルステーブル繊維40重量%と、2デニール52
mm長の芯鞘構造を有する熱融着型のポリエステルステ
ーブル繊維(170℃溶融型)60重量%とをブレンド
し、カーディング、クロスレイヤー、ニードルパンチ工
程を経て目付700g/m2の不織布原反を得た。 〈緻密層〉ポリエチレンテレフタレートを主体とする繊
度2デニールの高融点繊維10重量%と、ポリエチレン
テレフタレートを主体とする芯成分とポリエチレンテレ
フタレートを主たる共重合成分とする融点200℃以下
の低融点エラスティックポリエステル鞘成分とを含む繊
度2デニールの芯鞘型複合繊維90重量%とをブレンド
し、カーディング、クロスレイヤー、ニードルパンチ工
程を経て目付200g/m2の不織布原反を得た。
【0019】得られた基材層と緻密層とをニードルパン
チ工程を介し接着させ、更に170℃以上に加熱し、表
層としてのスラブウレタン付きのトリコット表皮ととも
にプレス成形した。緻密層の設置位置は車室内からみ
て、表層の裏側(基材の表面)とした。このような層構
成を採ったことで、従来のヘッドライニング基材よりも
音振性能に優れ、更に、実施例1に比べて低周波側に吸
音率ピークを有するヘッドライニングが得られた。
【0020】(実施例3) 〈基材層〉13デニール52mm長の丸断面の通常ポリ
エステルステーブル繊維40重量%と、2デニール52
mm長の芯鞘構造を有する熱融着型のポリエステルステ
ーブル繊維(170℃溶融型)60重量%とをブレンド
し、カーディング、クロスレイヤー、ニードルパンチ工
程を経て目付700g/m2の不織布原反を得た。 〈緻密層〉ポリエチレンテレフタレートを主体とする繊
度10デニールの高融点繊維5重量%と、ポリエチレン
テレフタレートを主体とする芯成分とポリエチレンテレ
フタレートを主たる共重合成分とする融点200℃以下
の低融点エラスティックポリエステル鞘成分とを含む繊
度2デニールの芯鞘型複合繊維95重量%とをブレンド
し、カーディング、クロスレイヤー、ニードルパンチ工
程を経て目付300g/m2の不織布原反を得た。得ら
れた基材層と緻密層とをニードルパンチ工程を介し接着
させ、更に170℃以上に加熱し、上記表皮とともにプ
レス成形した。緻密層の設置位置は車室内からみて、表
層の裏側(基材の表面)とした。このような層構成を採
ったことで、従来のヘッドライニング基材よりも音振性
能に優れ、更に、実施例2に比べて低周波側に吸音率ピ
ークを有するヘッドライニングが得られた。
【0021】(実施例4) 〈基材層〉10デニール52mm長の丸断面の通常ポリ
エステルステーブル繊維45重量%と、2デニール52
mm長の芯鞘構造を有する熱融着型のポリエステルステ
ーブル繊維(170℃溶融型)55重量%とをブレンド
し、カーディング、クロスレイヤー、ニードルパンチ工
程を経て目付900g/m2の不織布原反を得た。 〈緻密層〉エチレンビニルアセテートから成り目付10
0g/m2の高分子フィルムを用いた。この緻密層とし
ての高分子フィルムを、得られた基材層と上記表皮との
間に設置し、170℃以上に加熱し、プレス成形した。
緻密層の設置位置は車室内からみて、表層の裏側(基材
の表面)とした。このような層構成を採ったことで、従
来のヘッドライニング基材よりも音振性能に優れ、さら
に、実施例1と同様に低周波側に吸音率ピークを有する
ヘッドライニングが得られた。
【0022】(実施例5) 〈基材層〉15デニール52mm長の丸断面の通常ポリ
エステルステーブル繊維60重量%と、2デニール52
mm長の芯鞘構造を有する熱融着型のポリエステルステ
ーブル繊維(170℃溶融型)40重量%とをブレンド
し、カーディング、クロスレイヤー、ニードルパンチ工
程を経て目付500g/m2の不織布原反を得た。 〈緻密層〉ポリエチレンテレフタレートを主体とする繊
度2デニールの高融点繊維10重量%と、ポリエチレン
テレフタレートを主体とする芯成分とポリエチレンテレ
フタレートを主たる共重合成分とする融点200℃以下
の低融点エラスティックポリエステル鞘成分とを含む繊
度2デニールの芯鞘型複合繊維90重量%とをブレンド
し、カーディング、クロスレイヤー、ニードルパンチ工
程を経て目付200g/m2の不織布原反を得た。
【0023】得られた緻密層を上記基材層の両側(基材
層の表面と裏面)にニードルパンチ工程を介し接着さ
せ、更に170℃以上に加熱し、上記表皮とともにプレ
ス成形した。このようなサンドイッチ層構成を採ったこ
とでヘッドライニング自体の剛性が向上すると同時に、
一種の二重壁遮音構造体となり、車室内での騒音のみな
らず、車外から車室内に侵入するの騒音をも低減するこ
とができた。
【0024】(実施例6) 〈基材層〉10デニール52mm長の丸断面の通常ポリ
エステルステーブル繊維50重量%と、2デニール52
mm長の芯鞘構造を有する熱融着型のポリエステルステ
ーブル繊維(170℃溶融型)50重量%とをブレンド
し、カーディング、クロスレイヤー、ニードルパンチ工
程を経て目付900g/m2の不織布原反を得た。 〈緻密層〉ポリエチレンテレフタレートを主体とする繊
度40デニールの高融点繊維95重量%と、ポリエチレ
ンテレフタレートを主体とする芯成分とポリエチレンテ
レフタレートを主たる共重合成分とする融点200℃以
下の低融点エラスティックポリエステル鞘成分とを含む
繊度2デニールの芯鞘型複合繊維5重量%とをブレンド
し、カーディング、クロスレイヤー、ニードルパンチ工
程を経て目付100g/m2の不織布原反を得た。
【0025】得られた基材層と緻密層とをニードルパン
チ工程を介し接着させ、更に170℃以上に加熱し、上
記表皮とともにプレス成形した。緻密層の設置位置は車
室内からみて、表層の裏側(基材の表面)とした。この
ような層構成を採ったことで、従来のヘッドライニング
基材よりも音振性能には優れるが、実施例1に比較する
と吸音特性がチューニングされておらず、基材だけの場
合と同様の特性を示した。
【0026】(実施例7) 〈基材層〉10デニール52mm長の丸断面の通常ポリ
エステルステーブル繊維50重量%と、2デニール52
mm長の芯鞘構造を有する熱融着型のポリエステルステ
ーブル繊維(170℃溶融型)50重量%とをブレンド
し、カーディング、クロスレイヤー、ニードルパンチ工
程を経て目付900g/m2の不織布原反を得た。 〈緻密層〉ポリエチレンテレフタレートを主体とする繊
度40デニールの高融点繊維95重量%と、ポリエチレ
ンテレフタレートを主体とする芯成分とポリエチレンテ
レフタレートを主たる共重合成分とする融点200℃以
下の低融点エラスティックポリエステル鞘成分とを含む
繊度2デニールの芯鞘型複合繊維5重量%とをブレンド
し、カーディング、クロスレイヤー、ニードルパンチ工
程を経て目付200g/m2の不織布原反を得た。
【0027】得られた基材層と緻密層とをニードルパン
チ工程を介し接着させ、更に170℃以上に加熱し、上
記表皮とともにプレス成形した。緻密層の設置位置は車
室内から見て表層の裏側とした。このような層構成を採
ったことで、従来のヘッドライニング基材よりも音振性
能には優れるが、実施例6と同様に吸音特性がチューニ
ングされておらず、基材だけの場合と同様の特性を示す
に留まった。これは、主繊維径が太いために緻密層が膜
としての機能を十分には果していないためである。
【0028】(実施例8) 〈基材層〉10デニール52mm長の丸断面の通常ポリ
エステルステーブル繊維50重量%と、2デニール52
mm長の芯鞘構造を有する熱融着型のポリエステルステ
ーブル繊維(170℃溶融型)50重量%とをブレンド
し、カーディング、クロスレイヤー、ニードルパンチ工
程を経て目付900g/m2の不織布原反を得た。 〈緻密層〉ポリエチレンテレフタレートを主体とする繊
度13デニールの高融点繊維10重量%と、ポリエチレ
ンテレフタレートを主体とする芯成分とポリエチレンテ
レフタレートを主たる共重合成分とする融点200℃以
下の低融点エラスティックポリエステル鞘成分とを含む
繊度2デニールの芯鞘型複合繊維90重量%とをブレン
ドし、カーディング、クロスレイヤー、ニードルパンチ
工程を経て目付40g/m2の不織布原反を得た。
【0029】得られた基材層と緻密層とをニードルパン
チ工程を介し接着させ、更に170℃以上に加熱し、上
記表皮とともにプレス成形した。緻密層の設置位置は車
室内からみて、表皮材の裏側とした。このような層構成
を採ったことで、従来のヘッドライニング基材よりも音
振性能には優れるが、吸音特性がチューニングされてお
らず、基材だけの場合と同様の特性を示すに留まった。
これは、緻密層の目付が少ないために通気孔が多数形成
されて膜としての機能を十分には果していないためであ
る。
【0030】
【発明の効果】以上説明してきたように、本発明によれ
ば、基材層に繊維が密集して膜のような構造を有する緻
密層を配設し、また、この緻密層の目付けを変化させる
こととしたため、車室内騒音の周波数特性に合致した吸
音性能を有し、車室内騒音を効果的に低減できる自動車
用天井材を提供することができる。また、各実施例はそ
れぞれ上記共通の効果に加えて更に以下のような効果が
ある。即ち、基材層の構成材料を全てポリエステルとし
たため、リサイクルの際に有利である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のヘッドライニングの一例を示す断面図
である。
【図2】従来のヘッドライニングの一例を示す断面図で
ある。
【符号の説明】
1 基材 2 通気止めフィルム 3 スラブウレタン層 4 トリコット表皮 5 基材層 6 緻密層 7 スラブウレタン層 8 トリコット表皮

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基材層に表層を積層して成る自動車用天
    井材において、 上記基材層は、ポリエステル繊維を主成分とし、且つそ
    の一部に、繊維が密集した疑似膜構造を有する緻密層を
    備える、ことを特徴とする自動車用天井材。
  2. 【請求項2】 上記緻密層が、上記表層と接しているこ
    とを特徴とする請求項1記載の自動車用天井材。
  3. 【請求項3】 上記緻密層が、上記基材層の表面と裏面
    とを構成することを特徴とする請求項1記載の自動車用
    天井材。
  4. 【請求項4】 上記緻密層の目付けが、50〜300g
    /m2であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか
    1つの項に記載の自動車用天井材。
  5. 【請求項5】 上記緻密層が、ポリエチレンテレフタレ
    ートを主体とする繊度1〜15デニールの高融点繊維2
    0〜0重量%と、ポリエチレンテレフタレートを主体と
    する芯成分とポリエチレンテレフタレートを主たる共重
    合成分とする融点200℃以下の低融点エラスティック
    ポリエステル鞘成分とを含む繊度1〜10デニールの芯
    鞘型複合繊維0〜80重量%と、から構成され、目付け
    が50〜300g/m2であることを特徴とする請求項
    1〜4のいずれか1つの項に記載の自動車用天井材。
  6. 【請求項6】 上記緻密層が、ポリエチレンテレフタレ
    ートを主体とする繊度1〜15デニールの高融点繊維2
    0〜0重量%と、ポリエチレンテレフタレートを主たる
    共重合成分とする融点200℃以下の低融点エラスティ
    ックポリエステル成分とを含む繊度1〜10デニールの
    全融型複合繊維0〜80重量%と、から構成され、目付
    けが50〜300g/m2であることを特徴とする請求
    項1〜4のいずれか1つの項に記載の自動車用天井材。
  7. 【請求項7】 上記緻密層が、エチレンビニルアセテー
    ト、ポリエステル又はポリエチレンを主体とする50g
    /m2以上の面密度を有する高分子フィルムから構成さ
    れることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つの項
    に記載の自動車用天井材。
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