JPH0932342A - 耐震性木造家屋構造 - Google Patents

耐震性木造家屋構造

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JPH0932342A
JPH0932342A JP18585095A JP18585095A JPH0932342A JP H0932342 A JPH0932342 A JP H0932342A JP 18585095 A JP18585095 A JP 18585095A JP 18585095 A JP18585095 A JP 18585095A JP H0932342 A JPH0932342 A JP H0932342A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 地震発生時における、柱、胴差、2階床梁、
小屋梁等の脱落や落下の発生を完全に防止でき、木造家
屋の倒壊や傾き等の事故発生を皆無とすることを可能と
した新規な耐震性木造家屋構造を提供する。 【解決手段】 基礎上に固定された土台と、該土台上に
立設された少なくとも4本の柱と、該柱を介して取りつ
けられた第一横架部材とを少なくとも有する木造家屋に
おいて、上記基礎中に下端部を埋設し土台に穿設された
挿通孔を介して上端部を上方に突出させた固着部材と、
上記第一横架部材に取りつけられた受け金具に上端部を
固着し下端部を下方に垂下してなる緊結部材とを有し、
該固着部材の上端部及び該緊結部材の下端部を互いに連
結手段によって連結してなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、地震発生時におい
ても、倒壊又は傾くことのない新規な耐震性木造家屋構
造に関する。
【0002】
【関連技術】従来の2階建木造家屋2の構造は、図6に
概略的に示す如く、基礎4(通常はコンクリート製)の
基礎立上がり部4a上に土台6を設置し、該土台6上に
少なくとも4本の柱8が立設されている。該一対の柱
8,8間には胴差10及び小屋梁12がそれぞれ横架さ
れている。該小屋梁12の中央には束14が立設されて
いる。該束14の上部に水平方向に取り付けられる棟木
15及び柱8の上部に該棟木15と平行して水平方向に
取り付けられる軒桁18を介してたる木16が取り付け
られ、屋根構造がさらに設置される(図示は省略)。
【0003】上記した木造家屋2の構造において土台6
と柱8は図6〜図8に示す如く、土台6に穿設されたほ
ぞ穴6aに、柱8の下端面に突設されたほぞ8bを嵌入
することにより互いに接合される。一方、柱8の上端部
に取り付けられた小屋梁12とは、図7及び図9に示す
如く、柱8の上端部に穿設されたほぞ穴8aに小屋梁1
2の端面に突設されたほぞ12bを嵌入することにより
互いに接合される。また、図10に示すごとく、軒桁1
8と小屋梁12とは、同様に軒桁18に穿設されたほぞ
穴18aに小屋梁12の両端面に突設されたほぞ12b
を嵌入することにより接合される。
【0004】上記した構造の木造家屋2が建てられてい
る地域に地震が発生すると、地震のタテ振によって、図
7〜図10に示す如く、柱8のほぞ8bが土台6のほぞ
穴6aから抜けてしまい、又地震のヨコ振によって、柱
8のほぞ穴8a及び軒桁18のほぞ穴18aから胴差1
0のほぞ10b及び小屋梁12のほぞ12bが抜けてし
まう。したがって、地震が発生した後、すなわち被災後
においては、図11に示す如く、柱8は傾き胴差10及
び小屋梁12は、下方に落下し木造家屋2の全体が倒壊
又は傾いてしまうという事態が頻繁に発生していた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記した木
造家屋構造の現状に鑑みてなされたもので、地震発生時
における、柱、胴差、2階床梁、小屋梁等の脱落や落下
の発生を完全に防止でき、木造家屋の倒壊や傾き等の事
故発生を皆無とすることを可能とした新規な耐震性木造
家屋構造を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明の耐震性木造家屋構造は、基礎上に固定され
た土台と、該土台上に立設された少なくとも4本の柱
と、該柱を介して取りつけられた第一横架部材とを少な
くとも有する木造家屋において、上記基礎中に下端部を
埋設し土台に穿設された挿通孔を介して上端部を上方に
突出させた固着部材と、上記第一横架部材に取りつけら
れた受け金具に上端部を固着し下端部を下方に垂下して
なる緊結部材とを有し、該固着部材の上端部及び該緊結
部材の下端部を互いに連結手段によって連結してなるこ
とを特徴とする。このような構造としておけば、第一横
架部材、例えば胴差、小屋梁、二階床梁、軒桁などは基
礎と強固に連結されることになるので、地震が発生して
も柱、胴差、小屋梁、軒桁などの脱落や落下が防止さ
れ、木造家屋の全体が倒壊又は傾いてしまうという事態
は回避される。
【0007】上記構成において、相対向する一対の前記
第一横架部材の対応部位にそれぞれ取りつけられた一対
の受け金具に基端部を固着し先端部を互いに側内方に延
出させてなる一対の緊結部材をさらに有し、該一対の緊
結部材の先端部を互いに連結手段によって連結するよう
に構成するのが好適である。
【0008】前記第一横架部材と土台との間に存在する
他の第一横架部材に挿通孔を穿設し前記緊結部材又は固
着部材を該挿通孔に挿通するようにすれば、複数の第一
横架部材を同時に連結固定することができ好ましい。
【0009】前記第一横架部材同士の間に配設された第
二横架部材に挿通孔を穿設し前記緊結部材を該挿通孔に
挿通するようにすれば、第一及び第二横架部材を同時に
連結固定できる利点がある。
【0010】上記第二横架部材同士間又は該第一横架部
材及び第二横架部材の間に配設された第三横架部材に挿
通孔を穿設し前記緊結部材を該挿通孔に挿通するように
構成すれば、各部材がさらに強固に連結され、耐震性が
高まる。
【0011】前記柱を介して取りつけられる第一横架部
材は柱間に配設される部材の全てを総称するが、一般的
に建築用語では小屋梁、胴差、二階床梁又は軒桁等と称
される部材を意味するものである。なお、第二横架部材
は第一横架部材同士間に配置される部材を総称し、また
第三横架部材は第二横架部材同士間又は該第一横架部材
及び第二横架部材間に配設される部材を総称するが、一
般的に建築用語では両者ともに小屋梁又は二階床梁等と
称される。
【0012】また、前記柱の上端部に取りつけられた一
対の小屋梁と、該小屋梁の中央部に立設された一対の束
と、該束の上部に水平方向に取りつけられた棟木と、相
対向する一対の小屋梁を互いに接続しかつ該棟木と平行
して設けられた平行小屋梁と、該棟木と連結小屋梁間に
取りつけられた補助束と、該棟木と平行して前記柱の上
端部に取りつけられた軒桁と、該棟木と軒桁を介して取
りつけられたたる木とを有する木造家屋において、該棟
木と平行小屋梁の対向部位にそれぞれ取りつけられた一
対の受け金具に基端部を固着し先端部を互いに延出させ
てなる一対の緊結部材をさらに有し、該一対の緊結部材
の先端部を互いに連結手段によって連結しておけば、屋
根構造部分も互いに強固に連結されるので、地震発生時
に屋根構造部分のみが、倒壊したり傾いたりするなどの
事故は皆無となる利点がある。
【0013】上記構成における固着部材と緊結部材又は
第一緊結部材と第二緊結部材とを連結する連結手段とし
ては、両者を単に連結する手段を適用することもできる
が、両者を互いに引き合いながら緊張状態で連結する緊
張金具又はターンバックルを用いるのが好適である。
【0014】前記受け金具としては、前記横架部材に嵌
着されるように上壁及び該上壁の両側端から下方に垂下
された両側壁からなるチャンネル状主体と、該上壁に固
着された第1ナット部材と、外側に位置する側壁に固着
された第2ナット部材と、内側に位置する側壁の該第2
ナット部材に対応する位置に穿設された貫通孔とを有
し、上記緊結部材の上端部及び/又は基端部を該第1ナ
ット部材に固着し、該貫通孔を介して挿通された上記一
対の緊結部材の基端部を該第2ナット部材に固着する構
造とするのが好適である。
【0015】前記受け金具としては種々の形状のものが
採用可能であり、前記横架部材に取りつけられるように
上壁及び該上壁の一側端から下方に垂下された側壁から
なる逆L字状主体と、該上壁に固着された第1ナット部
材と該側壁に固着された第2ナット部材とを有し、上記
緊結部材の上端部及び/又は基端部を該第1ナット部材
に固着し、上記一対の緊結部材の先端部を該第2ナット
部材に固着する構成を採用することもできる。
【0016】前記受け金具のその他の構成としては、前
記横架部材に取りつけられるように平板状の主体と、該
主体に固着されたナット部材とを有し、上記緊結部材の
上端部及び/又は該一対の緊結部材の基端部を該ナット
部材に固着する構成とすることもできる。
【0017】上記固着部材としては、アンカーボルトを
用いるのが好ましく、上記緊結部材としては緊結ボルト
又はワイヤーを用いるのが好適である。
【0018】
【発明の実施の形態】以下に本発明の1つの実施の形態
を添付図面中、図1〜図5に基づいて説明する。
【0019】図1は、本発明に係わる耐震性木造家屋構
造の骨組み構造を示す斜視図である。図1において、図
6〜図11と同一又は類似部材は同一符号を用いて説明
する。
【0020】図1において、22は本発明に係る耐震性
木造家屋構造である。コンクリート基礎4は、上面四角
形状の基礎立上がり4aを有している。該コンクリート
基礎4は多数の割ぐり石24上に形成設置されている。
土台6は、該基礎立上がり4a上に上面四角形状に設置
されている。該土台6の四つの隅部には通し柱8が立設
されており、又隅部以外に必要な箇所にも通し柱8が立
設される。該土台6と柱8とは、前記した従来の木造家
屋の場合と同様に、土台6に穿設されたほぞ穴6aに、
柱8の下端面に穿設されたほぞ8bを嵌入することによ
り互いに接合される(図6参照)。
【0021】該通し柱8の相対向する空間部分には、胴
差10及び11が上記土台6の上方に略四角形状に位置
して配設されている。略四角形状に配置された胴差10
の内方には、該胴差10の内周面に穿設されたほぞ穴に
2階床梁26の両端面に形成されたほぞを嵌入すること
によって多数の2階床梁26が縦横に配設されている。
【0022】横方向に配設された一対の上記通し柱8,
8の上端部には、小屋梁12が、前記した従来の木造家
屋と同様に、柱8のほぞ穴8aに小屋梁12のほぞ12
bを嵌入することによって取り付けられている(図6参
照)。また、縦方向に配設された一対の上記通し柱8,
8の上端部には、軒桁18が柱8のほぞ穴8aに軒桁1
8のほぞ18bを嵌入することによって取り付けられて
いる(図10参照)。該小屋梁12と相対向する小屋梁
13も該小屋梁12と同様に他の一対の柱8,8の上端
部に取りつけられる(図9参照)。
【0023】相対向する一対の軒桁18,18の中央部
内面には、ほぞ穴が穿設されている。小屋梁28の両端
面に突設されたほぞを該軒桁18,18のほぞ穴に嵌入
することによって該軒桁18と直角に交叉する交叉小屋
梁28が該軒桁18間に配設される。
【0024】相対向する一対の上記小屋梁12,28の
中央部内面には、ほぞ穴が穿設されている。該軒桁18
に平行な平行小屋梁30の両端部に突設されたほぞを該
小屋梁12,28のほぞ穴に嵌入することによって該平
行小屋梁30が該小屋梁12,28間に配設される。同
様の接続構造によって、平行小屋梁32も小屋梁13,
28間に配設されている。
【0025】小屋梁12,13の中央上面には束14が
立設され、また、小屋梁28,30の上面にも補助束1
4dが立設されている。それらの束14,14dの上面
には、該軒桁18に平行に棟木15が取り付けられてい
る。
【0026】該棟木15及び軒桁18を介してたる木1
6が取り付けられている。該たる木16の上には、屋根
構造(図示は省略)が設置される。なお、38は土台6
と胴差10との間及び胴差10と軒桁18との間に配置
される管柱である。
【0027】而して、40aはアンカーボルトで、基礎
立上り4aに下端部を埋め込み上端部が上方に突出せし
められている。42aは緊結ボルトで、その上端は小屋
梁12の上面部分に取り付けられた受け金具44aに該
小屋梁12に穿設された挿通孔H1を介して取り付けら
れ、且つその下端部分は、胴差10の上面部分に取り付
けられた受け金具46aの上壁Aの内面に取り付けられ
たナット部材N1、該ナット部材N1のナット孔に対応
して該上壁Aに穿設された貫通孔L1及び該胴差10に
穿設された挿通孔H1を介して挿通され下方に垂下され
ている。該アンカーボルト40aの上端部と該緊結ボル
ト42aの下端部とは、緊張金具又はターンバックル5
0aによって緊結可能に連結されている。
【0028】また、40bは別のアンカーボルトで、基
礎立上り4aに基端部を埋め込み先端部分が上方に突出
せしめられている。42bは別の緊結ボルトで、その上
端は軒桁18の上面部分に取り付けられた受け金具44
bに該軒桁18に穿設された挿通孔H1を介して取り付
けられ、且つその下端部分は、胴差11の上面部分に取
り付けられた受け金具46bの上壁Aの内面に取り付け
られたナット部材N1、該ナット部材N1のナット孔に
対応して該上壁Aに穿設された貫通孔L1及び該胴差1
1に穿設された挿通孔H1を介して挿通され下方に垂下
されている。該アンカーボルト40bの上端部と該緊結
ボルト42bの下端部とは、緊張金具又はターンバック
ル50bによって緊結可能に連結されている。
【0029】52aは第一緊結ボルトで、その基端は、
小屋梁12の上面部分に取り付けられた受け金具44a
に該受け金具44aの外側壁Bの内面に取り付けられた
ナット部材N2、該ナット部材N2のナット孔に対応し
て該受け金具44aの内側壁Cに穿設された貫通孔L
2、該ナット部材N2のナット孔に対応して該小屋梁1
2に穿設された挿通孔H2を介して取り付けられその先
端部は内側方に突出せしめられている。
【0030】56aは第二緊結ボルトで、その基端は、
小屋梁13の上面部分に取り付けられた受け金具44a
に該受け金具44aの外側壁Bの内面に取り付けられた
ナット部材N2、該ナット部材N2のナット孔に対応し
て該受け金具44aの内側壁Cに穿設された貫通孔L
2、該ナット部材N2のナット孔に対応して該小屋梁1
3に穿設された挿通孔H2を介して取り付けられその先
端部は内側方に突出せしめられている。該第一緊結ボル
ト52aの先端部と該第二緊結ボルト56aの先端部は
緊張金具又はターンバックル50cによって緊結可能に
連結されている。
【0031】52bは別の第一緊結ボルトで、その基端
は、軒桁18の上面部分に取り付けられた受け金具44
bに該受け金具44bの外側壁Bの内面に取り付けられ
たナット部材N2、該ナット部材N2のナット孔に対応
して該受け金具44bの内側壁Cに穿設された貫通孔L
2、該ナット部材N2のナット孔に対応して該軒桁18
に穿設された挿通孔H2を介して取り付けられその先端
部は内側方に突出せしめられている。
【0032】56bは別の第二緊結ボルトでその基端
は、軒桁18の上面部分に取り付けられた受け金具44
bに該受け金具44bの外側壁Bの内面に取り付けられ
たナット部材N2、該ナット部材N2のナット孔に対応
して該受け金具44bの内側壁Cに穿設された貫通孔L
2、該ナット部材N2のナット孔に対応して該軒桁18
に穿設された挿通孔H2を介して取り付けられその先端
部は内側方に突出せしめられている。該第一緊結ボルト
52bの先端部と該第二緊結ボルト56bの先端部は緊
張金具又はターンバックル50dによって緊結可能に連
結されている。
【0033】52cは他の第一緊結ボルトで、その基端
は、胴差10の上面部分に取り付けられた受け金具46
aに該受け金具46aの外側壁Bの内面に取り付けられ
たナット部材N2、該ナット部材N2のナット孔に対応
して該受け金具46aの内側壁Cに穿設された貫通孔L
2、該ナット部材N2のナット孔に対応して該胴差10
に穿設された挿通孔H2を介して取り付けられ、その先
端部は内側方に突出せしめられている。
【0034】56cは他の第二緊結ボルトで、その基端
は、胴差10の上面部分に取り付けられた受け金具46
aに該受け金具46aの外側壁Bの内面に取り付けられ
たナット部材N2、該ナット部材N2のナット孔に対応
して該受け金具46aの内側壁Cに穿設された貫通孔L
2、該ナット部材N2のナット孔に対応して該胴差10
に穿設された挿通孔H2を介して取り付けられその先端
部は内側方に突出せしめられている。該第一緊結ボルト
52cの先端部と該第二緊結ボルト56cの先端部は緊
張金具又はターンバックル50eによって緊結可能に連
結されている。
【0035】52dはさらに他の第一緊結ボルトで、そ
の基端は、胴差11の上面部分に取り付けられた受け金
具46bに該受け金具46bの外側壁Bの内面に取り付
けられたナット部材N2、該ナット部材N2のナット孔
に対応して該受け金具46bの内側壁Cに穿設された貫
通孔L2、該ナット部材N2のナット孔に対応して該胴
差11に穿設された挿通孔H2を介して取り付けられそ
の先端部は内側方に突出せしめられている。
【0036】56dは第二緊結ボルトで、その基端は、
胴差11の上面部分に取り付けられた受け金具46bに
該受け金具46bの外側壁Bの内面に取り付けられたナ
ット部材N2、該ナット部材N2のナット孔に対応して
該受け金具46bの内側壁Cに穿設された貫通孔L2、
該ナット部材N2のナット孔に対応して該胴差11に穿
設された挿通孔H2を介して取り付けられその先端部は
内側方に突出せしめられている。該第一緊結ボルト52
dの先端部と該第二緊結ボルト56dの先端部は緊張金
具又はターンバックル50fによって緊結可能に連結さ
れている。
【0037】上記した緊結構造以外にも、同様の緊結手
段によって、各部材同士の緊結連結を行なうことができ
る。例えば、図2に示すごとく、屋根構造部分において
も緊結構造を採用することができる。図2において、5
2eは第一緊結ボルトで、その基端は、棟木15の上面
に取りつけられた受け金具44cに該受け金具44cの
上壁Aの内面に取りつけられたナット部材N1を介して
取りつけられその先端部は下方に垂下せしめられてい
る。
【0038】56eは第二緊結ボルトで、その基端は、
平行小屋梁30の下面部分に取りつけられた受け金具4
4dに該受け金具44dの上壁Aの内面に取りつけられ
たナット部材N1を介して取りつけられその先端部は上
方に突出せしめられている。該第一緊結ボルト52eの
先端部と該第二緊結ボルト56eの先端部は緊張金具又
はターンバックル50gによって緊結可能に連結されて
いる。
【0039】該棟木15と平行小屋梁32との緊張連結
も同様に行なわれている。このような屋根構造部分の緊
結構造を行なうことにより、地震発生時の屋根構造部分
の倒壊や傾きなどの事故の発生を確実に回避することが
できることとなる。
【0040】上記構成により、地震発生の際にタテ振及
びヨコ振の振動があったとしても、上記した耐震性木造
家屋においては、柱8、小屋梁12,13、軒桁18、
胴差10,11、土台6の各構成部材は互いに緊結連結
されているとともに各構成部材は基礎4に強固に固定さ
れているので、従来の木造家屋の場合のように、ほぞが
ほぞ穴から抜け落ちて家全体が倒壊したり傾いたりする
ような事故は完全防止されることとなる。
【0041】上記の例では緊結部材としては、緊結ボル
ト42a,42b,52a〜52e,56a〜56eを
用いた場合を示したが、その他の緊結部材、例えばワイ
ヤーなどを用いることもできる。
【0042】また、上記受け金具としては、図3に示し
た構造の受け金具44a〜44d,46a,46bを用
いた例を示した。図3に示した受け金具44aは、前記
横架部材12に嵌着されるように上壁A及び該上壁Aの
両側端から下方に垂下された両側壁B,Cからなるチャ
ンネル状主体と、該上壁Aに固着された第1ナット部材
N1と、外側に位置する側壁Bに固着された第2ナット
部材N2と、内側に位置する側壁Cの該第2ナット部材
N2に対応する位置に穿設された貫通孔L3とを有し、
上記緊結部材42a,42bの上端部を該第1ナット部
材N1に固着し、及び/又は該貫通孔L3を介して挿通
された上記一対の緊結部材52a〜52e及び56a〜
56eの基端部を該第2ナット部材N2に固着するもの
である。
【0043】図3に示した構造以外に図4及び図5に示
すような受け金具を用いることもできる。図4に示した
受け金具44eは、前記横架部材12に取りつけられる
ように上壁A及び該上壁Aの一側端から下方に垂下され
た側壁Bからなる逆L字状主体と、該上壁に固着された
第1ナット部材N1と該側壁に固着された第2ナット部
材N2とを有し、上記緊結部材42a,42bの上端部
を該第1ナット部材N1に固着し、及び/又は上記一対
の緊結部材52a〜52e及び56a〜56eの先端部
を該第2ナット部材N2に固着するものである。
【0044】図5に示した受け金具44fは、前記横架
部材12に取りつけられるように平板状の主体と、該主
体に固着されたナット部材Nとを有し、上記緊結部材4
2a,42bの上端部及び/又は該一対の緊結部材52
a〜52e及び56a〜56eの基端部を該ナット部材
Nに固着するものである。
【0045】図3〜図5に示した受け金具44a〜44
fに取りつけられるナット部材N1,N2,Nは、上壁
A及び/又は外側壁Bの内面に取りつけ、外面は平坦と
した例を示した。この場合はナット部材N1,N2,N
が外部からは見えないために美観に優れる利点がある。
しかし、ナット部材N1,N2,Nを上壁A及び/又は
外側壁Bの外面に取りつけても同様の作用効果が達成さ
れるものであり、ナット部材N1,N2,Nの取りつけ
位置についての限定はない。
【0046】上記した実施の形態では2階建の木造家屋
について例示して示したが、本発明が平屋建、3階建等
その他の構造の木造家屋についても適用可能なことはい
うまでもない。
【0047】
【発明の効果】以上述べたごとく、本発明の耐震性木造
家屋構造は、地震発生時における、柱、胴差、2階床
梁、小屋梁等の脱落や落下の発生を完全に防止でき、木
造家屋の倒壊や傾き等の事故発生を皆無とすることを可
能とした大きな効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る耐震性木造家屋構造の骨組みを示
す概略斜視図である。
【図2】本発明に係る耐震性木造家屋構造の屋根部分の
構造を示す適示概略斜視図である。
【図3】本発明で用いられる受け金具の1例を示す斜視
図である。
【図4】本発明で用いられる受け金具の他の例を示す斜
視図である。
【図5】本発明で用いられる受け金具の別の例を示す斜
視図である。
【図6】従来の木造家屋構造を示す概略側面説明図であ
る。
【図7】従来の木造家屋の地震発生時における各構造部
材の接続状態を示す概略側面説明図である。
【図8】図4の丸X部分の拡大概略説明図である。
【図9】図4の丸Y部分の拡大概略説明図である。
【図10】地震発生時における小屋梁と軒桁との接続状
態を示す概略説明図である。
【図11】従来の木造家屋の地震発生後(被災後)の状
況を示す概略側面説明図である。
【符号の説明】
2 従来の2階建木造家屋 4 基礎 4a 基礎立上り 6 土台 6a,8a,10a,12a,18a ほぞ穴 8 柱、通し柱 8b,10b,12b,18b ほぞ 10,11 胴差 12,13,28 小屋梁 14 束 14d 補助束 15 棟木 16 たる木 18 軒桁 22 耐震性木造家屋 24 割ぐり石 26 2階床梁 30,32 平行小屋梁 38 管柱 40a,40b アンカーボルト 42a,42b 緊結ボルト 44a,44b,44c,44d,46a,46b 受
け金具 50a,50b,50c,50d,50e,50f,5
0g ターンバックル 52a,52b,52c,52d,52e 第一緊結ボ
ルト 56a,56b,56c,56d,56e 第二緊結ボ
ルト A 上壁 B 外側壁 C 内側壁 L1,L2,L3 貫通孔 H1,H2 挿通孔 N1,N2,N ナット部材

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基礎上に固定された土台と、該土台上に
    立設された少なくとも4本の柱と、該柱を介して取りつ
    けられた第一横架部材とを少なくとも有する木造家屋に
    おいて、上記基礎中に下端部を埋設し土台に穿設された
    挿通孔を介して上端部を上方に突出させた固着部材と、
    上記第一横架部材に取りつけられた受け金具に上端部を
    固着し下端部を下方に垂下してなる緊結部材とを有し、
    該固着部材の上端部及び該緊結部材の下端部を互いに連
    結手段によって連結してなることを特徴とする耐震性木
    造家屋構造。
  2. 【請求項2】 相対向する一対の前記第一横架部材の対
    応部位にそれぞれ取りつけられた一対の受け金具に基端
    部を固着し先端部を互いに側内方に延出させてなる一対
    の緊結部材をさらに有し、該一対の緊結部材の先端部を
    互いに連結手段によって連結してなることを特徴とする
    請求項1記載の耐震性木造家屋構造。
  3. 【請求項3】 前記第一横架部材と土台との間に存在す
    る他の第一横架部材に挿通孔を穿設し前記緊結部材又は
    固着部材を該挿通孔に挿通するようにしたことを特徴と
    する請求項1又は2記載の耐震性木造家屋構造。
  4. 【請求項4】 前記第一横架部材同士の間に配設された
    第二横架部材に挿通孔を穿設し前記緊結部材を該挿通孔
    に挿通するようにしたことを特徴とする請求項2又は3
    記載の耐震性木造家屋構造。
  5. 【請求項5】 該第二横架部材同士間又は該第一横架部
    材及び第二横架部材の間に配設された第三横架部材に挿
    通孔を穿設し前記緊結部材を該挿通孔に挿通するように
    したことを特徴とする請求項4記載の耐震性木造家屋構
    造。
  6. 【請求項6】 前記第一横架部材が小屋梁、胴差、二階
    床梁又は軒桁であることを特徴とする請求項1〜5のい
    ずれか1項記載の耐震性木造家屋構造。
  7. 【請求項7】 前記柱の上端部に取りつけられた一対の
    小屋梁と、該小屋梁の中央部にそれぞれ立設された一対
    の束と、該束の上部に水平方向に取りつけられた棟木
    と、相対向する一対の小屋梁を互いに接続しかつ該棟木
    と平行して設けられた平行小屋梁と、該棟木と連結小屋
    梁間に取りつけられた補助束と、該棟木と平行して前記
    柱の上端部に取りつけられた軒桁と、該棟木と軒桁を介
    して取りつけられたたる木とを有する木造家屋におい
    て、該棟木と平行小屋梁の対向部位にそれぞれ取りつけ
    られた一対の受け金具に基端部を固着し先端部を互いに
    延出させてなる一対の緊結部材をさらに有し、該一対の
    緊結部材の先端部を互いに連結手段によって連結してな
    ることを特徴とする請求項6記載の耐震性木造家屋構
    造。
  8. 【請求項8】 前記連結手段が緊張金具又はターンバッ
    クルであることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1
    項記載の耐震性木造家屋構造。
  9. 【請求項9】 前記受け金具が、前記横架部材に嵌着さ
    れるように上壁及び該上壁の両側端から下方に垂下され
    た両側壁からなるチャンネル状主体と、該上壁に固着さ
    れた第1ナット部材と、外側に位置する側壁に固着され
    た第2ナット部材と、内側に位置する側壁の該第2ナッ
    ト部材に対応する位置に穿設された貫通孔とを有し、上
    記緊結部材の上端部及び/又は基端部を該第1ナット部
    材に固着し、及び/又は該貫通孔を介して挿通された上
    記一対の緊結部材の基端部を該第2ナット部材に固着す
    ることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項記載の
    耐震性木造家屋構造。
  10. 【請求項10】 前記受け金具が、前記横架部材に取り
    つけられるように上壁及び該上壁の一側端から下方に垂
    下された側壁からなる逆L字状主体と、該上壁に固着さ
    れた第1ナット部材と該側壁に固着された第2ナット部
    材とを有し、上記緊結部材の上端部及び/又は基端部を
    該第1ナット部材に固着し、及び/又は上記一対の緊結
    部材の先端部を該第2ナット部材に固着することを特徴
    とする請求項1〜8のいずれか1項記載の耐震性木造家
    屋構造。
  11. 【請求項11】 前記受け金具が、前記横架部材に取り
    つけられるように平板状の主体と、該主体に固着された
    ナット部材とを有し、上記緊結部材の上端部及び/又は
    該一対の緊結部材の基端部を該ナット部材に固着するこ
    とを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項記載の耐震
    性木造家屋構造。
  12. 【請求項12】 前記固着部材がアンカーボルトであ
    り、前記緊結部材が緊結ボルト又はワイヤーであること
    を特徴とする請求項1〜11のいずれか1項記載の耐震
    性木造家屋構造。
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