JPH09322758A - 体外増幅に適した細胞分離システムおよび分離方法 - Google Patents

体外増幅に適した細胞分離システムおよび分離方法

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JPH09322758A
JPH09322758A JP8159210A JP15921096A JPH09322758A JP H09322758 A JPH09322758 A JP H09322758A JP 8159210 A JP8159210 A JP 8159210A JP 15921096 A JP15921096 A JP 15921096A JP H09322758 A JPH09322758 A JP H09322758A
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JP8159210A
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Masaya Sumida
政哉 澄田
Takao Nishimura
隆雄 西村
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Asahi Kasei Medical Co Ltd
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Asahi Medical Co Ltd
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12MAPPARATUS FOR ENZYMOLOGY OR MICROBIOLOGY; APPARATUS FOR CULTURING MICROORGANISMS FOR PRODUCING BIOMASS, FOR GROWING CELLS OR FOR OBTAINING FERMENTATION OR METABOLIC PRODUCTS, i.e. BIOREACTORS OR FERMENTERS
    • C12M47/00Means for after-treatment of the produced biomass or of the fermentation or metabolic products, e.g. storage of biomass
    • C12M47/04Cell isolation or sorting

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 骨髄、末梢血、臍帯血等の原料細胞液から造
血幹細胞を閉鎖系で分離する、体外増幅に適した細胞が
得られるシステム及び分離方法を提供する。 【解決手段】 少なくとも、採取された原料細胞液を貯
留する手段1と、CD34陽性細胞を捕捉する第1の捕
捉手段2と、該第1の捕捉手段に前記原料細胞液を供給
する手段7、12と、前記第1の捕捉手段を通過後のC
D34陰性細胞を貯留する手段4と、該第1の捕捉手段
に捕捉されたCD34陽性細胞を回収するための回収液
貯留手段6から該第1の捕捉手段に回収液を供給する手
段10、13と、該第1の捕捉手段から回収したCD3
4陽性細胞を分化した血球マーカーを持つ細胞を捕捉す
る第2の捕捉手段3に供給する手段8、14と、分化し
た血球マーカーを持つ細胞が除去されたCD34陽性細
胞を貯留する手段5と、が連結してなる閉鎖回収からな
る体外増幅に適した細胞分離システム及び分離方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、骨髄あるいは末梢血な
どの、少なくとも造血幹細胞および/または造血前駆細
胞(以下、「造血幹細胞」という)を含む細胞集団から
造血幹細胞を閉鎖系で分離するシステムおよび分離方法
に関する。更に詳しくは体外増幅に適した造血幹細胞を
分離するシステムおよび分離方法に関する。
【0002】
【従来の技術】白血病などの造血器腫瘍及び固形癌の化
学療法における副作用である造血障害に対して、骨髄移
植療法が広く施行されている。骨髄移植療法とは、移植
骨髄による致死的造血障害の回復法であるため、患者に
とって致死的な大量放射線及び/または大量化学療法
(以下、「大量化学療法」という)の施行が可能とな
り、白血病や固形癌の治療につながる。また、近年、骨
髄と同様に末梢血中にも、これらの治療に必要な造血幹
細胞が含まれていることが明らかになった。通常、これ
らの細胞の末梢血中での含有率はかなり低値であり、採
取して骨髄移植の代わりに用いることは困難であるが、
抗癌剤及び/またはG−CSF(顆粒球コロニー刺激因
子)等のサイトカインを投与することにより、その含有
率が増大することが明らかにされ、骨髄採取と比べる
と、全身麻酔が不要で安全なことから、さかんに臨床応
用が行われている。更に近年、臍帯血中には末梢血より
もはるかに高濃度で造血幹細胞が含有されていることが
明らかになり、臨床応用が始まった。以下、本明細書で
は末梢血、臍帯血を用いる移植も、骨髄移植という語で
代表させることにする。
【0003】ここで、移植法は細胞を誰から得るかによ
って同種移植と自家移植に分けられる。前者は健康な他
人(血縁者または非血縁者)が細胞提供者(ドナー)と
なるもので、後者は患者本人の細胞を用いるものであ
る。いずれの移植法でも、移植に必要な量の細胞を得る
にはドナーへの侵襲が大きい。即ち、骨髄を利用する場
合、全身麻酔が必要であり、末梢血を利用する場合には
全身麻酔は必要無いが、抗癌剤及び/またはG−CSF
等のサイトカインを数日間投与し、数時間かけてアフェ
レーシスにより採取しなければならない。一方、臍帯血
の場合、ドナー侵襲は全く無いと言えるが、得られる細
胞量が限られているため、移植可能な患者は小児に限ら
れてしまう。これらの問題を解決するために、即ち、骨
髄では局所麻酔のみの採取で移植可能とするため、ま
た、臍帯血では成人にも移植できるように、造血幹細胞
を体外で培養により増幅する試みが近年、非常に活発に
行われている(特表平4−506153、特表平6−5
08987、特表平7−504570など多数)。該培
養は造血幹細胞が単核球分画に存在することから、当
初、密度勾配遠心法と呼ばれる比重液(例えば、ファル
マシア社製Ficoll)を用いた遠心分離法で分離し
た単核球を原料細胞に用いて行われていた。マウスの細
胞ではこの培養法でも高い増幅倍率が出ていたが、ヒト
の細胞ではあまり良好な結果が得られていなかった。そ
こで最近ではCD34陽性細胞に純化した細胞を出発細
胞に用いるようになった。この結果、増幅倍率の改善を
見、また、CD34を指標にして分離するだけでなく、
更に各種のマーカー(CD15、CD38、HLA−D
Rなど)で精製した方がより好ましい結果が出たことか
ら、出発細胞にこれらの精製細胞を用いた培養が盛んに
行われている(中畑龍俊:「造血幹細胞のin vit
ro増幅」、1995年南江堂刊「抹消血幹細胞移植」
176〜184ページ)。これらの細胞分離は例えば、
以下のような非常に煩雑な操作で行われている。即ち、
前述の密度勾配遠心法で骨髄から単核球分画を分離し、
その後該単核球分画に混入する血小板を弱遠心(180
G、10分)により除去し、更にヒツジ赤血球とインキ
ュベートし予備精製を行う(本法はEロゼット法と呼ば
れ、造血幹細胞分画の濃縮に広く用いられている)。得
られた細胞を間接磁気ビーズ法(細胞を抗ヒトCD34
マウス抗体で標識、その後抗マウスIgGヤギ抗体結合
磁気ビーズと反応させる)によりCD34陽性細胞に分
離する。更に、このCD34陽性細胞の中から、再び間
接磁気ビーズ法によりCD2、CD7、CD11b、C
D16、CD20、CD56陽性細胞を除去したものを
出発細胞とする(Sato,N.et al:In V
itro Expansion of Human P
eripheral Blood CD34+Cell
s,Blood,1993)。これらの操作はクリーン
ベンチ内で無菌操作で行われるものの、基本的には開放
系での操作であり、細菌による汚染が危惧されている。
また、特表平6−508987ではCD34陽性DR陰
性CD15陰性細胞が培養に好ましい細胞であることが
示されている。そして同公報ではこの細胞は密度遠心分
離法、逆流遠心エルトリエイション、モノクローナル抗
体ラベル化及び蛍光活性化細胞ソーティングによって単
離することが示されている。これらの操作は、前述の方
法と比べるとはるかに自動化されているものの、高価な
装置が必要であり、また、全てが閉鎖系では無いことに
は変わりがない。一方、簡便な細胞分離器としてモノク
ローナル抗体固定フラスコが製品化されている(米国ア
プライドイミュンサイエンス社製「マイクロセレクタ
ー」)。しかしながら、このフラスコを使用しても、閉
鎖系の細胞分離とはならない。例えば、細胞液あるいは
回収液の出し入れはフラスコのキャップをはずしてピペ
ットで行わなければならず、クリーンベンチ内で無菌操
作で行われるものの、基本的には開放系での操作であ
り、細菌の汚染が危惧されている。そこで簡便で、かつ
高価な装置を用いない、体外増幅に適した細胞が得られ
る閉鎖系の造血幹細胞分離システムが待望されていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は簡便で、かつ
高価な装置を用いない、体外増幅に適した細胞が得られ
る閉鎖系の細胞集団から造血幹細胞を分離するシステム
及び分離方法を提供することを課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】かかる課題を解決すべく
鋭意検討した結果、本発明を完成させたものである。即
ち、本発明は少なくとも、採取された原料細胞液を貯留
する手段と、CD34陽性細胞を捕捉する第1の捕捉手
段と、該第1の捕捉手段に前記原料細胞液を供給する手
段と、前記第1の捕捉手段を通過後のCD34陰性細胞
を貯留する手段と、該第1の捕捉手段に捕捉されたCD
34陽性細胞を回収するための回収液貯留手段から該第
1の捕捉手段に回収液を供給する手段と、該第1の捕捉
手段から回収したCD34陽性細胞を分化した血球マー
カーを持つ細胞を捕捉する第2の捕捉手段に供給する手
段と、分化した血球マーカーを持つ細胞が除去されたC
D34陽性細胞を貯留する手段と、が連結してなる閉鎖
回収からなる体外増幅に適した幹細胞分離システムであ
り、また、閉鎖系で一連に行われる細胞分離方法であっ
て、少なくとも造血幹細胞を含む細胞集団を、実質的に
CD34陽性細胞を捕捉する手段に通液して、CD34
陽性細胞を捕捉させ、捕捉されたCD34陽性細胞を該
捕捉手段に回収液を導入して剥離回収し、該回収細胞液
を実質的に分化した血球マーカーを有する細胞を捕捉す
る手段に通液し、分化した血球マーカーを有する細胞を
除去し、分化した血球マーカーを持つ細胞が除去された
CD34陽性細胞を得ることからなる体外増幅に適した
幹細胞分離方法に関する。更に、実質的にCD34陽性
細胞を捕捉する手段に通液する前に原料細胞を造血幹細
胞分画に予備精製する細胞分離方法である。
【0006】本発明に用いる実質的にCD34陽性細胞
を捕捉する第1の捕捉手段はCD34陽性細胞親和性リ
ガンドが水不溶性基材に固定されたものであり、CD3
4陽性細胞親和性リガンドとしてはCD34抗原に対す
るモノクローナル抗体、またこの抗体の可変領域を構成
している特定のアミノ酸配列を有するペプチド断片など
があげられる。基材の材質としては水不溶性であればい
かなる材質も使用可能であるが、成型性や細胞毒性が低
いという点で好ましいものを列記すると、ポリスチレ
ン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ナイロン、アクリ
ル樹脂、フッ素樹脂、ポリカーボネートなどの合成高分
子化合物や、セルロース、キチン、デキストラン、アガ
ロース等の天然高分子化合物、アルミナ、ハイドロキシ
アパタイト、チタニア、シリカなどのセラミックスやガ
ラス等の無機化合物があげられる。また、基材の形状と
しては平板、ビーズ、繊維、不織布、多孔質体などがあ
げられるが、体積当たりの表面積が大きいという点でビ
ーズ、繊維、不織布、多孔質体が好ましい。本発明の、
実質的に分化した血球マーカーを持つ細胞を捕捉する第
2の捕捉手段は、分化した細胞に選択的に親和性を有す
るリガンドが水不溶性基材に固定されたものであり、リ
ガンドとしてはCD2、CD3、CD4、CD5、CD
6、CD7、CD8、CD9、CD10、CD14、C
D15、CD19、CD20、CD33、CD38、H
LA−DR等に対するモノクローナル抗体や、これらの
抗体の可変領域を構成している特定のアミノ酸配列を有
するペプチド断片、大豆レクチン、ピーナッツレクチン
などがあげられる。この中から1つ以上を適宜選択する
が、少なくともCD38に対するモノクローナル抗体を
含むことが好ましい。基材としては第1の捕捉手段に用
いるものと同様なものがあげられる。本発明に用いる原
料細胞液としては、骨髄、末梢血、臍帯血あるいはこれ
らを遠心分離器により粗分離したもの等があげられる。
本発明の細胞分離システムにおいて、各々の貯留手段は
血液バッグを、供給手段はチューブを一般的には用いる
が、貯留手段と供給手段を併せて、1本のシリンジで行
うこともできる。この場合、シリンジの容量により処理
量は限界があるものの、通液時の流速を増すことができ
極めて好都合である。また、本システムにおいて、採取
された原料細胞液を貯留する手段と、分化した血球マー
カーを持つ細胞が除去されたCD34陽性細胞を貯留す
る手段とは共通にすることもできる。この場合部材の節
約、システムの簡略化となり好都合である。ただし、こ
の場合は、原料細胞バッグ内に残存した原料細胞が回収
細胞に混入することを防ぐため原料細胞バッグにリンス
手段が具備されていることが好ましい。本発明のCD3
4陰性細胞を回収する手段は、血液バッグを用いること
ができるが、廃液ビン、排液チューブ等につなげるため
にオープンにしてもよい。この場合、逆流防止のための
逆止弁を付けることが好ましい。排液を回収する手段も
同様である。また、CD34陰性細胞を回収する手段と
排液を回収する手段を共通とすることもできる。更に、
原料細胞中の血漿を採取したい場合は、CD34陰性細
胞を回収する手段に中空糸型血漿分離器と、これに接続
する血漿採取手段(血液バッグなど)を付与するか、2
連バッグにして遠心分離器にかけられるようにすればよ
い。
【0007】本発明の細胞分離システムにおける、第1
の捕捉手段に捕捉されているCD34陽性細胞を回収す
るための回収液を該捕捉手段に供給する手段はバッグに
代表される回収液貯留部とチューブに代表される回収液
供給部からなる。回収液貯留部は第1の捕捉手段に捕捉
されたCD34陽性細胞を回収するための回収液を有し
ている。回収液としては生理食塩水、ハンクス液(HB
SS)、ダルベッコリン酸塩緩衝液(D−PBS)など
の緩衝液に、必要に応じてヒト血清アルブミンなどの蛋
白あるいは抗凝固剤を添加したものが用いられる。ま
た、貯留手段と供給手段を併せて、1本のシリンジで行
うことができる。この場合、流速を増やすことができ極
めて好都合である。なお、第1の捕捉手段に回収液を導
入し、捕捉されているCD34陽性細胞を脱離させる方
法としては、順方向あるいは逆方向に勢い良く回収液を
通液し、剪断力を利用する方法、基材をスクイージング
する方法、基材を叩く、勢い良く振る、超音波をかける
など機械的衝撃を利用する方法、回収液中に酵素を添加
して酵素反応による結合部位の切断で脱離させる方法、
あるいはこれらを組み合わせる方法などがある。本発明
による細胞分離システムには細胞回収率の向上、回収細
胞純度向上のためにリンス手段を設けることができる。
この場合、リンス手段はリンス液貯留部とリンス液供給
部からなり、リンス液の供給位置は第2の捕捉手段の入
口以前で、その目的に応じて、即ち、原料細胞バッグに
残存する細胞を全て回収したい場合には原料細胞バッグ
に供給し、第1の捕捉手段に非特異吸着したCD34陰
性細胞を洗流したい場合には、第1の捕捉手段にという
ように適宜選択する。回収液がリンス液ともなりうる
が、緩衝液に蛋白などを添加して、高価なものとなって
いる場合は、生理食塩水など安価なリンス液を供給する
手段を別に設けた方が好ましい。本発明による細胞分離
システムには、CD34陽性細胞の分離性能を向上する
ために、原料細胞を貯留する手段以降かつ第1の捕捉手
段の入口以前に、原料細胞液を造血幹細胞分画に予備精
製する手段を有することが望ましい。造血幹細胞に予備
精製する手段としては、本発明者が特願平7−9587
4で提案したハイドロキシアパタイトを用いる方法や市
販の大豆由来凝集素固定フラスコ(アプライドイミュン
サイエンス社「マイクロセレクターSBA」)を用いる
方法などがある。なお、前述の、1本のシリンジで貯留
手段と供給手段を兼ねさせる時には、三方活栓あるいは
デュアルチェックバルブにチューブを介せず、直接、シ
リンジを接続すれば良い。その際ビーブラウン社製「マ
ルチAd」システムを好適に用いることができる。この
システムはデュアルチェックバルブにバネ付きシリンジ
が付いたもので、シリンジを押すだけで送液操作ができ
る(吸引はバネによって自動的に行われる)。回収液
は、捕捉手段をリンスする目的にも用いることができ
る。この場合、該溶液貯留部から新たなチューブにより
捕捉手段の前に接続するか、回収液供給手段として捕捉
手段に接続されているチューブから分岐させて捕捉手段
の前に接続する。あるいは、リンス液が少量で良い場合
はリンス液の入ったシリンジを捕捉手段の前に、三方活
栓を介して接続することでも達成できる。
【0008】本発明の、分化した血球マーカーを持つ細
胞が除去されたCD34陽性細胞液中の細胞濃度を高め
たい場合には中空糸型血漿分離器と、これに接続する細
胞回収手段(血液バッグなど)を付与するか、2連バッ
グにして遠心分離器にかけられるようにすれば良い。更
に、凍結保存のために必要な薬剤を混合し、そのまま凍
結保存したい場合には、あらかじめ凍害保護剤(DMS
O等)、アルブミンなど凍結保存に必要な薬剤を入れた
バッグを接続しておくこともできる。ただし、この際に
は造血幹細胞回収バッグは通常の血液バッグではなく、
バクスター社製「クリオサイトバッグ」など凍結保存に
耐えられるものが好ましい。本発明のシステムには流速
を増す手段を付与してもよい。流速を増す手段として
は、ペリスターポンプを用いる方法、デュアルチェック
バルブに接続したシリンジ(ビーブラウン社製「マルチ
Ad」システムを好適に用いることができる)で吸引・
排出を繰り返し、流速を惹起する方法がある。これによ
り作業時間の短縮につながる。本発明の細胞分離システ
ムは臨床に用いる場合には、滅菌済みである必要があ
る。滅菌方法としては高圧蒸気滅菌、放射線滅菌、エチ
レンオキサイドガス滅菌などがあげられ、各部材に適し
た滅菌方法を適宜選択して用いる。滅菌は全て組み立て
た後に一括して行うことが好ましいが、各部材により好
ましい滅菌方法が異なる場合は、各部材を滅菌した後に
無菌的に組み立てる。本発明により分離された造血幹細
胞は、培養器に供され体外増幅された後、そのまま患者
に移植、あるいは遺伝子導入等、必要な操作を行った後
患者に移植され、患者の造血機能回復に寄与する。また
は特表平5−502385で開示されている血小板の製
造など、分化した血球の製造に用いられる。
【0009】
【実施態様】本発明の実施態様の1例を図1により説明
する。1は原料細胞が入った容器(通常、血液バッグ)
であり、チューブ7により原料細胞を第1の捕捉手段2
に供給する。2は第1の捕捉手段であり、実質的にCD
34陽性細胞を捕捉する。3は第2の捕捉手段であり、
実質的に分化した血球マーカーを持つ細胞が捕捉され
る。4はCD34陰性細胞回収バッグであり、第1の捕
捉手段で捕捉されなかった細胞を回収するものであり、
第1の捕捉手段の出口以降から分岐している。5は本発
明で目的とする、分化した血球マーカーを持つ細胞が除
去されたCD34陽性細胞を回収するバッグである。6
は第1の捕捉手段に供給する回収液を貯留する手段であ
る。回収液はチューブ10を通じて第1の捕捉手段に供
給される。それぞれ1、4、5、6に用いるバッグはス
パイクまたは無菌接続器でチューブと接続可能となって
いることが好ましい。次に使用方法を説明する。まず、
常法により採取された骨髄、末梢血バフィーコート、臍
帯血等を予め原料細胞バッグ1に入れておく。この時全
てのクランプを「閉」、三方活栓14は第2の捕捉手段
方向を「閉」としておく。次にクランプ12を「開」に
し、原料細胞バッグ中の原料細胞液を第1の捕捉手段2
に供給する。捕捉手段2でCD34陽性細胞は捕捉さ
れ、CD34陰性細胞はチューブ8、三方活栓14、チ
ューブ11を通じてCD34陰性細胞回収バッグ4に排
液される。次に三方活栓14をチューブ11側を
「閉」、クランプ12を「閉」、クランプ13を「開」
にして、回収液を第1の捕捉手段2に供給する。剪断力
の利用、スクイージング等により捕捉手段から脱離した
CD34陽性細胞はチューブ8を通じて第2の捕捉手段
3に供給される。ここで分化した血球マーカーを持つ細
胞は捕捉除去され、CD34陽性細胞で、かつ分化した
血球マーカーを持たない細胞はチューブ9を通じて分化
した血球マーカーを持つ細胞が除去されたCD34陽性
細胞回収バッグ5に回収される。
【0010】
【発明の効果】本発明によれば、簡便で、かつ高価な装
置を用いず、体外増幅に適した細胞が得られる閉鎖系の
細胞集団から造血幹細胞を分離するシステムを提供する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による体外増幅に適した幹細胞分離シス
テムの基本構成を示す模式図。
【符号の説明】
1.原料細胞バッグ 2.第1の捕捉手段 3.第2の捕捉手段 4.CD34陰性細胞回収バッグ 5.分化した血球マーカーを持つ細胞が除去されたCD
34陽性細胞回収バッグ 6.回収液バッグ 7.チューブ 8.チューブ 9.チューブ 10.チューブ 11.チューブ 12.13.クランプ 14.三方活栓

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも、採取された原料細胞液を貯
    留する手段と、CD34陽性細胞を捕捉する第1の捕捉
    手段と、該第1の捕捉手段に前記原料細胞液を供給する
    手段と、前記第1の捕捉手段を通過後のCD34陰性細
    胞を貯留する手段と、該第1の捕捉手段に捕捉されたC
    D34陽性細胞を回収するための回収液貯留手段から該
    第1の捕捉手段に回収液を供給する手段と、該第1の捕
    捉手段から回収したCD34陽性細胞を分化した血球マ
    ーカーを持つ細胞を捕捉する第2の捕捉手段に供給する
    手段と、分化した血球マーカーを持つ細胞が除去された
    CD34陽性細胞を貯留する手段と、が連結してなる閉
    鎖回収からなる体外増幅に適した細胞分離システム。
  2. 【請求項2】 少なくとも、第2の捕捉手段の入口以前
    にリンス液を供給する手段と、第2の捕捉手段の出口以
    降に位置するリンス液排液手段を具備した請求項1記載
    の細胞分離システム。
  3. 【請求項3】 採取された原料細胞液を貯留する手段と
    分化した血球マーカーを持つ細胞が除去されたCD34
    陽性細胞を貯留する手段とが、共通である請求項1また
    は2記載の細胞分離システム。
  4. 【請求項4】 採取された原料細胞液を貯留する手段以
    降でかつCD34陽性細胞を捕捉する第1の捕捉手段の
    入口以前に原料細胞液を造血幹細胞分画に予備精製する
    手段を有する請求項1、2または3記載の細胞分離シス
    テム。
  5. 【請求項5】 閉鎖系で一連に行われる細胞分離方法で
    あって、少なくとも造血幹細胞を含む細胞集団を、実質
    的にCD34陽性細胞を捕捉する手段に通液して、CD
    34陽性細胞を捕捉させ、捕捉されたCD34陽性細胞
    を該捕捉手段に回収液を導入して剥離回収し、該回収細
    胞液を実質的に分化した血球マーカーを有する細胞を捕
    捉する手段に通液し、分化した血球マーカーを有する細
    胞を除去し、分化した血球マーカーを持つ細胞が除去さ
    れたCD34陽性細胞を得ることからなる体外増幅に適
    した細胞分離システム。
  6. 【請求項6】 実質的にCD34陽性細胞を捕捉する手
    段に通液する前に原料細胞を造血幹細胞分画に予備精製
    する請求項5記載の細胞分離方法。
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