JPH09321677A - アンテナ制御装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 同一アンテナによる同時送受信ができず、電
波の到来方向が限定されること。 【解決手段】 移動局１０からの電波を指向性アンテナ
１，３で受信し、受信機２，４を介してレベル比較器５
で受信レベルを比較し、レベル差がゼロとなるようアン
テナ１，３の向きをアンテナ駆動制御装置６が変える。
アンテナ１，３は一定の方位角度差Ｆをもって両者とも
同一方向に回転する。送信信号切り替え器９はレベル比
較器５での比較結果に基づき、受信レベルの高い方のア
ンテナに送信信号を出力する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明はアンテナ制御装置に
関し、特にダイバーシティアンテナのアンテナ制御装置
に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、２つのアンテナを利用した通信方
式にダイバーシティ受信がある。このダイバーシティ受
信では、２つのアンテナの切り替え又は合成でより良い
受信入力電界を得ることができる。

【０００３】一方、このダイバーシティ方式は主に単方
向の通信に用いられてきたが、近年双方向の通信にも用
いられるようになってきた。

【０００４】次に、双方向通信が可能なダイバーシティ
アンテナのアンテナ制御装置の一例について説明する。
この種のアンテナ制御装置の一例が特開平３−３８９３
２号公報及び特開平３−３８９３３号公報に開示されて
いる。

【０００５】このうち特開平３−３８９３２号公報に開
示されたアンテナ制御装置について説明する。図３は従
来のアンテナ制御装置（特開平３−３８９３２号公報）
の一例の構成図である。

【０００６】このアンテナ制御装置は２つの無指向性ア
ンテナ２１，２２と、夫々のアンテナ２１，２２を送信
又は受信に切り替えるアンテナ切り替え回路２３，２４
と、２つの受信機２５，２６と、受信信号の合成・切り
替えを行う合成・切替回路２７と、送信機２８と、アン
テナ切り替え回路２３，２４の切り替え制御を行い、か
つ送信信号をアンテナ切り替え回路２３，２４へ送出す
る通信制御回路２９とからなる。

【０００７】そして、受信の場合はアンテナ切り替え回
路２３，２４が受信側に切り替えられ、無指向性アンテ
ナ２１，２２からの受信信号はアンテナ切り替え回路２
３，２４を介して受信機２５，２６で受信され、さらに
合成・切替回路２７で２つの受信信号が合成されあるい
はいずれか一方の信号が選択される。

【０００８】一方、送信の場合はアンテナ切り替え回路
２３，２４が送信側に切り替えられ、通信制御回路２９
はまずアンテナ２１を介して第１の信号を送信し、次に
アンテナ２２を介して第１の信号と同一の第２の信号を
送信する。

【０００９】このようにして双方向通信を行っていた。

【００１０】また、特開平３−３８９３３号公報に開示
された技術も受信と送信を交互に行う点では特開平３−
３８９３２号公報と同様である。

【００１１】

【発明が解決しようとする課題】しかし、従来のアンテ
ナ制御装置は同一アンテナによる同時送受信ができない
という欠点があった。このため、回線がとぎれる時間が
長くなっていた。

【００１２】又、無指向性アンテナを用いていたため、
電波の到来方向が限定され、従って通信相手が移動局の
場合で電波の到来方向が大きく変わる場合には不向きと
いう欠点があった。

【００１３】そこで本発明の目的は、同時送受信が可能
で、電波の到来方向が大きく変わる場合にも適用できる
ダイバーシティアンテナのアンテナ制御装置を提供する
ことにある。

【００１４】

【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
に本発明は、２つの指向性アンテナと、夫々のアンテナ
からの受信信号のレベルを検出する２つの受信手段と、
この２つの受信手段で得られた受信レベルを比較するレ
ベル比較手段と、このレベル比較手段での比較結果に基
づき送信信号をいずれか一方のアンテナに出力する送信
信号切り替え手段と、前記レベル比較手段での比較結果
に基づき前記２つの指向性アンテナの方向を変えるアン
テナ駆動手段とを有することを特徴とする。

【００１５】

【発明の実施の形態】本発明によれば、レベル比較手段
で２つの受信手段で得られた受信レベルの差が検出され
ると、送信信号切り替え手段は受信レベルの高い方のア
ンテナに送信信号を送出し、アンテナ駆動手段は受信レ
ベル差の大きさに応じて２つのアンテナを必要な角度だ
け同一方向に回転させる。

【００１６】以下、本発明の実施例について添付図面を
参照しながら説明する。図１は本発明に係るアンテナ制
御装置の一例の構成図である。

【００１７】アンテナ制御装置は、第１の指向性アンテ
ナ１（以下、アンテナ１という。）と、このアンテナ１
で受信した信号のレベルを検出する受信機２と、第２の
指向性アンテナ３（以下、アンテナ３という。）と、こ
のアンテナ３で受信した信号のレベルを検出する第２の
受信機４と、受信機２及び受信機４で得られた受信レベ
ルを比較するレベル比較器５と、このレベル比較器５で
の比較結果に基づき後述するアンテナ駆動モータを回す
アンテナ駆動制御装置６と、アンテナ１，３の方向を変
えるアンテナ駆動モータ７，８と、レベル比較器５での
比較結果に基づき送信信号をアンテナ１，３のいずれか
に出力する送信信号切り替え器９とからなる。

【００１８】また、このアンテナ制御装置を含む基地局
と通信を行う移動局１０は送受信共用の無指向性アンテ
ナ１１を備えている。

【００１９】移動局１０からの信号がアンテナ１，３で
受信されると、その受信信号は受信機２，４を介してレ
ベル比較器５に入力され、２つの信号のレベル差が検出
される。

【００２０】そして、レベル比較器５より出力されるレ
ベル差がゼロとなるようアンテナ駆動制御装置６はアン
テナ駆動モータ７，８を回し、アンテナ１，３を所定の
方向に向ける。

【００２１】又、レベル比較器５での比較結果に基づき
送信信号切り替え器９は受信レベルの高い方のアンテナ
１又は３に送信信号を出力する。

【００２２】次に、このアンテナ制御装置の具体的な動
作について説明する。図２はアンテナ受信レベル対アン
テナ方位角度の特性図である。

【００２３】同図を参照して、同図中の実線の波形１Ａ
はアンテナ１による受信レベルを示し、破線３Ａはアン
テナ３による受信レベルを示す。

【００２４】そして、波形１Ａの受信レベルの最大値１
Ｂに対応する方位角Ｄがアンテナ１の向きを示し、波形
３Ａの受信レベルの最大値３Ｂに対応する方位角Ｅがア
ンテナ３の向きを示す。

【００２５】又、アンテナ１，３は一定の方位角度差Ｆ
（Ｄ−Ｅに等しい）を有して同一方向に回転されるよう
構成されている。従って、アンテナ１，３が回転する
と、波形１Ａ，３Ａは同図の左又は右方向へ共に平行移
動することになる。

【００２６】まず、第１の動作について説明する。い
ま、移動局１０からの電波がａに示す方向から到来して
おり、アンテナ１とアンテナ３は移動局１０からの電波
の受信レベルが等しくなる（Ｂ）向きに停止していると
する。即ち、アンテナ１は方位角Ｄ、アンテナ３は方位
角Ｅで停止している。

【００２７】次に、移動局１０が移動し電波の到来方向
がａからｂへ変わると、アンテナ１で得られる受信レベ
ルＬａとアンテナ３で得られる受信レベルＬｂとに差
（Ｌａ−Ｌｂ）が生じる。

【００２８】この差はレベル比較器５で比較される。こ
のレベル比較器５での受信レベル差に基づき、送信信号
切り替え器９は受信レベルの高い方のアンテナ、即ち、
アンテナ１へ送信信号を出力する。

【００２９】同時に、レベル比較器５での受信レベル差
に基づきアンテナ駆動制御装置６は、アンテナ１，３を
方位角の正方向（Ｋ方向）に回転させる。そして、受信
レベル差がゼロとなる点でアンテナ１，３を停止させ
る。

【００３０】このように、アンテナ１及びアンテナ３の
方位角を一定角Ｆだけずらしたまま、受信レベルが等し
くなるようアンテナ１，３の向きが制御される。

【００３１】又、受信レベル差の大小にかかわらず、受
信レベル差が検出される限りアンテナ１，３の向きは所
定方向に変えられ、かつ常に受信レベルの高い方のアン
テナから信号が送信される。

【００３２】従って、移動局１０の動きが早い場合でも
常時受信レベルの高い方のアンテナから送信するため、
送信は良好に行える。即ち、アンテナの駆動部には早い
応答を必要とせず、モータ等の容量を小さく押さえるこ
とができ、さらにアンテナ駆動部の機械的負担を軽減さ
せることができる。

【００３３】又、移動局１０を追尾する際、信号の受信
レベルのみを基準としているため、複雑な受信機を必要
としない。

【００３４】次に、第２の動作について説明する。第２
の動作も装置の構成は第１の動作と同様である。但し、
送信信号切り替えの際にヒステリシスを設けた点が第１
の動作と異なる。

【００３５】第１の動作と同様に、移動局１０からの電
波がａに示す方向から到来しており、アンテナ１とアン
テナ３は移動局１０からの電波の受信レベルが等しくな
る（Ｂ）向きに停止しているとする。そして、アンテナ
１へ送信信号が出力されているとする。

【００３６】この場合において、移動局１０が移動した
場合でもアンテナ１の受信レベルがＨ２に低下するまで
送信信号切り替え器９はアンテナをアンテナ３に切り替
えない。アンテナ１の受信レベルがＨ２に低下した時点
でアンテナをアンテナ３に切り替える。この時アンテナ
３の受信レベルはＨ１（Ｈ１＞Ｈ２）である。

【００３７】一方、アンテナ３からアンテナ１に切り替
えるのはアンテナ３の受信レベルがＨ２まで低下した時
とする。

【００３８】このように制御することで、到来電波がほ
ぼａ方向から来ている場合で、アンテナ１とアンテナ３
との間のレベル差の大小関係が頻繁に切り替わる場合に
おいては、アンテナ１，３の切り替えを行わないので、
アンテナ切り替えによる送信信号の瞬断回数を減らすこ
とができる。

【００３９】

【発明の効果】本発明によれば、２つの指向性アンテナ
と、夫々のアンテナからの受信信号のレベルを検出する
２つの受信手段と、この２つの受信手段で得られた受信
レベルを比較するレベル比較手段と、このレベル比較手
段での比較結果に基づき送信信号をいずれか一方のアン
テナに出力する送信信号切り替え手段と、前記レベル比
較手段での比較結果に基づき前記２つの指向性アンテナ
の方向を変えるアンテナ駆動手段とを有するため、同時
送受信が可能で、電波の到来方向が大きく変わる場合に
も適用することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係るアンテナ制御装置の一例の構成図
である。

【図２】アンテナ受信レベル対アンテナ方位角度の特性
図である。

【図３】従来のアンテナ制御装置の一例の構成図であ
る。

【符号の説明】

１，３ 指向性アンテナ ２，４ 受信機 ５ レベル比較器 ６ アンテナ駆動制御装置 ９ 送信信号切り替え器

Claims (5)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 ２つの指向性アンテナと、夫々のアンテ
   ナからの受信信号のレベルを検出する２つの受信手段
   と、この２つの受信手段で得られた受信レベルを比較す
   るレベル比較手段と、このレベル比較手段での比較結果
   に基づき送信信号をいずれか一方のアンテナに出力する
   送信信号切り替え手段と、前記レベル比較手段での比較
   結果に基づき前記２つの指向性アンテナの方向を変える
   アンテナ駆動手段とを有することを特徴とするアンテナ
   制御装置。
2. 【請求項２】 前記アンテナ駆動手段は前記２つの指向
   性アンテナを一定の角度差を有して同一方向に回転させ
   る手段であることを特徴とする請求項１記載のアンテナ
   制御装置。
3. 【請求項３】 前記アンテナ駆動手段は受信レベル差が
   ゼロとなるまで前記２つの指向性アンテナを回転させる
   手段であることを特徴とする請求項１又は２記載のアン
   テナ制御装置。
4. 【請求項４】 前記送信信号切り替え手段は受信レベル
   の高い方のアンテナに送信信号を出力する手段であるこ
   とを特徴とする請求項１〜３いずれかに記載のアンテナ
   制御装置。
5. 【請求項５】 前記送信信号切り替え手段は送信信号を
   出力しているアンテナの受信レベルが所定レベル低下し
   た場合に他方のアンテナに送信信号を切り替えて出力す
   る手段であることを特徴とする請求項１〜３いずれかに
   記載のアンテナ制御装置。