JPH093215A - ポリアミドフィルム、その製法および用途 - Google Patents
ポリアミドフィルム、その製法および用途Info
- Publication number
- JPH093215A JPH093215A JP15633795A JP15633795A JPH093215A JP H093215 A JPH093215 A JP H093215A JP 15633795 A JP15633795 A JP 15633795A JP 15633795 A JP15633795 A JP 15633795A JP H093215 A JPH093215 A JP H093215A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- polyamide
- component unit
- mol
- dicarboxylic acid
- acid component
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Wrappers (AREA)
- Manufacture Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)
- Shaping By String And By Release Of Stress In Plastics And The Like (AREA)
- Polyamides (AREA)
- Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【構成】本発明のポリアミドフィルムは、ジカルボン酸
成分単位が、テレフタル酸成分単位35〜100モル%
と、これ以外の芳香族ジカルボン酸成分単位0〜65モ
ル%および/または炭素原子数4〜20の脂肪族ジカル
ボン酸成分単位0〜55モル%とからなり、ジアミン成
分単位が、炭素原子数4〜18の直鎖アルキレンジアミ
ン成分単位20〜90モル%および側鎖アルキル基を有
する炭素原子数4〜18のアルキレンジアミン成分単位
10〜80モル%からなり、融点が280〜315℃の
範囲内にあり、極限粘度[η]が0.5〜3.0dl/gの範
囲内にあり、密度が1.16〜1.22g/ccの範囲内にあ
る。さらに本発明は上記フィルムの製法、包装材料およ
び工業材料を提供する。 【効果】本発明のポリアミドフィルムはジアミン成分単
位が側鎖を有するので、焼けこげあるいは気泡等の欠陥
が少なく、機械的強度、高温使用時の寸法精度、およ
び、透明性に特に優れている。
成分単位が、テレフタル酸成分単位35〜100モル%
と、これ以外の芳香族ジカルボン酸成分単位0〜65モ
ル%および/または炭素原子数4〜20の脂肪族ジカル
ボン酸成分単位0〜55モル%とからなり、ジアミン成
分単位が、炭素原子数4〜18の直鎖アルキレンジアミ
ン成分単位20〜90モル%および側鎖アルキル基を有
する炭素原子数4〜18のアルキレンジアミン成分単位
10〜80モル%からなり、融点が280〜315℃の
範囲内にあり、極限粘度[η]が0.5〜3.0dl/gの範
囲内にあり、密度が1.16〜1.22g/ccの範囲内にあ
る。さらに本発明は上記フィルムの製法、包装材料およ
び工業材料を提供する。 【効果】本発明のポリアミドフィルムはジアミン成分単
位が側鎖を有するので、焼けこげあるいは気泡等の欠陥
が少なく、機械的強度、高温使用時の寸法精度、およ
び、透明性に特に優れている。
Description
【0001】
【発明の技術分野】本発明は、ガスバリヤー性、強度、
耐熱性もしくは透明性に優れたポリアミドフィルム、そ
の製法およびその用途に関する。さらに詳しくは本発明
は、上記のような特性を有するポリアミドフィルムおよ
びその製法、ならびに、ガスバリヤー性、強度、耐熱性
および透明性に優れた、上記ポリアミドからなる工業材
料および包装材料に関する。
耐熱性もしくは透明性に優れたポリアミドフィルム、そ
の製法およびその用途に関する。さらに詳しくは本発明
は、上記のような特性を有するポリアミドフィルムおよ
びその製法、ならびに、ガスバリヤー性、強度、耐熱性
および透明性に優れた、上記ポリアミドからなる工業材
料および包装材料に関する。
【0002】
【発明の技術的背景】ポリアミドは、優れた耐熱性、耐
油性、成形性、剛性、強靱性などの特徴を有しているた
め、このポリアミドからは、収縮性が少なく、寸法精度
のよいフィルムを形成することができ、このフィルム
は、そのままであるいは延伸して包装材料あるいは工業
材料として使用されている。
油性、成形性、剛性、強靱性などの特徴を有しているた
め、このポリアミドからは、収縮性が少なく、寸法精度
のよいフィルムを形成することができ、このフィルム
は、そのままであるいは延伸して包装材料あるいは工業
材料として使用されている。
【0003】このようなポリアミドの用途のうち、たと
えば食品包装容器材料の分野においては、食品の保存期
間を延長したり、食品の鮮度を長期間保つ必要があるた
め、ガスバリヤー性の良好な材料が必要になる。たとえ
ば、油成分を含む食品を包装する場合には、酸素の透過
による油脂酸化を防止する必要があるため、酸素に対す
るバリヤー性に優れた包装材料が要求される。また、炭
酸飲料等の容器においては、清涼性を確保する必要があ
るため、炭酸ガスに対するバリヤー性に優れた容器材料
が要求される。
えば食品包装容器材料の分野においては、食品の保存期
間を延長したり、食品の鮮度を長期間保つ必要があるた
め、ガスバリヤー性の良好な材料が必要になる。たとえ
ば、油成分を含む食品を包装する場合には、酸素の透過
による油脂酸化を防止する必要があるため、酸素に対す
るバリヤー性に優れた包装材料が要求される。また、炭
酸飲料等の容器においては、清涼性を確保する必要があ
るため、炭酸ガスに対するバリヤー性に優れた容器材料
が要求される。
【0004】このような要求を満たすために各種の材料
が開発されており、このような材料として、たとえばポ
リ塩化ビニリデン、エチレン・ビニルアルコール共重合
体、ポリアミド、ポリエチレンテレフタレートが使用さ
れている。このようなポリマーからなるフィルムは、ガ
スバリヤー性だけでなく、他の特性(たとえば、強度、
透湿性、耐候性)をも満たすために、他の種類のポリマ
ーからなるフィルムを積層したり、あるいはそのフィル
ム表面を他の被覆材料でコーティングする等、所謂多層
化することによりさらに実用価値が向上することが多
い。
が開発されており、このような材料として、たとえばポ
リ塩化ビニリデン、エチレン・ビニルアルコール共重合
体、ポリアミド、ポリエチレンテレフタレートが使用さ
れている。このようなポリマーからなるフィルムは、ガ
スバリヤー性だけでなく、他の特性(たとえば、強度、
透湿性、耐候性)をも満たすために、他の種類のポリマ
ーからなるフィルムを積層したり、あるいはそのフィル
ム表面を他の被覆材料でコーティングする等、所謂多層
化することによりさらに実用価値が向上することが多
い。
【0005】上記のような材料のうち、ポリアミドは優
れた加工性、耐熱性および強度を有しているため、包装
材料として広汎に使用されている。しかしながら、従来
から包装材料として使用されているポリアミドは、ナイ
ロン6、ナイロン66等の脂肪族ポリアミドであり、こ
のような脂肪族ポリアミドのガスバリヤー性は、上記の
ような用途においては、必ずしも充分であるとはいえ
ず、さらに優れたガスバリヤー性を有するポリアミド材
料の出現が望まれていた。
れた加工性、耐熱性および強度を有しているため、包装
材料として広汎に使用されている。しかしながら、従来
から包装材料として使用されているポリアミドは、ナイ
ロン6、ナイロン66等の脂肪族ポリアミドであり、こ
のような脂肪族ポリアミドのガスバリヤー性は、上記の
ような用途においては、必ずしも充分であるとはいえ
ず、さらに優れたガスバリヤー性を有するポリアミド材
料の出現が望まれていた。
【0006】また、これらのポリアミドを包装材料とし
て用いた場合には、レトルト処理(例えば130℃で1
0分間)などによる殺菌処理工程に賦されるが、こうし
た殺菌処理により包装材料のガスバリヤー性が低下する
という欠点を有している。従って、市場では透明性など
の光学的特性、強度、ガスバリヤー性等の諸特性のバラ
ンスのよい包装材料の出現が望まれている。殊に包装内
容物が食品の場合には、耐高湿性、ガスバリヤー性など
の特性に優れると共に低コストの包装材料の出現が望ま
れている。
て用いた場合には、レトルト処理(例えば130℃で1
0分間)などによる殺菌処理工程に賦されるが、こうし
た殺菌処理により包装材料のガスバリヤー性が低下する
という欠点を有している。従って、市場では透明性など
の光学的特性、強度、ガスバリヤー性等の諸特性のバラ
ンスのよい包装材料の出現が望まれている。殊に包装内
容物が食品の場合には、耐高湿性、ガスバリヤー性など
の特性に優れると共に低コストの包装材料の出現が望ま
れている。
【0007】他方、工業用途では、ポリアミドは、HD
TV用のVTRテープのベースフィルム、カメラ一体型
VTRテープ、FPC用フィルム等に広く使用されてい
るが、これらの工業用途には、分解発泡、焼けこげ等の
欠陥のないきれいなフィルムが不可欠であり、このため
には、フィルムの成形温度が低いことが好ましい。しか
しながら、こうした工業用途では、高温条件下における
使用が日常化しており、工業材料として使用されるポリ
アミドには、こうした高温条件下においても寸法精度が
高いことが重要な特性になる。すなわち、こうした工業
用途で使用されるフィルムには、融点が高く、吸水によ
るフィルムの膨潤が少ないことが不可欠である。
TV用のVTRテープのベースフィルム、カメラ一体型
VTRテープ、FPC用フィルム等に広く使用されてい
るが、これらの工業用途には、分解発泡、焼けこげ等の
欠陥のないきれいなフィルムが不可欠であり、このため
には、フィルムの成形温度が低いことが好ましい。しか
しながら、こうした工業用途では、高温条件下における
使用が日常化しており、工業材料として使用されるポリ
アミドには、こうした高温条件下においても寸法精度が
高いことが重要な特性になる。すなわち、こうした工業
用途で使用されるフィルムには、融点が高く、吸水によ
るフィルムの膨潤が少ないことが不可欠である。
【0008】
【発明の目的】本発明は、融点が低く成形性に優れ、か
つ吸水率が低い新規なポリアミドフィルムを提供するこ
とを目的としている。さらに詳しくは本発明は、融点が
低く成形性に優れ、吸水率が低く、ガラス転移点が高い
ポリアミドであって、しかも機械的強度、耐熱老化性、
色調、ガスバリヤー性、高温使用時における寸法安定性
および透明性に優れたポリアミドフィルム、特にポリア
ミド延伸フィルム、およびこうしたフィルムを製造する
方法を提供することを目的としている。
つ吸水率が低い新規なポリアミドフィルムを提供するこ
とを目的としている。さらに詳しくは本発明は、融点が
低く成形性に優れ、吸水率が低く、ガラス転移点が高い
ポリアミドであって、しかも機械的強度、耐熱老化性、
色調、ガスバリヤー性、高温使用時における寸法安定性
および透明性に優れたポリアミドフィルム、特にポリア
ミド延伸フィルム、およびこうしたフィルムを製造する
方法を提供することを目的としている。
【0009】さらに、本発明は、機械的強度、耐熱老化
性、色調、ガスバリヤー性、高温使用時における寸法安
定性に優れると共に、欠陥部の少ない透明性、優れたポ
リアミドフィルムあるいはこの延伸物からなる包装材料
および工業材料を提供することを目的としている。
性、色調、ガスバリヤー性、高温使用時における寸法安
定性に優れると共に、欠陥部の少ない透明性、優れたポ
リアミドフィルムあるいはこの延伸物からなる包装材料
および工業材料を提供することを目的としている。
【0010】
【発明の概要】また、本発明のポリアミドフィルムは、
ジカルボン酸成分単位とジアミン成分単位とからなる繰
り返し単位から形成されるポリアミドからなるフィルム
であって、該ジカルボン酸成分単位が、テレフタル酸成
分単位35〜100モル%と、テレフタル酸以外の芳香
族ジカルボン酸成分単位0〜65モル%および/または
炭素原子数4〜20の脂肪族ジカルボン酸成分単位0〜
55モル%とからなり、該ジアミン成分単位が、炭素原
子数4〜18の直鎖アルキレンジアミン成分単位20〜
90モル%および側鎖アルキル基を有する炭素原子数4
〜18のアルキレンジアミン成分単位10〜80モル%
からなり、かつ融点が280〜315℃の範囲内にあ
り、30℃の濃硫酸中で測定した極限粘度[η]が0.
5〜3.0dl/gの範囲内にあり、密度が1.16〜1.2
2g/ccの範囲内にあることを特徴としている。
ジカルボン酸成分単位とジアミン成分単位とからなる繰
り返し単位から形成されるポリアミドからなるフィルム
であって、該ジカルボン酸成分単位が、テレフタル酸成
分単位35〜100モル%と、テレフタル酸以外の芳香
族ジカルボン酸成分単位0〜65モル%および/または
炭素原子数4〜20の脂肪族ジカルボン酸成分単位0〜
55モル%とからなり、該ジアミン成分単位が、炭素原
子数4〜18の直鎖アルキレンジアミン成分単位20〜
90モル%および側鎖アルキル基を有する炭素原子数4
〜18のアルキレンジアミン成分単位10〜80モル%
からなり、かつ融点が280〜315℃の範囲内にあ
り、30℃の濃硫酸中で測定した極限粘度[η]が0.
5〜3.0dl/gの範囲内にあり、密度が1.16〜1.2
2g/ccの範囲内にあることを特徴としている。
【0011】また、本発明のポリアミドフィルムは、ジ
カルボン酸成分単位とジアミン成分単位とからなる繰り
返し単位から形成されるポリアミドを製造する方法であ
って、該ジカルボン酸成分単位が、テレフタル酸成分単
位35〜100モル%と、テレフタル酸以外の芳香族ジ
カルボン酸成分単位0〜65モル%および/または炭素
原子数4〜20の脂肪族ジカルボン酸成分単位0〜55
モル%とからなり、該ジアミン成分単位が、炭素原子数
4〜18の直鎖アルキレンジアミン成分単位20〜90
モル%および側鎖アルキル基を有する炭素原子数4〜1
8のアルキレンジアミン成分単位10〜80モル%から
なり、かつ融点が280〜315℃の範囲内にあり、3
0℃の濃硫酸中で測定した極限粘度[η]が0.5〜3.
0dl/gの範囲内にあり、密度が1.16〜1.22g/ccの
範囲内にあるポリアミドフィルム原反を、複屈折率が2
0×10-3〜200×10-3の範囲内になるように、170
℃以下の温度に加熱下に延伸することにより製造するこ
とができる。
カルボン酸成分単位とジアミン成分単位とからなる繰り
返し単位から形成されるポリアミドを製造する方法であ
って、該ジカルボン酸成分単位が、テレフタル酸成分単
位35〜100モル%と、テレフタル酸以外の芳香族ジ
カルボン酸成分単位0〜65モル%および/または炭素
原子数4〜20の脂肪族ジカルボン酸成分単位0〜55
モル%とからなり、該ジアミン成分単位が、炭素原子数
4〜18の直鎖アルキレンジアミン成分単位20〜90
モル%および側鎖アルキル基を有する炭素原子数4〜1
8のアルキレンジアミン成分単位10〜80モル%から
なり、かつ融点が280〜315℃の範囲内にあり、3
0℃の濃硫酸中で測定した極限粘度[η]が0.5〜3.
0dl/gの範囲内にあり、密度が1.16〜1.22g/ccの
範囲内にあるポリアミドフィルム原反を、複屈折率が2
0×10-3〜200×10-3の範囲内になるように、170
℃以下の温度に加熱下に延伸することにより製造するこ
とができる。
【0012】すなわち、本発明のポリアミドフィルムに
は、未延伸フィルム、一軸延伸フィルム、二軸延伸フィ
ルムが包含され、この延伸フィルムは、好適には、所定
の条件で延伸した後、所定温度でアニーリングすること
が好ましい。
は、未延伸フィルム、一軸延伸フィルム、二軸延伸フィ
ルムが包含され、この延伸フィルムは、好適には、所定
の条件で延伸した後、所定温度でアニーリングすること
が好ましい。
【0013】また、本発明の工業材料あるいは包装材料
は、上記のポリアミドフィルムから形成されていること
を特徴とする。なお、本明細書において、「フィルム」
との語は、「シート」をも包含する。
は、上記のポリアミドフィルムから形成されていること
を特徴とする。なお、本明細書において、「フィルム」
との語は、「シート」をも包含する。
【0014】
【発明の具体的説明】次に、本発明のポリアミドについ
て具体的に説明する。本発明のポリアミドは、特定のジ
カルボン酸成分単位[a]と、特定の脂肪族ジアミン成
分単位または脂環族ジアミン成分単位[b]とからなる
繰返し単位から構成されている。
て具体的に説明する。本発明のポリアミドは、特定のジ
カルボン酸成分単位[a]と、特定の脂肪族ジアミン成
分単位または脂環族ジアミン成分単位[b]とからなる
繰返し単位から構成されている。
【0015】本発明のポリアミド中に存在する全ジカル
ボン酸成分単位を100モル%とすると、本発明のポリ
アミドは、テレフタル酸成分単位(a-1)を35〜100
モル%、好ましくは45〜100モル%、さらに好まし
くは70〜100モル%の量で含有している。また、こ
のポリアミドは、テレフタル酸以外の芳香族ジカルボン
酸成分単位(a-2)を0〜65モル%、好ましくは0〜5
5モル%、さらに好ましくは0〜30モル%の量で含有
している。さらに、このポリアミドは、脂肪族ジカルボ
ン酸成分単位(a-3)を0〜65モル%の量で含有してい
てもよい。本発明のポ リアミドが少量の脂肪族ジカル
ボン酸成分単位(a-3)を有することにより、具体的に
は、0〜45モル%、さらに好ましくは0〜30モル%
の量で含有することにより、その成形性が向上する。な
お、脂肪族ジカルボン酸成分単位の含有率が65モル%
を超えると、必然的にテレフタル酸成分単位の含有率が
35モル%を下回ることになり、このようなポリアミド
には、吸水率が高くなる傾向がある。従って、このよう
なポリアミドから形成された成形体は、吸水による寸法
変化が大きくなる。
ボン酸成分単位を100モル%とすると、本発明のポリ
アミドは、テレフタル酸成分単位(a-1)を35〜100
モル%、好ましくは45〜100モル%、さらに好まし
くは70〜100モル%の量で含有している。また、こ
のポリアミドは、テレフタル酸以外の芳香族ジカルボン
酸成分単位(a-2)を0〜65モル%、好ましくは0〜5
5モル%、さらに好ましくは0〜30モル%の量で含有
している。さらに、このポリアミドは、脂肪族ジカルボ
ン酸成分単位(a-3)を0〜65モル%の量で含有してい
てもよい。本発明のポ リアミドが少量の脂肪族ジカル
ボン酸成分単位(a-3)を有することにより、具体的に
は、0〜45モル%、さらに好ましくは0〜30モル%
の量で含有することにより、その成形性が向上する。な
お、脂肪族ジカルボン酸成分単位の含有率が65モル%
を超えると、必然的にテレフタル酸成分単位の含有率が
35モル%を下回ることになり、このようなポリアミド
には、吸水率が高くなる傾向がある。従って、このよう
なポリアミドから形成された成形体は、吸水による寸法
変化が大きくなる。
【0016】上記のジカルボン酸成分単位と共に繰り返
し単位を形成するジアミン成分単位は、炭素原子数4〜
18の直鎖状脂肪族アルキレンジアミン成分単位、およ
び、側鎖アルキル基を有する炭素原子数4〜18のアル
キレンジアミン成分単位である。
し単位を形成するジアミン成分単位は、炭素原子数4〜
18の直鎖状脂肪族アルキレンジアミン成分単位、およ
び、側鎖アルキル基を有する炭素原子数4〜18のアル
キレンジアミン成分単位である。
【0017】本発明のポリアミド中に存在する全ジアミ
ン成分単位を100モル%とすると、本発明のポリアミ
ドは、炭素原子数4〜18の直鎖状脂肪族アルキレンジ
アミン成分単位(b-1)を20〜90モル%、好ましくは
30〜80モル%、さらに好ましくは40〜70モル%
の量で含有している。また側鎖アルキル基を有する炭素
原子数4〜18のアルキレンジアミン成分単位(b-2)
を、10〜80モル%、好ましくは20〜70モル%、
さらに好ましくは30〜60モル%の量で含有してい
る。このように二種類の特定のアルキレンジアミン成分
単位を上記のような量で含有することにより、本発明の
ポリアミドの融点が射出成形の際に成形体(或いは溶融
したポリアミド)がガス焼けを引き起こさない程度にま
で低下する。
ン成分単位を100モル%とすると、本発明のポリアミ
ドは、炭素原子数4〜18の直鎖状脂肪族アルキレンジ
アミン成分単位(b-1)を20〜90モル%、好ましくは
30〜80モル%、さらに好ましくは40〜70モル%
の量で含有している。また側鎖アルキル基を有する炭素
原子数4〜18のアルキレンジアミン成分単位(b-2)
を、10〜80モル%、好ましくは20〜70モル%、
さらに好ましくは30〜60モル%の量で含有してい
る。このように二種類の特定のアルキレンジアミン成分
単位を上記のような量で含有することにより、本発明の
ポリアミドの融点が射出成形の際に成形体(或いは溶融
したポリアミド)がガス焼けを引き起こさない程度にま
で低下する。
【0018】すなわち、炭素原子数4〜18の直鎖アル
キレンジアミン成分単位(b-1)の含有率が90モル%を
超えると、ポリアミドの融点が高くなり、射出成形時の
ガス焼けが起きやすくなる。また、Tgが100℃未満
となり、本発明の目的を達成できない。さらに、側鎖ア
ルキル基を有する炭素原子数4〜18のアルキレンジア
ミン成分単位(b-2)の含有率が80モル%を超えるとポ
リアミドの 結晶化速度が遅くなる。このように炭素原
子数4〜18の直鎖アルキレンジアミン成分単位(b-1)
の含有率を90モル%以下にし、かつ側鎖アルキル基を
有する 炭素原子数4〜18のアルキレンジアミン成分
単位(b-2)を10〜80モル%の範 囲内にすることによ
り、本発明のポリアミドは、通常310℃以下の融点を
有するようになるので射出成型品のガス焼けが発生し難
くなると共に、アニール等による後結晶化の結果生ずる
変形が少ない成形体を製造することができる。
キレンジアミン成分単位(b-1)の含有率が90モル%を
超えると、ポリアミドの融点が高くなり、射出成形時の
ガス焼けが起きやすくなる。また、Tgが100℃未満
となり、本発明の目的を達成できない。さらに、側鎖ア
ルキル基を有する炭素原子数4〜18のアルキレンジア
ミン成分単位(b-2)の含有率が80モル%を超えるとポ
リアミドの 結晶化速度が遅くなる。このように炭素原
子数4〜18の直鎖アルキレンジアミン成分単位(b-1)
の含有率を90モル%以下にし、かつ側鎖アルキル基を
有する 炭素原子数4〜18のアルキレンジアミン成分
単位(b-2)を10〜80モル%の範 囲内にすることによ
り、本発明のポリアミドは、通常310℃以下の融点を
有するようになるので射出成型品のガス焼けが発生し難
くなると共に、アニール等による後結晶化の結果生ずる
変形が少ない成形体を製造することができる。
【0019】上記のようなジカルボン酸成分単位とジア
ミン成分単位とからなるポリアミド繰り返し単位を式で
表すと以下のようになる。上述のように本発明のポリア
ミドを形成する繰り返し単位は、必須成分単位であるジ
カルボン酸成分単位[a]として、テレフタル酸成分単
位(a-1)を有している。このようなテレフタル酸成分単
位(a-1)を有する繰返し単位は、次式[I−a]で表わす
ことができる。
ミン成分単位とからなるポリアミド繰り返し単位を式で
表すと以下のようになる。上述のように本発明のポリア
ミドを形成する繰り返し単位は、必須成分単位であるジ
カルボン酸成分単位[a]として、テレフタル酸成分単
位(a-1)を有している。このようなテレフタル酸成分単
位(a-1)を有する繰返し単位は、次式[I−a]で表わす
ことができる。
【0020】
【化1】
【0021】ただし、上記式[I−a]において、R
1は、側鎖を有することもある炭素原子数4〜18のア
ルキレン基である。本発明において、ジカルボン酸成分
単位[a]は、全部が上記[I−a]で表される成分単
位である必要はなく、上記のようなテレフタル酸成分単
位(a-1)の一部が他のジカルボン酸成分単位であっても
よい。
1は、側鎖を有することもある炭素原子数4〜18のア
ルキレン基である。本発明において、ジカルボン酸成分
単位[a]は、全部が上記[I−a]で表される成分単
位である必要はなく、上記のようなテレフタル酸成分単
位(a-1)の一部が他のジカルボン酸成分単位であっても
よい。
【0022】このテレフタル酸成分以外の他のカルボン
酸成分単位には、テレフタル酸以外の芳香族ジカルボン
酸成分単位(a-2)と脂肪族ジカルボン酸成分単位(a-3)と
がある。
酸成分単位には、テレフタル酸以外の芳香族ジカルボン
酸成分単位(a-2)と脂肪族ジカルボン酸成分単位(a-3)と
がある。
【0023】テレフタル酸以外の芳香族ジカルボン酸成
分単位(a-2)の例としては、イソフタル酸成分単位、2-
メチルテレフタル酸成分単位およびナフタレンジカルボ
ン酸成分単位を挙げることができる。このようなテレフ
タル酸以外の芳香族ジカルボン酸から誘導される成分単
位としては、特にイソフタル酸成分単位が好ましい。
分単位(a-2)の例としては、イソフタル酸成分単位、2-
メチルテレフタル酸成分単位およびナフタレンジカルボ
ン酸成分単位を挙げることができる。このようなテレフ
タル酸以外の芳香族ジカルボン酸から誘導される成分単
位としては、特にイソフタル酸成分単位が好ましい。
【0024】このようなテレフタル酸以外の芳香族ジカ
ルボン酸成分単位(a-2)のうち、本発明において特に好
ましいイソフタル酸成分単位を有する繰返し単位は、次
式[I−b]で表わすことができる。
ルボン酸成分単位(a-2)のうち、本発明において特に好
ましいイソフタル酸成分単位を有する繰返し単位は、次
式[I−b]で表わすことができる。
【0025】
【化2】
【0026】ただし、上記式[I−b]において、R1は
側鎖を有することもある炭素原子数4〜18のアルキレ
ン基である。脂肪族ジカルボン酸成分単位(a-3)は、炭
素原子数4〜20、好ましくは6〜12のアルキレン基
を有する脂肪族ジカルボン酸から誘導される。このよう
な脂肪族ジカルボン酸成分単位(a-3)を誘導するために
用いられる脂肪族ジカルボン酸の例としては、コハク
酸、アジピン酸、アゼライン酸およびセバシン酸を挙げ
ることができる。脂肪族ジカルボン酸成分単位として
は、特にアジピン酸成分単位およびセバシン酸成分単位
が好ましい。
側鎖を有することもある炭素原子数4〜18のアルキレ
ン基である。脂肪族ジカルボン酸成分単位(a-3)は、炭
素原子数4〜20、好ましくは6〜12のアルキレン基
を有する脂肪族ジカルボン酸から誘導される。このよう
な脂肪族ジカルボン酸成分単位(a-3)を誘導するために
用いられる脂肪族ジカルボン酸の例としては、コハク
酸、アジピン酸、アゼライン酸およびセバシン酸を挙げ
ることができる。脂肪族ジカルボン酸成分単位として
は、特にアジピン酸成分単位およびセバシン酸成分単位
が好ましい。
【0027】ジカルボン酸成分単位[a]を構成する他
のジカルボン酸成分単位として、脂肪族ジカルボン酸成
分単位(a-3)を有する繰返し単位は、次式[II]で表わ
すことができる。
のジカルボン酸成分単位として、脂肪族ジカルボン酸成
分単位(a-3)を有する繰返し単位は、次式[II]で表わ
すことができる。
【0028】
【化3】
【0029】ただし、上記式[II]において、R1は側
鎖を有することもある炭素原子数4〜18のアルキレン
基であり、nは通常2〜18、好ましくは4〜10の整
数を表わす。
鎖を有することもある炭素原子数4〜18のアルキレン
基であり、nは通常2〜18、好ましくは4〜10の整
数を表わす。
【0030】本発明のポリアミドを形成するジアミン成
分単位[b]は、炭素原子数4〜18の直鎖アルキレン
ジアミン成分単位(b-1)および側鎖アルキル基を有する
炭素原子数4〜18のアルキレンジアミン成分単位(b-
2)である。
分単位[b]は、炭素原子数4〜18の直鎖アルキレン
ジアミン成分単位(b-1)および側鎖アルキル基を有する
炭素原子数4〜18のアルキレンジアミン成分単位(b-
2)である。
【0031】このような直鎖アルキレンジアミン成分単
位(b-1)の具体的な例としては、1,4-ジアミノブタン、
1,6-ジアミノヘキサン、1,7-ジアミノヘプタン、1,8-ジ
アミノオクタン、1,9-ジアミノノナン、1,10-ジアミノ
デカン、1,11-ジアミノウンデカンおよび1,12-ジアミノ
ドデカンを挙げることができる。これらのなかでは、1,
6-ジアミノヘキサン、1,8-ジアミノオクタン、1,10-ジ
アミノデカンおよび1,12-ジアミノドデカンから誘導さ
れる成分単位が好ましく、本発明のポリアミド中にはこ
れらの成分単位が複数種類含有されていてもよい。さら
に、これらの中でも、1,6-ジアミノヘキサンから誘導さ
れる成分単位が特に好ましい。
位(b-1)の具体的な例としては、1,4-ジアミノブタン、
1,6-ジアミノヘキサン、1,7-ジアミノヘプタン、1,8-ジ
アミノオクタン、1,9-ジアミノノナン、1,10-ジアミノ
デカン、1,11-ジアミノウンデカンおよび1,12-ジアミノ
ドデカンを挙げることができる。これらのなかでは、1,
6-ジアミノヘキサン、1,8-ジアミノオクタン、1,10-ジ
アミノデカンおよび1,12-ジアミノドデカンから誘導さ
れる成分単位が好ましく、本発明のポリアミド中にはこ
れらの成分単位が複数種類含有されていてもよい。さら
に、これらの中でも、1,6-ジアミノヘキサンから誘導さ
れる成分単位が特に好ましい。
【0032】また、側鎖アルキル基を有する炭素原子数
4〜18のアルキレンジアミン成分単位(b-2)の具体的
な例としては、1-ブチル-1,2-ジアミノ-エタン、1,1-ジ
メチル-1,4-ジアミノ-ブタン、1-エチル-1,4-ジアミノ-
ブタン、1,2-ジメチル-1,4-ジアミノ-ブタン、1,3-ジメ
チル-1,4-ジアミノ-ブタン、1,4-ジメチル-1,4-ジアミ
ノ-ブタン、2,3-ジメチル-1,4-ジアミノ-ブタン、2-メ
チル-1,5-ジアミノペンタン、2,5-ジメチル-1,6-ジアミ
ノ-ヘキサン、2,4-ジメチル-1,6-ジアミノ-ヘキサン、
3,3-ジメチル-1,6-ジアミノ-ヘキサン、2,2-ジメチル-
1,6-ジアミノ-ヘキサン、2,2,4-トリメチル-1,6-ジアミ
ノ-ヘキサン、2,4,4-トリメチル-1,6-ジアミノ-ヘキサ
ン、2,4-ジエチル-1,6-ジアミノ-ヘキサン、2,3-ジメチ
ル-1,7-ジアミノ-ヘプタン、2,4-ジメチル-1,7-ジアミ
ノ-ヘプタン、2,5-ジメチル-1,7-ジアミノ-ヘプタン、
2,2-ジメチル-1,7-ジアミノ-ヘプタン、2-メチル-4-エ
チル-1,7-ジアミノ-ヘプタン、2-エチル-4-メチル-1,7-
ジアミノ-ヘプタン、2,2,5,5-テトラメチル-1,7-ジアミ
ノ-ヘプタン、3-イソプロピル-1,7-ジアミノ-ヘプタ
ン、3-イソオクチル-1,7-ジアミノ-ヘプタン、1,3-ジメ
チル-1,8-ジアミノ-オクタン、1,4-ジメチル-1,8-ジア
ミノ-オクタン、2,4-ジメチル-1,8-ジアミノ-オクタ
ン、3,4-ジメチル-1,8-ジアミノ-オクタン、4,5-ジメチ
ル-1,8-ジアミノ-オクタン、2,2-ジメチル-1,8-ジアミ
ノ-オクタン、3,3-ジメチル-1,8-ジアミノ-オクタン、
4,4-ジメチル-1,8-ジアミノ-オクタン、3,3,5-トリメチ
ル-1,8-ジアミノ-オクタン、2,4-ジエチル-1,8-ジアミ
ノ-オクタン、および5-メチル-1,9-ジアミノ-ノナンか
ら誘導される成分単位を挙げることができる。
4〜18のアルキレンジアミン成分単位(b-2)の具体的
な例としては、1-ブチル-1,2-ジアミノ-エタン、1,1-ジ
メチル-1,4-ジアミノ-ブタン、1-エチル-1,4-ジアミノ-
ブタン、1,2-ジメチル-1,4-ジアミノ-ブタン、1,3-ジメ
チル-1,4-ジアミノ-ブタン、1,4-ジメチル-1,4-ジアミ
ノ-ブタン、2,3-ジメチル-1,4-ジアミノ-ブタン、2-メ
チル-1,5-ジアミノペンタン、2,5-ジメチル-1,6-ジアミ
ノ-ヘキサン、2,4-ジメチル-1,6-ジアミノ-ヘキサン、
3,3-ジメチル-1,6-ジアミノ-ヘキサン、2,2-ジメチル-
1,6-ジアミノ-ヘキサン、2,2,4-トリメチル-1,6-ジアミ
ノ-ヘキサン、2,4,4-トリメチル-1,6-ジアミノ-ヘキサ
ン、2,4-ジエチル-1,6-ジアミノ-ヘキサン、2,3-ジメチ
ル-1,7-ジアミノ-ヘプタン、2,4-ジメチル-1,7-ジアミ
ノ-ヘプタン、2,5-ジメチル-1,7-ジアミノ-ヘプタン、
2,2-ジメチル-1,7-ジアミノ-ヘプタン、2-メチル-4-エ
チル-1,7-ジアミノ-ヘプタン、2-エチル-4-メチル-1,7-
ジアミノ-ヘプタン、2,2,5,5-テトラメチル-1,7-ジアミ
ノ-ヘプタン、3-イソプロピル-1,7-ジアミノ-ヘプタ
ン、3-イソオクチル-1,7-ジアミノ-ヘプタン、1,3-ジメ
チル-1,8-ジアミノ-オクタン、1,4-ジメチル-1,8-ジア
ミノ-オクタン、2,4-ジメチル-1,8-ジアミノ-オクタ
ン、3,4-ジメチル-1,8-ジアミノ-オクタン、4,5-ジメチ
ル-1,8-ジアミノ-オクタン、2,2-ジメチル-1,8-ジアミ
ノ-オクタン、3,3-ジメチル-1,8-ジアミノ-オクタン、
4,4-ジメチル-1,8-ジアミノ-オクタン、3,3,5-トリメチ
ル-1,8-ジアミノ-オクタン、2,4-ジエチル-1,8-ジアミ
ノ-オクタン、および5-メチル-1,9-ジアミノ-ノナンか
ら誘導される成分単位を挙げることができる。
【0033】なお、本発明において、側鎖アルキル基を
有するアルキレンジアミン成分単位の説明で示す炭素原
子数は、特に限定しないかぎり、主鎖アルキレン基の炭
素原子数と側鎖アルキル基の炭素原子数との合計であ
る。
有するアルキレンジアミン成分単位の説明で示す炭素原
子数は、特に限定しないかぎり、主鎖アルキレン基の炭
素原子数と側鎖アルキル基の炭素原子数との合計であ
る。
【0034】上記のような側鎖アルキル基を有するアル
キレンジアミン成分単位の中でも、炭素原子数1〜2の
側鎖アルキル基を1〜2個有すと共に、主鎖の炭素原子
数が4〜10である側鎖アルキルジアミンから誘導され
る成分単位が好ましく、さらに2-メチル-1,5-ジアミノ
ペンタン成分単位が特に好ましい。
キレンジアミン成分単位の中でも、炭素原子数1〜2の
側鎖アルキル基を1〜2個有すと共に、主鎖の炭素原子
数が4〜10である側鎖アルキルジアミンから誘導され
る成分単位が好ましく、さらに2-メチル-1,5-ジアミノ
ペンタン成分単位が特に好ましい。
【0035】以下に本発明で特に好ましい側鎖アルキル
ジアミンである2-メチル-1,5-ジアミノペンタンから誘
導された成分単位を有する繰り返し単位の例を示す。
ジアミンである2-メチル-1,5-ジアミノペンタンから誘
導された成分単位を有する繰り返し単位の例を示す。
【0036】
【化4】
【0037】上記式[III]において、R2は、p-フェニ
レン基、m-フェニレン基またはアルキレン基などの二価
の炭化水素基である。本発明のポリアミドは、ジカルボ
ン酸成分単位として、上記の主成分単位であるテレフタ
ル酸成分単位、さらにイソフタル酸成分単位に代表され
るテレフタル酸以外の二価の芳香族カルボン酸から誘導
される成分単位および上述の脂肪族ジカルボン酸成分単
位の外に、少量のトリメリット酸あるいはピロメリット
酸のような三塩基性以上の多価カルボン酸から誘導され
る成分単位を含有していてもよい。本発明のポリアミド
中に、このような多価カルボン酸から誘導される成分単
位は、通常は0〜5モル%含有されている。
レン基、m-フェニレン基またはアルキレン基などの二価
の炭化水素基である。本発明のポリアミドは、ジカルボ
ン酸成分単位として、上記の主成分単位であるテレフタ
ル酸成分単位、さらにイソフタル酸成分単位に代表され
るテレフタル酸以外の二価の芳香族カルボン酸から誘導
される成分単位および上述の脂肪族ジカルボン酸成分単
位の外に、少量のトリメリット酸あるいはピロメリット
酸のような三塩基性以上の多価カルボン酸から誘導され
る成分単位を含有していてもよい。本発明のポリアミド
中に、このような多価カルボン酸から誘導される成分単
位は、通常は0〜5モル%含有されている。
【0038】本発明のポリアミドについて、30℃の濃
硫酸中で測定した極限粘度[η]は、0.5〜3.0 dl/
gの範囲内にあり、さらに好ましくは0.5〜2.8 dl/
g、特に好ましくは0.6〜2.5 dl/gの範囲にある。
硫酸中で測定した極限粘度[η]は、0.5〜3.0 dl/
gの範囲内にあり、さらに好ましくは0.5〜2.8 dl/
g、特に好ましくは0.6〜2.5 dl/gの範囲にある。
【0039】また、本発明のポリアミドは、従来から使
用されている脂肪族ポリアミドよりも高い融点を示す
が、その融点は多くの場合310℃を超えない。すなわ
ち本発明のポリアミドは、通常は280〜305℃の融
点を有しており、多くの場合、290〜305℃の範囲
内に融点を有する。さらに本発明ポリアミドは、耐熱性
が特に優れていると共に、吸水率が低く、成型品のアニ
ールによる後結晶化が少ない。また本発明のポリアミド
の非晶部におけるガラス転移温度は通常は75〜150
℃の範囲内にある。
用されている脂肪族ポリアミドよりも高い融点を示す
が、その融点は多くの場合310℃を超えない。すなわ
ち本発明のポリアミドは、通常は280〜305℃の融
点を有しており、多くの場合、290〜305℃の範囲
内に融点を有する。さらに本発明ポリアミドは、耐熱性
が特に優れていると共に、吸水率が低く、成型品のアニ
ールによる後結晶化が少ない。また本発明のポリアミド
の非晶部におけるガラス転移温度は通常は75〜150
℃の範囲内にある。
【0040】本発明のポリアミドからなる成形体は、融
点および非晶部のガラス転移温度が上記の範囲内にある
ので、高温に晒される場合であっても、このポリアミド
は溶融状態になりにくいという特性を有するようにな
る。さらにこのポリアミドは成形性に優れているため、
このポリアミドを用いることにより、成形体の製造が容
易になる。また、このポリアミドは、非晶部におけるガ
ラス転移温度が75℃以上であるので、高温に晒された
場合であっても寸法変化が発生しにくい。
点および非晶部のガラス転移温度が上記の範囲内にある
ので、高温に晒される場合であっても、このポリアミド
は溶融状態になりにくいという特性を有するようにな
る。さらにこのポリアミドは成形性に優れているため、
このポリアミドを用いることにより、成形体の製造が容
易になる。また、このポリアミドは、非晶部におけるガ
ラス転移温度が75℃以上であるので、高温に晒された
場合であっても寸法変化が発生しにくい。
【0041】また、このポリアミドは、特定の構造を有
するため、従来の脂肪族ポリアミドの問題点とされてい
た吸水性に関しても低い値を示す。本発明のポリアミド
は、ジカルボン酸成分とジアミン成分との重縮合により
製造することができる。
するため、従来の脂肪族ポリアミドの問題点とされてい
た吸水性に関しても低い値を示す。本発明のポリアミド
は、ジカルボン酸成分とジアミン成分との重縮合により
製造することができる。
【0042】具体的には、このポリアミドは、テレフタ
ル酸、テレフタル酸以外の芳香族ジカルボン酸、脂肪族
ジカルボン酸と、直鎖状ジアルキレンジアミン、側鎖ア
ルキル基を有するアルキレンジアミンとを、上述の量で
水性媒体中に配合し、次亜リン酸ナトリウム等の触媒の
存在下に、加圧しながら加熱してまずポリアミド前駆体
を製造し、次いでこのポリアミド前駆体を溶融混練する
ことにより製造することができる。なお、ポリアミド前
駆体を製造する際には、安息香酸のような分子量調整剤
を配合することもできる。
ル酸、テレフタル酸以外の芳香族ジカルボン酸、脂肪族
ジカルボン酸と、直鎖状ジアルキレンジアミン、側鎖ア
ルキル基を有するアルキレンジアミンとを、上述の量で
水性媒体中に配合し、次亜リン酸ナトリウム等の触媒の
存在下に、加圧しながら加熱してまずポリアミド前駆体
を製造し、次いでこのポリアミド前駆体を溶融混練する
ことにより製造することができる。なお、ポリアミド前
駆体を製造する際には、安息香酸のような分子量調整剤
を配合することもできる。
【0043】また、本発明のポリアミドは、側鎖アルキ
ル基を有するポリアミドと側鎖を有しないポリアミドと
を個別に製造し、これらを溶融混練することによりアミ
ド交換反応を行わせて製造することもできる。
ル基を有するポリアミドと側鎖を有しないポリアミドと
を個別に製造し、これらを溶融混練することによりアミ
ド交換反応を行わせて製造することもできる。
【0044】また、本発明のポリアミドは、ジカルボン
酸成分単位およびジアミン成分単位が本発明の範囲内に
なるように、組成の異なる少なくとも2種類のポリアミ
ドの配合量を調整して、これを溶融混練することにより
製造することもできる。
酸成分単位およびジアミン成分単位が本発明の範囲内に
なるように、組成の異なる少なくとも2種類のポリアミ
ドの配合量を調整して、これを溶融混練することにより
製造することもできる。
【0045】すなわち、本発明のポリアミド(A)は、
前記式[I-a]、[I-b]、[II]または[III]で表さ
れる繰り返し単位を有するポリアミドの組成物であって
もよい。
前記式[I-a]、[I-b]、[II]または[III]で表さ
れる繰り返し単位を有するポリアミドの組成物であって
もよい。
【0046】以下、このポリアミドフィルムを形成する
ことができるポリアミド樹脂組成物について説明する。
本発明のポリアミド樹脂組成物は、少なくとも2種類の
異なる構成を有するポリアミドからなる組成物であり、
この組成物中におけるテレフタル酸成分単位の量は、3
5〜100モル%、好ましくは45〜100モル%、テ
レフタル酸以外の芳香族ジカルボン酸成分単位の量は、
0〜65モル%、好ましくは0〜55モル%、および炭
素原子数4〜20の脂肪族ジカルボン酸成分単位の量は
0〜55モル%、好ましくは0〜45モル%であり、こ
の組成物中における炭素原子数4〜18の直鎖アルキレ
ンジアミン成分単位の量は、20〜90モル%、好まし
くは30〜80モル%、特に好ましくは40〜70モル
%、および、側鎖アルキル基を有する炭素原子数4〜1
8のアルキレンジアミン成分単位は10〜80モル%、
好ましくは20〜70モル%、特に好ましくは30〜6
0モル%である。
ことができるポリアミド樹脂組成物について説明する。
本発明のポリアミド樹脂組成物は、少なくとも2種類の
異なる構成を有するポリアミドからなる組成物であり、
この組成物中におけるテレフタル酸成分単位の量は、3
5〜100モル%、好ましくは45〜100モル%、テ
レフタル酸以外の芳香族ジカルボン酸成分単位の量は、
0〜65モル%、好ましくは0〜55モル%、および炭
素原子数4〜20の脂肪族ジカルボン酸成分単位の量は
0〜55モル%、好ましくは0〜45モル%であり、こ
の組成物中における炭素原子数4〜18の直鎖アルキレ
ンジアミン成分単位の量は、20〜90モル%、好まし
くは30〜80モル%、特に好ましくは40〜70モル
%、および、側鎖アルキル基を有する炭素原子数4〜1
8のアルキレンジアミン成分単位は10〜80モル%、
好ましくは20〜70モル%、特に好ましくは30〜6
0モル%である。
【0047】なお、上記モル%はこの組成物中における
ジカルボン酸成分単位の合計量およびジアミン成分単位
の合計量をそれぞれ100モル%としたときの値であ
る。そして、このような組成の組成物は、上述のような
側鎖含有ポリアミドと、芳香族ポリアミドおよび/また
は脂肪族ポリアミドとを、組成物中におけるそれぞれの
繰り返し単位が上記範囲内になるように配合し溶融混練
する。
ジカルボン酸成分単位の合計量およびジアミン成分単位
の合計量をそれぞれ100モル%としたときの値であ
る。そして、このような組成の組成物は、上述のような
側鎖含有ポリアミドと、芳香族ポリアミドおよび/また
は脂肪族ポリアミドとを、組成物中におけるそれぞれの
繰り返し単位が上記範囲内になるように配合し溶融混練
する。
【0048】ここで使用される側鎖含有ポリアミドは、
側鎖アルキル基を有する炭素原子数4〜18のアルキレ
ンジアミン成分単位を有する繰り返し単位を有していれ
ばよく、具体的には、ジカルボン酸成分単位が、テレフ
タル酸成分単位35〜100モル%、好ましくは45〜
100モル%およびテレフタル酸以外の芳香族ジカルボ
ン酸成分単位0〜65モル%、好ましくは0〜55モル
%であり、ジアミン成分単位が、炭素原子数4〜18の
直鎖アルキレンジアミン成分単位5〜95モル%および
側鎖アルキル基を有する炭素原子数4〜18のアルキレ
ンジアミン成分単位30〜90モル%、好ましくは40
〜80モル%である側鎖含有ポリアミドを挙げることが
できる。
側鎖アルキル基を有する炭素原子数4〜18のアルキレ
ンジアミン成分単位を有する繰り返し単位を有していれ
ばよく、具体的には、ジカルボン酸成分単位が、テレフ
タル酸成分単位35〜100モル%、好ましくは45〜
100モル%およびテレフタル酸以外の芳香族ジカルボ
ン酸成分単位0〜65モル%、好ましくは0〜55モル
%であり、ジアミン成分単位が、炭素原子数4〜18の
直鎖アルキレンジアミン成分単位5〜95モル%および
側鎖アルキル基を有する炭素原子数4〜18のアルキレ
ンジアミン成分単位30〜90モル%、好ましくは40
〜80モル%である側鎖含有ポリアミドを挙げることが
できる。
【0049】このような側鎖含有ポリアミドと共に混練
される直鎖状脂肪族ポリアミドとしては、ジカルボン酸
成分単位が、炭素原子数4〜20の脂肪族ジカルボン酸
成分単位であり、ジアミン成分単位が、炭素原子数4〜
18の直鎖アルキレンジアミン成分単位である脂肪族ポ
リアミドを挙げることができる。具体的にはポリヘキサ
メチレンアジパミド(6,6ナイロン)、ポリヘキサメ
チレンアゼラミド(6,9ナイロン)、ポリヘキサメチ
レンセバサミド(6,10ナイロン)、ポリヘキサメチ
レンドデカアミド(6,12ナイロン)、ポリヘキサメ
チレンジアミノブタン(4,6ナイロン)などのように
脂肪族ジカルボン酸とジアミンとの重縮合物であるポリ
アミドを挙げることができる。これらの脂肪族ポリアミ
ドの中ではポリヘキサメチレンアジパミド(6,6ナイ
ロン)が好ましい。
される直鎖状脂肪族ポリアミドとしては、ジカルボン酸
成分単位が、炭素原子数4〜20の脂肪族ジカルボン酸
成分単位であり、ジアミン成分単位が、炭素原子数4〜
18の直鎖アルキレンジアミン成分単位である脂肪族ポ
リアミドを挙げることができる。具体的にはポリヘキサ
メチレンアジパミド(6,6ナイロン)、ポリヘキサメ
チレンアゼラミド(6,9ナイロン)、ポリヘキサメチ
レンセバサミド(6,10ナイロン)、ポリヘキサメチ
レンドデカアミド(6,12ナイロン)、ポリヘキサメ
チレンジアミノブタン(4,6ナイロン)などのように
脂肪族ジカルボン酸とジアミンとの重縮合物であるポリ
アミドを挙げることができる。これらの脂肪族ポリアミ
ドの中ではポリヘキサメチレンアジパミド(6,6ナイ
ロン)が好ましい。
【0050】また、芳香族ポリアミドとしては、ジカル
ボン酸成分単位が、テレフタル酸成分単位35〜100
モル%、好ましくは45〜80モル%と、テレフタル酸
以外の芳香族ジカルボン酸成分単位0〜65モル%好ま
しくは20〜55モル%および/または炭素原子数4〜
20の脂肪族ジカルボン酸成分単位0〜55モル好まし
くは20〜50%であり、ジアミン成分単位が、炭素原
子数4〜18の直鎖アルキレンジアミン成分単位100
モル%である芳香族ポリアミドを挙げることができる。
具体的な例としては、テレフタル酸、アジピン酸および
1,6-ジアミノヘキサンから合成される芳香族ポリアミ
ド、テレフタル酸、イソフタル酸および1,6-ジアミノヘ
キサンから合成される芳香族ポリアミド、テレフタル
酸、イソフタル酸、セバシン酸および1,6-ジアミノヘキ
サンを挙げることができる。これらの中でもテレフタル
酸、アジピン酸および1,6-ジアミノヘキサンから合成さ
れる芳香族ポリアミドが好ましい。
ボン酸成分単位が、テレフタル酸成分単位35〜100
モル%、好ましくは45〜80モル%と、テレフタル酸
以外の芳香族ジカルボン酸成分単位0〜65モル%好ま
しくは20〜55モル%および/または炭素原子数4〜
20の脂肪族ジカルボン酸成分単位0〜55モル好まし
くは20〜50%であり、ジアミン成分単位が、炭素原
子数4〜18の直鎖アルキレンジアミン成分単位100
モル%である芳香族ポリアミドを挙げることができる。
具体的な例としては、テレフタル酸、アジピン酸および
1,6-ジアミノヘキサンから合成される芳香族ポリアミ
ド、テレフタル酸、イソフタル酸および1,6-ジアミノヘ
キサンから合成される芳香族ポリアミド、テレフタル
酸、イソフタル酸、セバシン酸および1,6-ジアミノヘキ
サンを挙げることができる。これらの中でもテレフタル
酸、アジピン酸および1,6-ジアミノヘキサンから合成さ
れる芳香族ポリアミドが好ましい。
【0051】本発明のポリアミド樹脂組成物において、
側鎖含有ポリアミド、芳香族ポリアミド、脂肪族ポリア
ミドのそれぞれの配合量は、組成物中におけるテレフタ
ル酸成分単位、テレフタル酸以外の芳香族ジカルボン酸
成分単位、脂肪族ジカルボン酸成分単位、側鎖含有ジア
ミン成分単位、アルキレンジアミン成分単位の量が本発
明で規定する範囲内になるように適宜設定することがで
きる。
側鎖含有ポリアミド、芳香族ポリアミド、脂肪族ポリア
ミドのそれぞれの配合量は、組成物中におけるテレフタ
ル酸成分単位、テレフタル酸以外の芳香族ジカルボン酸
成分単位、脂肪族ジカルボン酸成分単位、側鎖含有ジア
ミン成分単位、アルキレンジアミン成分単位の量が本発
明で規定する範囲内になるように適宜設定することがで
きる。
【0052】特に側鎖含有ポリアミドと上記脂肪族ポリ
アミドとを用いる場合には、側鎖含有ポリアミドは、通
常は40〜90重量%、好ましくは65〜90重量%、
脂肪族ポリアミドは通常は60〜10重量%、好ましく
は35〜10重量%の量で用いられる。また、側鎖含有
ポリアミドと上記芳香族ポリアミドを用いる場合には、
側鎖含有ポリアミドは、通常は5〜95重量%、好まし
くは20〜80重量%、芳香族ポリアミドは、通常は9
5〜5重量%、好ましくは80〜20重量%の量で用い
られる。
アミドとを用いる場合には、側鎖含有ポリアミドは、通
常は40〜90重量%、好ましくは65〜90重量%、
脂肪族ポリアミドは通常は60〜10重量%、好ましく
は35〜10重量%の量で用いられる。また、側鎖含有
ポリアミドと上記芳香族ポリアミドを用いる場合には、
側鎖含有ポリアミドは、通常は5〜95重量%、好まし
くは20〜80重量%、芳香族ポリアミドは、通常は9
5〜5重量%、好ましくは80〜20重量%の量で用い
られる。
【0053】本発明のフィルム製造に用いられるポリア
ミド樹脂組成物は、成形性に優れると共に、耐熱性も良
好であり、また吸水率も低い。なお、本発明で使用され
るポリアミドあるいはポリアミド組成物には、リン系酸
化防止剤、フェノール系酸化防止剤、アミン系酸化防止
剤、硫黄系酸化防止剤等の酸化防止剤を配合することが
できる。ポリアミドフィルムの製法 本発明のポリアミドフィルムは、公知の技術を利用して
上記のようなポリアミドをフィルム状に成形することに
より得ることができ、このフィルムは未延伸であっても
延伸されていてもよい。
ミド樹脂組成物は、成形性に優れると共に、耐熱性も良
好であり、また吸水率も低い。なお、本発明で使用され
るポリアミドあるいはポリアミド組成物には、リン系酸
化防止剤、フェノール系酸化防止剤、アミン系酸化防止
剤、硫黄系酸化防止剤等の酸化防止剤を配合することが
できる。ポリアミドフィルムの製法 本発明のポリアミドフィルムは、公知の技術を利用して
上記のようなポリアミドをフィルム状に成形することに
より得ることができ、このフィルムは未延伸であっても
延伸されていてもよい。
【0054】本発明のポリアミドフィルムが延伸フィル
ムである場合、上記ポリアミドを170℃以下の温度で
延伸することにより、機械的強度、耐熱老化性、色調、
ガスバリヤー性、高温使用時における寸法安定性に優れ
ると共に、透明性に優れたフィルムを得ることができ
る。さらに本発明において好ましい延伸温度は、120
〜165℃である。上記延伸温度が120℃に満たない
と、フィルムが破れたりして、正常な延伸フィルムを得
ることが難しくなる。一方延伸温度を170℃を超える
温度にすると、原反シートが結晶化して、同様にフィル
ムが破れたり、チャック部分でフィルム原反が切れた
り、さらにフィルムが得られる場合でも得られるフィル
ムに球晶が形成され白化する傾向が生ずる。
ムである場合、上記ポリアミドを170℃以下の温度で
延伸することにより、機械的強度、耐熱老化性、色調、
ガスバリヤー性、高温使用時における寸法安定性に優れ
ると共に、透明性に優れたフィルムを得ることができ
る。さらに本発明において好ましい延伸温度は、120
〜165℃である。上記延伸温度が120℃に満たない
と、フィルムが破れたりして、正常な延伸フィルムを得
ることが難しくなる。一方延伸温度を170℃を超える
温度にすると、原反シートが結晶化して、同様にフィル
ムが破れたり、チャック部分でフィルム原反が切れた
り、さらにフィルムが得られる場合でも得られるフィル
ムに球晶が形成され白化する傾向が生ずる。
【0055】本発明のポリアミドフィルムの成形方法と
しては、従来公知のフィルムまたはシートの製造方法を
利用して製造することができる。たとえば、上記ポリア
ミドを120℃以上の温度で4時間以上真空乾燥した
後、T−ダイまたはI−ダイ等を備えた押出機で溶融押
し出しし、急冷して未延伸フィルムまたは未延伸シート
を得、次いで170℃以下の温度で、一軸または二軸延
伸することにより、本発明のポリアミドフィルム(延伸
フィルム)を得ることができる。本発明のポリアミドフ
ィルムが延伸フィルムである場合、一軸延伸フィルムよ
りも二軸延伸フィルムの方が、透明性、機械的強度、使
用温度範囲、ガスバリヤー性等の特性が良好になる。
しては、従来公知のフィルムまたはシートの製造方法を
利用して製造することができる。たとえば、上記ポリア
ミドを120℃以上の温度で4時間以上真空乾燥した
後、T−ダイまたはI−ダイ等を備えた押出機で溶融押
し出しし、急冷して未延伸フィルムまたは未延伸シート
を得、次いで170℃以下の温度で、一軸または二軸延
伸することにより、本発明のポリアミドフィルム(延伸
フィルム)を得ることができる。本発明のポリアミドフ
ィルムが延伸フィルムである場合、一軸延伸フィルムよ
りも二軸延伸フィルムの方が、透明性、機械的強度、使
用温度範囲、ガスバリヤー性等の特性が良好になる。
【0056】また、本発明では上記のようにして延伸し
て得られる延伸フィルムを、170〜280℃の範囲内
の温度、好ましくは210〜260℃の温度でヒートセ
ットすることが好ましい。このようにヒートセットする
ことにより、延伸フィルムの耐熱性、ガスバリヤー性、
機械的強度等の特性を向上させることができる。包装材料 本発明の包装材料は、上記のようにして得られる未延伸
フィルム、一軸延伸フィルムまたは二軸延伸フィルムで
構成されている。
て得られる延伸フィルムを、170〜280℃の範囲内
の温度、好ましくは210〜260℃の温度でヒートセ
ットすることが好ましい。このようにヒートセットする
ことにより、延伸フィルムの耐熱性、ガスバリヤー性、
機械的強度等の特性を向上させることができる。包装材料 本発明の包装材料は、上記のようにして得られる未延伸
フィルム、一軸延伸フィルムまたは二軸延伸フィルムで
構成されている。
【0057】本発明において、包装材料として必要とさ
れる強度を考慮すると、30℃の濃硫酸中で測定した極
限粘度[η]が0.5〜3.0dl/gの範囲内にあるポリア
ミドを使用する。
れる強度を考慮すると、30℃の濃硫酸中で測定した極
限粘度[η]が0.5〜3.0dl/gの範囲内にあるポリア
ミドを使用する。
【0058】本発明のポリアミドフィルムの場合、特に
密度が1.16〜1.22g/ccであり、好ましくは複屈折
率が20×10-3〜200×10-3の範囲内にあり、さ
らに、この複屈折率が50×10-3〜150×10-3の
範囲内にあることが特に好ましい。
密度が1.16〜1.22g/ccであり、好ましくは複屈折
率が20×10-3〜200×10-3の範囲内にあり、さ
らに、この複屈折率が50×10-3〜150×10-3の
範囲内にあることが特に好ましい。
【0059】本発明の包装材料としては、具体的には延
伸を伴う成形方法により得られるフィルム、ボトル、コ
ップ等を挙げることができる。また、上記ポリアミドフ
ィルムをを真空成形または圧空成形して得られるトレイ
状の容器、さらには、上記ポリアミドを延伸して得られ
る有底パイプ状容器あるいはこのポリアミドからなる層
を有する有底積層パイプ状容器なども本発明の包装材料
に包含される。
伸を伴う成形方法により得られるフィルム、ボトル、コ
ップ等を挙げることができる。また、上記ポリアミドフ
ィルムをを真空成形または圧空成形して得られるトレイ
状の容器、さらには、上記ポリアミドを延伸して得られ
る有底パイプ状容器あるいはこのポリアミドからなる層
を有する有底積層パイプ状容器なども本発明の包装材料
に包含される。
【0060】本発明においては、包装材料の透明性の観
点からすると、上記ポリアミドを延伸温度120〜16
0℃の温度で延伸して得られる延伸物からなる包装材料
が好ましい。
点からすると、上記ポリアミドを延伸温度120〜16
0℃の温度で延伸して得られる延伸物からなる包装材料
が好ましい。
【0061】なお、本発明の包装材料には、上記ポリア
ミド延伸物と、その他の材料、例えば、CCP、HDP
E、PET、アルミウニウム箔なとと積層されてなる包
装材料も包含される。工業材料 本発明の工業材料は、上記ポリアミドの延伸物であって
も、未延伸物であってもよい。
ミド延伸物と、その他の材料、例えば、CCP、HDP
E、PET、アルミウニウム箔なとと積層されてなる包
装材料も包含される。工業材料 本発明の工業材料は、上記ポリアミドの延伸物であって
も、未延伸物であってもよい。
【0062】本発明にポリアミドの融点は、300℃付
近であるので、フィルムの強度が160℃まで維持され
る。また、寸法精度も高温まで優れている。本発明の工
業材料としては、HDTV用のVTRテープのベースフ
ィルム、カメラ一体型VTRテープのベースフィルムF
PC用フィルム等を挙げることができる。
近であるので、フィルムの強度が160℃まで維持され
る。また、寸法精度も高温まで優れている。本発明の工
業材料としては、HDTV用のVTRテープのベースフ
ィルム、カメラ一体型VTRテープのベースフィルムF
PC用フィルム等を挙げることができる。
【0063】本発明のポリアミドを使用することによ
り、これらのフィルムには気泡、焼けこげ等の欠陥がで
きにくい。
り、これらのフィルムには気泡、焼けこげ等の欠陥がで
きにくい。
【0064】
【発明の効果】本発明のポリアミドフィルムは、特定の
芳香族ジカルボン酸成分単位(a)と特定の脂肪族アルキ
レンジアミン成分単位(b)とを含むポリアミドから構成
されるため、機械的強度、耐熱老化性、色調、ガスバリ
ヤー性、高温使用時における寸法安定性に優れている。
芳香族ジカルボン酸成分単位(a)と特定の脂肪族アルキ
レンジアミン成分単位(b)とを含むポリアミドから構成
されるため、機械的強度、耐熱老化性、色調、ガスバリ
ヤー性、高温使用時における寸法安定性に優れている。
【0065】本発明のポリアミドフィルムは、未延伸物
であってもよいが、また延伸フィルムであってもよい。
そして、この延伸フィルムは、好適には170℃以下の
温度で延伸してさらに170〜280℃でヒートセット
することにより製造することができ、この延伸フィルム
は、上記特性に優れると共に、透明性に特に優れてい
る。
であってもよいが、また延伸フィルムであってもよい。
そして、この延伸フィルムは、好適には170℃以下の
温度で延伸してさらに170〜280℃でヒートセット
することにより製造することができ、この延伸フィルム
は、上記特性に優れると共に、透明性に特に優れてい
る。
【0066】また、本発明のポリアミドフィルムの製造
方法によれば、上記特定のポリアミドを170℃以下の
延伸温度で延伸しているので、機械的強度、耐熱老化
性、色調、ガスバリヤー性、高温使用時における寸法安
定性および透明性に優れたポリアミドフィルムを製造す
ることができる。
方法によれば、上記特定のポリアミドを170℃以下の
延伸温度で延伸しているので、機械的強度、耐熱老化
性、色調、ガスバリヤー性、高温使用時における寸法安
定性および透明性に優れたポリアミドフィルムを製造す
ることができる。
【0067】さらに、本発明の包装材料は、上記特定の
ポリアミドの延伸物あるいは未延伸物で構成されている
ため、機械的強度、耐熱老化性、色調、ガスバリヤー
性、高温使用時における寸法安定性に優れており、特に
上記特定のポリアミドを170℃以下の温度で延伸して
得られる延伸物で構成される包装材料は、上記特性だけ
でなく、透明性にも優れている。
ポリアミドの延伸物あるいは未延伸物で構成されている
ため、機械的強度、耐熱老化性、色調、ガスバリヤー
性、高温使用時における寸法安定性に優れており、特に
上記特定のポリアミドを170℃以下の温度で延伸して
得られる延伸物で構成される包装材料は、上記特性だけ
でなく、透明性にも優れている。
【0068】またさらに、本発明の工業材料は、上記ポ
リアミドの未延伸物あるいは延伸物で構成されているの
で、機械的強度、高温使用時における寸法安定性に優れ
ており、さらに、本発明のポリアミドを使用することに
より、気泡、焼けこげ等の欠陥の発生を低減することが
できる。すなわち、高温使用時の寸法安定性は、フィル
ムの融点およびガラス転移温度(Tg)が高いことによっ
て向上するが、気泡、焼けこげ等の欠陥は、ポリアミド
の融点が高すぎてこの融点とポリアミドの分解温度との
幅が狭いことにより発生しやすくなる。
リアミドの未延伸物あるいは延伸物で構成されているの
で、機械的強度、高温使用時における寸法安定性に優れ
ており、さらに、本発明のポリアミドを使用することに
より、気泡、焼けこげ等の欠陥の発生を低減することが
できる。すなわち、高温使用時の寸法安定性は、フィル
ムの融点およびガラス転移温度(Tg)が高いことによっ
て向上するが、気泡、焼けこげ等の欠陥は、ポリアミド
の融点が高すぎてこの融点とポリアミドの分解温度との
幅が狭いことにより発生しやすくなる。
【0069】本発明のフィルムを形成するポリアミドの
融点は、300℃付近であるため、高い耐熱性を示すけ
れども、欠陥が発生しにくい。
融点は、300℃付近であるため、高い耐熱性を示すけ
れども、欠陥が発生しにくい。
【0070】
【実施例】次に本発明の実施例を示して本発明をさらに
詳細に説明するが、本発明はこれら実施例によって限定
的に解釈されるべきではない。
詳細に説明するが、本発明はこれら実施例によって限定
的に解釈されるべきではない。
【0071】
【実施例1】1,6-ジアミノヘキサン205.0g(1.7
6モル)、2-メチル-1,5-ジアミノペンタン68.3g
(0.59モル)、テレフタル酸288.4g(1.74
モル)およびアジピン酸73.7g(0.50モル)と、
触媒として次亜リン酸ナトリウム0.45g(4.25×
10-3モル)と、イオン交換水65mlとを容積1リット
ルの反応器に仕込み、窒素置換後、250℃、35Kg/
cm2の条件で1時間反応を行 った。1,6-ジアミノヘキサ
ンと2-メチル-1,5-ジアミノペンタンとのモル比は7
5:25であり、テレフタル酸とアジピン酸とのモル比
は77.5:22.5である。。
6モル)、2-メチル-1,5-ジアミノペンタン68.3g
(0.59モル)、テレフタル酸288.4g(1.74
モル)およびアジピン酸73.7g(0.50モル)と、
触媒として次亜リン酸ナトリウム0.45g(4.25×
10-3モル)と、イオン交換水65mlとを容積1リット
ルの反応器に仕込み、窒素置換後、250℃、35Kg/
cm2の条件で1時間反応を行 った。1,6-ジアミノヘキサ
ンと2-メチル-1,5-ジアミノペンタンとのモル比は7
5:25であり、テレフタル酸とアジピン酸とのモル比
は77.5:22.5である。。
【0072】1時間経過後、この反応器内に生成した反
応生成物を、この反応器と連結され、かつ圧力を約10
Kg/cm2低く設定した受器に抜き出し、極限粘度(30
℃濃硫酸中で測定、以下同様)[η]が0.15dl/gの
ポリアミド前駆体572gを得た。
応生成物を、この反応器と連結され、かつ圧力を約10
Kg/cm2低く設定した受器に抜き出し、極限粘度(30
℃濃硫酸中で測定、以下同様)[η]が0.15dl/gの
ポリアミド前駆体572gを得た。
【0073】次いで、このポリアミド前駆体を乾燥し、
二軸押出機を用いてシリンダー設定温度330℃で溶融
重合して芳香族ポリアミドを得た。この芳香族ポリアミ
ドの組成は次の通りである。
二軸押出機を用いてシリンダー設定温度330℃で溶融
重合して芳香族ポリアミドを得た。この芳香族ポリアミ
ドの組成は次の通りである。
【0074】ジアミン成分単位中における1,6-ジアミノ
ヘキサン成分単位含有率は、75モル%、2-メチル-1,5
-ジアミノペンタン成分単位含有率は、25モル%であ
る。ジカルボン酸成分単位中におけるテレフタル酸成分
単位含有率は、77.5モル%、アジピン酸成分単位含
有率は、22.5モル%である。
ヘキサン成分単位含有率は、75モル%、2-メチル-1,5
-ジアミノペンタン成分単位含有率は、25モル%であ
る。ジカルボン酸成分単位中におけるテレフタル酸成分
単位含有率は、77.5モル%、アジピン酸成分単位含
有率は、22.5モル%である。
【0075】こうして得られたペレットを用いて射出成
形試験片を調製し、この試験片について、以下の項目を
測定した。融点、ガラス転移温度、結晶化温度:DSC
法により測定した(昇温速度=10℃/min)。
形試験片を調製し、この試験片について、以下の項目を
測定した。融点、ガラス転移温度、結晶化温度:DSC
法により測定した(昇温速度=10℃/min)。
【0076】吸水率:厚さ3.2mmtの試験片(射出成形に
より作成)を用い、23℃の水中で24時間浸漬後の重量変
化を測定した。 結晶化度:射出成形試験片を用い、X線回折法にて測定
した。
より作成)を用い、23℃の水中で24時間浸漬後の重量変
化を測定した。 結晶化度:射出成形試験片を用い、X線回折法にて測定
した。
【0077】測定結果を表1に示す。
【0078】
【実施例2】1,6-ジアミノヘキサン139.3g(1.2
0モル)、2-メチル-1,5-ジアミノペンタン139.3g
(1.20モル)、テレフタル酸365.5g(2.2モ
ル)と、触媒として次亜リン酸ナトリウム0.55g
(5.2×10-3モル)と、イオン交換水64mlとを容
量1リットルの反応器に仕込み、窒素置換後、250
℃、35kg/cm2の条件で1時間反応を行った。1,6-ジア
ミノヘキサンと2-メチル-1,5-ジアミノペンタンとのモ
ル比は50:50である。
0モル)、2-メチル-1,5-ジアミノペンタン139.3g
(1.20モル)、テレフタル酸365.5g(2.2モ
ル)と、触媒として次亜リン酸ナトリウム0.55g
(5.2×10-3モル)と、イオン交換水64mlとを容
量1リットルの反応器に仕込み、窒素置換後、250
℃、35kg/cm2の条件で1時間反応を行った。1,6-ジア
ミノヘキサンと2-メチル-1,5-ジアミノペンタンとのモ
ル比は50:50である。
【0079】1時間経過後、この反応器内に生成した反
応生成物を、この反応器と連結され、かつ圧力を約10
kg/cm2低く設定した受器に抜き出し、極限粘度[η]が
0.15dl/gのポリアミド前駆体561gを得た。
応生成物を、この反応器と連結され、かつ圧力を約10
kg/cm2低く設定した受器に抜き出し、極限粘度[η]が
0.15dl/gのポリアミド前駆体561gを得た。
【0080】次いで、このポリアミド前駆体を乾燥し、
二軸押出機を用いてシリンダー設定温度330℃で溶融
重合して芳香族ポリアミドを得た。この芳香族ポリアミ
ドの組成は次の通りである。
二軸押出機を用いてシリンダー設定温度330℃で溶融
重合して芳香族ポリアミドを得た。この芳香族ポリアミ
ドの組成は次の通りである。
【0081】ジアミン成分単位中における1,6-ジアミノ
ヘキサン成分単位含有率は、50モル%、2-メチル-1,5
-ジアミノペンタン成分単位含有率は、50モル%であ
る。この芳香族ポリアミドについて、実施例1と同様の
物性評価を行った。結果を表1に示す。
ヘキサン成分単位含有率は、50モル%、2-メチル-1,5
-ジアミノペンタン成分単位含有率は、50モル%であ
る。この芳香族ポリアミドについて、実施例1と同様の
物性評価を行った。結果を表1に示す。
【0082】
【比較例1】1,6-ジアミノヘキサン269.3g(2.3
2モル)、テレフタル酸205.6g(1.24モル)お
よびアジピン酸148.0g(1.01モル)と、触媒と
して次亜リン酸ナトリウム0.48g(4.50×10-3
モル)と、分子量調節剤として安息香酸3.43g(2.
81×10-2モル)と、イオン交換水62mlとを容量1
リットルの反応器に仕込み、窒素置換後、250℃、3
5kg/cm2の条件で1時間反応を行った。テレフタル酸と
アジピン酸とのモル比は55:45である。
2モル)、テレフタル酸205.6g(1.24モル)お
よびアジピン酸148.0g(1.01モル)と、触媒と
して次亜リン酸ナトリウム0.48g(4.50×10-3
モル)と、分子量調節剤として安息香酸3.43g(2.
81×10-2モル)と、イオン交換水62mlとを容量1
リットルの反応器に仕込み、窒素置換後、250℃、3
5kg/cm2の条件で1時間反応を行った。テレフタル酸と
アジピン酸とのモル比は55:45である。
【0083】1時間経過後、この反応器内に生成した反
応生成物を、この反応器と連結され、かつ圧力を約10
kg/cm2低く設定した受器に抜き出し、極限粘度[η]が
0.15dl/gのポリアミド前駆体559gを得た。
応生成物を、この反応器と連結され、かつ圧力を約10
kg/cm2低く設定した受器に抜き出し、極限粘度[η]が
0.15dl/gのポリアミド前駆体559gを得た。
【0084】次いで、このポリアミド前駆体を乾燥し、
二軸押出機を用いてシリンダー設定温度330℃で溶融
重合して芳香族ポリアミドを得た。この芳香族ポリアミ
ドの組成は次の通りである。
二軸押出機を用いてシリンダー設定温度330℃で溶融
重合して芳香族ポリアミドを得た。この芳香族ポリアミ
ドの組成は次の通りである。
【0085】ジカルボン酸成分単位中におけるテレフタ
ル酸成分単位含有率は、55モル%、アジピン酸成分単
位含有率は、45モル%である。この芳香族ポリアミド
について、実施例1と同様の物性評価を行った。結果を
表1に示す。
ル酸成分単位含有率は、55モル%、アジピン酸成分単
位含有率は、45モル%である。この芳香族ポリアミド
について、実施例1と同様の物性評価を行った。結果を
表1に示す。
【0086】
【実施例3】比較例1で製造した[η]が0.15dl/
gのポリアミド前駆体と、比較例2で製造した[η]が
0.15dl/gのポリアミド前駆体とをそれぞれ乾燥し
た後、50:50の重量比でブレンドし、二軸押出機を
用いてシリンダー設定温度330℃で溶融重合させて側
鎖にメチル基を有する芳香族ポリアミドを得た。
gのポリアミド前駆体と、比較例2で製造した[η]が
0.15dl/gのポリアミド前駆体とをそれぞれ乾燥し
た後、50:50の重量比でブレンドし、二軸押出機を
用いてシリンダー設定温度330℃で溶融重合させて側
鎖にメチル基を有する芳香族ポリアミドを得た。
【0087】この芳香族ポリアミドの組成は次の通りで
ある。ジアミン成分単位中における1,6-ジアミノヘキサ
ン成分単位含有率は、75モル%、2-メチル-1,5-ジア
ミノペンタン成分単位含有率は、25モル%である。
ある。ジアミン成分単位中における1,6-ジアミノヘキサ
ン成分単位含有率は、75モル%、2-メチル-1,5-ジア
ミノペンタン成分単位含有率は、25モル%である。
【0088】ジカルボン酸成分単位中におけるテレフタ
ル酸成分単位含有率は、77.5モル%、アジピン酸成
分単位含有率は、22.5モル%である。この芳香族ポ
リアミドについて、実施例1と同様の物性評価を行っ
た。結果を表1に示す。
ル酸成分単位含有率は、77.5モル%、アジピン酸成
分単位含有率は、22.5モル%である。この芳香族ポ
リアミドについて、実施例1と同様の物性評価を行っ
た。結果を表1に示す。
【0089】
【比較例2】1,6-ジアミノヘキサン269.3g(2.3
2モル)、テレフタル酸167.5g(1.01モル)お
よびアジピン酸181.7g(1.24モル)と、触媒と
して次亜リン酸ナトリウム0.48g(4.50×10-3
モル)と、分子量調節剤として安息香酸3.43g(2.
81×10-2モル)と、イオン交換水62mlとを容量1
リットルの反応器に仕込み、窒素置換後、250℃、3
5kg/cm2の条件で1時間反応を行った。テレフタル酸と
アジピン酸とのモル比は45:55である。
2モル)、テレフタル酸167.5g(1.01モル)お
よびアジピン酸181.7g(1.24モル)と、触媒と
して次亜リン酸ナトリウム0.48g(4.50×10-3
モル)と、分子量調節剤として安息香酸3.43g(2.
81×10-2モル)と、イオン交換水62mlとを容量1
リットルの反応器に仕込み、窒素置換後、250℃、3
5kg/cm2の条件で1時間反応を行った。テレフタル酸と
アジピン酸とのモル比は45:55である。
【0090】1時間経過後、この反応器内に生成した反
応生成物を、この反応器と連結され、かつ圧力を約10
kg/cm2低く設定した受器に抜き出し、極限粘度[η]が
0.16dl/gのポリアミド前駆体544gを得た。
応生成物を、この反応器と連結され、かつ圧力を約10
kg/cm2低く設定した受器に抜き出し、極限粘度[η]が
0.16dl/gのポリアミド前駆体544gを得た。
【0091】次いで、このポリアミド前駆体を乾燥し、
二軸押出機を用いてシリンダー設定温度330℃で溶融
重合して芳香族ポリアミドを得た。この芳香族ポリアミ
ドの組成は次の通りである。
二軸押出機を用いてシリンダー設定温度330℃で溶融
重合して芳香族ポリアミドを得た。この芳香族ポリアミ
ドの組成は次の通りである。
【0092】ジカルボン酸成分単位中におけるテレフタ
ル酸成分単位含有率は、45モル%、アジピン酸成分単
位含有率は、55モル%である。この芳香族ポリアミド
について、実施例1と同様の物性評価を行った。結果を
表1に示す。
ル酸成分単位含有率は、45モル%、アジピン酸成分単
位含有率は、55モル%である。この芳香族ポリアミド
について、実施例1と同様の物性評価を行った。結果を
表1に示す。
【0093】
【実施例4〜6】実施例2で製造した側鎖にメチル基を
有するポリアミドと、比較例1で製造したポリアミドと
を、表1に示す重量比で溶融混練し、アミド交換反応を
起こさせることにより側鎖にメチル基を有する芳香族ポ
リアミドを得た。
有するポリアミドと、比較例1で製造したポリアミドと
を、表1に示す重量比で溶融混練し、アミド交換反応を
起こさせることにより側鎖にメチル基を有する芳香族ポ
リアミドを得た。
【0094】これらの芳香族ポリアミドの成分単位組成
は表2の通りである。これらの芳香族ポリアミドについ
て、実施例1と同様の物性評価を行った。結果を表2に
示す。
は表2の通りである。これらの芳香族ポリアミドについ
て、実施例1と同様の物性評価を行った。結果を表2に
示す。
【0095】
【表1】
【0096】
【表2】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // B29K 77:00 B29L 7:00
Claims (5)
- 【請求項1】 ジカルボン酸成分単位とジアミン成分単
位とからなる繰り返し単位から形成されるポリアミドか
らなるフィルムであって、 該ジカルボン酸成分単位が、テレフタル酸成分単位35
〜100モル%と、テレフタル酸以外の芳香族ジカルボ
ン酸成分単位0〜65モル%および/または炭素原子数
4〜20の脂肪族ジカルボン酸成分単位0〜55モル%
とからなり、 該ジアミン成分単位が、炭素原子数4〜18の直鎖アル
キレンジアミン成分単位20〜90モル%および側鎖ア
ルキル基を有する炭素原子数4〜18のアルキレンジア
ミン成分単位10〜80モル%からなり、 かつ融点が280〜315℃の範囲内にあり、 30℃の濃硫酸中で測定した極限粘度[η]が0.5〜
3.0dl/gの範囲内にあり、 密度が1.16〜1.22g/ccの範囲内にあることを特徴
とするポリアミドフィルム。 - 【請求項2】 ジカルボン酸成分単位とジアミン成分単
位とからなる繰り返し単位から形成されるポリアミドを
製造する方法であって、 該ジカルボン酸成分単位が、テレフタル酸成分単位35
〜100モル%と、テレフタル酸以外の芳香族ジカルボ
ン酸成分単位0〜65モル%および/または炭素原子数
4〜20の脂肪族ジカルボン酸成分単位0〜55モル%
とからなり、 該ジアミン成分単位が、炭素原子数4〜18の直鎖アル
キレンジアミン成分単位20〜90モル%および側鎖ア
ルキル基を有する炭素原子数4〜18のアルキレンジア
ミン成分単位10〜80モル%からなり、 かつ融点が280〜315℃の範囲内にあり、 30℃の濃硫酸中で測定した極限粘度[η]が0.5〜
3.0dl/gの範囲内にあり、 密度が1.16〜1.22g/ccの範囲内にあるポリアミド
フィルム原反を、複屈折率が20×10-3〜200×10-3
の範囲内になるように、170℃以下の温度に加熱下に
延伸することを特徴とするポリアミドフィルムの製法。 - 【請求項3】 上記ポリアミドフィルム原反を加熱下に
延伸した後、得られた延伸フィルムを170℃を超え2
80℃以下の温度でヒートセットすることを特徴とする
請求項第2項記載のポリアミドフィルムの製法。 - 【請求項4】 請求項第1項に記載されたフィルムから
なる包装材料。 - 【請求項5】 請求項第1項に記載されたフィルムから
なる工業材料。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP15633795A JPH093215A (ja) | 1995-06-22 | 1995-06-22 | ポリアミドフィルム、その製法および用途 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP15633795A JPH093215A (ja) | 1995-06-22 | 1995-06-22 | ポリアミドフィルム、その製法および用途 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH093215A true JPH093215A (ja) | 1997-01-07 |
Family
ID=15625573
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP15633795A Pending JPH093215A (ja) | 1995-06-22 | 1995-06-22 | ポリアミドフィルム、その製法および用途 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH093215A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009524711A (ja) * | 2006-01-26 | 2009-07-02 | ディーエスエム アイピー アセッツ ビー.ブイ. | 半結晶性半芳香族ポリアミド |
JP2012515244A (ja) * | 2009-01-16 | 2012-07-05 | ディーエスエム アイピー アセッツ ビー.ブイ. | フレキシブルプリント回路基板用ポリアミドフィルム |
JP2012515243A (ja) * | 2009-01-16 | 2012-07-05 | ディーエスエム アイピー アセッツ ビー.ブイ. | 透明なフィルム |
JP2015151446A (ja) * | 2014-02-13 | 2015-08-24 | 三菱樹脂株式会社 | ポリアミド系樹脂組成物及びポリアミド系樹脂延伸フィルム |
-
1995
- 1995-06-22 JP JP15633795A patent/JPH093215A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009524711A (ja) * | 2006-01-26 | 2009-07-02 | ディーエスエム アイピー アセッツ ビー.ブイ. | 半結晶性半芳香族ポリアミド |
JP2012515244A (ja) * | 2009-01-16 | 2012-07-05 | ディーエスエム アイピー アセッツ ビー.ブイ. | フレキシブルプリント回路基板用ポリアミドフィルム |
JP2012515243A (ja) * | 2009-01-16 | 2012-07-05 | ディーエスエム アイピー アセッツ ビー.ブイ. | 透明なフィルム |
JP2015151446A (ja) * | 2014-02-13 | 2015-08-24 | 三菱樹脂株式会社 | ポリアミド系樹脂組成物及びポリアミド系樹脂延伸フィルム |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
EP1046674B1 (en) | Polyester resin composition | |
AU649710B2 (en) | Polyamide resin composition and film therefrom | |
EP0879265B1 (en) | Polyester/polyesteramide blends | |
JP2007077403A (ja) | 改良された風味保持性及び透明度を有するポリエステル/ポリアミドブレンド | |
WO1993023474A1 (en) | Copolyester/polyamide blend having improved flavor retaining property and clarity | |
CA2334828A1 (en) | Polyester / phenylenedi (oxyacetic acid) copolyester blends having improved gas barrier properties | |
TW449613B (en) | Thermoplastic resin compositions containing non-crystalline polyimide | |
WO1988001283A1 (en) | Aromatic polyamides and agents for imparting gas barrier properties to them | |
JPH03115460A (ja) | ガス遮断性の改良されたポリアミド組成物 | |
JPH01201326A (ja) | ポリエステル成形材料及び成形品 | |
JP7028790B2 (ja) | 低減したガス透過性を備えるポリエステル容器及びフィルム | |
TWI492963B (zh) | 熱收縮性膜 | |
EP0702705A1 (en) | Polyester/zeolite admixtures | |
JPH093215A (ja) | ポリアミドフィルム、その製法および用途 | |
JP2001514681A (ja) | 風味保持性の改良されたナフタレンジカルボキシレート含有ポリエステル/ポリアミドブレンド | |
JP2863570B2 (ja) | 共重合ポリエチレンテレフタレートおよびその用途 | |
US20120126454A1 (en) | Block copolymers comprising poly(1,3-trimethylene terephthalate) and poly(1,3-trimethylene 2,6-naphthalate) | |
JP3770147B2 (ja) | ポリエステル組成物および中空成形体 | |
JPS61276852A (ja) | ポリエステル組成物 | |
JP2003201390A (ja) | ポリエステル中空成形体 | |
JPS6147337A (ja) | ガスバリヤ−性に優れたプラスチツク容器 | |
KR101917864B1 (ko) | 내한성이 향상된 pet 보틀 | |
JP2003342456A (ja) | ポリエステル組成物及びそれからなる成形体 | |
JP2003082206A (ja) | ポリエステル組成物及びそれからなる成形体 | |
JP2002114892A (ja) | ポリエステル樹脂組成物 |